JP3256379B2 - ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム - Google Patents

ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム

Info

Publication number
JP3256379B2
JP3256379B2 JP17211394A JP17211394A JP3256379B2 JP 3256379 B2 JP3256379 B2 JP 3256379B2 JP 17211394 A JP17211394 A JP 17211394A JP 17211394 A JP17211394 A JP 17211394A JP 3256379 B2 JP3256379 B2 JP 3256379B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide film
film
organic solvent
treatment
adhesion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17211394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0812784A (ja
Inventor
雅郎 中田
孝介 片岡
義秀 大成
広作 永野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP17211394A priority Critical patent/JP3256379B2/ja
Publication of JPH0812784A publication Critical patent/JPH0812784A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3256379B2 publication Critical patent/JP3256379B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0346Organic insulating material consisting of one material containing N
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/381Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the substrate

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミドフィルムの
接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィル
ムに関し、更に詳しくは接着剤に影響を与えず、安定的
に優れた接着性改善効果が得られるポリイミドフィルム
の接着性改善方法及びかかる接着性改善方法により接着
性を改善したポリイミドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ポリイミドフィルムは、接着剤を
用いて金属箔(主に銅箔)と張り合わせたり、蒸着法、
メッキ法、又はスパッタ法によりフィルム層と金属層か
らなる積層板に加工したりして、FPC(フレキシブル
プリント配線板)のベースフィルムとして使用される。
ところが、従来のポリイミドフィルムは表面の接着性に
乏しいことが問題になっており、そのままでは製品の不
良を生じる原因となる。このため、ポリイミドフィルム
の表面の接着性を改善することを目的に、プラズマ処理
を施して使用することが一般的になっている。
【0003】すなわち、ポリイミドフィルムの表面の接
着性が乏しいのは、フィルム表面の溌水性が高いためで
あると考えられることから、フィルム表面にプラズマ処
理を施すことにより、表面に親水性を付与し接着性を改
善するのである。プラズマ処理によって表面の親水性が
上がる理由は、フィルム表面に水酸基、カルボン酸基、
カルボニル基等の親水性を示す官能基が新たに生じるた
めとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポリイミド
フィルムは溶液キャスト法で縮合重合により得られる
が、その表面は安定剤、添加剤等を混入した場合には、
これらが優先的にブリードし、表面脆弱層(WBL;We
ak Boundary Layer )を形成することや、この他にもW
BL形成物としてオリゴマー等の低分子重合体の表面へ
の移行が加速される場合があることが学術的に知られて
いる。また、製膜工程中の設備から発生したり、大気中
に存在する油分等の汚染物質がフィルムに付着し、汚染
層を形成する場合も考えられる。
【0005】これらの層の形成がポリイミドフィルムの
表面特性を決定し、その接着性を阻害する要因となるケ
ースが考えられる。また、このようにポリイミドフィル
ムの表面にWBLや汚染層が形成されていると、かかる
層の上からプラズマ処理を施したところで、プラズマ処
理により親水性の付与された表面は脆く剥離しやすいた
め、本質的に接着力を向上させることはできない。
【0006】特に、ポリイミドフィルムの表面は製膜時
の条件によって表面特性が著しく変化するものであり、
例えば、同時に製造した同じ特性のフィルムであって
も、製膜時の条件によってWBLや汚染層の形成が著し
くなる場合とそうでない場合がある。そのため、ポリイ
ミドフィルムの表面にプラズマ処理を施しても、充分な
処理効果が得られない場合があり、安定した表面改質を
達成することは難しいという問題がある。
【0007】そこで、本発明者らは、上記問題点を解決
し、フィルム表面を安定的に親水化し、優れた接着性改
善効果を得ることのできるポリイミドフィルムの接着性
改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルムを提
供することを目的に鋭意研究を重ねた結果、本発明に至
ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリイミド
フィルムの接着性改善方法の要旨とするところは、ポリ
イミドフィルムの表面を有機溶剤で濡らした状態で該表
面に物理的機械力を加えて有機溶剤処理した後、プラズ
マ処理を行うことにある。
【0009】かかるポリイミドフィルムの接着性改善方
法において、ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤で濡
らした状態で該表面に物理的機械力を加えた後、該表面
を前記有機溶剤と同じ又は異なる有機溶剤で処理する有
機溶剤処理行程と、該フィルムを乾燥させる乾燥工程
と、該乾燥させられたフィルムにプラズマ処理を行うプ
ラズマ処理工程を順次行うことにある。
【0010】また、かかるポリイミドフィルムの接着性
改善方法において、前記プラズマ処理を大気圧下で行う
ことにある。
【0011】次に、本発明に係る接着性を改善したポリ
イミドフィルムの要旨とするところは、上記のいずれか
に記載するポリイミドフィルムの接着性改善方法により
表面処理して得られることにある。
【0012】
【作用】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法は、ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤で濡らし
た状態で該表面に物理的機械力を加えて処理した後、プ
ラズマ処理を行うことを特徴とし、フィルム表面を有機
溶剤で濡らした状態で、該表面に物理的機械力を加えて
処理することにより、例えば回転ブラシ等により該表面
をブラシングすることにより、ポリイミドフィルムの表
面に形成されているWBLや汚染層を除去することがで
きる。この時有機溶剤はWBLや汚染層の中へ移行し、
回転ブラシのみでは実現できないWBLや汚染層の優れ
た除去効果をもたらす潤滑剤の役割をするものと考えら
れる。なお、物理的機械力を加えて処理する手段として
は、上述の回転ブラシによりブラシングすること以外に
布や紙、又はスポンジ状のものでフィルム表面を擦るよ
うにすることも可能である。その後、プラズマ処理を施
すことにより、清浄化されたフィルム表面に親水性を付
与することができ、フィルム表面を安定的に親水化し、
安定して優れた接着性改善効果を得ることができる。
【0013】なお、有機溶剤で濡らされたフィルム表面
に物理的機械力を加えることにより、ポリイミドフィル
ムの表面に形成されているWBLや汚染層をフィルムか
ら除去するのであるが、かかる処理のみでは回転ブラシ
で除去したWBLや汚染層を構成していた微小なものが
フィルム表面に残っているおそれがある。そこで、有機
溶剤処理工程において、ポリイミドフィルムの表面に物
理的機械力を加えた後、該表面に有機溶剤を吹き付ける
等の処理をすることによりフィルム表面のWBLや汚染
層を完全に除去することができる。また、ブラシから発
生するゴミを洗い流すこともできる。その後、フィルム
を乾燥させてからプラズマ処理工程を行うことにより、
清浄化されたフィルム表面にプラズマ処理を施すことが
できる。
【0014】また、かかるポリイミドフィルムの接着性
改善方法において、プラズマ処理を大気圧下で行うこと
により、真空装置などを必要とせず、連続処理を容易に
実施することができる。その結果、本発明に係る接着性
改善方法により表面処理して得られる、安定して優れた
接着性を有するポリイミドフィルムを生産性良く得るこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明に係るポリイミドフィルムの
接着性改善方法を、図面に基づいて詳細に説明する。こ
こでいうポリイミドフィルムは、厚み数μmの薄膜か
ら、厚み数百μmのシート状物も含めて広義のフィルム
を意味し、ポリイミドフィルムの分子構造は問わない。
【0016】かかるポリイミドフィルムの接着性改善方
法は、ポリイミドフィルム表面を有機溶剤で濡らした状
態で該表面に物理的機械力を加えて処理した後に、プラ
ズマ処理を行うことを特徴とし、例えば、図1に示す表
面処理装置10を用いて実施することができる。かかる
表面処理装置10は、有機溶剤処理工程のための回転ブ
ラシ12、溶剤吹き付けノズル14、リンス用ノズル1
6、有機溶剤タンク18と、該処理工程によりフィルム
表面に付着した有機溶剤を乾燥させるための乾燥炉20
と、プラズマ処理装置22とから構成されている。ま
た、ノズル14、16は有機溶剤タンク18から循環ポ
ンプ24、フィルター26を介して設けられていて、吹
き付けた有機溶剤を有機溶剤タンク18で回収して繰り
返し使用することができるように構成されている。更
に、繰り出し装置28、巻取り装置30、フリーロール
32を備え、装置10において繰り出し装置28から巻
取り装置30へポリイミドフィルム34を走行させる
と、有機溶剤処理工程、乾燥工程を経てプラズマ処理工
程へ連続的に実施できるように構成されている。
【0017】かかる装置10において、回転ブラシ12
はポリイミドフィルム34の両側に配置され、フィルム
34は2個の回転ブラシ12によりニップされており、
溶剤吹き付けノズル14からポリイミドフィルム34に
有機溶剤を吹き付けてフィルム表面を濡らして回転ブラ
シ12を回転させることにより、有機溶剤で濡らされた
フィルムの両面がブラシングされ、WBLや汚染層が除
去される。この時、有機溶剤を吹き付けてフィルム表面
を濡らしておくことにより、回転ブラシのみでは実現で
きないWBLや汚染層の除去効果がもたらされ、該有機
溶剤は潤滑剤の役割を果たすものであると考えられる。
【0018】なお、かかる装置10においては、ポリイ
ミドフィルムの両面を処理することができるが、回転ブ
ラシ12及び吹き付けノズル14をポリイミドフィルム
34の片側に配置して、片面のみを処理できるように構
成してもよい。また、回転ブラシ12を用いてブラシン
グするかわりに、布や紙、又はスポンジ状のものでフィ
ルム表面を擦るようにすることも可能であるが、生産性
を考慮すると回転ブラシを用いる方が好ましい。
【0019】ここで、回転ブラシ12を回転させる方向
はフィルムの進行方向であってもよいが、特にはフィル
ムの進行方向とは逆向きに回転させる方が処理効果が高
く好ましい。また、回転ブラシの材質はフィルム表面に
実用上有害な傷をつけないものを選択する必要がある。
特に不織布は好ましく用いられ、更には、材質がナイロ
ン、若しくはレーヨンであることが好ましいが、これに
限定されるものではない。なお、回転ブラシの回転数、
フィルムの走行速度(処理スピード)、ニップ圧、フリ
ーロールの材質と硬度などについては特に制限されず、
経験的に適宜設定すればよい。
【0020】有機溶剤としては、アルカン類、アルケン
類、アルコール類、ケトン類、エーテル類、カルボン酸
類、アルデヒド類等を単独で又は2種類以上の混合物と
して用いることができるが、特にはメタノールを用いる
ことが好ましい。
【0021】上記処理によりフィルム表面からWBLや
汚染層が除去されるのであるが、かかる処理のみでは回
転ブラシで除去したWBLや汚染層を構成していた微小
なものがフィルム表面に残っているおそれがある。ま
た、ブラシから発生するゴミが付着することも考えられ
る。そのため、有機溶剤処理工程において、上述のよう
にポリイミドフィルム34の表面をブラシングした後、
次いでリンス用ノズル16からポリイミドフィルム34
に有機溶剤を吹き付けることにより、フィルム表面から
WBLや汚染層を完全に除去し、フィルム表面を効率よ
く清浄化することができる。
【0022】この時の有機溶剤としては上記同様、アル
カン類、アルケン類、アルコール類、ケトン類、エーテ
ル類、カルボン酸類、アルデヒド類等を単独で又は2種
類以上の混合物として用いることができ、ブラシングす
る前に吹き付けた有機溶剤と同じであっても、異なって
いてもよい。特には、ブラシングする前に吹き付けた有
機溶剤と同じ有機溶剤を用いる方が経済的であり好まし
い。なお、該有機溶剤にシラン系カップリン剤等の表面
処理剤を溶解して用い、フィルム表面に該処理剤の膜を
形成させてもよい。かかる有機溶剤処理工程により、W
BLや汚染層が除去され、フィルム表面が清浄化された
ポリイミドフィルムが得られる。
【0023】次いで、上記処理工程により表面が清浄化
されたポリイミドフィルム34は乾燥炉20に導かれ、
乾燥炉20においてフィルム表面に付着した有機溶剤を
乾燥させる工程が行われる。乾燥条件としては特に制限
はなく、経験的に適宜設定して行われる。そして乾燥工
程を経たポリイミドフィルム34は、プラズマ処理装置
22に導入され、該プラズマ処理装置22内でプラズマ
処理が施される。プラズマ処理装置22はフィルムの導
入口及び導出口がシールされていて、ガス導入部36か
ら適当な組成のガスが導入され、所定のガス圧力に保持
される。そして電源38のスイッチを入れると、放電が
開始し、装置22内にプラズマが発生するように構成さ
れている。このときの電力密度は、ガス組成、ガス圧力
によって適宜設定されるが、300〜4000w・min
/m2 で放電を開始させることができる。
【0024】ここで、プラズマ処理を行う雰囲気のガス
圧力は特に限定されないが、100〜1000Torrの範
囲の圧力下で行うことが好ましい。100Torr以下では
真空装置などが必要となるし、1000Torr以上では放
電がしにくくなるためである。特には、大気圧下で行う
ことによりプラズマ処理の作業性が良くなり、本発明に
係る接着性改善方法により表面処理して得られる、優れ
た接着性を有するポリイミドフィルムを生産性良く得ら
れるので好ましい。また、プラズマ処理のガス組成は特
に限定されないが、100〜1000Torr中での放電も
グロー放電(火花放電ではない)するよう、希ガス元素
の単独ガス又は混合ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
なお、装置内の空気を該希ガス元素で置換した状態が特
に好ましいが、空気が混入していても構わない。
【0025】かかる処理工程により、フィルム表面を化
学修飾して親水性官能基(水酸基、カルボン酸基、カル
ボニル基等)を導入することができ、フィルム表面の親
水性が向上される。
【0026】このようにして、有機溶剤処理を行った
後、連続してプラズマ処理を行うことにより、清浄化さ
れたフィルム表面に親水性官能基を導入することができ
る。その結果、フィルム表面を安定的に親水化し、安定
して優れた接着性改善効果を得ることができるのであ
る。
【0027】以上、本発明に係るポリイミドフィルムの
接着性改善方法の実施例を説明したが、有機溶剤処理工
程において有機溶剤を吹き付けるのではなく、有機溶剤
中に浸漬させて処理してもよい。例えば、図2に示す表
面処理装置40を用い、フリーロール32によりポリイ
ミドフィルム34を有機溶剤タンク42内に導いてフィ
ルム34を有機溶剤中に浸漬させ、有機溶剤中で回転ブ
ラシ12を回転させてその両面をブラシング処理するの
である。このように有機溶剤中に浸漬させて処理する場
合は、ブラシングされたフィルムが有機溶剤中を走行す
ることによりフィルム表面が洗浄されるので、特にリン
ス用ノズルを設けて有機溶剤を吹き付けなくてもフィル
ム表面からWBLや汚染層を完全に除去することができ
る。なお、装置40では、フィルムの両面をブラシング
できるように回転ブラシ12がフィルムの両側に配置さ
れているが、もちろん片面のみをブラシングするように
することも可能である。また、かかる装置40において
もリンス用ノズルを設け、ブラシングした後に有機溶剤
を吹き付けるように構成してもよい。
【0028】また、上述のように有機溶剤処理とプラズ
マ処理を連続的に行わずに、別工程で実施するようにし
てもよい。その他、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲内で当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修
正を加えた態様で実施しうるものである。
【0029】なお、かかるポリイミドフィルムの接着性
改善方法により表面処理されたポリイミドフィルムは、
表面脆弱層及び汚染層が除去され、安定的に親水化され
たフィルム表面を有するので、従来のプラズマ処理のみ
によって表面処理されたポリイミドフィルムに比べて優
れた接着性を示し、接着剤を用いてフィルムと金属箔
(銅箔等)と強固に張り合わせることができる。また、
蒸着法、メッキ法、又はスパッタ法によってもフィルム
表面に均一に金属層を形成することができる。すなわ
ち、本発明に係る接着性を改善したポリイミドフィルム
は、FPC(フレキシブルプリント配線板)のベースフ
ィルムとして好適に使用することができるものである。
【0030】以下に実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例によって限定される
ものではない。
【0031】実施例 1 図1に示す装置を用い、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテルに代表される芳香族ジアミンとピロメリット酸
二無水物に代表される芳香族テトラカルボン酸二無水物
とから公知の方法で得られた25μm厚のポリイミドフ
ィルムを用いて、有機溶剤処理とプラズマ処理を連続的
に行い、ポリイミドフィルムの表面処理を行った。処理
条件はラインスピードを2m/min とし、有機溶剤処理
部では有機溶剤としてメタノールを使用し、回転ブラシ
はレーヨンの不織布を基材としたもの(線径約15〜3
0μm)を用い、ニップ圧を3kg/m、回転数をフィル
ムの進行方向とは逆向きに100rpmとした。その
後、乾燥炉で100℃×30秒乾燥させた。プラズマ処
理は、ガス組成がAr /He =6/4の雰囲気下で圧力
を760Torrとし、電力密度を600w・min /m2
した。
【0032】このように処理したポリイミドフィルムに
ついて、以下の方法で接着強度の評価を行った。アクリ
ル系接着剤(デュポン(株)製 "パイララックス”)を
用いて上記処理フィルムと銅箔(三井金属鉱業(株)製
電解銅箔 "3EC”35μm厚)とをラミネートし、1
85℃×1時間で接着剤の硬化反応を行い、FCCL
(フィルム・銅箔積層板)を作製した。得られたFCC
Lの銅パターン幅が3mmとなるようサンプルを切り出
し、引張試験器(島津製作所(株)製 "S−100−
C”)によりピールテストスピード50mm/min で90
°剥離の引張試験を行った。n=5の平均値による測定
結果を表1に示す。なお、引き剥がし後の破壊面は、す
べてフィルム/接着剤界面で発生した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例 2 また、有機溶剤としてメチルエチルケトンを使用し、回
転ブラシの回転数を250rpmとした以外は実施例1
と同じ条件でポリイミドフィルムの表面処理を行った。
処理フィルムについて、実施例1と同様にして接着強度
を評価した。n=5の平均値による測定結果を表1に示
す。なお、引き剥がし後の破壊面は、すべてフィルム/
接着剤界面で発生した。
【0035】比較例 1 比較のために、実施例1で使用した25μm厚のポリイ
ミドフィルムについて、表面処理を施さずに用い、実施
例1と同様にして接着強度を評価した。n=5の平均値
による測定結果を表1に示す。なお、引き剥がし後の破
壊面は、すべてフィルム/接着剤界面で発生した。
【0036】比較例 2 比較のために、実施例1で使用した25μm厚のポリイ
ミドフィルムについて、プラズマ処理のみを施して用
い、実施例1と同様にして接着強度を評価した。プラズ
マ処理は実施例1と同様の条件(ガス組成;Ar /He
=6/4、圧力;760Torr、電力密度;600w・mi
n /m2 )で行った。n=5の平均値による測定結果を
表1に示す。なお、引き剥がし後の破壊面は、すべてフ
ィルム/接着剤界面で発生した。
【0037】
【発明の効果】本発明に係るポリイミドフィルムの接着
性改善方法は、有機溶剤処理をした後、プラズマ処理を
行うことを特徴とし、かかる方法によりWBLや汚染層
を除去した後、清浄化されたフィルム表面に親水性官能
基を導入することができる。その結果、フィルム表面を
安定的に親水化し、優れた接着性改善効果を得ることが
できる。かかるポリイミドフィルムの接着性改善方法に
より接着性を改善したポリイミドフィルムは、フィルム
表面が安定的に親水化されているため、優れた接着性を
示し、FPCのベースフィルムとして好適に使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法を実施するための表面処理装置を示した説明図であ
る。
【図2】本発明に係るポリイミドフィルムの接着性改善
方法を実施するための他の表面処理装置を示した説明図
である。
【符号の説明】
10、40;表面処理装置 12;回転ブラシ 14、16;ノズル(溶剤吹き付けノズル、リンス用ノ
ズル) 18、42;有機溶剤タンク 20;乾燥炉 22;プラズマ処理装置 24;循環ポンプ 26;フィルター 28;繰り出し装置 30;巻取り装置 32;フリーロール 34;ポリイミドフィルム 36;ガス導入部 38;電源
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤で
    濡らした状態で該表面に物理的機械力を加えて有機溶剤
    処理した後、プラズマ処理を行うことを特徴とするポリ
    イミドフィルムの接着性改善方法。
  2. 【請求項2】 ポリイミドフィルムの表面を有機溶剤で
    濡らした状態で該表面に物理的機械力を加えた後、該表
    面を前記有機溶剤と同じ又は異なる有機溶剤で処理する
    有機溶剤処理工程と、該フィルムを乾燥させる乾燥工程
    と、該乾燥させられたフィルムにプラズマ処理を行うプ
    ラズマ処理工程を順次行うことを特徴とする請求項1に
    記載するポリイミドフィルムの接着性改善方法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ処理を大気圧下で行うこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載するポリイミ
    ドフィルムの接着性改善方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    するポリイミドフィルムの接着性改善方法により表面処
    理して得られることを特徴とする接着性を改善したポリ
    イミドフィルム。
JP17211394A 1994-06-29 1994-06-29 ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム Expired - Fee Related JP3256379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17211394A JP3256379B2 (ja) 1994-06-29 1994-06-29 ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17211394A JP3256379B2 (ja) 1994-06-29 1994-06-29 ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0812784A JPH0812784A (ja) 1996-01-16
JP3256379B2 true JP3256379B2 (ja) 2002-02-12

Family

ID=15935801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17211394A Expired - Fee Related JP3256379B2 (ja) 1994-06-29 1994-06-29 ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3256379B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4656783B2 (ja) * 2001-09-18 2011-03-23 積水化学工業株式会社 ポリイミド基材の親水化処理方法
CN106220885B (zh) * 2016-08-23 2019-04-02 万达集团股份有限公司 一种聚酰亚胺薄膜表面处理方法及处理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0812784A (ja) 1996-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4009533B2 (ja) 二酸化炭素噴射スプレーを用いた選択的金属薄膜層除去方法
JP3256379B2 (ja) ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム
US5861192A (en) Method of improving adhesive property of polyimide film and polymidefilm having improved adhesive property
JP3256380B2 (ja) ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム
JP3528109B2 (ja) ポリイミドフィルムの接着性改善方法
JP3333640B2 (ja) ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム
JPH0841227A (ja) ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム
JP3292421B2 (ja) ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム
JPH0812779A (ja) ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム
JPH0812780A (ja) ポリイミドフィルムの接着性改善方法及び接着性を改善したポリイミドフィルム
JPH08259274A (ja) ガラスクロスの表面処理方法
JP5129111B2 (ja) 積層体の製造方法及び回路配線基板の製造方法
JP3010977B2 (ja) ポリオレフィン樹脂成形物の表面改質方法及びその表面塗装方法
JP3037519B2 (ja) 導電性積層フィルムおよびその製造方法
JPH0957218A (ja) プラスチックフィルムの表面清浄装置
JPH08276547A (ja) 改質ポリイミドフッ素系樹脂積層フィルム
JP3149689B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂成形物の表面改質方法及びその表面塗装方法
JP6973149B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用基板
JPH0725015A (ja) インクジェットプリンター及びその製造方法
WO1996031344A1 (fr) Film modifie de stratifie polyimide et fluororesine
JP3609227B2 (ja) 蒸着重合装置およびそのクリーニング方法
JPH03212820A (ja) 磁気記録媒体の製造装置
JPH02291192A (ja) フレキシブル印刷回路用基板の製造方法
JPH07330929A (ja) 合成樹脂フィルムの表面処理方法
Coulman et al. The surface and interfacial chemistry of polyimide films

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011023

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131130

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees