JP3244921B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP3244921B2
JP3244921B2 JP04660994A JP4660994A JP3244921B2 JP 3244921 B2 JP3244921 B2 JP 3244921B2 JP 04660994 A JP04660994 A JP 04660994A JP 4660994 A JP4660994 A JP 4660994A JP 3244921 B2 JP3244921 B2 JP 3244921B2
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inverter
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータ主回路用の
一対の直流電源ライン間に2個以上の平滑コンデンサを
それらの間に過電流保護用ヒューズを介在させた状態で
直列接続して成るインバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3には従来の電圧制御形インバータ装
置の一般的な構成例が示されている。即ち、この図3に
おいて、コンバータ部1は交流電源2の出力を全波整流
して一対の直流電源ライン3及び4間に出力する。直流
電源ライン3、4間には、パワートランジスタのような
半導体スイッチング素子を含んで構成されたインバータ
主回路5が接続されると共に、例えば2個の平滑コンデ
ンサ6A、6Bが、それらの間に過電流保護用ヒューズ
である速断ヒューズ7を介在させた状態で直列接続され
る。尚、このように2個のコンデンサ6A、6Bを接続
するのは、それらの分担電圧を下げるためである。ま
た、直流電源ライン3、4間には、限流用抵抗8及び図
示極性の発光ダイオード9が直列に接続されており、こ
の発光ダイオード9の点灯に応じて平滑コンデンサ6
A、6Bが充電状態にある旨を報知する構成となってい
る。
【0003】このような構成におけるエネルギの流れ
は、交流電源2の出力エネルギがコンバータ部1を通じ
て一旦平滑コンデンサ6A、6Bに溜められ、ここから
インバータ主回路5へ流れるため、それらの平滑コンデ
ンサ6A、6Bがインバータ主回路5の電源として機能
するようになる。つまり、インバータ主回路5に対する
電源電流用の閉回路は、平滑コンデンサ6A、6Bとイ
ンバータ主回路5内の半導体スイッチング素子とにより
構成されることになる。
【0004】また、速断ヒューズ7は、インバータ主回
路5内の半導体スイッチング素子が破壊されて短絡事故
が発生した場合に、過度の短絡電流が流れて上記半導体
スイッチング素子が破裂或いは飛散する事態を防止する
ために設けられている。この場合、インバータ主回路5
によるスイッチングサージを極力小さくするために、平
滑コンデンサ6A、6Bとインバータ主回路5とにより
構成される電源電流用の閉回路のインダクタンスをなる
べく小さくできる部品配置が必要あり、このため速断
ヒューズ7を平滑コンデンサ6A及び6B間に挿入する
という部品配置を採用することによって、上記閉回路の
インダクタンスが小さくなるように構成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成のインバ
ータ装置では、インバータ主回路5内の半導体スイッチ
ング素子の破壊に応じて速断ヒューズ7が溶断された場
合において、その修理を行う際には、半導体スイッチン
グ素子のみを交換して速断ヒューズ7の交換を忘れる可
能性があり、このような場合には以下に述べるような二
次的故障を招くことになる。即ち、速断ヒューズ7が溶
断したままの状態で、交流電源2が投入された場合に
は、平滑コンデンサ6A、6Bに充電されることはな
い。しかし、インバータ主回路内の半導体スイッチング
素子には、そのスイッチングサージを抑えるために小容
量ではあるがサージ吸収用のコンデンサが接続されてい
るのが通常であるため、直流電源ライン3、4間の電圧
は交流電源2の投入に応じて上昇するようになる。この
ため、直流出力電圧の異常を監視するために異常検出回
路が設けられていたとしても、速断ヒューズ7の溶断状
態で直流電源ライン3、4間の電圧が上昇するという異
常状態を検出できない。このため、インバータ主回路5
用の制御装置が、そのインバータ主回路5のスイッチン
グ動作、つまりインバータ装置の運転を開始させること
になる。
【0006】このように速断ヒューズ7が溶断されたま
まの状態でインバータ装置の運転が開始されると、イン
バータ主回路5に供給されるエネルギは、平滑コンデン
サ6A及び6Bからではなく、交流電源2からコンバー
タ部1を通じて流れることになる。このため、インバー
タ主回路5に対する電源電流用の閉回路は、交流電源2
及びインバータ主回路5により形成されることになっ
て、正常時より極端に大きくなる。ところが、上記イン
ダクタンスは、インバータ主回路5で発生するスイッチ
ングサージの大きさを決定付けるものであるため、その
スイッチングサージが急増することになり、このような
スイッチングサージは、サージ吸収用コンデンサが設け
られている状況下でも吸収が困難になる。従って、イン
バータ主回路5内の半導体スイッチング素子に過大なサ
ージ電圧が印加されることが避けられず、場合によって
はインバータ主回路5内の全部の半導体スイッチング素
子が破壊されるなどの重大な二次故障を惹起することに
なる。
【0007】また、従来構成のインバータ装置では、速
断ヒューズ7の溶断後に交流電源2が遮断されたときに
は、平滑コンデンサ6A、6Bの充電電荷が発光ダイオ
ード9に供給されないため、その発光ダイオード9が点
灯されず、従って平滑コンデンサ6A、6Bが充電状態
にある旨の報知が行われなくなる。このため、速断ヒュ
ーズ7の交換修理を行う場合などに作業者が平滑コンデ
ンサ6A、6Bの充電電荷により感電する虞があり、安
全性に劣るという事情があった。
【0008】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、その目的は、2個以上の平滑コンデンサ間に介在さ
れた過電流保護用ヒューズが溶断したときには、インバ
ータ主回路の駆動を強制的に停止させることができて、
そのインバータ主回路内の半導体スイッチング素子がス
イッチングサージにより破壊される事態を未然に防止で
きるインバータ装置を提供することにあり、また、上記
のような効果に加えて安全性を高めることも可能となる
インバータ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、半導体スイッチング素子を備えたインバー
タ主回路用の一対の直流電源ライン間に、2個以上の平
滑コンデンサをそれらの間に過電流保護用ヒューズを介
在させた状態で直列接続して成るインバータ装置におい
て、前記過電流保護用ヒューズの溶断状態を検知するた
めの溶断検知手段を設けると共に、この溶断検知手段が
検知状態となったときに前記インバータ主回路のスイッ
チング動作を禁止する禁止手段を設ける構成としたもの
である(請求項1)。
【0010】この場合、前記禁止手段を、溶断検知手段
が検知状態となったときにオフするスイッチ手段により
構成すると共に、そのオフに応じてインバータ主回路駆
動用の制御装置に対する運転指令信号を遮断する構成と
しても良い(請求項2)。
【0011】また、前記直流電源ライン間に、それらの
間に電圧が印加されている状態で動作する報知手段を接
続すると共に、過電流保護用ヒューズの溶断状態で平滑
コンデンサの充電電荷を前記報知手段に供給する整流素
子を設ける構成としても良い(請求項3)。
【0012】
【作用】請求項1記載のインバータ装置では、過電流保
護用ヒューズが溶断したときには、その溶断状態が溶断
検知手段により検知されるようになる。すると、禁止手
段がインバータ主回路のスイッチング動作を禁止するよ
うになるため、運転指令信号が与えられた場合でもスイ
ッチングサージが発生することがなくなり、そのインバ
ータ主回路内の半導体スイッチング素子がスイッチング
サージにより破壊される虞がなくなる。
【0013】請求項2記載のインバータ装置では、上記
禁止手段が、前記溶断検知手段により過電流保護用ヒュ
ーズの溶断状態が検知されたときにインバータ主回路駆
動用の制御装置に対する運転指令信号を遮断するスイッ
チ手段によって構成されているから、そのインバータ主
回路のスイッチング動作を確実に禁止できるようになる
と共に、当該スイッチ手段として開閉容量が小さな小形
のものを用いれば済むようになる。
【0014】請求項3記載のインバータ装置では、過電
流保護用ヒューズの溶断時において平滑コンデンサに充
電電荷がある状態では、その充電電荷が整流素子を介し
て直流電源ライン間に印加されるため、報知手段が動作
されて平滑コンデンサに充電電荷がある旨の報知が行わ
れるようになり、感電に対する安全性が高まるようにな
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について図1を参
照しながら説明する。但し、本実施例においては、図3
に示した従来構成と同一の構成部分が存在するから、そ
れらの構成部分については同一符号を付すことによって
詳細な説明を省略する。
【0016】図1において、制御装置11は、外部から
の運転指令信号SCを受けた状態で、その指令内容に応
じた状態のPWM信号を発生するようになっており、ド
ライブ回路12は、上記PWM信号によりインバータ主
回路5内の半導体スイッチング素子を動作させて可変電
圧・可変周波数の交流出力を発生させる。そして、斯様
なインバータ主回路5からの出力によって交流電動機1
3が可変速駆動される構成となっている。
【0017】速断ヒューズ7は、溶断状態となったとき
にこれを検知してオフする常閉形の警報接点スイッチ7
aを備えており、この警報接点スイッチ7aを、前記制
御装置11に対する前記運転指令信号SCの送信経路に
介在させている。尚、上記警報接点スイッチ7aは、本
発明でいう溶断検知手段の機能と、スイッチ手段として
構成される禁止手段の機能とを兼ね備えたものである。
また、速断ヒューズ7は本発明でいう過電流保護用ヒュ
ーズに相当し、発光ダイオード9は、本発明でいう報知
手段に相当するものである。
【0018】速断ヒューズ7には、その印加電圧に対し
て逆バイアスとなるダイオード14(本発明でいう整流
素子に相当)と抵抗15との直列回路が並列に接続され
ている。尚、上記抵抗15は、ダイオード14に対し順
方向状態となる電流の全てが速断ヒューズ7に流れるよ
うにするために設けられている。
【0019】上記のような構成において、インバータ主
回路5内の半導体スイッチング素子の破壊に応じて速断
ヒューズ7が溶断された場合には、警報接点スイッチ7
aがオフされて制御装置11に対する運転指令信号SC
の送信経路が遮断されるため、インバータ主回路5のス
イッチング動作が強制的に禁止されることになる。この
ため、運転指令信号SCが与えられた場合でもスイッチ
ングサージが発生することがなくなり、そのインバータ
主回路5内の半導体スイッチング素子がスイッチングサ
ージにより破壊されることがなくなる。従って、インバ
ータ主回路5内の半導体スイッチング素子の破壊に応じ
て速断ヒューズ7が溶断された場合において、その修理
を行う際に半導体スイッチング素子のみを交換して速断
ヒューズ7の交換を怠ったときでも、従来構成のよう
に、インバータ主回路5内の全部の半導体スイッチング
素子が破壊されるなどの重大な二次故障を惹起する虞が
なくなる。
【0020】この場合、上述したようなインバータ主回
路5のスイッチング動作の強制的な禁止機能を、制御装
置11に対する運転指令信号SCを遮断する警報接点ス
イッチ7aにより得る構成としているから、その警報接
点スイッチ7aとして開閉容量が小さな小形のものを用
いれば済むようになり、製造コストの低減を実現でき
る。
【0021】また、速断ヒューズ7の溶断時において平
滑コンデンサ6A、6Bに充電電荷がある状態では、そ
の充電電荷がダイオード14及び抵抗15を介して直流
電源ライン3、4間に印加されるため、発光ダイオード
9が点灯されて平滑コンデンサ6A、6Bに充電電荷が
ある旨を報知するようになり、従って、速断ヒューズ7
の交換修理を行う場合などに作業者が平滑コンデンサ6
A、6Bの充電電荷により感電する事態を未然に防止で
きるようになる。
【0022】図2には、上記第1実施例と同様の効果を
奏する本発明の第2実施例が示されており、以下これに
ついて第1実施例と異なる部分のみ説明する。即ち、こ
の実施例では、ダイオード14のカソードを直流電源ラ
イン3に接続すると共に、そのアノードを抵抗15を介
して速断ヒューズ7及び平滑コンデンサ6Bの共通接続
点に接続した点に構成上の特徴を有する。この構成によ
れば、速断ヒューズ7の溶断時において平滑コンデン
6Bに充電電荷がある状態(この状態では平滑コンデン
サ6Aにも充電電荷がある)では、その平滑コンデンサ
6Bの充電電荷がダイオード14及び抵抗15を介して
直流電源ライン3、4間に印加されるため、発光ダイオ
ード9が点灯されることになる。
【0023】尚、本発明は上記した各実施例に限定され
るものではなく、次のような変形または拡張が可能であ
る。溶断検知手段及び禁止手段を兼用する警報接点スイ
ッチ7aを設ける構成としたが、それら溶断検知手段及
び禁止手段を別々に設ける構成としても良い。例えば、
速断ヒューズ7の溶断状態を、その速断ヒューズ7の端
子電圧の変化或いは溶断ヒューズ7を流れる電流の変化
などにより検知して溶断信号を発生する溶断検知回路
と、この溶断検知回路から検知信号が出力されたときに
インバータ主回路5のスイッチング動作を禁止する禁止
回路とを設ける構成としても良く、この場合には、上記
禁止回路の機能を制御装置11により得る構成とした
り、その禁止回路を運転指令信号SCに送信回路を遮断
する半導体スイッチング素子などにより実現することも
できる。
【0024】制御装置11は、マイクロコンピュータに
より構成すれば良いが、ディスクリート回路の組み合わ
せにより構成することもできる。報知手段としては、発
光ダイオード9のような発光手段に限らず、ブザーなど
の鳴動手段を利用しても良い。平滑コンデンサは3個以
上設ける構成としても良い。
【0025】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように請求
項1記載の発明によれば、インバータ主回路用の一対の
直流電源ライン間に、2個以上の平滑コンデンサをそれ
らの間に過電流保護用ヒューズを介在させた状態で直列
接続して成るインバータ装置において、前記過電流保護
用ヒューズの溶断状態を検知したとき前記インバータ主
回路のスイッチング動作を禁止する構成としたから、2
個以上の平滑コンデンサ間に介在された過電流保護用ヒ
ューズが溶断したときには、インバータ主回路の駆動を
強制的に停止させることができて、そのインバータ主回
路内の半導体スイッチング素子がスイッチングサージに
より破壊される事態を未然に防止できるという有益な効
果を奏するものである。
【0026】請求項2記載の発明によれば、過電流保護
用ヒューズの溶断状態を検知ときにオフするスイッチ手
段を設け、そのオフに応じて前記インバータ主回路駆動
用の制御装置に対する運転指令信号を遮断する構成とし
たから、インバータ主回路のスイッチング動作を確実に
禁止できるようになると共に、当該スイッチ手段として
開閉容量が小さな小形のものを用いれば済むようになっ
て製造コストの低減を図り得るようになる。
【0027】請求項3記載の発明によれば、過電流保護
用ヒューズの溶断時において平滑コンデンサに充電電荷
がある状態では、その充電電荷を整流素子を介して報知
手段に供給する構成としたから、過電流保護用ヒューズ
が溶断状態になったときでも、平滑コンデンサに充電電
荷がある旨を報知することができて、修理点検時の安全
性を高め得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す回路構成図
【図2】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図3】従来例を示す図1相当図
【符号の説明】
図面中、1はコンバータ部、2は交流電源、3、4は直
流電源ライン、5はインバータ主回路、6A、6Bは平
滑コンデンサ、7は速断ヒューズ(過電流保護用ヒュー
ズ)、7aは警報接点スイッチ(溶断検知手段、スイッ
チ手段(禁止手段))、9は発光ダイオード(報知手
段)、11は制御装置、14はダイオード(整流素子)
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48 H02H 7/122 H02M 7/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体スイッチング素子を備えたインバ
    ータ主回路用の一対の直流電源ライン間に、2個以上の
    平滑コンデンサをそれらの間に過電流保護用ヒューズを
    介在させた状態で直列接続して成るインバータ装置にお
    いて、 前記過電流保護用ヒューズの溶断状態を検知するための
    溶断検知手段と、 この溶断検知手段が検知状態となったときに前記インバ
    ータ主回路のスイッチング動作を禁止する禁止手段とを
    備えたことを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 前記禁止手段は、溶断検知手段が検知状
    態となったときにオフするスイッチ手段により構成さ
    れ、そのオフに応じてインバータ主回路駆動用の制御装
    置に対する運転指令信号を遮断するように接続されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 前記一対の直流電源ライン間にそれらの
    間に電圧が印加されている状態で動作する報知手段を接
    続すると共に、 過電流保護用ヒューズの溶断状態で平滑コンデンサの充
    電電荷を前記報知手段に供給する整流素子を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
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