JP3232984B2 - 非水電解液電池および正極活物質の製造法 - Google Patents
非水電解液電池および正極活物質の製造法Info
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Description
池およびその正極活物質の製造法に関するものであり、
特にその電池特性改善に関するものである。
コードレス化が急激に進んでいる。現在、これら電子機
器の駆動用電源としての役割を、ニッケルーカドミウム
電池あるいは密閉型小型鉛蓄電池が担っているが、ポー
タブル化、コードレス化が進展し、定着するにしたが
い、駆動用電源となる二次電池の高エネルギー密度化、
小型軽量化の要望が強くなっている。
されており、急速な市場の拡大と共に、通話時間の長期
化、サイクル寿命の改善への要望は非常に大きいものと
なっている。
すリチウム複合遷移金属酸化物例えばLiCoO2(例
えば特開昭63−59507公報)や、さらに高容量を
目指したLiNiO2(例えば米国特許第430251
8号)、複数の金属元素とリチウムの複合酸化物(例え
ばLiyNixCo1-xO2 :特開昭63−299056号
公報、LixMyNzO2(但し、MはFe、Co、Niの
中から選ばれた少なくとも一種で、NはTi,V,C
r,Mnの中から選ばれた少なくとも一種):特開平4
3−267053号公報)を正極活物質に用い、リチウ
ムイオンの挿入、離脱を利用した非水電解液二次電池が
提案されている。
ば平均粒径(特開平1−304664号公報、特開平6
−243897号公報、特開平6−290783号公
報、特開平7−114942号公報)や形状(特開平6
−267539号公報、特開平7−37576号公報)
についての改善法が提案されている。
されているLiNiO2を正極活物質に用いた非水電解
液二次電池では、充放電サイクルを繰り返し行う事によ
り、その電池放電容量が徐々に減少するサイクル劣化の
問題が明かとなった。
のような特性劣化は以下のことが原因であることが解っ
た。
線分析を行った結果、充放電サイクルを繰り返した正極
板では、正極活物質の結晶構造が著しく変化しているこ
とが判明した。
その格子定数が変化する事が報告されており、(S.Yama
da, M.Fujiwara and M.Kanda, J. Power Source , 54,
209(1995))a軸、c軸共に膨張収縮が大きい事が知ら
れている。
よって活物質が膨張、収縮し、結晶構造のアモルファス
化や、粒子の微細化、活物質の極板からの脱落が生じ、
充放電に関与できる活物質量が減少した事が原因である
事が明かとなった。
金属に置換したリチウム含有複合金属酸化物であれば、
結晶構造の変化が緩和され、良好なサイクル特性を示し
た。
元素に置換した活物質は、サイクル特性が向上する一
方、放電容量が小さくなると共に、放電電圧が低くな
り、特に大電流を流す高率放電時に放電容量が著しく低
下する問題があった。
物質の微粒子化を検討したところ、電池極板への充填性
が著しく低下し、電池容量そのものが低下してしまう問
題があった。
する問題点の解決を図るものであり、より良い正極活物
質を提供し、且つ、特定の正極活物質の粒径、粒子形
状、充填方法を用いる事によって、充放電特性の優れた
非水電解液二次電池を提供する事である。
るために、我々はLiNiO2のNiの一部を他の金属
元素で置換すると共に、正極活物質の粒子の大きさ、形
状、極板構成時の活物質の充填方法について更に鋭意検
討を行った。この結果、これらの因子を制御する事によ
り、高容量で、且つサイクル特性、高率放電特性の良好
な電池を実現するに至ったものである。
2(MはCo、Mn、Cr、Fe、V、Alのいずれか
1種類以上、x:1>x≧0.5)を正極活物質とすると共
に、該正極活物質はSEM観察における定方向径(Feret
diameter)が0.1〜2μmの範囲にある微小な結晶粒
子と、微小結晶粒子が多数集合してなる定方向径(Feret
diameter)が2〜20μmの範囲にある二次粒子を混合
した物を正極活物質として用いる物である。
ことが望ましく、また、混合する微小結晶粒子の混合比
率は重量比で5〜50%の範囲であることが望ましい。
EM観察における定方向径(Feret diameter)が0.1〜
2μmの微小結晶粒が多数集合した定方向径が2〜20
μmの範囲にあるNixM1ーx(OH)2(MはCo、M
n、Cr、Fe、V、Alのいずれか1種類以上、x:1
>x≧0.5)と、リチウム塩(炭酸リチウムもしくは水酸
化リチウムのいずれか)を混合し、この混合物を熱処理
する事によって得ることができる。
正極活物質LiNixM1ーxO2(MはCo、Mn、C
r、Fe、V、Alのいずれか1種類以上、x:1>x≧0.
5)を粉砕するか、もしくは予め粉砕した原料NixM
1ーx(OH)2(MはCo、Mn、Cr、Fe、V、Al
のいずれか1種類以上、x:1>x≧0.5)を二次粒子と混
合した後、リチウム塩(炭酸リチウムもしくは水酸化リ
チウムのいずれか)と混合し、この混合物を熱処理する
事によっても得ることができる。
における定方向径(Feret diameter)を
採用しており、これはSEM写真において様々な方向を
向いた粒子の径をある一定方向から読みとり、平均した
物である。(参考文献:粉体工学の基礎 p.285
(日刊工業新聞社編))
場合、SEM観察における定方向径が0.1〜2μmと
非常に小さい微小な結晶粒子が一次粒子である正極活物
質を用いることによって正極活物質粒子と電解液との接
触面積を大きくし、高率放電時の分極の増大の原因であ
ったLiイオンの界面濃度の減少を改善すると共に、二
次粒子と微小結晶粒子を混合することによって、二次粒
子間に生じる空間部分に微小結晶粒子が充填され、粒子
間の電気的電導性を向上させると共に、極板における活
物質の充填性を著しく向上することが可能となったもの
である。
に示した。本発明の方法を用いれば、例えばレーザー粒
度分布計を用いて本発明の正極活物質を測定すると、粒
度分布は2つのピークを持つことがわかる。
の大きい側の粒子は、二次粒子の粒径であり、粒径の小
さい側のピークは添加された微細な結晶粒子の粒径であ
る。
7539号公報や特開平1-304664号公報、特開
平6-243897号公報、特開平7−37576号公
報のように単に活物質の形状や、粒径を限定するだけで
は得られない。
がら説明する。
断面図を示す。図2において1は耐有機電解液性のステ
ンレス鋼板を加工した電池ケース、2は安全弁を設けた
封口板、3は絶縁パッキングを示す。4は極板群であ
り、正極板5および負極板6がセパレータ7を介して複
数回渦巻状に巻回されてケース内に収納されている。そ
して上記正極板5からは正極アルミリード5aが引き出
されて封口板2に接続され、負極板6からは負極ニッケ
ルリード6aが引き出されて電池ケース1の底部に接続
されている。8は絶縁リングで極板群4の上下部にそれ
ぞれ設けられている。
説明する。負極板6は、コークスを加熱処理した炭素粉
100重量部に、スチレンーブタジエンゴム系結着剤を
混合し、カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させ
てペースト状にした。そしてこのペーストを厚さ0.0
15mmの銅箔の表面に塗着し、乾燥後厚み0.2m
m、幅37mm、長さ300mmの負極板を作成した。
説明する。硫酸ニッケル、硫酸コバルト、水酸化ナトリ
ウム溶液を用い、硫酸ニッケル溶液、硫酸コバルト溶液
を一定流量で容器内に導入し、十分攪拌しながら、水酸
化ナトリウム溶液を添加した。
とによって種々の粒径を持つニッケルーコバルト複合水
酸化物が得られた。
径を持つニッケルーコバルト複合水酸化物を得た。
の化学組成は、すべてNi0.85Co0.15(OH)2であ
った。
ルト複合水酸化物は、SEM写真より定方向径の測定を
行った結果、0.1〜2μmの範囲にある微小な結晶粒
子(一次粒子)が多数集合してなる球状の二次粒子であ
り、二次粒子の定方向径はそれぞれ0.5、2.0、
5.0、10、20、30μmであった。
を水酸化リチウムと混合し、酸化雰囲気下において70
0℃で10時間焼成してLiNi0.85Co0.15O2を合
成した。
酸化物の概念図は図1に示す通りである。さらに、本発
明者らは合成されたリチウム−コバルト複合酸化物のS
EM観察を行った。その結果、定方向径が0.1〜2μ
mの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合してなる二次
粒子が得られ、二次粒子の定方向径はそれぞれ0.5
1、2.53,5.04,10.1、20.7、30.
5μmであった。また、原料であるニッケル−コバルト
複合酸化物の形状は、ほぼ維持されており、合成時にリ
チウムがニッケル−コバルト複合水酸化物の形状を変え
る事無く内部に拡散し、反応が進行している事が確認で
きた。
複合ニッケルーコバルト酸化物それぞれを重量比率で
0、5、20、50、70、100%分だけ抽出し、そ
れぞれ一次粒子になるまでボールミルで粉砕した後、未
粉砕物と混合した。
物質を合成した。以後、正極板の製造法を説明する。
0.85Co0.15O2の粉末100重量部に、アセチレンブ
ラック3重量部、フッ素樹脂系結着剤5重量部を混合
し、N−メチルピロリドン溶液に懸濁させてペースト状
にする。このペーストを厚さ0.020mmのアルミ箔
の両面に塗着し、乾燥後厚み0.130mm、幅35m
m、長さ270mmの正極板5を作成した。
して渦巻き状に巻回し、直径13.8mm、高さ50m
mの電池ケース内に収納した。
ルの等容積混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム1モル
/lの割合で溶解したものを用いて極板群4に注入した
後、電池を密封口し、試験電池とした。
物質に該当する試験電池番号を表記した。
合水酸化物を製造する塩水溶液として硫酸ニッケルと硫
酸マンガン、水酸化ナトリウム溶液を用いて実施例1と
同様にニッケルーマンガン複合水酸化物を生成した。
は、SEM写真より定方向径の測定を行った結果、0.
1〜2μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合して
なる球状の二次粒子であり、二次粒子の定方向径は5.
0μmであった。
を水酸化リチウムと混合し、酸化雰囲気下において70
0℃で10時間焼成してLiNi0.85Mn0.15O2を合
成した。
ン酸化物は、SEM観察における定方向径が0.1〜2
μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合してなる定
方向径がそれぞれ5.2μmの球状の二次粒子が得られ
た。
複合ニッケルーマンガン酸化物を重量比率で20%分だ
け抽出し、一次粒子になるまでボールミルで粉砕した
後、未粉砕物と混合し正極活物質とし、実施例1と同様
に電池を作成した。上記実施例2における電池を電池3
7とした。
水酸化物を製造する塩水溶液として硫酸ニッケルと硫酸
クロム、水酸化ナトリウム溶液を用いて実施例1と同様
にニッケルークロム複合水酸化物を生成した。
は、SEM写真より定方向径の測定を行った結果、0.
1〜2μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合して
なる球状の二次粒子であり、二次粒子の定方向径は5.
0μmであった。
水酸化リチウムと混合し、酸化雰囲気下において700
℃で10時間焼成してLiNi0.85Cr0.15O2を合成
した。
酸化物は、SEM観察における定方向径が0.1〜2μ
mの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合してなる定方
向径がそれぞれ5.4μmの球状の二次粒子が得られ
た。
複合ニッケルークロム酸化物を重量比率で20%分だけ
抽出し、一次粒子になるまでボールミルで粉砕した後、
未粉砕物と混合し正極活物質とし、実施例1と同様に電
池を作成した。上記実施例3における電池を電池38と
した。
化物を製造する塩水溶液として硫酸ニッケルと硫酸鉄、
水酸化ナトリウム溶液を用いて実施例1と同様にニッケ
ルー鉄複合水酸化物を生成した。
EM写真より定方向径の測定を行った結果、0.1〜2
μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合してなる球
状の二次粒子であり、二次粒子の定方向径は5.0μm
であった。
化リチウムと混合し、酸化雰囲気下において700℃で
10時間焼成してLiNi0.85Fe0.15O2を合成し
た。
物は、SEM観察における定方向径が0.1〜2μmの
範囲にある微小な結晶粒子が多数集合してなる定方向径
がそれぞれ4.9μmの球状の二次粒子が得られた。
複合ニッケルー鉄酸化物を重量比率で20%分だけ抽出
し、一次粒子になるまでボールミルで粉砕した後、未粉
砕物と混合し正極活物質とし、実施例1と同様に電池を
作成した。上記実施例4における電池を電池39とし
た。
複合水酸化物を製造する塩水溶液として硫酸ニッケルと
硫酸バナジウム、水酸化ナトリウム溶液を用いて実施例
1と同様にニッケルーバナジウム複合水酸化物を生成し
た。
物は、SEM写真より定方向径の測定を行った結果、
0.1〜2μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合
してなる球状の二次粒子であり、二次粒子の定方向径は
4.8μmであった。
物を水酸化リチウムと混合し、酸化雰囲気下において7
00℃で10時間焼成してLiNi0.85V0.15O2を合
成した。
ウム酸化物は、SEM観察における定方向径が0.1〜
2μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合してなる
定方向径がそれぞれ5.5μmの球状の二次粒子が得ら
れた。
複合ニッケルーバナジウム酸化物を重量比率で20%分
だけ抽出し、一次粒子になるまでボールミルで粉砕した
後、未粉砕物と混合し正極活物質とし、実施例1と同様
に電池を作成した。上記実施例5における電池を電池4
0とした。
ム複合水酸化物を製造する塩水溶液として硫酸ニッケル
と硫酸アルミニウム、水酸化ナトリウム溶液を用いて実
施例1と同様にニッケルーアルミニウム複合水酸化物を
生成した。
化物は、SEM写真より定方向径の測定を行った結果、
0.1〜2μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合
してなる球状の二次粒子であり、二次粒子の定方向径は
4.3μmであった。
化物を水酸化リチウムと混合し、酸化雰囲気下において
700℃で10時間焼成してLiNi0.85Al0.15O2
を合成した。
ニウム酸化物は、SEM観察における定方向径が0.1
〜2μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合してな
る定方向径がそれぞれ4.4μmの球状の二次粒子が得
られた。
複合ニッケルーアルミニム 酸化物を重量比率で20%
分だけ抽出し、一次粒子になるまでボールミルで粉砕し
た後、未粉砕物と混合し正極活物質とし、実施例1と同
様に電池を作成した。上記実施例6における電池を電池
41とした。
マンガン複合水酸化物を製造する塩水溶液として硫酸ニ
ッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガン、水酸化ナトリウ
ム溶液を用いて実施例1と同様にニッケルーコバルトー
マンガン複合水酸化物を生成した。
合水酸化物は、SEM写真より定方向径の測定を行った
結果、0.1〜2μmの範囲にある微小な結晶粒子が多
数集合してなる球状の二次粒子であり、二次粒子の定方
向径は5.7μmであった。
合水酸化物を水酸化リチウムと混合し、酸化雰囲気下に
おいて700℃で10時間焼成してLiNi0.85Co
0.1Mn0.05O2を合成した。
トーマンガン酸化物は、SEM観察における定方向径が
0.1〜2μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合
してなる定方向径がそれぞれ6.3μmの球状の二次粒
子が得られた。
複合ニッケルーコバルトーマンガン酸化物それぞれを重
量比率で0、5、20、50、70、100%分だけ抽
出し、それぞれ一次粒子になるまでボールミルで粉砕し
た後、未粉砕物と混合し正極活物質とし、実施例1と同
様に電池を作成した。上記実施例7における電池をそれ
ぞれ42,43,44,45,46,47とした。
る定方向径が5.1μmのニッケルーコバルト複合水酸
化物を生成し、それぞれを重量比率で0、5、20、5
0、70、100%分だけ抽出し、それぞれ一次粒子に
なるまでボールミルで粉砕した後、未粉砕物と混合し
た。
を水酸化リチウムと混合し、酸化雰囲気下において70
0℃で10時間焼成してLiNi0.85Co0.15O2を合
成した。
ト酸化物は、SEM観察における定方向径が0.1〜2
μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合してなる定
方向径が6.04μmの球状の二次粒子と0.1〜2μm
の範囲にある微小な結晶粒子との混合物として得られ、
原料であるニッケルーコバルト複合水酸化物の形状をほ
ぼ維持しており、合成持にリチウムがニッケルーコバル
ト複合水酸化物の形状を変える事なく内部に拡散し、反
応が進行している事が確認できた。
ケルーコバルト酸化物をそれぞれ正極活物質として用い
る他は実施例1と同様に電池を作成した。
8,49,50,51,52,53とした。
る定方向径が5.1μmのニッケルーコバルト複合水酸
化物を生成し、水酸化リチウムと混合し、酸化雰囲気下
において700℃で10時間焼成してLiNi0.85Co
0.15O2を合成した。
ト酸化物は、SEM観察における定方向径が0.1〜2
μmの範囲にある微小な結晶粒子が多数集合してなる定
方向径が6.04μmの球状の二次粒子が得られた。
ケルーコバルト酸化物を正極活物質として実施例1と同
様にLiNi0.85Co0.15O2の粉末100重量部に、
アセチレンブラック3重量部、フッソ樹脂系結着剤5重
量部を混合し、N−メチルピロリドン溶液に懸濁させて
ペースト状にする。このペーストを厚さ0.020mm
のアルミ箔の両面に乾燥後の厚みが0.4mmになるよ
うに塗着し、乾燥後ローラープレスによって厚みが0.
130mmになるまで圧延を繰り返した。
スによって二次粒子のほぼ10%が一次粒子に粉砕さ
れ、二次粒子間の空隙に充填されていることが確認され
た。
様に電池を作成した。上記実施例9における電池を電池
54とした。
r)が5μmの微小な結晶粒子が多数集合してなる二次粒
子の定方向径が15μmのニッケルーコバルト複合水酸
化物を原材料として実施例1と同様にリチウム複合ニッ
ケルーコバルト酸化物を合成した。得られた化合物の化
学組成はLiNi0.85Co0.15O2であった。
ト酸化物は、SEM観察における定方向径が5.2μm
の微小な結晶粒子が多数集合してなる定方向径がそれぞ
れ17μmの球状の二次粒子として得られた。
複合ニッケルーコバルト酸化物それぞれを重量比率で2
0%分だけ抽出し、それぞれ一次粒子になるまでボール
ミルで粉砕した後、未粉砕物と混合した。
実施例1と同様に電池を作成した。上記比較例1におけ
る電池を電池55とした。
ニッケルーコバルト複合水酸化物を原材料として実施例
1と同様にリチウム複合ニッケルーコバルト酸化物を合
成した。得られたニッケルーコバルト複合水酸化物の化
学組成はLiNi0.85Co0. 15O2であった。
ト酸化物は、SEM観察における定方向径が16μmの
塊状の粒子として得られた。
ボールミルで粉砕した後、未粉砕物と混合した。
って得られたリチウム複合ニッケルーコバルト酸化物を
正極活物質として用いる他は実施例1と同様に電池を作
成した。
た。
r)が1μmの微小な結晶粒子が多数集合してなる二次粒
子の定方向径が15μmの球状水酸化ニッケルを原材料
として実施例1と同様にリチウム複合ニッケル酸化物を
合成した。得られたリチウム複合ニッケル酸化物の化学
組成はLiNiO2であった。
は、SEM観察における定方向径が1.2μmの微小な
結晶粒子が多数集合してなる定方向径がそれぞれ16μ
mの球状の二次粒子として得られた。
複合ニッケル酸化物それぞれを重量比率で20%分だけ
抽出し、それぞれ一次粒子になるまでボールミルで粉砕
した後、未粉砕物と混合した。
実施例1と同様に電池を作成した。上記比較例1におけ
る電池を電池57とした。
0℃、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5V、
500mAで充放電を繰り返し行い、サイクル充放電試
験を行った。
クル試験結果を表2〜6に示す。尚、電池1〜57はそ
れぞれ30個組み立てて試験を行い、(表2)〜(表
6)には平均値を示した。
子径が2μmよりも小さい活物質を用いた場合(電池1
〜6)、粉砕によって得られた微小結晶粒子を添加する
ことで若干の放電容量の向上が認められるものの、放電
容量が全て500mAh以下と小さく好ましくない。
さく、添加されている微小結晶粒子と差がないため粒子
間の空隙を充填する効果がほとんど得られなかった為で
ある。
池7〜30では粉砕によって得られた微小結晶粒子を添
加することによって、二次粒子間の空隙が活物質で充填
され、更に電子伝導経路も確保されるため、500mA
の高率放電においても550mAh以上の大きい放電容
量が得られた。
電サイクルにともない活物質が微細化しても伝導経路が
ある程度保持されるため、良好なサイクル特性が得られ
た。
合(電池31〜36)、初期では大きな放電容量が確保
されるが、充放電サイクルにともない、二次粒子が破壊
され、活物質が電極から脱落し、放電容量は著しく減少
した。
における定方向径20μm以下であることが望ましい。
部をMn、Cr、Fe、V、Alで置換した実施例2〜
6の場合(電池37〜41)でも得られ、高容量で良好
なサイクル特性が得られた。
施例7ではCo,Mn)で置換しても、本発明の範囲に
ある電池43,44,45では高容量で良好なサイクル
特性が実現できる。
場合のみを示したが、Co,Mn,Cr,Fe,V,A
lの組み合わせであればどの組み合わせでも同様の特性
が得られることが確認された。また、3種類以上の金属
を組み合わせても同様の効果が得られた。
示したように、本発明の効果はあらかじめ原料であるニ
ッケル水酸化物の一部を粉砕した後、未粉砕物と混合
し、その後リチウム塩と混合し、リチウム複合酸化物を
合成した場合においても全く同様の効果が得られる。
ボールミルを用いたが、一般的に適用される粉砕機(例
えばペブルミル、振動ミル、ジェットミル等)を用いて
も同様の効果が得られることは言うまでもない。
集電体上に活物質を構成した後に、ローラープレスで圧
延することによって二次粒子を粉砕しても電池54で示
したように同様の効果が得られた。
ように、一次粒子径が5μmと大きいものは、二次粒子
と混合しても空隙を充填する効果がほとんど得られない
ため初期の放電容量が著しく低下する。
ことが望ましい。また、塊状の粒子を用いた場合、その
ままでは充填性が低く、またこの塊状粒子を更に粉砕し
た場合は比較例2の電池56のように極端に放電容量が
低下した。これは粉砕によって破壊された粒子界面の結
晶構造が破壊され、リチウムイオンの移動が阻害される
ことが原因として考えられた。
が多数集合してなる定方向径(Feretdiameter)が2〜2
0μmの範囲にある二次粒子であり、球状もしくは楕円
球状であることが望ましい。
相の場合、比較例3の電池57のように初期の容量は大
きいものの、極端なサイクル劣化が認められた。
し、可逆性が失われた物と考えられる。
xM1ーxO2(MはCo、Mn、Cr、Fe、V、Alの
いずれか1種類以上、x:1>x≧0.5)を正極活物質と
し、該正極活物質はSEM観察における定方向径(Feret
diameter)が0.1〜2μmの範囲にある微小な結晶粒
子と、微小結晶粒子が多数集合してなる定方向径(Feret
diameter)が2〜20μmの範囲にある二次粒子の混合物
である場合にのみこのような高容量でサイクル特性の良
好な電池が実現できる。
て硫酸塩を用いたが、他に硝酸塩や塩化物、酢酸塩等で
も同様の効果が得られる。
して水酸化ナトリウムを用いたが、水酸化リチウム、水
酸化カリウムを用いても同様の効果が得られる。
て評価を行ったが、角型など電池形状が異なっても同様
の効果が得られる。
材料を用いたが、本発明における効果は正極板において
作用するため、リチウム金属や、リチウム合金、Fe2
O3、WO2、WO3等の酸化物など、他の負極材料を用
いても同様の効果が得られる。
フッ化リン酸リチウムを使用したが、他のリチウム含有
塩、例えば過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウ
ム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、六フッ化
ヒ酸リチウムなどでも同様の効果が得られた。
酸エチルメチルの混合溶媒を用いたが、他の非水溶媒例
えば、プロピレンカーボネートなどの環状エステル、テ
トラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメトキシエタ
ンなどの鎖状エーテル、プロピオン酸メチルなどの鎖状
エステルなどの非水溶媒や、これらの多元系混合溶媒を
用いても同様の効果が得られた。
ではLiNixM1ーxO2(MはCo、Mn、Cr、F
e、V、Alのうちから選ばれる1種類以上であり、x:
1>x≧0.5)を正極活物質とし、この活物質の微小結晶
粒子とこれらが多数集合した二次粒子の粒径と粒子形状
を規定し、これらを混合状態で用いた正極板を用いるこ
とにより、高容量でサイクル特性が優れた非水電解液二
次電池を提供することが出来る。
Claims (8)
- 【請求項1】 負極板と、LiNixM1-xO2(MはC
o、Mn、Cr、Fe、V、Alのいずれか1種類以
上、x:1>x≧0.5)を正極活物質とする正極板と、前記
負極板と正極板との間にセパレータを介してなる非水電
解液電池において、 前記正極活物質はSEM観察における定方向径(Feret d
iameter)が0.1〜2μmの範囲にある微小結晶粒子
と、前記微小結晶粒子が多数集合して定方向径(Feret d
iameter)が2〜20μmの範囲にある二次粒子との混合
物からなる非水電解液電池。 - 【請求項2】 二次粒子は、形状が球状、もしくは楕円
球状である請求項1記載の非水電解液電池。 - 【請求項3】 微小結晶粒子の二次粒子に対する混合比
率が重量比で5〜50%の範囲である請求項1記載の非
水電解液電池。 - 【請求項4】 微小結晶粒子は、二次粒子を粉砕したも
のである請求項1記載の非水電解液電池。 - 【請求項5】 正極活物質LiNixM1-xO2(MはC
o、Mn、Cr、Fe、V、Alのうちから選ばれる1
種類以上であり、x:1>x≧0.5)の製造法であって、 SEM観察における定方向径(Feret diameter)が0.1
〜2μmの微小結晶粒子が多数集合した二次粒子であ
り、この二次粒子の定方向径が2〜20μmの範囲にあ
るNixM1-x(OH)2(MはCo、Mn、Cr、F
e、V、Alのうちから選ばれる1種類以上であり、x:
1>x≧0.5)を用い、前記Ni x M 1-x (OH) 2 と炭酸リ
チウムあるいは水酸化リチウムとを混合する工程、混合
物を熱処理し、前記正極活物質を合成する工程、合成さ
れた正極活物質の一部を微小結晶粒子へ粉砕する工程、
前記微小結晶粒子と未粉砕物を混合する工程、を有する
ことを特徴とする非水電解液電池用正極活物質の製造
法。 - 【請求項6】 二次粒子は、形状が球状、もしくは楕円
球状である請求項5記載の非水電解液電池用正極活物質
の製造法。 - 【請求項7】 正極活物質LiNixM1-xO2(MはC
o、Mn、Cr、Fe、V、Alのうちから選ばれる1
種類以上であり、x:1>x≧0.5)の製造法であって、SEM観察における定方向径(Feret diameter)が0.1
〜2μmの微小結晶粒子が多数集合した二次粒子であ
り、この二次粒子の定方向径が2〜20μmの範囲にあ
るNi x M 1-x (OH) 2 (MはCo、Mn、Cr、F
e、V、Alのうちから選ばれる1種類以上であり、x:
1>x≧0.5)を用い、 前記 二次粒子の一部を前記微小結晶粒子まで粉砕し、二
次粒子の粉砕物を得る工程、この粉砕物を未粉砕状態の
前記二次粒子と混合する工程、混合された前記二次粒子
および微小結晶粒子と炭酸リチウムあるいは水酸化リチ
ウムとを混合する工程、これらの混合物を熱処理して正
極活物質を合成する工程、を有することを特徴とする非
水電解液電池用正極活物質の製造法。 - 【請求項8】 二次粒子の粉砕物の、二次粒子の未粉砕
物に対する混合比率が重量比で5〜50%の範囲である
請求項7記載の非水電解液電池用正極活物質の製造法。
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