JP3226367B2 - ダイヤモンドの選択形成方法 - Google Patents

ダイヤモンドの選択形成方法

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JP3226367B2 JP04551193A JP4551193A JP3226367B2 JP 3226367 B2 JP3226367 B2 JP 3226367B2 JP 04551193 A JP04551193 A JP 04551193A JP 4551193 A JP4551193 A JP 4551193A JP 3226367 B2 JP3226367 B2 JP 3226367B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はダイヤモンドの選択形
成方法に関し、更に詳しくは、基材表面に傷付け処理を
行うことなく、ダイヤモンドの形成部分とダイヤモンド
の非形成部分との高い選択比をもって基材表面にダイヤ
モンドパターンを形成することのできるダイヤモンドの
選択形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】極めて硬
度の高い物質であるという特性によって、ダイヤモンド
は広い分野において工業的に利用され始めている。近
年、CVD法やPVD法などの気相法によるダイヤモン
ド合成技術が開発された。その合成技術により合成され
たダイヤモンドは、切削工具や研磨工具などに応用され
ている。
【0003】この外に、ダイヤモンドの電気的特性に着
目して、ダイヤモンドを利用した半導体デバイスの開発
も行われている。
【0004】ダイヤモンドを半導体デバイスとして用い
る場合、基板上に様々のパターンを形成し、これを電気
回路として使用する。このような半導体デバイスを作成
するには、たとえば特開平2−30697号公報に示さ
れるような各種の製造工程が必要である。この公報に記
載された方法では、ダイヤモンドの発生核を形成するた
めの、ダイヤモンド粒子による基材表面の傷付け処理を
行うことが必要である。ところが、この傷付け処理はそ
の制御が難しく、再現性も十分でない。
【0005】しかもダイヤモンドを用いた半導体デバイ
スにおいては、ダイヤモンドを形成した部分とダイヤモ
ンドを形成していない部分とが明瞭に分かれていなけれ
ばならないところ、前記傷付け処理を行う限りでは、ダ
イヤモンドの形成部分とダイヤモンドの非形成部分との
選択比が小さかった。
【0006】この発明は前記事情に基づいて完成された
ものである。すなわち、この発明の目的は、傷付け処理
を経ることなく、ダイヤモンドの形成部分とダイヤモン
ドの非形成部分との選択比が高くなるようなダイヤモン
ドの選択形成方法を提供することにある。
【0007】前記課題を解決するためにこの発明者が鋭
意検討したところ、特開昭61−261480号公報に
記載の発明および特開昭62−202898号公報に記
載の発明に着目した。
【0008】特開昭61−261480号公報に記載の
発明は、Au、Ag、Cuまたはこれらの相互合金もし
くはAu、Ag、Cuの少なくとも一種を主成分とする
合金からなる金属部材の表面にダイヤモンド状カーボン
および/またはダイヤモンドからなる被覆層を形成した
ことを特徴とするダイヤモンド被覆部材である。このダ
イヤモンド被覆部材は、工具部材に使用されるものであ
って、半導体とは全く異なるものである。
【0009】特開昭62−202898号公報に記載の
発明は、反応槽内に金属もしくはその金属化合物を均一
に点在した基板を配置して該基板を500乃至1300
℃に加熱した後、該反応槽内に炭化水素と水素との混合
ガスを導入すると共に炭化水素を活性化させて、該基板
表面にダイヤモンドを成膜させることを特徴とするダイ
ヤモンド膜の製造方法である。この公報の記載による
と、この方法により製造されるダイヤモンド膜は、切削
工具の表面被覆として工具の長寿命化を図ることがで
き、また、ヒートシンク用として優れた熱伝導性を付与
することができる、とされている。
【0010】本願発明者は、ダイヤモンドを利用した半
導体デバイスとはその属する技術分野が全く相違し、ダ
イヤモンドを所定のパターンを以て形成することにつき
なんらの開示もなく、ただ切削工具等に関するだけの前
記公報を検討した結果、「ダイヤモンドの被覆層を形成
する際にAu、Ag、Cuが励起された炭素および励起
された水素と殆ど反応しなく、このために励起された炭
素は殆どがダイヤモンドの核形成のために消費されるこ
とになり、ダイヤモンドの核形成密度が高くなる」(特
開昭61−261480号公報の第2頁右下欄第18行
から第3頁左上欄第5行参照)こと、「ダイヤモンド膜
の生成過程の内その初期において、基板表面に金属もし
くはその金属化合物を均一に点在させることによってそ
の周辺にダイヤモンドが効率的に生成される」(特開昭
62−202898号公報の第2頁左下欄第9行から第
13行参照)ことに触発されてこの発明を完成した。
【0011】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための請求項1に記載の発明は、基材の表面に、ダイヤ
モンドの気相合成条件下で炭素に対して不活性な金属ま
たはその合金によるパターンを形成し、その後に、前記
基材表面を酸洗浄してから、基材の表面に気相合成法に
よりダイヤモンド膜パターンを形成することを特徴とす
るダイヤモンドの選択形成方法であり、請求項2に記載
の発明は、前記金属がPt、Au、AgおよびCuより
なる群から選択される少なくとも一種である前記請求項
1に記載のダイヤモンドの選択形成方法である。
【0012】以下にこの発明方法について説明する。
【0013】本発明の方法は、(1)ダイヤモンドの気
相合成条件下で炭素に対して不活性な金属またはその合
金からなるパターン膜を形成する工程(以下、金属パタ
ーン形成工程と称する。)、(2)前記金属またはその
合金からなるパターンを有する基材の表面を酸洗浄する
工程(以下、酸洗浄工程と称する。)、(3)基材の表
面に気相法によるダイヤモンド膜を形成する工程(以
下、ダイヤモンド膜形成工程と称する。)の工程を少な
くとも有する。
【0014】以下、順を追って前記各工程について説明
する。
【0015】(1)金属パターン形成工程 この金属パターン形成工程では、基材表面におけるダイ
ヤモンド膜を形成するべき部位に所定の金属でパターン
を形成する。基材表面に所定金属で所定のパターンを形
成する方法としては、種々の公知の方法を採用すること
ができるのであるが、以下に好適例としての、金属のパ
ターン形成方法を示す。金属のパターンを形成する方法
は、(a)基材の表面におけるダイヤモンド膜を形成す
べき部分にレジストによりパターン膜を形成する工程
(以下、パターン膜形成工程と称する。)、(b)ダイ
ヤモンドの気相合成条件下で炭素に対して不活性な金属
またはその合金を被覆形成する工程(以下、金属コーテ
ィング工程と称する。)、(c)溶剤によりパターン膜
を溶解すると共にその表面にある金属またはその合金を
基材の表面から除去する工程(以下、リフトオフ工程と
称する。)、の工程を少なくとも有する。
【0016】−基材− この発明の方法において、前記基材の材質としては、特
に制限はなく、公知の気相合成法によるダイヤモンド膜
の形成用に使用されるもの(たとえば、各種の金属、合
金、超硬合金類、半導体類など)、各種のものを適宜に
選択して使用することができる。具体例をいくつか示す
と、たとえば、WC−Co系等のWC系超硬合金、Ti
N、Si34 等の窒化物系セラミックス、SiC、T
iC等の炭化物系セラミックスなどの酸化物類、シリコ
ン等の半金属や半導体類、および、これらの基材表面を
酸化処理したものなどの様々の材料を挙げることができ
る。
【0017】これら様々の材料の中でも、炭化物を容易
に形成することのできる材料すなわち炭化物形成性材料
や炭素と容易に固溶体を形成することのできる材料すな
わち炭素固溶性材料が好ましい。炭化物形成性材料や炭
素固溶性材料を基材として使用すると、その表面でのダ
イヤモンド発生核の生成を一段と抑制することができる
からである。
【0018】この炭化物形成性材料としては、たとえば
Si、Ti、Taなどを挙げることができ、また、炭素
固溶性材料としては、たとえばFe、Ni、Coなどを
挙げることができる。
【0019】これら炭化物形成性材料および炭素固溶性
材料は、ドーピング元素を含有することによるP型ある
いはN型の半導体であっても良い。
【0020】基材の形状についても特に制限がなく、板
状の基材が多く使用される。
【0021】(a)パターン膜形成工程 このパターン膜形成工程では、レジストを用いて基材表
面にパターン膜を形成する。
【0022】たとえば、このパターン膜形成工程では、
フォトレジストを含有するパターン膜形成用塗布液を前
記基材の表面全体に塗布し、これを乾燥してからフォト
マスクを介して紫外線等の光を照射し、露光部分を除去
しあるいは未露光部分を除去することによりパターン膜
が形成される。
【0023】前記レジストとしては、フォトレジストの
他、電子線やX線用のレジストを用いることができる。
【0024】前記フォトレジストとしては、ネガ型フォ
トレジストまたはポジ型フォトレジストを挙げることが
できる。これらのレジストは一般に用いられているもの
のほか、各種公知の樹脂系やゴム系のフォトレジストを
用いることができる。市販品としては、例えば、富士薬
品工業(株)のLMR−33や東京応化工業(株)のO
FPR−800、OMR−83、OFPR−2などを挙
げることができる。
【0025】前記パターン膜形成用塗布液の調製方法と
しては、特に制限はなく、公知の種々の方法を採用する
ことができる。
【0026】前記パターン膜形成用塗布液の塗布方法と
しては、スプレー、スピンナー、デイップ等を用いる方
法などを挙げることができ、これらの中で好ましいのは
スピンナーを用いる方法である。
【0027】パターン膜形成用塗布液を塗布した後、通
常の場合乾燥することにより、レジスト膜を得る。この
レジスト膜の乾燥後の厚さとしては、特に制限はない
が、通常、0.5〜3μm程度である。
【0028】前記パターン膜は、フォトマスクを介して
レジスト膜に紫外線などの光を照射し、現像及びリンス
することにより、形成することができる。
【0029】前記紫外線などの光を照射することによる
露光の方法としては、例えば、コンタクト露光方式、プ
ロキシミティー露光方式、プロジェクション露光方式等
を挙げることができ、目的に応じて種々の方法を適宜に
選択して用いることができる。
【0030】このようにしてこの工程では、例えば図1
に示すように、基材1の表面にレジストによるパターン
膜2が形成される。
【0031】(b)金属コーティング工程 この金属コーティング工程では、例えば図2に示すよう
に、前記パターン膜2を形成した基材1の表面全体に金
属のコーティング膜3が被覆形成される。
【0032】前記金属としては、後述する気相法による
ダイヤモンド合成の条件下で炭素と反応しない金属が選
択され、具体的にはPt、Au、Ag、およびCuより
なる群から選択される少なくとも一種の金属が選択され
る。
【0033】この金属のコーティング膜としては、図3
に示すように金属の析出物3aが島状に分布した状態に
形成するのがもっとも好ましく、次いで図4に示すよう
に金属の析出物3aのいくつかが相互に合体し、しかも
基材表面が依然として露出している状態が好ましい。こ
のように金属のコーティング膜を形成すると言っても、
基材表面を露出した状態のコーティング膜にするのが良
い。
【0034】基材表面の一部露出した状態の金属のコー
ティング膜を形成する理由は以下のようである。すなわ
ち、コーティングした金属と後述のダイヤモンドとは結
合をしない。したがって、もし基材表面全体に、基材表
面が全く露出しない程に完全に金属のコーティング膜を
形成した場合に、そのコーティング膜の上にダイヤモン
ド膜を形成すると、ダイヤモンド膜が容易に剥離する可
能性がある。もし基材表面の一部あるいは大部分が露出
する程度に金属のコーティング膜を形成すると、露出す
る基材表面にダイヤモンド膜が密着性良く形成されるこ
とになり、しかも露出する基材が前述の炭化物形成性材
料もしくは炭素固溶性材料であるとその表面に形成され
るダイヤモンド膜の基材に対する密着性が一段と向上す
る。そして、金属のコーティング膜において島状に存在
する金属の析出物は、後述するダイヤモンド膜の気相合
成時には、ダイヤモンド発生の核として作用する。した
がって、この工程で形成する金属のコーティング膜は、
金属の析出物が島状に形成されるようにするのが望まし
いのである。
【0035】前述のように金属のコーティング膜におけ
る金属の析出物はダイヤモンド膜形成の際のダイヤモン
ド発生の核として作用するのであるから、高速度でダイ
ヤモンド膜を形成するのであるならダイヤモンド発生の
核の数が単位面積当たりで多ければ多いほど良く、これ
に対しダイヤモンド発生の核の数が多くなると露出する
基材の表面積が小さくなって基材とダイヤモンド膜との
密着性が低下する恐れがある。
【0036】したがって、基材の単位面積当たりの金属
の析出個数すなわち核発生密度としては1×103 〜1
×104 個/cm2 の範囲にあるのが良い。
【0037】金属のコーティング膜の厚みとしては通
常、5〜400Åであり、好ましくは10〜100Åで
ある。コーティング膜の厚みが前記範囲内にあると、金
属は完全な連続相状の膜とならずに図3および図4に示
すような島状のままであり、ダイヤモンド膜の形成が一
段と良好かつ迅速になる。
【0038】前記金属のコーティング膜は、従来から公
知の薄膜形成装置を利用して形成することができる。そ
の薄膜形成装置としては、たとえば、抵抗加熱真空蒸着
装置、電子ビーム加熱真空蒸着装置、高周波誘導加熱真
空蒸着装置などの真空蒸着装置、熱CVD装置、プラズ
マCVD装置、高周波プラズマCVD装置(RFプラズ
マCVD装置)、マイクロ波プラズマCVD装置、EC
RプラズマCVD装置、レーザCVD装置などのCVD
装置を挙げることができる。この外にも、金属のコーテ
ィング膜は、PVD法、イオン化蒸着法、スパッタリン
グ法などの従来法を採用して形成することもできる。
【0039】これらの中で特に好ましいのは、イオン化
蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法である。
【0040】(c)リフトオフ工程 このリフトオフ工程では、前記の工程で形成されたレジ
ストによるパターン膜とその表面にある金属のコーティ
ング膜とが基材の表面から除去され、基材表面に金属の
パターン膜が形成される。
【0041】前記レジストによるパターン膜の除去は、
レジストが可溶な溶剤を用いて溶解除去することにより
達成される。このような溶剤としては、例えば、アセト
ン、ジメチルホルムアミド、硫酸と過酸化水素との2:
1の混合液などを挙げることができる。前記溶剤は、用
いたレジストの種類に応じて選択することができる。
【0042】金属のコーティング膜は前記溶剤に溶解す
ることはないが、前記溶剤を使用すると、レジストによ
るパターン膜が容易に溶剤に溶解し、その溶解と同時に
前記パターン膜の表面に形成された金属のコーティング
膜の下に空間が生じて、言わば金属のコーティング膜を
支える支持体が消失するこになり、結果として容易に除
去されてしまう。基材の表面におけるパターン膜の存在
しない部分に直接に形成された金属のコーティング膜
は、基材と密着しているので、溶剤で処理しても除去さ
れることはない。したがって、図5に示すように、基材
1の表面におけるパターン膜の形成されなかった部分
に、金属のコーティング膜3がパターン状に残留した状
態になり、これが金属のパターン膜になる。
【0043】なお、この金属のパターン膜すなわち金属
のコーティング膜3は、金属の析出物が島状に形成さ
れ、基材1の表面が部分的に露出していることが望まし
い。
【0044】(2)酸洗浄工程 この酸洗浄工程では、基材表面における金属のパターン
膜の形成されていない表面を清浄面にする。この酸洗浄
工程を経ることにより、基材表面における金属のパター
ン膜の形成されていない表面に存在し、次工程のダイヤ
モンド膜形成時にダイヤモンド発生の核になるところ
の、結晶欠陥を初めとする種々の表面汚れが除去される
ことにより、次工程でのダイヤモンド核発生密度を低下
させることができる。したがって、前記金属パターン形
成工程によって、ダイヤモンド膜を形成するべき部位で
はダイヤモンド発生の核がより多く存在し、この酸洗浄
工程によって、ダイヤモンド膜を形成させない基材表面
ではダイヤモンド発生の核がより少なく存在するように
なる。
【0045】酸洗浄に使用する洗浄液としては、基材の
種類とパターン膜を形成している金属の種類とに応じ
て、基材表面の汚れを除去することのできるものであれ
ば特に制限なく種々の洗浄液を採用することができる。
基材がSiであるとき、あるいはその他のときには、ア
ンモニアおよび過酸化水素を溶解する水溶液、塩化水素
および過酸化水素を溶解する水溶液、硫酸および過酸化
水素を溶解する水溶液、フッ化水素水溶液などを洗浄液
として使用するのが良い。
【0046】基材がSiであるとき、あるいはその他の
ときには、金属のパターン膜を有する基材を、(1) 塩化
水素および過酸化水素を溶解する水溶液で煮沸洗浄し、
(2)その後、純水、場合によっては超純水でリンスし、
(3) その後、フッ化水素水溶液で洗浄し、(4) その後
に、純水、場合によっては超純水で洗浄し、前記(1) か
ら(4) の洗浄工程を少なくとも2回以上、好ましくは3
回以上繰り返す洗浄操作が好ましい。前記(1) の洗浄工
程によって、Si表面がSiO2 に変化し、前記(3) の
洗浄工程によって前記SiO2 が除去されるので、Si
表面における金属のパターン膜の形成されていない表
面、および金属のパターン膜の形成されている表面であ
ってSi表面が露出している面が、完全な清浄面にな
る。
【0047】洗浄液による洗浄時間は適宜に設定される
ことができる。
【0048】(3)ダイヤモンド膜形成工程 ダイヤモンド膜の形成は、従来の気相合成法等の各種の
気相合成法によって行うことができ、中でも、CVD法
による方法が好適に採用される。こうしたダイヤモンド
膜の気相合成法としてのCVD法としては、たとえば、
マイクロ波プラズマCVD法、高周波プラズマCVD
法、熱フィラメントCVD法、DCアークプラズマCV
D法、有磁場プラズマCVD法(ECR法を含む)等の
多種多様の方法が知られている。本発明の方法において
は、これらのいずれの方法も適用することができるが、
中でも、特に、マイクロ波プラズマCVD法、高周波プ
ラズマCVD法や熱フィラメントCVD法、有磁場プラ
ズマCVD法などが好適に適用される。
【0049】また、こうしたプラズマCVD法によるダ
イヤモンド膜の気相合成法においては、原料ガスとし
て、少なくとも炭素源ガスを含む各種の種類および組成
の原料ガスを使用することのできることが、知られてい
る。
【0050】前記原料ガスとして、例えば、CH4 とH
2 の混合ガス等のように炭化水素を炭素源ガスとして含
有する原料ガス、COとH2 の混合ガス等のように炭化
水素以外の炭素化合物を炭素源ガスとして含有する原料
ガスなど、各種の原料ガスを挙げることができる。
【0051】本発明の方法においては、ダイヤモンド膜
の形成が可能であれば、上記の原料ガス等を初めとする
従来法で使用されている原料ガスなどの各種の原料ガス
を適宜に使用してダイヤモンド膜を形成させることがで
きる。中でも、COとH2 との混合ガス、あるいはCH
4 とH2 との混合ガスが好ましい。特に、COとH2
の混合ガスを原料ガスとして使用すると、炭化水素を用
いた場合に比べてダイヤモンド膜の堆積速度が速くて、
高純度のダイヤモンドを効率よく成膜することができる
などの点で優れている。
【0052】以下に、この特に好ましいダイヤモンド膜
の形成方法の例として、COとH2を原料ガスとして用
いる方法について、その好適な方法の例を説明する。
【0053】すなわち、本発明の方法においては、前記
ダイヤモンド膜の形成は、下記の一酸化炭素と水素ガス
との混合ガスを原料ガスとして用いる方法(以下、この
方法を、方法Iと称する。)によって特に好適に行うこ
とができる。
【0054】すなわち、この方法Iは、一酸化炭素と水
素とを、一酸化炭素ガスが1容量%以上となる割合で、
含有する混合ガスを励起して得られるプラズマガスを、
基材に接触させることを特長とする。
【0055】この方法Iにおいて、使用に供する前記一
酸化炭素としては特に制限がなく、たとえば石炭、コー
クスなどと空気または水蒸気を熱時反応させて得られる
発生炉ガスや水性ガスを充分に精製したものを用いるこ
とができる。
【0056】使用に供する前記水素について特に制限が
なく、たとえば石油類のガス化、天然ガス、水性ガスな
どの変成、水の電解、鉄と水蒸気との反応、石炭の完全
ガス化などにより得られるものを充分に精製したものを
用いることができる。
【0057】この方法Iにおいては、原料ガスとして一
酸化炭素と前記水素とを、一酸化炭素ガスの含有量が1
容量%以上、好ましくは3容量%以上となる割合で、含
有する混合ガスを励起して得られるガスを、前記基材に
接触させることにより、その所定の面上にダイヤモンド
膜を堆積させる。前記混合ガス中の一酸化炭素ガスの含
有量が1容量%よりも少ないとダイヤモンドが生成しな
かったり、ダイヤモンドがたとえ生成してもその堆積速
度が著しく小さい。
【0058】前記原料ガスを励起して励起状態の炭素を
含有する前記原料ガスを得る手段としては、例えばプラ
ズマCVD法、熱フィラメント法などの従来より公知の
方法を用いることができる。
【0059】前記プラズマCVD法を用いる場合には、
前記水素は高周波またはマイクロ波の照射によってプラ
ズマを形成し、前記熱フィラメント法などのCVD法を
用いる場合には、前記水素は熱フィラメントにより原子
状水素を形成する。この原子状水素は、ダイヤモンドの
析出と同時に析出する黒鉛構造の炭素を除去する作用を
有する。
【0060】この方法Iにおいては、前記原料ガスのキ
ャリヤーとして、不活性ガスを用いることもできる。不
活性ガスの具体例としては、アルゴンガス、ネオンガ
ス、ヘリウムガス、キセノンガス、窒素ガスなどが挙げ
られる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以
上を組合わせて用いてもよい。
【0061】この方法Iにおいては、以下の条件下に反
応が進行して、基材の表面に、パターン膜を形成する金
属をダイヤモンド発生の核として、ダイヤモンド膜が析
出する。
【0062】すなわち、前記基材の表面の温度は、前記
原料ガスの励起手段によって異なるので、一概に決定す
ることはできないが、例えばプラズマCVD法を用いる
場合には、通常、室温〜1,200℃、好ましくは45
0℃〜1,100℃である。この温度が室温より低い場
合には、ダイヤモンド膜の堆積速度が遅くなったり、励
起状態の炭素が生成しないことがある。一方、1,20
0℃より高い場合には、前記基材の表面に堆積したダイ
ヤモンド膜がエッチングにより削られてしまい、堆積速
度の向上が見られないことがある。
【0063】前記反応圧力は、通常、10-3〜103
orr、好ましくは1〜800Torrである。反応圧
力が10-3Torrよりも低い場合には、ダイヤモンド
膜の堆積速度が遅くなったり、ダイヤモンド膜が析出し
なくなったりする。一方、103 Torrより高くして
もそれに相当する効果は得られない。
【0064】以上のように本発明においては、前記基材
の表面における金属のパターン膜形成部分に、ダイヤモ
ンド膜を選択的に形成することができる。本発明の方法
においては、前記ダイヤモンド膜の形成は、もちろん、
上記の方法I以外の方法を適用して行ってもよい。
【0065】形成される前記ダイヤモンド膜の膜厚は、
使用目的等に応じて適宜に適当な膜厚にすればよく、こ
の意味で特に制限はないが、通常は、1〜100μmの
範囲に選定するのがよい。
【0066】この膜厚が、あまり薄すぎると、ダイヤモ
ンドが膜として得られないことがあり、一方、あまり厚
すぎると、使用条件によっては、ダイヤモンド膜の剥離
を生じることがある。
【0067】
【実施例】
(実施例1) (1)パターン形成工程 A.レジストパターンの形成 図6に示すように、基材1であるシリコンウエハー基板
の表面に、ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)
製:OFPR−800)からなるレジスト層形成用塗布
液を、スピナーを用いて3×103 rpmの速さで厚み
が約1μmになるように塗布することによりレジスト層
5を形成した。塗布後、前記レジスト層5を85℃で3
0分間かけてプリベークした。次に、透明なガラス板の
表面に幅2μmのライン状の光透過部6aが8μmの間
隔で配列するように遮光部6bを設けてなる、図7に示
すフォトマスク6を、前記レジスト層5の上に配置する
と共に、マスクアライナー(キャノン販売(株)製:P
LA−501FA)で90秒間露光(13mW/cm
2 )した。露光後、同社製の現像液NMD−3で60秒
間現像し、純水によりリンスし、その後130℃で30
分かけて加熱し、図8に示すように、レジストパターン
4をシリコンウエハー基板の表面に形成した。
【0068】B.金属のコーティング膜の形成 抵抗加熱真空蒸着装置(タングステンフィラメントによ
る加熱温度;3,000℃以上、圧力;10-6〜10-7
Torr)を用い、図9に示すように、厚みが約20Å
の、Ptが島状に形成されたコーティング3を前記基板
1の表面に形成した。
【0069】同様にして、厚みが約400Åの、Ptが
島状に形成されたコーティングを別のシリコンウエハー
基板の表面に形成し、厚みが約20Åの、Auが島状に
形成されたコーティングを別のシリコンウエハー基板の
表面に形成し、厚みが約400Åの、Auが島状に形成
されたコーティングを別のシリコンウエハー基板の表面
に形成し、厚みが約20Åの、Agが島状に形成された
コーティングを別のシリコンウエハー基板の表面に形成
し、厚みが約400Åの、Agが島状に形成されたコー
ティングを別のシリコンウエハー基板の表面に形成し、
厚みが約20Åの、Cuが島状に形成されたコーティン
グを別のシリコンウエハー基板の表面に形成し、厚みが
約400Åの、Cuが島状に形成されたコーティングを
別のシリコンウエハー基板の表面に形成し、都合8枚の
基板を得た。
【0070】C.リフトオフ(レジストの除去) 前記シリコンウエハー基板を専用の剥離液で洗浄し、シ
リコンウエハー基板の表面に被覆形成されたレジストパ
ターン4を溶解除去することにより、前記レジストパタ
ーン4の表面に被覆形成された金属のコーティング3も
同時に除去して、図3に示すように、シリコンウエハー
基板の表面に金属のパターン3bを形成した。
【0071】2)酸洗浄工程 前記8枚のシリコンウエハー基板それぞれを、(1) 塩化
水素および過酸過水素の水溶液(HCl:H22 :H
2 O=1:1:6)に浸漬し、10分かけて煮沸し、そ
の後(2) 洗浄槽から純水をオーバーフローさせつつ純水
でリンスし、その後(3) フッ化水素水溶液(HF:H2
O=1:50)で5分間浸漬洗浄し、次いで(4) 純水で
10分かけて浸漬洗浄し、この(1) から(4) の洗浄操作
を3回繰り返し、その後各シリコンウエハー基板を乾燥
した。
【0072】3)ダイヤモンド形成工程 マイクロ波プラズマCVD法(2.45GHz)によ
り、CO/H2 混合ガスを原料ガスとして10/90s
ccmの流量で使用し、反応圧力が40Torr、基板
温度が900℃、反応時間が30分間である条件下で反
応させることにより、図11及び図12に示すように、
厚みが約0.8μmであるダイヤモンド膜7をシリコン
ウエハー基板(基板1)の表面に形成した。
【0073】以上のようにして酸洗浄工程を経てダイヤ
モンド膜をシリコンウエハー基板に形成した場合と、酸
洗浄工程を経ずにダイヤモンド膜をシリコンウエハー基
板に形成した場合とにおける、前記8枚の各シリコンウ
エハー基板の表面に形成されたダイヤモンド膜の核発生
密度を走査型電子顕微鏡写真の観察により測定し、その
結果を表1〜4に示した。
【0074】(比較例)前記実施例において、シリコン
ウエハー基材の表面にレジストを形成せず、金属のパタ
ーン膜も形成せずに、シリコンウエハー基材を酸洗浄工
程に付してから前記実施例と同様にしてダイヤモンド膜
を形成し、また、シリコンウエハー基材を酸洗浄工程付
することなく前記実施例と同様にしてダイヤモンド膜を
形成した。それぞれにおけるダイヤモンド核発生密度を
前記実施例1と同様にして測定し、その結果を表1に示
した。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【発明の効果】この発明に係るダイヤモンドの選択形成
法によると、基材表面を傷付け処理をすることなく、ダ
イヤモンドの形成部分とダイヤモンドの非形成部分との
選択比を高くして微細なパターンのダイヤモンド膜を容
易にかつ簡便に、しかも所望の形状に再現性よく製造す
ることができる。この発明の方法は、高性能な半導体デ
バイスや光導波路等の電子材料・機器をはじめとする広
い分野に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、基材の表面にダイヤモンドが形成され
た状態を示す概略説明図である。
【図2】図2は、基材の表面にダイヤモンドが形成され
た状態を示す断面概略説明図である。
【図3】図3は、基材の表面に金属の析出物が島状に形
成された状態を示す概略説明図である。
【図4】図4は、基材の表面に金属の析出物が相互に接
触し、かつ基材の表面が一部露出した状態を示す概略説
明図である。
【図5】図5は、基材の表面に金属のパターン膜が形成
された状態を示す断面概略説明図である。
【図6】図6は、基材の表面に塗布したレジスト層に露
光を行なっている状態を示す概略説明図である。
【図7】図7は、フォトマスクの一例を示す概略説明図
である。
【図8】図8は、基材の表面にレジストパターンが形成
された状態を示す断面概略説明図である。
【図9】図9は、レジストパターンが形成された基材の
全表面に金属のコーティング膜形成された状態を示す断
面概略説明図である。
【図10】図10は基材の表面に金属のパターン膜が形
成された状態を示す断面概略説明図である。
【図11】図11は基材の表面に金属のパターン膜の形
成された部位にダイヤモンド膜の形成された状態を示す
断面概略説明図である。
【図12】図12は基材の表面に金属のパターン膜の形
成された部位にダイヤモンド膜の形成された状態を示す
平面図である。
【符合の説明】
1 基材 2 レジストによるパターン膜 3 金属のコーティング 3a 金属の析出物 4 レジストパターン 5 レジスト層 6 フォトマスク 6a 光透過部 6b 遮光部 7 ダイヤモンド膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面に、ダイヤモンドの気相合成
    条件下で炭素に対して不活性な金属またはその合金によ
    るパターンを形成し、その後に、前記基材表面を酸洗浄
    してから、基材の表面に気相合成法によりダイヤモン膜
    パターンを形成することを特徴とするダイヤモンドの選
    択形成方法。
  2. 【請求項2】 前記金属がPt、Au、AgおよびCu
    よりなる群から選択される少なくとも一種である前記請
    求項1に記載のダイヤモンドの選択形成方法。
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