JP3259547B2 - シリカの表面改質方法 - Google Patents
シリカの表面改質方法Info
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Description
充填材として有用な表面処理シリカ粉末を得るためのシ
リカの表面改質方法に関する。
粉末状のシリカ充填材を表面改質する方法としては、シ
リカ粉末を不活性ガス及び/又は処理剤蒸気で渦動懸垂
状態に保ち処理する方法、あるいはシリカ粉末と処理剤
を共に反応機中で加熱し、発生する蒸気を冷却器で凝
縮、還流させる方法が採用されている。このような方法
の中で、これまで処理剤として用いられてきた化合物と
しては、クロルシラン類やシラザン化合物といった反応
活性の非常に高い化合物が使用されていた。
化合物を処理剤として用いると、反応の結果、副生物と
して塩化水素やアンモニアが発生し、このためこれら副
生物の処理に複雑な設備を必要とし、結果として得られ
る表面改質シリカのコストアップに繋がることは否めな
かった。
ロキサン類等を用い、微量の触媒使用下でシリカの表面
改質を行う試みもなされているが、この方法では十分な
処理度を達成することができず、特に得られた表面処理
シリカをシリコーンゴム用充填材として用いる場合、実
用的に不満足なものであった。
ジフェニルシランジオールでシリカ表面を直接接触させ
ることにより処理することが開示されている。しかし、
この方法はフェニル基を必須としており、フェニル基で
表面処理されたシリカを用いた組成物、例えばジメチル
ポリシロキサン等のシリコーンゴムに配合した組成物の
場合、透明性に劣り、白濁、ブリード等が生じたり、シ
リコーンゴムの弾性が損なわれるという問題がある。ま
た、医療用途での使用も制限されてしまう。
たもので、シリカの改質度が高く、しかも副生物などの
点で不都合を生じることのないシリカの改質方法を提供
することを目的とする。
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般
式(1) R1R2Si(OH)2 …(1) (式中、R1,R2はメチル基を示す。)で示されるシラ
ンジオールを乾燥シリカ粉末を基準として0.05〜7
重量%の水分を含むシリカ粉末の表面改質剤として用
い、更にこの処理シリカのM値(シリカがメタノール水
溶液に濡れはじめる時のメタノールのvol%値)を4
5〜70とすることにより、反応後不利となる酸や塩基
などの後処理を必要とするような多量の副生物を生成し
ない上に、処理剤そのものの反応活性が高く、結果とし
て得られる表面改質シリカの改質度が十分に高く、特に
これをシリコーンゴム用充填材として用いた場合、良好
なゴム物性を与えることを知見した。
(x=2〜20)で表されるα,ω−シロキサンジオー
ルによるシリカの表面改質も一部検討されているが、シ
ロキサン単位の長さ(x)にバラツキが大きく、平均重
合度も3〜10前後であり、そのため末端シラノール基
の反応活性が低く、好ましいシリカの表面改質には至ら
なかった。
(1)のシランジオールの簡単で安価な合成方法を確立
した(特開平7−233179号公報)が、本発明者は
この式(1)のシランジオールにつき種々検討を行った
結果、このシランジオールがシリカの表面処理剤として
優れた反応活性を有し、従ってこの反応活性に富むシラ
ンジオールを処理剤として用いることにより、シリカの
表面改質度が大幅に向上し、特に得られた表面処理シリ
カをシリコーンゴム用充填材として用いた場合、分散性
や貯蔵安定性、硬化物の物理特性が非常に良好となるこ
とを知見し、本発明を完成したものである。
と、本発明のシリカの改質方法は、シリカ粉末を上記式
(1)のシランジオールと接触処理するものである。
の使用目的などに応じて選定され、例えばシリコーンゴ
ム用充填材として用いる場合には、補強性の点からBE
T比表面積が50m2/g以上のシリカが好適に用いら
れる。
ムドシリカ、沈降シリカ、珪藻土、粉砕石英、溶融シリ
カ等が例示される。これらのうちでも特にフュームドシ
リカ、沈降シリカが純度並びに補強性の点で優れてい
る。
している方が、本発明の方法で処理した場合、その処理
度が向上する。そのためのシリカ粉末の水分量は、乾燥
したシリカ粉末を基準として0.05〜7重量%、好ま
しくは0.1〜4重量%の範囲以内である。この水分の
存在により処理効果が向上するのは、シリカ表面におけ
るシラノール基の存在がより確実になることと、処理反
応時の助触媒的役割によるものと考えられ、このことに
より、より多くの表面改質反応が達成されると考えられ
る。
シランジオールは、下記一般式(1) R1R2Si(OH)2 …(1) (式中、R1,R2はメチル基を示す。)で示されるもの
である。このシランジオールは反応基が水酸基であるた
め、シリカと反応したときに生成する物質は水であり、
特別の除去操作を必要とせず、非常に簡便な処理プロセ
スでシリカの表面処理を達成することができるという利
点を有している。これに対し、処理剤としてジメチルジ
クロルシランを用いた場合、対応する本発明の処理剤で
あるジメチルシランジオールと比較すると、発生する塩
化水素の処理が繁雑となり、プロセスの簡便さという点
で不利となる。
量は、シリカ粉末100重量部に対し5〜50重量部の
範囲が望ましい。5重量部未満では処理度が低値とな
り、特に得られた表面処理シリカをシリコーンゴム用充
填材として使用した場合、好ましいゴム物性が得られな
いことがあり、一方50重量部を越えると、過剰な処理
剤がシリカ粉末中に残存するのみならず、いたずらに処
理シリカが高価なものとなる不利が生じる場合がある。
リカ粉末とシランジオールを室温下で十分接触混合した
後、1日から1ヵ月程度保存して得ることができるが、
必要に応じて加熱処理を加えることにより、より反応を
促進することができる。特に処理剤としてのシランジオ
ールの融点以上に加熱することは、処理の均一性を増加
させることができるので好ましい。より好ましくは15
0〜250℃で30分〜8時間程度熱処理することが、
得られた表面処理シリカをシリコーンゴム用充填材とし
て用いた場合において、シリコーンゴムの諸物性発現に
より望ましい。
量の触媒を併用することも可能である。このような触媒
としては、例えば塩酸や水酸化カリウムやアミン化合物
等である。なお、アミン化合物としては、例えば水酸化
アンモニウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
ジエチルアミン、エチルアミンやビス−ジメチルアミノ
ジメチルシラン、ジエチルアミノトリメチルシラン等が
例示される。
カ重量に対して0〜2重量%である。
と処理剤の接触のさせ方は必要に応じて種々の形態がと
れるが、例えばシリカと処理剤を予め接触混合させてお
いてから加熱してもよく、あるいはシリカの仕込まれた
反応機中に処理剤を不活性ガス等で導搬する方法を採用
してもよい。また、シリカの表面改質に当っては、通常
は溶媒を用いる必要はないが、シリカ表面の濡れ性を改
善するため、トルエン、キシレン等の溶媒を用いて処理
することもできる。
は、シリコーンゴム用充填材として有用であるが、更に
はグリース用の増稠剤、ゴムやプラスチックの充填材、
塗料用添加剤など各種工業用材料としても有用である。
面処理シリカが簡単かつ確実に得られ、しかも副生物な
どの点で不都合を生じることがない。
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
gで含水率が0.5重量%のフュームドシリカ〔AER
OSIL200(日本アエロジル社製)〕100重量部
とジメチルシランジオール粉末を表1の割合で混合し、
この混合物を200℃で4時間熱処理した。得られた処
理シリカのカーボン量、比表面積及びM値を測定した結
果は表1の通りであった。
gで含水率が0.5重量%のフュームドシリカ〔AER
OSIL200(日本アエロジル社製)〕100重量部
とジメチルシランジオール粉末及び触媒を表1の割合で
混合し、この混合物を200℃で4時間熱処理した。得
られた処理シリカのカーボン量、比表面積及びM値を測
定した結果は表2の通りであった。
/gで含水率が6重量%の沈降シリカ〔ニプシルLp
(日本シリカ社製)〕100重量部とジメチルシランジ
オール粉末及び触媒を表3の割合で混合し、この混合物
を200℃で4時間熱処理した。得られた処理シリカの
カーボン量、比表面積及びM値を測定した結果は表3の
通りであった。
ュームドシリカ〔AEROSIL200(日本アエロジ
ル社製)〕及び比表面積が200m2/gで含水率が6
重量%の沈降シリカ〔ニプシルLp(日本シリカ社
製)〕各々100重量部とジメチルシランジオール粉末
及び触媒を表4の割合で混合し、この混合物を200℃
で4時間熱処理した。得られた処理シリカのカーボン
量、比表面積及びM値を測定した結果は表4の通りであ
った。
リカ各々50重量部をジメチルシロキサン単位99.8
5mol%、メチルビニルシロキサン単位0.15mo
l%で末端がビニルジメチルシロキサン単位で封鎖され
たシリコーン生ゴム(粘度1000万cs)100重量
部とニーダーミキサーで均一になるまで撹拌混合し、組
成物を得た。このようにして得られた組成物は均一で滑
らかな表面肌を有していた。これらの組成物の可塑度を
測定したところ、表3の通りであった。この組成物10
0重量部に2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン0.5重量部を二本ロールで均
一になるように混合した。次いで、このものを30kg
f/cm2の圧力下で165℃/10分間加圧成型し、
2mmの加硫シートを得た。このシートに対し更に20
0℃で4時間2次加硫を行った。このシートをJIS
K−6301に従い物性試験を行った結果は表5の通り
であった。
を施していないAEROSIL200を用いた以外は上
記と同様に操作した。結果を表5に併記するが、処理シ
リカの代りにAEROSIL200を配合したものは、
配合に長時間を要し、また可塑度の経時変化も大きく、
物性も伸びが不十分なものであった。
Claims (3)
- 【請求項1】 乾燥シリカ粉末を基準として0.05〜
7重量%の水分を含むシリカ粉末を下記一般式(1) R1R2Si(OH)2 …(1) (式中、R1,R2はメチル基を示す。)で示されるシラ
ンジオールと接触処理し、この処理シリカのM値(シリ
カがメタノール水溶液に濡れはじめる時のメタノールの
vol%値)が45〜70であることを特徴とするシリ
カの表面改質方法。 - 【請求項2】 シリカ粉末に式(1)のシランジオール
を混合した後、加熱するようにした請求項1記載の表面
改質方法。 - 【請求項3】 シリカ粉末と式(1)のシランジオール
に塩酸、水酸化アルカリ及びアミン化合物から選ばれる
触媒を混合するようにした請求項1又は2記載の表面改
質方法。
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