JP3096606B2 - 作業車の走行変速構造 - Google Patents

作業車の走行変速構造

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JP3096606B2
JP3096606B2 JP07049422A JP4942295A JP3096606B2 JP 3096606 B2 JP3096606 B2 JP 3096606B2 JP 07049422 A JP07049422 A JP 07049422A JP 4942295 A JP4942295 A JP 4942295A JP 3096606 B2 JP3096606 B2 JP 3096606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作業車の走行変速構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】作業車においては走行用の変速装置を、
複数個の多板油圧式の変速クラッチを並列的に配置し、
複数の変速クラッチのうちの一つに作動油を供給して伝
動側に操作することにより変速操作する型式に構成した
ものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、走行用
の変速装置の各変速位置に対応して変速クラッチを設け
ると、この変速装置を変速操作する場合に変速指令前の
変速クラッチを伝動遮断側に操作すると同時に、変速指
令に対応する変速クラッチの作動圧を漸次的に上昇操作
してこの変速クラッチを伝動側に操作することにより、
ショック少ない滑らかな変速操作が行える。このような
走行用の変速装置を持つ作業車において、機体に掛かる
負荷の大小に関係なく、さらにショック少ない滑らかな
変速操作が行えるようにする言う点で改善の余地があ
る。本発明は変速クラッチによる走行用の変速装置を備
えた作業車の走行変速構造において、さらにショック少
ない滑らかな変速操作が行えるような構成を得ることを
目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うな作業車の走行変速構造において、次のように構成す
ることにある。 〔1〕エンジンからの動力を主クラッチ、変速装置及び
多板式の油圧クラッチにこの順序で伝達し変速操作し
て、下手側の走行装置に伝達するように構成し、変速装
置を、複数個の多板油圧式の変速クラッチを並列的に配
置し、複数の変速クラッチのうちの一つに作動油を供給
して伝動側に操作することにより変速操作する型式に構
成して、変速装置の各変速クラッチに作動油の給排操作
を行う制御弁と、変速装置の下手側の油圧クラッチに作
動油を供給してこれを伝動側に操作する制御弁と、人為
的な操作に基づいて変速装置用の変速指令を発信する変
速操作具とを備え、変速操作具からの変速指令に基づい
て、変速指令の発信前から作動油の供給側に操作されて
いる変速装置の制御弁を排油側に操作し、変速指令に対
応する変速装置の制御弁を作動油の供給側に操作する第
1制御手段と、変速操作具からの変速指令に基づいて、
変速装置の下手側の油圧クラッチの制御弁を作動油の排
油側に操作して、油圧クラッチの作動圧を所定低圧にま
で減圧操作し、油圧クラッチの制御弁を再び作動油の供
給側に漸次的に操作する第2制御手段とを備えると共
に、エンジンの回転数を検出する回転数センサーと、エ
ンジンのアクセル位置を人為的に変更操作するアクセル
操作具と、エンジンのアクセル位置を検出するアクセル
センサーと、アクセルセンサーの検出値が設定変化率よ
りも大きい変化率で変化し始めると、アクセルセンサー
の検出値に対応したエンジンの無負荷時の回転数を、ア
クセルセンサーの検出値の変化率よりも小さい変化率の
値として算出する演算手段と、演算手段により算出され
たエンジンの無負荷時の回転数と、回転数センサーによ
り検出された現在のエンジンの回転数との差を検出する
検出手段とを備え、検出手段で検出される回転数の差が
大きくなるほど、第2制御手段により減圧操作される変
速装置の下手側の油圧クラッチの所定低圧を、高圧側に
設定変更する第3制御手段を備えてある。
【0005】〔2〕前項〔1〕の構成において、アクセ
ルセンサーの検出値が設定変化率よりも大きい変化率で
変化し始めると、変化の開始時点から設定時間の経過後
に、エンジンの無負荷時の回転数の算出を開始するよう
に、演算手段を作動させる遅延手段を備えてある。
【0006】〔3〕前項〔1〕又は〔2〕の構成におい
て、アクセルセンサーの検出値に対応したエンジンの無
負荷時の回転数を、アクセルセンサーの検出値の変化率
と同じ変化率の値として算出する補助演算手段を備え、
アクセルセンサーの検出値が設定変化率以下の変化率で
変化し始めると、補助演算手段により算出されたエンジ
ンの無負荷時の回転数と、回転数センサーにより検出さ
れた現在のエンジンの回転数との差を検出するように、
検出手段を作動させる牽制手段を備えてある。
【0007】〔4〕前項〔1〕又は〔2〕又は〔3〕の
構成において、検出手段による回転数の差の検出、第3
制御手段による所定低圧の設定変更、及び第2制御手段
による所定低圧に基づいた変速装置の下手側の油圧クラ
ッチの減圧操作を、第1制御手段による操作終了の手前
付近にまで継続して行うように構成してある。
【0008】
【作用】
〔I〕前項〔1〕のように構成すると例えば図1及び図
5に示すように変速操作具から変速指令が発信される
と、変速装置10において伝動側に操作されている変速
クラッチの制御弁が排油側に操作され、この変速クラッ
チが伝動遮断側に操作される(図5の一点鎖線A3参
照)。これと同時に、変速指令に対応する変速クラッチ
の制御弁が作動油の供給側に操作されて、この変速クラ
ッチが伝動側に操作される(図5の実線A1参照)。前
述のような変速装置10の変速操作と同時に、下手側の
油圧クラッチ26,27の制御弁が排油側に操作され
て、この油圧クラッチ26,27の作動圧が所定低圧P
3にまで減圧操作され、次に油圧クラッチ26,27の
制御弁が漸次的に作動油の供給側に操作されて(作動圧
が所定低圧P3から漸次的に上昇操作されて)、油圧ク
ラッチ26,27が伝動側に操作されていく(図5の実
線A2の時点B3から時点B4参照)。
【0009】この場合、図1に示すように変速装置10
に比べて油圧クラッチ26,27の方が走行装置(車輪
等)に近い側に配置されているので、主クラッチ5,6
側から変速装置10に伝達されてくる動力よりも、変速
装置10側から油圧クラッチ26,27に伝達されてく
る動力の方が、低回転高トルクの動力となる。従って、
図5の実線A2の時点B3から時点B4に示すように、
油圧クラッチ26,27の作動圧を漸次的に上昇操作し
ていく際に、油圧クラッチ26,27において小さなト
ルク変動が生じても油圧クラッチ26,27が容易に滑
って、小さなトルク変動が伝動ショックとして現れるこ
となく的確に吸収される。
【0010】〔II〕機体に掛かる負荷が大きい場合、
前述のようにして変速装置の変速操作及び油圧クラッチ
の操作を行うと、所定低圧に減圧操作された油圧クラッ
チの作動圧を上昇操作し始める際に、前述の負荷によっ
て機体の速度が低下し易い。そして、この状態で油圧ク
ラッチの作動圧を漸次的に上昇操作すると、機体の速度
が低下した状態で動力が伝達されて加速される状態とな
るので、ショックの発生することがある。
【0011】前項〔1〕の構成では、現在のアクセルセ
ンサーの検出値に対応したエンジンの無負荷時の回転数
と現在のエンジンの回転数との差を検出しており、この
回転数の差を機体に掛かる負荷と見なしている(回転数
の差が大きいと機体に掛かる負荷も大きい)。これによ
り、前項〔1〕の構成では、例えば図1及び図5に示す
ように変速装置10の変速操作時において、検出される
回転数の差(負荷)が大きいほど、油圧クラッチ26,
27の所定低圧P3が高圧側に設定される。従って、変
速装置10の変速操作中に変速装置10からの動力が下
手側の油圧クラッチ26,27を介して、ある程度の動
力が走行装置に伝達され、機体の速度の低下が抑えられ
る。又、所定低圧P3から油圧クラッチ26,27の作
動圧を上昇操作する際に所定低圧P3が高圧側に設定さ
れていると、油圧クラッチ26,27の作動圧が伝動状
態の作動圧P2に素早く達する。
【0012】〔III〕アクセル操作具をゆっくりと操
作すれば、アクセル操作具に遅れることなくエンジンの
回転数が追従してくるのに対して、アクセル操作具を素
早く操作すればエンジンの回転数は遅れて追従してく
る。これにより、例えばアクセル操作具を素早く高速側
に操作した際に変速操作具による変速操作を行うと、ア
クセルセンサーの検出値に対応したエンジンの無負荷時
の回転数は、アクセル操作具に遅れることなく算出され
て大きくなっていくのに対し、エンジンの回転数の上昇
は遅れると言う状態となって、検出される回転数の差
(負荷)が実際の状態よりも大きいものと判断されてし
まう。従って、この回転数の差(負荷)に基づいて設定
される所定低圧が適性な値よりも高い値に設定されてし
まうので、変速操作時にショックが発生する。
【0013】これに対して前項〔1〕のように構成する
と例えば図9の実線及び時点C1に示すように、アクセ
ル操作具69が素早く操作された際に、アクセルセンサ
ー70の検出値の変化率が設定変化率よりも大きけれ
ば、図9の一点鎖線の時点C1,C2に示すように、ア
クセルセンサー70の検出値の変化率よりも小さい変化
率の値として、アクセルセンサー70の検出値に対応し
たエンジン1の無負荷時の回転数N1が算出される。従
って、例えばアクセル操作具を素早く高速側に操作した
際に変速操作具による変速操作を行っても、アクセルセ
ンサーの検出値に対応したエンジンの無負荷時の回転数
は、アクセル操作具に追従しない抑えられた値として算
出される。これにより、エンジンの回転数の上昇が遅れ
ても、検出される回転数の差(アクセルセンサーの検出
値に対応するエンジンの無負荷時の回転数と現在のエン
ジンの回転数の差)(負荷)が、実際の状態に近いもの
になり、この回転数の差(負荷)に基づいて設定される
所定低圧も適性な値となる。
【0014】〔IV〕前項〔2〕のように構成すると、
前項〔1〕の構成の場合と同様に前項〔I〕〜〔II
I〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下
のような「作用」を備えている。アクセル操作具を作業
者が操作してエンジンのアクセル位置を変更した場合、
アクセル操作具が操作されてから少しの間は同じ値のま
までエンジンの回転数は変化せず、この後にアクセル操
作具の操作に遅れて追従するようにエンジンの回転数が
変化していく。
【0015】そこで、前項〔2〕のように構成すると例
えば図9の実線及び時点C1に示すようにアクセル操作
具69が操作された際に、アクセルセンサー70の検出
値の変化の開始時点C1から設定時間T1が経過するま
では、エンジン1の無負荷時の回転数N1の算出は行わ
れず、アクセル操作具69の操作前に算出されていたエ
ンジン1の無負荷時の回転数N1に基づいて、前項〔I
I〕で説明したように所定低圧が設定される。そして、
そして、設定時間T1が経過すると(時点C2)、前項
〔II〕〔III〕で説明したように、アクセルセンサ
ー70の検出値に対応したエンジン1の無負荷時の回転
数N1の算出、及び所定低圧の設定が行われる。
【0016】〔V〕前項〔3〕のように構成すると、前
項〔1〕又は〔2〕の構成の場合と同様に前項〔I〕〜
〔IV〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて
以下のような「作用」を備えている。アクセル操作具を
素早く操作すればエンジンの回転数は遅れて追従してく
るのに対して、アクセル操作具をゆっくりと操作すれば
アクセル操作具に遅れることなくエンジンの回転数が追
従してくる。
【0017】これにより、前項〔3〕のように構成する
と、アクセル操作具をゆっくりと操作した場合(アクセ
ルセンサーの検出値の変化率が設定変化率以下の状
態)、アクセルセンサーの検出値の変化率と同じ変化率
の値として、アクセル操作具の操作に遅れることなく追
従して、アクセルセンサーの検出値に対応したエンジン
の無負荷時の回転数が算出される。以上のように、アク
セル操作具をゆっくりと操作した場合には、アクセルセ
ンサーの検出値に対応したエンジンの無負荷時の回転数
を、不必要に抑えられた値として算出しないようにする
ことにより、特にアクセル操作具をゆっくりと操作した
場合、検出される回転数の差(アクセルセンサーの検出
値に対応するエンジンの無負荷時の回転数と現在のエン
ジンの回転数の差)(負荷)が、実際の状態に近いもの
になり、この回転数の差(負荷)に基づいて設定される
所定低圧も適性な値となる。
【0018】〔VI〕前項〔4〕のように構成すると、
前項〔1〕又は〔2〕又は〔3〕の構成の場合と同様に
前項〔I〕〜〔V〕に記載の「作用」を備えており、こ
れに加えて以下のような「作用」を備えている。前項
〔4〕のように構成すると例えば図5に示すように、変
速装置10の変速操作に伴って下手側の油圧クラッチ2
6,27の作動圧が所定低圧P3に設定される場合、変
速装置の変速操作終了の手前まで、前項〔II〕〜
〔V〕に記載のような所定低圧P3の設定及び更新が行
われる。これにより、変速装置の変速操作中において負
荷の変化等によって現在のエンジンの回転数が変化して
も、これに応じて所定低圧が設定され更新されるので、
変速装置の変速操作中において所定低圧が常に適性な値
に維持される。
【0019】
【発明の効果】請求項1のように、変速クラッチの型式
の変速装置の下手側に油圧クラッチを配置して、変速装
置の変速操作を行う場合に油圧クラッチを漸次的に伝動
側に操作するように構成することにより、小さなトルク
変動でも的確に吸収できるようになって、変速操作時の
ショックを少なく抑えることができるようになり、作業
車の変速性能を向上させることができた。エンジンの回
転数により機体に掛かる負荷を検出し、この負荷の大小
に応じて油圧クラッチの減圧の度合いを変更しているの
で、特に負荷の大きい場合でもショック少なく変速操作
が行えるようになり、作業車の変速性能をさらに向上さ
せることができる。そして、アクセル操作具が素早く操
作された際に変速操作を行っても、エンジンの無負荷時
の回転数を抑えて算出することによって、アクセル操作
具の素早い操作に関係なく油圧クラッチの所定低圧を適
性な値に設定でき、アクセル操作具が素早く操作された
際の変速操作時のショックを抑えることができるように
なって、作業車の変速性能をさらに向上させることがで
きた。
【0020】請求項2のように構成すると、請求項1の
ように構成した場合と同様に前述の請求項1の「発明の
効果」を備えている。請求項2のように構成すると、ア
クセル操作具が素早く操作された直後では、操作前のエ
ンジンの無負荷時の回転数を使用することによって、ア
クセル操作具の素早い操作に関係なく油圧クラッチの所
定低圧をさらに適性な値に設定でき、アクセル操作具が
素早く操作された際の変速操作時のショックをさらに抑
えて、作業車の変速性能をさらに向上させることができ
た。
【0021】請求項3のように構成すると、請求項1又
は2のように構成した場合と同様に前述の請求項1又は
2の「発明の効果」を備えている。請求項3のように構
成すると、アクセル操作具が素早く操作された場合ばか
りでなく、アクセル操作具がゆっくりと操作された場合
でも、油圧クラッチの所定低圧を適性な値に設定できる
ので、アクセル操作具がゆっくりと操作された際の変速
操作時のショックを抑えて、作業車の変速性能をさらに
向上させることができた。
【0022】請求項4のように構成すると、請求項1又
は2又は3のように構成した場合と同様に前述の請求項
1又は2又は3の「発明の効果」を備えている。請求項
4のように構成すると、変速操作中でも油圧クラッチの
所定低圧が設定され更新されていくので、変速操作中に
負荷が変動してもこれに関係なく油圧クラッチの所定低
圧を適性な値に維持でき、負荷が変動する際の変速操作
時のショックを抑えて、作業車の変速性能をさらに向上
させることができた。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (1)図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラ
クタのミッションケース8内を示しており、エンジン1
からの動力が伝動軸2及び油圧多板式のPTOクラッチ
3を介して、PTO軸4に伝達される。エンジン1から
の動力が、前進クラッチ5(主クラッチに相当)、又は
後進クラッチ6(主クラッチに相当)、円筒軸7、主変
速装置10(変速装置に相当)、第1副変速装置11、
第2副変速装置12、及び後輪デフ装置13を介して左
右の後輪14(走行装置に相当)に伝達される。後輪デ
フ装置13の直前から分岐した動力が、伝動軸15、油
圧クラッチ型式の前輪変速装置16、前輪伝動軸17及
び前輪デフ装置18を介して左右の前輪19(走行装置
に相当)に伝達される。
【0024】前進クラッチ5及び後進クラッチ6は、摩
擦板(図示せず)とピストン(図示せず)とを組み合わ
せた油圧多板式で、作動油を供給することにより伝動側
に操作される。前進クラッチ5を伝動側に操作すると、
エンジン1の動力が前進クラッチ5から円筒軸7に直接
流れて機体は前進する。後進クラッチ6を伝動側に操作
すると、エンジン1の動力が後進クラッチ6及び伝動軸
20を介して、逆転状態で円筒軸7に伝達されて機体は
後進する。
【0025】主変速装置10は4個の油圧多板式の1速
クラッチ21(変速クラッチに相当)、2速クラッチ2
2(変速クラッチに相当)、3速クラッチ23(変速ク
ラッチに相当)、及び4速クラッチ24(変速クラッチ
に相当)を並列的に配置した油圧クラッチ型式に構成さ
れて4段に変速可能であり、1速〜4速クラッチ21〜
24のうちの一つを伝動側に操作することにより、エン
ジン1側の円筒軸7からの動力が4段に変速操作されて
下手側の伝動軸25に伝達される。
【0026】第1副変速装置11も2個の油圧多板式の
低速クラッチ26(油圧クラッチに相当)、及び高速ク
ラッチ27(油圧クラッチに相当)を並列的に配置した
油圧クラッチ型式に構成されて2段に変速可能であり、
低速及び高速クラッチ26,27の一方を伝動側に操作
することにより、主変速装置10側の伝動軸25からの
動力が2段に変速操作されて下手側の第2副変速装置1
2に伝達される。第2副変速装置12はシフト部材53
をスライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて
2段に変速可能であり、後述する変速レバー28によっ
て機械的に変速操作される。
【0027】(2)次に前進及び後進クラッチ5,6、
主変速装置10等用の油圧回路について説明する。図3
に示すようにポンプ29からの油路30に、前進及び後
進クラッチ5,6に対する電磁比例弁35及びパイロッ
ト操作式の切換弁36a,37a、主変速装置10の1
速〜4速クラッチ21〜24に対するパイロット操作式
の切換弁31a,32a,33a,34a、第1副変速
装置11の低速及び高速クラッチ26,27に対する電
磁比例弁38,39(制御弁に相当)が並列的に接続さ
れている。
【0028】油路30から分岐した油路40に、前輪デ
フ装置18におけるデフロック操作用の油圧クラッチ4
1に対するパイロット操作式の切換弁42a、後輪デフ
装置13におけるデフロック操作用の油圧クラッチ43
に対するパイロット操作式の切換弁44a、前輪変速装
置16の標準クラッチ45及び増速クラッチ46(図1
参照)に対するパイロット操作式の切換弁47a,48
aが並列的に接続されている。各切換弁31a〜34
a,36a,37a,42a,44a,47a,48a
は、バネで排油側(伝動遮断側)に付勢されており、後
述するようにパイロット作動油が供給されることで供給
側(伝動側)に操作される。
【0029】油路30から減圧弁49を介してパイロッ
ト油路50が分岐して、このパイロット油路50が切換
弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,
47a,48aの操作部に接続されており、各操作部に
電磁操作弁31b(制御弁に相当),32b(制御弁に
相当),33b(制御弁に相当),34b(制御弁に相
当),36b,37b,42b,44b,47b,48
bが接続されている。各電磁操作弁31b〜34b,3
6b,37b,42b,44b,47b,48bは、バ
ネで排油側(伝動遮断側)に付勢されており、これらを
電気的に供給側に操作すると、パイロット作動油が切換
弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,
47a,48aの操作部に供給されて、これらが供給側
(伝動側)に操作される。
【0030】(3)次に、前進及び後進クラッチ5,
6、主変速装置10等の操作部の構成について説明す
る。図2及び図3に示すように、前進及び後進クラッチ
5,6の切換弁36a,37aの操作部からパイロット
作動油を排油可能な開閉弁51を備えて、開閉弁51を
バネで閉側に付勢しており、開閉弁51を機械的に開側
に操作するクラッチペダル52を備えている。前輪19
用の操縦ハンドル58の基部に、電気的な前進信号及び
後進信号を発信する前後進レバー59を備えている。エ
ンジン1のアクセル位置を人為的に変更操作するアクセ
ルペダル69(アクセル操作具に相当)を備えており、
アクセルペダル69の操作位置を検出することによりア
クセル位置を検出するアクセルセンサー70を備えてい
る。
【0031】図2に示すように、機体の操縦部の横軸芯
周りに変速レバー28が揺動操作自在に支持されて、第
2副変速装置12(図1参照)のシフト部材53をスラ
イド操作するシフトフォーク54と変速レバー28と
が、連係機構55により機械的に連動連結されており、
変速レバー28を中立停止位置N、低速位置L及び高速
位置Hの3位置に操作して第2副変速装置12を変速操
作する。変速レバー28が低速位置L及び高速位置Hに
操作されていることを検出する一対のリミットスイッチ
9が備えられている。
【0032】変速レバー28の横側部に上下に移動自在
なロックピン56が備えられて、ロックピン56を上下
に移動操作する操作ボタン57が、変速レバー28の上
部に備えられている。ロックピン56はバネ(図示せ
ず)により、紙面上方の固定位置に移動するように付勢
されており(操作ボタン57も紙面左方の突出側に付勢
されている)、固定側のガイド板60にロックピン56
を係合させることによって、変速レバー28を中立停止
位置N、低速位置L及び高速位置Hの各々で保持する。
操作ボタン57を押し込み操作するとロックピン56が
紙面下方の保持解除位置に移動操作されて、変速レバー
28を中立停止位置N、低速位置L及び高速位置Hに操
作できる。
【0033】変速レバー28の左横側面にシフトアップ
ボタン61(変速操作具に相当)及びシフトダウンボタ
ン62(変速操作具に相当)が上下に配置されており、
後述するようにシフトアップボタン61及びシフトダウ
ンボタン62を一度押し操作すると、一つのシフトアッ
プ信号及びシフトダウン信号が発信されて、図1に示す
主及び第1副変速装置10,11の変速操作が行われ
る。
【0034】図2に示すように、主及び第1副変速装置
10,11の変速位置(1速〜8速)を表示する7セグ
メントの変速表示部64、前後進レバー59により前進
及び後進クラッチ5,6のどちらが伝動側に操作されて
いるかを表示する前進ランプ65及び後進ランプ66、
変速レバー28が中立停止位置Nに操作されていること
を示す中立停止ランプ67が操縦部に備えられている。
図3に示すように、前進及び後進クラッチ5,6の作動
圧が伝動状態の所定圧に達しているか否かを検出する圧
力センサー74が備えられており、この圧力センサー7
4の検出により前進及び後進ランプ65,66を点灯さ
せる。
【0035】(4)次に、変速レバー28のシフトアッ
プボタン61及びシフトダウンボタン62による変速操
作について、図4に基づいて説明する。図2に示す前後
進レバー59が前進位置Fに操作されていると(ステッ
プS1)、図3に示す電磁操作弁36bに操作電流が供
給され(ステップS2)、切換弁36aが供給側に操作
されて前進クラッチ5が伝動側に操作され、前進ランプ
65が点灯する(ステップS3)。逆に、前後進レバー
59が後進位置Rに操作されていると(ステップS
1)、図3に示す電磁操作弁37bに操作電流が供給さ
れ(ステップS4)、切換弁37aが供給側に操作され
て後進クラッチ6が伝動側に操作され、後進ランプ66
が点灯し(ステップS5)、図2に示すブザー71が間
欠的に作動する(ステップS6)。
【0036】図1に示すように主変速装置10が4段に
変速可能で、第1副変速装置11が2段に変速可能であ
るから、主変速装置10及び第1副変速装置11により
8段の変速が可能である。この場合、第1副変速装置1
1の低速クラッチ26が伝動側に操作されている状態
で、主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜24が
1速〜4速の変速位置に対応するのであり、第1副変速
装置11の高速クラッチ27が伝動側に操作されている
状態で、主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜2
4が5速〜8速の変速位置に対応する。
【0037】図3に示すように主変速装置10の1速〜
4速クラッチ21〜24、第1副変速装置11の低速及
び高速クラッチ26,27の各々に、これらの作動圧が
伝動状態の所定圧に達しているか否かを検出する圧力セ
ンサー74を設けており、各圧力センサー74の検出に
より現在の主及び第1副変速装置10,11の変速位置
(1速〜8速)が検出されて、この検出された変速位置
が変速表示部64に表示される(ステップS7)。
【0038】以上の状態で、図2に示す変速レバー28
が低速位置L又は高速位置Hに操作されている状態にお
いて(ステップS8)、変速レバー28のシフトアップ
ボタン61又はシフトダウンボタン62を一度押し操作
したとする(ステップS9,S10)。この場合、図5
の実線A1(時点B1)に示すように、シフトアップボ
タン61を押し操作した場合には、現在の変速位置より
も1段高速側の変速位置における主変速装置10用の電
磁操作弁31b〜34bに対して操作電流が供給され始
め、逆にシフトダウンボタン62を押し操作した場合に
は、現在の変速位置よりも1段低速側の変速位置におけ
る主変速装置10用の電磁操作弁31b〜34bに対し
て操作電流が供給され始める(ステップS11)(第1
制御手段に相当)。
【0039】これと同時に図5の実線A2(時点B1か
ら時点B2)に示すように、第1副変速装置11におい
て伝動側に操作されている低速又は高速クラッチ26,
27の電磁比例弁38,39により、伝動側に操作され
ている低速又は高速クラッチ26,27の作動圧が伝動
状態の作動圧P2から、所定低圧P3にまで減圧操作さ
れる(ステップS12)(第2制御手段に相当)。所定
低圧P3は後述の(5)(6)(7)で説明するよう
に、アクセルセンサー70の検出値やエンジン1の回転
数N2等に基づいて設定されるのであり、この所定低圧
P3の更新及び設定は時点B1から時点B2に到るまで
連続的に行われていく。4速の変速位置から5速の変速
位置への変速操作時には第1副変速装置11の低速クラ
ッチ26の作動圧が零にまで落とされ、高速クラッチ2
7の作動圧が零から所定低圧P3にまで上昇操作され
る。逆に5速の変速位置から4速の変速位置への変速操
作時には、第1副変速装置11の高速クラッチ27の作
動圧が零にまで落とされ、低速クラッチ26の作動圧が
零から所定低圧P3にまで上昇操作される。
【0040】そして、図5の実線A1(時点B2から時
点B3)に示すように、主変速装置10における1段高
速側又は1段低速側の1速〜4速クラッチ21〜24の
作動圧が、電磁操作弁31b〜34bにより伝動状態の
作動圧P1にまで上昇操作される。これと同時に、図5
の一点鎖線A3(時点B2から時点B3)に示すよう
に、主変速装置10におけるシフトアップボタン61又
はシフトダウンボタン62の押し操作前の1速〜4速ク
ラッチ21〜24の作動圧が、電磁操作弁31b〜34
bにより伝動状態の作動圧P1から零にまで下降操作さ
れる(ステップS13)(第1制御手段に相当)。
【0041】次に、所定低圧P3に維持されていた第1
副変速装置11の低速又は高速クラッチ26,27の作
動圧が、図5の実線A2(時点B3から時点B4)に示
すように、電磁比例弁38,39により漸次的に上昇操
作されていき、低速又は高速クラッチ26,27の作動
圧が伝動状態の作動圧P2に達する(ステップS14)
(第2制御手段に相当)。この場合、図5に示す実線A
2の時点B3から時点B4において、低速又は高速クラ
ッチ26,27の作動圧の上昇特性が各変速位置に対し
て設定されており、低速側(1速側)の変速位置ほど、
時点B3から時点B4の作動圧が短時間で急上昇操作さ
れる。
【0042】以上のようにして、シフトアップボタン6
1又はシフトダウンボタン62の押し操作による1回の
変速操作を終了するのであり、変速操作が終了すると変
速操作後の変速位置が変速表示部64に表示され(ステ
ップS15)、ブザー71が一回だけ作動して変速操作
の終了が作業者に報知される(ステップS16)。以上
のような変速操作は、シフトアップボタン61又はシフ
トダウンボタン62を押し続けていても連続的に行われ
ることはなく、シフトアップボタン61又はシフトダウ
ンボタン62を一度戻し操作して再び押し操作しない
と、次の一回の変速操作は行われない。
【0043】変速レバー28において第2副変速装置1
2を変速操作する場合、例えば変速レバー28を低速位
置Lに操作している状態で、操作ボタン57を押し操作
してロックピン56をガイド板60から下方に外し操作
すると、電磁操作弁36b(又は電磁操作弁37b)に
より、自動的に前進クラッチ5(又は後進クラッチ6)
が伝動遮断側に操作される。
【0044】この状態で変速レバー28を操作して第2
副変速装置12のシフト部材53をスライド操作するの
であり、変速レバー28を中立停止位置N又は高速位置
Hに操作した後、操作ボタン57を戻し操作してロック
ピン56をガイド板60に係合させると、電磁操作弁3
6b(又は電磁操作弁37b)及び電磁比例弁35によ
り、自動的に前進クラッチ5(又は後進クラッチ6)が
漸次的に伝動側に操作される。
【0045】(5)次に、図4のステップS12におけ
る第1副変速装置11の低速又は高速クラッチ26,2
7用の所定低圧P3の設定について説明する。図8に示
すようにアクセルペダル69がある操作位置に保持され
ている場合(ステップS21)、現在のアクセルセンサ
ー70の検出値(アクセルペダル69の操作位置)に対
応したエンジン1の無負荷時の回転数N1が、図6に基
づいて算出されて、この回転数N1が記憶更新される
(ステップS22,S23)(補助演算手段に相当)。
【0046】次にエンジン1の現在の回転数N2が図1
及び図2に示す回転数センサー72により検出されて
(ステップS24)、無負荷時の回転数N1と現在の回
転数N2との差N3が検出され(ステップS25)(検
出手段及び牽制手段に相当)、主変速装置10、第1及
び第2副変速装置11,12の現在の変速位置(1速〜
16速)(シフトアップボタン61及びシフトダウンボ
タン62の押し操作前)が検出される(ステップS2
6)。これにより、回転数N1,N2の差N3及び現在
の変速位置(1速〜16速)に基づいて、図7によりエ
ンジン1に掛かっている負荷Tが算出され(ステップS
27)、この負荷Tに基づいて図4に示すステップS1
2及び図5に示す実線A2の所定低圧P3が設定される
(ステップS28)。
【0047】この場合、図7に示すようにエンジン1の
無負荷時の回転数N1と現在の回転数N2との差N3が
大きいほど、エンジン1に掛かる負荷が大きいと判断さ
れ、図5に示す実線A2の所定低圧P3が高いもの(伝
動状態の作動圧P2に近い側)に設定されるのであり、
逆に差N3が小さいほどエンジン1に掛かる負荷が小さ
いと判断されて、図5に示す実線A2の所定低圧P3が
低いもの(零側)に設定される。図7に示すように、現
在の変速位置が低速側(1速側)であるほど、エンジン
1に掛かる負荷が大きいと判断されて、図5に示す実線
A2の所定低圧P3が高いもの(伝動状態の作動圧P2
に近い側)に設定されるのであり、以上のようにして所
定低圧P3が繰り返して設定され更新されていく(第3
制御手段に相当)。
【0048】アクセルペダル69がある操作位置から高
速側及び低速側に操作された場合(ステップS21)、
アクセルセンサー70の検出値の変化率D(絶対値)が
設定変化率D3以下であれば(ステップS29,S3
0)、ステップS22に移行してエンジン1の無負荷時
の回転数N1の算出(補助演算手段に相当)、エンジン
1の無負荷時の回転数N1と現在の回転数N2との差N
3の検出(検出手段及び牽制手段に相当)が行われて、
所定低圧P3が設定され更新されていく。前述のよう
に、アクセルセンサー70の検出値の変化率D(絶対
値)が設定変化率D3以下であれば、アクセルペダル6
9の操作に遅れることなくエンジン1の回転数N2が追
従してくる。従って、ステップS21,S29,S3
0,S22〜S28のサイクルを繰り返していけば、ア
クセルセンサー70の検出値に対応したエンジン1の無
負荷時の回転数N1が、アクセルセンサー70の検出値
と同じ変化率Dの値として算出されて更新されていく
(補助演算手段に相当)。
【0049】(6)次に、アクセルペダル69がある操
作位置から高速側及び低速側に素早く操作された場合の
所定低圧P3の設定について、図8及び図9により説明
する。図9に示す実線の時点C1までの状態のように、
アクセルペダル69がある操作位置に保持されて、この
操作位置(アクセルセンサー70の検出値)に対応した
エンジン1の無負荷時の回転数N1が算出されていたと
する。この状態で、アクセルペダル69がある操作位置
から操作された場合(時点C1)(ステップS21)、
アクセルセンサー70の検出値の変化率D(絶対値)が
設定変化率D3より大きく(ステップS29,S3
0)、且つ変化率Dが正であれば(ステップS31)、
アクセルペダル69が高速側に素早く操作されたと判断
される。
【0050】この場合、第1設定時間T1(設定時間に
相当)、及び第1変化率D1(その絶対値は前述のアク
セルセンサー70の検出値の変化率Dの絶対値よりも
小)(変化率に相当)が設定される(ステップS3
2)。これにより、図9の一点鎖線に示すようにアクセ
ルペダル69が操作された時点C1から第1設定時間T
1が経過するまでは、アクセルペダル69の操作前に算
出されていたエンジン1の無負荷時の回転数N1が使用
されて(遅延手段に相当)、前項(5)で説明したステ
ップS23〜S28と同様に、エンジン1の無負荷時の
回転数N1と現在の回転数N2との差N3の検出(検出
手段に相当)、及び所定低圧P3の設定が行われる(ス
テップS34〜S35)(第3制御手段に相当)。
【0051】次に第1設定時間T1が経過すると(時点
C2)、前項(5)で説明したステップS23〜S28
と同様に、第1変化率D1に基づいてエンジン1の無負
荷時の回転数N1が繰り返して算出され(演算手段に相
当)、前項(5)で説明したステップS23〜S28と
同様に、エンジン1の無負荷時の回転数N1と現在の回
転数N2との差N3の検出(検出手段に相当)、及び所
定低圧P3の設定が行われる(ステップS34〜S3
5)(第3制御手段に相当)。そして、アクセルペダル
69の操作後の操作位置に対応したエンジン1の無負荷
時の回転数N1に達すると(時点C3)(ステップS3
6)、ステップS21に戻る。
【0052】次に時点C4に示すように、アクセルペダ
ル69がある操作位置から操作された場合(ステップS
21)、アクセルセンサー70の検出値の変化率D(絶
対値)が設定変化率D3より大きく(ステップS29,
S30)、且つ変化率Dが負であれば(ステップS3
1)、アクセルペダル69が低速側に素早く操作された
と判断される。この場合、第2設定時間T2(第1設定
時間T1よりも短い)(設定時間に相当)、及び負の第
2変化率D2(その絶対値は前述のアクセルセンサー7
0の検出値の変化率Dの絶対値よりも小で、第1変化率
D1よりも小)(変化率に相当)が設定される(ステッ
プS33)。
【0053】これにより、図9の一点鎖線に示すように
アクセルペダル69が操作された時点C4から第2設定
時間T2が経過するまでは、アクセルペダル69の操作
前に算出されていたエンジン1の無負荷時の回転数N1
が使用されて(遅延手段に相当)、前項(5)で説明し
たステップS23〜S28と同様に、エンジン1の無負
荷時の回転数N1と現在の回転数N2との差N3の検出
(検出手段に相当)、及び所定低圧P3の設定が行われ
る(ステップS34〜S35)(第3制御手段に相
当)。
【0054】次に第2設定時間T2が経過すると(時点
C5)、前項(5)で説明したステップS23〜S28
と同様に、第2変化率D2に基づいてエンジン1の無負
荷時の回転数N1が繰り返して算出され(演算手段に相
当)、前項(5)で説明したステップS23〜S28と
同様に、エンジン1の無負荷時の回転数N1と現在の回
転数N2との差N3の検出(検出手段に相当)、及び所
定低圧P3の設定が行われる(ステップS34〜S3
5)(第3制御手段に相当)。そして、アクセルペダル
69の操作後の操作位置に対応したエンジン1の無負荷
時の回転数N1に達すると(時点C6)(ステップS3
6)、ステップS21に戻る。
【0055】(7)次に図9の時点C7,C8に示すよ
うに、アクセルペダル69が高速側に素早く操作され、
第1設定時間T1及び第1変化率D1に基づき、エンジ
ン1の無負荷時の回転数N1の算出及び所定低圧P3の
設定が行われている状態において、アクセルペダル69
が再び低速側に素早く操作されたとする(時点C9)。
【0056】この場合、第1変化率D1によって算出さ
れるエンジン1の無負荷時の回転数N1と、アクセルペ
ダル69の操作位置(アクセルペダル69の操作位置に
対応するエンジン1の無負荷時の回転数N1)とが交差
することになるので、この交差した時点C10におい
て、時点C10で算出されたエンジン1の無負荷時の回
転数N1が第2設定時間T2が経過するまで維持され
て、所定低圧P3が設定される。そして、第2設定時間
T2が経過すると(時点C11)、第2変化率D2に基
づいてエンジン1の無負荷時の回転数N1の算出、及び
所定低圧P3の設定が行われていく。
【0057】次に再びアクセルペダル69が高速側に素
早く操作されると、第2変化率D2によって算出される
エンジン1の無負荷時の回転数N1と、アクセルペダル
69の操作位置(アクセルペダル69の操作位置に対応
するエンジン1の無負荷時の回転数N1)とが交差する
ことになるので、この交差した時点C12において、時
点C12で算出されたエンジン1の無負荷時の回転数N
1が第1設定時間T1が経過するまで維持されて、所定
低圧P3が設定される。そして、第1設定時間T1が経
過すると(時点C13)、第1変化率D1に基づいてエ
ンジン1の無負荷時の回転数N1の算出、及び所定低圧
P3の設定が行われていく。
【0058】〔別実施例〕図1に示す構造では主変速装
置10の下手側に、第1副変速装置11の低速クラッチ
26及び高速クラッチ27を並列的に配置しているが、
このような第1副変速装置11を廃止し、この部分に1
個の油圧クラッチを配置して本発明を構成してもよい。
図2に示す構造ではシフトアップボタン61とシフトダ
ウンボタン62とを別々に備えたが、一つの変速スイッ
チ(図示せず)をシフトアップ側及びシフトダウン側に
操作することにより、シフトアップ信号及びシフトダウ
ン信号が発信されるように構成してもよい。
【0059】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケース内の伝動系を示す概略図
【図2】変速レバーと第2副変速装置との連係状態、変
速表示部及び各部の連係状態を示す図
【図3】主変速装置及び第1副変速装置等の油圧回路図
【図4】変速レバーのシフトアップボタン及びシフトダ
ウンボタンによる変速操作の流れを示す図
【図5】変速レバーのシフトアップボタン及びシフトダ
ウンボタンによる変速操作時における各部の状態を示す
【図6】アクセルペダルの停止状態での操作位置とエン
ジンの無負荷時の回転数との関係を示す図
【図7】エンジンの無負荷時の回転数及び現在のエンジ
ンの回転数の差と負荷との関係を示す図
【図8】第2副変速装置の所定低圧(P3)の設定及び
更新の流れを示す図
【図9】操作中でのアクセルペダルの操作位置とエンジ
ンの無負荷時の回転数との関係を示す図
【符号の説明】
1 エンジン 5,6 主クラッチ 10 変速装置 14,19 走行装置 21,22,23,24 変速装置の変速クラ
ッチ 26,27 油圧クラッチ 31b,32b,33b,34b 主変速装置の制御弁 38,39 油圧クラッチの制御
弁 61,62 変速操作具 69 アクセル操作具 70 アクセルセンサー 72 回転数センサー N1 エンジンの無負荷時
の回転数 N2 現在のエンジンの回
転数 N3 回転数の差 D,D1,D2 変化率 D3 設定変化率 T1,T2 設定時間 P3 油圧クラッチの所定
低圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/26 - 61/36 F16H 63/00 - 63/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)からの動力を主クラッチ
    (5),(6)、変速装置(10)及び多板式の油圧ク
    ラッチ(26),(27)にこの順序で伝達し変速操作
    して、下手側の走行装置(14),(19)に伝達する
    ように構成し、 前記変速装置(10)を、複数個の多板油圧式の変速ク
    ラッチ(21),(22),(23),(24)を並列
    的に配置し、前記複数の変速クラッチ(21),(2
    2),(23),(24)のうちの一つに作動油を供給
    して伝動側に操作することにより変速操作する型式に構
    成して、 前記変速装置(10)の各変速クラッチ(21),(2
    2),(23),(24)に作動油の給排操作を行う制
    御弁(31b),(32b),(33b),(34b)
    と、前記変速装置(10)の下手側の油圧クラッチ(2
    6),(27)に作動油を供給してこれを伝動側に操作
    する制御弁(38),(39)と、人為的な操作に基づ
    いて前記変速装置(10)用の変速指令を発信する変速
    操作具(61),(62)とを備え、 前記変速操作具(61),(62)からの変速指令に基
    づいて、前記変速指令の発信前から作動油の供給側に操
    作されている変速装置(10)の制御弁(31b),
    (32b),(33b),(34b)を排油側に操作
    し、前記変速指令に対応する変速装置(10)の制御弁
    (31b),(32b),(33b),(34b)を作
    動油の供給側に操作する第1制御手段と、 前記変速操作具(61),(62)からの変速指令に基
    づいて、前記変速装置(10)の下手側の油圧クラッチ
    (26),(27)の制御弁(38),(39)を作動
    油の排油側に操作して、前記油圧クラッチ(26),
    (27)の作動圧を所定低圧(P3)にまで減圧操作
    し、前記油圧クラッチ(26),(27)の制御弁(3
    8),(39)を再び作動油の供給側に漸次的に操作す
    る第2制御手段とを備えると共に、 前記エンジン(1)の回転数を検出する回転数センサー
    (72)と、前記エンジン(1)のアクセル位置を人為
    的に変更操作するアクセル操作具(69)と、前記エン
    ジン(1)のアクセル位置を検出するアクセルセンサー
    (70)と、 前記アクセルセンサー(70)の検出値が設定変化率
    (D3)よりも大きい変化率(D)で変化し始めると、
    前記アクセルセンサー(70)の検出値に対応したエン
    ジン(1)の無負荷時の回転数(N1)を、前記アクセ
    ルセンサー(70)の検出値の変化率(D)よりも小さ
    い変化率(D1),(D2)の値として算出する演算手
    段と、 前記演算手段により算出されたエンジン(1)の無負荷
    時の回転数(N1)と、前記回転数センサー(72)に
    より検出された現在のエンジン(1)の回転数(N2)
    との差(N3)を検出する検出手段とを備え、 前記検出手段で検出される回転数の差(N3)が大きく
    なるほど、前記第2制御手段により減圧操作される前記
    変速装置(10)の下手側の油圧クラッチ(26),
    (27)の所定低圧(P3)を、高圧側に設定変更する
    第3制御手段を備えてある作業車の走行変速構造。
  2. 【請求項2】 前記アクセルセンサー(70)の検出値
    が設定変化率(D3)よりも大きい変化率(D)で変化
    し始めると、変化の開始時点から設定時間(T1),
    (T2)の経過後に、エンジン(1)の無負荷時の回転
    数(N1)の算出を開始するように、前記演算手段を作
    動させる遅延手段を備えてある請求項1記載の作業車の
    走行変速構造。
  3. 【請求項3】 前記アクセルセンサー(70)の検出値
    に対応したエンジン(1)の無負荷時の回転数(N1)
    を、前記アクセルセンサー(70)の検出値の変化率
    (D)と同じ変化率の値として算出する補助演算手段を
    備え、 前記アクセルセンサー(70)の検出値が設定変化率
    (D3)以下の変化率(D)で変化し始めると、前記補
    助演算手段により算出されたエンジン(1)の無負荷時
    の回転数(N1)と、前記回転数センサー(72)によ
    り検出された現在のエンジン(1)の回転数(N2)と
    の差(N3)を検出するように、前記検出手段を作動さ
    せる牽制手段を備えてある請求項1又は2記載の作業車
    の走行変速構造。
  4. 【請求項4】 前記検出手段による回転数の差(N3)
    の検出、前記第3制御手段による前記所定低圧(P3)
    の設定変更、及び前記第2制御手段による前記所定低圧
    (P3)に基づいた変速装置(10)の下手側の油圧ク
    ラッチ(26),(27)の減圧操作を、前記第1制御
    手段による操作終了の手前付近にまで継続して行うよう
    に構成してある請求項1又は2又は3のうちのいずれか
    一つに記載の作業車の走行変速構造。
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