JP3272738B2 - 軟磁性多層膜 - Google Patents
軟磁性多層膜Info
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- JP3272738B2 JP3272738B2 JP03201491A JP3201491A JP3272738B2 JP 3272738 B2 JP3272738 B2 JP 3272738B2 JP 03201491 A JP03201491 A JP 03201491A JP 3201491 A JP3201491 A JP 3201491A JP 3272738 B2 JP3272738 B2 JP 3272738B2
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F10/00—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
- H01F10/32—Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- Power Engineering (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、第1の軟磁性薄膜と、
第2の軟磁性薄膜とを交互に積層した軟磁性多層膜に関
する。
第2の軟磁性薄膜とを交互に積層した軟磁性多層膜に関
する。
【0002】
【従来の技術】フェライト製の第1のコアと第2のコア
との少なくとも一方のギャップ部対向面にコアよりも飽
和磁束密度Bsの高いセンダスト等の軟磁性薄膜を有す
るMIG型磁気ヘッドが知られている。この磁気ヘッド
では、軟磁性薄膜から強力な磁束を磁気記録媒体に印加
できるため、高い保磁力を有する媒体に有効な記録が行
える。
との少なくとも一方のギャップ部対向面にコアよりも飽
和磁束密度Bsの高いセンダスト等の軟磁性薄膜を有す
るMIG型磁気ヘッドが知られている。この磁気ヘッド
では、軟磁性薄膜から強力な磁束を磁気記録媒体に印加
できるため、高い保磁力を有する媒体に有効な記録が行
える。
【0003】また、高密度記録や高速データ転送が可能
である等の優れた諸特性を有する浮上型の薄膜磁気ヘッ
ドが実用化されてきている。そして、薄膜磁気ヘッドで
も高密度の磁束を発生させるため、上部および下部磁極
層には、飽和磁束密度Bsの高いパーマロイ、センダス
ト等の軟磁性薄膜が用いられる。
である等の優れた諸特性を有する浮上型の薄膜磁気ヘッ
ドが実用化されてきている。そして、薄膜磁気ヘッドで
も高密度の磁束を発生させるため、上部および下部磁極
層には、飽和磁束密度Bsの高いパーマロイ、センダス
ト等の軟磁性薄膜が用いられる。
【0004】ところで、磁気ヘッドに用いられるこのよ
うな軟磁性薄膜の飽和磁束密度Bsは、高々12000
G程度である。このため、従来の磁気ヘッドでは、オー
バーライト特性等の電磁変換特性が不十分であり、特に
高保磁力を有する磁気記録媒体の場合には、より一層高
い飽和磁束密度Bsが要求されている。
うな軟磁性薄膜の飽和磁束密度Bsは、高々12000
G程度である。このため、従来の磁気ヘッドでは、オー
バーライト特性等の電磁変換特性が不十分であり、特に
高保磁力を有する磁気記録媒体の場合には、より一層高
い飽和磁束密度Bsが要求されている。
【0005】また(100)配向性が強いFe系軟磁性
薄膜は、結晶磁気異方性が小さいため、優れた軟磁気特
性を有することが知られている。しかし、スパッタリン
グ等の一般の気相法にてFe系軟磁性薄膜の成膜を行な
っても(100)配向性を強くできず、主に(110)
面配向や無配向の薄膜ができる。このため、(100)
配向性が強い膜を成膜するには、特定の材質の基板、例
えばZnSeを使用したり、(100)配向あるいは
(100)配向性が強いGaAs等の単結晶基板を使用
しなければならない。
薄膜は、結晶磁気異方性が小さいため、優れた軟磁気特
性を有することが知られている。しかし、スパッタリン
グ等の一般の気相法にてFe系軟磁性薄膜の成膜を行な
っても(100)配向性を強くできず、主に(110)
面配向や無配向の薄膜ができる。このため、(100)
配向性が強い膜を成膜するには、特定の材質の基板、例
えばZnSeを使用したり、(100)配向あるいは
(100)配向性が強いGaAs等の単結晶基板を使用
しなければならない。
【0006】このように(100)配向性が強い膜は、
限定された条件でしか実現しないため、磁気ヘッドの軟
磁性薄膜を(100)配向あるいは(100)配向性を
強くすることは非常に困難である。
限定された条件でしか実現しないため、磁気ヘッドの軟
磁性薄膜を(100)配向あるいは(100)配向性を
強くすることは非常に困難である。
【0007】ところで、Feをターゲットし、ArとN
2 の混合ガス中でスパッタリングして、センダストより
もさらに飽和磁束密度Bsが高いFe−N軟磁性薄膜を
得ることができる。これは、Nを混合することにより、
Feの結晶粒が微細化され、磁気異方性分散が減少する
ためである。
2 の混合ガス中でスパッタリングして、センダストより
もさらに飽和磁束密度Bsが高いFe−N軟磁性薄膜を
得ることができる。これは、Nを混合することにより、
Feの結晶粒が微細化され、磁気異方性分散が減少する
ためである。
【0008】例えば、特開昭64−15907号公報に
は、Feを主体とし、Fe4 Nおよび/またはFe3 N
からなる窒化鉄を含有する軟磁性薄膜が開示されてい
る。そして、この軟磁性薄膜は、飽和磁束密度が150
00G以上であり、保磁力Hcが低く、前記磁気ヘッド
用として好適な磁気特性を有している。
は、Feを主体とし、Fe4 Nおよび/またはFe3 N
からなる窒化鉄を含有する軟磁性薄膜が開示されてい
る。そして、この軟磁性薄膜は、飽和磁束密度が150
00G以上であり、保磁力Hcが低く、前記磁気ヘッド
用として好適な磁気特性を有している。
【0009】しかしFe−N軟磁性薄膜は、耐熱性が低
く、約350℃程度の温度で結晶粒径が大きくなり、保
磁力Hcが急激に増加してしまう。
く、約350℃程度の温度で結晶粒径が大きくなり、保
磁力Hcが急激に増加してしまう。
【0010】このためガラス溶着等の熱処理によって4
50〜700℃程度の温度下におかれるMIG型磁気ヘ
ッドやEDG型磁気ヘッド、さらには、スパッタリング
等による成膜工程で約350℃以上の温度下におかれる
薄膜磁気ヘッドに使用することは困難である。加えて、
この軟磁性薄膜は、スパッタリング等の気相法で、通常
の基板上に成膜を行なうだけでは(100)配向性を強
くできない。
50〜700℃程度の温度下におかれるMIG型磁気ヘ
ッドやEDG型磁気ヘッド、さらには、スパッタリング
等による成膜工程で約350℃以上の温度下におかれる
薄膜磁気ヘッドに使用することは困難である。加えて、
この軟磁性薄膜は、スパッタリング等の気相法で、通常
の基板上に成膜を行なうだけでは(100)配向性を強
くできない。
【0011】また、2種類の軟磁性薄膜を交互に積層し
た軟磁性多層膜が知られているが、前記のとおり、(1
00)配向ないし(100)配向性が強い軟磁性薄膜の
成膜は困難であり、(100)配向ないし(100)配
向性が強い第1の軟磁性薄膜と、第2の軟磁性薄膜とを
交互に積層した軟磁性多層膜は未だ実現されていない。
た軟磁性多層膜が知られているが、前記のとおり、(1
00)配向ないし(100)配向性が強い軟磁性薄膜の
成膜は困難であり、(100)配向ないし(100)配
向性が強い第1の軟磁性薄膜と、第2の軟磁性薄膜とを
交互に積層した軟磁性多層膜は未だ実現されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、飽和磁束密度Bsが高く、しかも優れた軟磁気特性
を有する軟磁性多層膜を提供することにある。
は、飽和磁束密度Bsが高く、しかも優れた軟磁気特性
を有する軟磁性多層膜を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。
(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0014】(1) 下記式で表わされる原子比組成を
有し、X線回折にて、Fe(110)ピークに対するF
e(200)ピークの相対強度比が1/3以上である第
1の軟磁性薄膜と、Fe、CoおよびNiから選ばれる
1種以上を含有する第2の軟磁性薄膜とを交互に積層し
たことを特徴とする軟磁性多層膜。 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz (上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
CrおよびBから選ばれる1種以上であり、0.1≦x
≦15、0≦y≦10、0.1≦z≦15である。)
有し、X線回折にて、Fe(110)ピークに対するF
e(200)ピークの相対強度比が1/3以上である第
1の軟磁性薄膜と、Fe、CoおよびNiから選ばれる
1種以上を含有する第2の軟磁性薄膜とを交互に積層し
たことを特徴とする軟磁性多層膜。 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz (上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
CrおよびBから選ばれる1種以上であり、0.1≦x
≦15、0≦y≦10、0.1≦z≦15である。)
【0015】(2) 下記式で表わされる原子比組成を
有し、電子線回折にてFe(200)面配向を持つ第1
の軟磁性薄膜と、Fe、CoおよびNiから選ばれる1
種以上を含有する第2の軟磁性薄膜とを交互に積層した
ことを特徴とする軟磁性多層膜。 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz (上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
CrおよびBから選ばれる1種以上であり、0.1≦x
≦15、0≦y≦10、0.1≦z≦15である。)
有し、電子線回折にてFe(200)面配向を持つ第1
の軟磁性薄膜と、Fe、CoおよびNiから選ばれる1
種以上を含有する第2の軟磁性薄膜とを交互に積層した
ことを特徴とする軟磁性多層膜。 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz (上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
CrおよびBから選ばれる1種以上であり、0.1≦x
≦15、0≦y≦10、0.1≦z≦15である。)
【0016】(3) 第1の軟磁性薄膜が下記式で表わ
される原子比組成を有する上記(1)または(2)の軟
磁性多層膜。 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz (上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
CrおよびBから選ばれる1種以上であり、8≦x≦1
4、0≦y≦10、2≦z≦4である。)
される原子比組成を有する上記(1)または(2)の軟
磁性多層膜。 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz (上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
CrおよびBから選ばれる1種以上であり、8≦x≦1
4、0≦y≦10、2≦z≦4である。)
【0017】(4) 前記第2の軟磁性薄膜の飽和磁束
密度が、前記第1の軟磁性薄膜の飽和磁束密度より大で
ある上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の軟磁性
多層膜。
密度が、前記第1の軟磁性薄膜の飽和磁束密度より大で
ある上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の軟磁性
多層膜。
【0018】(5) 前記第2の軟磁性薄膜の膜厚が
0.1μm以下である上記(1)ないし(4)のいずれ
かに記載の軟磁性多層膜。
0.1μm以下である上記(1)ないし(4)のいずれ
かに記載の軟磁性多層膜。
【0019】(6) 前記第1の軟磁性薄膜と前記第2
の軟磁性薄膜との間に、非磁性薄膜を有する上記(1)
ないし(5)のいずれかに記載の軟磁性多層膜。
の軟磁性薄膜との間に、非磁性薄膜を有する上記(1)
ないし(5)のいずれかに記載の軟磁性多層膜。
【0020】
【作用】本発明の軟磁性多層膜は、図1に示されるよう
に、所定の第1の軟磁性薄膜41と、第2の軟磁性薄膜
43とを交互に積層して構成される。
に、所定の第1の軟磁性薄膜41と、第2の軟磁性薄膜
43とを交互に積層して構成される。
【0021】この場合、本発明に使用する第1の軟磁性
薄膜41は、Fe−N系であるため、飽和磁束密度Bs
が非常に高く、保磁力Hcが低い。
薄膜41は、Fe−N系であるため、飽和磁束密度Bs
が非常に高く、保磁力Hcが低い。
【0022】そして、FeとNに、所定の元素を適量添
加することにより、いかなる基板上にも(100)配向
性ないし配向度が強い軟磁性薄膜を形成できる。このた
め、軟磁気特性が格段と向上する。
加することにより、いかなる基板上にも(100)配向
性ないし配向度が強い軟磁性薄膜を形成できる。このた
め、軟磁気特性が格段と向上する。
【0023】加えて、この添加元素は、Feより安定な
窒化物を形成するため、飽和磁束密度Bsが約1400
0G以上、特に16000G以上のまま耐熱性や耐食性
が著しく向上する。
窒化物を形成するため、飽和磁束密度Bsが約1400
0G以上、特に16000G以上のまま耐熱性や耐食性
が著しく向上する。
【0024】ここに、熱処理によって保磁力が急激に変
化する温度、例えば、保磁力Hcが20eになる熱処理
温度を耐熱温度とすると、本発明に用いる第1の軟磁性
薄膜41の耐熱温度は500℃以上であり、薄膜化して
積層しても十分な耐熱性が得られる。
化する温度、例えば、保磁力Hcが20eになる熱処理
温度を耐熱温度とすると、本発明に用いる第1の軟磁性
薄膜41の耐熱温度は500℃以上であり、薄膜化して
積層しても十分な耐熱性が得られる。
【0025】また、第2の軟磁性薄膜43には、特に第
1の軟磁性薄膜41より飽和磁束密度Bsが高い膜を用
いる。この場合、単層膜では十分な軟磁性が発現しない
高Bsの組成であっても、薄膜化して、第1の軟磁性薄
膜41を介して積層することにより、膜の結晶粒の成長
が抑制され、十分な軟磁性が得られる。
1の軟磁性薄膜41より飽和磁束密度Bsが高い膜を用
いる。この場合、単層膜では十分な軟磁性が発現しない
高Bsの組成であっても、薄膜化して、第1の軟磁性薄
膜41を介して積層することにより、膜の結晶粒の成長
が抑制され、十分な軟磁性が得られる。
【0026】このため、第1の軟磁性薄膜41と、第2
の軟磁性薄膜43とを交互に積層することにより、第1
の軟磁性薄膜41の軟磁気特性を保持したまま第2の軟
磁性薄膜43によって飽和磁束密度Bsが選択的に向上
する。
の軟磁性薄膜43とを交互に積層することにより、第1
の軟磁性薄膜41の軟磁気特性を保持したまま第2の軟
磁性薄膜43によって飽和磁束密度Bsが選択的に向上
する。
【0027】従って、本発明の軟磁性多層膜は、飽和磁
束密度Bsが高く、加えて、保磁力Hcが低く、透磁率
μが高い優れた軟磁気特性を有する。
束密度Bsが高く、加えて、保磁力Hcが低く、透磁率
μが高い優れた軟磁気特性を有する。
【0028】このためこのような本発明の軟磁性多層膜
を用いた磁気ヘッドは、オーバーライト特性や、記録・
再生感度等が高く、優れた電磁変換特性を有する。
を用いた磁気ヘッドは、オーバーライト特性や、記録・
再生感度等が高く、優れた電磁変換特性を有する。
【0029】加えて、本発明の軟磁性多層膜は、耐食性
や耐摩耗性に優れるため、信頼性の高い磁気ヘッドが実
現する。
や耐摩耗性に優れるため、信頼性の高い磁気ヘッドが実
現する。
【0030】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成を詳細に説明
する。
する。
【0031】本発明の特に磁気ヘッドに好適な軟磁性多
層膜の好適例を図1に示す。
層膜の好適例を図1に示す。
【0032】軟磁性多層膜4は、第1の軟磁性薄膜41
と、第2の軟磁性薄膜43とを交互に積層して構成さ
れ、基体45上に形成されている。
と、第2の軟磁性薄膜43とを交互に積層して構成さ
れ、基体45上に形成されている。
【0033】第1の軟磁性薄膜41は、下記式で示され
る原子比組成を有する。
る原子比組成を有する。
【0034】 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz 上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、C
rおよびBから選ばれる1種以上である。
rおよびBから選ばれる1種以上である。
【0035】これ以外の元素、例えばRu等では、飽和
磁束密度Bsが低下したり、軟磁気特性が低下する。
磁束密度Bsが低下したり、軟磁気特性が低下する。
【0036】これらのうちでは、特に、(100)配向
性を高める上で、Zr単独か、あるいはZrがM中の2
0%以上を占め、これに上記のうちのZr、V以外の元
素との組み合わせが好適である。
性を高める上で、Zr単独か、あるいはZrがM中の2
0%以上を占め、これに上記のうちのZr、V以外の元
素との組み合わせが好適である。
【0037】また、xは0.1〜15である。この場
合、xの上限値は、14であることが好ましい。前記範
囲未満では、耐熱性が不十分である。このため熱処理等
により保磁力Hcが大幅に増加する傾向にある。前記範
囲をこえると、飽和磁束密度Bsが低下する。このため
磁気ヘッドに適用した場合、オーバーライト特性が悪化
する傾向にある。
合、xの上限値は、14であることが好ましい。前記範
囲未満では、耐熱性が不十分である。このため熱処理等
により保磁力Hcが大幅に増加する傾向にある。前記範
囲をこえると、飽和磁束密度Bsが低下する。このため
磁気ヘッドに適用した場合、オーバーライト特性が悪化
する傾向にある。
【0038】また、(100)配向性ないし配向度が強
い軟磁性薄膜とするには、xは2.5以上、特に3以
上、さらには5以上、より好ましくは7以上、最も好ま
しくは8以上であることが好ましい。
い軟磁性薄膜とするには、xは2.5以上、特に3以
上、さらには5以上、より好ましくは7以上、最も好ま
しくは8以上であることが好ましい。
【0039】xが前記範囲の場合、軟磁気特性が格段と
向上する。また、耐熱性が向上する。
向上する。また、耐熱性が向上する。
【0040】yは0〜10、好ましくは0〜5である。
Niを添加することにより、透磁率μを向上させること
ができる。ただし前記範囲をこえると飽和磁束密度Bs
が低下する傾向にある。なお、Niが必須成分として含
むときには、その含有量yは1〜10、より好ましくは
1〜5であることが好ましい。
Niを添加することにより、透磁率μを向上させること
ができる。ただし前記範囲をこえると飽和磁束密度Bs
が低下する傾向にある。なお、Niが必須成分として含
むときには、その含有量yは1〜10、より好ましくは
1〜5であることが好ましい。
【0041】zは0.1〜15である。
【0042】前記範囲未満では、Nによる結晶粒の微細
化が不十分で、軟磁気特性が得られない傾向にある。前
記範囲をこえると、Fe、Ni、Mの窒化物が必要以上
に生成されるため軟磁気特性が得られない傾向にある。
この場合、zの下限値は、1、特に2であることが好ま
しく、またzの上限値は、10、特に5、さらには4.
5、殊に4であることが好ましい。このような範囲にて
(100)配向性はより一層好ましいものとなる。
化が不十分で、軟磁気特性が得られない傾向にある。前
記範囲をこえると、Fe、Ni、Mの窒化物が必要以上
に生成されるため軟磁気特性が得られない傾向にある。
この場合、zの下限値は、1、特に2であることが好ま
しく、またzの上限値は、10、特に5、さらには4.
5、殊に4であることが好ましい。このような範囲にて
(100)配向性はより一層好ましいものとなる。
【0043】そして、必要に応じて窒素に加え、酸素が
全体の5at% 以下含有されていてもよい。
全体の5at% 以下含有されていてもよい。
【0044】このような本発明を構成する第1の軟磁性
薄膜41の組成は、例えば、Electron Probe Micro Ana
lysis (EPMA)法により測定すればよい。
薄膜41の組成は、例えば、Electron Probe Micro Ana
lysis (EPMA)法により測定すればよい。
【0045】第1の軟磁性薄膜41の膜厚は、用途等に
応じて適宜選択すればよいが、通常0.01〜10μm
程度である。
応じて適宜選択すればよいが、通常0.01〜10μm
程度である。
【0046】本発明に使用する第1の軟磁性薄膜41を
成膜するには、蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、CVD等の各種気相法を用いればよい。このう
ち特にスパッタ法により成膜することが好ましく、例え
ば以下のように成膜すればよい。ターゲットには、合金
鋳造体や焼結体さらには多元ターゲット等を用いる。そ
して、Ar等の不活性ガス雰囲気下でスパッタリングを
行なう。
成膜するには、蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、CVD等の各種気相法を用いればよい。このう
ち特にスパッタ法により成膜することが好ましく、例え
ば以下のように成膜すればよい。ターゲットには、合金
鋳造体や焼結体さらには多元ターゲット等を用いる。そ
して、Ar等の不活性ガス雰囲気下でスパッタリングを
行なう。
【0047】また、反応性スパッタを行なう場合には、
ターゲットの組成は前述の式において、Nが含有されな
いものとほぼ同一とすればよい。
ターゲットの組成は前述の式において、Nが含有されな
いものとほぼ同一とすればよい。
【0048】そして、スパッタリングは、Ar中にN2
を0.1〜15体積%、好ましくは2〜10体積%含有
する雰囲気下で行われる。前記範囲外であると、軟磁気
特性が得られない傾向にある。
を0.1〜15体積%、好ましくは2〜10体積%含有
する雰囲気下で行われる。前記範囲外であると、軟磁気
特性が得られない傾向にある。
【0049】スパッタの方式には、特に制限がなく、ま
た、使用するスパッタ装置にも制限がなく、通常のもの
を用いればよい。なお、動作圧力は通常0.1〜1.0
Pa程度とすればよい。この場合、スパッタ投入電圧や電
流等の諸条件は、スパッタ方式等に応じ適宜決定する。
た、使用するスパッタ装置にも制限がなく、通常のもの
を用いればよい。なお、動作圧力は通常0.1〜1.0
Pa程度とすればよい。この場合、スパッタ投入電圧や電
流等の諸条件は、スパッタ方式等に応じ適宜決定する。
【0050】次に、本発明を構成する第2の軟磁性薄膜
43は、Fe、CoおよびNiから選ばれる1種以上を
含有する軟磁性薄膜であれば特に制限がなく、目的や用
途等に応じて適宜選択される。この場合、飽和磁束密度
が高い軟磁性多層膜4を得るには、第2の軟磁性薄膜4
3として第1の軟磁性薄膜41より飽和磁束密度Bsが
高い膜を用いる。
43は、Fe、CoおよびNiから選ばれる1種以上を
含有する軟磁性薄膜であれば特に制限がなく、目的や用
途等に応じて適宜選択される。この場合、飽和磁束密度
が高い軟磁性多層膜4を得るには、第2の軟磁性薄膜4
3として第1の軟磁性薄膜41より飽和磁束密度Bsが
高い膜を用いる。
【0051】このような軟磁性薄膜としては例えば、F
e系、Fe−Co系、Fe−Co−Ni系合金薄膜等が
挙げられ、飽和磁束密度Bsは19000〜24000
G程度であり、しかも薄層化によって軟磁性が得られ
る。
e系、Fe−Co系、Fe−Co−Ni系合金薄膜等が
挙げられ、飽和磁束密度Bsは19000〜24000
G程度であり、しかも薄層化によって軟磁性が得られ
る。
【0052】第2の軟磁性薄膜43の膜厚は、0.1μ
m以下、特に0.005〜0.1μmが好ましい。前記
範囲を越えると、成膜時あるいは熱処理によって膜の結
晶粒が大となり、軟磁気特性が劣化する傾向にある。
m以下、特に0.005〜0.1μmが好ましい。前記
範囲を越えると、成膜時あるいは熱処理によって膜の結
晶粒が大となり、軟磁気特性が劣化する傾向にある。
【0053】また、飽和磁束密度Bsが高い軟磁性多層
膜4を得るためには、第1の軟磁性薄膜41の膜厚d1
と、第2の軟磁性薄膜43の膜厚d2 との比d1 /d2
は、10以下、特に0.1〜10、さらに0.5〜10
が好ましい。
膜4を得るためには、第1の軟磁性薄膜41の膜厚d1
と、第2の軟磁性薄膜43の膜厚d2 との比d1 /d2
は、10以下、特に0.1〜10、さらに0.5〜10
が好ましい。
【0054】前記範囲をこえると、Bsを向上する第2
の軟磁性薄43の効果が十分に発現しない傾向にある。
また、前記範囲未満では良好な軟磁気特性が得られず、
耐熱性も低下する傾向にある。
の軟磁性薄43の効果が十分に発現しない傾向にある。
また、前記範囲未満では良好な軟磁気特性が得られず、
耐熱性も低下する傾向にある。
【0055】第2の軟磁性薄膜43を成膜するには、蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD等
の各種気相法、特にスパッタ法を用いればよい。
着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD等
の各種気相法、特にスパッタ法を用いればよい。
【0056】本発明の軟磁性多層膜4の第1の軟磁性薄
膜41および第2の軟磁性薄膜43の積層数は、それぞ
れ1層以上であれば特に制限がなく、目的や用途等に応
じて適宜選択すればよいが、作業性等の点から、第1お
よび第2の軟磁性薄膜41、43それぞれの積層数は、
通常3〜50層程度とする。
膜41および第2の軟磁性薄膜43の積層数は、それぞ
れ1層以上であれば特に制限がなく、目的や用途等に応
じて適宜選択すればよいが、作業性等の点から、第1お
よび第2の軟磁性薄膜41、43それぞれの積層数は、
通常3〜50層程度とする。
【0057】また、軟磁性多層膜4の全厚にも特に制限
がなく、目的や用途等に応じて適宜選択すればよいが、
通常0.1〜30μm程度とする。
がなく、目的や用途等に応じて適宜選択すればよいが、
通常0.1〜30μm程度とする。
【0058】なお、第1および第2の軟磁性薄膜41、
43は、それぞれ、作業性等の点から、通常同じ膜厚で
積層されるが、場合によっては膜厚はそれぞれ互いに異
なっていてもよく、この場合、複数の膜厚の膜が規則的
に積層されていてもよい。膜厚が異なる場合、第1の軟
磁性薄膜41の全厚D1 と、第2の軟磁性薄膜43の全
厚D2 との比D1 /D2 は、Bs向上等の点から10以
下、特に0.1〜10、さらに0.5〜10が好まし
い。
43は、それぞれ、作業性等の点から、通常同じ膜厚で
積層されるが、場合によっては膜厚はそれぞれ互いに異
なっていてもよく、この場合、複数の膜厚の膜が規則的
に積層されていてもよい。膜厚が異なる場合、第1の軟
磁性薄膜41の全厚D1 と、第2の軟磁性薄膜43の全
厚D2 との比D1 /D2 は、Bs向上等の点から10以
下、特に0.1〜10、さらに0.5〜10が好まし
い。
【0059】また、第1の軟磁性薄膜41と、第2の軟
磁性薄膜43の間には図示しない非磁性薄膜を設けるこ
とが好ましい。この場合、非磁性薄膜は、すべての膜間
に形成してもよく、場合によっては必要とされる膜間の
みに形成してもよい。
磁性薄膜43の間には図示しない非磁性薄膜を設けるこ
とが好ましい。この場合、非磁性薄膜は、すべての膜間
に形成してもよく、場合によっては必要とされる膜間の
みに形成してもよい。
【0060】非磁性薄膜を介在させることにより、軟磁
性多層膜4の透磁率μが向上し、しかもμの周波数特性
が向上する。このため、軟磁性多層膜4を例えば磁気ヘ
ッドに適用した場合、記録再生出力、周波数特性等の電
磁変換特性が向上する。
性多層膜4の透磁率μが向上し、しかもμの周波数特性
が向上する。このため、軟磁性多層膜4を例えば磁気ヘ
ッドに適用した場合、記録再生出力、周波数特性等の電
磁変換特性が向上する。
【0061】使用する非磁性薄膜には特に制限がなく、
従来軟磁性多層膜に使用されている各種非磁性薄膜等、
例えば、C、NおよびOから選ばれる1種以上を含有す
る非磁性薄膜を用いればよい。この場合、非磁性薄膜の
金属ないし半金属ないし半導体元素としては、Mg、C
a、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、M
o、W、Mn、B、Al、GaおよびSiから選ばれる
1種以上が好適である。そして、これら金属ないし半金
属ないし半導体の1種以上の炭化物、窒化物、酸化物、
またはこれらの混合物から非磁性薄膜を形成する。この
場合、炭化物、窒化物、酸化物は化学量論組成であって
も、それから偏奇していてもよい。
従来軟磁性多層膜に使用されている各種非磁性薄膜等、
例えば、C、NおよびOから選ばれる1種以上を含有す
る非磁性薄膜を用いればよい。この場合、非磁性薄膜の
金属ないし半金属ないし半導体元素としては、Mg、C
a、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、M
o、W、Mn、B、Al、GaおよびSiから選ばれる
1種以上が好適である。そして、これら金属ないし半金
属ないし半導体の1種以上の炭化物、窒化物、酸化物、
またはこれらの混合物から非磁性薄膜を形成する。この
場合、炭化物、窒化物、酸化物は化学量論組成であって
も、それから偏奇していてもよい。
【0062】また、非磁性薄膜の膜厚は、用途等に応じ
て適宜選択すればよいが、通常0.001〜0.1μm
程度である。
て適宜選択すればよいが、通常0.001〜0.1μm
程度である。
【0063】非磁性薄膜を成膜するには、蒸着、スパッ
タリング、イオンプレーティング、CVD等の各種気相
法を用いればよい。
タリング、イオンプレーティング、CVD等の各種気相
法を用いればよい。
【0064】第1の軟磁性薄膜41と、第2の軟磁性薄
膜43とを交互に積層した後は、熱処理を行なう。熱処
理により、第1の軟磁性薄膜41の(100)配向性な
いし配向度が強くなり、軟磁気特性が格段と向上し、し
かも飽和磁束密度Bsも向上する。
膜43とを交互に積層した後は、熱処理を行なう。熱処
理により、第1の軟磁性薄膜41の(100)配向性な
いし配向度が強くなり、軟磁気特性が格段と向上し、し
かも飽和磁束密度Bsも向上する。
【0065】具体的には、第1の軟磁性薄膜41のX線
回折チャートをみたとき、熱処理前は、通常非晶質であ
って、ピークが存在しないが、熱処理によりFe(11
0)ピークに対するFe(200)ピークの相対強度比
が、1/3以上、そして熱処理温度を上昇させることに
より2以上、さらに3以上、場合によっては無限大にま
で増大し、さらに飽和磁束密度Bsも向上する。
回折チャートをみたとき、熱処理前は、通常非晶質であ
って、ピークが存在しないが、熱処理によりFe(11
0)ピークに対するFe(200)ピークの相対強度比
が、1/3以上、そして熱処理温度を上昇させることに
より2以上、さらに3以上、場合によっては無限大にま
で増大し、さらに飽和磁束密度Bsも向上する。
【0066】この場合、例えば、フェライト等の磁性
体、非磁性セラミックス、高分子フィルム等いかなる基
板ないし膜上に成膜しても(100)配向性が強い軟磁
性薄膜が得られ、このような第1の軟磁性薄膜41を有
する軟磁性多層膜4が実現する。
体、非磁性セラミックス、高分子フィルム等いかなる基
板ないし膜上に成膜しても(100)配向性が強い軟磁
性薄膜が得られ、このような第1の軟磁性薄膜41を有
する軟磁性多層膜4が実現する。
【0067】このこと、すなわち第1の軟磁性薄膜41
の(100)配向性は、電子線回折パターンにおいて、
Fe(200)面からの回折リングが不連続であること
から確認できる。
の(100)配向性は、電子線回折パターンにおいて、
Fe(200)面からの回折リングが不連続であること
から確認できる。
【0068】本発明では、第1の軟磁性薄膜41のX線
回折チャートにて、Fe(110)ピークに対すFe
(200)ピークの相対強度比が、1/3以上となり、
(100)配向性が無配向状態より増大し、特にこの値
が1以上、より好ましくは2以上、さらに好ましくは3
以上であることが好ましい。なお、X線回折チャートに
おけるFe(110)ピークの2θ(θは回折角)は、
CuKαを用いた場合44.7度程度、Fe(200)
ピークの2θは、65度程度である。
回折チャートにて、Fe(110)ピークに対すFe
(200)ピークの相対強度比が、1/3以上となり、
(100)配向性が無配向状態より増大し、特にこの値
が1以上、より好ましくは2以上、さらに好ましくは3
以上であることが好ましい。なお、X線回折チャートに
おけるFe(110)ピークの2θ(θは回折角)は、
CuKαを用いた場合44.7度程度、Fe(200)
ピークの2θは、65度程度である。
【0069】熱処理条件は、特に下記の条件が好適であ
る。 昇温速度:2〜8℃/分程度 保持温度:200〜700℃程度、特に400〜650
℃程度、さらには400〜600℃程度 保持時間:10〜60分程度 冷却速度:2〜8℃/分程度 なお、雰囲気はAr等の不活性ガスでよい。前記条件に
て熱処理を行なうことにより、より一層優れた軟磁気特
性の軟磁性多層膜が得られる。
る。 昇温速度:2〜8℃/分程度 保持温度:200〜700℃程度、特に400〜650
℃程度、さらには400〜600℃程度 保持時間:10〜60分程度 冷却速度:2〜8℃/分程度 なお、雰囲気はAr等の不活性ガスでよい。前記条件に
て熱処理を行なうことにより、より一層優れた軟磁気特
性の軟磁性多層膜が得られる。
【0070】本発明の軟磁性多層膜は、例えば下記の特
性を有する。 保磁力Hc(50Hz):0.1〜2 Oe 程度、特に0.
1〜1Oe 程度 初透磁率μi (5MHz ):1000〜5000程度、特
に2000〜5000程度 飽和磁束密度Bs:(DC):18000G程度以上、
特に20000G程度以上 第1の軟磁性薄膜41の結晶粒の平均結晶粒径D:50
〜500A程度、特に100〜300A程度、さらには
150〜250A程度
性を有する。 保磁力Hc(50Hz):0.1〜2 Oe 程度、特に0.
1〜1Oe 程度 初透磁率μi (5MHz ):1000〜5000程度、特
に2000〜5000程度 飽和磁束密度Bs:(DC):18000G程度以上、
特に20000G程度以上 第1の軟磁性薄膜41の結晶粒の平均結晶粒径D:50
〜500A程度、特に100〜300A程度、さらには
150〜250A程度
【0071】また、非磁性薄膜を介在させることによっ
て、BsやDは前記と同等のまま、初透磁率μi (5MH
z )が1000〜6000程度、特に2000〜600
0程度に向上し、しかも周波数特性が向上する。
て、BsやDは前記と同等のまま、初透磁率μi (5MH
z )が1000〜6000程度、特に2000〜600
0程度に向上し、しかも周波数特性が向上する。
【0072】軟磁性多層膜4の磁気特性の測定は、例え
ば磁気ヘッドに適用する場合であれば磁気ヘッドに形成
する場合と同一条件で非磁性基板上に成膜し、同一条件
の熱処理を行った後、下記のとおり行なえばよい。
ば磁気ヘッドに適用する場合であれば磁気ヘッドに形成
する場合と同一条件で非磁性基板上に成膜し、同一条件
の熱処理を行った後、下記のとおり行なえばよい。
【0073】初透磁率μi :8の字コイル透磁率測定器
を用い、印加磁界5mOe にて測定 保磁力(Hc):B−Hトレーサにて測定 飽和磁束密度(Bs):VSMを用い、10000Gの
磁場中で測定
を用い、印加磁界5mOe にて測定 保磁力(Hc):B−Hトレーサにて測定 飽和磁束密度(Bs):VSMを用い、10000Gの
磁場中で測定
【0074】また、結晶粒の平均結晶粒径Dは、X線回
折線のFe(200)ピーク半値巾W50を測定し、下記
のシェラーの式から求めればよい。 式 D=0.9λ/W50 cosθ
折線のFe(200)ピーク半値巾W50を測定し、下記
のシェラーの式から求めればよい。 式 D=0.9λ/W50 cosθ
【0075】上式において、λは用いたX線の波長であ
り、θは回折角である。なお、前記のとおりCuKαを
用いた場合、Fe(200)ピークの2θは、65度程
度である。
り、θは回折角である。なお、前記のとおりCuKαを
用いた場合、Fe(200)ピークの2θは、65度程
度である。
【0076】このような本発明の軟磁性多層膜は、特に
MIG(メタル・イン・ギャップ)型磁気ヘッドや薄膜
磁気ヘッド等の各種磁気ヘッドに適用できる。そして、
磁気ヘッドのほかにも、薄膜インダクタ等各種軟磁性部
品等に適用できる。
MIG(メタル・イン・ギャップ)型磁気ヘッドや薄膜
磁気ヘッド等の各種磁気ヘッドに適用できる。そして、
磁気ヘッドのほかにも、薄膜インダクタ等各種軟磁性部
品等に適用できる。
【0077】次に、本発明の軟磁性多層膜4を磁気ヘッ
ドに適用する場合について説明する。本発明を適用した
MIG型磁気ヘッドの好適実施例を、図2および図3に
示す。
ドに適用する場合について説明する。本発明を適用した
MIG型磁気ヘッドの好適実施例を、図2および図3に
示す。
【0078】図2に示される磁気ヘッドは、第1コア1
と、ギャップ部対向面に、軟磁性多層膜4が形成されて
いる第2コア2とを有し、両コアがギャップ5を介して
接合され、溶着ガラス3により溶着一体化されている。
と、ギャップ部対向面に、軟磁性多層膜4が形成されて
いる第2コア2とを有し、両コアがギャップ5を介して
接合され、溶着ガラス3により溶着一体化されている。
【0079】また、図3に示される磁気ヘッドは、軟磁
性多層膜4を第1コア1、第2コア2の双方のギャップ
部対向面に形成したタイプのものである。
性多層膜4を第1コア1、第2コア2の双方のギャップ
部対向面に形成したタイプのものである。
【0080】磁気ヘッドのコア1、2はフェライトから
構成されることが好ましい。この場合、用いるフェライ
トに特に制限はないが、Mn−ZnフェライトまたはN
i−Znフェライトを、目的に応じて用いることが好ま
しい。
構成されることが好ましい。この場合、用いるフェライ
トに特に制限はないが、Mn−ZnフェライトまたはN
i−Znフェライトを、目的に応じて用いることが好ま
しい。
【0081】Mn−Znフェライトとしては、Fe2 O
3 50〜60モル%程度、ZnO8〜25モル%程度、
残部が実質的にMnOのものが好適である。また、Ni
−Znフェライトは特に高周波領域において優れた特性
を示すものであり、好ましい組成としては、Fe2 O3
が30〜60モル%、NiOが15〜50モル%、Zn
Oが5〜40モル%程度のものである。
3 50〜60モル%程度、ZnO8〜25モル%程度、
残部が実質的にMnOのものが好適である。また、Ni
−Znフェライトは特に高周波領域において優れた特性
を示すものであり、好ましい組成としては、Fe2 O3
が30〜60モル%、NiOが15〜50モル%、Zn
Oが5〜40モル%程度のものである。
【0082】コア1、2の直流での飽和磁束密度Bs
は、好ましくは3,000〜6,000Gとする。飽和
磁束密度が前記範囲未満であると、オーバーライト特性
が低下する他、このような飽和磁束密度の組成では、キ
ュリー温度が低くなるため熱的安定性が低下してしま
う。前記範囲をこえると、磁歪が増加して磁気ヘッドと
しての特性が悪化したり、着磁し易くなる。
は、好ましくは3,000〜6,000Gとする。飽和
磁束密度が前記範囲未満であると、オーバーライト特性
が低下する他、このような飽和磁束密度の組成では、キ
ュリー温度が低くなるため熱的安定性が低下してしま
う。前記範囲をこえると、磁歪が増加して磁気ヘッドと
しての特性が悪化したり、着磁し易くなる。
【0083】コア1、2の直流での初透磁率μi は1,
000以上、保磁力Hcは0.3 Oe 以下であることが
好ましい。
000以上、保磁力Hcは0.3 Oe 以下であることが
好ましい。
【0084】また、コア1、2のギャップ部対向面は、
鏡面研磨等により平滑化し、後述する軟磁性多層膜4や
下地膜等が形成され易いようにすることが好ましい。
鏡面研磨等により平滑化し、後述する軟磁性多層膜4や
下地膜等が形成され易いようにすることが好ましい。
【0085】軟磁性多層膜4は、記録時に密度の高い磁
束を発生させ、高い保磁力を有する磁気記録媒体に有効
な記録を行なうために設けられる。軟磁性多層膜4に
は、前述した本発明の軟磁性多層膜を用いる。
束を発生させ、高い保磁力を有する磁気記録媒体に有効
な記録を行なうために設けられる。軟磁性多層膜4に
は、前述した本発明の軟磁性多層膜を用いる。
【0086】磁気ヘッド完成時の軟磁性多層膜4の飽和
磁束密度Bsは、18000G以上、より好ましくは1
9000G以上、特に好ましくは20000G以上であ
ることが好ましい。前記範囲未満であるとオーバーライ
ト特性が悪化し、特に高保磁力の磁気記録媒体への記録
が困難である。
磁束密度Bsは、18000G以上、より好ましくは1
9000G以上、特に好ましくは20000G以上であ
ることが好ましい。前記範囲未満であるとオーバーライ
ト特性が悪化し、特に高保磁力の磁気記録媒体への記録
が困難である。
【0087】また、軟磁性多層膜4の第1の軟磁性薄膜
41は、(100)配向性が強い。(100)配向性が
強いと、軟磁性多層膜4の軟磁気特性が向上し、高い記
録・再生感度が得られる。
41は、(100)配向性が強い。(100)配向性が
強いと、軟磁性多層膜4の軟磁気特性が向上し、高い記
録・再生感度が得られる。
【0088】また、軟磁性多層膜4の第1の軟磁性薄膜
41の結晶粒の平均結晶粒径は、500A以下、より好
ましくは300A以下、特に100〜300A程度であ
ることが好ましい。前記範囲の場合、軟磁気特性が向上
し、高い記録・再生感度が得られる。
41の結晶粒の平均結晶粒径は、500A以下、より好
ましくは300A以下、特に100〜300A程度であ
ることが好ましい。前記範囲の場合、軟磁気特性が向上
し、高い記録・再生感度が得られる。
【0089】この場合、軟磁気特性、すなわち、磁気ヘ
ッド完成時における軟磁性多層膜4の50Hzでの保磁力
Hcは、2 Oe 以下、より好ましくは1 Oe 以下、特に
好ましくは0.8 Oe 以下であることが好ましい。そし
て、軟磁性多層膜4の5MHz での初透磁率μi は、10
00以上、より好ましくは1500以上、特に好ましく
は2000以上であることが好ましい。保磁力Hcが前
記範囲をこえると、あるいは初透磁率μi が前記範囲未
満であると、記録・再生感度が低下する傾向にある。
ッド完成時における軟磁性多層膜4の50Hzでの保磁力
Hcは、2 Oe 以下、より好ましくは1 Oe 以下、特に
好ましくは0.8 Oe 以下であることが好ましい。そし
て、軟磁性多層膜4の5MHz での初透磁率μi は、10
00以上、より好ましくは1500以上、特に好ましく
は2000以上であることが好ましい。保磁力Hcが前
記範囲をこえると、あるいは初透磁率μi が前記範囲未
満であると、記録・再生感度が低下する傾向にある。
【0090】軟磁性多層膜4の膜厚は、好ましくは0.
2〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μmである。
膜厚が前記範囲未満であると、軟磁性多層膜4全体の体
積が不足して飽和し易くなり、MIG型磁気ヘッドの機
能を十分に果たすことが困難となる。
2〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μmである。
膜厚が前記範囲未満であると、軟磁性多層膜4全体の体
積が不足して飽和し易くなり、MIG型磁気ヘッドの機
能を十分に果たすことが困難となる。
【0091】このような軟磁性多層膜4を有することに
より、本発明の磁気ヘッドは保磁力800 Oe 以上の磁
気記録媒体に対し有効な記録を行なうことができる。
より、本発明の磁気ヘッドは保磁力800 Oe 以上の磁
気記録媒体に対し有効な記録を行なうことができる。
【0092】そして、コア1、コア2および軟磁性多層
膜4が前述したような磁気特性であれば、磁気ヘッドと
して高い出力と分解能とが得られる。また、オーバーラ
イト特性も−35dB以下の良好な値が得られる。なお、
分解能とは、例えば、1f信号の出力をV1f、2f信号
の出力をV2fとしたとき、(V2f/V1f)×100
[%]で表わされるものである。また、オーバーライト
特性とは、例えば、1f信号の上に2f信号を重ね書き
したときの2f信号出力に対する1f信号出力である。
膜4が前述したような磁気特性であれば、磁気ヘッドと
して高い出力と分解能とが得られる。また、オーバーラ
イト特性も−35dB以下の良好な値が得られる。なお、
分解能とは、例えば、1f信号の出力をV1f、2f信号
の出力をV2fとしたとき、(V2f/V1f)×100
[%]で表わされるものである。また、オーバーライト
特性とは、例えば、1f信号の上に2f信号を重ね書き
したときの2f信号出力に対する1f信号出力である。
【0093】ギャップ5は、非磁性材質から形成され
る。特に、ギャップ5には、接着強度を高めるため接着
ガラスを用いることが好ましく、例えば、特願平1−7
1506号等に示されるガラスが好適である。また、ギ
ャップ5は、接着ガラスのみで形成されていてもよい
が、ギャップ形成速度やギャップ強度を高めるため、図
示のようにギャップ51とギャップ53との2層で形成
されることが好ましい。この場合、ギャップ51にはS
iO2 を用い、ギャップ53には接着ガラスを用いるこ
とが好ましい。
る。特に、ギャップ5には、接着強度を高めるため接着
ガラスを用いることが好ましく、例えば、特願平1−7
1506号等に示されるガラスが好適である。また、ギ
ャップ5は、接着ガラスのみで形成されていてもよい
が、ギャップ形成速度やギャップ強度を高めるため、図
示のようにギャップ51とギャップ53との2層で形成
されることが好ましい。この場合、ギャップ51にはS
iO2 を用い、ギャップ53には接着ガラスを用いるこ
とが好ましい。
【0094】なお、後述する溶着ガラス3が、ギャップ
両サイドに流れ込むタイプの磁気ヘッドの場合は、ギャ
ップ5を酸化ケイ素のみで形成してもよい。ギャップ5
の形成方法には特に制限はないが、スパッタ法を用いる
ことが好ましい。ギャップ長は、通常0.2〜2.0μ
m程度である。
両サイドに流れ込むタイプの磁気ヘッドの場合は、ギャ
ップ5を酸化ケイ素のみで形成してもよい。ギャップ5
の形成方法には特に制限はないが、スパッタ法を用いる
ことが好ましい。ギャップ長は、通常0.2〜2.0μ
m程度である。
【0095】本発明を適用したMIG型磁気ヘッドは、
図2や図3に示されるように、第1コア1と、第2コア
2とがギャップ5を介して接合一体化されているもので
ある。コアの接合は、通常、ギャップ53の接着ガラス
により熱圧着すると同時に溶着ガラス3を流し込むこと
により行う。用いる溶着ガラス3の作業温度Twは45
0〜700℃、特に460〜650℃程度であることが
好ましい。ここに、作業温度Twとは、周知のように、
ガラスの粘度が104 poise となる温度である。
図2や図3に示されるように、第1コア1と、第2コア
2とがギャップ5を介して接合一体化されているもので
ある。コアの接合は、通常、ギャップ53の接着ガラス
により熱圧着すると同時に溶着ガラス3を流し込むこと
により行う。用いる溶着ガラス3の作業温度Twは45
0〜700℃、特に460〜650℃程度であることが
好ましい。ここに、作業温度Twとは、周知のように、
ガラスの粘度が104 poise となる温度である。
【0096】本発明では耐熱性の高い前記の軟磁性多層
膜4を用いるため、このようなTwのガラスを用いて溶
着しても、保磁力Hcは2 Oe 以下、特に1 Oe 以下、
さらには0.8 Oe 以下の値を保持する。溶着ガラス3
には、特に制限はないが、鉛ケイ酸ガラスを用いること
が好ましい。このうち、例えば、下記に示されるガラス
が好適である。
膜4を用いるため、このようなTwのガラスを用いて溶
着しても、保磁力Hcは2 Oe 以下、特に1 Oe 以下、
さらには0.8 Oe 以下の値を保持する。溶着ガラス3
には、特に制限はないが、鉛ケイ酸ガラスを用いること
が好ましい。このうち、例えば、下記に示されるガラス
が好適である。
【0097】PbO:67.5〜87.5重量%程度 B2 O3 :4.0〜8.1重量%程度 SiO2 :7.5〜16.6重量%程度 Al2 O3 :0.3〜0.8重量%程度 ZnO:2.2〜3.3重量%程度 Bi2 O3 :0〜0.1重量%程度 Na2 O、K2 O、CaO等:0〜4重量%程度 Sb2 O3 :0〜1重量%程度 なお、溶着に際しては、溶着温度を作業温度Tw近辺と
し、通常の方法により行う。この場合、溶着処理が、軟
磁性多層膜4の熱処理を兼ねるようにしてもよい。
し、通常の方法により行う。この場合、溶着処理が、軟
磁性多層膜4の熱処理を兼ねるようにしてもよい。
【0098】また、本発明においては、図4に示される
ように、第1コア1にコアより飽和磁束密度Bsの低い
低飽和磁束密度合金薄膜6を形成し、第2コア2に前述
した軟磁性多層膜4を形成したいわゆるEDG型のMI
G型磁気ヘッドとすることができる。そして、前述した
MIG型磁気ヘッドと同様の効果を得ることができる。
この場合、低飽和磁束密度合金薄膜6には、例えば、特
願昭63−311591号に示される低飽和磁束密度非
晶質薄膜等を用いることができ、優れたオーバーライト
特性や高い感度が得られる。
ように、第1コア1にコアより飽和磁束密度Bsの低い
低飽和磁束密度合金薄膜6を形成し、第2コア2に前述
した軟磁性多層膜4を形成したいわゆるEDG型のMI
G型磁気ヘッドとすることができる。そして、前述した
MIG型磁気ヘッドと同様の効果を得ることができる。
この場合、低飽和磁束密度合金薄膜6には、例えば、特
願昭63−311591号に示される低飽和磁束密度非
晶質薄膜等を用いることができ、優れたオーバーライト
特性や高い感度が得られる。
【0099】本発明を適用した磁気ヘッドは、必要に応
じスライダーと一体化され、組立てられヘッドアセンブ
リーとされる。そして、いわゆるラミネートタイプやバ
ルクタイプ等のトンネルイレーズ型あるいはイレーズヘ
ッドを有しないリードライト型などのオーバーライト記
録を行なうフロッピーヘッド、モノリシックタイプやコ
ンポジットタイプの浮上型の計算機用ヘッド、回転型の
VTR用ヘッドやR−DAT用ヘッドなどの各種磁気ヘ
ッドとして用いられる。このようにして、前記の本発明
を適用した磁気ヘッドを用いて、公知の種々の方式のオ
ーバーライト記録を行なうことができる。
じスライダーと一体化され、組立てられヘッドアセンブ
リーとされる。そして、いわゆるラミネートタイプやバ
ルクタイプ等のトンネルイレーズ型あるいはイレーズヘ
ッドを有しないリードライト型などのオーバーライト記
録を行なうフロッピーヘッド、モノリシックタイプやコ
ンポジットタイプの浮上型の計算機用ヘッド、回転型の
VTR用ヘッドやR−DAT用ヘッドなどの各種磁気ヘ
ッドとして用いられる。このようにして、前記の本発明
を適用した磁気ヘッドを用いて、公知の種々の方式のオ
ーバーライト記録を行なうことができる。
【0100】次に、本発明を適用した薄膜磁気ヘッドに
ついて説明する。
ついて説明する。
【0101】図5に、本発明の軟磁性多層膜を適用した
浮上型の薄膜磁気ヘッドを示す。図5に示される薄膜磁
気ヘッドは、スライダ7上に、絶縁層81、下部磁極層
91、ギャップ層10、絶縁層83、コイル層11、絶
縁層85、上部磁極層95および保護層12を順次有す
る。
浮上型の薄膜磁気ヘッドを示す。図5に示される薄膜磁
気ヘッドは、スライダ7上に、絶縁層81、下部磁極層
91、ギャップ層10、絶縁層83、コイル層11、絶
縁層85、上部磁極層95および保護層12を順次有す
る。
【0102】磁気ヘッドのスライダ7は、材料として従
来公知の種々のものを用いればよく、例えばセラミック
ス、フェライト等により構成される。この場合、セラミ
ックス、特にAl2 O3 −TiCを主成分とするセラミ
ックス、ZrO2 を主成分とするセラミックス、SiC
を主成分とするセラミックスまたはAlNを主成分とす
るセラミックスが好適である。なお、これらには、添加
物としてMg、Y、ZrO2 、TiO2等が含有されて
いてもよい。スライダ7の形状やサイズ等の諸条件は公
知の何れのものであってもよく、用途に応じ適宜選択さ
れる。
来公知の種々のものを用いればよく、例えばセラミック
ス、フェライト等により構成される。この場合、セラミ
ックス、特にAl2 O3 −TiCを主成分とするセラミ
ックス、ZrO2 を主成分とするセラミックス、SiC
を主成分とするセラミックスまたはAlNを主成分とす
るセラミックスが好適である。なお、これらには、添加
物としてMg、Y、ZrO2 、TiO2等が含有されて
いてもよい。スライダ7の形状やサイズ等の諸条件は公
知の何れのものであってもよく、用途に応じ適宜選択さ
れる。
【0103】スライダ7上には、絶縁層81が形成され
る。絶縁層81の材料としては従来公知のものは何れも
使用可能であり、例えば、薄膜作製をスパッタ法により
行なうときには、SiO2 、ガラス、Al2 O3 等を用
いることができる。絶縁層81の膜厚やパターンは公知
の何れのものであってもよく、例えば膜厚は、5〜40
μm程度とする。
る。絶縁層81の材料としては従来公知のものは何れも
使用可能であり、例えば、薄膜作製をスパッタ法により
行なうときには、SiO2 、ガラス、Al2 O3 等を用
いることができる。絶縁層81の膜厚やパターンは公知
の何れのものであってもよく、例えば膜厚は、5〜40
μm程度とする。
【0104】磁極は、通常図示のように、下部磁極層9
1と、上部磁極層95として設けられる。本発明では、
下部磁極層91および上部磁極層95には、それぞれ、
前述のMIG型磁気ヘッドやEDG型のMIG型磁気ヘ
ッドの場合と同様に、本発明の軟磁性多層膜を用いる。
このため、オーバーライト特性に優れ、記録・再生感度
が高い磁気ヘッドが得られる。なお、成膜や熱処理等も
前記と同様に行なえばよい。
1と、上部磁極層95として設けられる。本発明では、
下部磁極層91および上部磁極層95には、それぞれ、
前述のMIG型磁気ヘッドやEDG型のMIG型磁気ヘ
ッドの場合と同様に、本発明の軟磁性多層膜を用いる。
このため、オーバーライト特性に優れ、記録・再生感度
が高い磁気ヘッドが得られる。なお、成膜や熱処理等も
前記と同様に行なえばよい。
【0105】下部および上部磁極層91、95のパター
ン、膜厚等は公知のいずれのものであってもよい。例え
ば下部磁極層91の膜厚は1〜5μm程度、上部磁極層
95の膜厚は1〜5μm程度とすればよい。下部磁極層
91および上部磁極層95の間にはギャップ層10が形
成される。
ン、膜厚等は公知のいずれのものであってもよい。例え
ば下部磁極層91の膜厚は1〜5μm程度、上部磁極層
95の膜厚は1〜5μm程度とすればよい。下部磁極層
91および上部磁極層95の間にはギャップ層10が形
成される。
【0106】ギャップ層10には、Al2 O3 、SiO2
等公知の種々の材料を用いればよい。また、ギャップ層
10のパターン、膜厚等は公知の何れのものであっても
よい。例えば、ギャップ10の膜厚は0.2〜1.0μ
m程度とすればよい。
等公知の種々の材料を用いればよい。また、ギャップ層
10のパターン、膜厚等は公知の何れのものであっても
よい。例えば、ギャップ10の膜厚は0.2〜1.0μ
m程度とすればよい。
【0107】コイル層11の材質には特に制限はなく、
通常用いられるAl、Cu等の金属を用いればよい。コ
イルの巻回パターンや巻回密度についても制限はなく、
公知のものを適宜選択使用すればよい。例えば巻回パタ
ーンについては、図示のスパイラル型の他、積層型、ジ
グザグ型等何れであってもよい。また、コイル層11の
形成にはスパッタ法等の各種気相被着法やめっき法等を
用いればよい。
通常用いられるAl、Cu等の金属を用いればよい。コ
イルの巻回パターンや巻回密度についても制限はなく、
公知のものを適宜選択使用すればよい。例えば巻回パタ
ーンについては、図示のスパイラル型の他、積層型、ジ
グザグ型等何れであってもよい。また、コイル層11の
形成にはスパッタ法等の各種気相被着法やめっき法等を
用いればよい。
【0108】図示例ではコイル層11は、いわゆるスパ
イラル型としてスパイラル状に下部および上部磁極層9
1、95間に配設されており、コイル層11と下部およ
び上部磁極層91、95間には絶縁層83、85が設層
されている。
イラル型としてスパイラル状に下部および上部磁極層9
1、95間に配設されており、コイル層11と下部およ
び上部磁極層91、95間には絶縁層83、85が設層
されている。
【0109】絶縁層83、85の材料としては従来公知
のものは何れも使用可能であり、例えば、薄膜作製をス
パッタ法により行なうときには、SiO2、ガラス、A
l2 O3 等を用いることができる。
のものは何れも使用可能であり、例えば、薄膜作製をス
パッタ法により行なうときには、SiO2、ガラス、A
l2 O3 等を用いることができる。
【0110】また、上部磁極層95上には保護層12が
設置される。保護層12の材料としては従来公知のもの
は何れも使用可能であり、例えばAl2 O3 等を用いる
ことができる。この場合、保護層12のパターンや膜厚
等は従来公知のものはいずれも使用可能であり、例えば
膜厚は10〜50μm程度とすればよい。なお、本発明
ではさらに各種樹脂コート層等を積層してもよい。
設置される。保護層12の材料としては従来公知のもの
は何れも使用可能であり、例えばAl2 O3 等を用いる
ことができる。この場合、保護層12のパターンや膜厚
等は従来公知のものはいずれも使用可能であり、例えば
膜厚は10〜50μm程度とすればよい。なお、本発明
ではさらに各種樹脂コート層等を積層してもよい。
【0111】このような薄膜磁気ヘッドの製造工程は、
通常、薄膜作製とパターン形成とによって行なわれる。
各層の薄膜作製には、上記したように、従来公知の技術
である気相被着法、例えば真空蒸着法、スパッタ法、あ
るいはめっき法等を用いればよい。
通常、薄膜作製とパターン形成とによって行なわれる。
各層の薄膜作製には、上記したように、従来公知の技術
である気相被着法、例えば真空蒸着法、スパッタ法、あ
るいはめっき法等を用いればよい。
【0112】薄膜磁気ヘッドの各層のパターン形成は、
従来公知の技術である選択エッチングあるいは選択デポ
ジションにより行なうことができる。
従来公知の技術である選択エッチングあるいは選択デポ
ジションにより行なうことができる。
【0113】エッチングとしてはウェットエッチングや
ドライエッチングにより行なうことができる。
ドライエッチングにより行なうことができる。
【0114】本発明を適用した薄膜磁気ヘッドは、アー
ム等の従来公知のアセンブリーと組み合わせて使用され
る。
ム等の従来公知のアセンブリーと組み合わせて使用され
る。
【0115】また、前記の本発明を適用した薄膜磁気ヘ
ッドを用いて、種々の方式のオーバーライト記録を行う
ことができる。この場合、保磁力Hcが、800 Oe 以
上の磁気記録媒体に対し有効に、記録・再生を行うこと
ができる。
ッドを用いて、種々の方式のオーバーライト記録を行う
ことができる。この場合、保磁力Hcが、800 Oe 以
上の磁気記録媒体に対し有効に、記録・再生を行うこと
ができる。
【0116】さらに、本発明においては、非磁性基板間
に軟磁性多層膜をパターン状に形成したり、非磁性基板
間に軟磁性多層膜を形成した一対のコアハーフ同士を突
き合わせたりして、これらの軟磁性多層膜により磁気回
路を形成して磁気ヘッドとしてもよい。
に軟磁性多層膜をパターン状に形成したり、非磁性基板
間に軟磁性多層膜を形成した一対のコアハーフ同士を突
き合わせたりして、これらの軟磁性多層膜により磁気回
路を形成して磁気ヘッドとしてもよい。
【0117】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
をさらに詳細に説明する。
【0118】実施例1 図1に示されるように、非磁性基体45上に、下記の第
1の軟磁性薄膜41と、第2の軟磁性薄膜43とをスパ
ッタリングにより交互にそれぞれ5層ずつ積層した後、
600℃で60分間熱処理を行なって、軟磁性多層膜サ
ンプルNo. 1を作製した。
1の軟磁性薄膜41と、第2の軟磁性薄膜43とをスパ
ッタリングにより交互にそれぞれ5層ずつ積層した後、
600℃で60分間熱処理を行なって、軟磁性多層膜サ
ンプルNo. 1を作製した。
【0119】第1の軟磁性薄膜 Fe87Zr10N3 (at% ) 膜厚:0.05μm 飽和磁束密度Bs:17000G(熱処理後) 第2の軟磁性薄膜 Fe60Co40(at% ) 膜厚:0.05μm 飽和磁束密度Bs:23500G(熱処理後)
【0120】得られたサンプルNo. 1の直流での飽和磁
束密度Bs、周波数50Hzでの保磁力Hcおよび周波数
5MHz での初透磁率μi を下記に示す。
束密度Bs、周波数50Hzでの保磁力Hcおよび周波数
5MHz での初透磁率μi を下記に示す。
【0121】なお、組成分析にはEPMA、Bs測定に
はVSM、Hc測定にはB−Hトレーサ、μi 測定には
8の字コイル透磁率測定器(印加磁界5mOe )を用いて
行った。 Bs:20200G Hc:0.4 Oe μi (5MHz ):3000 なお、比較のため、膜厚0.5μmの第1の軟磁性薄膜
のみからなる単層膜の特性を測定したところ、Bs:1
7000G、Hc:0.5 Oe、μi (5MHz ):30
00であり、多層による効果が明らかである。
はVSM、Hc測定にはB−Hトレーサ、μi 測定には
8の字コイル透磁率測定器(印加磁界5mOe )を用いて
行った。 Bs:20200G Hc:0.4 Oe μi (5MHz ):3000 なお、比較のため、膜厚0.5μmの第1の軟磁性薄膜
のみからなる単層膜の特性を測定したところ、Bs:1
7000G、Hc:0.5 Oe、μi (5MHz ):30
00であり、多層による効果が明らかである。
【0122】また、サンプルNo. 1の第1の軟磁性薄膜
単独の熱処理後のX線回折チャートを図6に示す。この
チャートを見ると、Fe(110)ピークに対するFe
(200)ピークの相対強度比は、3.1であり、サン
プルNo. 1の第1の軟磁性薄膜は、(100)配向性が
強いことを確認できる。また、電子線回折パターンから
も(100)配向が認められた。
単独の熱処理後のX線回折チャートを図6に示す。この
チャートを見ると、Fe(110)ピークに対するFe
(200)ピークの相対強度比は、3.1であり、サン
プルNo. 1の第1の軟磁性薄膜は、(100)配向性が
強いことを確認できる。また、電子線回折パターンから
も(100)配向が認められた。
【0123】また、700℃にて60分間熱処理したと
ころ、Hcは1 Oe未満であった。さらに、サンプルNo.
1は耐食性や耐摩耗性も良好であった。
ころ、Hcは1 Oe未満であった。さらに、サンプルNo.
1は耐食性や耐摩耗性も良好であった。
【0124】実施例2 第1の軟磁性膜と、第2の軟磁性薄膜の間のそれぞれ
に、スパッタリングにより膜厚0.01μmのZrN膜
を形成したほかは実施例1と同様のサンプルNo. 2を作
製したところ下記の結果を得た。 Bs:20200G Hc:0.3 Oe μi (5MHz ):4500
に、スパッタリングにより膜厚0.01μmのZrN膜
を形成したほかは実施例1と同様のサンプルNo. 2を作
製したところ下記の結果を得た。 Bs:20200G Hc:0.3 Oe μi (5MHz ):4500
【0125】また、サンプルNo. 2のμi の周波数特性
は、サンプルNo. 1より良好であり、サンプルNo. 2は
耐食性も良好であった。
は、サンプルNo. 1より良好であり、サンプルNo. 2は
耐食性も良好であった。
【0126】また、サンプルNo. 2の第1の軟磁性薄膜
単独の熱処理後のFe(110)ピークに対するFe
(200)ピークの相対強度比は、3.1であり、電子
線回折パターンからも(100)配向が認められた。
単独の熱処理後のFe(110)ピークに対するFe
(200)ピークの相対強度比は、3.1であり、電子
線回折パターンからも(100)配向が認められた。
【0127】また、700℃にて60分間熱処理したと
ころ、Hcは1 Oe未満であった。
ころ、Hcは1 Oe未満であった。
【0128】実施例3 膜厚0.1μmの第1の軟磁性薄膜と、膜厚0.05μ
mの第2の軟磁性薄膜とをそれぞれ1層ずつ積層したほ
かは実施例1と同様のサンプルNo. 3を作製したところ
下記の結果を得た。 Bs:19200G Hc:0.4 Oe μi (5MHz ):3500
mの第2の軟磁性薄膜とをそれぞれ1層ずつ積層したほ
かは実施例1と同様のサンプルNo. 3を作製したところ
下記の結果を得た。 Bs:19200G Hc:0.4 Oe μi (5MHz ):3500
【0129】また、サンプルNo. 3の第1の軟磁性薄膜
単独の熱処理後のFe(110)ピークに対するFe
(200)ピークの相対強度比は、3.1であり、電子
線回折パターンからも(100)配向が認められた。
単独の熱処理後のFe(110)ピークに対するFe
(200)ピークの相対強度比は、3.1であり、電子
線回折パターンからも(100)配向が認められた。
【0130】また、700℃にて60分間熱処理したと
ころ、Hcは1 Oe未満であった。
ころ、Hcは1 Oe未満であった。
【0131】さらに、サンプルNo. 3は、耐食性も良好
であった。
であった。
【0132】比較例1 実施例1のサンプルNo. 1の第1の軟磁性薄膜を下記の
膜にかえた他は、No. 1と同様の比較用サンプルNo. 4
を作製した。
膜にかえた他は、No. 1と同様の比較用サンプルNo. 4
を作製した。
【0133】第1の軟磁性薄膜 Fe75Zr7 N18(at% ) 膜厚0.05μm Bs:16000G(熱処理後) サンプルNo. 4の特性を下記に示す。 Bs:19700G Hc:0.5 Oe μi (5MHz ):2000 サンプルNo. 4の第1の軟磁性薄膜単独の熱処理後のF
e(110)ピークに対するFe(200)ピークの相
対強度比は0であった。これらの結果から、Fe(10
0)配向の結果があきらかである。
e(110)ピークに対するFe(200)ピークの相
対強度比は0であった。これらの結果から、Fe(10
0)配向の結果があきらかである。
【0134】実施例4 実施例1と同様にして、第1の軟磁性薄膜と、第2の軟
磁性薄膜とを交互にそれぞれ5層ずつ積層した軟磁性多
層膜サンプルNo. 5〜12を作製した。
磁性薄膜とを交互にそれぞれ5層ずつ積層した軟磁性多
層膜サンプルNo. 5〜12を作製した。
【0135】第1の軟磁性薄膜は、Fe97-x-y-w Mx
Niy N3 Ow (at% )にて、表1に示されるように、
M、x、yおよびwを変えたものであり、第2の軟磁性
薄膜はサンプルNo. 1と同様とした。
Niy N3 Ow (at% )にて、表1に示されるように、
M、x、yおよびwを変えたものであり、第2の軟磁性
薄膜はサンプルNo. 1と同様とした。
【0136】得られたサンプルNo. 5〜12の特性は表
1に示されるとおりである。
1に示されるとおりである。
【0137】
【表1】
【0138】サンプルNo. 5〜12の第1の軟磁性薄膜
単独の熱処理後のFe(110)ピークに対するFe
(200)ピークの相対強度比は、1〜10程度であ
り、電子線回折パターンからも(100)配向を認めら
れた。
単独の熱処理後のFe(110)ピークに対するFe
(200)ピークの相対強度比は、1〜10程度であ
り、電子線回折パターンからも(100)配向を認めら
れた。
【0139】また、700℃にて60分間熱処理したと
ころ、Hcは1 Oe未満であった。さらに、サンプルNo.
5〜12は、耐食性も良好であった。
ころ、Hcは1 Oe未満であった。さらに、サンプルNo.
5〜12は、耐食性も良好であった。
【0140】なお、サンプルNo. 5〜12のそれぞれに
ついて、第1の軟磁性薄膜と、第2の軟磁性薄膜の間の
それぞれにTaC膜を形成したところ、μi の向上とμ
iの周波数特性の向上がみられ、また、TaC膜をZr
N、BN、Si3 N、SiO2 、ZrO2 、Al2 O
3 、SiC、B4 C、TiC、ZrC等にかえても同等
であった。
ついて、第1の軟磁性薄膜と、第2の軟磁性薄膜の間の
それぞれにTaC膜を形成したところ、μi の向上とμ
iの周波数特性の向上がみられ、また、TaC膜をZr
N、BN、Si3 N、SiO2 、ZrO2 、Al2 O
3 、SiC、B4 C、TiC、ZrC等にかえても同等
であった。
【0141】また、このほか、前記組成式においてMが
異なるサンプル、第1の軟磁性薄膜の膜厚が異なるサン
プル、第2の軟磁性薄膜の組成や薄膜が異なるサンプ
ル、積層数が異なる各サンプルを作製したところ同等の
結果が得られた。
異なるサンプル、第1の軟磁性薄膜の膜厚が異なるサン
プル、第2の軟磁性薄膜の組成や薄膜が異なるサンプ
ル、積層数が異なる各サンプルを作製したところ同等の
結果が得られた。
【0142】以上の結果から本発明の結果が明らかであ
る。
る。
【0143】実施例5 実施例1〜4の各軟磁性多層膜を用いて、MIG型磁気
ヘッドや薄膜磁気ヘッドを製造したところ、オーバーラ
イト特性が良好であり、しかも高い再生出力が得られ
た。
ヘッドや薄膜磁気ヘッドを製造したところ、オーバーラ
イト特性が良好であり、しかも高い再生出力が得られ
た。
【0144】この結果から本発明の効果が明らかであ
る。
る。
【0145】
【発明の効果】本発明の軟磁性多層膜は、飽和磁束密度
Bsが高い。そして、耐熱性が高く、特に(100)配
向性が強いため、保磁力Hcが低く、透磁率μが高い、
優れた軟磁気特性を有する。このため、本発明の軟磁性
多層膜を磁気ヘッドに適用した場合には、オーバーライ
ト特性や記録・再生感度などが高く、優れた電磁変換特
性が得られる。また、本発明の軟磁性多層膜は耐食性や
耐摩耗性に優れるため、信頼性の高い磁気ヘッドが実現
する。
Bsが高い。そして、耐熱性が高く、特に(100)配
向性が強いため、保磁力Hcが低く、透磁率μが高い、
優れた軟磁気特性を有する。このため、本発明の軟磁性
多層膜を磁気ヘッドに適用した場合には、オーバーライ
ト特性や記録・再生感度などが高く、優れた電磁変換特
性が得られる。また、本発明の軟磁性多層膜は耐食性や
耐摩耗性に優れるため、信頼性の高い磁気ヘッドが実現
する。
【図1】本発明の軟磁性多層膜の1例を示す断面図であ
る。
る。
【図2】本発明を適用したMIG型磁気ヘッドの1例を
示す部分断面図である。
示す部分断面図である。
【図3】本発明を適用したMIG型磁気ヘッドの1例を
示す部分断面図である。
示す部分断面図である。
【図4】本発明を適用したEDG型のMIG型磁気ヘッ
ドの1例を示す部分断面図である。
ドの1例を示す部分断面図である。
【図5】本発明を適用した薄膜磁気ヘッドの1例を示す
部分断面図である。
部分断面図である。
【図6】本発明の軟磁性多層膜の第1の軟磁性薄膜のX
線回折チャートを示すグラフである。
線回折チャートを示すグラフである。
【符号の説明】 1 第1コア 2 第2コア 3 溶着ガラス 4 軟磁性多層膜 41 第1の軟磁性薄膜 42 第2の軟磁性薄膜 45 基体 5、51、53 ギャップ 6 低飽和磁束密度合金薄膜 7 スライダ 81、83、85 絶縁層 91 下部磁極層 95 上部磁極層 10 ギャップ層 11 コイル層 12 保護層
Claims (6)
- 【請求項1】 下記式で表わされる原子比組成を有し、
X線回折にて、Fe(110)ピークに対するFe(2
00)ピークの相対強度比が1/3以上である第1の軟
磁性薄膜と、Fe、CoおよびNiから選ばれる1種以
上を含有する第2の軟磁性薄膜とを交互に積層したこと
を特徴とする軟磁性多層膜。 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz (上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
CrおよびBから選ばれる1種以上であり、0.1≦x
≦15、0≦y≦10、0.1≦z≦15である。) - 【請求項2】 下記式で表わされる原子比組成を有し、
電子線回折にてFe(200)面配向を持つ第1の軟磁
性薄膜と、Fe、CoおよびNiから選ばれる1種以上
を含有する第2の軟磁性薄膜とを交互に積層したことを
特徴とする軟磁性多層膜。 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz (上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
CrおよびBから選ばれる1種以上であり、0.1≦x
≦15、0≦y≦10、0.1≦z≦15である。) - 【請求項3】 第1の軟磁性薄膜が下記式で表わされる
原子比組成を有する請求項1または2の軟磁性多層膜。 式 Fe100-x-y-z Mx Niy Nz (上式においてMは、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
CrおよびBから選ばれる1種以上であり、8≦x≦1
4、0≦y≦10、2≦z≦4である。) - 【請求項4】 前記第2の軟磁性薄膜の飽和磁束密度
が、前記第1の軟磁性薄膜の飽和磁束密度より大である
請求項1ないし3のいずれかに記載の軟磁性多層膜。 - 【請求項5】 前記第2の軟磁性薄膜の膜厚が0.1μ
m以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の軟磁
性多層膜。 - 【請求項6】 前記第1の軟磁性薄膜と前記第2の軟磁
性薄膜との間に、非磁性薄膜を有する請求項1ないし5
のいずれかに記載の軟磁性多層膜。
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JPH04245606A JPH04245606A (ja) | 1992-09-02 |
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- 1991-01-31 JP JP03201491A patent/JP3272738B2/ja not_active Expired - Fee Related
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