JP3258401B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP3258401B2
JP3258401B2 JP32343492A JP32343492A JP3258401B2 JP 3258401 B2 JP3258401 B2 JP 3258401B2 JP 32343492 A JP32343492 A JP 32343492A JP 32343492 A JP32343492 A JP 32343492A JP 3258401 B2 JP3258401 B2 JP 3258401B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関し、特
に発色画像の保存安定性を向上させた感熱記録材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子供与性発色性化合物と電
子受容性化合物(顕色剤)との呈色反応を利用した感熱
記録材料はよく知られている(たとえば特公昭43−4
160号公報、特公昭45−14039号公報)。感熱
記録材料は、比較的安価であり、また、記録機器がコン
パクトで且つメンテナンスフリーであるという利点があ
るため、ファクシミリ、記録計、プリンター等の分野に
おいて幅広く利用されている。
【0003】電子受容性化合物としては、フェノール性
化合物が広く使用されており、中でも、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名、ビスフ
ェノールA)は、低価格で入手し易いという点で広く利
用されてはいるものの、ビスフェノールAを電子受容性
化合物として使用した感熱記録材料は発色画像の保存安
定性が悪いという問題点がある。更にはビスフェノール
Aを電子受容性化合物とする感熱記録材料は発色感度が
低いという問題点もある。ビスフェノールA以外のフェ
ノール性化合物として、例えば、4−ヒドロキシ安息香
酸エステル類(特開昭56−144193号公報、特公
平1−30640号公報)、アラルキルオキシフェノー
ル類(特公平2−31678号公報、特開昭60−22
5789号公報)、ヒドロキシベンゾフェノン類(特開
昭57−193388号公報)を電子受容性化合物とし
て使用する感熱記録材料が提案されている。
【0004】しかしながら、4−ヒドロキシ安息香酸エ
ステル類、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエ
ステルを電子受容性化合物として使用すると、発色画像
濃度が経時と共に低下するという欠点があり、且つ発色
画像上に4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルの白色の結晶
が析出し、粉をふいた状態(いわゆる白化現象)を呈す
るという問題点がある。アラルキルオキシフェノール
類、例えば、4−ベンジルオキシフェノールを電子受容
性化合物として使用した場合も、発色画像濃度が経時と
共に低下するという欠点がある。ヒドロキシベンゾフェ
ノン類、例えば、4−ヒドロキシベンゾフェノンを電子
受容性化合物として使用した場合も、発色画像の保存安
定性(例えば、耐湿熱性、耐水性)は悪く、実用上充分
な性能を有しているとは言えない。
【0005】また、発色感度を向上させる方法として、
電子供与性発色性化合物と電子受容性化合物の他にさら
に熱可融性化合物(増感剤)を含有した感熱記録材料も
広く利用されている。熱可融性化合物としては、例えば
ターフェニル類(特公昭63−7958号公報)、4−
ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特公昭63−308
78号公報)、ナフトール誘導体(特公昭63−425
90号公報)、アミノフェノール誘導体(特開昭58−
211494号公報)、ベンジルビフェニル類(特公平
2−11437号公報)、ジアリールオキシアルカン誘
導体(特開昭60−56588号公報、特開昭61−1
6888号公報)あるいはシュウ酸エステル誘導体(特
開平1−1583号公報)などが提案されている。しか
し、これらの熱可融性化合物を含有する感熱記録材料
は、発色感度はある程度向上するものの、発色画像の保
存安定性が著しく悪く、通常は熱可融性化合物を添加し
ない場合に比べ、発色画像の保存安定性は一層劣るとい
う問題点があるのが現状である。現在では、上述したよ
うな問題点を克服した、発色画像の保存安定性に優れた
感熱記録材料が強く求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
発色画像の保存安定性を著しく改善した感熱記録材料を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の要
望にこたえるべく、感熱記録材料に関し鋭意検討した結
果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、電子供与
性発色性化合物および電子受容性化合物を含有する感熱
記録材料において、さらに一般式(2−a)〜(2−
d)(化2)で表される安息香酸誘導体および/または
該誘導体の多価金属塩を少なくとも1種含有する感熱記
録材料に関する。
【0008】
【化2】
【0009】一般式(2−a)〜(2−d)で表される
安息香酸誘導体において、R3 およびR4 はアラルキル
基を表し、アラルキル基中のアリール基は置換基を有し
ても良く、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数
1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子などの置換基で単
置換あるいは多置換されていても良い。好ましくは、R
3 およびR4 は置換基を有してもよい総炭素数7〜18
のアラルキル基である。R3 およびR4 は具体的には、
例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−
ジメチルベンジル基、フェネチル基、4−メチルフェネ
チル基、4−メチルベンジル基、3−メチルベンジル
基、2−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、4
−イソプロピルベンジル基、4−n−ブチルベンジル
基、4−n−ヘキシルベンジル基、4−n−オクチルベ
ンジル基、2,4−ジメチルベンジル基、4−メトキシ
ベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−n−ブトキ
シベンジル基、4−n−ヘキシルオキシベンジル基、
3,4−ジメトキシベンジル基、4−フルオロベンジル
基、2−フルオロベンジル基、4−クロロベンジル基、
3−クロロベンジル基、2−クロロベンジル基、4−ブ
ロモベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、1−ナ
フチルメチル基、2−ナフチルメチル基などを挙げるこ
とができる。一般式(2−a)〜(2−d)において、
3 およびX4 は酸素原子または硫黄原子を表し、より
好ましくは酸素原子である。
【0010】また、本発明に係る化合物は、下記一般式
(2−a)、一般式(2−b)、一般式(2−c)また
は一般式(2−d)(化3)で表される安息香酸誘導体
である。
【0011】
【化3】
【0012】本発明に係る一般式(2−a)〜(2−
d)で表される安息香酸誘導体および該誘導体の多価金
属塩の具体例としては、例えば、以下の化合物を例示す
ることができるが、勿論、本発明はこれらに限定される
ものではない。 例示化合物 番号 化合物名 .2,4−ジ(ベンジルオキシ)安息香酸 .2,4−ジ(4’−メチルベンジルオキシ)安息香酸 .2,4−ジ(4’−クロロベンジルオキシ)安息香酸 .2,4−ジ(2’−クロロベンジルオキシ)安息香酸 .2−(ベンジルオキシ)−4−(2’−クロロベンジルオキシ)安息香 酸 .2−(4’−メチルベンジルオキシ)−4−(2”−クロロベンジルオ キシ)安息香酸 .2,5−ジ(ベンジルオキシ)安息香酸 .2,5−ジ(4’−メチルベンジルオキシ)安息香酸 .2,5−ジ(3’−メチルベンジルオキシ)安息香酸 10.2,5−ジ(4’−クロロベンジルオキシ)安息香酸 11.2,5−ジ(2’−クロロベンジルオキシ)安息香酸 12.2−(ベンジルオキシ)−5−(4’−メトキシベンジルオキシ)安息 香酸 13.2−(ベンジルオキシ)−5−(4’−メチルベンジルオキシ)安息香 酸 14.2,5−ジ(フェネチルオキシ)安息香酸 15.2,5−ジ(2’−ナフチルメチルオキシ)安息香酸 16.2−ベンジルチオ−5−ベンジルオキシ安息香酸
【0013】 17.3,4−ジ(ベンジルオキシ)安息香酸 18.3,4−ジ(4’−メチルベンジルオキシ)安息香酸 19.3,4−ジ(3’−メチルベンジルオキシ)安息香酸 20.3,4−ジ(4’−クロロベンジルオキシ)安息香酸 21.3,4−ジ(2’−クロロベンジルオキシ)安息香酸 22.3−(ベンジルオキシ)−4−(4’−メトキシベンジルオキシ)安息 香酸 23.3−(ベンジルオキシ)−4−(4’−クロロベンジルオキシ)安息香 酸 24.3−(ベンジルオキシ)−4−(2’−メチルベンジルオキシ)安息香 酸 25.3,4−ジ(ベンジルチオ)安息香酸 26.3,5−ジ(ベンジルオキシ)安息香酸 27.3,5−ジ(4’−メチルベンジルオキシ)安息香酸 28.3,5−ジ(3’−メチルベンジルオキシ)安息香酸 29.3,5−ジ(4’−フルオロベンジルオキシ)安息香酸 30.3,5−ジ(4’−クロロベンジルオキシ)安息香酸 31.3,5−ジ(2’−クロロベンジルオキシ)安息香酸 32.3−(ベンジルオキシ)−5−(4’−メトキシベンジルオキシ)安息 香酸 33.3−(ベンジルオキシ)−5−(4’−クロロベンジルオキシ)安息香 酸 34.3,5−ジ(フェネチルオキシ)安息香酸 35.3,5−ジ(ベンジルチオ)安息香酸
【0014】本発明の感熱記録材料においては、これら
一般式(2−a)〜(2−d)で表される安息香酸誘
導体および該誘導体の多価金属塩は、単独あるいは2種
以上併用しても良い。尚、一般式(2−a)〜(2−
d)で表される安息香酸誘導体は其自体公知の方法によ
り製造することができるが、例えば、以下の方法により
製造することができる。即ち、代表的には、例えば、ジ
ヒドロキシ安息香酸に、塩基(例えば、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム)の存在下
で、例えば、アラルキルハライド(例えば、アラルキル
クロライド、アラルキルブロマイド)を作用させること
により好適に製造することができる。さらにはアラル
キルオキシ置換ヒドロキシ安息香酸に、アラルキルハラ
イドを作用させることによっても好適に製造することが
できる。
【0015】本発明に係る一般式(2−a)〜(2−
d)で表される安息香酸誘導体の多価金属塩において、
多価金属塩としては、好ましくは水難溶性あるいは水不
溶性の2価、3価あるいは4価の金属塩であり、より好
ましくは2価あるいは3価の金属塩である。多価金属塩
の具体例としては、亜鉛、カドミウム、水銀、カルシウ
ム、マグネシウム、バリウム、ニッケル、スズ、鉛、ガ
リウム、クロム、銅、モリブデン、タングステン、ジル
コニウム、ストロンチウム、マンガン、コバルト、チタ
ン、アルミニウム、鉄等の塩を挙げることができる。好
ましくは、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウ
ム、ニッケル、マンガン、コバルト、アルミニウムの塩
であり、より好ましくは、亜鉛、カルシウム、マグネシ
ウム、ニッケル、マンガンの塩であリ、特に、亜鉛、カ
ルシウム塩は好ましい金属塩である。
【0016】また一般式(2−a)〜(2−d)で表さ
れる安息香酸誘導体の多価金属塩において、2価、3価
および4価の金属塩は、通常、一般式(2−a)〜(2
−d)で表される安息香酸誘導体のアルカリ金属塩(た
とえば、ナトリウム、カリウム、リチウム等の金属塩)
の水溶液と水可溶性の対応する2価、3価あるいは4価
の金属化合物の水溶液とから複分解法により、水難溶性
あるいは水不溶性の安息香酸誘導体の多価金属塩として
製造される。この際、所望に応じて加熱を行ったりある
いは有機溶媒を共存させても良い。尚、一般式(2−
a)〜(2−d)で表される安息香酸誘導体のアルカリ
金属塩の水溶液としては、複数の異なる一般式(2−
a)〜(2−d)で表される安息香酸誘導体のアルカリ
金属塩の水溶液を用いても良く、例えば2,4−ジベ
ンジルオキシ安息香酸と3,4−ジベンジルオキシ安息
香酸のそれぞれのアルカリ金属塩水溶液の混合水溶液を
用いて調製された多価金属塩も、本発明の感熱記録用材
料として好適に使用することができる。上記の水可溶性
の金属化合物としては、たとえば硫酸亜鉛、硫酸マグネ
シウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸
塩、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩
化バリウム、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化アルミ
ニウム等の塩化物、酢酸亜鉛、酢酸マンガン等の酢酸塩
等が挙げられる。
【0017】上述のように製造される一般式(2−a)
〜(2−d)で表される安息香酸誘導体の多価金属塩
は、製造条件により、時として水和物等の溶媒和物を形
成することがあるが、該溶媒和物も本発明の感熱記録材
料に好適に使用することができる。勿論、公知の方法
(例えば、乾燥により)により、該溶媒和物より、水な
どの溶媒を除いた安息香酸誘導体の多価金属塩を製造す
ることもでき、該無溶媒和物の安息香酸誘導体の多価金
属塩も本発明の感熱記録用材料として好適に使用するこ
とができる。
【0018】本発明の感熱記録材料においては、通常、
電子供与性発色性化合物100重量部に対し、電子受容
性化合物は50〜700重量部、好ましくは100〜5
00重量部使用し、一般式(2−a)〜(2−d)で表
される安息香酸誘導体および/または該誘導体の多価金
属塩10〜700重量部、好ましくは20〜500重量
部使用するのが望ましい。
【0019】本発明に使用する電子供与性発色性化合物
としては、無色ないし淡色の化合物であり、トリアリー
ルメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、ローダ
ミン−ラクタム系化合物、フルオラン系化合物、インド
リルフタリド系化合物、ピリジン系化合物、スピロ系化
合物、フルオレン系化合物などが挙げられる。これらの
化合物のうち、いくつかの具体例を挙げると、トリアリ
ールメタン系化合物としては、3,3−ビス(4−ジメ
チルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
〔別名、クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−
ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−
(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメ
チルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメ
チルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−
3−イル)フタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバ
ゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3
−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−メチル
ピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス〔2,2−ビス(4−ジメチルアミノフェ
ニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタ
リドなどがある。ジアリールメタン系化合物としては、
4,4−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジル
エーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−
2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなど
がある。ローダミン−ラクタム系化合物としては、ロー
ダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(4−ニ
トロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(4−クロ
ロアニリノ)ラクタムなどがある。
【0020】フルオラン系化合物としては、3,6−ジ
メトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキ
シフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3
−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−7−メ
チルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジル
アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチル
アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジ−n−
ヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2’
−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(3’−クロロフェニルアミノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(2’,3’−ジクロロ
フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(3’−トリフルオロメチルフェニルアミノ)フルオ
ラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロ
フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチ
ルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メトキシ−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−エトキシ−7−ア
ニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−モルホリノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
【0021】3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−オクチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エ
チル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−プ
ロピル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−N−イソプロピル−N−メチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−
ブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−N−n−ブチル−N−エチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブ
チル−N−n−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イ
ソブチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−エチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n
−ヘキシル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−N−n−オクチル−N−エチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−
シクロヘキシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n
−プロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ブチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロ
ヘキシル−N−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−シクロヘキシル−N−n
−ヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−シクロヘキシル−N−n−ヘプチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−シク
ロヘキシル−N−n−オクチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、
【0022】3−N−シクロヘキシル−N−n−デシル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N
−2’−メトキシエチル−N−メチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−N−2’−メトキシ
エチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−N−2’−メトキシエチル−N−イソ
ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−2’−エトキシエチル−N−メチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−2’−エ
トキシエチル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−N−3’−メトキシプロピル−
N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−3’−メトキシプロピル−N−エチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−
3’−エトキシプロピル−N−メチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−N−3’−エトキシ
プロピル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−2’−テトラヒドロフルフリル
−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−N−(4’−メチルフェニル)−N−エチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−エチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3’−メチル
フェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミ
ノ)フルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチ
ル−7−(2’,6’−ジメチルフェニルアミノ)フル
オラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’,6’
−ジメチルフェニルアミノ)フルオラン、2,2−ビス
〔4’−(3−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ
−6−メチルフルオラン)−7−イルアミノフェニル〕
プロパン、3−〔4’−(4−フェニルアミノフェニ
ル)アミノフェニル〕アミノ−6−メチル−7−クロロ
フルオランなどがある。
【0023】インドリルフタリド系化合物としては、
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド、3,3−ビス(1−オクチル−2−
メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−エ
トキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3
−(2−エトキシ−4−ジブチルアミノフェニル)−3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フ
タリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェ
ニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−
3−イル)フタリドなどがある。ピリジン系化合物とし
ては、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニ
ル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3
−イル)−4または7−アザフタリド、3−(2−エト
キシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)−4または7−
アザフタリド、3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチ
ルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)−4または7−アザフタリド、3
−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3
−(1−エチル−2−フェニルインドール−3−イル)
−4または7−アザフタリド、3−(2−ブトキシ−4
−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−
フェニルインドール−3−イル)−4または7−アザフ
タリドなどがある。
【0024】スピロ系化合物としては、3−メチル−ス
ピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフト
ピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−
ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフ
ト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピ
ル−スピロ−ジベンゾピランなどがある。フルオレン系
化合物としては、3’,6’−ビスジエチルアミノ−5
−ジエチルアミノスピロ(イソベンゾフラン−1,9’
−フルオレン)−3−オン、3’,6’−ビスジエチル
アミノ−7−ジエチルアミノ−2−メチルスピロ(1,
3−ベンゾオキサジン−4,9’−フルオレン)などが
ある。
【0025】好ましい電子供与性発色性化合物として
は、黒色発色するフルオラン系化合物であり、中でも、
3−ジ−n−ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニ
ルアミノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブ
チル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−イソペン
チル−N−エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−N−2’−メトキシエチル−N−イソブ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−3’−エトキシプロピル−N−エチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−(3’−メチルフェニルアミノ)
フルオランは、未発色時の光安定性に優れており、特に
好ましい電子供与性発色性化合物である。これらの電子
供与性発色性化合物は単独、あるいは発色画像の色調の
調整や多色感熱記録材料を得るなどの目的で、2種以上
併用しても良い。
【0026】本発明に使用する電子受容性化合物として
は、フェノール誘導体、有機酸あるいはその金属塩、錯
体、尿素誘導体などの有機電子受容性化合物、あるいは
酸性白土などの無機電子受容性化合物が挙げられる。こ
れらの化合物として、いくつかの具体例を挙げると、4
−tert−ブチルフェノール、4−tert−オクチルフェノ
ール、4−フェニルフェノール、1−ナフトール、2−
ナフトール、ハイドロキノン、レゾルシノール、4−te
rt−オクチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシビフ
ェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
〔別名、ビスフェノールA〕、1,1−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニル)プロパ
ン、1,4−ビス(4’−ヒドロキシクミル)ベンゼ
ン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシクミル)ベ
ンゼン、4,4−(m−フェニレンジイソプロピリデ
ン)ビスフェノール、4,4−(p−フェニレンジイソ
プロピリデン)ビスフェノール、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)酢酸エチルエステル、4,4−
(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸−n−ブチル
エステル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、
4−ヒドロキシ安息香酸フェネチルエステル、2,4−
ジヒドロキシ安息香酸フェノキシエチルエステル、4−
ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル、没食子酸−n−
プロピルエステル、没食子酸−n−オクチルエステル、
没食子酸−n−ドデシルエステル、没食子酸−n−オク
タデシルエステル、ハイドロキノンモノベンジルエ−テ
ル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフォン、
【0027】ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフォン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルフォン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルス
ルフォン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルス
ルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフ
ェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポ
キシジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−n
−ブトキシジフェニルスルフォン、3,4−ジヒドロキ
シ−4’−メチルジフェニルスルフォン、2,4−ジヒ
ドロキシジフェニルスルフォン、2−メトキシ−4’−
ヒドロキシジフェニルスルフォン、2−エトキシ−2’
−ヒドロキシジフェニルスルフォン、ビス(2−ヒドロ
キシ−5−tert−ブチルフェニル)スルフォン、ビス
(2−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)スルフォン、
4−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、1,7−ジ(4’−ヒドロキシフェニ
ルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ジ
(4’−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタ
ンなどのフェノール誘導体、サリチル酸、3−イソプロ
ピルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,
5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メ
チルベンジルサリチル酸、3−メチル−5−α−メチル
ベンジルサリチル酸、4−〔2’−(4−メトキシフェ
ニルオキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、2−ヒドロキ
シ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ
酸、フタル酸モノベンジルエステル、フタル酸モノフェ
ニルエステル、4−ニトロ安息香酸、3−ニトロ安息香
酸、2−ニトロ安息香酸、4−クロロ安息香酸などの有
機酸あるいはこれらの金属塩(たとえば、ニッケル、亜
鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩)、チオシア
ン酸亜鉛アンチピリン錯体、モリブデン酸アセチルアセ
トン錯体などの錯体、フェニルチオ尿素、ジ(3−トリ
フルオロメチルフェニル)チオ尿素、1,4−ジ(3’
−クロロフェニル)−3−チオセミカルバジドなどの尿
素誘導体などの有機電子受容性化合物、酸性白土、アタ
パルガイト、活性白土、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、
臭化亜鉛などの無機電子受容性化合物を好ましい化合物
として挙げることができる。特にフェノール誘導体は好
ましい電子受容性化合物である。これらの電子受容性化
合物は、単独あるいは2種以上併用しても良い。
【0028】本発明の感熱記録材料は、電子供与性発色
性化合物と電子受容性化合物を含有する感熱記録材料に
おいて、さらに一般式(2−a)〜(2−d)で表され
る安息香酸誘導体および/または該誘導体の多価金属塩
を少なくとも1種含有することを特徴とするものである
が、本発明の感熱記録材料においては、所望に応じて、
公知の感熱記録材料を製造するための各種公知の処方
(例えば、熱可融性化合物の添加など)をさらに付与し
ても良い。例えば、発色感度を向上させる目的で、増感
剤として熱可融性化合物(融点約70〜150℃、より
好ましくは融点約80〜130℃の化合物)を本発明の
感熱記録材料にさらに添加することは、高速記録に対応
した感熱記録材料を得るためには好ましいことである。
この場合、通常、電子供与性発色性化合物100重量部
に対し、熱可融性化合物10〜700重量部、好ましく
は20〜500重量部使用するのが望ましい。
【0029】かかる熱可融性化合物としては、たとえ
ば、カプロン酸アミド、カプリン酸アミド、パルミチン
酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ス
テアリル尿素、ステアリン酸アニリド、N−エチルカル
バゾール、4−メトキシジフェニルアミンなどの含窒素
化合物、4−ベンジルオキシ安息香酸ベンジルエステ
ル、2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジ
ルエステル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)エステ
ル、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)エステル、グル
タル酸ジフェナシルエステル、ジ(4−メチルフェニ
ル)カーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステルな
どのエステル化合物、4−ベンジルビフェニル、m−タ
ーフェニル、フルオレン、フルオランテン、2,6−ジ
イソプロピルナフタレン、3−ベンジルアセナフテンな
どの炭化水素化合物、2−ベンジルオキシナフタレン、
2−(4’−メチルベンジルオキシ)ナフタレン、1,
4−ジエトキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタ
ン、1,2−ビス(3’−メチルフェノキシ)エタン、
1−フェノキシ−2−(4’−エチルフェノキシ)エタ
ン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−フェノキ
シエタン、1−(4’−メトキシフェノキシ)−2−
(3’−メチルフェノキシ)エタン、1−(4’−メト
キシフェノキシ)−2−(2’−メチルフェノキシ)エ
タン、4−(4’−メチルフェノキシ)ビフェニル、
1,4−ビス(2’−クロロベンジルオキシ)ベンゼ
ン、4,4’−ジ−n−ブトキシジフェニルスルフォ
ン、1,2−ジフェノキシベンゼン、1,4−ビス
(2’−クロロフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(4’−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(3’−メチルフェノキシメチル)ベンゼン、4−クロ
ロベンジルオキシ−(4’−エトキシベンゼン)、ビス
(4−フェノキシフェニル)エーテル、ビス(4−フェ
ノキシフェニル)チオエーテル、ビス(4−フェニルチ
オフェニル)チオエーテル、1,4−ビス(4’−ベン
ジルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス〔(4’−メ
チルフェニルオキシ)メトキシメチル〕ベンゼンなどの
エーテル化合物などを挙げることができる。これらの熱
可融性化合物は、単独あるいは2種以上併用しても良
い。
【0030】本発明の感熱記録材料を製造するには、特
殊な方法によらなくとも公知の方法により製造すること
ができる。一般的には、電子供与性発色性化合物、電子
受容性化合物ならびに一般式(2−a)〜(2−d)
表される安息香酸誘導体および/または該誘導体の多価
金属塩などは、各々水溶性バインダー中で、ボールミ
ル、サンドミル、横型サンドミル、アトライタ、コロイ
ダルミルなどの手段により分散、通常、3μm以下、好
ましくは1.5μm以下の粒径にまで粉砕分散し、混合
し、記録層用の塗液を調整することができる。かかる水
溶性バインダーとしては、具体的には、ポリビニールア
ルコール、スルフォン化ポリビニールアルコール、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、エピクロルヒドリン変成ポリアミド、エチレン−無
水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリア
クリル酸、ポリアクリルアミド、メチロール変成ポリア
クリルアミド、デンプン誘導体、カゼイン、ゼラチン、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラ
ビアゴム、カルボキシル基変成ポリビニールアルコール
などを例示することができる。
【0031】本発明の感熱記録材料において、上記の如
く得られた塗液を用いて、記録層を形成する方法に関し
ては、特に限定されるものではなく、従来より公知の技
術に従って形成することができる。例えば、上記の如く
得られた感熱記録層用の塗液を、支持体上にエアーナイ
フコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビ
アコーター、カーテンコーター、ワイヤーバーなどの適
当な塗布装置を使用して塗布、乾燥して記録層を形成す
ることができる。また塗液の塗布量に関しても特に限定
されるものではなく、一般に乾燥重量で1.5〜12g
/m2 、好ましくは2.5〜10g/m2 の範囲で調整
される。支持体としては紙、プラスチックシ−ト、合成
紙などが用いられる。
【0032】本発明の感熱記録材料の記録層中には、更
に必要に応じて、顔料、水不溶性バインダー、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤、紫外線吸収剤、ヒンダード
フェノール、消泡剤などを添加しても良い。使用される
顔料としては、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化
チタン、タルク、ロウ石、カオリン、ケイソウ土、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、シリ
カ、非晶質シリカ、尿素−ホルマリン充填剤、ポリエチ
レン粒子、セルロース充填剤などが用いられる。ここ
で、顔料として、金属化合物、たとえば、酸化亜鉛、炭
酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリ
ウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウムなどを使用する場合、一般式
(2−a)〜(2 −d)で表される安息香酸誘導体およ
び/または該誘導体の多価金属塩と、金属化合物の顔料
とを、一緒に分散させることにより、場合によっては、
より一層高い発色画像の保存安定性を有した感熱記録材
料を得ることができ好ましい。
【0033】また、水不溶性バインダーとしては、合成
ゴムラテックスあるいは合成樹脂エマルジョンが一般的
であり、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリ
ロニトリル−ブタジエンラテックス、アクリル酸メチル
−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン
などが用いられる。金属石鹸としては、高級脂肪酸金属
塩が用いられ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸亜鉛など
が用いられる。ワックスとしては、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、カルボキシ変成パ
ラフィンワックス、カルナウバワックス、ポリエチレン
ワックス、ポリスチレンワックス、キャンデリアワック
ス、モンタンワックス、高級脂肪酸エステルなどが挙げ
られる。
【0034】界面活性剤としては、スルホコハク酸系の
アルカリ金属塩〔例えば、ジ(n−ヘキシル)スルホコ
ハク酸、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸等の
ナトリウム塩〕、フッソ含有の界面活性剤などが挙げら
れる。紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフ
ェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体な
どが挙げられる。ヒンダードフェノールとしては、フェ
ノール性水酸基のオルソ位の少なくとも1つが分枝アル
キル基で置換された、フェノール誘導体が好ましく、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフ
ェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−
ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン
−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノ−ル)、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒド
ロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキ
シ−2−メチル−6−エチルベンジル)イソシアヌル
酸、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブ
チルフェニル)スルフィドなどが挙げられる。
【0035】なお、必要に応じて、感熱記録層の表面及
び/あるいは裏面に保護層を設けたり、支持体と感熱記
録層の間に下塗り層を設けることも勿論可能であり、さ
らには粘着加工を施すなど感熱記録材料の製造方法にお
ける各種の公知技術が付与し得る。
【0036】
〔感熱記録紙の分散液の調整法〕
(A液組成) 電子供与性発色性化合物 10g ポリビニールアルコール(クラレ−117)10%水溶液 10g 水 80g ────────────────────────────────── 計 100g (B液組成) 電子受容性化合物(ビスフェノールA) 20g 軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業、TP−123) 40g ポリビニールアルコール(クラレ−117)10%水溶液 60g 水 130g ────────────────────────────────── 計 250g (C液組成)一般式(2−a)〜(2−d) で表される安息香酸誘導 20g 体または/および該誘導体の多価金属塩 ポリビニールアルコール(クラレ−117)10%水溶液 10g 水 220g ────────────────────────────────── 計 250g (D液組成) 熱可融性化合物(2−ベンジルオキシナフタレン) 20g ポリビニールアルコール(クラレ−117)10%水溶液 10g 水 220g ────────────────────────────────── 計 250g 上記A液、B液、C液、D液をそれぞれサンドグライン
ディングミルで平均粒子径が1.5μm以下になるよう
に分散し分散液を調整した。
【0037】実施例1〜 第1表(表)に示したA液中の電子供与性発色性化合
物、およびC液中の一般式(2−a)〜(2−d)で表
される安息香酸誘導体および/または該誘導体の多価金
属塩を使用して、上記の方法で調整した、A液100
g、B液250g、C液250g、D液250gの分散
液と、30%パラフィンワックス23gを混合して、こ
れを上質紙に乾燥塗布量が5.0±0.5g/m2 とな
るように塗布、乾燥し、感熱記録紙を作成した。
【0038】
【表1】
【0039】比較例1 C液を使用せずに、電子供与性発色性化合物として、3
−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオランを用いた以外は、実施例と同様にして、感熱記
録紙を作成した。 比較例2〜3 A液中の電子供与性発色性化合物として、3−ジ−n−
ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを
使用し、C液中の一般式(2−a)〜(2−d)で表さ
れる安息香酸誘導体または該誘導体の多価金属塩の代わ
りに、ステアリン酸亜鉛(比較例2)、または安息香酸
亜鉛(比較例3)を使用した以外は、実施例に記載した
方法と同様に感熱記録紙を作成した。
【0040】実施例1〜および比較例1〜3で作成し
た各感熱記録紙について、下記の評価法で、各感熱記録
紙の塗布直後の未発色部(地肌)の白色度を色差計(Σ
−80、日本電色製)を用いて測定した。尚、保存安定
性試験は耐湿熱性試験、耐油性試験および耐筆記具試験
を行い、各試験後の各感熱記録紙の未発色部の白色度を
調べた。結果は第2表(表2)に示した。また、実施例
1〜および比較例1〜3で作成した各感熱記録紙につ
いて、感熱紙発色装置(大倉電気製TH−PMD)を用
いて、マクベス濃度計(TR−524型)を用いて測定
した発色濃度が0.9である発色画像を形成した後、下
記の評価法で、保存安定性試験を行った。尚、保存安定
性試験は、耐湿熱性試験、耐油性試験及び耐筆記具試験
を行い各感熱記録紙の画像保存安定性を調べた。結果は
第3表(表3)に示した。
【0041】〔感熱記録紙の評価法〕 (未発色部の保存安定性試験) 実施例および比較例で作成した各感熱記録紙の塗布直後
の未発色部(地肌)の白色度を色差計(Σ−80、日本
電色製)を用いて測定した。 耐湿熱性試験:各感熱記録紙を、40℃、90%相対湿
度中に24時間保存した後の白色度を色差計(Σ−8
0、日本電色製)を用いて測定する。 耐油性試験:各感熱記録紙に、ジオクチルフタレートを
含有したカプセル塗工紙を重ね、加圧ロールを通過させ
た後、1週間25℃で保存した後の未発色部の白色度を
色差計を用いて測定する。数値が大きい程、白色度が高
く、未発色部の保存安定性に優れていることを示してい
る。また、耐筆記具試験として未発色部分を蛍光ペンで
筆記した後、25℃、72時間放置後の、未発色部分の
白色度を目視で観察した。○は汚れの無い白色度の高い
状態を示し、×は黒灰色に汚れた状態を示す。
【0042】
【表2】
【0043】(発色画像の保存安定性試験) 耐湿熱性試験:各感熱記録紙を、40℃、90%相対湿
度中に24時間保存した後の発色画像濃度を、マクベス
濃度計を用いて測定し、発色画像の残存率を求める。 耐油性試験:各感熱記録紙に、ジオクチルフタレートを
含有したカプセル塗工紙を重ね、加圧ロールを通過させ
た後、1週間25℃で保存した後の発色画像濃度を、マ
クベス濃度計を用いて測定し、発色画像の残存率を求め
る。尚、各試験後の発色画像の残存率は、次の式より求
める。
【0044】 数値が大きいほど、発色画像の保存安定性が優れている
ことを示している。
【0045】また、耐筆記具試験として、発色部分を蛍
光ペンで筆記した後、25℃、72時間放置後の、発色
部分の残存率の程度を目視で観察した。◎は消色が無い
状態を示し、×は消色した状態を示す。
【0046】
【表3】
【0047】第2表から明らかなように、本発明の感熱
記録材料に比べ、比較例2および比較例3では、耐湿熱
性試験後および耐油性試験後の未発色部は黒灰色に汚れ
てしまい、未発色部の保存安定性が悪いことがわかる。
又、比較例1については、未発色部の保存安定性には問
題はないが、第3表から明らかなように発色画像の保存
安定性が著しく悪いことがわかる。以上のことから、
般式(2−a)〜(2−d)で表される安息香酸誘導体
および/または該誘導体の多価金属塩を含有する本発明
の感熱記録材料は、従来の感熱記録材料に比較して、未
発色部および発色画像の保存安定性(耐湿熱性、耐油性
および耐筆記具性)が非常に優れているといえる。
【0048】
【発明の効果】本発明により、未発色部および発色画像
の保存安定性(耐湿熱性、耐油性および耐筆記具性)に
非常に優れた感熱記録材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−8083(JP,A) 特開 昭63−257680(JP,A) 特開 昭63−205279(JP,A) 特開 平5−309950(JP,A) 特開 平6−155925(JP,A) 特開 平6−64321(JP,A) 特開 平5−318933(JP,A) 特開 平1−232093(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性発色性化合物および電子受容
    性化合物を含有する感熱記録材料において、さらに一般
    式(2−a)〜(2−d)(化1)で表される安息香酸
    誘導体および/または該誘導体の多価金属塩を少なくと
    も1種含有する感熱記録材料。 【化1】
  2. 【請求項2】 多価金属塩が2価、3価または4価の金
    属塩である請求項1記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 多価金属塩が亜鉛またはカルシウム塩で
    ある請求項1または請求項2記載の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 電子供与性発色性化合物が、3−ジ−n
    −ブチルアミノ−7−(2’−クロロフェニルアミノ)
    フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−ア
    ニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
    7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−
    6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペ
    ンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
    3−N−n−プロピル−N−メチルアミノ−6−メチル
    −7−アニリノフルオラン、3−N−n−ブチル−N−
    メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
    3−N−イソブチル−N−メチルアミノ−6−メチル−
    7−アニリノフルオラン、3−N−イソペンチル−N−
    エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
    3−N−2’−メトキシエチル−N−イソブチルアミノ
    −6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−3’
    −エトキシプロピル−N−エチルアミノ−6−メチル−
    7−アニリノフルオランおよび3−ジエチルアミノ−6
    −メチル−7−(3’−メチルフェニルアミノ)フルオ
    ランの群から選ばれる請求項1〜3のいずれかに記載の
    感熱記録材料。
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