JP3155447B2 - 作業車の走行変速装置 - Google Patents

作業車の走行変速装置

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JP3155447B2 JP14645895A JP14645895A JP3155447B2 JP 3155447 B2 JP3155447 B2 JP 3155447B2 JP 14645895 A JP14645895 A JP 14645895A JP 14645895 A JP14645895 A JP 14645895A JP 3155447 B2 JP3155447 B2 JP 3155447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作業車の走行変速装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、四輪駆動型の農用トラクタ等の
作業車においては、変速段数を乗数的に増幅させるべ
く、複数個の多板油圧式の変速クラッチを並列的に配置
してなる主変速装置と、同じく多板油圧式の油圧クラッ
チを並列的に配置してなる副変速装置とを設けたものが
ある。この場合、操縦席の近傍に設けた人為的に操作可
能な変速操作具からの変速指令に基づいて、この主変速
装置の変速クラッチのうちの一つ及び副変速装置の油圧
クラッチのうちの一つに作動油を供給してそれらのクラ
ッチを伝送側に操作することにより、エンジンの動力を
後輪や前輪に伝達させている。
【0003】このように、多板油圧式クラッチよりなる
主変速装置と副変速装置とを備えた変速装置を変速制御
するには、前記変速指令に基づいて主変速装置の変速指
令前の変速クラッチを伝動遮断側に操作すると同時に、
その変速指令に対応する変速クラッチの作動圧を漸次的
に上昇操作してこの変速クラッチを伝動側に操作すると
ともに、このときの副変速装置の油圧クラッチの作動圧
を所定低圧になるまで減圧させるようにしており、これ
により、クラッチ切り換え時のショックが少ない滑らか
な変速操作が行える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように変速指令
に基づいて主変速装置の変速クラッチを切り換える場合
には、その変速指令に対応するこれから作動させようと
する変速クラッチの作動圧は、変速指令に即時に応答す
ることに伴う急激な圧力変動を避けるべく、図7に示す
ようにいったん中間的な定常圧状態が得られてから漸次
的に上昇操作されるため、その変速指令があった時点B
1から主変速装置の各変速クラッチの作動圧が変化し始
める時点B2までにある程度の時間的な隔たり(オーバ
ーラップタイムTL)が必要である。
【0005】しかるに、従来では、副変速装置の油圧ク
ラッチの作動圧を減圧する場合、図7に示すように、そ
の作動圧を変速操作具からの変速指令があった時点B1
から所定低圧P3に減圧させるようにしていた(図7の
点線A4)。従って、この場合、上記オーバーラップタ
イムTLが比較的長い場合には、これに伴って副変速装
置の油圧クラッチが所定低圧P3に設定されている時間
も必要以上に長くなってしまい、このため、トルク変動
に伴うクラッチの滑りや動力切れが発生する原因となる
場合があった。
【0006】一方、上記のような主副変速装置を併有す
る作業車においては、機体に掛かる負荷の大小に関係な
くショックの少ない滑らかな変速操作が行えるよう、副
変速装置に作動圧が立っている状態で主変速装置を変速
操作する場合に、リアルタイムに測定されたエンジンの
負荷に基づいて副変速装置側の所定低圧を逐次算出して
更新する制御を行うことがある。しかし、特に圃場での
作業中においてエンジンの負荷変動が極めて激しい場合
には、作動圧の圧力変動がエンジンの負荷変動に追従し
難いので、副変速装置の所定低圧が低すぎるまま主変速
装置の変速クラッチが変速操作されることがあり、これ
によってもクラッチの滑りや動力切れが発生するおそれ
がある。
【0007】本発明は、このような実情に鑑み、主変速
装置のクラッチ切り換えの時に副変速装置を所定低圧に
減圧する時間をできるだけ短くして、クラッチの滑りや
動力切れの発生を防止することを第一の目的とする。ま
た、本発明は、副変速装置の油圧クラッチの作動圧を所
定低圧に下げつつ主変速装置の変速クラッチを切り換え
るに当たり、作業中にエンジンの負荷変動があっても、
その副変速装置の所定低圧が下がらないように規制し
て、クラッチの滑りや動力切れの発生を未然に防止する
ことを第二の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発明
は、エンジンからの動力が、多板油圧式の複数の変速ク
ラッチを並列的に配置してなる主変速装置と、同じく多
板油圧式の複数の油圧クラッチを並列的に配置してなる
副変速装置とを介して下手側の走行装置に伝達され、人
為的に操作可能な変速操作具から変速指令が発せられる
と、この変速指令に対応する変速クラッチの作動圧が、
一定時間のあいだ中間的な定常圧状態に昇圧された後、
漸次的に昇圧され、この作動圧が漸次的に昇圧される間
に、変速指令の発信前に作動している変速クラッチの作
動圧を減圧して、主変速装置の変速クラッチを切り換え
るようにし、この主変速装置の変速クラッチが切り換わ
る際に、副変速装置の、接続されている油圧クラッチが
所定低圧となるように、前記変速指令が発せられた時点
より後で、かつ、変速指令に対応する変速クラッチの作
動圧が中間的な定常圧状態から漸次的に昇圧し始める時
点よりも所定時間だけ前の時点から、前記油圧クラッチ
の作動圧を減圧させ始める制御手段が設けられているこ
とを特徴とする(請求項1)。
【0009】この場合、所定時間は、副変速装置の油圧
クラッチに作動油を給排操作する制御弁の圧力応答時間
に設定することが好ましい(請求項2)。また、副変速
装置の油圧クラッチに作動圧が立っている状態で主変速
装置を変速操作している際に、エンジンの負荷に基づい
て所定低圧を逐次算出して更新する場合には、新たに求
めた所定低圧が既に設定されている所定低圧よりも高い
場合にのみ当該所定低圧をその新たに求めた所定低圧に
設定し直す低圧設定手段を設けることが好ましい(請求
項3)。
【0010】
【作用】本発明では、主変速装置10と副変速装置11
の電磁バルブを操作して変速操作するに当たり、人為的
に操作可能な変速操作具61,62からの変速指令に基
づいて、副変速装置11のいずれか一方の油圧クラッチ
26,27の作動圧を所定低圧P3に下げつつ(図7の
実線A2)、主変速装置10の変速クラッチ21〜24
が切り換えられる(図7の実線A1及び図7の一点鎖線
A3)。この場合、副変速装置11のいずれか一方の油
圧クラッチ26,27の作動圧を、変速指令が発せられ
た時点B1より後で、かつ、変速クラッチ21〜24の
作動圧が変化し始める時点B2よりも所定時間T0だけ
前の時点から油圧クラッチ26,27の作動圧が減圧し
始めるので、変速指令が発せられた時点B1から即座に
副変速装置11側の油圧クラッチ26,27の作動圧を
減圧する場合(図7の点線A4)に比べ、副変速装置1
1側の油圧クラッチ26,27が所定低圧P3に設定さ
れている時間が非常に短くできる(請求項1)。
【0011】また、この場合、上記所定時間T0を副変
速装置11の油圧クラッチ26,27に作動油を給排操
作する制御弁38,39の圧力応答時間に設定しておけ
ば、副変速装置11の油圧クラッチ26,27が所定低
圧P3に設定されている時間が最小になる(請求項
2)。一方、副変速装置11はそのままで主変速装置1
0のみを変速操作するに当たってエンジン1の負荷Tに
基づいて所定低圧P3を逐次算出して更新する場合にお
いて、新たに求めた所定低圧P3’が既に設定されてい
る所定低圧P3よりも高い場合にのみ当該所定低圧P3
をその新たに求めた所定低圧P3’に設定し直すことに
すれば、所定低圧P3は常に下降せずに上昇方向にしか
設定更新されない(請求項3)。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラ
クタのミッションケース8内を示しており、エンジン1
からの動力が伝動軸2及び油圧多板式のPTOクラッチ
3を介して、PTO軸4に伝達される。そのエンジン1
からの動力は、前進クラッチ5又は後進クラッチ6、円
筒軸7、主変速装置10、第1副変速装置11、第2副
変速装置12、及び後輪デフ装置13を介して左右の後
輪14(走行装置に相当)に伝達される。
【0013】他方、後輪デフ装置13の直前から分岐し
た動力は、伝動軸15、油圧クラッチ型式の前輪変速装
置16、前輪伝動軸17及び前輪デフ装置18を介して
左右の前輪19(走行装置に相当)に伝達される。前進
クラッチ5及び後進クラッチ6は、図外の摩擦板とピス
トンとを組み合わせた油圧多板式のもので、作動油を供
給することにより伝動側に操作される。すなわち、前進
クラッチ5を伝動側に操作すると、エンジン1の動力が
前進クラッチ5から円筒軸7に直接流れて機体は前進す
る。また、後進クラッチ6を伝動側に操作すると、エン
ジン1の動力が後進クラッチ6及び伝動軸20を介し
て、逆転状態で円筒軸7に伝達されて機体は後進する。
【0014】主変速装置10は4個の油圧多板式の1速
クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23及
び4速クラッチ24(いずれも変速クラッチに相当)を
並列的に配置した油圧クラッチ型式に構成されて4段に
変速可能であり、1速〜4速クラッチ21〜24のうち
の一つを伝動側に操作することにより、エンジン1側の
円筒軸7からの動力が4段に変速操作されて下手側の伝
動軸25に伝達されるようになっている。第1副変速装
置11も2個の油圧多板式の低速クラッチ26及び高速
クラッチ27(いずれも油圧クラッチに相当)を並列的
に配置した油圧クラッチ型式に構成されて2段に変速可
能であり、低速及び高速クラッチ26,27の一方を伝
動側に操作することにより、主変速装置11側の伝動軸
25からの動力が2段に変速操作されて下手側の第2副
変速装置12に伝達される。
【0015】第2副変速装置12は、シフト部材53を
スライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて2
段に変速可能であり、後述する変速レバー28によって
機械的に変速操作される。次に前進及び後進クラッチ
5,6、主変速装置10等用の油圧回路について説明す
る。図3に示すように、ポンプ29に直結されている第
一油路30には、前進及び後進クラッチ5,6に対する
電磁比例弁35及びパイロット操作式の切換弁36a,
37aと、主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜
24に対するパイロット操作式の切換弁31a,32
a,33a,34aと、第1副変速装置11の低速及び
高速クラッチ26,27に対する電磁比例弁38,39
(制御弁に相当)が並列的に接続されている。
【0016】一方、第一油路30から分岐した第二油路
40には、前輪デフ装置18におけるデフロック操作用
に油圧クラッチ41に対するパイロット操作式の切換弁
42aと、後輪デフ装置13におけるデフロック操作用
の油圧クラッチ43に対するパイロット操作式の切換弁
44aと、前輪変速装置16の標準クラッチ45及び増
速クラッチ46(図1参照)に対するパイロット操作式
の切換弁47a,48aが並列的に接続されている。各
切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,44
a,47a,48aは、バネで排油側(伝動遮断側)に
付勢されており、後述するようにパイロット作動油が供
給されることで、供給側(伝動側)に操作される。
【0017】第一油路30から減圧弁49を介してパイ
ロット油路50が分岐しており、このパイロット油路5
0が切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,
44a,47a,48aの操作部に接続されており、こ
の各切換弁の操作部に電磁操作弁31b,32b,33
b,34b,36b,37b,42b,44b,47
b,48bが接続されている。各電磁操作弁31b〜3
4b,36b,37b,42b,44b,47b,48
bは、バネで排油側(伝動遮断側)に付勢されており、
これらを電気的に供給側に操作すると、パイロット作動
油が切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,
44a,47a,48aの操作部に供給されて、これら
が供給側(伝動側)に操作される。
【0018】次に、前進及び後進クラッチ5,6、主変
速装置10等の操作部の構成について説明する。図2及
び図3に示すように、前進及び後進クラッチ5,6の切
換弁36a,37aの操作部からパイロット作動油を排
油可能な開閉弁51が設けられ、この開閉弁51はバネ
で閉側に付勢されている。また、操縦席の前下方には、
開閉弁51を機械的に開側に操作するクラッチペダル5
2が設けられ、このクラッチペダル52の枢支部にはそ
の操作位置を検出する位置センサー68が設けられてい
る。
【0019】また、前輪19の操縦ハンドル58の基部
には、電気的な前進信号及び後進信号を発進する前後進
レバー59が設けられ、操縦席の前下方には、エンジン
1のアクセル位置を人為的に変更操作するアクセルペダ
ル69が設けられている。このアクセルペダル69の枢
支部には、同ペダル69の操作位置を検出する位置セン
サー70が設けられている。図2に示すように、機体の
操縦部の横軸芯周りに変速レバー28が揺動操作自在に
支持されていて、第2副変速装置12(図1参照)のシ
フト部材53をスライド操作するシフトフォーク54と
変速レバー28とが、連係機構55により機械的に連動
連結されている。従って、この変速レバー28を中立停
止位置N、低速位置L及び高速位置Hの3位置に切り換
えることにより、第2副変速装置12を変速操作でき
る。
【0020】変速レバー28の中途部には外側方に出退
自在なロックピン56が設けられていて、このロックピ
ン56を出退操作する操作ピン57が変速レバー28の
上部内面側(操縦者側)に設けられている。ロックピン
56は、図外のバネによって図2紙面右方の固定位置に
突出するように付勢され(操作ピン57も紙面左方の突
出側に付勢されている)、このロックピン56を固定側
のガイド板60に係合させることにより、変速レバー2
8を中立停止位置N、低速位置L及び高速位置Hの各々
で固定する。
【0021】そして、操作ピン57を押し込み操作する
とロックピン56が紙面左方の固定解除位置に退入操作
されて、変速レバー28を中立停止位置N、低速位置L
及び高速位置Hに操作できる。なお、変速レバー28の
基部には、変速レバー28の操作位置を検出する位置セ
ンサー63が備えられている。変速レバー28の左横側
面にシフトアップボタン61及びシフトダウンボタン6
2(いずれも変速操作具に相当)が上下に配置されてお
り、後述のように、シフトアップボタン61及びシフト
ダウンボタン62を一度押し操作すると、一つのシフト
アップ信号及びシフトダウン信号(いずれも変速指令に
相当)が発進されて、図1の主及び第1副変速装置1
0,11の変速操作が行われる。
【0022】図2に示すように、機体の操縦部には、主
及び第1副変速装置10,11の変速位置(1速〜8
速)を表示する7セグメントの変速表示部64と、前後
進レバー59により前進及び後進クラッチ5,6のどち
らが伝動側に操作されているかを表示する前進ランプ6
5及び後進ランプ66と、変速レバー28が中立停止位
置Nに操作されていることを示す中立停止ランプ67
と、が設けられている。また、図3に示すように、前進
及び後進クラッチ5,6の作動圧が伝動状態側の所定圧
に達しているか否かを検出する圧力センサー74が備え
られており、この圧力センサー74の検出により、前進
及び後進ランプ65,66を点灯させる。
【0023】次に、変速レバー28のシフトアップボタ
ン61及びシフトダウンボタン62による変速操作及び
この変速操作での異常検出について説明する。図4に示
すように、先ず、図3の前進及び後進クラッチ5,6用
の電磁比例弁35において異常の有無が検出され(ステ
ップS1)、異常がないと、電磁比例弁35に操作電流
が送られる(ステップS2)。次に、前後進レバー59
が前進位置Fに操作されていると(ステップS3)、図
3の電磁操作弁36bに操作電流が送られ(ステップS
5)、切換弁36aが供給側に操作されて前進クラッチ
5が伝動側に操作され、前進ランプ65が点灯する(ス
テップ6)。
【0024】逆に、前後進レバー59が後進位置Rに操
作されていると(ステップS3)、図3の電磁操作弁3
7bに操作電流が送られ(ステップS8)、切換弁37
aが供給側に操作されて後進クラッチ6が伝動側に操作
され、後進ランプ66が点灯するとともに(ステップS
9)、図2のブザー71が間欠的に作動する(ステップ
S10)。以上の状態のステップS1,S4,S7にお
いて、前進及び後進クラッチ5,6用の電磁比例弁35
及び電磁操作弁36b,37bに、操作電流のショート
等の異常が検出されると、図2の変速表示部64の下半
分のセグメントで小文字の「c」が表示されて点滅し
(ステップS11)、ブザー71が連続的に作動する
(ステップS12)。これにより、作業者が前進及び後
進クラッチ5,6の操作系に異常が発生していることを
認識する。
【0025】図1に示すように、主変速装置10が4段
に変速可能で、第1副変速装置11が2段に変速可能で
あるから、主変速装置及び第1副変速装置10,11に
より8段の変速が可能である。この場合、第1副変速装
置11の低速クラッチ26が伝動側に操作されている状
態で、主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜24
が1速〜4速の変速位置に対応するのであり、第1副変
速装置11の高速クラッチ27が伝動側に操作されてい
る状態で、主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜
24が5速〜8速の変速位置に対応する。
【0026】図3に示すように、主変速装置10の1速
〜4速クラッチ21〜24、第1副変速装置11の低速
及び高速クラッチ26,27の各々に、これらの作動圧
が伝動状態側の所定圧に達しているか否かを検出する圧
力センサー74が設けられており、各圧力センサー74
の検出により現在の主及び第1副変速装置10,11の
変速位置(1速〜8速)が検出されて、この検出された
変速位置が変速表示部64に表示される(ステップS1
3)。次に、図2の変速レバー28が低速位置L又は高
速位置Hに操作されている状態において(ステップS1
4)、変速レバー28のシフトアップボタン61又はシ
フトダウンボタン62を一度押し操作する(ステップS
15,S16)。
【0027】すると、図5に示すように、シフトアップ
ボタン61を押し操作した場合には、現在の変速位置よ
りも1段高速側の変速位置における主変速装置10用の
電磁操作弁31b〜34bの異常の有無が検出され、4
速の変速位置から5速の変速位置への変速操作時には、
第1副変速装置11における高速クラッチ27用の電磁
比例弁39の異常の有無も同時に検出される(ステップ
S17)。逆に、シフトダウンボタン62を押し操作し
た場合には、現在の変速位置よりも1段低速側の変速位
置における主変速装置10用の電磁操作弁31b〜34
bの異常の有無が検出され、5速の変速位置から4速の
変速位置への変速操作時には、第1副変速装置11にお
ける低速クラッチ26用の電磁比例弁38の異常の有無
も同時に検出される(ステップS17)。
【0028】前述の状態で異常が検出されなければ(ス
テップS18)、第1副変速装置11において、伝動側
に操作されている低速又は高速クラッチ26,27の所
定低圧P3(図7参照)が後述のようにリアルタイムに
求められる(ステップS19)。そして、図7の実線A
1に示すように、ある時点B1においてシフトアップボ
タン61を押し操作した場合には、現在の変速位置より
も1段高速側の変速位置における主変速装置10用の電
磁操作弁31b〜34bに対して操作電流が供給され始
め、逆に、ある時点B1においてシフトダウンボタン6
2を押し操作した場合には、現在の変速位置よりも1段
低速側の変速位置における主変速装置10用の電磁操作
弁31b〜34bに対して操作電流が供給され始める
(ステップS20)。
【0029】この場合、シフトアップ信号又はシフトダ
ウン信号に即時に応答することに伴う低速又は高速クラ
ッチ26.27の急激な圧力変動を避けるべく、いった
ん中間的な定常圧状態が得られてから漸次的に上昇操作
される。このため、変速信号に対応する主変速装置10
の1速〜4速クラッチ21〜24の作動圧は、シフトア
ップ信号又はシフトダウン信号があった時点B1から主
変速装置の各変速クラッチの作動圧が変化し始める時点
B2までにある程度の時間的な隔たり(オーバーラップ
タイムTL)を設定してある。
【0030】また、このように主変速装置10における
1段高速側又は1段低速側の1速〜4速クラッチ21〜
24の作動圧が電磁操作弁31b〜34bにより伝動状
態の作動圧P1にまで上昇操作される間に、図7の一点
鎖線A3に示すように、主変速装置10におけるシフト
アップボタン61又はシフトダウンボタン62の押し操
作前の1速〜4速クラッチ21〜24の作動圧が、時点
B1からオーバーラップタイムTLだけ経過した時点B
2から、電磁操作弁31b〜34bにより伝動状態の作
動圧P1から零にまで下降操作される(ステップS2
2)。
【0031】そして、上記のように、第2副変速装置1
2が低速又は高速位置L,Hに入っている状態で主変速
装置10側のクラッチ切り換えを行う際には、この切り
換え時のショックが少ない滑らかな変速操作が行えるよ
う、図7の実線A2に示すように、第1副変速装置11
において伝動側に操作されている低速及び高速クラッチ
26,27の電磁比例弁38,39により、伝動側に操
作されている低速又は高速クラッチ26,27の作動圧
が伝動状態の作動圧P2から前述の所定低圧P3にまで
減圧操作される(ステップS21)。
【0032】そして、この場合、シフトアップ信号又は
シフトダウン信号が発せられた時点B1よりも後で、か
つ、主変速装置10側の変速クラッチ21〜24の作動
圧が変化し始める時点B2よりも所定時間T0だけ前の
時点B5から、第1副変速装置11側の油圧クラッチ2
6,27の作動圧を減圧させ始めるようにする(制御装
置に相当)。このため、従来、シフトアップ信号又はシ
フトダウン信号が発せられた時点B1から即座に第1副
変速装置11側の油圧クラッチ26,27の作動圧を減
圧していた場合(図7の点線A4)に比べて、油圧クラ
ッチ26,27が所定低圧P3に設定されている時間は
短くなる。
【0033】また、本実施例の場合、上記所定時間T0
は、一定の設定値として制御装置にプログラムされた、
第1副変速装置11側の電磁比例弁38,39の圧力応
答時間とされており、この場合の圧力応答時間とは、比
例弁38,39が電気信号を受けてから目的の作動圧
(出力)が得られるまでの時間を意味する。従って、当
該所定時間T0をこの比例弁38,39の圧力応答時間
に設定しておけば、油圧クラッチ26,27が所定低圧
P3に設定される時間を最小にできる。なお、上記圧力
応答時間は電磁比例弁38,39の種類によって異なる
が、約0.2秒程度に設定できる。
【0034】一方、上記のように、第1副変速装置11
の低速及び高速クラッチ26,27の作動圧を所定低圧
P3に下げつつ主変速装置10の変速クラッチ21〜2
4を切り換える変速操作を行う場合において、4速の変
速位置から5速の変速位置へ変速操作する時には、第1
副変速装置11の低速クラッチ26の作動圧が零にまで
落とされ、高速クラッチ27の作動圧が零から所定低圧
P3にまで上昇操作される。逆に、5速の変速位置から
4速の変速位置へ変速操作する時には、第1副変速装置
11の高速クラッチ27の作動圧が零にまで落とされ、
低速クラッチ26の作動圧が零から所定低圧P3にまで
上昇操作される。
【0035】このため、第1副変速装置11の低速クラ
ッチ26と高速クラッチ27とが入れ代わる4速と5速
の間では、後述の方法により求められる所定低圧P3の
設定はいったん零にクリアされることになる。次に、所
定低圧P3に維持されていた第1副変速装置11の低速
又は高速クラッチ26,27の作動圧は、図7の実線A
2の時点B3から時点B4に示すように、電磁比例弁3
8,39により漸次的に上昇操作されていき、その後、
低速又は高速クラッチ26,27の作動圧が伝動状態の
作動圧P2に達する(ステップS23)。この場合、図
7の実線A2の時点B3から時点B4において、低速又
は高速クラッチ26,27の作動圧の上昇特性は各変速
位置に対して設定されており、低速側(1速側)の変速
位置ほど、時点B3から時点B4の作動圧が短時間で且
つ急上昇操作されるようになっている。
【0036】以上のようにして、シフトアップボタン6
1又はシフトダウンボタン62の押し操作による1回の
変速操作を終了するのであり、変速操作が終了すると変
速操作後の変速位置が変速表示部64に表示され(ステ
ップS24)、ブザー71が一回だけ作動して変速操作
の終了が作業者に報知される(ステップS25)。以上
のような変速操作は、シフトアップボタン61又はシフ
トダウンボタン62を押し続けていても連続的に行われ
ることはなく、シフトアップボタン61又はシフトダウ
ンボタン62を一度戻し操作して再び押し操作しない
と、次の一回の変速操作は行われない。
【0037】前述のような通常の変速操作に対して、図
5のステップS18において、主変速装置10及び第1
副変速装置11における変速予定(操作電流の供給予
定)の電磁操作弁31b〜34b、電磁比例弁38,3
9に操作電流のショート等の異常が発見されると、異常
のある変速位置が変速表示部64に表示されて、この表
示が所定の時間(例えば10秒程度)の間だけ点滅する
(ステップS26)。そして、異常のある変速予定(操
作電流の供給予定)の電磁操作弁31b〜34b、電磁
比例弁38,39に操作電流は供給されず、シフトアッ
プボタン61又はシフトダウンボタン62の押し操作前
の変速段の状態に残されて、この押し操作前の変速位置
が変速表示部64に表示される(ステップS27)。
【0038】図5のステップS18において異常が発見
されると、変速レバー28を低速位置L又は高速位置H
に操作している場合、異常のある変速位置を越えての変
速操作は行えなくなるが、変速レバー28を中立停止位
置Nに戻し操作すると、異常のある変速位置を越えての
変速操作が行えるのであり、次にこの変速操作について
説明する。図5のステップS18において異常が発見さ
れると、作業者は後述するように変速レバー28を低速
位置L又は高速位置Hから中立停止位置Nに操作する
(図4のステップS14)。これにより、図2の中立停
止ランプ67が点灯し(図6のステップS28)、この
状態でシフトアップボタン61又はシフトダウンボタン
62を押し操作すれば(ステップS29,S30)、押
し操作前に供給側に操作されている電磁操作弁31b〜
34bへの操作電流が遮断され(ステップS31)、現
在の変速位置よりも1段高速側又は1段低速側の電磁操
作弁31b〜34bに対して操作電流が供給される(ス
テップS32,S33)。
【0039】この場合、変速操作後の電磁操作弁31b
〜34bに異常がなければ、この電磁操作弁31b〜3
4bに対応する現在の変速位置が変速表示部64に表示
されて(ステップS34,S35)、ブザー71が一回
だけ作動する(ステップS37)。逆に、変速操作後の
電磁操作弁31b〜34bに異常があれば、この電磁操
作弁31b〜34bに対応する現在の変速位置が変速表
示部64に表示されてこの表示が点滅し(ステップS3
4,S36)、ブザー71が一回だけ作動する(ステッ
プS37)。
【0040】そして、さらにシフトアップボタン61又
はシフトダウンボタン62を押し操作すれば、ステップ
S37からステップS14(図4参照),S28,S2
9に戻り、前述のような変速操作が行われる。これによ
り、異常のある変速位置を越えての変速操作が行える。
このように変速レバー28を中立停止位置Nに操作して
いる状態では、シフトアップボタン61又はシフトダウ
ンボタン62を押し続けていれば、前述のような変速操
作が連続的に行われていく。そして、この状態では図1
の第2副変速装置12が中立停止位置に操作されている
ので、4速の変速位置と5速の変速位置との間の変速操
作以外は、図7の実線A2に示すような第1副変速装置
11側の作動圧の制御は行われない。
【0041】以上の変速操作及び異常検出をさらに具体
的に説明すると、例えば、2速の変速位置から3速の変
速位置に変速操作する際に3速の変速位置に異常があれ
ば、シフトアップボタン61を押し操作すると、変速表
示部64が2速の変速位置の表示から3速の変速位置の
表示に変わり、この3速の変速位置の表示が点滅する。
これにより、作業者は3速の変速位置に異常があること
を認識することができ、次に変速表示部64が2速の変
速位置の表示に戻るのであり、実際の変速位置も2速の
変速位置に残っている。
【0042】逆に例えば4速の変速位置から3速の変速
位置に変速操作する際に3速の変速位置に異常があれ
ば、シフトダウンボタン62を押し操作すると、変速表
示部64が4速の変速位置の表示から3速の変速位置の
表示に変わり、この3速の変速位置の表示が点滅する。
これにより、作業者は3速の変速位置に異常があること
を認識することができ、次に変速表示部64が4速の変
速位置の表示に戻るのであり、実際の変速位置も4速の
変速位置に残っている。次に、前述の状態で変速レバー
28を低速位置L又は高速位置Hから中立停止位置Nに
操作する。このように操作すればシフトアップボタン6
1を押し操作すると、変速表示部64が2速の変速位置
の表示から3速の変速位置の表示に代わり、この3速の
変速位置の表示が点滅する。さらに、シフトアップボタ
ン61を押し操作すれば、変速表示部64が4速の変速
位置の表示となるのであり、実際の変速位置も4速の変
速位置に変速操作される。
【0043】逆に、シフトダウンボタン62を押し操作
すると、変速表示部64が4速の変速位置の表示から3
速の変速位置の表示に変わり、この3速の変速位置の表
示が点滅する。さらに、シフトダウンボタン62を押し
操作すれば、変速表示部64が2速の変速位置の表示と
なるのであり、実際の変速位置も2速の変速位置に変速
操作される。次に、図5のステップS19における第1
副変速装置11の低速又は高速クラッチ26,27用の
所定低圧P3の設定方法について説明する。
【0044】図8に示すように、現在のアクセルペダル
69の操作位置が位置センサー70によって検出され
(ステップS42)、現在のアクセルペダル69の操作
位置(エンジン1のアクセル位置)に対応したエンジン
1の無負荷時の回転数N1を、当該エンジン1について
予め求められている図9のグラフに基づいて推定し、こ
の回転数N1が漸次算出される(ステップS43)。次
に、エンジン1の現在の回転数N2が図1及び図2に示
す回転数センサー72により検出され(ステップS4
4)、無負荷時の回転数N1と現在の回転数N2との差
N3が算出され(ステップS45)、主変速装置10、
第1及び第2副変速装置11,12の現在の変速位置
(1速〜16速)(ただし、シフトアップボタン61及
びシフトダウンボタン62の押し操作前)が検出される
(ステップS46)。
【0045】これにより、回転数N1,N2の差N3及
び現在の変速位置(1速〜16速)に基づいて、図10
によりエンジン1に掛かっている負荷Tが算出され(ス
テップS47)、この負荷Tに基づいて図5のステップ
S19及び図7の実線A2の所定低圧P3’が設定され
る(ステップS48)。この場合、図10に示すように
無負荷時の回転数N1と現在の回転数N2との差N3が
大きいほどエンジン1に掛かる負荷Tが大きいと判断さ
れて、図7の実線A2の所定低圧P3が高いもの(伝動
状態の作動圧P2に近い側)に設定されるのであり、逆
に、差N3が小さいほどエンジン1に掛かる負荷が小さ
いと判断されて、図7の実線A2の所定低圧P3が低い
もの(零側)に設定される。
【0046】また、図10に示すように、現在の変速位
置が低速側(1速側)であるほど、エンジン1に掛かる
負荷が大きいと判断されて、図7の実線A2の所定低圧
P3が高いもの(伝動状態の作動圧P2に近い側)に設
定される。一方、アクセルペダル69が操作されると、
これに少し遅れてエンジン1の回転数が変化する。従っ
て、図8に示すようにアクセルペダル69が操作される
と(ステップS41)、前回に算出された回転数N1,
N2との差N3がそのまま継続されて使用され(ステッ
プS49)、現在の変速位置(1速〜16速)が検出さ
れて(ステップS50)、エンジン1に掛かっている負
荷Tの算出及び所定低圧P3の設定が行われる(ステッ
プS51,52)。
【0047】アクセルペダル69の操作後において、エ
ンジン1の回転数N1の変化率が所定値D以下となって
その回転数N1の変化が安定したと判断されると(ステ
ップS53)、ステップS41からステップS42に戻
る。また、特に圃場での作業中においてエンジン1の負
荷変動が激しい場合等には、バルブの作動圧の圧力変動
がエンジン1の負荷変動に追従し難いので、エンジン1
に掛かる負荷Tが定常的に低いところから急激に上昇し
たような場合には、第1副変速装置11の低速又は高速
クラッチ26,27の所定低圧P3が一時的に低くなり
すぎ、このため、クラッチの滑りや動力切れが発生する
おそれがある。
【0048】そこで、本実施例では、上記のようにして
エンジン1の負荷Tに基づいて所定低圧P3を逐次更新
するに当たって、新たに求めた所定低圧P3’が既に設
定されている所定低圧P3よりも高い場合にだけ(ステ
ップS54)、当該所定低圧P3をその新たに求めた所
定低圧P3’に設定し直すことにしている(ステップS
55)。このため、図12に示すように、第1副変速装
置11の低速又は高速クラッチ26,27の所定低圧P
3を設定している間にエンジン1の負荷Tが変動する場
合において、その負荷Tが上がると所定低圧P3は上が
るが、その負荷Tが上がっても所定低圧P3は下がるこ
とがなく、このため、所定低圧P3は常に下降せずに上
昇方向にしか設定更新されないことになる。
【0049】以上のようにして、所定低圧P3が繰り返
して設定され更新されていくのであり、図5のステップ
S19に達した際に、記憶されている最新の所定低圧P
3が取り込まれていく。次に、図2に示す変速レバー2
8の中立停止位置N、低速位置L及び高速位置Hへの変
速操作について説明する。前述したように、ロックピン
56により変速レバー28は中立停止位置N、低速位置
L及び高速位置Hのいずれかで固定されており、変速レ
バー28を他の位置に操作する場合には、変速レバー2
8の操作ピン57を押し操作して、ロックピン56によ
る固定を外す必要がある。
【0050】この場合、図11に示すように変速レバー
28を例えば低速位置Lに操作している状態において、
操作ピン57を押し操作すると(ON)(時点B1
1)、ロックピン56がガイド板60から外し操作され
る。これと同時に、操作ピン57からの操作信号によ
り、図3の電磁操作弁36b,37bにより前進又は後
進クラッチ5,6が伝動遮断側に操作され、電磁比例弁
38,39により第1副変速装置11の低速又は高速ク
ラッチ26,27が伝動遮断側に操作される。これによ
り、操作ピン57を押し操作した状態で変速レバー28
を低速位置Lから中立停止位置Nに操作する。この場
合、図1に示すように変速レバー28で変速操作される
第2副変速装置12のすぐ上手側の第1副変速装置11
が、伝動遮断状態に操作されているので、変速レバー2
8による中立停止位置Nへの変速操作が容易に行える。
【0051】変速レバー28を中立停止位置Nに操作し
た後、操作ピン57から手を離してこれを戻し操作する
と(OFF)(時点B12)、ロックピン56により変
速レバー28が中立停止位置Nに固定されると同時に、
図3の電磁操作弁36b,37b及び電磁比例弁35に
より前進又は後進クラッチ5,6が直ちに伝動側に操作
され、電磁比例弁38,39により第1副変速装置11
の低速又は高速クラッチ26,27が直ちに伝動側に操
作される。次に、変速レバー28を中立停止位置Nに操
作している状態において、操作ピン57を押し操作する
と(ON)(時点B13)、前述と同様にロックピン5
6がガイド板60から外し操作され、前進又は後進クラ
ッチ5,6、第1副変速装置11の低速又は高速クラッ
チ26,27が伝動遮断側に操作される。
【0052】これにより、例えば操作ピン57を押し操
作した状態で変速レバー28を中立停止位置Nから高速
位置Hに操作する場合、前述と同様に第2副変速装置1
2のすぐ上手側の第1副変速装置11が伝動遮断状態に
操作されているので、変速レバー28による高速位置H
への変速操作が容易に行える。変速レバー28を高速位
置Hに操作した後、操作ピン57から手を離してこれを
戻し操作すると(OFF)(時点B14)、ロックピン
56により変速レバー28が高速位置Hに固定されると
同時に、電磁比例弁38,39により第1副変速装置1
1の低速又は高速クラッチ26,27が直ちに伝動側に
操作される。これに対し、前進又は後進クラッチ5,6
は以下の説明のように漸次的に伝動側に操作されてい
く。
【0053】図1に示すように、前進及び後進クラッチ
5,6と主変速装置10との間の円筒軸7の回転数を検
出する回転数センサー73を設けており、操作ピン57
が戻し操作された時点B14から、回転数センサー73
の検出値の上昇率が設定値を越えないように、図3の電
磁比例弁35により前進又は後進クラッチ5,6の作動
圧が上昇操作されていき、伝動側に操作されていく(時
点B15)。図2及び図3に示すクラッチペダル52を
踏み操作して、開閉弁51により前進又は後進クラッチ
5,6を半クラッチ状態に操作したとする。この場合、
図1に示すように前進及び後進クラッチ5,6の下手側
及び上手側に回転数センサー72,73を配置している
ので、両回転数センサー72,73の検出値の差により
前進又は後進クラッチ5,6で吸収されるエンジン1の
動力が算出され、吸収される動力の積算値が設定値に達
すると、前進又は後進クラッチ5,6に焼き付きが発生
すると判断されて、ブザー71が短い間隔で間欠的に作
動し作業者に報知するように構成してある。
【0054】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、図2ではシフトアップボタン61
とシフトダウンボタン62とを別々に設けたものを示し
たが、一つの変速スイッチ(図示せず)をシフトアップ
側及びシフトダウン側に操作することにより、シフトア
ップ信号及びシフトダウン信号が発信されるように構成
してもよい。また、図1では主変速装置10の上手側に
前後進クラッチ5,6を有する主クラッチを設け、第1
副変速装置11の下手側に第2副変速装置12を設けた
前後進16段変速のものを示したが、本発明は、このよ
うな配置に限定されず、多板油圧式クラッチで構成され
た主変速装置10の下手に同じく多板油圧式クラッチで
構成された第1副変速装置11を配置した変速装置に広
く採用できる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
主変速装置10のクラッチ切り換えに際して、副変速装
置11側の油圧クラッチ26,27が所定低圧P3に設
定されている時間を非常に短くできるので、クラッチの
滑りや動力切れの発生を未然に防止することができる
(請求項1)。また、請求項2に記載の発明によれば、
副変速装置11の油圧クラッチ26,27が所定低圧P
3に設定されている時間を最小にできるので、クラッチ
の滑りや動力切れの発生をより完全に防止できる。
【0056】更に、請求項3に記載の発明によれば、エ
ンジン1の負荷Tに基づいて所定低圧P3を逐次算出し
て更新する場合において、その所定低圧P3が常に下降
せずに上昇方向にしか設定更新されないので、作業中に
エンジン1の負荷変動があっても副変速装置11の所定
低圧P3が低すぎるという事態が未然に回避され、この
ため、クラッチの滑りや動力切れの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケース内の伝動系を示す概略図であ
る。
【図2】変速レバーと第2副変速装置との連係状態、変
速表示部及び各部の連係状態を示す図である。
【図3】主変速装置及び第1副変速装置等の油圧回路図
である。
【図4】変速レバーを低速位置又は高速位置に操作して
いる状態でのシフトアップボタン及びシフトダウンボタ
ンによる変速操作及び異常検出の制御の前半の流れを示
す図である。
【図5】変速レバーを低速位置又は高速位置に操作して
いる状態でのシフトアップボタン及びシフトダウンボタ
ンによる変速操作及び異常検出の制御の後半の流れを示
す図である。
【図6】変速レバーを中立停止位置に操作している状態
でのシフトアップボタン及びシフトダウンボタンによる
変速操作及び異常検出の制御の流れを示す図である。
【図7】変速レバーを低速位置又は高速位置に操作して
いる状態でのシフトアップボタン及びシフトダウンボタ
ンによる変速操作時において、主及び第1副変速装置側
の状態を示す図である。。
【図8】図7における第1副変速装置側の所定低圧(P
3)の設定の流れを示す図である。
【図9】図7における第1副変速装置側の所定低圧(P
3)の設定時において、エンジンのアクセル位置とエン
ジンの無負荷時の回転数との関係を示す図である。
【図10】図7における第1副変速装置側の所定低圧
(P3)の設定時において、エンジンの無負荷時の回転
数及び現在の回転数の差と、エンジンに掛かる負荷との
関係を示す図である。
【図11】変速レバー及び操作ピンにより第2副変速装
置を変速操作する場合の前進又は後進クラッチ、及び第
1副変速装置側の状態を示す図である。
【図12】エンジンの負荷変動と所定低圧(P3)の変
化を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 10 主変速装置 11 (第1)副変速装置 14 走行装置(後輪) 19 走行装置(前輪) 21 変速クラッチ(1速クラッチ) 22 変速クラッチ(2速クラッチ) 23 変速クラッチ(3速クラッチ) 24 変速クラッチ(4速クラッチ) 26 油圧クラッチ(低速クラッチ) 27 油圧クラッチ(高速クラッチ) 38 制御弁(電磁比例弁) 39 制御弁(電磁比例弁) 61 変速操作具(シフトアップボタン) 62 変速操作具(シフトダウンボタン) B1 時点 B2 時点 B5 時点 P3 所定低圧 P3’ 所定低圧 T 負荷
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−223132(JP,A) 特開 平5−312249(JP,A) 実開 平5−90028(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/00 B60K 20/00 F16H 61/00 F16H 59:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)からの動力が、多板油圧
    式の複数の変速クラッチ(21)(22)(23)(2
    4)を並列的に配置してなる主変速装置(10)と、同
    じく多板油圧式の複数の油圧クラッチ(26)(27)
    を並列的に配置してなる副変速装置(11)とを介して
    下手側の走行装置(14)(19)に伝達され、 人為的に操作可能な変速操作具(61)(62)から変
    速指令が発せられると、この変速指令に対応する変速ク
    ラッチ(21)(22)(23)(24)の作動圧が、
    一定時間のあいだ中間的な定常圧状態に昇圧された後、
    漸次的に昇圧され、この作動圧が漸次的に昇圧される間
    に、変速指令の発信前に作動している変速クラッチ(2
    1)(22)(23)(24)の作動圧を減圧して、主
    変速装置(10)の変速クラッチ(21)(22)(2
    3)(24)を切り換えるようにし、 この主変速装置(10)の変速クラッチ(21)(2
    2)(23)(24)が切り換わる際に、副変速装置
    (11)の、接続されている油圧クラッチ(26)(2
    7)が所定低圧(P)となるように、 前記変速指令が発
    せられた時点(B1)より後で、かつ、変速指令に対応
    する変速クラッチ(21)(22)(23)(24)の
    作動圧が中間的な定常圧状態から漸次的に昇圧し始める
    時点(B2)よりも所定時間(T0)だけ前の時点(B
    5)から、前記油圧クラッチ(26)(27)の作動圧
    を減圧させ始める制御手段が設けられている作業車の走
    行変速装置。
  2. 【請求項2】 所定時間(T0)は、副変速装置(1
    1)の油圧クラッチ(26)(27)に作動油を給排操
    作する制御弁(38)(39)の圧力応答時間に設定さ
    れている請求項1に記載の作業車の走行変速装置。
  3. 【請求項3】 副変速装置(11)の油圧クラッチ(2
    6)(27)に作動圧が立っている状態で主変速装置
    (10)を変速操作している際に、エンジン(1)の負
    荷(T)に基づいて所定低圧(P3)を逐次算出して更
    新するに当たり、 新たに求めた所定低圧(P3’)が既に設定されている
    所定低圧(P3)よりも高い場合にのみ当該所定低圧
    (P3)をその新たに求めた所定低圧(P3’)に設定
    し直す低圧設定手段が設けられている請求項1又は2に
    記載の作業車の走行変速装置。
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