JP3256380B2 - ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム - Google Patents

ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム

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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミドフィルムの
接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィル
ムに関し、更に詳しくは接着剤に影響を与えず、安定的
に優れた接着性改善効果が得られるポリイミドフィルム
の接着性改善方法及びかかる接着性改善方法により接着
性を改善したポリイミドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ポリイミドフィルムは、接着剤を
用いて金属箔(主に銅箔)と張り合わせたり、蒸着法、
メッキ法、又はスパッタ法によりフィルム層と金属層か
らなる積層板に加工したりして、FPC(フレキシブル
プリント配線板)のベースフィルムとして使用される。
ところが、従来のポリイミドフィルムは表面の接着性に
乏しいことが問題になっており、そのままでは製品の不
良を生じる原因となる。このため、ポリイミドフィルム
は、その表面の接着性を改善することを目的に、コロナ
放電処理を施して使用されている。
【0003】すなわち、ポリイミドフィルムの表面の接
着性が乏しいのは、フィルム表面の溌水性が高いためで
あると考えられることから、フィルム表面にコロナ放電
処理を施すことにより、表面に親水性を付与し接着性を
改善するのである。コロナ放電処理によって表面の親水
性が上がる理由は、フィルム表面が酸化されてフィルム
表面に水酸基、カルボン酸基、カルボニル基等の親水性
を示す官能基が新たに生じるためとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポリイミド
フィルムは溶液キャスト法で縮合重合により得られる
が、その表面は安定剤、添加剤等を混入した場合には、
これらが優先的にブリードし、表面脆弱層(WBL;We
ak Boundary Layer )を形成することや、この他にもW
BL形成物としてオリゴマー等の低分子重合体の表面へ
の移行が加速される場合があることが学術的に知られて
いる。また、製膜工程中の設備から発生したり、大気中
に存在する油分等の汚染物質がフィルムに付着し、汚染
層を形成する場合も考えられる。
【0005】これらの層の形成がポリイミドフィルムの
表面特性を決定し、その接着性を阻害する要因となるケ
ースが考えられる。また、このようにポリイミドフィル
ムの表面にWBLや汚染層が形成されていると、かかる
層の上からコロナ放電処理を施したところで、コロナ放
電処理により親水性の付与された表面は脆く剥離しやす
いため、本質的に接着力を向上させることはできない。
【0006】特に、ポリイミドフィルムの表面は製膜時
の条件によって表面特性が著しく変化するものであり、
例えば、同時に製造した同じ特性のフィルムであって
も、製膜時の条件によってWBLや汚染層の形成が著し
くなる場合とそうでない場合がある。そのため、ポリイ
ミドフィルムの表面にコロナ放電処理を施しても、充分
な処理効果が得られない場合があり、安定した表面改質
を達成することは難しいという問題がある。
【0007】そこで、本発明者らは、上記問題点を解決
し、フィルム表面を安定的に親水化し、優れた接着性改
善効果を得ることのできるポリイミドフィルムの接着性
改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルムを提
供することを目的に鋭意研究を重ねた結果、本発明に至
ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリイミド
フィルムの接着性改善方法の要旨とするところは、ポリ
イミドフィルムの表面を有機溶剤で濡らした状態で該表
面に物理的機械力を加えて有機溶剤処理した後、コロナ
放電処理を行うことにある。
【0009】かかるポリイミドフィルムの接着性改善方
法において、ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤で濡
らした状態で該表面に物理的機械力を加えた後、該表面
を前記有機溶剤と同じ又は異なる有機溶剤で処理する有
機溶剤処理行程と、該フィルムを乾燥させる乾燥工程
と、該乾燥させられたフィルムにコロナ放電処理を行う
コロナ放電処理工程を順次行うことにある。
【0010】次に、本発明に係る接着性を改善したポリ
イミドフィルムの要旨とするところは、上記のいずれか
に記載するポリイミドフィルムの接着性改善方法により
表面処理して得られることにある。
【0011】
【作用】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法は、ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤で濡らし
た状態で該表面に物理的機械力を加えて処理した後、コ
ロナ放電処理を行うことを特徴とし、フィルム表面を有
機溶剤で濡らした状態で、該表面に物理的機械力を加え
て処理することにより、例えば回転ブラシ等により該表
面をブラシングすることにより、ポリイミドフィルムの
表面に形成されているWBLや汚染層を除去することが
できる。この時有機溶剤はWBLや汚染層の中へ移行
し、回転ブラシのみでは実現できないWBLや汚染層の
優れた除去効果をもたらす潤滑剤の役割をするものと考
えられる。なお、物理的機械力を加えて処理する手段と
しては、上述の回転ブラシによりブラシングすること以
外に布や紙、又はスポンジ状のものでフィルム表面を擦
るようにすることも可能である。その後、コロナ放電処
理を施すことにより、清浄化されたフィルム表面に親水
性を付与することができ、フィルム表面を安定的に親水
化し、安定して優れた接着性改善効果を得ることができ
る。
【0012】なお、有機溶剤で濡らされたフィルム表面
に物理的機械力を加えることにより、ポリイミドフィル
ムの表面に形成されているWBLや汚染層をフィルムか
ら除去するのであるが、かかる処理のみでは回転ブラシ
で除去したWBLや汚染層を構成していた微小なものが
フィルム表面に残っているおそれがある。そこで、有機
溶剤処理工程において、ポリイミドフィルムの表面に物
理的機械力を加えた後、該表面に有機溶剤を吹き付ける
等の処理をすることによりフィルム表面のWBLや汚染
層を完全に除去することができる。また、ブラシから発
生するゴミを洗い流すこともできる。その後、フィルム
を乾燥させてからコロナ放電処理工程を行うことによ
り、清浄化されたフィルム表面にコロナ放電処理を施す
ことができる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係るポリイミドフィルムの
接着性改善方法を、図面に基づいて詳細に説明する。こ
こでいうポリイミドフィルムは、厚み数μmの薄膜か
ら、厚み数百μmのシート状物も含めて広義のフィルム
を意味し、ポリイミドフィルムの分子構造は問わない。
【0014】かかるポリイミドフィルムの接着性改善方
法は、ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤で濡らした
状態で該表面に物理的機械力を加えて処理した後に、コ
ロナ放電処理を行うことを特徴とし、例えば、図1に示
す表面処理装置10を用いて実施することができる。か
かる表面処理装置10は、有機溶剤処理工程のための回
転ブラシ12、溶剤吹き付けノズル14、リンス用ノズ
ル16、有機溶剤タンク18と、該処理工程によりフィ
ルム表面に付着した有機溶剤を乾燥させるための乾燥炉
20と、コロナ放電処理装置22とから構成されてい
る。また、ノズル14、16は有機溶剤タンク18から
循環ポンプ24、フィルター26を介して設けられてい
て、吹き付けた有機溶剤を有機溶剤タンク18で回収し
て繰り返し使用することができるように構成されてい
る。更に、繰り出し装置28、巻取り装置30、フリー
ロール32を備え、装置10において繰り出し装置28
から巻取り装置30へポリイミドフィルム34を走行さ
せると、有機溶剤処理工程、乾燥工程を経てコロナ放電
処理工程へ連続的に実施できるように構成されている。
【0015】かかる装置10において、回転ブラシ12
はポリイミドフィルム34の両側に配置され、フィルム
34は2個の回転ブラシ12によりニップされており、
溶剤吹き付けノズル14からポリイミドフィルム34に
有機溶剤を吹き付けてフィルム表面を濡らして回転ブラ
シ12を回転させることにより、有機溶剤で濡らされた
フィルムの両面がブラシングされ、WBLや汚染層が除
去される。この時、有機溶剤を吹き付けてフィルム表面
を濡らしておくことにより、回転ブラシのみでは実現で
きないWBLや汚染層の除去効果がもたらされ、該有機
溶剤は潤滑剤の役割を果たすものであると考えられる。
【0016】なお、かかる装置10においては、ポリイ
ミドフィルムの両面を処理することができるが、回転ブ
ラシ12及び吹き付けノズル14をポリイミドフィルム
34の片側に配置して、片面のみを処理できるように構
成してもよい。また、回転ブラシ12を用いてブラシン
グするかわりに、布や紙、又はスポンジ状のものでフィ
ルム表面を擦るようにすることも可能であるが、生産性
を考慮すると回転ブラシを用いる方が好ましい。
【0017】ここで、回転ブラシ12を回転させる方向
はフィルムの進行方向であってもよいが、特にはフィル
ムの進行方向とは逆向きに回転させる方が処理効果が高
く好ましい。また、回転ブラシの材質はフィルム表面に
実用上有害な傷をつけないものを選択する必要がある。
特に不織布は好ましく用いられ、更には、材質がナイロ
ン、若しくはレーヨンであることが好ましいが、これに
限定されるものではない。なお、回転ブラシの回転数、
フィルムの走行速度(処理スピード)、ニップ圧、フリ
ーロールの材質と硬度などについては特に制限されず、
経験的に適宜設定すればよい。
【0018】有機溶剤としては、アルカン類、アルケン
類、アルコール類、ケトン類、エーテル類、カルボン酸
類、アルデヒド類等を単独で又は2種類以上の混合物と
して用いることができるが、特にはメタノールを用いる
ことが好ましい。
【0019】上記処理によりフィルム表面からWBLや
汚染層が除去されるのであるが、かかる処理のみでは回
転ブラシで除去したWBLや汚染層を構成していた微小
なものがフィルム表面に残っているおそれがある。ま
た、ブラシから発生するゴミが付着することも考えられ
る。そのため、有機溶剤処理工程において、上述のよう
にポリイミドフィルム34の表面をブラシングした後、
次いでリンス用ノズル16からポリイミドフィルム34
に有機溶剤を吹き付けることにより、フィルム表面から
WBLや汚染層を完全に除去し、フィルム表面を効率よ
く清浄化することができる。
【0020】この時の有機溶剤としては、上記同様アル
カン類、アルケン類、アルコール類、ケトン類、エーテ
ル類、カルボン酸類、アルデヒド類等を単独で又は2種
類以上の混合物として用いることができ、ブラシングす
る前に吹き付けた有機溶剤と同じであっても、異なって
いてもよい。特には、ブラシングする前に吹き付けた有
機溶剤と同じ有機溶剤を用いる方が経済的であり好まし
い。なお、該有機溶剤にシラン系カップリン剤等の表面
処理剤を溶解して用い、フィルム表面に該処理剤の膜を
形成させてもよい。かかる有機溶剤処理工程により、W
BLや汚染層が除去され、フィルム表面が清浄化された
ポリイミドフィルムが得られる。
【0021】次いで、上記処理工程により表面が清浄化
されたポリイミドフィルム34は乾燥炉20に導かれ、
乾燥炉20においてフィルム表面に付着した有機溶剤を
乾燥させる工程が行われる。乾燥条件としては特に制限
はなく、経験的に適宜設定して行われる。そして乾燥工
程を経たポリイミドフィルム34は、コロナ放電処理装
置22に導入されてコロナ放電処理が施される。
【0022】コロナ放電処理装置22は、高度に絶縁さ
れたロール36とロール36に近接させて配置した線条
のコロナ電極38を備えている。コロナ電極38はコロ
ナ処理をすべき長さ、換言すればほぼ高分子フィルムの
幅に形成されていて、複数の碍子40を介してフレーム
42に固定されている。かかるコロナ放電処理装置22
において、ポリイミドフィルム34はロール36上を通
るようになっていて、コロナ電極38に高エネルギーを
作用させるとコロナ電極38からコロナ放電が起こる。
従って、ロール36上を通されたポリイミドフィルム3
4の上面にコロナ放電処理を施すことができる。また、
図2に示すような2つのロール36に相対向して線条の
コロナ電極38を配置したコロナ放電処理装置44によ
り、フィルム両面にコロナ放電処理を施すようにするこ
ともできる。コロナ放電処理の電力密度は10〜300
W・min /m2 にすることが好ましく、フィルムの種類
や厚さ等により経験的に適宜設定される。また、電極の
材質は特に制限されず、経験的に適宜選択、設定され
る。
【0023】なお、コロナ放電処理を行う際、フィルム
の熱膨張により生じる皺を防ぐため、フィルムの幅方向
に伸びを付与した後、コロナ放電処理を1回又は複数回
にわたって施してもよい。また、コロナ放電処理に引き
続いて、フィルムに帯電した静電気の極性と逆極性のイ
オンを有するイオン化ガスを該フィルムに吹き付けて、
静電気を除電すると同時に付着した微粉末を除去するよ
うにしてもよい。
【0024】かかる処理工程により、フィルム表面を酸
化させてフィルム表面に水酸基、カルボン酸基、カルボ
ニル基等の親水性官能基を形成することができ、フィル
ム表面の親水性が向上される。
【0025】このようにして、有機溶剤処理を行った
後、連続してコロナ放電処理を行うことにより、清浄化
されたフィルム表面に親水性官能基を導入することがで
きる。その結果、フィルム表面を安定的に親水化し、安
定して優れた接着性改善効果を得ることができるのであ
る。
【0026】以上、本発明に係るポリイミドフィルムの
接着性改善方法の実施例を説明したが、有機溶剤処理工
程において有機溶剤を吹き付けるのではなく、有機溶剤
中に浸漬させて処理してもよい。例えば、図3に示す表
面処理装置46を用い、フリーロール32によりポリイ
ミドフィルム34を有機溶剤タンク48内に導いてフィ
ルム34を有機溶剤中に浸漬させ、有機溶剤中で回転ブ
ラシ12を回転させてその両面をブラシング処理するの
である。このように有機溶剤中に浸漬させて処理する場
合は、ブラシングされたフィルムが有機溶剤中を走行す
ることによりフィルム表面が洗浄されるので、特にリン
ス用ノズルを設けて有機溶剤を吹き付けなくてもフィル
ム表面からWBLや汚染層を完全に除去することができ
る。なお、装置46では、フィルムの両面をブラシング
できるように回転ブラシ12がフィルムの両側に配置さ
れているが、もちろん片面のみをブラシングするように
することも可能である。また、かかる装置46において
もリンス用ノズルを設け、ブラシングした後に有機溶剤
を吹き付けるように構成してもよい。
【0027】また、上述のように有機溶剤処理とコロナ
放電処理を連続的に行わずに、別工程で実施するように
してもよい。その他、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない
範囲内で当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、
修正を加えた態様で実施しうるものである。
【0028】なお、かかるポリイミドフィルムの接着性
改善方法により表面処理されたポリイミドフィルムは、
表面脆弱層及び汚染層が除去され、安定的に親水化され
たフィルム表面を有するので、従来のコロナ放電処理の
みによって表面処理されたポリイミドフィルムに比べて
優れた接着性を示し、接着剤を用いてフィルムと金属箔
(銅箔等)とを強固に張り合わせることができる。ま
た、蒸着法、メッキ法、又はスパッタ法によってもフィ
ルム表面に均一に金属層を形成することができる。すな
わち、本発明に係る接着性を改善したポリイミドフィル
ムは、FPC(フレキシブルプリント配線板)のベース
フィルムとして好適に使用することができるものであ
る。
【0029】以下に実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例によって限定される
ものではない。
【0030】実施例 1 図1に示す装置を用い、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテルに代表される芳香族ジアミンとピロメリット酸
二無水物に代表される芳香族テトラカルボン酸二無水物
とから公知の方法で得られた25μm厚のポリイミドフ
ィルムを用いて、有機溶剤処理とコロナ放電処理を連続
的に行い、ポリイミドフィルムの表面処理を行った。処
理条件はラインスピードを2m/min とし、有機溶剤処
理部では有機溶剤としてメタノールを使用し、回転ブラ
シはレーヨンの不織布を基材としたもの(線径約15〜
30μm)を用い、ニップ圧を3kg/m、回転数をフィ
ルムの進行方向とは逆向きに250rpmとした。その
後、乾燥炉で100℃×30秒乾燥させた。コロナ放電
処理はアルミニウム電極を用いて、電力密度を220W
・min /m2 で処理した。
【0031】このように処理したポリイミドフィルムに
ついて、以下の方法で接着強度の評価を行った。アクリ
ル系接着剤(デュポン(株)製 "パイララックス”)を
用いて上記処理フィルムと銅箔(三井金属鉱業(株)製
電解銅箔 "3EC”35μm厚)とをラミネートし、1
85℃×1時間で接着剤の硬化反応を行い、FCCL
(フィルム・銅箔積層板)を作製した。得られたFCC
Lの銅パターン幅が3mmとなるようサンプルを切り出
し、引張試験器(島津製作所(株)製 "S−100−
C”)によりピールテストスピード50mm/min で90
°剥離の引張試験を行った。n=5の平均値による測定
結果を表1に示す。なお、引き剥がし後の破壊面は、す
べてフィルム/接着剤界面で発生した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例 2 また、有機溶剤としてメチルエチルケトンを使用し、回
転ブラシの回転数を100rpmとした以外は実施例1
と同じ条件でポリイミドフィルムの表面処理を行った。
処理フィルムについて、実施例1と同様にして接着強度
を評価した。n=5の平均値による測定結果を表1に示
す。なお、引き剥がし後の破壊面は、すべてフィルム/
接着剤界面で発生した。
【0034】比較例 1 比較のために、実施例1で使用した25μm厚のポリイ
ミドフィルムについて、表面処理を施さずに用い、実施
例1と同様にして接着強度を評価した。n=5の平均値
による測定結果を表1に示す。なお、引き剥がし後の破
壊面は、すべてフィルム/接着剤界面で発生した。
【0035】比較例 2 比較のために、実施例1で使用した25μm厚のポリイ
ミドフィルムについて、コロナ放電処理のみを施して用
い、実施例1と同様にして接着強度を評価した。コロナ
放電処理は実施例1と同様、アルミニウム電極を用い
て、電力密度を220W・min /m2 で処理した。n=
5の平均値による測定結果を表1に示す。なお、引き剥
がし後の破壊面は、すべてフィルム/接着剤界面で発生
した。
【0036】
【発明の効果】本発明に係るポリイミドフィルムの接着
性改善方法は、有機溶剤処理をした後、コロナ放電処理
を行うことを特徴とし、かかる方法によりWBLや汚染
層を除去した後、清浄化されたフィルム表面に親水性官
能基を導入することができる。その結果、フィルム表面
を安定的に親水化し、優れた接着性改善効果を得ること
ができる。かかるポリイミドフィルムの接着性改善方法
により接着性を改善したポリイミドフィルムは、フィル
ム表面が安定的に親水化されているため、優れた接着性
を示し、FPCのベースフィルムとして好適に使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法を実施するための表面処理装置を示した説明図であ
る。
【図2】本発明におけるコロナ放電処理工程を行うため
の他のコロナ放電処理装置を示した説明図である。
【図3】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法を実施するための他の表面処理装置を示した説明図
である。
【符号の説明】
10、46;表面処理装置 12;回転ブラシ 14、16;ノズル(溶剤吹き付けノズル、リンス用ノ
ズル) 18、48;有機溶剤タンク 20;乾燥炉 22、44;コロナ放電処理装置 24;循環ポンプ 26;フィルター 28;繰り出し装置 30;巻取り装置 32;フリーロール 34;ポリイミドフィルム 38;コロナ電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤で
    濡らした状態で該表面に物理的機械力を加えて有機溶剤
    処理した後、コロナ放電処理を行うことを特徴とするポ
    リイミドフィルムの接着性改善方法。
  2. 【請求項2】 ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤で
    濡らした状態で該表面に物理的機械力を加えた後、該表
    面を前記有機溶剤と同じ又は異なる有機溶剤で処理する
    有機溶剤処理工程と、該フィルムを乾燥させる乾燥工程
    と、該乾燥させられたフィルムにコロナ放電処理を行う
    コロナ放電処理工程を順次行うことを特徴とする請求項
    1に記載するポリイミドフィルムの接着性改善方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載するポリイ
    ミドフィルムの接着性改善方法により表面処理して得ら
    れることを特徴とする接着性を改善したポリイミドフィ
    ルム。
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