JP3370231B2 - 作業車の走行伝動構造 - Google Patents

作業車の走行伝動構造

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JP3370231B2
JP3370231B2 JP11998496A JP11998496A JP3370231B2 JP 3370231 B2 JP3370231 B2 JP 3370231B2 JP 11998496 A JP11998496 A JP 11998496A JP 11998496 A JP11998496 A JP 11998496A JP 3370231 B2 JP3370231 B2 JP 3370231B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走行用として複数段
に変速可能な変速装置を備えた作業車において、エンジ
ンと変速装置との間に摩擦多板式の伝動クラッチを主ク
ラッチとして配置した作業車の走行伝動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】前述のように摩擦多板式の伝動クラッチ
を主クラッチをとして使用するのは、主クラッチをエン
ジンから離して配置する必要のある場合や、主クラッチ
の小径化を図る必要のある場合に対応する為である。こ
の場合、伝動クラッチを伝動遮断側に操作することによ
り、機体を停止させることができるのであるが、摩擦多
板式の伝動クラッチではこれを伝動遮断側に操作して
も、エンジンの動力が完全に遮断されると言う状態は少
なく、いわゆる摩擦板の連れ回り現象が生じて、エンジ
ンの動力が伝動クラッチから少しずつ下手側に流れ、伝
動クラッチを伝動遮断側に操作していても、機体がゆっ
くりと移動するような現象の生じることがある。
【0003】そこで、例えば実開平4‐54339号公
報に開示されているように、伝動クラッチを伝動遮断側
に操作すると、伝動クラッチにおける下手側の摩擦ブレ
ーキディスク(前記公報の第1図中の24)が、固定の
摩擦ブレーキ板(前記公報の第1図中の25)に押圧さ
れて、摩擦ブレーキディスクと摩擦ブレーキ板との摩擦
作用により、伝動クラッチの下手側の部材を止めて、エ
ンジンの動力が下手側に流れないように構成しているも
のがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように伝動クラ
ッチを伝動遮断側に操作した際に、摩擦作用によってエ
ンジンの動力が下手側に流れないようにする構成では、
長期間の使用により摩擦ブレーキディスク及び摩擦ブレ
ーキ板の磨耗が大きくなったり、摩擦ブレーキディスク
の摩擦ブレーキ板への押圧力が小さくなったりすると、
伝動クラッチにおいてエンジンの動力を完全に遮断する
ことができずに、エンジンの動力がどうしても伝動クラ
ッチから下手側に流れてしまうような状態になることが
ある。このような状態において、特に下手側の変速装置
が低速側に変速操作されていると、エンジンの弱い動力
が伝動クラッチから流れてきた際に、機体がゆっくりと
移動するおそれがある。
【0005】本発明は、エンジンの動力を摩擦多板式の
伝動クラッチから、複数段に変速可能な変速装置を介し
て走行装置に伝達するように構成した作業車の走行伝動
構造において、伝動クラッチを伝動遮断側に操作した際
に、機体を確実に停止させることができるようにするこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔I〕 請求項1の特徴によれば、伝動クラッチが伝動遮断側に
操作されると、伝動クラッチの下手側の変速装置におい
て、伝動比の異なる複数の変速位置が共に自動的に伝動
状態に操作される。以上のように複数段に変速可能な変
速装置において伝動比の異なる複数の変速位置が共に伝
動状態に操作されると、伝動比の異なる複数の動力が一
つの変速装置内を同時に流れようとして、いわゆる二重
伝動状態(多重伝動状態)となり、前述の伝動比の異な
る複数の動力が互いに伝動比を合わせようと抑え合っ
て、変速装置において動力が全く流れない状態となる。
【0007】請求項1の特徴によると、従来の技術のよ
うに摩擦作用によってエンジンの動力を遮断するのでは
なく、変速装置の二重伝動状態(多重伝動状態)によ
り、エンジンの動力を遮断するので、磨耗等に関係なく
エンジンの動力を確実に遮断できる。
【0008】〔II〕 請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項
〔I〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以
下のような「作用」を備えている。請求項2の特徴のよ
うに、エンジンの動力を摩擦多板式の伝動クラッチ、複
数段に変速可能な主変速装置及び副変速装置に伝達する
ように構成すると、伝動クラッチが伝動遮断側に操作さ
れた際に、エンジンの弱い動力が伝動クラッチから主及
び副変速装置に流れても、機体の重量や伝動系の機械的
な抵抗により機体は移動しないが、この状態で副変速装
置が低速側に変速操作されていると、前述の機体の重量
や伝動系の機械的な抵抗に打ち勝って、機体がゆっくり
と移動することがある。
【0009】請求項2の特徴によれば、副変速装置が低
速側に変速操作された状態で伝動クラッチが伝動遮断側
に操作されると、前項〔I〕の記載と同様に主変速装置
が自動的に二重伝動状態(多重伝動状態)に操作され
て、エンジンの動力が確実に遮断される。この場合、副
変速装置が低速側に変速操作されていないと言う不必要
と思われる状態では、伝動クラッチが伝動遮断側に操作
されても、主変速装置は二重伝動状態(多重伝動状態)
に操作されない。
【0010】〔III〕 請求項1,2の特徴によると、前項〔I〕又は〔II〕
に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のよ
うな「作用」を備えている。請求項1,2の特徴のよう
に、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動
状態)に操作されると、エンジンの動力が遮断されると
同時に、走行装置(走行用の車輪等)から変速装置(主
変速装置)に伝えられる回転も止められて、走行装置が
停止状態にロックされたような状態になる。これによ
り、走行中に伝動クラッチを伝動遮断側に操作した際
に、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動
状態)に操作されると、機体に急制動が掛けられた状態
になりショックの生じることがある。
【0011】請求項1,2の特徴によると、伝動クラッ
チを伝動遮断側に操作した際に、変速装置(主変速装
置)が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されると、
変速装置(主変速装置)の下手側の伝動遮断装置が自動
的に伝動遮断状態に切換操作される。従って、伝動クラ
ッチを伝動遮断側に操作した際に、変速装置(主変速装
置)が二重伝動状態(多重伝動状態)に操作されても、
走行装置は自由に回転できる状態となるので、機体に急
制動が掛かるようなことはない。
【0012】
【発明の実施の形態】(1) 図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラクタの
ミッションケース8内を示しており、エンジン1からの
動力が伝動軸2及び油圧摩擦多板式のPTOクラッチ3
を介して、PTO軸4に伝達される。エンジン1からの
動力が前進クラッチ5又は後進クラッチ6、円筒軸7、
第1主変速装置10、第2主変速装置11、第1副変速
装置12、第2副変速装置63及び後輪デフ装置13を
介して左右の後輪14に伝達される。後輪デフ装置13
の直前から分岐した動力が、伝動軸15、油圧クラッチ
型式の前輪変速装置16、前輪伝動軸17及び前輪デフ
装置18を介して左右の前輪19に伝達される。
【0013】前進クラッチ5及び後進クラッチ6は、摩
擦板(図示せず)とピストン(図示せず)とを組み合わ
せた湿式油圧摩擦多板式で、作動油を供給することによ
り伝動側に操作される。前進クラッチ5を伝動側に操作
すると、エンジン1の動力が前進クラッチ5から円筒軸
7に直接流れて機体は前進する。後進クラッチ6を伝動
側に操作すると、エンジン1の動力が後進クラッチ6及
び伝動軸20を介して逆転状態で円筒軸7に伝達されて
機体は後進する。
【0014】第1主変速装置10は4個の湿式油圧摩擦
多板式の1速クラッチ21、2速クラッチ22、3速ク
ラッチ23及び4速クラッチ24を並列的に配置した油
圧クラッチ型式に構成されて4段に変速可能であり、1
速〜4速クラッチ21〜24のうちの一つを伝動側に操
作することにより、エンジン1側の円筒軸7からの動力
が4段に変速操作されて下手側の伝動軸25に伝達され
る。
【0015】第2主変速装置11も2個の湿式油圧摩擦
多板式の低速クラッチ26及び高速クラッチ27を並列
的に配置した油圧クラッチ型式に構成されており、低速
及び高速クラッチ26,27の一方を伝動側に操作する
ことにより、第1主変速装置10側の伝動軸25からの
動力が2段に変速操作されて下手側の第1副変速装置1
2に伝達される。第1副変速装置12はシフト部材53
をスライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて
高低2段に変速可能であり、図2に示す変速レバー28
によって機械的に変速操作される。第2副変速装置63
も同様に、シフト部材68をスライド操作するシンクロ
メッシュ型式に構成されて高低2段に変速可能であり、
図2に示す変速レバー69によって機械的に変速操作さ
れる。
【0016】(2) 次に前進及び後進クラッチ5,6、第1及び第2主変速
装置10,11等用の油圧回路について説明する。図3
に示すようにポンプ29からの油路30に、前進及び後
進クラッチ5,6に対する電磁比例弁35及びパイロッ
ト操作式の切換弁36a,37a、第1主変速装置10
の1速〜4速クラッチ21〜24に対するパイロット操
作式の切換弁31a,32a,33a,34a、第2主
変速装置11の低速及び高速クラッチ26,27に対す
る電磁比例弁38,39が並列的に接続されている。
【0017】油路30から分岐した油路40に、前輪デ
フ装置18におけるデフロック操作用の油圧クラッチ4
1に対するパイロット操作式の切換弁42a、後輪デフ
装置13におけるデフロック操作用の油圧クラッチ43
に対するパイロット操作式の切換弁44a、前輪変速装
置16の標準クラッチ45及び増速クラッチ46(図1
参照)に対するパイロット操作式の切換弁47a,48
aが並列的に接続されている。各切換弁31a〜34
a,36a,37a,42a,44a,47a,48a
は、バネで排油側(伝動遮断側)に付勢されており、後
述するようにパイロット作動油が供給されることで供給
側(伝動側)に操作される。
【0018】油路30から減圧弁49を介してパイロッ
ト油路50が分岐して、このパイロット油路50が切換
弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,
47a,48aの操作部に接続されており、各操作部に
電磁操作弁31b,32b,33b,34b,36b,
37b,42b,44b,47b,48bが接続されて
いる。各電磁操作弁31b〜34b,36b,37b,
42b,44b,47b,48bは、バネで排油側(伝
動遮断側)に付勢されており、これらを電気的に供給側
に操作すると、パイロット作動油が切換弁31a〜34
a,36a,37a,42a,44a,47a,48a
の操作部に供給されて、これらが供給側(伝動側)に操
作される。
【0019】(3) 次に、前進及び後進クラッチ5,6、第1及び第2主変
速装置10,11等の操作部の構成について説明する。
図3及び図2に示すように前進及び後進クラッチ5,6
の切換弁36a,37aの操作部からパイロット作動油
を排油可能な開閉弁51が備えられ、開閉弁51がバネ
で閉側に付勢されており、開閉弁51を機械的に開側に
操作するクラッチペダル52が備えられている。前輪1
9の操縦ハンドル58の基部に、中立位置N、前進位置
F及び後進位置Rの3位置に操作自在で、電気的な中立
信号、前進信号及び後進信号を発信する前後進レバー5
9が備えられている。
【0020】図2に示すように、機体の操縦部の横軸芯
周りに変速レバー28が揺動操作自在に支持されて、第
1副変速装置12(図1参照)のシフト部材53をスラ
イド操作するシフトフォーク54と変速レバー28と
が、連係機構55により機械的に連動連結されており、
変速レバー28を中立停止位置N、低速位置L及び高速
位置Hの3位置に操作して第1副変速装置12を変速操
作する。変速レバー28の操作位置を検出する位置セン
サー9が備えられている。
【0021】変速レバー28の横側部に出退操作自在な
ロックピン56が備えられて、ロックピン56を出退操
作する操作ボタン57が変速レバー28の上部に備えら
れている。ロックピン56はバネ(図示せず)により突
出側に付勢されており(操作ボタン57も紙面左方の突
出側に付勢されている)、固定側のガイド板60にロッ
クピン56を係合させることにより、変速レバー28を
中立停止位置N、低速位置L及び高速位置Hの各々で保
持する。操作ボタン57を押し操作するとロックピン5
6が退入操作されて、変速レバー28を中立停止位置
N、低速位置L及び高速位置Hに操作できる。
【0022】変速レバー28の左横側面に、シフトアッ
プボタン61及びシフトダウンボタン62が上下に配置
されており、後述するようにシフトアップボタン61及
びシフトダウンボタン62を一度押し操作すると、一つ
のシフトアップ信号及びシフトダウン信号が発信され
て、図1に示す第1及び第2主変速装置10,11の変
速操作が行われる。
【0023】図2に示すように、第1及び第2主変速装
置10,11の変速位置(1速〜8速)を表示する7セ
グメントの変速表示部64、前後進レバー59により前
進及び後進クラッチ5,6のどちらが伝動側に操作され
ているかを表示する前進ランプ65及び後進ランプ6
6、変速レバー28が中立停止位置Nに操作されている
ことを示す中立停止ランプ67が操縦部に備えられてい
る。図3に示すように、前進及び後進クラッチ5,6の
作動圧が伝動状態の所定圧に達しているか否かを検出す
る圧力センサー74が備えられており、圧力センサー7
4の検出により前進及び後進ランプ65,66を点灯さ
せる。
【0024】(4) 次に、変速レバー28のシフトアップボタン61及びシ
フトダウンボタン62による変速操作について、図4に
基づいて説明する。図1に示すように第1主変速装置1
0が4段に変速可能で、第2主変速装置11が2段に変
速可能であるから、第1及び第2主変速装置10,11
により8段の変速が可能である。この場合、第2主変速
装置11の低速クラッチ26が伝動側に操作されている
状態で、第1主変速装置10の1速〜4速クラッチ21
〜24が1速〜4速の変速位置に対応するのであり、第
2主変速装置11の高速クラッチ27が伝動側に操作さ
れている状態で、第1主変速装置10の1速〜4速クラ
ッチ21〜24が5速〜8速の変速位置に対応する。
【0025】図3に示すように第1主変速装置10の1
速〜4速クラッチ21〜24、第2主変速装置11の低
速及び高速クラッチ26,27の各々に、作動圧が伝動
状態の所定圧に達しているか否かを検出する圧力センサ
ー74が備えられており、各圧力センサー74の検出に
より現在の第1及び第2主変速装置10,11の変速位
置(1速〜8速)が検出されて、この検出された変速位
置が変速表示部64に表示される(ステップS7)。
【0026】以上の状態で、変速レバー28のシフトア
ップボタン61又はシフトダウンボタン62を一度押し
操作したとする(ステップS8,S9)。この場合、図
6の実線A1(時点B1)に示すように、シフトアップ
ボタン61を押し操作した場合には、現在の変速位置よ
りも1段高速側の変速位置における第1主変速装置10
用の電磁操作弁31b〜34bに対して操作電流が供給
され始め、逆にシフトダウンボタン62を押し操作した
場合には、現在の変速位置よりも1段低速側の変速位置
における第1主変速装置10用の電磁操作弁31b〜3
4bに対して操作電流が供給され始める(ステップS1
0)。
【0027】これと同時に図6の実線A2(時点B1)
に示すように、第2主変速装置11において伝動側に操
作されている低速又は高速クラッチ26,27の電磁比
例弁38,39により、伝動側に操作されている低速又
は高速クラッチ26,27の作動圧が伝動状態の作動圧
P2から、所定低圧P3にまで減圧操作される(ステッ
プS11)。この場合、4速の変速位置から5速の変速
位置への変速操作時には第2主変速装置11の低速クラ
ッチ26の作動圧が零にまで落とされ、高速クラッチ2
7の作動圧が零から所定低圧P3にまで上昇操作され
る。逆に5速の変速位置から4速の変速位置への変速操
作時には、第2主変速装置11の高速クラッチ27の作
動圧が零にまで落とされ、低速クラッチ26の作動圧が
零から所定低圧P3にまで上昇操作される。
【0028】そして、図6の実線A1(時点B2から時
点B3)に示すように、第1主変速装置10における1
段高速側又は1段低速側の1速〜4速クラッチ21〜2
4の作動圧が、電磁操作弁31b〜34bにより伝動状
態の作動圧P1にまで上昇操作される。これと同時に、
図6の一点鎖線A3(時点B2から時点B3)に示すよ
うに、第1主変速装置10におけるシフトアップボタン
61又はシフトダウンボタン62の押し操作前の1速〜
4速クラッチ21〜24の作動圧が、電磁操作弁31b
〜34bにより伝動状態の作動圧P1から零にまで下降
操作される(ステップS12)。
【0029】次に、所定低圧P3に維持されていた第2
主変速装置11の低速又は高速クラッチ26,27の作
動圧が、図6の実線A2(時点B3から時点B4)に示
すように、電磁比例弁38,39により漸次的に上昇操
作されていき、低速又は高速クラッチ26,27の作動
圧が伝動状態の作動圧P2に達する(ステップS1
3)。この場合、図6に示す実線A2の時点B3から時
点B4において、低速又は高速クラッチ26,27の作
動圧の上昇特性が各変速位置に対して設定されており、
低速側(1速側)の変速位置ほど、時点B3から時点B
4の作動圧が短時間で急上昇操作される。
【0030】以上のようにして、シフトアップボタン6
1又はシフトダウンボタン62の押し操作による1回の
変速操作を終了するのであり、変速操作が終了すると変
速操作後の変速位置が変速表示部64に表示され(ステ
ップS14)、ブザー71が1回だけ作動して変速操作
の終了が作業者に報知される(ステップS15)。以上
のような変速操作は、シフトアップボタン61又はシフ
トダウンボタン62を押し続けていても連続的に行われ
ることはなく、シフトアップボタン61又はシフトダウ
ンボタン62を一度戻し操作して再び押し操作しない
と、次の一回の変速操作は行われない。
【0031】(5) 次に前後進レバー59による前後進の切換操作、及び変
速レバー28による第1副変速装置12に変速操作につ
いて説明する。図4に示すように、図2に示す前後進レ
バー59が前進位置Fに操作されると(ステップS
1)、図3に示す電磁操作弁36bに操作電流が供給さ
れ(ステップS2)、切換弁36aが供給側に操作され
て前進クラッチ5に作動油が供給され、前進クラッチ5
が伝動側に操作されて前進ランプ65が点灯する(ステ
ップS3)。逆に前後進レバー59が後進位置Rに操作
されると(ステップS1)、図3に示す電磁操作弁37
bに操作電流が供給され(ステップS4)、切換弁37
aが供給側に操作されて後進クラッチ6に作動油が供給
され、後進クラッチ6が伝動側に操作されて後進ランプ
66が点灯し(ステップS5)、ブザー71が間欠的に
作動する(ステップS6)。
【0032】例えば前後進レバー59を前進位置Fに操
作し(前進クラッチ5が伝動側に操作され、後進クラッ
チ6が伝動遮断側に操作されている状態)、変速レバー
28を低速位置Lに操作している状態において(操作ボ
タン57及びロックピン56により変速レバー28を低
速位置Lに保持している状態)、操作ボタン57を押し
操作してロックピン56をガイド板60から下方に退入
操作すると、図3に示す電磁操作弁36bにより切換弁
36aが排油側に操作されて、前進クラッチ5が伝動遮
断側に自動的に操作される。
【0033】これにより、操作ボタン57を押し操作し
た状態で変速レバー28を低速位置Lから中立停止位置
N又は高速位置Hに操作し、操作ボタン57を戻し操作
してロックピン56により変速レバー28を中立停止位
置N又は高速位置Hに保持する。この場合、中立停止位
置Nにおいて操作ボタン57を戻し操作すると、電磁操
作弁36bにより切換弁36aが供給側に操作されて、
電磁比例弁35により前進クラッチ5が直ちに伝動側に
自動的に操作される。高速位置Hにおいて操作ボタン5
7を戻し操作すると、電磁操作弁36bにより切換弁3
6aが供給側に操作されて、電磁比例弁35により前進
クラッチ5が漸次的に伝動側に自動的に操作される。
【0034】前後進レバー59を後進位置Rに操作した
状態において(後進クラッチ6が伝動側に操作され、前
進クラッチ5が伝動遮断側に操作されている状態)、前
述のように変速レバー28の操作ボタン57を押し及び
戻し操作すると、後進クラッチ6が自動的に伝動遮断側
及び伝動側に操作される。
【0035】(6) 次に前後進レバー59を中立位置Nに操作した場合につ
いて、図5に基づいて説明する。前後進レバー59が中
立位置Nに操作されると(図4のステップS1)、前進
及び後進クラッチ5,6の両方の電磁操作弁36b,3
7bの操作電流が遮断されて(ステップS16)、前進
及び後進クラッチ5,6から作動油が排出され、前進及
び後進クラッチ5,6の両方が伝動遮断側に操作され
て、中立停止ランプ67が点灯する(ステップS1
7)。
【0036】この場合、タイマーのカウントが開始され
て(ステップS18)、設定時間Tが経過するまでに
(ステップS20)、前後進レバー59が中立位置Nか
ら前進位置F又は後進位置Rに操作されると、ステップ
S19から図4のステップS1に移行する(例えば前後
進レバー59を前進位置Fから後進位置R、又は後進位
置Rから前進位置Fに一気に操作した際に、途中で中立
位置Nを通過するような状態)。
【0037】逆に前後進レバー59が中立位置Nに操作
されてから、前後進レバー59が設定時間T以上に亘っ
て中立位置Nに操作された状態のままであったとする
(ステップS18,S19,S20)。この場合、図1
に示す第2副変速装置63が低速位置Lに操作されてい
ると(図2に示すように、第2副変速装置63の変速レ
バー69が低速位置Lに操作されていることを検出する
リミットスイッチ70による)(ステップS21)、図
3に示す電磁操作弁31b,34bの両方に操作電流が
供給されて、電磁操作弁31b,34bの両方が供給側
に操作され、図1に示す第1主変速装置10の1速クラ
ッチ21及び4速クラッチ24の両方が伝動側に操作さ
れる(ステップS22)。
【0038】これと同時に、図3に示す電磁比例弁3
8,39の両方の操作電流が遮断されて、図1に示す第
2主変速装11の低速クラッチ26及び高速クラッチ2
7の両方が伝動遮断側に操作される(ステップS2
3)。以上のように、第2主変速装11の低速クラッチ
26及び高速クラッチ27の両方が伝動遮断側に操作さ
れると、前輪19及び後輪14が自由に回転できる状態
になるので、前後進レバー59を中立位置Nに操作した
際に機体が慣性でまだ走行している場合には、ブレーキ
ペダル(図示せず)を踏み操作し前輪19及び後輪14
に制動を掛けて、機体を停止させればよい。
【0039】前述の状態において前後進レバー59が中
立位置Nから前進位置F又は後進位置Rに操作されたり
(ステップS24)、第2副変速装置63が低速位置L
から高速位置Hに変速操作されると(ステップS2
5)、第1及び第2主変速装置10,11が、元の変速
位置(前後進レバー59を中立位置Nに操作する直前の
変速位置)に自動的に復帰操作されて(ステップS2
6)、図4のステップS1に移行する。
【0040】〔発明の実施の別形態〕 図5に示すステップS22において、第1主変速装置1
0の1速クラッチ21及び4速クラッチ24の両方が伝
動側に操作されるのではなく、2速クラッチ22及び3
速クラッチ23の両方が伝動側に操作されるように構成
してもよく、1速,2速及び3速クラッチ21,22,
23の3つが伝動側に操作されるように構成してもよ
い。
【0041】図1に示す第1及び第2主変速装置10,
11を10段や6段に変速可能に構成したり、第1及び
第2主変速装置10,11を第1副変速装置12のよう
にシフト部材をスライド操作するギヤ変速型式に構成
し、このシフト部材を油圧シリンダによりスライド操作
して変速操作するように構成してもよい。
【0042】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、エンジンの動
力を摩擦多板式の伝動クラッチから、複数段に変速可能
な変速装置を介して走行装置に伝達するように構成した
作業車の走行伝動構造において、伝動クラッチを伝動遮
断側に操作した際に、変速装置を二重伝動状態(多重伝
動状態)に操作することより、エンジンの動力を確実に
遮断して、機体を確実に停止させることができるように
なり、作業車の安定性を向上させることができた。摩擦
作用によってエンジンの動力を遮断するのではなく、変
速装置の二重伝動状態(多重伝動状態)により、磨耗等
に関係なくエンジンの動力を確実に遮断できるので、作
業車の安定性をさらに向上させることができた。
【0043】請求項2特徴によると、請求項1の場合と
同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、伝動クラッチが伝動遮断側に
操作された際に、副変速装置が低速側に変速操作されて
いると言う必要な場合にのみ、主変速装置が二重伝動状
態(多重伝動状態)に操作されるので、主変速装置を二
重伝動状態(多重伝動状態)に操作するための動力や電
力の節約と言う面で有利である。
【0044】請求項1,2の特徴によると、上記効果に
加えて更に、走行中に伝動クラッチを伝動遮断側に操作
した際において、変速装置(主変速装置)の下手側の伝
動遮断装置が自動的に伝動遮断状態に切換操作されるの
で、変速装置(主変速装置)が二重伝動状態(多重伝動
状態)に操作された際に機体に急制動が掛かる状態を未
然に回避できるようになり、作業車の乗り心地を向上さ
せることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケース内の伝動系を示す概略図
【図2】変速レバーと副変速装置との連係状態、変速表
示部及び各部の連係状態を示す図
【図3】第1及び第2主変速装置等の油圧回路図
【図4】前後進レバーによる前進位置及び後進位置への
切換操作、変速レバーのシフトアップボタン及びシフト
ダウンボタンによる変速操作の流れを示す図
【図5】前後進レバーを中立位置に切換操作した際の流
れを示す図
【図6】変速レバーのシフトアップボタン及びシフトダ
ウンボタンによる変速操作時における各部の状態を示す
【符号の説明】
1 エンジン 5 伝動クラッチ、前進クラッチ 6 伝動クラッチ、後進クラッチ 10 変速装置、主変速装置 11 伝動切換装置 14,19 走行装置 63 副変速装置 F 前後進切換装置の前進位置 R 前後進切換装置の後進位置 N 前後進切換装置の中立位置 T 設定時間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−256054(JP,A) 特開 昭61−252946(JP,A) 特開 平1−115742(JP,A) 特開 昭56−39348(JP,A) 特開 平7−301330(JP,A) 実開 昭62−76026(JP,U) 特公 昭52−28191(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 20/00 - 20/08 F16H 59/00 - 63/48 F16H 3/05 - 3/78

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)の動力を摩擦多板式の伝
    動クラッチから、複数段に変速可能な変速装置(10)
    を介して、走行装置(14)、(19)に伝達するよう
    に構成し、 前記伝動クラッチが伝動遮断側に操作されると、前記変
    速装置(10)において伝動比の異なる複数の変速位置
    を共に伝動状態に操作する操作手段を備えるとともに、 前記変速装置(10)の下手側に、動力の伝動状態及び
    伝動遮断状態に切換操作自在な伝動切換装置(11)を
    備えて、 前記操作手段により前記変速装置(10)における伝動
    比の異なる複数の変速位置が共に伝動状態に操作される
    と、前記伝動切換装置(11)を伝動遮断状態に切換操
    作する補助操作手段を備 えてある作業車の走行伝動構
    造。
  2. 【請求項2】 エンジン(1)の動力を摩擦多板式の伝
    動クラッチから、複数段に変速可能な主変速装置(1
    0)、及び複数段に変速可能な副変速装置(63)を介
    して、走行装置(14)、(19)に伝達するように構
    成し、 前記副変速装置(63)が低速側に変速操作された状態
    で、前記伝動クラッチが伝動遮断側に操作されると、前
    記主変速装置(10)において伝動比の異なる複数の変
    速位置を共に伝動状態に操作する操作手段を備えるとと
    もに、 前記主変速装置(10)の下手側に、動力の伝動状態及
    び伝動遮断状態に切換操作自在な伝動切換装置(11)
    を備えて、 前記操作手段により前記主変速装置(10)における伝
    動比の異なる複数の変速位置が共に伝動状態に操作され
    ると、前記伝動切換装置(11)を伝動遮断状態に切換
    操作する補助操作手段を備えてある 作業車の走行伝動構
    造。
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