JP3719992B2 - 作業車の走行伝動構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は走行用として複数段に変速可能な変速装置を備えた作業車において、エンジンと変速装置との間に摩擦多板式の前進クラッチ及び後進クラッチを並列的に配置した前後進切換装置を主クラッチとして機能させる作業車の走行伝動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
前述のように摩擦多板式の前後進切換装置を主クラッチとして使用するのは、主クラッチをエンジンから離して配置する必要のある場合や、主クラッチの小径化を図る必要のある場合に対応する為である。
この場合、前後進切換装置を中立位置に操作することにより、機体を停止させることができるのであるが、摩擦多板式の前後進切換装置ではこれを中立位置に操作しても、エンジンの動力が完全に遮断されると言う状態は少なく、いわゆる摩擦板の連れ回り現象が生じて、エンジンの動力が前後進切換装置から少しずつ下手側に流れ、前後進切換装置を中立位置(伝動遮断側)に操作していても、機体がゆっくりと移動するような現象の生じることがある。
【0003】
そこで、例えば実開平4‐54339号公報に開示されているように、伝動クラッチを伝動遮断側に操作すると、伝動クラッチにおける下手側の摩擦ブレーキディスク(前記公報の第1図中の24)が、固定の摩擦ブレーキ板(前記公報の第1図中の25)に押圧されて、摩擦ブレーキディスクと摩擦ブレーキ板との摩擦作用により、伝動クラッチの下手側の部材を止めて、エンジンの動力が下手側に流れないように構成しているものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように伝動クラッチを伝動遮断側に操作した際に、摩擦作用によってエンジンの動力が下手側に流れないようにする構成では、長期間の使用により摩擦ブレーキディスク及び摩擦ブレーキ板の磨耗が大きくなったり、摩擦ブレーキディスクの摩擦ブレーキ板への押圧力が小さくなったりすると、伝動クラッチにおいてエンジンの動力を完全に遮断することができずに、エンジンの動力がどうしても伝動クラッチから下手側に流れてしまうような状態になることがある。
このような状態において、特に下手側の変速装置が低速側に変速操作されていると、エンジンの弱い動力が伝動クラッチから流れてきた際に、機体がゆっくりと移動するおそれがある。
【0005】
以上のようにエンジンと変速装置との間に伝動クラッチを配置する構成に代えて、摩擦多板式の前進クラッチ及び後進クラッチを並列的に配置した前後進切換装置を、エンジンと変速装置との間に配置した作業車もある。
これにより、前後進切換装置において前進クラッチを伝動側に操作すると機体は前進し、後進クラッチを伝動側に操作すると機体は後進するのであり、前進及び後進クラッチの両方が伝動遮断側に操作される中立位置に、前後進切換装置を切換操作すると、前述の伝動クラッチを伝動遮断側に操作した場合と同様に機体を停止させることができる。
しかしながら、このような前後進切換装置に対して前述のような摩擦ブレーキディスク及び摩擦ブレーキ板を備えて、前後進切換装置を中立位置に切換操作した際に、エンジンの動力が前後進切換装置から下手側に流れないように構成することも考えられるが、前述の伝動クラッチの場合と同様に、エンジンの弱い動力が前後進切換装置から流れて、機体がゆっくりと移動するおそれがある。
【0006】
本発明は、エンジンの動力を摩擦多板式の前進クラッチ及び後進クラッチを並列的に配置した前後進切換装置から、複数段に変速可能な変速装置を介して走行装置に伝達するように構成した作業車の走行伝動構造において、前後進切換装置を中立位置に切換操作した際に、機体を確実に停止させることができるようにすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔I〕
請求項1の特徴によれば、前進及び後進クラッチの両方が伝動遮断側に操作される中立位置に前後進切換装置が操作されると、前後進切換装置の下手側の変速装置において、伝動比の異なる複数の変速位置が共に自動的に伝動状態に操作される。
以上のように複数段に変速可能な変速装置において伝動比の異なる複数の変速位置が共に伝動状態に操作されると、伝動比の異なる複数の動力が一つの変速装置内を同時に流れようとして、いわゆる二重伝動状態(多重伝動状態)となり、前述の伝動比の異なる複数の動力が互いに伝動比を合わせようと抑え合って、変速装置において動力が全く流れない状態となる。
【0008】
請求項1の特徴によると、従来の技術のように摩擦作用によってエンジンの動力を遮断するのではなく、変速装置の二重伝動状態(多重伝動状態)により、エンジンの動力を遮断するので、磨耗等に関係なくエンジンの動力を確実に遮断できる。
【0009】
〔II〕
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項〔I〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項2の特徴のように、エンジンの動力を摩擦多板式の前後進切換装置、複数段に変速可能な主変速装置及び副変速装置に伝達するように構成すると、前後進切換装置が中立位置に切換操作された際に、エンジンの弱い動力が前後進切換装置から主及び副変速装置に流れても、機体の重量や伝動系の機械的な抵抗により機体は移動しないが、この状態で副変速装置が低速側に変速操作されていると、前述の機体の重量や伝動系の機械的な抵抗に打ち勝って、機体がゆっくりと移動することがある。
【0010】
請求項2の特徴によれば、副変速装置が低速側に変速操作された状態で前後進切換装置が中立位置に切換操作されると、前項〔I〕の記載と同様に主変速装置が自動的に二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されて、エンジンの動力が確実に遮断される。この場合、副変速装置が低速側に変速操作されていないと言う不必要と思われる状態では、前後進切換装置が中立位置に切換操作されても、主変速装置は二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されない。
【0011】
〔III〕
請求項1,2の特徴によると、前項〔I〕又は〔II〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項1,2の特徴のように、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されると、エンジンの動力が遮断されると同時に、走行装置(走行用の車輪等)から変速装置(主変速装置)に伝えられる回転も止められて、走行装置が停止状態にロックされたような状態になる。これにより、走行中に前後進切換装置を中立位置に切換操作した際に、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されると、機体に急制動が掛けられた状態になりショックの生じることがある。
【0012】
請求項1,2の特徴によると、後進切換装置を中立位置に切換操作した際に、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されると、変速装置(主変速装置)の下手側の伝動遮断装置が自動的に伝動遮断状態に切換操作される。従って、前後進切換装置を中立位置に切換操作した際に、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されても、走行装置は自由に回転できる状態となるので、機体に急制動が掛かるようなことはない。
【0013】
〔IV〕
請求項3の特徴によると、請求項1または2の場合と同様に前項〔I〕又は〔II〕又は〔III〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前後進切換装置を備えた作業車においては、前後進切換装置を前進位置及び後進位置に交互に切換操作して、前進及び後進を繰り返しながら作業を行うような場合がある。この場合、前進位置と後進位置との間に中立位置が在るので、前述のような前進位置及び後進位置に交互に切換操作すると、途中で通過する中立位置において、前述のように変速装置(主変速装置)が不必要に二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されてしまう。
【0014】
請求項3の特徴によると、前後進切換装置を前進位置又は後進位置から中立位置に切換操作して、この中立位置が設定時間以上に保持されると言うように、本当に機体を停止させる場合にのみ、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作される。
【0015】
【発明の実施の形態】
(1)
図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラクタのミッションケース8内を示しており、エンジン1からの動力が伝動軸2及び油圧摩擦多板式のPTOクラッチ3を介して、PTO軸4に伝達される。エンジン1からの動力が前進クラッチ5又は後進クラッチ6、円筒軸7、第1主変速装置10、第2主変速装置11、第1副変速装置12、第2副変速装置63及び後輪デフ装置13を介して左右の後輪14に伝達される。後輪デフ装置13の直前から分岐した動力が、伝動軸15、油圧クラッチ型式の前輪変速装置16、前輪伝動軸17及び前輪デフ装置18を介して左右の前輪19に伝達される。
【0016】
前進クラッチ5及び後進クラッチ6は、摩擦板(図示せず)とピストン(図示せず)とを組み合わせた湿式油圧摩擦多板式で、作動油を供給することにより伝動側に操作される。前進クラッチ5を伝動側に操作すると、エンジン1の動力が前進クラッチ5から円筒軸7に直接流れて機体は前進する。後進クラッチ6を伝動側に操作すると、エンジン1の動力が後進クラッチ6及び伝動軸20を介して逆転状態で円筒軸7に伝達されて機体は後進する。
【0017】
第1主変速装置10は4個の湿式油圧摩擦多板式の1速クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23及び4速クラッチ24を並列的に配置した油圧クラッチ型式に構成されて4段に変速可能であり、1速〜4速クラッチ21〜24のうちの一つを伝動側に操作することにより、エンジン1側の円筒軸7からの動力が4段に変速操作されて下手側の伝動軸25に伝達される。
【0018】
第2主変速装置11も2個の湿式油圧摩擦多板式の低速クラッチ26及び高速クラッチ27を並列的に配置した油圧クラッチ型式に構成されており、低速及び高速クラッチ26,27の一方を伝動側に操作することにより、第1主変速装置10側の伝動軸25からの動力が2段に変速操作されて下手側の第1副変速装置12に伝達される。
第1副変速装置12はシフト部材53をスライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて高低2段に変速可能であり、図2に示す変速レバー28によって機械的に変速操作される。第2副変速装置63も同様に、シフト部材68をスライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて高低2段に変速可能であり、図2に示す変速レバー69によって機械的に変速操作される。
【0019】
(2)
次に前進及び後進クラッチ5,6、第1及び第2主変速装置10,11等用の油圧回路について説明する。
図3に示すようにポンプ29からの油路30に、前進及び後進クラッチ5,6に対する電磁比例弁35及びパイロット操作式の切換弁36a,37a、第1主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜24に対するパイロット操作式の切換弁31a,32a,33a,34a、第2主変速装置11の低速及び高速クラッチ26,27に対する電磁比例弁38,39が並列的に接続されている。
【0020】
油路30から分岐した油路40に、前輪デフ装置18におけるデフロック操作用の油圧クラッチ41に対するパイロット操作式の切換弁42a、後輪デフ装置13におけるデフロック操作用の油圧クラッチ43に対するパイロット操作式の切換弁44a、前輪変速装置16の標準クラッチ45及び増速クラッチ46(図1参照)に対するパイロット操作式の切換弁47a,48aが並列的に接続されている。各切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,47a,48aは、バネで排油側(伝動遮断側)に付勢されており、後述するようにパイロット作動油が供給されることで供給側(伝動側)に操作される。
【0021】
油路30から減圧弁49を介してパイロット油路50が分岐して、このパイロット油路50が切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,47a,48aの操作部に接続されており、各操作部に電磁操作弁31b,32b,33b,34b,36b,37b,42b,44b,47b,48bが接続されている。各電磁操作弁31b〜34b,36b,37b,42b,44b,47b,48bは、バネで排油側(伝動遮断側)に付勢されており、これらを電気的に供給側に操作すると、パイロット作動油が切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,47a,48aの操作部に供給されて、これらが供給側(伝動側)に操作される。
【0022】
(3)
次に、前進及び後進クラッチ5,6、第1及び第2主変速装置10,11等の操作部の構成について説明する。
図3及び図2に示すように前進及び後進クラッチ5,6の切換弁36a,37aの操作部からパイロット作動油を排油可能な開閉弁51が備えられ、開閉弁51がバネで閉側に付勢されており、開閉弁51を機械的に開側に操作するクラッチペダル52が備えられている。前輪19の操縦ハンドル58の基部に、中立位置N、前進位置F及び後進位置Rの3位置に操作自在で、電気的な中立信号、前進信号及び後進信号を発信する前後進レバー59が備えられている。
【0023】
図2に示すように、機体の操縦部の横軸芯周りに変速レバー28が揺動操作自在に支持されて、第1副変速装置12(図1参照)のシフト部材53をスライド操作するシフトフォーク54と変速レバー28とが、連係機構55により機械的に連動連結されており、変速レバー28を中立停止位置N、低速位置L及び高速位置Hの3位置に操作して第1副変速装置12を変速操作する。変速レバー28の操作位置を検出する位置センサー9が備えられている。
【0024】
変速レバー28の横側部に出退操作自在なロックピン56が備えられて、ロックピン56を出退操作する操作ボタン57が変速レバー28の上部に備えられている。ロックピン56はバネ(図示せず)により突出側に付勢されており(操作ボタン57も紙面左方の突出側に付勢されている)、固定側のガイド板60にロックピン56を係合させることにより、変速レバー28を中立停止位置N、低速位置L及び高速位置Hの各々で保持する。操作ボタン57を押し操作するとロックピン56が退入操作されて、変速レバー28を中立停止位置N、低速位置L及び高速位置Hに操作できる。
【0025】
変速レバー28の左横側面に、シフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62が上下に配置されており、後述するようにシフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62を一度押し操作すると、一つのシフトアップ信号及びシフトダウン信号が発信されて、図1に示す第1及び第2主変速装置10,11の変速操作が行われる。
【0026】
図2に示すように、第1及び第2主変速装置10,11の変速位置(1速〜8速)を表示する7セグメントの変速表示部64、前後進レバー59により前進及び後進クラッチ5,6のどちらが伝動側に操作されているかを表示する前進ランプ65及び後進ランプ66、変速レバー28が中立停止位置Nに操作されていることを示す中立停止ランプ67が操縦部に備えられている。図3に示すように、前進及び後進クラッチ5,6の作動圧が伝動状態の所定圧に達しているか否かを検出する圧力センサー74が備えられており、圧力センサー74の検出により前進及び後進ランプ65,66を点灯させる。
【0027】
(4)
次に、変速レバー28のシフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62による変速操作について、図4に基づいて説明する。
図1に示すように第1主変速装置10が4段に変速可能で、第2主変速装置11が2段に変速可能であるから、第1及び第2主変速装置10,11により8段の変速が可能である。この場合、第2主変速装置11の低速クラッチ26が伝動側に操作されている状態で、第1主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜24が1速〜4速の変速位置に対応するのであり、第2主変速装置11の高速クラッチ27が伝動側に操作されている状態で、第1主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜24が5速〜8速の変速位置に対応する。
【0028】
図3に示すように第1主変速装置10の1速〜4速クラッチ21〜24、第2主変速装置11の低速及び高速クラッチ26,27の各々に、作動圧が伝動状態の所定圧に達しているか否かを検出する圧力センサー74が備えられており、各圧力センサー74の検出により現在の第1及び第2主変速装置10,11の変速位置(1速〜8速)が検出されて、この検出された変速位置が変速表示部64に表示される(ステップS7)。
【0029】
以上の状態で、変速レバー28のシフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62を一度押し操作したとする(ステップS8,S9)。この場合、図6の実線A1(時点B1)に示すように、シフトアップボタン61を押し操作した場合には、現在の変速位置よりも1段高速側の変速位置における第1主変速装置10用の電磁操作弁31b〜34bに対して操作電流が供給され始め、逆にシフトダウンボタン62を押し操作した場合には、現在の変速位置よりも1段低速側の変速位置における第1主変速装置10用の電磁操作弁31b〜34bに対して操作電流が供給され始める(ステップS10)。
【0030】
これと同時に図6の実線A2(時点B1)に示すように、第2主変速装置11において伝動側に操作されている低速又は高速クラッチ26,27の電磁比例弁38,39により、伝動側に操作されている低速又は高速クラッチ26,27の作動圧が伝動状態の作動圧P2から、所定低圧P3にまで減圧操作される(ステップS11)。
この場合、4速の変速位置から5速の変速位置への変速操作時には第2主変速装置11の低速クラッチ26の作動圧が零にまで落とされ、高速クラッチ27の作動圧が零から所定低圧P3にまで上昇操作される。逆に5速の変速位置から4速の変速位置への変速操作時には、第2主変速装置11の高速クラッチ27の作動圧が零にまで落とされ、低速クラッチ26の作動圧が零から所定低圧P3にまで上昇操作される。
【0031】
そして、図6の実線A1(時点B2から時点B3)に示すように、第1主変速装置10における1段高速側又は1段低速側の1速〜4速クラッチ21〜24の作動圧が、電磁操作弁31b〜34bにより伝動状態の作動圧P1にまで上昇操作される。これと同時に、図6の一点鎖線A3(時点B2から時点B3)に示すように、第1主変速装置10におけるシフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62の押し操作前の1速〜4速クラッチ21〜24の作動圧が、電磁操作弁31b〜34bにより伝動状態の作動圧P1から零にまで下降操作される(ステップS12)。
【0032】
次に、所定低圧P3に維持されていた第2主変速装置11の低速又は高速クラッチ26,27の作動圧が、図6の実線A2(時点B3から時点B4)に示すように、電磁比例弁38,39により漸次的に上昇操作されていき、低速又は高速クラッチ26,27の作動圧が伝動状態の作動圧P2に達する(ステップS13)。この場合、図6に示す実線A2の時点B3から時点B4において、低速又は高速クラッチ26,27の作動圧の上昇特性が各変速位置に対して設定されており、低速側(1速側)の変速位置ほど、時点B3から時点B4の作動圧が短時間で急上昇操作される。
【0033】
以上のようにして、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62の押し操作による1回の変速操作を終了するのであり、変速操作が終了すると変速操作後の変速位置が変速表示部64に表示され(ステップS14)、ブザー71が1回だけ作動して変速操作の終了が作業者に報知される(ステップS15)。以上のような変速操作は、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62を押し続けていても連続的に行われることはなく、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62を一度戻し操作して再び押し操作しないと、次の一回の変速操作は行われない。
【0034】
(5)
次に前後進レバー59による前後進の切換操作、及び変速レバー28による第1副変速装置12に変速操作について説明する。
図4に示すように、図2に示す前後進レバー59が前進位置Fに操作されると(ステップS1)、図3に示す電磁操作弁36bに操作電流が供給され(ステップS2)、切換弁36aが供給側に操作されて前進クラッチ5に作動油が供給され、前進クラッチ5が伝動側に操作されて前進ランプ65が点灯する(ステップS3)。逆に前後進レバー59が後進位置Rに操作されると(ステップS1)、図3に示す電磁操作弁37bに操作電流が供給され(ステップS4)、切換弁37aが供給側に操作されて後進クラッチ6に作動油が供給され、後進クラッチ6が伝動側に操作されて後進ランプ66が点灯し(ステップS5)、ブザー71が間欠的に作動する(ステップS6)。
【0035】
例えば前後進レバー59を前進位置Fに操作し(前進クラッチ5が伝動側に操作され、後進クラッチ6が伝動遮断側に操作されている状態)、変速レバー28を低速位置Lに操作している状態において(操作ボタン57及びロックピン56により変速レバー28を低速位置Lに保持している状態)、操作ボタン57を押し操作してロックピン56をガイド板60から下方に退入操作すると、図3に示す電磁操作弁36bにより切換弁36aが排油側に操作されて、前進クラッチ5が伝動遮断側に自動的に操作される。
【0036】
これにより、操作ボタン57を押し操作した状態で変速レバー28を低速位置Lから中立停止位置N又は高速位置Hに操作し、操作ボタン57を戻し操作してロックピン56により変速レバー28を中立停止位置N又は高速位置Hに保持する。
この場合、中立停止位置Nにおいて操作ボタン57を戻し操作すると、電磁操作弁36bにより切換弁36aが供給側に操作されて、電磁比例弁35により前進クラッチ5が直ちに伝動側に自動的に操作される。高速位置Hにおいて操作ボタン57を戻し操作すると、電磁操作弁36bにより切換弁36aが供給側に操作されて、電磁比例弁35により前進クラッチ5が漸次的に伝動側に自動的に操作される。
【0037】
前後進レバー59を後進位置Rに操作した状態において(後進クラッチ6が伝動側に操作され、前進クラッチ5が伝動遮断側に操作されている状態)、前述のように変速レバー28の操作ボタン57を押し及び戻し操作すると、後進クラッチ6が自動的に伝動遮断側及び伝動側に操作される。
【0038】
(6)
次に前後進レバー59を中立位置Nに操作した場合について、図5に基づいて説明する。
前後進レバー59が中立位置Nに操作されると(図4のステップS1)、前進及び後進クラッチ5,6の両方の電磁操作弁36b,37bの操作電流が遮断されて(ステップS16)、前進及び後進クラッチ5,6から作動油が排出され、前進及び後進クラッチ5,6の両方が伝動遮断側に操作されて、中立停止ランプ67が点灯する(ステップS17)。
【0039】
この場合、タイマーのカウントが開始されて(ステップS18)、設定時間Tが経過するまでに(ステップS20)、前後進レバー59が中立位置Nから前進位置F又は後進位置Rに操作されると、ステップS19から図4のステップS1に移行する(例えば前後進レバー59を前進位置Fから後進位置R、又は後進位置Rから前進位置Fに一気に操作した際に、途中で中立位置Nを通過するような状態)。
【0040】
逆に前後進レバー59が中立位置Nに操作されてから、前後進レバー59が設定時間T以上に亘って中立位置Nに操作された状態のままであったとする(ステップS18,S19,S20)。
この場合、図1に示す第2副変速装置63が低速位置Lに操作されていると(図2に示すように、第2副変速装置63の変速レバー69が低速位置Lに操作されていることを検出するリミットスイッチ70による)(ステップS21)、図3に示す電磁操作弁31b,34bの両方に操作電流が供給されて、電磁操作弁31b,34bの両方が供給側に操作され、図1に示す第1主変速装置10の1速クラッチ21及び4速クラッチ24の両方が伝動側に操作される(ステップS22)。
【0041】
これと同時に、図3に示す電磁比例弁38,39の両方の操作電流が遮断されて、図1に示す第2主変速装11の低速クラッチ26及び高速クラッチ27の両方が伝動遮断側に操作される(ステップS23)。以上のように、第2主変速装11の低速クラッチ26及び高速クラッチ27の両方が伝動遮断側に操作されると、前輪19及び後輪14が自由に回転できる状態になるので、前後進レバー59を中立位置Nに操作した際に機体が慣性でまだ走行している場合には、ブレーキペダル(図示せず)を踏み操作し前輪19及び後輪14に制動を掛けて、機体を停止させればよい。
【0042】
前述の状態において前後進レバー59が中立位置Nから前進位置F又は後進位置Rに操作されたり(ステップS24)、第2副変速装置63が低速位置Lから高速位置Hに変速操作されると(ステップS25)、第1及び第2主変速装置10,11が、元の変速位置(前後進レバー59を中立位置Nに操作する直前の変速位置)に自動的に復帰操作されて(ステップS26)、図4のステップS1に移行する。
【0043】
〔発明の実施の別形態〕
図5に示すステップS22において、第1主変速装置10の1速クラッチ21及び4速クラッチ24の両方が伝動側に操作されるのではなく、2速クラッチ22及び3速クラッチ23の両方が伝動側に操作されるように構成してもよく、1速,2速及び3速クラッチ21,22,23の3つが伝動側に操作されるように構成してもよい。
【0044】
図1に示す第1及び第2主変速装置10,11を10段や6段に変速可能に構成したり、第1及び第2主変速装置10,11を第1副変速装置12のようにシフト部材をスライド操作するギヤ変速型式に構成し、このシフト部材を油圧シリンダによりスライド操作して変速操作するように構成してもよい。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、エンジンの動力を摩擦多板式の前進クラッチ及び後進クラッチを並列的に配置した前後進切換装置から、複数段に変速可能な変速装置を介して走行装置に伝達するように構成した作業車の走行伝動構造において、前後進切換装置を中立位置に切換操作した際に、変速装置を二重伝動状態(多重伝動状態)に操作することより、エンジンの動力を確実に遮断して、機体を確実に停止させることができるようになり、作業車の安定性を向上させることができた。
摩擦作用によってエンジンの動力を遮断するのではなく、変速装置の二重伝動状態(多重伝動状態)により、磨耗等に関係なくエンジンの動力を確実に遮断できるので、作業車の安定性をさらに向上させることができた。
【0046】
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、前後進切換装置が中立位置に切換操作された際に、副変速装置が低速側に変速操作されていると言う必要な場合にのみ、主変速装置が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されるので、主変速装置を二重伝動状態(多重伝動状態)に操作するための動力や電力の節約と言う面で有利である。
【0047】
請求項1,2の特徴によると、走行中に前後進切換装置を中立位置に切換操作した際において、変速装置(主変速装置)の下手側の伝動遮断装置が自動的に伝動遮断状態に切換操作されるので、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作された際に機体に急制動が掛かる状態を未然に回避できるようになり、作業車の乗り心地を向上させることができた。
【0048】
請求項3の特徴によると、請求項1または2の場合と同様に請求項1または2の「発明の効果」を備えている。
請求項3の特徴によると、前後進切換装置が前進位置又は後進位置から中立位置に切換操作され、この中立位置が設定時間以上に保持されると言うような本当に機体を停止させる場合にのみ、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されるので、主変速装置を二重伝動状態(多重伝動状態)に操作するための動力や電力の節約と言う面で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ミッションケース内の伝動系を示す概略図
【図2】 変速レバーと副変速装置との連係状態、変速表示部及び各部の連係状態を示す図
【図3】 第1及び第2主変速装置等の油圧回路図
【図4】 前後進レバーによる前進位置及び後進位置への切換操作、変速レバーのシフトアップボタン及びシフトダウンボタンによる変速操作の流れを示す図
【図5】 前後進レバーを中立位置に切換操作した際の流れを示す図
【図6】 変速レバーのシフトアップボタン及びシフトダウンボタンによる変速操作時における各部の状態を示す図
【符号の説明】
1 エンジン
5 伝動クラッチ、前進クラッチ
6 伝動クラッチ、後進クラッチ
10 変速装置、主変速装置
11 伝動切換装置
14,19 走行装置
63 副変速装置
F 前後進切換装置の前進位置
R 前後進切換装置の後進位置
N 前後進切換装置の中立位置
T 設定時間

Claims (3)

  1. エンジン(1)の動力を、摩擦多板式の前進クラッチ(5)及び後進クラッチ(6)を並列的に配置した前後進切換装置から、複数段に変速可能な変速装置(10)を介して、走行装置(14)、(19)に伝達するように構成し、
    前記前後進切換装置が、前記前進及び後進クラッチ(5)、(6)の両方が伝動遮断側に操作される中立位置に切換操作されると、前記変速装置(10)において伝動比の異なる複数の変速位置を共に伝動状態に操作する操作手段を備えるとともに、
    前記変速装置(10)の下手側に、動力の伝動状態及び伝動遮断状態に切換操作自在な伝動切換装置(11)を備えて、
    前記操作手段により前記変速装置(10)における伝動比の異なる複数の変速位置が共に伝動状態に操作されると、前記伝動切換装置(11)を伝動遮断状態に切換操作する補助操作手段を備えてある作業車の走行伝動構造。
  2. エンジン(1)の動力を、摩擦多板式の前進クラッチ(5)及び後進クラッチ(6)を並列的に配置した前後進切換装置から、複数段に変速可能な主変速装置(10)、及び複数段に変速可能な副変速装置(63)を介して、走行装置(14)、(19)に伝達するように構成し、
    前記副変速装置(63)が低速側に変速操作された状態で前記前後進切換装置が、前記前進及び後進クラッチ(5)、(6)の両方が伝動遮断側に操作される中立位置に切換操作されると、前記主変速装置(10)において伝動比の異なる複数の変速位置を共に伝動状態に操作する操作手段を備えるとともに、
    前記主変速装置(10)の下手側で且つ前記副変速装置(63)の上手側に、動力の伝動状態及び伝動遮断状態に切換操作自在な伝動切換装置(11)を備えて、
    前記操作手段により前記主変速装置(10)における伝動比の異なる複数の変速位置が共に伝動状態に操作されると、前記伝動切換装置(11)を伝動遮断状態に切換操作する補助操作手段を備えてある作業車の走行伝動構造。
  3. 前記前後進切換装置が前進位置又は後進位置から前記中立位置に切換操作されてから、設定時間以上に亘って前記前後進切換装置が前記中立位置に保持されると、前記操作手段の作動を許す牽制手段を備えてある請求項1または2に記載の作業車の走行伝動構造。
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