JP3274978B2 - ポリブタジエンゴムラテックス用凝集剤の製造方法 - Google Patents

ポリブタジエンゴムラテックス用凝集剤の製造方法

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JP3274978B2
JP3274978B2 JP00033797A JP33797A JP3274978B2 JP 3274978 B2 JP3274978 B2 JP 3274978B2 JP 00033797 A JP00033797 A JP 00033797A JP 33797 A JP33797 A JP 33797A JP 3274978 B2 JP3274978 B2 JP 3274978B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリブタジエンゴム
ラテックスを製造する方法に関する。より具体的には、
本発明は、ポリブタジエンゴムラテックス製造する場合
にブタジエンの重合反応と重合されたポリブタジエンの
凝集反応にかかる反応時間を短縮することができるポリ
ブタジエンゴムラテックスを製造するための方法に関す
る。さらに、本発明はポリブタジエンゴムラテックスを
効果的に凝集するための凝集剤及びその製造方法にも関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般的
に耐衝撃樹脂の衝撃補強剤として用いられるゴムラテッ
クスを製造するためにはゴム粒子を凝集させる凝集剤が
用いられる。また、ゴム粒子を凝集させる色々な方法な
どがゴムラテックスを製造するために用いられている。
【0003】例えば、耐衝撃樹脂の代表的な例としてA
BSを製造する場合、ポリブタジエンゴム粒子を凝集剤
で凝集させた後、そのゴムラテックスにスチレンとアク
リロニトリル単量体をグラフト重合させ凝集させ、再び
その凝集されたグラフト重合体にメトリクス相を成され
るSAN(スチレンーアクリロニトリル)共重合体を混
練させABS樹脂を製造する。この場合、ゴムラテック
スの粒子の大きさは最終製品であるABS樹脂の成形品
の耐衝撃性に直接な影響を与える他、外の物性にも相当
な影響を与えることが知られている。
【0004】一般的に耐衝撃樹脂の衝撃補強剤として用
いるゴムラテックスは、その粒子の粒径が0.25〜
1.0μmの範囲が望ましい。こうした大きさの粒径を
持つゴムラテックスを製造するための凝集剤及びその凝
集剤の製造方法、またはゴムラテックスの凝集方法に対
して多くの研究が進められている。
【0005】日本特許出願公告昭56ー45921号に
は、炭素数1〜12のアクリル酸アルキル97〜70重
量%と不飽和酸3〜30重量%との混合物を界面活性剤
の存在下で重合させ、得られたラテックスを利用し合成
ゴムラテックスの粒子の直径を大きくする方法が開示さ
れている。
【0006】日本特許出願公開昭58ー61102号に
は、不飽和酸、アクリル酸アルキル及びこれらと重合可
能な単量体を乳化重合により重合させた凝集剤としての
ラテックスとその製造方法が開示されている。
【0007】日本特許出願公告平1ー32842には、
不飽和酸、ジエン単量体及びこれらと重合可能な単量体
を乳化重合により重合させた凝集剤としてのラテックス
とその製造方法が開示されている。
【0008】米国特許第3、049、500号には、ア
ルカリ塩電解質存在下でポリビニルメチルエーテルを合
成ゴムラテックスに加え、そのラテックスの粒子の大き
さを大きくする凝集方法が開示されている。
【0009】米国特許第3、330、795号には、合
成ゴム分散液の固形分粒子が3、000ないし30、0
00の分子量を持って8%以下の−C=O基含量を持つ
酸化されたポリアルキレンを加え凝集させた新規なラテ
ックスが開示されている。
【0010】米国特許第3、403、125号には、エ
ピクロロヒドリンと多価(アルコール)フェノールを縮
合させ生成されたジェポキシドをポリオキシエチレング
リコールと反応させ得った凝集剤を使ってゴムラテック
スを凝集させる方法が開示されている。
【0011】ヨーロッパ特許出願公開第0、029、6
13A1号には、凝集しようとするゴムラテックスに、
(a)炭素数1〜12個のアルコル酸アルキルとメタク
リル酸エステルのホモポリマー及び(b)水に溶解され
ないホモポリマーを形成させられるエチレン系不飽和単
量体らの共重合体から選択された(1)重合体は(2)
非イオン系界面活性剤を含まれる凝集ラテックスを加え
て前記のゴムラテックスの凝集を行う方法が開示されて
いる。
【0012】ヨーロッパ特許出願公開第0、143、8
58A1号には、(i)エステル単量体と(ii)エチレ
ン系不飽和カルボン酸の混合物から成される(a)殻
(shell)物質(b)痰性物質とからなる核(co
re)物質から成される凝集剤が開示されている。
【0013】ヨーロッパ特許出願公開第0、406、8
06A2号には酸基を含むラテックス内の共重合体、及
びオキシ酸のアルカリ金属、アルカリ土金属、亜鉛、ニ
ッケル及びアルミニウム塩とから成される郡から選択さ
れた最少的な一つのオキシ酸塩ら選択された凝集剤は、
これを利用したゴムラテックスの凝集方法が開示されて
いる。
【0014】アクリル酸アルキル系凝集剤をゴムラテッ
クスの凝集剤として用いる場合には、アクリル酸アルキ
ル系の酷い発熱反応により半回灰分式の方法が用いられ
る。しかし、この方法は反応中には制熱効果は良好であ
るが、均一な核生成が行われないため最終ラテックス粒
子の大きさの分布が広がる。
【0015】ゴムラテックスを凝集させる凝集剤を製造
するためにイオン性共単量体を用いる場合には、そのイ
オン性共単量体が製造される凝集剤の表面に分布される
と凝集効果が高い。従来の方法により製造された凝集剤
は、イオン性共単量体が凝集剤の表面に存在しないまま
粒子の中心に埋められることがある。
【0016】本発明者らは前記のような従来の凝集剤が
持つ短所を改善して、ゴムラテックスを効果的に速い時
間の内(短時間で)凝集させられる凝集剤を開発するに
至った。
【0017】米国特許第5、294、659号には、ブ
タジエンとアリルオレフィン共単量体で構成される単量
体及び石鹸(soap)を含まれる乳化重合媒質を提供
し、重合過程中に前記の乳化重合媒質にアクリック(a
crylic)ラテックスを加えるのを特徴とするブタ
ジエンの乳化重合方法が開示されている。
【0018】また、韓国特許公告第94ー10341号
には重合転化率が80%になる時間のあいだ重合物を凝
集させられるジエン系単量体と水溶性単量体で構成され
た粒子径調節剤ラテックス0.1ないし10重量部を加
え大口径ゴムラテックスを製造する方法が開示されてお
り、韓国特許公告第96ー854号には乳化重合媒質の
存在下でアリルオレフィン化合物またはアルキルメタク
リル酸エステル化合物を単独でまたはシアン化ビニル化
合物と共に反応させて、重合体転化率が5ないし50%
に至ると油化重合媒質にアクリル系粒子径調節剤ラテッ
クス0.1ないし10の重量部を加えて増えた粒径、高
い固形分含量及び高い遊離転移温度を持つラテックスを
製造する方法が開示されている。
【0019】しかしながら、今までの従来のゴムラテッ
クスの製造方法では特定の与えれた温度と固形分を考慮
すると大粒径を持つラテックスの製造が難しく、特に特
定の与えられた固形分から重合時間が長くかかってしま
い、生産的及び経済的な側面でも有利ではなかった。
【0020】従って、本発明者らは特定の与えられた温
度と固形分で大粒径を持つラテックスを製造することが
でき、又、重合時間を短縮させ生産性を増大することが
できるゴムラテックスの製造方法を開発に至った。
【0021】本発明の目的は、ポリブタジエンラテック
ス製造する場合にブタジエンの重合反応と重合されたポ
リブタジエンの凝集反応にかかる反応時間を短縮させら
れるポリブタジエンゴムラテックスを製造するための方
法を提供するものである。
【0022】本発明の他の目的は、特定に与えられた温
度と固形分含量から大粒径を持つポブタジエンゴムラテ
ックスを製造するための方法を提供するものである。
【0023】本発明の他の目的は、固形成分含量を維持
しながら重合反応時間を短縮させ生性を向上させられる
ブタジエンゴムラテックスを製造するための方法を提供
するものである。
【0024】本発明の他の目的は、凝集塊(coagu
lum)の生成が減少するため樹脂組成物に適用すると
良好な耐衝撃性を期待さられるポリブタジエンゴムラテ
ックスを提供することである。
【0025】本発明のさらに他の目的は、ゴムラテック
スを効果的に凝集させるために凝集剤表面にアクリル酸
アルキルと共重合形態を成す機能性単量体が多くの量と
して存在出来るような凝集剤を提供することである。
【0026】本発明の更に他の目的は、凝集剤表面にア
クリル酸アルキルと共重合形態成す機能性単量体である
イオン性共単量体が多い量として存在出来る凝集剤を製
造するための方法を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明のポリブタジエン
ゴムラテックス製造方法は、水、ブタジエン単量体、界
面活性剤、連鎖移動剤、開始剤、及び電解質を加え60
〜80℃の重合温度8〜16時間の間の転化率が80
〜100%なるように重合して乳化重合媒質を形成
し、前記の重合段階で生成されたゴムラテックスの固形
分含量は35〜45%でその粒子の大きさは1000〜
3500オングストロームであり、前記の乳化重合媒質
に界面活性剤と本発明の製造方法により製造される凝集
剤を順次に投入し前記の重合温度より5〜20℃上昇
せた温度4〜12時間の間凝集させる段階から成るこ
とを特徴とする。
【0028】前記の界面活性剤は重合段階でポリブタジ
エンゴムラテックスの粒子の大さは3000〜1500
0オングストロームの範囲である。
【0029】前記の界面活性剤は重合段階でブタジエン
段量体100の重量部に対して0.5〜3.0重量部が
用いられる、凝集段階で0.1〜2.5の重量部が用い
られる。
【0030】重合段階でブタジエン単量体100の重量
部に対して0.3〜1.0の重量部連鎖移動剤と0.3
〜1.5の重量部の電解質が用いられる。
【0031】凝集段階ではブタジエン段量体100重量
部に対して0.1〜5重量部の凝集剤が投入される。
【0032】本発明によるポリブタジエンゴムラテック
スは12〜28時間のあいだ、全て製造さられるため製
造時間を短縮できるし、凝集塊(coagulum)の
生成が殆どないので良好な耐衝撃性を持つ樹脂組成物を
期待される。
【0033】本発明の凝集剤はゴムラテックスを凝集さ
せるための凝集効果が良好な凝集剤として、アクリル酸
アルキル、イオン性共単量体、陰イオン性界面活性剤陰
イオン性開始剤を含む。
【0034】本発明の凝集剤は炭素数1〜12のアクリ
ル酸アルキル、陰イオン性界面活性剤及び陰イオン性開
始剤を転化率が90%以上になるよう回分式重合により
凝集核を形成する第1段階、前記の第1段階の重合物に
アクリル酸アルキルとイオン性共単量体を投入させ半回
分式重合により凝集剤を成長させる第2次開始剤を投入
させ凝集剤表面に機能性単量体であるイオン性共単量体
が共重合なるようにするための第3段階の工程により製
造される。
【0035】本発明の凝集剤はアクリル酸アルキル10
0の重量部に対して、0.1〜0.5の重量部のイオン
性共段量体、0.5〜4.0の重量部の陰イオン性界面
活性剤、及び0.3〜2.0重量部の陰イオン性開始剤
を含まれる。
【0036】アクリル酸アルキルは全体の約5%未満が
第1段階で用いる、全体の約90%程度が第2段階で用
いる、残りアクリル酸アルキルが第3段階で用いられ
る。
【0037】イオン性共単量体は全体の5〜20%が第
2段階で用いられ、全体の約80〜95%が第3段階で
用いられる。
【0038】陰イオン性開始剤は全体の約90〜70%
が第1段階で用いれ、全体の10〜30%が第3段階で
用いられる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0040】本発明のポリブタジエンゴムラテクッスの
製造方法は、ブタジエンの乳化重合媒質を製造する重合
工程と、重合段階で生成されたゴムラテックスを凝集さ
せる凝集工程とからなるものである。
【0041】本発明のポリブタジエンゴムラテックス製
造方法は、水、ブタジエン単量体界面活性剤、連鎖移動
剤、開始剤、及び電解質を加え60〜80℃の重合温度
から8〜16時間の間の転化率が80〜100%なる
ように重合させる。
【0042】前記の重合段階で生成されたゴムラテック
スの固形分含量35〜45%なるようにブタジエン
単量体を投入する。一般的にポリブタジエンラテックス
の重合において固形分含量が増加することにより重合時
間も増える。従って本発明では比較的短い時間のうちブ
タジエンを重合させられるし、適切な生産性を現わせる
ようにポリブタジエンラテックスの固形分含量を35〜
45%になるようにした。
【0043】重合段階で重合されたポリブタジエンゴム
ラテックスの粒子の大きさは1000〜3500オング
ストロームの範囲が望ましい。
【0044】本発明で用いる界面活性剤の代表的な例と
しては、硫酸ラウリルナトリウム、オレイン酸カリウム
及びロジーンセッケンがあり、通常これらの水溶液状態
で用いる。重合段階で用いる界面活性剤はブタジエン単
量体100の重量部に対して0.5〜3.0重量部の量
として用いる。界面活性剤は下記の凝集段階でも用いら
れるが、重合段階での界面活性剤の役割は適切なポリブ
タジエンラテックスの一次の粒子の大きさを形成するた
めのもので、凝集段階での役割は凝集の時の安定性を加
えるためである。
【0045】連鎖移動剤の代表的な例としては、ter
t−ドデシルメルカプタンン、メチルメルカプタン及び
tert−ブチルメルカプタンがある。ブタジエン単量
体100重量部に対して0.3〜1.0重量部の連鎖移
動剤を用いるのが望ましい。
【0046】連鎖移動剤が前記使用範囲よりより少ない
場合と、より多い場合はゴムラテックスの凝集時の粒子
形態を形良くできないし、後工程であるABS(アクリ
ロニトリルーブタジエンースチレン)重合でラテックス
粒子の形態を調節し難い。電解質の代表的な例としては
炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム及びリン酸三石炭が
ある。ブタジエン単量体100の重量部に対して0.3
〜1.5重量部の電解質を用いるのが望ましい。電解質
の前記の使用量は凝集されるラテックスの粒子の大きさ
及び大きさの分布を良好に調節できるしラテックスの安
定性を加えられるようにする。前記のように、乳化重合
をするための水、ブタジエン単量体、界面活性剤、連鎖
移動剤、及び電解質を加えてから60〜80℃の重合温
度に上昇させる。重合温度に上昇すると炭酸カリウムの
ような開始剤を投入させ重合反応を進ませる。開始剤の
使用はこの分野で通常の知識を持つ者により容易く実施
される。
【0047】前記の重合条件から転化率が80〜100
%になるように8〜16時間にかけて重合させ1000
〜3500オングストロームの粒子の大きさを持つポリ
ブタジエンゴムラテックスを製造する。前記要件の重合
が進行された乳化重合媒質に凝集剤と界面活性剤を投入
させて温度を重合温度より5〜20℃上昇させ4〜12
時間にかけてポリブタジエンゴムラテックスを凝集させ
る。
【0048】前記の凝集段階で用いる凝集剤はアクリル
酸アルキル、イオン性共単量体、陰イオン性界面活性剤
及び陰イオン性開始剤を含量する凝集剤である。本発明
で用いる凝集剤は炭素数1〜12のアクリル酸アルキ
ル、陰イオン性界面活性剤及び陰イオン性開始剤を転化
率が90%以上になるよう回分式重合によって凝集核を
形成する第1段階、前記の第1段階の重合物にアクリル
酸アルキル、イオン性共単量体を投入させ半回分式重合
により凝集剤を成長させる第2段階、及び前記の第2段
階の重合物にアクリル酸アルキル、イオン性共段量体及
び第2次開始剤を投入させ凝集剤表面に機能性単量体で
あるイオン性共単量体が共重合されるようにするための
第3段階の工程により製造される。
【0049】本発明の凝集剤はアクリル酸アルキル10
0の重量部に対して、0.1〜0.5の重量部のイオン
性共段量体、0.5〜4.0の重量部の陰イオン性界面
活性剤、及び0.3〜2.0重量部の陰イオン性開始剤
を含まれる。アクリル酸アルキルは全体の約5%未満が
第1段階で用いられ、全体の約90%程度が第2段階で
用いる、残りアクリル酸アルキルが第3段階で用いられ
る。イオン性共単量体は全体の5〜20%が第2段階で
用いられ、全体の約80〜95%が第3段階で用いる。
陰イオン性開始剤は全体の約90〜70%が第1段階で
用いられ、全体の10〜30%が第3段階で用いられ
る。
【0050】第1段階ではアクリル酸アルキルに陰イオ
ン性界面活性剤を用いる。アクリル酸アルキルは全体で
用いるアクリル酸アルキルの中で5%未満のアクリル酸
アルキルを第1段階で用いる。第1段階工程では全体工
程で用いるアクリル酸アルキルの中で5%未満のアクリ
ル酸アルキルを用いられて回分式で重合させられると核
(seed)を形成して、そうすると凝集剤の粒子の大
きさの分布が広がるのを防げ、粒子の大きさが均一な凝
集剤を製造できる。陰イオン開始剤は全体の工程で用い
るアクリル酸アルキル100の重量部に対して0.3〜
2.0重量部が用いられ、その中で70〜90%が第1
段階で用いられる。
【0051】第2段階では前記の第1段階の重合物にア
クリル酸アルキルとイオン性共単量体を投入させ半回分
式重合によって凝集剤を成長させる。イオン性共単量体
は凝集剤の表面に存在する機能性単量体である。アクリ
ル酸アルキルは全体の工程で用いるアクリル酸アルキル
の約90%程度が第2段階で用いる。イオン性共単量体
は全体の工程で用いるアクリル酸アルキル100の重量
部に対して0.1〜0.5重量部が用いられ、その中で
5〜20%が第2段階で用いられる。第2段階では凝集
剤の大きさを成長させる段階として、アクリル酸アルキ
ルの重合反応過程で発生する反応熱を調節できるように
重合反応熱と外界に放出される放出熱との均衡を維持す
るように単量体の投入速度を調節しなければならない。
アクリル酸アルキルにイオン性共単量体を加えて半回分
式で重合させる方法はこの分野で通常の知識を持つもの
により容易に実施される。
【0052】第3段階では前記の第2段階の重合物にア
クリル酸アルキル、イオン性共単量体及び陰イオン性開
始剤を投入させ凝集剤表面に機能性単量体であるイオン
性共単量体が共重合なるようにする。第3段階での転化
率は95%以上になるようにする。第1段階、第2段階
及び第3段階で用いたアクリル酸アルキルが100重量
部になるよう、第1段階及び第2段階で用いた残り量の
アクリル酸アルキルを第3段階で用いる。これは全体ア
クリル酸アルキルに対して約5%程度である。
【0053】イオン性共単量体は全体で用いるイオン性
共単量体の80〜95%を第3段階で用いれるし、陰イ
オン性開始剤は全体で用いる陰イオン性開始剤の10〜
30%を第3段階で用いられる。
【0054】第3段階では全体工程で用いるイオン性共
単量体のほぼ大部分が用いられるが、これはイオン性共
単量体がラテックス凝集剤の表面に可能な多く貼りつい
て凝集効果を高くするためである。また、第3段階の工
程ではイオン性共単量体がラテックスに十分浸透した
後、2次に陰イオン開始剤を投入する。これはイオン性
共単量体がラテックス表面に共重合されるのを容易に
し、また、残りの未反応の残留単量体が反応を進行して
ラテックスの表面に共重合されるようにするためであ
る。
【0055】本発明で用いるアクリル酸アルキルは炭素
数が1〜12個のアクリル酸アルキルで、代表的な例と
してはブチルアクリレイトがある。
【0056】本発明で用いるイオン性共単量体は凝集剤
ラテックスの表面に貼りつく機能性単量体の役割をす
る。イオン性共単量体は不飽和カルボン酸及びアクリル
系アミドがある。不飽和カルボン酸の例としてはメタク
リル酸、アクリル酸、イタコニック酸、コロトニック
酸、無水マレイ酸があり、アクリル系アミドとしては
アクリルアミド、メタクリロアミド、エタクリルアミ
ド、及びn−ブチルアクリルアミドがある。
【0057】本発明で用いる陰イオン性界面活性剤とし
てはスルオキシル酸アルキルニナトリウム、エトキシノ
ニルフェノル、硫酸ラウリルナトリウム、オレイ酸カル
ウムがある。
【0058】本発明で用いる陰イオン性開始剤としては
炭酸カリウム、非重炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニ
ウム等がある。
【0059】前記の方法により製造された本発明の凝集
剤はその平均粒径が0.05〜0.2μmの範囲である
のが望ましい。この凝集剤を用いてゴムラテックスを凝
集させた。ゴムラテックス100重量部に対して0.1
〜5.0重量部の凝集剤を加えて凝集させる。凝集段階
では先に説明したように界面活性剤が再び投入される。
ここではブタジエン単量体100の重量部に対して0.
1〜5.0重量部の界面活性剤が用いられる。即ち乳化
重合媒質の転化率が80〜100%に到達した時前記の
凝集剤と界面活性剤を投入させて温度を重合温度より5
〜20℃上昇させ4〜12時間にかけて凝集させる。最
終的に凝集されたゴムラテックスの粒子の大きさは30
00〜15000オングストロームの範囲が望ましい。
【0060】本発明によると重合段階が約8〜16時
間、凝集段階が約4〜12時間で終了するため、従来の
ポリブタジエンラテックスの製造よりも反応時間が短縮
されたポリブタジエンラテックスの製造方法を提供でき
る。
【0061】本発明は特定の与えられた温度と固形分含
量から大粒径を持つポリブタジエンゴムラテックスの生
産性を向上させられる発明の効果を発揮する。
【0062】下記の実施例は本発明を例示するためであ
りながら期待されるもので、本発明の保護範囲を制限し
ようとするものではない。
【0063】
【実施例】凝集剤製造: (実施例1) 第1段階:還流冷却装置が設けられた5リットル反応機
にイオン交換水400g、アクリル酸ブチル5gスル
ホキシル酸アルキルニナトリウム(Aerosol(ト
レードマーク)501(アメリカンサイナミト社の製
品)2.4gを入れ、かき混ぜ速度を300rpmと
し、温度を上昇させた。温度が70℃に至るとイオン交
20gに過酸カリウム1gを溶かした陰イオン性
開始剤溶液を投入させた。開始反応により上昇た反応
温度が落ちる頃には次の第2段階工程を行った。
【0064】第2段階:前記の第1段階の重合溶液にア
クリル酸ブチル190gとメタクリル酸0.1gを半回
分式で投入させ重合させた。前記の物質が全部投入され
半回分式で重合を完了した後次の第3段階工程を行っ
た。
【0065】第3段階:前記の第2段階の重合溶液にア
クリル酸ブチル5gとメタクリル酸04gを投入した
後、イオン交換水10gに過硫酸カリウム0.2gを溶
解させた陰イオン性開始剤を投入させ重合を行った。
【0066】この実施例で製造された凝集剤の平均粒子
の大きさは0.13μmで、転化率は97.0%であっ
て、標準偏差は0.12であった。
【0067】(実施例2) 実施例2は本発明でのイオン性共単量体の望ましい使用
量の範囲を外れるが、メタクリル酸の使用量を変化させ
て実施した。実施例2は第2段階で0.25gのメタク
リル酸を用い、第3段階で0.25gのメタクリル酸を
用いたことを除いては実施例1と同一な方法で凝集剤を
製造した。この実施例で製造された凝集剤の平均粒子直
径は0.15μmであって、その標準偏差は0.14で
あった。
【0068】(実施例3) 実施例3は本発明でのイオン性共単量体の望ましい使用
量の範囲を外れるが、メタクリル酸の使用量を変化させ
て実施されたものである。実施例3は第2段階で0.4
gのメタクリル酸を用い、第3段階で0.1gのメタク
リル酸を用いたことを除いては実施例1と同一な方法で
製造した。この実施例で製造された凝集剤の平均粒子直
径は0.16μmであって、その標準偏差は0.18で
あった。
【0069】(比較例1) この比較例は本発明の実施例と比較するためであり、従
来の回分式重合方法によって凝集剤を製造したものであ
る。200gのアクリル酸ブチル、0.5gのメタクリ
ル酸、Aerosel 501(トレードマーク)2.
4g、過硫酸カリウム1.2g,及び400gのイオン
交換水を加えて従来の回分式重合方法により凝集剤を製
造した。この比較例では単量体を一遍に初期に投入させ
凝集剤を製造した。この比較例で製造された凝集剤の平
均粒径は0.14μmであって、その標準偏差は0.1
5であった。
【0070】(比較例2) 70gのアクリル酸ブチル、Aerosol 501
(トレードマーク)2.4g、過硫酸カリウム0.2g
及び400gのイオン交換水を加え1時間の間重合した
後、アクリル酸ブチル140g、メタクリル酸0.5g
及びアクリル酸ブチル1.0gを1時間のあいだ加えて
重合させた。この例では2段階にかけて単量体を投入し
た方法を用いた。この比較例で製造された凝集剤の平均
粒径は0.13μmであって、その標準偏差は0.19
であった。
【0071】ゴムラテックスの製造: 前記の例で製造された凝集剤を平均粒径は0.12μm
で固形分含量が40%であるポリブタジエンラテックス
に混合させゴムラテックスを凝集した。
【0072】ポリブタジエンラテックス100の重量部
に対して0.73重量部の凝集剤を従来の凝集方法によ
りゴムラテックスを凝集した。
【0073】下記の表1は前記の実施例及び比較例で製
造された凝集剤の平均粒径と標準偏差、そしてその其々
の凝集剤を用いて同一な条件下で凝集させたポリブタジ
エンラテックスの粒子の大きさを表わしたものである。
【0074】
【表1】
【0075】表1からも明らかなように、本発明に係る
実施例1の凝集剤を平均粒径と標準偏差が良好であり、
その凝集剤で凝集されたポリブタジエンラテックス粒子
の大きさが一番大きいことがわかる。
【0076】実施例2と3は全て本発明の3段階方法に
より凝集剤を製造したが、イオン性共単量体を第3段階
で多量を用いた実施例1に比べ凝集剤の平均粒径がより
大きく、標準偏差もより大きくなっており、凝集された
ポリブタジエンラテックスの粒子の大きさがもっと小さ
くなった。
【0077】従来の回分式方法により製造された比較例
1の凝集剤は凝集されたポリブタジエンラテックスの粒
子の大きさが最も小さく現われたし、2段階の方法によ
り製造された比較例2の凝集剤は凝集剤の平均粒径が良
好であったが、その標準偏差が最も大きく現れ、凝集さ
れたポリブタジエンラテックスの粒子の大きさも実施例
1〜3に比べそんなに大きくはなかった。
【0078】 ポリブタジエンゴムラテックスの製造: (実施例4) 10リットル高圧反応機にイオン交換水3377g、ブ
タジエン単量体3000g、tert−ドデシルメルカ
プタン15g、10%炭酸カルシウム溶液45g、25
%ロジンセッケン溶液210gを入れ、かき混ぜ速度を
250rpmとして温度を上昇させた。
【0079】温度が65℃に至ると開始剤である過硫酸
カリウム9gをイオン交換水441gに溶かして投入し
た。こうして12時間を持続して転化率を測定した結果
83%であって、この時前記の重合段階での投入ロジン
セッケンから数えて二番目の投入分であるロジンセッケ
ン200gと本発明の実施例1の凝集剤50gを入れて
75℃に昇温させた後4時間が過ぎた後転化率が92.
3%なってから反応を完了させた。
【0080】このようにして製造されたポリブタジエン
ラテックスの平均粒子直径は0.57μmであって、凝
集されなかった部分は約15%であった。又、凝集塊
(coagulum)は0.1%未満であった。
【0081】(比較例3) 実施例4と同一な方法で反応時間10時間で転化率を測
定した結果、67%が出たし、この時凝集剤50gを投
入してポリブタジエンラテックスの平均粒子直径は0.
60μmであって凝集されなかった部分は約12%であ
った。又、凝集塊(coagulum)は0.1%未満
であった。
【0082】(比較例4) 実施例4と同一な方法で反応時間8時間後転化率をを測
定した結果、51.5%が出ており、この時、凝集剤5
0gを投入しポリブタジエンラテックスを製造した。2
4時間後の転化率が93.7%になってから反応を完了
させた。この時、製造されたポリブタジエンラテックス
の平均粒子直径は0.53μmであって、凝集されなか
った部分は約16%であった。又、凝集塊(coagu
lum)は0.1%未満であった。
【0083】(実施例5) イオン交換水4421gを入れるのを除いては実施例4
と同一な方法で反応時間10時間で転化率を測定した結
果77.3%が出ており、この時、凝集剤50gを投入
してポリブタジエンラテックスを製造した。その結果反
応14時間後に転化率が90.1%になってから反応を
完了させた。この時、製造されたポリブタジエンラテッ
クスの平均粒子直径は0.45μmであって、凝集され
なかった部分は約10%であった。又、凝集塊(coa
gulum)は0.1%未満であった。
【0084】(比較例5) 凝集剤の投入を前にして界面活性剤を入れないこと(表
4参照)を除いては実施例4と同じく、ポリブタジエン
ラテックスを製造した。凝集剤を投入直後にmicro
coagulumが多量発生した。
【0085】実施例4〜6及び比較例7の結果は、表3
に示される。
【0086】(実施例6) 10リットル高圧反応機にイオン交換水2711.8
g、ブタジエン単量体3500g、tert−ドデシル
メルカプタン17.5g、10%炭酸カルシウム溶液4
50g、25%ロジンセッケン溶液300gを入れてか
き混ぜ速度を250rpmとして温度を上昇させた。温
度が65℃に至ると開始剤であるイオン交換水441g
に9gの過硫酸カリウムを溶かして投入した。このよう
にして16時間を持続した後に転化率を測定した結果7
8%であって、この時前記の重合段階でのロジンセッケ
ン投入から数えて二番目の投入分であるロジンセッケン
200gと本発明の実施例1の凝集剤50gを入れて4
時間後の転化率が91.2%になってから反応を完了さ
せた。こうして製造されたポリブタジンラテックスの
平均粒子直径は0.50μmであって、凝集されなかっ
た部分は約23%であった。又、凝集塊(coagul
um)は0.8%あった。
【0087】(比較例7) イオン交換水2157.5gを添加させ反応26時間後
にロジンセッケンと凝集剤凝集剤を投入するのを除いて
は実施例と同じ方法で実施した。この時の転化率は6
7%であって、凝集剤を投入した後microcoag
ulumが発生した。
【0088】(比較例8) 凝集剤の投入後75℃に昇温させないまま65℃を維持
したのを除いては実施例4と同じである。総反応時間は
18時間であってこの時の転化率は93%であった。こ
うして製造されたポリブタジエンラテックスの平均粒子
直径は0.50μmであって、凝集されなかった部分は
約23%であった。又、凝集塊(coagulum)は
約0.1%未満であった。
【0089】下記の表2は前記の実施例及び比較例にお
ける凝集剤の投入時期、即ち転化率の変化による全体反
応時間と平均粒子の大きさを表わしたものである。
【0090】転化率が80%以上で凝集剤を投入したら
全体重合時間が短縮されることが分かる。
【0091】
【表2】
【0092】表3はポリブタジエンラテクスの固形分の
含量による総重合時間、凝集された粒子の平均大きさ及
び凝集塊(coagulum)の発生を表したものであ
り、表からわかるとおりポリブタジエンラテックスの固
形分の含量が低ければ総重合時間は減少する傾向を見せ
ており、固形分含量が50%以上では多量のmicro
coagulumが発生することを分かった。適切な生
産性を考慮すると凝集されるゴムラテックスの固形分の
含量が35〜45%になるのが重合時間、生産性及びラ
テックス安定性の側面でも良いと見られる。
【0093】
【表3】
【0094】下記の表4は凝集段階で投入される界面活
性剤の量により凝集塊が生成される程度を表わす。
【0095】
【表4】
【0096】また、実施例4と比較例8で見た通り凝集
剤を投入した後、温度を10℃上昇させた場合には温度
を上昇させない場合より全体の重合時間を2時間減少す
ることができた。
【0097】尚、本発明の単純な変形ないし変更はこの
分野で通常の知識を有する者により容易に実施され、こ
うした変形と変更の全てが本発明の技術的範囲に含まれ
る。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、ポリブタジエンラテッ
クスを製造する場合にブタジエンの重合反応と重合され
たポリブタジエンの凝集反応にかかる反応時間を大幅に
短縮することができる等といった優れた効果を発揮す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 593168156 290 Gongdan−dong, K umi−shi,Kyungbuk, Korea (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08C 1/15 C08F 136/06,2/22 C08F 2/38,6/22

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1〜12のアクリル酸アルキル、
    陰イオン性界面活性剤、及び陰イオン性開始剤を回分式
    重合により凝集核を形成する第1段階と、 前記第1段階の重合物に炭素数1〜12のアクリル酸ア
    ルキルとイオン性共単量体を投入させ凝集剤の表面に半
    回分式重合により凝集剤を成長させる第2段階と、 前記第2段階の重合物に炭素数1〜12のアクリル酸ア
    ルキル、イオン性共単量体、及び陰イオン性開始剤を投
    入させ凝集剤表面に機能性単量体であるイオン性共単量
    体が共重合されるようにする第3段階とからなることを
    特徴とするゴムラテックスを凝集するための凝集剤の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の凝集剤の製造方法におい
    て、前記凝集剤がアクリル酸アルキル100の重量部に
    対して、0.1〜0.5重量部のイオン性共単量体と、
    0.5〜4.0重量部の陰イオン性界面活性剤と、0.
    3〜2.0重量部の陰イオン性開始剤とからなることを
    特徴とする凝集剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の凝集剤の製造方法におい
    て、前記イオン性共単量体が全体の5〜20重量%が第
    2段階で用いられ、80〜95重量%が第3段階で用い
    られることを特徴とする凝集剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の凝集剤の製造方法におい
    て、前記陰イオン性開始剤が全体の90〜70重量%が
    第1段階で用いられ、10〜30重量%が第3段階で用
    いられるのことを特徴とする凝集剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の凝集剤の製造方法におい
    て、前記陰イオン性界面活性剤はスルホキル酸アルキル
    ニナトリウム、エトキシノニルフェノル、硫酸ラウリル
    ナトリウム、及びオレイン酸カリウムから成る群から選
    択されることを特徴とする凝集剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の凝集剤の製造方法におい
    て、前記陰イオン性開始剤は炭酸カリウム、重炭酸非ア
    ンモニウム及び重炭酸アンモニウムから成る群から選択
    されることを特徴とする凝集剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項記載の凝集剤の製造方法におい
    て、前記第1段階での転化率が90%以上であることを
    特徴とする凝集剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の凝集剤の製造方法におい
    て、前記第3段階は前記アクリル酸アルキル及び前記の
    イオン性共単量体を先に投入して、前記イオン性共単量
    体がラテックスに十分に浸透した後に、前記陰イオン性
    開始剤を投入するようにすることを特徴とする凝集剤の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1からのいずれかに記載の製造
    方法により製造される凝集剤。
  10. 【請求項10】 ブタジエン単量体、水、界面活性剤、
    連鎖移動剤、開始剤及び電解質を加え60〜80℃の重
    合温度で8〜16時間のあいだ転化率が80〜100%
    となるように重合して乳化重合媒質を提供する重合段
    階;および前記乳化重合媒質に界面活性剤と請求項1の
    製造方法により製造される凝集剤を順次に投入し、前記
    の重合温度より5〜20℃上昇させた温度で4〜12時
    間のあいだ凝集させる凝集段階;とから構成されること
    を特徴とするポリブタジエンゴムラテックスの製造方
    法。
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