JP2009220386A - 2層銅張積層板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、移動する長尺のPIフィルム上に、グロー放電又はコロナ放電等のプラズマ放電処理を行った後、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層を形成するメタライジング2層銅張積層板の製造に際し、PIフィルム上の異物を減少させることにより、CCLのピンホール及びCCLの凹凸欠陥を低減することができる2層銅張積層板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】移動する長尺のポリイミドフィルム上に、グロー放電又はコロナ放電等のプラズマ放電処理を行った後、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層を形成する2層銅張積層板の製造に際し、プラズマ処理の前及び/又は後に、空気吹付けによる乾式洗浄を行うことを特徴とする2層銅張積層板の製造方法及び前記ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数を<1個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数を<5個/100cm2とした2層銅張積層板。
【選択図】 図1
【解決手段】移動する長尺のポリイミドフィルム上に、グロー放電又はコロナ放電等のプラズマ放電処理を行った後、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層を形成する2層銅張積層板の製造に際し、プラズマ処理の前及び/又は後に、空気吹付けによる乾式洗浄を行うことを特徴とする2層銅張積層板の製造方法及び前記ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数を<1個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数を<5個/100cm2とした2層銅張積層板。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ポリイミドフィルム上にスパッタリング及びメッキ処理を用いて銅層を形成する2層銅張積層板及びその製造方法に関する。
近年、ファインピッチな回路が要求される液晶ディスプレイ等のドライバIC搭載用回路基材としてCOF(Chip On Film)と呼ばれる、ポリイミドフィルム上に銅層を形成した銅張積層板(CCL:Cu Clad Laminate)を用いた回路基板に直接半導体チップを実装した材料が利用されている。CCL材料の中では、特にスパッタリング及びメッキ処理を用いて作製され、ポリイミドと金属層の間に接着層を有しない、メタライジング2層CCL材料が着目されている。
2層CCL材はポリイミドフィルム(PI)上に、スパッタリングによりサブミクロン程度の銅層を形成した後、硫酸銅メッキ処理により銅層を形成したものである。基本発明は、下記特許文献1に記載されている。
2層CCL材はポリイミドフィルム(PI)上に、スパッタリングによりサブミクロン程度の銅層を形成した後、硫酸銅メッキ処理により銅層を形成したものである。基本発明は、下記特許文献1に記載されている。
一般に、スパッタリングによりPIフィルム上に銅層を形成するに際して、PIフィルムと金属の接着性を改善するために、PIフィルム表面をグロー放電等によるプラズマ処理で改質することが行われている。しかし、PIフィルム自体がすでに異物が付着している場合があり、さらに、前記放電処理によりPIが帯電するため、プラズマ放電処理により、PIフィルム表面を活性化させ、金属の接着性を改善するとともに、雰囲気の塵埃等の異物の吸着も促進するという問題がある。
この異物は、その後に行われるスパッタリング及びメッキ処理において、正常な金属層の形成を阻害し、銅層のピンホールおよび凹凸欠陥発生の原因となる。これらの銅層の欠陥は、その大きさ、種類にもよるが、回路基板の配線形成時に配線の短絡、断線等の不良原因となるため、2層銅張積層板の製造の段階で、このような異物を極力除去することが望ましいと言える。
この異物は、その後に行われるスパッタリング及びメッキ処理において、正常な金属層の形成を阻害し、銅層のピンホールおよび凹凸欠陥発生の原因となる。これらの銅層の欠陥は、その大きさ、種類にもよるが、回路基板の配線形成時に配線の短絡、断線等の不良原因となるため、2層銅張積層板の製造の段階で、このような異物を極力除去することが望ましいと言える。
従来技術として、硬度と粘着力が相異する2種類の粘着ロールを用いて、放電処理した後のPIフィルムの異物を除去する提案がなされている(特許文献2参照)。この場合、その後にPIフィルムをどのようにして使用するかについては、それほど明確な記載はないが、同特許文献2の段落[0030]に「かくして得られる本発明のフィルム表面に塵埃等のゴミがないポリイミドフィルムは巻取り時に塵埃が核となって発生するピラミッドと呼ばれる突起がないため、特に金属箔または金属薄膜が積層された電気配線板の支持体(TAB)、フレキシブルプリント回路保護カバーレイフィルム、ワイヤまたはケーブルの絶縁フィルム及びフィルム表面接着剤をコーティングした粘着テープなどの、二次加工用途に対して好適に適用することができる。」と記載されている。
また、同引用文献2の段落[0002]の従来技術の説明では、「空気を吹付ける方法では、小さな付着塵埃や付着力の強い異物に対しては除去効果がないと」と否定している。
また、同引用文献2の段落[0002]の従来技術の説明では、「空気を吹付ける方法では、小さな付着塵埃や付着力の強い異物に対しては除去効果がないと」と否定している。
この引用文献2で問題となるのは、スパッタリングによりPIフィルム上に銅層を形成するという、メタライジング2層CCLの製造については全く念頭にないことである。おそらく引用文献2で金属箔または金属薄膜が積層された電気配線板という用途は、接着によって電気配線板を製造していることと推定される。
一般に、金属箔とPIを貼り合わせて製造するCCLの場合、間の接着剤層の厚さが〜20ミクロンに及ぶこともあり、PI表面の20ミクロン以下のサイズの異物や、粘着ロールにより清掃した後のPI表面の微量残存成分は問題にならない。
しかしながら、スパッタリングによりPIフィルム上に銅層を形成するという工程を採る場合に特に問題となるのは、金属とPIが、間に接着剤層を持たず直接接合されるため、PIの表面には、異物や粘着成分がいささかもあってはならないということである。スパッタリングは金属原子を直接基材に堆積する方法であり、異物を埋め込んで全体を平滑化することなく、異物の表面凹凸をそのままなぞり、かつ拡大しながら成膜する。また微量残存成分はPIと金属の接合に対する障壁となる。したがって、メタライジング2層CCLの作製にあたって、事前にPI表面を清浄化するに際し、粘着ロールの使用は好ましい選択肢ではない。
引用文献2における最も大きな問題は、「空気を吹付ける方法では、小さな付着塵埃や付着力の強い異物に対しては除去効果がないと」と否定していることであり、スパッタリングによりPIフィルム上に銅層を形成するという工程が念頭にないことが伺われる。
一般に、金属箔とPIを貼り合わせて製造するCCLの場合、間の接着剤層の厚さが〜20ミクロンに及ぶこともあり、PI表面の20ミクロン以下のサイズの異物や、粘着ロールにより清掃した後のPI表面の微量残存成分は問題にならない。
しかしながら、スパッタリングによりPIフィルム上に銅層を形成するという工程を採る場合に特に問題となるのは、金属とPIが、間に接着剤層を持たず直接接合されるため、PIの表面には、異物や粘着成分がいささかもあってはならないということである。スパッタリングは金属原子を直接基材に堆積する方法であり、異物を埋め込んで全体を平滑化することなく、異物の表面凹凸をそのままなぞり、かつ拡大しながら成膜する。また微量残存成分はPIと金属の接合に対する障壁となる。したがって、メタライジング2層CCLの作製にあたって、事前にPI表面を清浄化するに際し、粘着ロールの使用は好ましい選択肢ではない。
引用文献2における最も大きな問題は、「空気を吹付ける方法では、小さな付着塵埃や付着力の強い異物に対しては除去効果がないと」と否定していることであり、スパッタリングによりPIフィルム上に銅層を形成するという工程が念頭にないことが伺われる。
一般に、空気を吹付けて除塵を行う技術は知られている(特許文献3、4、5、6参照)。しかし、これらの技術は、除塵装置やそのノズル構造の発明であって、スパッタリングによりPIフィルム上に銅層を形成するという工程における異物の抑制ということに関しては全く記述がなく、また示唆もない。これは前記特許文献2に示すように、PIフィルムに銅箔を接着する場合には、「空気を吹付ける方法では、小さな付着塵埃や付着力の強い異物に対しては除去効果がないと」と否定していることが一般的な技術常識であることが原因と考えられる。
米国特許第5685970号公報
特許第3893559号公報
特許第2820599号公報
特許第3158074号公報
特許第3766535号公報
特許第3295040号公報
本発明は、移動する長尺のPIフィルム上に、グロー放電等のプラズマ放電処理を行った後、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層を形成する2層銅張積層板の製造に際し、PIフィルム上の異物を減少させることにより、CCLのピンホール、および、CCLの凹凸欠陥を低減する2層銅張積層板及びその製造方法を提供する。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、PIフィルムを空気吹付けによる乾式洗浄することにより、PIフィルム表面の異物を低減し、ピンホールおよび凹凸欠陥の少ないCCLを製造可能であることを見出した。
これらの知見に基づき、本願は以下の発明を提供する。
1)移動する長尺のポリイミドフィルム上に、グロー放電等のプラズマ放電処理を行った後、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層を形成する2層銅張積層板の製造に際し、放電処理の前及び/又は後に、空気吹付けによる乾式洗浄を行うことを特徴とする2層銅張積層板の製造方法。
2)前記ポリイミドフィルムを放電処理及び空気吹付けによる乾式洗浄をおこなって、ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数を<1個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数を<5個/100cm2(10cm角)とすることを特徴とする前記1)記載の2層銅張積層板の製造方法。
3)移動する長尺のポリイミドフィルム上に、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層が形成される2層銅張積層板であって、前記ポリイミドフィルム表面に形成されるサイズ20ミクロン以上のピンホール個数が<1個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数が<5個/100cm2であることを特徴とする2層銅張積層板。
1)移動する長尺のポリイミドフィルム上に、グロー放電等のプラズマ放電処理を行った後、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層を形成する2層銅張積層板の製造に際し、放電処理の前及び/又は後に、空気吹付けによる乾式洗浄を行うことを特徴とする2層銅張積層板の製造方法。
2)前記ポリイミドフィルムを放電処理及び空気吹付けによる乾式洗浄をおこなって、ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数を<1個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数を<5個/100cm2(10cm角)とすることを特徴とする前記1)記載の2層銅張積層板の製造方法。
3)移動する長尺のポリイミドフィルム上に、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層が形成される2層銅張積層板であって、前記ポリイミドフィルム表面に形成されるサイズ20ミクロン以上のピンホール個数が<1個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数が<5個/100cm2であることを特徴とする2層銅張積層板。
本発明の2層銅張積層板及びその製造方法は、移動する長尺のPIフィルム上に、グロー放電等のプラズマ放電処理を行った後、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層を形成する2層銅張積層板の製造に際し、PIフィルム上の異物を減少させることにより、CCLのピンホール及びCCLの凹凸欠陥を低減することができるという優れた効果を得ることができる。
図1に本願発明を実施する場合の一例である乾式清浄装置の概念図を示す。符号1は、PIフィルムの巻出しロール、符号2はPIフィルムの巻取りロールを示す。この巻出しロール1と巻取りロール2との間に、空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄ユニット3を配置する。また、PIフィルムは絶縁体であるため、静電気除去のための除電ユニットは欠かすことができない。
後述する実施例に示すように、PIフィルム表面をプラズマ処理(グロー放電又はコロナ放電等)した後に、空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を行っても同様の効果を得ることができる。
空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄の条件の設定は任意であり、PIフィルムの厚さ、幅、搬送速度等の製造工程に適宜調節することができるが、ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数を1個/m2未満、そして深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数を5個/100cm2に対応できる条件に設定することが必要である。すなわち、ポリイミドフィルム上に形成した銅層のピンホール個数及び凹凸欠陥個数を、上記数値を超えないようにすることが必要であり、この認識を持つことが重要である。これによって、欠陥の少ない2層銅張積層板を達成可能となる。
後述する実施例に示すように、PIフィルム表面をプラズマ処理(グロー放電又はコロナ放電等)した後に、空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を行っても同様の効果を得ることができる。
空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄の条件の設定は任意であり、PIフィルムの厚さ、幅、搬送速度等の製造工程に適宜調節することができるが、ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数を1個/m2未満、そして深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数を5個/100cm2に対応できる条件に設定することが必要である。すなわち、ポリイミドフィルム上に形成した銅層のピンホール個数及び凹凸欠陥個数を、上記数値を超えないようにすることが必要であり、この認識を持つことが重要である。これによって、欠陥の少ない2層銅張積層板を達成可能となる。
本願発明では、スパッタリングによる銅の成膜を行う前に、粘着テープ、湿式洗浄、ブラッシング等の接触式の洗浄方法等は一切使用しないため、スパッタリング工程より前であれば、洗浄工程がプラズマ処理の前であっても後であっても、金属とポリイミドの間の界面の接着性等の特性に影響を与えない。
多くの場合、異物の大半はPIフィルムの製造工程で導入されるため、プラズマ処理前に本願発明の空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を適用することで清浄なPIフィルムが得られるが、フィルム種によっては、プラズマ処理工程を経た後の方が空気吹付けによる乾式洗浄での異物除去効果が増す場合もある。
多くの場合、異物の大半はPIフィルムの製造工程で導入されるため、プラズマ処理前に本願発明の空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を適用することで清浄なPIフィルムが得られるが、フィルム種によっては、プラズマ処理工程を経た後の方が空気吹付けによる乾式洗浄での異物除去効果が増す場合もある。
スパッタリングによる銅の成膜は、真空チャンバー内に設置し、PIフィルム表面を前記プラズマ処理(グロー放電又はコロナ放電等)により改質した後、スパッタリングによりサブミクロン程度の銅層を形成する工程からなる。形成された銅層は、後に行われる電解銅層形成のための種となることから、銅シード層と呼ばれる。
また、スパッタリングによりサブミクロン程度の銅層を形成する前に、NiCr等からなるタイコート層をスパッタリングによりPIフィルム表面に形成することもできる。PIフィルム表面のプラズマ処理及びタイコート層は接着性を向上させる上で有効な手段である。本願発明はこれらの処理を包含するものである。
また、スパッタリングによりサブミクロン程度の銅層を形成する前に、NiCr等からなるタイコート層をスパッタリングによりPIフィルム表面に形成することもできる。PIフィルム表面のプラズマ処理及びタイコート層は接着性を向上させる上で有効な手段である。本願発明はこれらの処理を包含するものである。
このスパッタ膜に、さらに銅メッキ処理を行うが、通常硫酸銅メッキにより行うが、他の銅めっき処理により行うこともできる。この銅メッキ処理の種類は本願発明においては、特に制限されるものではなく、このことは理解されるべきことである。本発明の2層CCL材料に使用されるPIフィルムは、本発明を達成できるものであれば特に限定されない。
以上、ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数を1個/m2未満及び深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数を5個/100cm2とすることにより、その後のスパッタリング及びメッキによる連続的に銅層を形成する処理において、欠陥の少ない2層銅張積層板を得ることが可能となる。
以上、ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数を1個/m2未満及び深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数を5個/100cm2とすることにより、その後のスパッタリング及びメッキによる連続的に銅層を形成する処理において、欠陥の少ない2層銅張積層板を得ることが可能となる。
次に、本発明の実施例に基づいて説明する。なお、以下の説明は、本願発明の理解を容易にするためのものであり、これに制限されるものではない。すなわち、本願発明の技術思想に基づく変形、実施態様、他の例は、本願発明に含まれるものである。
(実施例1)
PIフィルム(宇部興産株式会社製,Upilex SGA)の厚さ35μm品を使用し、このPIフィルムを空気風量10〜25m3/分の条件で、空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を行った。この乾式洗浄を行ったPIフィルムをプラズマ処理した後、NiCr250Åおよびその上にCuを3000Åスパッタ成膜した。スパッタ膜上に厚さ8μmの銅層をメッキし、メタライジング2層CCL材を作製した。
前記のように作製したCCL表面の、ピンホールの個数および凹凸欠陥の個数を調べた。ピンホールの個数は透過方式による自動カウント、凹凸欠陥個数は倍率40倍の実体顕微鏡によるカウントにて測定した。サイズ20ミクロン以上のピンホールおよび深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸結果の個数を表1に示す。表1に示すように、ピンホールは0.67個/m2、凹凸欠陥は3.85個/100cm2と、いずれも良好な結果となった。
PIフィルム(宇部興産株式会社製,Upilex SGA)の厚さ35μm品を使用し、このPIフィルムを空気風量10〜25m3/分の条件で、空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を行った。この乾式洗浄を行ったPIフィルムをプラズマ処理した後、NiCr250Åおよびその上にCuを3000Åスパッタ成膜した。スパッタ膜上に厚さ8μmの銅層をメッキし、メタライジング2層CCL材を作製した。
前記のように作製したCCL表面の、ピンホールの個数および凹凸欠陥の個数を調べた。ピンホールの個数は透過方式による自動カウント、凹凸欠陥個数は倍率40倍の実体顕微鏡によるカウントにて測定した。サイズ20ミクロン以上のピンホールおよび深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸結果の個数を表1に示す。表1に示すように、ピンホールは0.67個/m2、凹凸欠陥は3.85個/100cm2と、いずれも良好な結果となった。
(実施例2)
実施例1の条件で、PIフィルムのプラズマ処理を行った後に、空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を行った。他の条件は、実施例1と同様である。ピンホールおよび凹凸結果の個数を、同様に表1に示す。
表1に示すようにサイズ20ミクロン以上のピンホールは0.50個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥は1.94個/100cm2といずれも良好な結果となった。
実施例1の条件で、PIフィルムのプラズマ処理を行った後に、空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を行った。他の条件は、実施例1と同様である。ピンホールおよび凹凸結果の個数を、同様に表1に示す。
表1に示すようにサイズ20ミクロン以上のピンホールは0.50個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥は1.94個/100cm2といずれも良好な結果となった。
(比較例1)
ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製,Upilex SGA)の厚さ35μm品を使用し、このPIフィルムをプラズマ処理した後、NiCr250Åおよびその上にCuを3000Åスパッタ成膜した。スパッタ膜上に厚さ8μmの銅層をメッキし、メタライジング2層CCL材を作製した。この場合、空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を行っていないことを除き、実施例1と同一の条件で行った。
前記のように作製したCCL表面の、ピンホールの個数および凹凸欠陥の個数を調べた。ピンホールおよび凹凸結果の個数を表1に示す。表1に示すようにサイズ20ミクロン以上のピンホールは1.73個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥は5.33個/100cm2と、いずれも実施例1および実施例2に比べ劣る結果であった。
ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製,Upilex SGA)の厚さ35μm品を使用し、このPIフィルムをプラズマ処理した後、NiCr250Åおよびその上にCuを3000Åスパッタ成膜した。スパッタ膜上に厚さ8μmの銅層をメッキし、メタライジング2層CCL材を作製した。この場合、空気吹付け(エアブロー)による乾式洗浄を行っていないことを除き、実施例1と同一の条件で行った。
前記のように作製したCCL表面の、ピンホールの個数および凹凸欠陥の個数を調べた。ピンホールおよび凹凸結果の個数を表1に示す。表1に示すようにサイズ20ミクロン以上のピンホールは1.73個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥は5.33個/100cm2と、いずれも実施例1および実施例2に比べ劣る結果であった。
(比較例2)
ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製,Upilex SGA)の厚さ35μm品を使用し、このPIフィルムを、粘着ロールを用いて清浄化処理をした。次に、このPIフィルムをプラズマ処理した後、NiCr250Åおよびその上にCuを3000Åスパッタ成膜した。スパッタ膜上に厚さ8μmの銅層をメッキし、メタライジング2層CCL材を作製した。この場合、粘着ロールよる洗浄以外は、実施例1と同一の条件で行った。
前記のように作製したCCL表面の、ピンホールの個数および凹凸欠陥の個数を調べた。ピンホールおよび凹凸結果の個数を表1に示す。表1に示すようにサイズ20ミクロン以上のピンホールは0.83個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥は5.65個/100cm2といずれも実施例1および実施例2に比べ劣る結果であった。
ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製,Upilex SGA)の厚さ35μm品を使用し、このPIフィルムを、粘着ロールを用いて清浄化処理をした。次に、このPIフィルムをプラズマ処理した後、NiCr250Åおよびその上にCuを3000Åスパッタ成膜した。スパッタ膜上に厚さ8μmの銅層をメッキし、メタライジング2層CCL材を作製した。この場合、粘着ロールよる洗浄以外は、実施例1と同一の条件で行った。
前記のように作製したCCL表面の、ピンホールの個数および凹凸欠陥の個数を調べた。ピンホールおよび凹凸結果の個数を表1に示す。表1に示すようにサイズ20ミクロン以上のピンホールは0.83個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥は5.65個/100cm2といずれも実施例1および実施例2に比べ劣る結果であった。
上記比較例については、他種のPIフィルムで行った例を示していないが、同様の結果となった。
上記から明らかなように、本願発明の2層銅張積層板の製造に際し、放電処理の前及び/又は後に、空気吹付けによる乾式洗浄を行うことは、PIフィルム上の異物を減少させることにより、CCLのピンホール、および、CCLの凹凸欠陥を低減することができるという優れた効果を得ることができる。
上記から明らかなように、本願発明の2層銅張積層板の製造に際し、放電処理の前及び/又は後に、空気吹付けによる乾式洗浄を行うことは、PIフィルム上の異物を減少させることにより、CCLのピンホール、および、CCLの凹凸欠陥を低減することができるという優れた効果を得ることができる。
本発明の2層銅張積層板の製造方法は、移動する長尺のPIフィルム上に、グロー放電又はコロナ放電等のプラズマ放電処理を行った後、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層を形成する2層銅張積層板の製造に際し、PIフィルム上の異物を減少させることにより、CCLのピンホール、および、CCLの凹凸欠陥を低減することができるという優れた効果を有する。
これによって、CCL材料をCOFに加工する際の歩留を向上させることができるという優れた効果を得ることができるので、ファインピッチな回路が要求される液晶ディスプレイ等のドライバIC搭載用回路材料として最適である。
これによって、CCL材料をCOFに加工する際の歩留を向上させることができるという優れた効果を得ることができるので、ファインピッチな回路が要求される液晶ディスプレイ等のドライバIC搭載用回路材料として最適である。
Claims (3)
- 移動する長尺のポリイミドフィルム上に、グロー放電等のプラズマ放電処理を行った後、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層を形成する2層銅張積層板の製造に際し、放電処理の前及び/又は後に、空気吹付けによる乾式洗浄を行うことを特徴とする2層銅張積層板の製造方法。
- 前記ポリイミドフィルムを放電処理及び空気吹付けによる乾式洗浄をおこなって、ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数を<1個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数を<5個/100cm2とすることを特徴とする請求項1記載の2層銅張積層板の製造方法。
- 移動する長尺のポリイミドフィルム上に、スパッタリング及びメッキ処理を用いて連続的に銅層が形成される2層銅張積層板であって、前記ポリイミドフィルム上に形成した銅層のサイズ20ミクロン以上のピンホール個数が<1個/m2、深さまたは高さ1ミクロン以上の凹凸欠陥個数が<5個/100cm2であることを特徴とする2層銅張積層板。
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