JP3234447B2 - 車輌の動力伝達装置の制御方法 - Google Patents

車輌の動力伝達装置の制御方法

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JP3234447B2
JP3234447B2 JP14645795A JP14645795A JP3234447B2 JP 3234447 B2 JP3234447 B2 JP 3234447B2 JP 14645795 A JP14645795 A JP 14645795A JP 14645795 A JP14645795 A JP 14645795A JP 3234447 B2 JP3234447 B2 JP 3234447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輌の動力伝達装置の
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの動力を油圧式主クラッチ、油
圧式第1変速装置、第2変速装置を介して走行装置に伝
達すると共に、前記油圧式主クラッチには、作動油の給
排出操作をおこなう切換弁と、作動油の圧力を調整する
比例弁とが接続されている車輌の動力伝達装置は公知で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の動力伝達装
置においては、前記比例弁が開いた状態でスティクした
場合(以下、このような状態を「開故障」という)、切
換弁により主クラッチを入り切り操作すると、比例弁が
開いた状態のままであるので、高圧の作動油が主クラッ
チに供給され、主クラッチの急激な接続が生じ、急発進
となる。
【0004】そこで、本発明は、比例弁が開故障した場
合でも、急発進が生じないようにした車輌の動力伝達装
置の制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発明の
特徴とするところは、エンジンの動力を油圧式主クラッ
チ、油圧式第1変速装置、第2変速装置を介して走行装
置に伝達すると共に、前記油圧式主クラッチには、作動
油の給排出操作をおこなう切換弁と、作動油の圧力を調
整する比例弁とが接続されている車輌の動力伝達装置の
制御方法において、前記比例弁の開故障を判別し、開故
障の場合は、前記油圧式第1変速装置の動力伝達を切の
状態にすると共に、前記第2変速装置が低速側にあると
きは、前記油圧式第1変速装置の第1速の変速操作を可
能とし、前記第2変速装置が高速側にあるときは、前記
油圧式第1変速装置の動力伝達の切の状態を維持して
記走行装置へのエンジン動力伝達を不能とする点にあ
る。
【0006】
【作用】本発明によれば、比例弁の開故障の有無が判断
される。開故障と判断されると、先ず、油圧式第1変速
装置の動力伝達が切の状態にされる。そして次に、第2
変速装置の状態が判断され、該第2変速装置が低速側に
あるときは、前記油圧式第1変速装置の第1速の変速操
作を可能とする。即ち、一番低速域において動力伝達が
行われるので、主クラッチが急激に接続されても急発進
によるショックは少なくなる。
【0007】第2変速装置が高速側にある場合は、走行
装置へのエンジン動力伝達が不能にされるので、車輌の
発進はできなくなる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラ
クタのミッションケース8内を示しており、エンジン1
からの動力が油圧式主クラッチA、油圧式第1変速装置
B、第2変速装置Cを介して走行装置Dに伝達される共
に、エンジン1からの動力が伝動軸2及び油圧多板式の
PTOクラッチ3を介して、PTO軸4に伝達される。
【0009】前記油圧式主クラッチAは、本実施例で
は、前進クラッチ5と後進クラッチ6とから構成されて
いる。また、前記油圧式第1変速装置Bは、主変速装置
10と第1副変速装置11とから構成されている。前記
第2変速装置は、第2副変速装置12から構成されてい
る。前記走行装置Dは、後輪14及び前輪19を駆動す
る4輪駆動装置に構成されている。
【0010】さらに詳しく説明すれば、前記エンジン1
からの動力は、前進クラッチ5又は後進クラッチ6、円
筒軸7、主変速装置10、第1副変速装置11、第2副
変速装置12、及び後輪デフ装置13を介して左右の後
輪14に伝達される。後輪デフ装置13の直前から分岐
した動力が、伝動軸15、油圧クラッチ型式の前輪変速
装置16、前輪伝動軸17及び前輪デフ装置18を介し
て左右の前輪19に伝達される。
【0011】前進クラッチ5及び後進クラッチ6は、摩
擦板(図示せず)とピストン(図示せず)とを組み合わ
せた油圧多板式で、作動油を供給することにより伝動側
に操作される。前進クラッチ5を伝動側に操作すると、
エンジン1の動力が前進クラッチ5から円筒軸7に直接
流れて機体は前進する。後進クラッチ6を伝動側に操作
すると、エンジン1の動力が後進クラッチ6及び伝動軸
20を介して、逆転状態で円筒軸7に伝達されて機体は
後進する。
【0012】主変速装置10は4個の油圧多板式の1速
クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、
及び4速クラッチ24を並列的に配置した油圧クラッチ
型式に構成されて4段に変速可能であり、1速〜4速ク
ラッチ21〜24のうちの一つを伝動側に操作すること
により、エンジン1側の円筒軸7からの動力が4段に変
速操作されて下手側の伝動軸25に伝達される。
【0013】第1副変速装置11も2個の油圧多板式の
低速クラッチ26、及び高速クラッチ27を並列的に配
置した油圧クラッチ型式に構成されて2段に変速可能で
あり、低速及び高速クラッチ26,27の一方を伝動側
に操作することにより、主変速装置11側の伝動軸25
からの動力が2段に変速操作されて下手側の第2副変速
装置12に伝達される。
【0014】第2副変速装置12はシフト部材53をス
ライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて2段
に変速可能であり、後述する変速レバー28によって機
械的に変速操作される。次に前進及び後進クラッチ5,
6、主変速装置10等用の油圧回路について説明する。
【0015】図3に示すようにポンプ29からの油路3
0に、前進及び後進クラッチ5,6に対する電磁比例弁
35及びパイロット操作式の切換弁36a,37a、主
変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜24に対する
パイロット操作式の切換弁31a,32a,33a,3
4a、第1副変速装置11の低速及び高速クラッチ2
6,27に対する電磁比例弁38,39が並列的に接続
されている。
【0016】油路30から分岐した油路40に、前輪デ
フ装置18におけるデフロック操作用に油圧クラッチ4
1に対するパイロット操作式の切換弁42a、後輪デフ
装置13におけるデフロック操作用の油圧クラッチ43
に対するパイロット操作式の切換弁44a、前輪変速装
置16の標準クラッチ45及び増速クラッチ46(図1
参照)に対するパイロット操作式の切換弁47a,48
aが並列的に接続されている。各切換弁31a〜34
a,36a,37a,42a,44a,47a,48a
は、バネで排油側(伝動遮断側)に付勢されており、後
述するようにパイロット作動油が供給されることで、供
給側(伝動側)に操作される。
【0017】油路30から減圧弁49を介してパイロッ
ト油路50が分岐して、このパイロット油路50が切換
弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,
47a,48aの操作部に接続されており、各操作部に
電磁操作弁31b,32b,33b,34b,36b,
37b,42b,44b,47b,48bが接続されて
いる。各電磁操作弁31b〜34b,36b,37b,
42b,44b,47b,48bは、バネで排油側(伝
動遮断側)に付勢されており、これらを電気的に供給側
に操作すると、パイロット作動油が切換弁31a〜34
a,36a,37a,42a,44a,47a,48a
の操作部に供給されて、これらが供給側(伝動側)に操
作される。
【0018】次に、前進及び後進クラッチ5,6、主変
速装置10等の操作部の構成について説明する。図2及
び図3に示すように、前進及び後進クラッチ5,6の切
換弁36a,37aの操作部からパイロット作動油を排
油可能な開閉弁51が備えられて、開閉弁51がバネで
閉側に付勢されている。開閉弁51を機械的に開側に操
作するクラッチペダル52を備えており、クラッチペダ
ル52の操作位置を検出する位置センサー68を備えて
いる。前輪19用の操縦ハンドル58の基部に、電気的
な前進信号及び後進信号を発進する前後進レバー59を
備えている。エンジン1のアクセル位置を人為的に変更
操作するアクセルペダル69を備えており、アクセルペ
ダル69の操作位置を検出する位置センサー70を備え
ている。
【0019】図2に示すように、機体の操縦部の横軸芯
周りに変速レバー28が揺動操作自在に支持されて、第
2副変速装置12(図1参照)のシフト部材53をスラ
イド操作するシフトフォーク54と変速レバー28と
が、連係機構55により機械的に連動連結されており、
変速レバー28を中立停止位置N、低速位置L及び高速
位置Hの3位置に操作して第2副変速装置12を変速操
作する。
【0020】変速レバー28の横側部に出退操作自在な
ロックピン56が備えられて、ロックピン56を出退操
作する操作ピン57が変速レバー28の上部に備えられ
ている。ロックピン56はバネ(図示せず)により紙面
右方の固定位置に突出するように付勢されており(操作
ピン57も紙面左方の突出側に付勢されている)、固定
側のガイド板60にロックピン56を係合させることに
よって、変速レバー28を中立停止位置N、低速位置L
及び高速位置Hの各々で固定する。そして、操作ピン5
7を押し込み操作するとロックピン56が紙面左方の固
定解除位置に退入操作されて、変速レバー28を中立停
止位置N、低速位置L及び高速位置Hに操作できる。変
速レバー28の基部に、変速レバー28の操作位置を検
出する位置センサー63が備えられている。
【0021】変速レバー28の左横側面にシフトアップ
ボタン61、及びシフトダウンボタン62が上下に配置
されており、後述するようにシフトアップボタン61及
びシフトダウンボタン62を一度押し操作すると、一つ
のシフトアップ信号及びシフトダウン信号が発進され
て、図1の主及び第1副変速装置10,11の変速操作
が行われる。
【0022】図2に示すように、主及び第1副変速装置
10,11の変速位置(1速〜8速)を表示する7セグ
メントの変速表示部64、前後進レバー59により前進
及び後進クラッチ5,6のどちらが伝動側に操作されて
いるかを表示する前進ランプ65及び後進ランプ66、
変速レバー28が中立停止位置Nに操作されていること
を示す中立停止ランプ67が操縦部に備えられている。
図3に示すように、前進及び後進クラッチ5,6の作動
圧が伝動状態側の所定圧に達しているか否かを検出する
圧力センサー74が備えられており、この圧力センサー
74の検出により前進及び後進ランプ65,66を点灯
させる。
【0023】次に、変速レバー28のシフトアップボタ
ン61及びシフトダウンボタン62による変速操作、及
び変速操作での異常検出について説明する。図4に示す
ように、先ず図3の前進及び後進クラッチ5,6用の電
磁比例弁35において異常の有無が検出され(ステップ
S1)、異常がないと電磁比例弁35に操作電流が送ら
れる(ステップS2)。
【0024】次に、前後進レバー59が前進位置Fに操
作されていると(ステップS3)、図3の電磁操作弁3
6bに操作電流が送られ(ステップS5)、切換弁36
aが供給側に操作されて前進クラッチ5が伝動側に操作
され、前進ランプ65が点灯する(ステップ6)。逆
に、前後進レバー59が後進位置Rに操作されていると
(ステップS3)、図3の電磁操作弁37bに操作電流
が送られ(ステップS8)、切換弁37aが供給側に操
作されて後進クラッチ6が伝動側に操作され、後進ラン
プ66が点灯し(ステップS9)、図2のブザー71が
間欠的に作動する(ステップS10)。
【0025】以上の状態のステップS1,S4,S7に
おいて、前進及び後進クラッチ5,6用の電磁比例弁3
5及び電磁操作弁36b,37bに、操作電流のショー
ト等の異常が検出されると、図2の変速表示部64の下
半分のセグメントで小文字の「c」が表示されて点滅し
(ステップS11)、ブザー71が連続的に作動する
(ステップS12)。これにより、作業者が前進及び後
進クラッチ5,6の操作系に異常が発生していることを
認識する。
【0026】図1に示すように主変速装置10が4段に
変速可能で、第1副変速装置11が2段に変速可能であ
るから、主変速装置及び第1副変速装置10,11によ
り8段の変速が可能である。この場合、第1副変速装置
11の低速クラッチ26が伝動側に操作されている状態
で、主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜24が
1速〜4速の変速位置に対応するのであり、第1副変速
装置11の高速クラッチ27が伝動側に操作されている
状態で、主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜2
4が5速〜8速の変速位置に対応する。
【0027】図3に示すように主変速装置10の1速〜
4速クラッチ21〜24、第1副変速装置11の低速及
び高速クラッチ26,27の各々に、これらの作動圧が
伝動状態側の所定圧に達しているか否かを検出する圧力
センサー74を設けており、各圧力センサー74の検出
により現在の主及び第1副変速装置10,11の変速位
置(1速〜8速)が検出されて、この検出された変速位
置が変速表示部64に表示される(ステップS13)。
【0028】次に、図2の変速レバー28が低速位置L
又は高速位置Hに操作されている状態において(ステッ
プS14)、変速レバー28のシフトアップボタン61
又はシフトダウンボタン62を一度押し操作する(ステ
ップS15,S16)。図5に示すようにシフトアップ
ボタン61を押し操作した場合には、現在の変速位置よ
りも1段高速側の変速位置における主変速装置10用の
電磁操作弁31b〜34bの異常の有無が検出され、4
速の変速位置から5速の変速位置への変速操作時には、
第1副変速装置11における高速クラッチ27用の電磁
比例弁39の異常の有無も同時に検出される。逆にシフ
トダウンボタン62を押し操作した場合には、現在の変
速位置よりも1段低速側の変速位置における主変速装置
10用の電磁操作弁31b〜34bの異常の有無が検出
され、5速の変速位置から4速の変速位置への変速操作
時には、第1副変速装置11における低速クラッチ26
用の電磁比例弁38の異常の有無も同時に検出される
(ステップS17)。
【0029】前述の状態で異常が検出されなければ(ス
テップS18)、図7に示すように第1副変速装置11
において、伝動側に操作されている低速又は高速クラッ
チ26,27の所定低圧P3が設定される(ステップS
19)。そして、図7の実線A1(時点B1)に示すよ
うに、シフトアップボタン61を押し操作した場合に
は、現在の変速位置よりも1段高速側の変速位置におけ
る主変速装置10用の電磁操作弁31b〜34bに対し
て操作電流が供給され始め、逆にシフトダウンボタン6
2を押し操作した場合には、現在の変速位置よりも1段
低速側の変速位置における主変速装置10用の電磁操作
弁31b〜34bに対して操作電流が供給され始める
(ステップS20)。
【0030】これと同時に図7の実線A2(時点B1)
に示すように、第1副変速装置11において伝動側に操
作されている低速及び高速クラッチ26,27の電磁比
例弁38,39により、伝動側に操作されている低速又
は高速クラッチ26,27の作動圧が伝動状態の作動圧
P2から、前述の所定低圧P3にまで減圧操作される
(ステップS21)。この場合、4速の変速位置から5
速の変速位置への変速操作時には第1副変速装置11の
低速クラッチ26の作動圧が零にまで落とされ、高速ク
ラッチ27の作動圧が零から所定低圧P3にまで上昇操
作される。逆に5速の変速位置から4速の変速位置への
変速操作時には、第1副変速装置11の高速クラッチ2
7の作動圧が零にまで落とされ、低速クラッチ26の作
動圧が零から所定低圧P3にまで上昇操作される。
【0031】そして、図7の実線A1(時点B2から時
点B3)に示すように主変速装置10における1段高速
側又は1段低速側の1速〜4速クラッチ21〜24の作
動圧が、電磁操作弁31b〜34bにより伝動状態の作
動圧P1にまで上昇操作される。これと同時に図7の一
点鎖線A3(時点B2から時点B3)に示すように、主
変速装置10におけるシフトアップボタン61又はシフ
トダウンボタン62の押し操作前の1速〜4速クラッチ
21〜24の作動圧が、電磁操作弁31b〜34bによ
り伝動状態の作動圧P1から零にまで下降操作される
(ステップS22)。
【0032】次に、所定低圧P3に維持されていた第1
副変速装置11の低速又は高速クラッチ26,27の作
動圧が、図7の実線A2(時点B3から時点B4)に示
すように電磁比例弁38,39により漸次的に上昇操作
されていき、低速又は高速クラッチ26,27の作動圧
が、伝動状態の作動圧P2に達する(ステップS2
3)。この場合、図7の実線A2の時点B3から時点B
4において、低速又は高速クラッチ26,27の作動圧
の上昇特性が各変速位置に対して設定されており、低速
側(1速側)の変速位置ほど、時点B3から時点B4の
作動圧が短時間で且つ急上昇操作される。
【0033】以上のようにして、シフトアップボタン6
1又はシフトダウンボタン62の押し操作による1回の
変速操作を終了するのであり、変速操作が終了すると変
速操作後の変速位置が変速表示部64に表示され(ステ
ップS24)、ブザー71が一回だけ作動して変速操作
の終了が作業者に報知される(ステップS25)。以上
のような変速操作は、シフトアップボタン61又はシフ
トダウンボタン62を押し続けていても連続的に行われ
ることはなく、シフトアップボタン61又はシフトダウ
ンボタン62を一度戻し操作して再び押し操作しない
と、次の一回の変速操作は行われない。
【0034】前述のような通常の変速操作に対し図5の
ステップS18において、主変速装置10及び第1副変
速装置11における変速予定(操作電流の供給予定)の
電磁操作弁31b〜34b、電磁比例弁38,39に操
作電流のショート等の異常が発見されると、異常のある
変速位置が変速表示部64に表示されて、この表示が所
定時間(例えば10秒程度)の間だけ点滅する(ステッ
プS26)。
【0035】そして、異常のある変速予定(操作電流の
供給予定)の電磁操作弁31b〜34b、電磁比例弁3
8,39に操作電流は供給されず、シフトアップボタン
61又はシフトダウンボタン62の押し操作前の変速段
の状態に残されて、この押し操作前の変速位置が変速表
示部64に表示される(ステップS27)。図5のステ
ップS18において異常が発見されると、変速レバー2
8を低速位置L又は高速位置Hに操作している場合、異
常のある変速位置を越えての変速操作は行えなくなる
が、変速レバー28を中立停止位置Nに戻し操作する
と、異常のある変速位置を越えての変速操作が行えるの
であり、次にこの変速操作について説明する。
【0036】図5のステップS18において異常が発見
されると、作業者は後述するように変速レバー28を低
速位置L又は高速位置Hから中立停止位置Nに操作する
(図4のステップS14)。これにより、図2の中立停
止ランプ67が点灯し(図6のステップS28)、この
状態でシフトアップボタン61又はシフトダウンボタン
62を押し操作すれば(ステップS29,S30)、押
し操作前に供給側に操作されている電磁操作弁31b〜
34bへの操作電流が遮断され(ステップS31)、現
在の変速位置よりも1段高速側又は1段低速側の電磁操
作弁31b〜34bに対して操作電流が供給される(ス
テップS32,S33)。
【0037】この場合、変速操作後の電磁操作弁31b
〜34bに異常がなければ、この電磁操作弁31b〜3
4bに対応する現在の変速位置が変速表示部64に表示
されて(ステップS34,S35)、ブザー71が一回
だけ作動する(ステップS37)。逆に、変速操作後の
電磁操作弁31b〜34bに異常があれば、この電磁操
作弁31b〜34bに対応する現在の変速位置が変速表
示部64に表示されてこの表示が点滅し(ステップS3
4,S36)、ブザー71が一回だけ作動する(ステッ
プS37)。
【0038】そして、さらにシフトアップボタン61又
はシフトダウンボタン62を押し操作すれば、ステップ
S37からステップS14(図4参照),S28,S2
9に戻り、前述のような変速操作が行われる。これによ
り、異常のある変速位置を越えての変速操作が行える。
このように変速レバー28を中立停止位置Nに操作して
いる状態では、シフトアップボタン61又はシフトダウ
ンボタン62を押し続けていれば、前述のような変速操
作が連続的に行われていく。そして、この状態では図1
の第2副変速装置12が中立停止位置に操作されている
ので、4速の変速位置と5速の変速位置との間の変速操
作以外は、図7の実線A2に示すような第1副変速装置
11側の操作は行われない。
【0039】次に、図2に示す変速レバー28の中立停
止位置N、低速位置L及び高速位置Hへの変速操作につ
いて説明する。既に説明したように、ロックピン56に
より変速レバー28は中立停止位置N、低速位置L及び
高速位置Hのいづれかで固定されており、変速レバー2
8を他の位置に操作する場合には、変速レバー28の操
作ピン57を押し操作して、ロックピン56による固定
を外す必要がある。
【0040】この場合、図8に示すように変速レバー2
8を例えば低速位置Lに操作している状態において、操
作ピン57を押し操作すると(ON)(時点B11)、
ロックピン56がガイド板60から外し操作される。こ
れと同時に、操作ピン57からの操作信号により、図3
の電磁操作弁36b,37bにより前進又は後進クラッ
チ5,6が伝動遮断側に操作され、電磁比例弁38,3
9により第1副変速装置11の低速又は高速クラッチ2
6,27が伝動遮断側に操作される。
【0041】これにより、操作ピン57を押し操作した
状態で変速レバー28を低速位置Lから中立停止位置N
に操作する。この場合、図1に示すように変速レバー2
8で変速操作される第2副変速装置12のすぐ上手側の
第1副変速装置11が、伝動遮断状態に操作されている
ので、変速レバー28による中立停止位置Nへの変速操
作が容易に行える。
【0042】変速レバー28を中立停止位置Nに操作し
た後、操作ピン57から手を離してこれを戻し操作する
と(OFF)(時点B12)、ロックピン56により変
速レバー28が中立停止位置Nに固定されると同時に、
図3の電磁操作弁36b,37b及び電磁比例弁35に
より前進又は後進クラッチ5,6が直ちに伝動側に操作
され、電磁比例弁38,39により第1副変速装置11
の低速又は高速クラッチ26,27が直ちに伝動側に操
作される。
【0043】次に、変速レバー28を中立停止位置Nに
操作している状態において、操作ピン57を押し操作す
ると(ON)(時点B13)、前述と同様にロックピン
56がガイド板60から外し操作され、前進又は後進ク
ラッチ5,6、第1副変速装置11の低速又は高速クラ
ッチ26,27が伝動遮断側に操作される。これによ
り、例えば操作ピン57を押し操作した状態で変速レバ
ー28を中立停止位置Nから高速位置Hに操作する場
合、前述と同様に第2副変速装置12のすぐ上手側の第
1副変速装置11が伝動遮断状態に操作されているの
で、変速レバー28による高速位置Hへの変速操作が容
易に行える。
【0044】変速レバー28を高速位置Hに操作した
後、操作ピン57から手を離してこれを戻し操作すると
(OFF)(時点B14)、ロックピン56により変速
レバー28が高速位置Hに固定されると同時に、電磁比
例弁38,39により第1副変速装置11の低速又は高
速クラッチ26,27が直ちに伝動側に操作される。こ
れに対し、前進又は後進クラッチ5,6は以下の説明の
ように漸次的に伝動側に操作されていく。
【0045】図1に示すように、前進及び後進クラッチ
5,6と主変速装置10との間の円筒軸7の回転数を検
出する回転数センサー73を設けており、操作ピン57
が戻し操作された時点B14から、回転数センサー73
の検出値の上昇率が設定値を越えないように、図3の電
磁比例弁35により前進又は後進クラッチ5,6の作動
圧が上昇操作されていき、伝動側に操作されていく(時
点B15)。
【0046】図2及び図3に示すクラッチペダル52を
踏み操作して、開閉弁51により前進又は後進クラッチ
5,6を半クラッチ状態に操作したとする。この場合、
図1に示すように前進及び後進クラッチ5,6の下手側
及び上手側に回転数センサー72,73を配置している
ので、両回転数センサー72,73の検出値の差により
前進又は後進クラッチ5,6で吸収されるエンジン1の
動力が算出され、吸収される動力の積算値が設定値に達
すると、前進又は後進クラッチ5,6に焼き付きが発生
すると判断されて、ブザー71が短い間隔で間欠的に作
動し作業者に報知するように構成してある。
【0047】さて、前記前進又は後進クラッチ5,6の
操作に際し、前記電磁比例弁35が「開故障」した場合
の制御につき説明する。電磁比例弁35が開故障する
と、前進又は後進クラッチ5,6への作動油の圧力は、
前記図8に示すB14〜B15の間の漸次的昇圧となら
ず、急激な昇圧となり、急発進が生じる。そこでこのよ
うな急発進が生じないようにしたのが、本発明の制御方
法である。
【0048】この制御方法においては、図9に示すよう
に、電磁比例弁35が正常か異常かの判断が行われる。
この判断は、具体的には、比例制御弁35への指令出力
圧力が3kg/cm2以下の状態であるのにかかわら
ず、主クラッチAの圧力センサー74(作動圧力12k
g/cm2 、復帰圧力7.5kg/cm2 )がオン状態
のとき、「開故障」であると制御装置(図2参照)によ
り判断される。
【0049】開故障と判断されると、制御装置により、
1速〜4速クラッチ21〜24の切換弁31a,32
a,33a,34aと、第1副変速装置11の低速クラ
ッチ26および高速クラッチ27の電磁比例弁38,3
9とが、全て切りの状態になるよう制御される。そし
て、次に第2副変速装置12の操作レバー28の位置が
高速位置Hか低速位置Lの判断が制御装置により行われ
る。高速位置Hの場合、クラッチを接続する操作ができ
ないように制御される。低速位置Lの場合、1速クラッ
チ21のみの操作が可能に制御される。シフトアップボ
タン61又はシフトダウンボタン62を操作して1速を
選択すると、1速クラッチ21の接続が行われる。そし
て、その後、主クラッチAの接続が行われる。主クラッ
チAの接続後は、1速〜4速の範囲で変速操作可能とさ
れる。
【0050】尚、開故障と判断されると、速度ディスプ
レイと警告ブザーとによりオペレータへの警告が行われ
る。尚、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
い。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
主クラッチの比例弁が開故障した場合、1速のみの変速
しか可能とされないので、滑らかな発進が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケース内の伝動系を示す概略図。
【図2】変速レバーと第2副変速装置との連係状態、変
速表示部及び各部の連係状態を示す図。
【図3】主変速装置及び第1副変速装置等の油圧回路
図。
【図4】変速レバーを低速位置又は高速位置に操作して
いる状態でのシフトアップボタン及びシフトダウンボタ
ンによる変速操作及び異常検出の制御の前半の流れを示
す図。
【図5】変速レバーを低速位置又は高速位置に操作して
いる状態でのシフトアップボタン及びシフトダウンボタ
ンによる変速操作及び異常検出の制御の後半の流れを示
す図。
【図6】変速レバーを中立停止位置に操作している状態
でのシフトアップボタン及びシフトダウンボタンによる
変速操作及び異常検出の制御の流れを示す図。
【図7】変速レバーを低速位置又は高速位置に操作して
いる状態でのシフトアップボタン及びシフトダウンボタ
ンによる変速操作時において、主及び第1副変速装置側
の状態を示す図。
【図8】変速レバー及び操作ピンにより第2副変速装置
を変速操作する場合の前進又は後進クラッチ、及び第1
副変速装置側の状態を示す図。
【図9】本発明の実施例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 エンジン A 油圧式主クラッチ B 油圧式第1変速装置 C 第2変速装置 D 走行装置 36a 切換弁 37a 切換弁 35 比例弁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−92122(JP,A) 特開 平7−139622(JP,A) 特開 平7−139624(JP,A) 実開 平2−14865(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの動力を油圧式主クラッチ、油
    圧式第1変速装置、第2変速装置を介して走行装置に伝
    達すると共に、前記油圧式主クラッチには、作動油の給
    排出操作をおこなう切換弁と、作動油の圧力を調整する
    比例弁とが接続されている車輌の動力伝達装置の制御方
    法において、 前記比例弁の開故障を判別し、開故障の場合は、前記油
    圧式第1変速装置の動力伝達を切の状態にすると共に、
    前記第2変速装置が低速側にあるときは、前記油圧式第
    1変速装置の第1速の変速操作を可能とし、前記第2変
    速装置が高速側にあるときは、前記油圧式第1変速装置
    の動力伝達の切の状態を維持して前記走行装置へのエン
    ジン動力伝達を不能とすることを特徴とする車輌の動力
    伝達装置の制御方法。
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