JPH0812779A - ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム - Google Patents

ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム

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JPH0812779A
JPH0812779A JP17211294A JP17211294A JPH0812779A JP H0812779 A JPH0812779 A JP H0812779A JP 17211294 A JP17211294 A JP 17211294A JP 17211294 A JP17211294 A JP 17211294A JP H0812779 A JPH0812779 A JP H0812779A
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film
polyimide film
adhesiveness
treatment
alkaline solution
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JP17211294A
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Masao Nakada
雅郎 中田
Kosuke Kataoka
孝介 片岡
Yoshihide Onari
義秀 大成
Kosaku Nagano
広作 永野
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/381Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the substrate

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム表面を安定的に親水化し、優れた接
着性改善効果を得ることのできるポリイミドフィルムの
接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィル
ムを提供することを目的とする。 【構成】 ポリイミドフィルム26を一定のラインスピ
ードで走行させ、アルカリ溶液槽12にてアルカリ溶液
に浸漬した後、次いで洗浄槽14にて表面のアルカリ溶
液を洗い落とし、フィルム表面の余分な水分を乾燥炉1
6において乾燥させ、その後、プラズマ処理装置18に
導入してプラズマ処理を施すことにより、安定的に優れ
たポリイミドフィルムの接着性改善効果が得られた。か
かる方法により表面処理されたポリイミドフィルムは、
表面脆弱層及び汚染層が除去され、親水化されたフィル
ム表面を有し、優れた接着性を示すものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミドフィルムの
接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィル
ムに関し、更に詳しくは接着剤に影響を与えず、安定的
に優れた接着性改善効果が得られるポリイミドフィルム
の接着性改善方法及びかかる接着性改善方法により接着
性を改善したポリイミドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ポリイミドフィルムは、接着剤を
用いて金属箔(主に銅箔)と張り合わせたり、蒸着法、
メッキ法、又はスパッタ法によりフィルム層と金属層か
らなる積層板に加工したりして、FPC(フレキシブル
プリント配線板)のベースフィルムとして使用される。
ところが、従来のポリイミドフィルムは表面の接着性に
乏しいことが問題になっており、そのままでは製品の不
良を生じる原因となる。このため、ポリイミドフィルム
の表面の接着性を改善することを目的に、プラズマ処理
を施して使用することが一般的になっている。
【0003】すなわち、ポリイミドフィルムの表面の接
着性が乏しいのは、フィルム表面の溌水性が高いためで
あると考えられることから、フィルム表面にプラズマ処
理を施すことにより、表面に親水性を付与し接着性を改
善するのである。プラズマ処理によって表面の親水性が
上がる理由は、フィルム表面に水酸基、カルボン酸基、
カルボニル基等の親水性を示す官能基が新たに生じるた
めとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポリイミド
フィルムは溶液キャスト法で縮合重合により得られる
が、その表面は安定剤、添加剤等を混入した場合には、
これらが優先的にブリードし、表面脆弱層(WBL;We
ak Boundary Layer )を形成することや、この他にもW
BL形成物としてオリゴマー等の低分子重合体の表面へ
の移行が加速される場合があることが学術的に知られて
いる。また、製膜工程中の設備から発生したり、大気中
に存在する油分等の汚染物質がフィルムに付着し、汚染
層を形成する場合も考えられる。
【0005】これらの層の形成がポリイミドフィルムの
表面特性を決定し、その接着性を阻害する要因となるケ
ースが考えられる。また、このようにポリイミドフィル
ムの表面にWBLや汚染層が形成されていると、かかる
層の上からプラズマ処理を施したところで、プラズマ処
理により親水性の付与された表面は脆く剥離しやすいた
め、本質的に接着力を向上させることはできない。
【0006】特に、ポリイミドフィルムの表面は製膜時
の条件によって表面特性が著しく変化するものであり、
例えば、同時に製造した同じ特性のフィルムであって
も、製膜時の条件によってWBLや汚染層の形成が著し
くなる場合とそうでない場合がある。そのため、ポリイ
ミドフィルムの表面にプラズマ処理を施しても、充分な
処理効果が得られない場合があり、安定した表面改質を
達成することは難しいという問題がある。
【0007】そこで、本発明者らは、上記問題点を解決
し、フィルム表面を安定的に親水化し、優れた接着性改
善効果を得ることのできるポリイミドフィルムの接着性
改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルムを提
供することを目的に鋭意研究を重ねた結果、本発明に至
ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリイミド
フィルムの接着性改善方法の要旨とするところは、ポリ
イミドフィルムの表面をアルカリ処理した後、プラズマ
処理を行うことにある。
【0009】かかるポリイミドフィルムの接着性改善方
法において、ポリイミドフィルムの表面にアルカリ溶液
を接触させるアルカリ処理工程と、該アルカリ溶液をフ
ィルム表面から除去する洗浄工程と、フィルムを乾燥さ
せる乾燥工程と、プラズマ処理を行うプラズマ処理工程
を順次行うことにある。
【0010】特には、前記アルカリ処理工程が、5wt%
水酸化ナトリウム水溶液に1〜60秒間、好ましくは1
0〜30秒間浸漬させることにある。
【0011】次に、本発明に係る接着性を改善したポリ
イミドフィルムの要旨とするところは、ポリイミドフィ
ルムの表面をアルカリ処理した後、プラズマ処理を行う
ことにより、表面脆弱層及び汚染層が除去され、親水化
されたフィルム表面を有することにある。
【0012】
【作用】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法は、ポリイミドフィルムの表面をアルカリ処理した
後、プラズマ処理を行うことを特徴とし、フィルム表面
をアルカリ処理することにより、ポリイミドフィルムの
表面に形成されているWBLや汚染層を除去することが
できる。その後、プラズマ処理を施すことにより、清浄
化されたフィルム表面に親水性を付与することができ、
フィルム表面を安定的に親水化し、安定して優れた接着
性改善効果を得ることができる。
【0013】ここで、アルカリ処理工程において、ポリ
イミドフィルムの表面にアルカリ溶液を接触させること
により、ポリイミドフィルムの表面に形成されているW
BLや汚染層を除去することができるが、一般にポリイ
ミドフィルムはアルカリ溶液に対して耐薬品性が乏し
く、フィルム表面が長時間アルカリ溶液に接触している
とフィルム母材をも劣化させてしまうおそれがある。ま
た、フィルム表面のアルカリ溶液が濃縮されてフィルム
母材を浸食したり、フィルム表面に無機塩が析出してフ
ィルム表面の新たな汚染層となるおそれもある。そのた
め、アルカリ処理工程によりWBLや汚染層を除去した
後は、速やかにフィルム表面のアルカリ溶液を洗浄除去
する必要がある。そこで、アルカリ処理工程の後、洗浄
工程を設けてフィルム表面に付着しているアルカリ溶液
を除去し、フィルムを乾燥させた後、プラズマ処理工程
を行うことにより、清浄化されたフィルム表面にプラズ
マ処理を施すことができる。
【0014】特には、かかるポリイミドフィルムの接着
性改善方法において、アルカリ処理工程を、5wt%水酸
化ナトリウム水溶液に1〜60秒間、好ましくは10〜
30秒間浸漬させるとすることにより、処理条件の適正
化を図り、フィルム母材を劣化させることなく、表面の
WBLや汚染層のみを除去することができる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明に係るポリイミドフィルムの
接着性改善方法を、図面に基づいて詳細に説明する。こ
こでいうポリイミドフィルムは、厚み数μmの薄膜か
ら、厚み数百μmのシート状物も含めて広義のフィルム
を意味し、ポリイミドフィルムの分子構造は問わない。
【0016】かかるポリイミドフィルムの接着性改善方
法は、アルカリ処理を行った後にプラズマ処理を行うこ
とを特徴とし、例えば、図1に示す表面処理装置10を
用いて実施することができる。かかる表面処理装置10
は、アルカリ処理工程のためのアルカリ溶液槽12、次
いでアルカリ溶液を洗浄するための洗浄槽14、該処理
工程によりフィルム表面に付着した余分な水分を除去す
るための乾燥炉16、及びプラズマ処理装置18とから
構成されている。更に、繰り出し装置20、巻取り装置
22、フリーロール24を備え、装置10において繰り
出し装置20から巻取り装置22へポリイミドフィルム
26を走行させると、アルカリ処理工程から洗浄工程、
乾燥工程を経てプラズマ処理工程へ連続的に実施できる
ように構成されている。
【0017】かかる装置10において、ポリイミドフィ
ルム26を一定のラインスピードで走行させると、まず
繰り出し装置20から送り出されたポリイミドフィルム
26は、フリーロール24によってアルカリ溶液槽12
に導かれ、アルカリ溶液に浸漬される。そして一定時間
アルカリ溶液に浸漬された後、次いで洗浄槽14に導か
れて表面のアルカリ溶液が洗い落とされる。なお、アル
カリ溶液に浸漬させる時間(処理時間)はポリイミドフ
ィルム26を走行させるラインスピードとアルカリ溶液
槽12の大きさにより調整することができる。
【0018】アルカリ溶液としては、PH7以上の溶液
であれば特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物や水酸化バリウ
ムなどの強アルカリの水溶液が好ましく用いられる。ア
ルカリ溶液の濃度は特に限定されないが、1〜10wt%
程度が好ましい。また、フィルム母材を劣化することな
く表面のWBLや汚染層のみを除去するためには、処理
時間の設定が重要であり、フィルムをアルカリ溶液中に
長時間浸漬させると、表面のWBLや汚染層を除去する
だけでなくフィルム母材をも劣化させてしまうことにな
るので注意を要する。処理時間は、アルカリ溶液の種類
や濃度によって異なり、適宜設定する必要があるが、例
えば、5wt%水酸化ナトリウム水溶液の場合は、1〜6
0秒間、好ましくは10〜30秒間浸漬させることによ
り効果的にWBLや汚染層を除去することができる。
【0019】かかるアルカリ処理工程においては、上記
1〜10wt%程度に調整した強アルカリの水溶液に浸漬
させるだけでWBLや汚染層を除去することができる
が、アルカリ条件が弱く長時間の浸漬が必要な場合や、
もっと短時間での処理を行いたい場合は、アルカリ溶液
槽内において、フィルム表面に傷を与えず外観を阻害し
ないような不織布等の基材でフィルム表面を擦るように
してフィルム表面に物理的機械力を加えたり、アルカリ
溶液がフィルム表面にいきおいよく当たるように水流を
つくるようにしてもよい。
【0020】なお、フィルムをアルカリ溶液から取り出
した後は、速やかにフィルム表面のアルカリ溶液を除去
するのが好ましく、アルカリ処理工程後の洗浄工程が設
けられる。かかる洗浄工程において、フィルム表面から
アルカリ溶液を除去するまでは、フィルム表面にアルカ
リ溶液が接触していることとなり、実質的に処理時間が
長くなってしまうため、速やかに洗浄を行うのが好まし
い。また、フィルム表面のアルカリ溶液が濃縮されてフ
ィルム母材に悪影響を及ぼしたり、フィルム表面に無機
塩が析出したりするおそれもあるので、かかる洗浄工程
にてフィルム表面に付着しているアルカリ溶液を速やか
に洗い落とす必要がある。
【0021】洗浄槽14には清浄な水が満たされてお
り、フィルムを洗浄槽14に導いて水中に浸漬させるこ
とにより、フィルム表面からアルカリ溶液を洗い流すこ
とができる。洗浄槽14内の水は溜水でもよいが、特に
は流水の方が洗浄効果が高く好ましい。また、洗浄槽1
4に、酢酸等のフィルム母材に対して悪影響を及ぼさな
い酸性溶液を入れておき、フィルム表面のアルカリ溶液
を中和して洗浄するようにしてもよい。アルカリ溶液を
中和処理することにより、フィルム表面から短時間でア
ルカリ除去を行うことができる。なお、酸性溶液として
は特に限定するものではないが、酢酸はフィルム形成時
にも使用していることからフィルム母材へ悪影響を及ぼ
すことがなく好ましい。また、図2に示すような表面処
理装置28により、アルカリ溶液槽12においてアルカ
リ処理工程を行った後、まず酢酸等0酸を入れた中和洗
浄槽30で中和処理した後、水洗浄槽32でフィルム表
面を洗浄するようにしてもよい。また、洗浄槽14、3
0、32の代わりにシャワー等を用いてフィルム表面に
水又は酢酸等を吹き付けることにより、アルカリ溶液を
洗い流すようにしてもよい。
【0022】その後、フィルム表面の余分な水分を取り
除き、乾燥炉16において乾燥させる工程が行われる。
このようにアルカリ処理工程、洗浄工程、乾燥工程を行
うことにより、フィルム表面のWBLや汚染層を除去
し、フィルム表面を清浄化することができるのである。
【0023】次に、上記処理工程により表面が清浄化さ
れたポリイミドフィルム26は、プラズマ処理装置18
に導入され、該プラズマ処理装置18内でプラズマ処理
が施される。プラズマ処理装置18はフィルムの導入口
及び導出口がシールされていて、ガス導入部34から適
当な組成のガスが導入され、所定のガス圧力に保持され
る。そして電源36のスイッチを入れると、放電が開始
し、装置18内にプラズマが発生するように構成されて
いる。このときの電力密度は、ガス組成、ガス圧力によ
って適宜設定されるが、300〜4000w・min /m
2 で放電を開始させることができる。
【0024】ここで、プラズマ処理を行う雰囲気のガス
圧力は特に限定されないが、100〜1000Torrの範
囲の圧力下で行うことが好ましい。100Torr以下では
真空装置などが必要となるし、1000Torr以上では放
電がしにくくなるためである。また、プラズマ処理のガ
ス組成は、特に限定されないが100〜1000Torr中
での放電もグロー放電(火花放電ではない)するよう、
希ガス元素の単独ガス又は混合ガス雰囲気下で行うのが
好ましい。なお、装置内の空気を該希ガス元素で置換し
た状態が特に好ましいが、空気が混入していても構わな
い。
【0025】かかる処理工程により、フィルム表面を化
学修飾して親水性官能基(水酸基、カルボン酸基、カル
ボニル基等)を導入することができ、フィルム表面の親
水性が向上される。
【0026】このようにして、アルカリ処理を行った
後、連続してプラズマ処理を行うことにより、清浄化さ
れたフィルム表面に親水性官能基を導入することができ
る。その結果、フィルム表面を安定的に親水化し、安定
して優れた接着性改善効果を得ることができるのであ
る。
【0027】以上、本発明に係るポリイミドフィルムの
接着性改善方法の実施例を説明したが、アルカリ処理工
程において、フィルム表面の両面又は片面にアルカリ溶
液を均等に吹き付け、フィルム表面がアルカリ溶液で濡
らされた状態で保持し、所定時間経過した後、洗浄槽に
てアルカリ溶液を洗い落とすようにしてもよい。この場
合の装置としては、図3に示すようなアルカリ溶液を吹
き付けるノズル38をフィルムの両側又は片側に配置し
た処理装置40が考えられ、ノズル38はアルカリ溶液
槽12から循環ポンプ42、フィルター44を介して設
けられている。このように構成することにより吹き付け
たアルカリ溶液を繰り返し使用することができる。尚、
処理時間はノズル38及び洗浄槽14の位置とラインス
ピードにより調整することができる。
【0028】また、上述のようにアルカリ処理とプラズ
マ処理を連続的に行わずに、別工程で実施するようにし
てもよい。その他、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲内で当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修
正を加えた態様で実施しうるものである。
【0029】なお、かかるポリイミドフィルムの接着性
改善方法により表面処理されたポリイミドフィルムは、
表面脆弱層及び汚染層が除去され、安定的に親水化され
たフィルム表面を有するので、従来のプラズマ処理のみ
によって表面処理されたポリイミドフィルムに比べて優
れた接着性を示し、接着剤を用いてフィルムと金属箔
(銅箔等)と強固に張り合わせることができる。また、
蒸着法、メッキ法、又はスパッタ法によってもフィルム
表面に均一に金属層を形成することができる。すなわ
ち、本発明に係る接着性を改善したポリイミドフィルム
は、FPC(フレキシブルプリント配線板)のベースフ
ィルムとして好適に使用することができるものである。
【0030】以下に実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例によって限定される
ものではない。
【0031】実施例 1 図1に示す装置を用い、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテルに代表される芳香族ジアミンとピロメリット酸
二無水物に代表される芳香族テトラカルボン酸二無水物
とから公知の方法で得られた25μm厚のポリイミドフ
ィルムを用いて、アルカリ処理とプラズマ処理を連続的
に行い、ポリイミドフィルムの表面処理を行った。処理
条件はラインスピードを3m/min とし、アルカリ処理
部では5wt%の水酸化ナトリウム水溶液を使用し、浸漬
時間が12秒になるよう調整した。その後、洗浄槽で水
洗し、フィルム表面の余分な水分を取り除き、乾燥炉で
100℃×30秒乾燥させた。プラズマ処理は、ガス組
成がAr /He =6/4の雰囲気下で圧力を760Torr
とし、電力密度を600w・min /m2 とした。
【0032】このように処理したポリイミドフィルムに
ついて、以下の方法で接着強度の評価を行った。アクリ
ル系接着剤(デュポン(株)製 "パイララックス”)を
用いて上記処理フィルムと銅箔(三井金属鉱業(株)製
電解銅箔 "3EC”35μm厚)とをラミネートし、1
85℃×1時間で接着剤の硬化反応を行い、FCCL
(フィルム・銅箔積層板)を作製した。得られたFCC
Lの銅パターン幅が3mmとなるようサンプルを切り出
し、引張試験器(島津製作所(株)製 "S−100−
C”)によりピールテストスピード50mm/min で90
°剥離の引張試験を行った。n=5の平均値による測定
結果を表1に示す。なお、引き剥がし後の破壊面は、す
べてフィルム/接着剤界面で発生した。
【0033】
【表1】
【0034】比較例 1 比較のために、実施例1で使用した25μm厚のポリイ
ミドフィルムについて、表面処理を施さずに用い、実施
例1と同様にして接着強度を評価した。n=5の平均値
による測定結果を表1に示す。なお、引き剥がし後の破
壊面は、すべてフィルム/接着剤界面で発生した。
【0035】比較例 2 比較のために、実施例1で使用した25μm厚のポリイ
ミドフィルムについて、プラズマ処理のみを施して用
い、実施例1と同様にして接着強度を評価した。プラズ
マ処理は実施例1と同様の条件(ガス組成;Ar /He
=6/4、圧力;760Torr、電力密度;600w・mi
n /m2 )で行った。n=5の平均値による測定結果を
表1に示す。なお、引き剥がし後の破壊面は、すべてフ
ィルム/接着剤界面で発生した。
【0036】
【発明の効果】本発明に係るポリイミドフィルムの接着
性改善方法は、アルカリ処理をした後、プラズマ処理を
行うことを特徴とし、かかる方法によりWBLや汚染層
を除去した後、清浄化されたフィルム表面に親水性官能
基を導入することができる。その結果、フィルム表面を
安定的に親水化し、優れた接着性改善効果を得ることが
できる。かかるポリイミドフィルムの接着性改善方法に
より接着性を改善したポリイミドフィルムは、フィルム
表面が安定的に親水化されているため、優れた接着性を
示し、FPCのベースフィルムとして好適に使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法を実施するための表面処理装置を示した説明図であ
る。
【図2】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法を実施するための他の表面処理装置を示した説明図
である。
【図3】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法を実施するための他の表面処理装置を示した説明図
である。
【符号の説明】
10、28、40;表面処理装置 12;アルカリ溶液槽 14、30、32;洗浄槽(水洗浄槽又は中和洗浄槽) 16;乾燥炉 18;プラズマ処理装置 20;繰り出し装置 22;巻取り装置 24;フリーロール 26;ポリイミドフィルム 34;ガス導入部 36;電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドフィルムの表面をアルカリ処
    理した後、プラズマ処理を行うことを特徴とするポリイ
    ミドフィルムの接着性改善方法。
  2. 【請求項2】 ポリイミドフィルムの表面にアルカリ溶
    液を接触させるアルカリ処理工程と、該アルカリ溶液を
    フィルム表面から除去する洗浄工程と、フィルムを乾燥
    させる乾燥工程と、プラズマ処理を行うプラズマ処理工
    程を順次行うことを特徴とする請求項1に記載するポリ
    イミドフィルムの接着性改善方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ処理工程が、5wt%水酸化
    ナトリウム水溶液に1〜60秒間、好ましくは10〜3
    0秒間浸漬させることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載するポリイミドフィルムの接着性改善方法。
  4. 【請求項4】 ポリイミドフィルムの表面をアルカリ処
    理した後、プラズマ処理を行うことにより、表面脆弱層
    及び汚染層が除去され、親水化されたフィルム表面を有
    することを特徴とする接着性を改善したポリイミドフィ
    ルム。
JP17211294A 1994-06-29 1994-06-29 ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム Withdrawn JPH0812779A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100818483B1 (ko) * 2001-03-29 2008-04-01 우베 고산 가부시키가이샤 폴리이미드 필름의 표면 처리 방법 및 금속 박막을 갖는폴리이미드 필름

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