JP3243256B2 - 軟磁性薄膜および磁気ヘッド - Google Patents
軟磁性薄膜および磁気ヘッドInfo
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Description
ヘッド、特にメタル・イン・ギャップ(MIG)型磁気
ヘッドや、エンハンスト・デュアル・ギャップ・レング
ス(EDG)型磁気ヘッドや、薄膜磁気ヘッドに関す
る。
との少なくとも一方のギャップ部対向面にコアよりも飽
和磁束密度Bsの高いセンダスト等の軟磁性薄膜を有す
るMIG型磁気ヘッドが知られている。この磁気ヘッド
では、軟磁性薄膜から強力な磁束を磁気記録媒体に印加
できるため、高い保磁力を有する媒体に有効な記録が行
える。
である等の優れた諸特性を有する浮上型の薄膜磁気ヘッ
ドが実用化されてきている。
を発生させるため、上部および下部磁極層には、飽和磁
束密度Bsの高いパーマロイ、センダスト等の軟磁性薄
膜が用いられる。
うな軟磁性薄膜の飽和磁束密度Bsは、高々12000
G程度である。このため、従来の磁気ヘッドでは、オー
バーライト特性等の電磁変換特性が不十分であり、特に
高保磁力を有する磁気記録媒体の場合には、より一層高
い飽和磁束密度Bsが要求されている。
性薄膜は、結晶磁気異方性が小さいため、優れた軟磁気
特性を有することが知られている。しかし、スパッタリ
ング等の一般の気相法にてFe系軟磁性薄膜の成膜を行
なっても(100)配向性を強くできず、主に(11
0)面配向や無配向の薄膜ができる。このため、(10
0)配向性が強い膜を成膜するには、特定の材質の基
板、例えばZnSeを使用したり、(100)配向ある
いは(100)配向性が強いGaAs等の単結晶基板を
使用しなければならない。
限定された条件でしか実現しないため、磁気ヘッドの軟
磁性薄膜を(100)配向あるいは(100)配向性を
強くすることは非常に困難である。
2の混合ガス中でスパッタリングして、センダストより
もさらに飽和磁束密度Bsが高いFe−N軟磁性薄膜を
得ることができる。これは、Nを混合することにより、
Feの結晶粒が微細化され、磁気異方性分散が減少する
ためである。
は、Feを主体とし、Fe4Nおよび/またはFe3N
からなる窒化鉄を含有する軟磁性薄膜が開示されてい
る。そして、この軟磁性薄膜は、飽和磁束密度が150
00G以上であり、保磁力Hcが低く、前記磁気ヘッド
用としては好適な磁気特性を有している。
く、約350℃程度の温度で結晶粒径が大きくなり、保
磁力Hcが急激に増加してしまう。
50〜700℃程度の温度下におかれるMIG型磁気ヘ
ッドやEDG型磁気ヘッド、さらには、スパッタリング
等による成膜工程で約350℃以上の温度下におかれる
薄膜磁気ヘッドに使用することは困難である。加えて、
この軟磁性薄膜は、スパッタリング等の気相法で、通常
の基板上に成膜を行なうだけでは(100)配向性を強
くできない。
性や耐食性が高く、さらに飽和磁束密度Bsが高く、し
かも優れた軟磁気特性を有する軟磁性薄膜と、このよう
な軟磁性薄膜を有するMIG型磁気ヘッドやEDG型磁
気ヘッド、さらには薄膜磁気ヘッドとを提供することに
ある。
(1)〜(6)の本発明により達成される。 (1) 下記式で表わされる原子比組成を有し、200
〜800℃の温度で熱処理を行ない、X線回折にて、F
e(110)ピークに対するFe(200)ピークの相
対強度比が1/3以上であり、飽和磁束密度Bsが16
000G以上であり、保磁力Hcが1 Oe 以下であるこ
とを特徴とする軟磁性薄膜(但し、X線回折にて、Fe
(110)ピークに対するFe(200)ピークの相対
強度比が1以上のものを除く)。 式 [(Fe1-y Niy)1-x Mx]1-z Nz (上式においてMは、Mg、Ca、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、MnおよびBから選
ばれる1種以上であり、0.001≦x≦0.15、0
≦y≦0.1、0.001≦z≦0.15である。) (2) 下記式で表わされる原子比組成を有し、200
〜800℃の温度で熱処理を行ない、電子線回折にてF
e(200)面配向を持ち、飽和磁束密度Bsが160
00G以上であり、保磁力Hcが1 Oe 以下であること
を特徴とする軟磁性薄膜(但し、X線回折にて、Fe
(110)ピークに対するFe(200)ピークの相対
強度比が1以上のものを除く)。 式 [(Fe1-y Niy)1-x Mx]1-z Nz (上式においてMは、Mg、Ca、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、MnおよびBから選
ばれる1種以上であり、0.001≦x≦0.15、0
≦y≦0.1、0.001≦z≦0.15である。) (3) 一対のコア間に、上記(1)または(2)に記
載の軟磁性薄膜を有することを特徴とする磁気ヘッド。 (4) 前記一対のコアを作業温度Twが450〜75
0℃の溶着ガラスにより溶着一体化した上記(3)に記
載の磁気ヘッド。 (5) 上部磁極層と、下部磁極層と、保護層とを有す
る薄膜磁気ヘッドであって、前記上部磁極層および下部
磁極層が、上記(1)または(2)に記載の軟磁性薄膜
で形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。 (6) 基板上に形成された上記(1)または(2)に
記載の軟磁性薄膜で磁気回路が形成されていることを特
徴とする磁気ヘッド。
は、Fe−N系であるため、飽和磁束密度Bsが非常に
高く、保磁力Hcが低い。
加することにより、いかなる基板上にも(100)配向
性ないし配向度が強い軟磁性薄膜を形成できる。このた
め、軟磁気特性が格段と向上する。
窒化物を形成するため、飽和磁束密度Bsが約1400
0G以上、特に16000G以上のまま耐熱性や耐食性
が著しく向上する。
化する温度、例えば、保磁力Hcが2Oeになる熱処理
温度を耐熱温度とすると、本発明に用いる軟磁性薄膜の
耐熱温度は約500℃以上である。
密度Bsが高く、加えて、保磁力Hcが低く、透磁率μ
が高い優れた軟磁気特性を有する。
発明の磁気ヘッドは、オーバーライト特性や、記録・再
生感度等が高く、優れた電磁変換特性を有する。
耐摩耗性に優れるため、信頼性の高い磁気ヘッドが実現
する。
同60−220913号公報には、Feと、2〜10重
量%のAlと、3〜16重量%のSiと、0.005〜
4重量%の窒素とを含有する磁性薄膜が開示されてい
る。そして、Feの一部をCoと置換することによって
飽和磁束密度Bsを向上させ、Niと置換することによ
ってBsを減少させることなく透磁率μを高い状態に保
つことができる旨が記載されている。
温度は高いが、飽和磁束密度Bsは高々12000G程
度である。
力Hcが低く、透磁率μが高く、しかも耐熱性に優れた
軟磁性薄膜は知られていない。
する。
膜は、下記式で示される原子比組成を有する。
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、MnおよびBから選
ばれる1種以上である。
磁束密度もBsが低下したり、軟磁気特性が低下する。
性を高める上で、Zr単独ないしV単独、とりわけZr
単独か、あるいはZrおよび/またはVがM中の20%
以上を占め、これに上記のうちのZr、V以外の元素と
の組み台わせが好適である。
この場合、xの上限値は、0.14であることが好まし
い。前記範囲未満では、耐熱性が不十分である。このた
め熱処理等により保磁力Hcが大幅に増加する傾向にあ
る。前記範囲をこえると、飽和磁束密度Bsが低下す
る。このため磁気ヘッドに適用した場合、オーバーライ
ト特性が悪化する傾向にある。
い軟磁性薄膜とするには、xは0.025以上、特に
0.03以上、さらには0.05以上、より好ましくは
0.07以上、最も好ましくは0.08以上であること
が好ましい。
向上する。また、耐熱性が向上し、Hcが2Oe以上、
特に1Oe以上となる耐熱温度は、700℃、特に75
0℃に達する。
である。Niを添加することにより、透磁率μを向上さ
せることができる。ただし前記範囲をこえると飽和磁束
密度Bsが低下する傾向にある。なお、Niを必須成分
として含むときには、その含有量yは0.01〜0.
1、より好ましくは0.01〜0.05であることが好
ましい。
化が不十分で、軟磁気特性が得られない傾向にある。前
記範囲をこえると、Fe、Ni、Mの窒化物が必要以上
に生成されるため軟磁気特性が得られない傾向にある。
この場合、zの下限値は、0.01、特に0.02であ
ることが好ましく、またzの上限値は、0.10、特に
0.05、さらには0.045、殊に0.04であるこ
とが好ましい。このような範囲にて(100)配向性は
より一層好ましいものとなる。
全体の5at%以下含有されていてもよい。
例えば、Electron Probe Micro
Analysis(EPMA)法により測定すればよ
い。
て適宜選択すればよいが、通常0.1〜10μm程度で
ある。
着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD等
の各種気相法を用いればよい。
とが好ましく、例えば以下のように成膜すればよい。タ
ーゲットには、合金鋳造体や焼結体さらには多元ターゲ
ット等を用いる。そして、Ar等の不活性ガス雰囲気下
でスパッタリングを行なう。
ターゲットの組成は前述の式において、Nが含有されな
いものとほぼ同一とすればよい。
を0.1〜15体積%、好ましくは2〜10体積%含有
する雰囲気下で行われる。前記範囲外であると、軟磁気
特性が得られない傾向にある。
た、使用するスパッタ装置にも制限がなく、通常のもの
を用いればよい。なお、動作圧力は通常0.1〜1.0
Pa程度とすればよい。この場合、スパッタ投入電圧や
電流等の諸条件は、スパッタ方式等に応じ適宜決定す
る。
熱処理により、(100)配向性ないし配向度が強くな
り、軟磁気特性が格段と向上し、しかも飽和磁束密度B
sも向上する。
き、熱処理前は、通常非晶質または無配向であるが、熱
処理によりFe(110)ピークに対するFe(20
0)ピークの相対強度比が、1/3以上増大し、さらに
飽和磁束密度Bsも向上する。
体、非磁性セラミックス、高分子フィルム等いかなる基
板上に成膜しても(100)配向性が強い軟磁性薄膜が
実現する。
て、Fe(200)面からの回折リングが不連続である
ことから、(100)配向性が確認できる。
Fe(110)ピークに対するFe(200)ピークの
相対強度比が、1/3以上となり、(100)配向性が
無配向状態より増大する。なお、X線回折チャートにお
けるFe(110)ピークの2θ(θは回折角)は、C
uKαを用いた場合44.7度程度、Fe(200)ピ
ークの2θは、65度程度である。
る。
度、さらには400〜700℃程度 保持時間:10〜60分程度 冷却速度:2〜8℃/分程度
い。前記条件にて熱処理を行なうことにより、より一層
優れた軟磁気特性の軟磁性薄膜が得られる。
μm程度の場合、下記の特性を有する。
程度、特に0.1〜1Oe程度 初透磁率μi(5MHz):1000〜5000程度、
特に2000〜5000程度 飽和磁束密度Bs(DC):14000〜20000G
程度、さらに16000〜20000G程度、特に17
000〜19000G程度 結晶粒の平均結晶粒径D:50〜500A程度、特に1
00〜300A程度さらには150〜250A程度
気ヘッドに適用する場合であれば、磁気ヘッドに形成す
る場合と同一条件で非磁性基板上に成膜し、同一条件の
熱処理を行った後、下記のとおり行なえばよい。
定器を用い、印加磁界5mOeにて測定 保磁力(Hc):B−Hトレーサにて測定 飽和磁束密度(Bs):VSMを用い、10000Gの
磁場中で測定
折線のFe(200)ピーク半値巾W50を測定し、下
記のシェラーの式から求めればよい。 式 D=0.9λ/W50cosθ
り、θは回折角である。なお、前記のとおりCuKαを
用いた場合、Fe(200)ピークの2θは、65度程
度である。
IG(メタル・イン・ギャップ)型磁気ヘッドや薄膜磁
気ヘッド等の各種磁気ヘッドに適用できる。そして、磁
気ヘッドのほかにも、薄膜インダクタ等各種軟磁性部品
等に適用できる。
る。本発明のMIG型磁気ヘッドの好適実施例を、図1
および図2に示す。
と、ギャップ部対向面に、軟磁性薄膜4が形成されてい
る第2コア2とを有し、両コアがギャップ5を介して接
合され、溶着ガラス3により溶着一体化されている。
性薄膜4を第1コア1、第2コア2の双方のギャップ部
対向面に形成したタイプのものである。
から構成されることが好ましい。この場合、用いるフェ
ライトに特に制限はないが、Mn−Znフェライトまた
はNi−Znフェライトを、目的に応じて用いることが
好ましい。
350〜60モル%程度、ZnO8〜25モル%程度、
残部が実質的にMnOのものが好適である。また、Ni
−Znフェライトは特に高周波領域において優れた特性
を示すものであり、好ましい組成としては、Fe2O3
が30〜60モル%、NiOが15〜50モル%、Zn
Oが5〜40モル%程度のものである。
は、好ましくは3,000〜6,000Gとする。飽和
磁束密度が前記範囲未満であると、オーバーライト特性
が低下する他、このような飽和磁束密度の組成では、キ
ュリー温度が低くなるため熱的安定性が低下してしま
う。前記範囲をこえると、磁歪が増加して磁気ヘッドと
しての特性が悪化したり、着磁し易くなる。
000以上、保磁力Hcは0.3Oe以下であることが
好ましい。
鏡面研磨等により平滑化し、後述する軟磁性薄膜4や下
地膜等が形成され易いようにすることが好ましい。
を発生させ、高い保磁力を有する磁気記録媒体に有効な
記録を行なうために設けられる。軟磁性薄膜4には、前
述した本発明の軟磁性薄膜を用いる。
束密度Bsは、14000G以上、より好ましくは16
000G以上、特に好ましくは17000G以上である
ことが好ましい。前記範囲未満であるとオーバーライト
特性が悪化し、特に高保磁力の磁気記録媒体への記録が
困難である。
が強い。(100)配向性が強いと、軟磁性薄膜4の軟
磁気特性が向上し、高い記録・再生感度が得られる。
径は、500A以下、より好ましくは300A以下、特
に100〜300A程度であることが好ましい。前記範
囲の場合、軟磁気特性が向上し、高い記録・再生感度が
得られる。
ッド完成時における軟磁性薄膜4の50Hzでの保磁力
Hcは、2Oe以下、より好ましくは1Oe以下である
ことが好ましい。そして、軟磁性薄膜4の5MHzでの
初透磁率μiは、1000以上、特に1500以上であ
ることが好ましい。保磁力Hcが前記範囲をこえると、
あるいは初透磁率μiが前記範囲未満であると、記録・
再生感度が低下する傾向にある。
〜5μm、さらに好ましくは0.5〜3μmである。膜
厚が前記範囲未満であると、軟磁性薄膜4全体の体積が
不足して飽和し易くなり、MIG型磁気ヘッドの機能を
十分に果たすことが困難となる。また、前記範囲をこえ
ると、渦電流損失が増大してしまう。
り、本発明の磁気ヘッドは保磁力800Oe以上の磁気
記録媒体に対し有効な記録を行なうことができる。
4が前述したような磁気特性であれば、磁気ヘッドとし
て高い出力と分解能とが得られる。また、オーバーライ
ト特性も−35dB以下の良好な値が得られる。なお、
分解能とは、例えば、1f信号の出力をV1f、2f信
号の出力をV2fとしたとき、(V2f/V1f)×1
00[%]で表わされるものである。また、オーバライ
ト特性とは、例えば、1f信号の上に2f信号を重ね書
きしたときの2f信号出力に対する1f信号出力であ
る。
る。特に、ギャップ5には、接着強度を高めるため接着
ガラスを用いることが好ましく、例えば、特願平1−7
1506号等に示されるガラスが好適である。また、ギ
ャップ5は、接着ガラスのみで形成されていてもよい
が、ギャップ形成速度やギャップ強度を高めるため、図
示のようにギャップ51とギャップ53との2層で形成
されることが好ましい。この場合、ギャップ51にはS
iO2を用い、ギャップ53には接着ガラスを用いるこ
とが好ましい。
両サイドに流れ込むタイプの磁気ヘッドの場合は、ギャ
ップ5を酸化ケイ素のみで形成してもよい。ギャップ5
の形成方法には特に制限はないが、スパッタ法を用いる
ことが好ましい。ギャップ長は、通常0.2〜2.0μ
m程度である。
2に示されるように、第1コア1と、第2コア2とがギ
ャップ5を介して接合一体化されているものである。コ
アの接合は、通常、ギャップ53の接着ガラスにより熱
圧着すると同時に溶着ガラス3を流し込むことにより行
う。用いる溶着ガラス3の作業温度Twは450〜75
0℃、より好ましくは450〜700℃、特に460〜
650℃程度であることが好ましい。ここに、作業温度
Twとは、周知のように、ガラスの粘度が104poi
seとなる温度である。
4を用いるため、このようなTwのガラスを用いて溶着
しても、保磁力Hcは2Oe以下、特に1Oe以下の値
を保持する。溶着ガラス3には、特に制限はないが、鉛
ケイ酸ガラスを用いることが好ましい。このうち、例え
ば、下記に示されるガラスが好適である。
度Tw近辺とし、通常の方法により行う。この場合、溶
着処理が、軟磁性薄膜4の熱処理を兼ねるようにしても
よい。
ように、第1コア1にコアより飽和磁束密度Bsの低い
低飽和磁束密度合金薄膜6を形成し、第2コア2に前述
した軟磁性薄膜4を形成したいわゆるEDG型のMIG
型磁気ヘッドとすることができる。そして、前述したM
IG型磁気ヘッドと同様の効果を得ることができる。こ
の場合、低飽和磁束密度合金薄膜6には、例えば、特願
昭63−311591号に示される低飽和磁束密度非晶
質薄膜等を用いることができ、優れたオーバーライト特
性や高い感度が得られる。
ダーと一体化され、組立てられヘッドアセンブリーとさ
れる。そして、いわゆるラミネートタイプやバルクタイ
プ等のトンネルイレーズ型あるいはイレーズヘッドを有
しないリードライト型などのオーバーライト記録を行な
うフロッピーヘッド、モノリシックタイプやコンポジッ
トタイプの浮上型の計算機用ヘッド、回転型のVTR用
ヘッドやR−DAT用ヘッドなどの各種磁気ヘッドとし
て用いられる。このようにして、前記の本発明の磁気ヘ
ッドを用いて、公知の種々の方式のオーバーライト記録
を行なうことができる。
明する。
の薄膜磁気ヘッドを示す。図4に示される薄膜磁気ヘッ
ドは、スライダ7上に、絶縁層81、下部磁極層91、
ギャップ層10、絶縁層83、コイル層11、絶縁層8
5、上部磁極層95および保護層12を順次有する。
従来公知の種々のものを用いればよく、例えばセラミッ
クス、フェライト等により構成される。この場合、セラ
ミックス、特にAl2O3−TiCを主成分とするセラ
ミックス、ZrO2を主成分とするセラミックス、Si
Cを主成分とするセラミックスまたはAlNを主成分と
するセラミックスが好適である。なお、これらには、添
加物としてMg、Y、ZrO2、TiO2等が含有され
ていてもよい。スライダ7の形状やサイズ等の諸条件は
公知の何れのものであってもよく、用途に応じ適宜選択
される。
る。絶縁層81の材料としては従来公知のものは何れも
使用可能であり、例えば、薄膜作製をスパッタ法により
行なうときには、SiO2、ガラス、Al2O3等を用
いることができる。絶縁層81の膜厚やパターンは公知
の何れのものであってもよく、例えば膜厚は、5〜40
μm程度とする。
1と、上部磁極層95として設けられる。本発明では、
下部磁極層91および上部磁極層95には、それぞれ、
前述のMIG型磁気ヘッドやEDG型のMIG型磁気ヘ
ッドの場合と同様に、前記式で表わされる原子比組成の
本発明の軟磁性薄膜を用いる。このため、オーバーライ
ト特性に優れ、記録・再生感度が高い磁気ヘッドが得ら
れる。なお、成膜や熱処理等も前記と同様に行えばよ
い。
ン、膜厚等は公知のいずれのものであってもよい。例え
ば下部磁極層91の膜厚は1〜5μm程度、上部磁極層
95の膜厚は1〜5μm程度とすればよい。下部磁極層
91および上部磁極層95の間にはギャップ層10が形
成される。
2等公知の種々の材料を用いればよい。また、ギャップ
層10のパターン、膜厚等は公知の何れのものであって
もよい。例えば、ギャップ10の膜厚は0.2〜1.0
μm程度とすればよい。
通常用いられるAl、Cu等の金属を用いればよい。コ
イルの巻回パターンや巻回密度についても制限はなく、
公知のものを適宜選択使用すればよい。例えば巻回パタ
ーンについては、図示のスパイラル型の他、積層型、ジ
グザグ型等何れであってもよい。また、コイル層11の
形成にはスパッタ法等の各種気相被着法やめっき法等を
用いればよい。
イラル型としてスパイラル状に上部および下部磁極層9
1、95間に配設されており、コイル層11と上部およ
び下部磁極層91、95間には絶縁層83、85が設層
されている。
のものは何れも使用可能であり、例えば、薄膜作製をス
パッタ法により行なうときには、SiO2、ガラス、A
l2O3等を用いることができる。
設層される。保護層12の材料としては従来公知のもの
は何れも使用可能であり、例えばAl2O3等を用いる
ことができる。この場合、保護層12のパターンや膜厚
等は従来公知のものはいずれも使用可能であり、例えば
膜厚は10〜50μm程度とすればよい。なお、本発明
ではさらに各種樹脂コート層等を積層してもよい。
通常、薄膜作製とパターン形成とによって行なわれる。
各層の薄膜作製には、上記したように、従来公知の技術
である気相被着法、例えば真空蒸着法、スパッタ法、あ
るいはめっき法等を用いればよい。
従来公知の技術である選択エッチングあるいは選択デポ
ジションにより行なうことができる。
ドライエッチングにより行なうことができる。
来公知のアセンブリーと組み合わせて使用される。
いて、種々の方式のオーバーライト記録を行うことがで
きる。この場合、保磁力Hcが、800Oe以上の磁気
記録媒体に対し有効に、記録・再生を行うことができ
る。
に軟磁性薄膜をパターン状に形成したり、非磁性基板間
に軟磁性薄膜を形成した一対のコアハーフ同士を突き合
わせたりして、これらの軟磁性薄膜により磁気回路を形
成して磁気ヘッドとしてもよい。
をさらに詳細に説明する。
面に軟磁性薄膜4が形成されている第2コア2とをギャ
ップ5を介して接合一体化し、MIG型磁気ヘッドを製
造した。コア1、2の材質はMn−Znフェライトと
し、直流での飽和磁束密度Bsは5000G、初透磁率
μiは3000、保磁力Hcは0.1Oeであった。軟
磁性薄膜4は、RFマグネトロンスパッタにより形成
し、膜厚は1μmとした。この場合、スパッタリング
は、Fe0.85Zr0.15(原子比)の合金をター
ゲットとし、Ar中にN2を10体積%含有する雰囲気
下で行った。動作圧力は、0.4Paとした。
度Bs、周波数50Hzでの保磁力Hcおよび周波数5
MHzの初透磁率μiを、下記に示す。
後の値である。この場合、熱処理温度は600℃、保持
時間は60分間とした。また、磁気特性等の測定は、非
磁性基板上に軟磁性薄膜4をヘッド作製の際と同一の条
件で形成して行った。そして、組成分析にはEPMA、
Bs測定にはVSM、Hc測定にはB−Hトレーサ、μ
i測定には8の字コイル透磁率測定器(印加磁界5mO
e)を用いて行った。
タにより形成し、その膜厚は0.3μmとした。ギャッ
プ53には、作業温度Twが650℃の接着ガラスを用
いた。なお、ギャップ53はスパッタにより形成し、そ
の膜厚は0.1μmとした。
0℃の72.50PbO−7.05B2O3−14.5
7SiO2−0.55Al2O3−2.75ZnO−
0.05Bi2O3−2.50Na2O−0.30Sb
2O3(重量%)を用い、600℃で溶着を行った。
した。そして、チタン酸カルシウム製スライダに固定・
封着して、コンポジットタイプの浮上型磁気ヘッドを得
た。
ンプルNo.1とする。このサンプルと、保磁力が15
00Oeのハードディスクとを用いて、トラック幅14
μmにて下記の特性を測定した。なお、測定に際して
は、第1コア1を、ハードディスクリーディング側とし
た。
1f信号を記録し、次いでこの上から2.5MHzの2
f信号を重ね書きした。2f信号の出力に対する1f信
号の出力を算出し、オーバーライト特性を評価した。
記録し、次いで記録した信号を再生し、その時の再生出
力電圧値V’P−P(ピーク・ツー・ピーク)を測定す
る。
した値VP−Pが示される。
r0.1)0.97N0.03 Bs:17,000G Hc:0.5Oe μi(5MHz):3,000 オーバーライト特性:−40dB VP−P:1.20μV/μm/ターン
の塩化ナトリウム水溶液中に168時間浸した後、軟磁
性薄膜4の表面を電子顕微鏡で観察したところ、本発明
のサンプルNo.1では、さびの発生はほとんど確認さ
れなかった。さらに、60分間、700℃にて熱処理し
たところ、Hcは1Oe未満であった。
性薄膜4のX線回折チャートを図5に示す。このチャー
トを見ると、Fe(110)ピークに対するFe(20
0)ピークの相対強度は、3.1であり、サンプルN
o.1は、(100)配向性が強いことを確認できる。
また、電子線回折パターンからも(100)配向が認め
られた。
気中のN2量を変えた他は実施例1と同一の条件にて
(Fe0.92Zr0.08)0.82N0.18のサ
ンプルを作製したところ、下記の結果をえた。
Fe(200)ピークの相対強度は0であった。これら
の結果から、Fe(100)配向の効果があきらかであ
る。
ヘッドを製造し、同様の測定を行なった。
1−xMx〕 0.97−w N0.03OWにて、表1に
示されるようにM、x、yおよびwを変えたものであ
る。結果は表2に示されるとおりである。
(110)ピークに対するFe(200)ピークの相対
強度比は、1〜10程度であり、電子線回折パターンか
らも(100)配向が認められた。また、本発明のサン
プルは、耐食性も良好であった。
異なる各サンプルを製造したところ同等の結果が得られ
た。
和磁束密度Bsが低い低飽和磁束密度合金薄膜6が形成
されている第1コア1と、軟磁性薄膜4が形成されてい
る第2コア2とをギャップ5を介して接合一体化し、E
DG型のメタル・イン・ギャップ型磁気ヘッドを製造し
た。そして、実施例1と同様の測定を行ったところ、同
等の結果が得られた。
1、下部磁極層91、ギャップ層10、絶縁層83、コ
イル層11、絶縁層85、上部磁極層95および保護層
12を有する薄膜磁気ヘッドを製造した。この場合、各
層の形成には、スパッタ法を用い、パターン形成には、
ドライエッチングを用いた。
いた。絶縁層81には、Al2O3を用い、膜厚は30
μmとした。下部および上部磁極層91、95には、サ
ンプルNo.1〜9の組成の軟磁性薄膜を用いた。
5は、実施例1の軟磁性薄膜4と同様にRFマグネトロ
ンスパッタにより形成し、下部および上部磁極層91、
95の膜厚はそれぞれ3μmとした。磁極層91、95
の直流での飽和磁束密度Bs、同波数50Hzでの保磁
力Hc、周波数5MHzでの初透磁率μiは表3に示さ
れるとおりである。
℃、保持時間60分間とした。ギャップ層10には、S
iO2を用い、膜厚は0.25μmとした。コイル層1
1には、Cuを用い、図示のようにスパイラル状に形成
した。絶縁層83、85には、Al2O3を用いた。ま
た、保護層12には、Al2O3を用い、膜厚は40μ
mとした。
No.2〜No.9を製造した。これらの各サンプル
と、保磁力が1500Oeのハードディスクとを用い
て、実施例1と同様の測定を行った。結果は表3に示さ
れるとおりである。
上部磁極層91、95は、X線回折チャートをみたと
き、Fe(110)ピークに対するFe(200)ピー
クの相対強度比が1〜10程度であり、電子線回折パタ
ーンからも(100)配向が認められた。なお、本発明
のサンプルは、耐食性も良好であった。
る。
sが高い。加えて、耐熱性が高く、特に(100)配向
性が強いため、保磁力Hcが低く、透磁率μが高い、優
れた軟磁気特性を有する。このため、本発明の磁気ヘッ
ドは、オーバーライト特性や記録・再生感度等が高く、
優れた電磁変換特性を有する。
摩耗性に優れるため、信頼性の高い磁気ヘッドが実現す
る。
断面図である。
断面図である。
を示す部分断面図である。
図である。
グラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記式で表わされる原子比組成を有し、
200〜800℃の温度で熱処理を行ない、X線回折に
て、Fe(110)ピークに対するFe(200)ピー
クの相対強度比が1/3以上であり、飽和磁束密度Bs
が16000G以上であり、保磁力Hcが1 Oe 以下で
あることを特徴とする軟磁性薄膜(但し、X線回折に
て、Fe(110)ピークに対するFe(200)ピー
クの相対強度比が1以上のものを除く)。 式 [(Fe1-y Niy)1-x Mx]1-z Nz (上式においてMは、Mg、Ca、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、MnおよびBから選
ばれる1種以上であり、0.001≦x≦0.15、0
≦y≦0.1、0.001≦z≦0.15である。) - 【請求項2】 下記式で表わされる原子比組成を有し、
200〜800℃の温度で熱処理を行ない、電子線回折
にてFe(200)面配向を持ち、飽和磁束密度Bsが
16000G以上であり、保磁力Hcが1 Oe 以下であ
ることを特徴とする軟磁性薄膜(但し、X線回折にて、
Fe(110)ピークに対するFe(200)ピークの
相対強度比が1以上のものを除く)。 式 [(Fe1-y Niy)1-x Mx]1-z Nz (上式においてMは、Mg、Ca、Ti、Zr、Hf、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、MnおよびBから選
ばれる1種以上であり、0.001≦x≦0.15、0
≦y≦0.1、0.001≦z≦0.15である。) - 【請求項3】 一対のコア間に、請求項1または2に記
載の軟磁性薄膜を有することを特徴とする磁気ヘッド。 - 【請求項4】 前記一対のコアを作業温度Twが450
〜750℃の溶着ガラスにより溶着一体化した請求項3
に記載の磁気ヘッド。 - 【請求項5】 上部磁極層と、下部磁極層と、保護層と
を有する薄膜磁気ヘッドであって、 前記上部磁極層および下部磁極層が、請求項1または2
に記載の軟磁性薄膜で形成されていることを特徴とする
磁気ヘッド。 - 【請求項6】 基板上に形成された請求項1または2に
記載の軟磁性薄膜で磁気回路が形成されていることを特
徴とする磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41874490A JP3243256B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 軟磁性薄膜および磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41874490A JP3243256B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 軟磁性薄膜および磁気ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04242907A JPH04242907A (ja) | 1992-08-31 |
JP3243256B2 true JP3243256B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=18526533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP41874490A Expired - Fee Related JP3243256B2 (ja) | 1990-12-28 | 1990-12-28 | 軟磁性薄膜および磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3243256B2 (ja) |
-
1990
- 1990-12-28 JP JP41874490A patent/JP3243256B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04242907A (ja) | 1992-08-31 |
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