JPH05270986A - ダイヤモンド膜の選択形成法 - Google Patents

ダイヤモンド膜の選択形成法

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JPH05270986A
JPH05270986A JP7143392A JP7143392A JPH05270986A JP H05270986 A JPH05270986 A JP H05270986A JP 7143392 A JP7143392 A JP 7143392A JP 7143392 A JP7143392 A JP 7143392A JP H05270986 A JPH05270986 A JP H05270986A
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film
diamond
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carbon
pattern
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JP7143392A
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Satoshi Katsumata
聡 勝又
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、基板に悪影響を及ぼすこと
なく、高性能な半導体デバイスや光導波路等の電子機器
分野をはじめとする広い分野で好適なダイヤモンド膜を
選択的に形成することのできる方法を提供することにあ
る。 【構成】 前記目的を達成するための本発明の構成は、
基板の表面のダイヤモンド膜を形成すべき部分にフォト
レジストによるパターン膜を形成した後、前記基板の表
面全体にダイヤモンド状炭素膜(DLC)を形成し、溶
剤により前記パターン膜を溶解すると共にその表面上に
ある前記ダイヤモンド状炭素膜を前記基板の表面から除
去した後、前記基板の表面全体をダイヤモンド砥粒によ
り傷付け処理し、最後に前記基板の表面に気相法による
ダイヤモンド膜の合成を行なうことにより、前記パター
ン膜形成部分に選択的にダイヤモンド膜を形成すること
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダイヤモンド膜の製造方
法に関し、さらに詳しく言うと、高性能な半導体デバイ
スや光導波路等に好適に用いることのできるダイヤモン
ド膜を選択的に形成することのできるダイヤモンド膜の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、炭
素含有化合物と水素との混合ガスを原料として、CVD
法やPVD法などの気相法ダイヤモンド合成技術を用い
て、基板の表面にダイヤモンド膜を析出形成する技術が
開発され、切削工具や半導体デバイス等の分野への用途
が注目されてきた。さらに近時、微細なパターンのダイ
ヤモンド膜を基板の表面に選択的に形成する技術が開発
され、切削工具、研磨工具等の超硬工具のみならず各種
の摺動部材や耐摩耗性部材、さらには高性能な半導体デ
バイス等の電子・電気機器分野における各種の素材など
への広範囲の用途が期待されている。
【0003】このような気相法によるダイヤモンド膜を
基板の表面に選択的に形成する方法として、例えば、特
開昭63−303891号公報には、基板の表面にニッ
ケルなどの金属によるパターニング用マスクをした後
に、金属の付与されていない面に選択的に気相法による
ダイヤモンド合成をする方法が提案されている。また、
特開昭63−315598号公報や特開平2−1845
98号公報には、傷付け処理した基板の表面にフォトレ
ジスト膜によりパターンを形成し、エッチングにより基
板の非マスク部分の傷を除去した後、レジストを除去し
て、この上に気相法によるダイヤモンド膜を形成する方
法が提案されている。
【0004】しかし、これらの方法には、前記基板の表
面に汚染の原因となる金属を用いること、および、この
金属を除去するのに強酸を用いることにより、基板に悪
影響を及ぼし、また、ダイヤモンドの初期核の発生のた
めに必要な傷付け処理による傷の深さは数千オングスト
ロームに及ぶので、エッチングに時間を要するほか、再
現性も十分でなく、実用に際して連続生産等を行なうこ
とができないという問題がある。前記問題を解決するこ
とが、技術的にも、経済的にも要望されている。
【0005】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
である。本発明の目的は、基板に悪影響を及ぼすことな
く、高性能な半導体デバイスや光導波路等の電子機器分
野をはじめとする広い分野で好適なダイヤモンド膜を選
択的に形成することのできる方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ダイヤモンドを合
成したくない箇所にダイヤモンド状炭素でマスクするこ
とにより、傷付け処理の際に基板に傷をつけることな
く、効率的に再現性のあるダイヤモンドの選択形成が達
成され、かかる形成されたダイヤモンド膜が、半導体デ
バイスや光導波路等の高度な性能や品質性が要求される
電子機器部品等の先端材料分野に好適に用いることがで
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、前記課題を解決するための本発
明は、基板の表面におけるダイヤモンド膜を形成すべき
部分に、レジストによるパターン膜を形成した後、前記
基板の表面全体にダイヤモンド状炭素膜を形成し、溶剤
により前記パターン膜を溶解すると共にその表面上にあ
る前記ダイヤモンド状炭素膜を前記基板の表面から除去
した後、前記基板の表面全体を傷付け処理し、次いで前
記基板の表面に気相法によるダイヤモンド膜の合成を行
なうことにより、前記パターン膜形成部分に選択的にダ
イヤモンド膜を形成することを特徴とするダイヤモンド
膜の選択形成法である。
【0008】以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の方法は、 1)基板の表面におけるダイヤモンド膜を形成すべき部
分にレジストによりパターン膜を形成する工程(以下、
パターン膜形成工程と称する。)、 2)基板の表面全体にダイヤモンド状炭素膜(以下にお
いてこれをDLCと略称することがある。)を被覆形成
する工程(以下、DLCコーティング工程と称す
る。)、 3)溶剤によりパターン膜を溶解すると共にその表面に
あるダイヤモンド状炭素膜を基板の表面から除去する工
程(以下、DLC除去工程と称する。)、 4)砥粒により基板の表面全体を傷付け処理する工程
(以下、傷付け処理工程と称する。)、 5)基板の表面に気相法によるダイヤモンド膜を形成す
る工程(以下、ダイヤモンド膜形成工程と称する。)の
5つの工程を有する。以下、順を追って前記各工程につ
いて説明する。
【0009】−パターン膜形成工程− 前記パターン膜形成工程では、レジストを用いて基板表
面にパターン膜が形成される。更に詳述すると、このパ
ターン膜形成工程では、例えば、フォトレジストを含有
するパターン膜形成用塗布液を前記基板の表面全体に塗
布し、これを乾燥してからフォトマスクを介して紫外線
等の光を照射し、露光部分を除去しあるいは未露光部分
を除去することによりパターン膜が形成される。
【0010】前記レジストとしては、フォトレジストの
他、電子線やX線用のレジストを用いることができる。
前記フォトレジストしては、ネガ型フォトレジストまた
はポジ型フォトレジストを挙げることができる。これら
のレジストは一般に用いられているもののほか、各種公
知の樹脂系やゴム系のフォトレジストを用いることがで
きる。市販品としては、例えば、富士薬品工業(株)の
LMR−33や東京応化工業(株)のOMR−83、O
FPR−2などを挙げることができる。
【0011】前記パターン膜形成用塗布液の調製方法と
しては、特に制限はなく、公知の種々の方法を採用する
ことができる。前記パターン膜形成用塗布液の塗布方法
としては、スプレー、スピンナー、デイップ等を用いる
方法などを挙げることができ、これらの中で好ましいの
はスピンナーを用いる方法である。
【0012】パターン膜形成用塗布液を塗布した後、通
常の場合乾燥することにより、レジスト膜を得る。この
レジスト膜の乾燥厚としては、特に制限はないが、通
常、0.5〜3μm程度である。前記パターン膜は、フ
ォトマスクを介してレジスト膜に紫外線などの光を照射
し、現像及びリンスすることにより、形成することがで
きる。
【0013】前記紫外線などの光を照射することによる
露光の方法としては、例えば、コンタクト露光方式、プ
ロキシミティー露光方式、プロジェクション露光方式等
を挙げることができ、目的に応じて種々の方法を適宜に
選択して用いることができる。このようにしてこの工程
では、例えば図1に示すように、基板1の表面にレジス
トによるパターン膜2が形成される。
【0014】−DLCコーティング工程− DLCコーティング工程では、例えば図2に示すよう
に、前記パターン膜2を形成した基板1の表面全体にダ
イヤモンド状炭素膜(DLC)3が被覆形成される。前
記DLCコーティングを行なう方法としては、特に制限
はなく、例えば、PVD法、イオン化蒸着法、スパッタ
リング法、プラズマCVD法等の従来法を好適に用いる
ことができる。これらの中で特に好ましいのは、イオン
化蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法であ
る。
【0015】前記DLCコーティングを行なう条件とし
ては、目的に応じて種々の励起方法、原料ガス、反応圧
力、反応温度、成長時間、ヌープ硬度等を選択すること
ができる。前記励起方法としては、DC、AC、RF
(13.56MHz)、マイクロ波(2.45GHz)
などによる放電励起が好ましい。
【0016】前記原料ガスとしては、メタン、エタン、
一酸化炭素などが好ましく、特に好ましいのは、メタ
ン、メタン/水素の混合ガス、メタン/アルゴンの混合
ガスである。混合ガス中のメタンの含有率は1〜99v
ol.%が好ましく、特に好ましいのは、10〜99v
ol.%である。
【0017】前記反応圧力(Pr)としては、10-6
100Torrが好ましく、特に好ましいのは、10-4
〜0.1Torrである。前記反応温度としては、77
K〜1100℃が好ましく、特に好ましいのは、室温〜
500℃である。
【0018】前記成長速度としては、1Å/秒〜600
0Å/秒が好ましく、特に好ましいのは、10Å/秒〜
6000Å/秒である。前記ヌープ硬度(Hk)として
は、1000(kg・f)/cm2 以上が好ましく、特
に好ましいのは、2000(kg・f)/cm2 以上で
ある。
【0019】本発明においては、基板の表面に形成され
るダイヤモンド状炭素の膜厚は、通常、500Å〜10
μmであり、好ましいのは、1000Å〜1μmであ
る。この膜厚が、あまり薄すぎると基板の傷付け処理工
程において、ダイヤモンド状炭素膜が基板から剥離した
り、基板に傷付け処理が施されてしまうことがあり、一
方、あまり厚すぎるとダイヤモンド状炭素膜が剥離する
ことがあり、厚くしたことによる効果はない。
【0020】−DLC除去工程− DLC除去工程では、前記の工程で形成されたレジスト
によるパターン膜とその表面にあるダイヤモンド状炭素
膜とが基板の表面から除去される。前記レジストによる
パターン膜の除去は、レジストが可溶な溶剤を用いて溶
解除去することにより達成される。このような溶剤とし
ては、例えば、アセトン、ジメチルホルムアミド、硫酸
と過酸化水素との2:1の混合液などを挙げることがで
きる。前記溶剤は、用いたレジストの種類に応じて選択
することができる。
【0021】なお、ダイヤモンド状炭素は前記溶剤に溶
解することはないが、前記溶剤を使用すると、レジスト
によるパターン膜が容易に溶剤に溶解し、その溶解と同
時に前記パターン膜の表面に形成されたダイヤモンド状
炭素膜の下に空間が生じ、該ダイヤモンド状炭素膜は非
常に不安定な状態となり、結果として容易に除去される
ようになる。一方、基板の表面におけるパターン膜の存
在しない部分に直接に被覆形成されたダイヤモンド状炭
素膜は、基板と密着しているので、溶剤で処理しても除
去されることはない。したがって、図3に示すように、
基板1の表面におけるパターン膜の形成されなかった部
分に、ダイヤモンド状炭素膜3がパターン状に残留した
状態になる。
【0022】−傷付け処理工程− 傷付け処理工程では、基板の表面に傷をつける。基板の
表面に傷をつけるには、基板よりも硬度の大きな微粒子
を使用するのが好ましく、通常、SiC、CBN、ダイ
ヤモンドの砥粒等が使用される。これら砥粒の粒径とし
ては、パターンの幅の1/3以下であることが好まし
く、例えば、0.5〜100μmが好ましく、特に好ま
しくは、0.5〜50μmである。
【0023】傷付け処理に際しては、これらの砥粒は溶
媒中に分散されて使用される。溶媒としては、アルコー
ル、アセトン等を挙げることができる。また、溶媒に分
散する前記砥粒の量としては、通常、溶媒100ml当
たり0.05〜10gであり、好ましいのは、0.1〜
1gである。
【0024】傷付け処理においては、通常、前記砥粒を
溶媒に分散した溶媒液中に、基板を浸漬し、この溶媒液
に超音波を照射する。超音波を照射すると、砥粒が激し
く基板の表面に接触し、これにより、ダイヤモンド状炭
素膜で被覆されていない基板の表面に微小な傷がつく。
この有様を摸式的に図4に示す。図4において、基板1
の表面にはダイヤモンド状炭素3がコーティングされて
おり、ダイヤモンド状炭素膜3が形成されずに基板1の
表面が露出している部分4に、傷付け処理による微小な
傷が付けられている。この傷付け処理により基板の表面
に付与された微小な傷は、ダイヤモンド合成の際のダイ
ヤモンド初期核の発生点として作用する。
【0025】−ダイヤモンド膜形成工程− ダイヤモンド膜の形成は、従来の気相合成法等の各種の
気相合成法によって行うことができ、中でも、CVD法
による方法が好適に採用される。こうしたダイヤモンド
膜の気相合成法としてのCVD法としては、たとえば、
マイクロ波プラズマCVD法、高周波プラズマCVD
法、熱フィラメントCVD法、DCアークプラズマCV
D法、有磁場プラズマCVD法(ECR法を含む)等の
多種多様の方法が知られている。本発明の方法において
は、これらのいずれの方法も適用することができるが、
中でも、特に、マイクロ波プラズマCVD法、高周波プ
ラズマCVD法や熱フィラメントCVD法、有磁場プラ
ズマCVD法などが好適に適用される。
【0026】また、こうしたプラズマCVD法によるダ
イヤモンド膜の気相合成法においては、原料ガスとし
て、少なくとも炭素源ガスを含む各種の種類および組成
の原料ガスを使用することのできることが、知られてい
る。前記原料ガスとして、例えば、CH4 とH2 の混合
ガス等のように炭化水素を炭素源ガスとして含有する原
料ガス、COとH2 の混合ガス等のように炭化水素以外
の炭素化合物を炭素源ガスとして含有する原料ガスな
ど、各種の原料ガスを挙げることができる。
【0027】本発明の方法においては、ダイヤモンド膜
の形成が可能であれば、上記の原料ガス等を初めとする
従来法で使用されている原料ガスなどの各種の原料ガス
を適宜に使用してダイヤモンド膜を形成させることがで
きる。中でも、COとH2 との混合ガス、あるいはCH
4 とH2 との混合ガスが好ましい。特に、COとH2
の混合ガスを原料ガスとして使用すると、炭化水素を用
いた場合に比べてダイヤモンド膜の堆積速度が速くて、
高純度のダイヤモンドを効率よく成膜することができる
などの点で優れている。
【0028】以下に、この特に好ましいダイヤモンド膜
の形成方法の例として、COとH2を原料ガスとして用
いる方法について、その好適な方法の例を説明する。す
なわち、本発明の方法においては、前記ダイヤモンド膜
の形成は、下記の一酸化炭素と水素ガスとの混合ガスを
原料ガスとして用いる方法(以下、この方法を、方法I
と称する。)によって特に好適に行うことができる。す
なわち、この方法Iは、一酸化炭素と水素とを、一酸化
炭素ガスが1容量%以上となる割合で、含有する混合ガ
スを励起して得られるプラズマガスを、基板に接触させ
ることを特長とする。
【0029】この方法Iにおいて、使用に供する前記一
酸化炭素としては特に制限がなく、たとえば石炭、コー
クスなどと空気または水蒸気を熱時反応させて得られる
発生炉ガスや水性ガスを充分に精製したものを用いるこ
とができる。使用に供する前記水素について特に制限が
なく、たとえば石油類のガス化、天然ガス、水性ガスな
どの変成、水の電解、鉄と水蒸気との反応、石炭の完全
ガス化などにより得られるものを充分に精製したものを
用いることができる。
【0030】この方法Iにおいては、原料ガスとして一
酸化炭素と前記水素とを、一酸化炭素ガスの含有量が1
容量%以上、好ましくは3容量%以上となる割合で、含
有する混合ガスを励起して得られるガスを、前記基材に
接触させることにより、その所定の面上にダイヤモンド
膜を堆積させる。前記混合ガス中の一酸化炭素ガスの含
有量が1容量%よりも少ないとダイヤモンドが生成しな
かったり、ダイヤモンドがたとえ生成してもその堆積速
度が著しく小さい。
【0031】前記原料ガスを励起して励起状態の炭素を
含有する前記原料ガスを得る手段としては、例えばプラ
ズマCVD法、熱フィラメント法などの従来より公知の
方法を用いることができる。前記プラズマCVD法を用
いる場合には、前記水素は高周波またはマイクロ波の照
射によってプラズマを形成し、前記熱フィラメント法な
どのCVD法を用いる場合には、前記水素は熱フィラメ
ントにより原子状水素を形成する。この原子状水素は、
ダイヤモンドの析出と同時に析出する黒鉛構造の炭素を
除去する作用を有する。
【0032】この方法Iにおいては、前記原料ガスのキ
ャリヤーとして、不活性ガスを用いることもできる。不
活性ガスの具体例としては、アルゴンガス、ネオンガ
ス、ヘリウムガス、キセノンガス、窒素ガスなどが挙げ
られる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以
上を組合わせて用いてもよい。
【0033】この方法Iにおいては、以下の条件下に反
応が進行して、基板の表面にダイヤモンド膜が析出す
る。すなわち、前記基板の表面の温度は、前記原料ガス
の励起手段によって異なるので、一概に決定することは
できないが、例えばプラズマCVD法を用いる場合に
は、通常、室温〜1200℃、好ましくは450℃〜1
100℃である。この温度が室温より低い場合には、ダ
イヤモンド膜の堆積速度が遅くなったり、励起状態の炭
素が生成しないことがある。一方、1200℃より高い
場合には、前記基板の表面に堆積したダイヤモンド膜が
エッチングにより削られてしまい、堆積速度の向上が見
られないことがある。
【0034】前記反応圧力は、通常、10-3〜103
orr、好ましくは1〜800Torrである。反応圧
力が10-3Torrよりも低い場合には、ダイヤモンド
膜の堆積速度が遅くなったり、ダイヤモンド膜が析出し
なくなったりする。一方、103 Torrより高くして
もそれに相当する効果は得られない。
【0035】以上のように本発明においては、前記基板
の表面のパターン膜形成部分に、ダイヤモンド膜を選択
的に形成することができる。本発明の方法においては、
前記ダイヤモンド膜の形成は、もちろん、上記の方法I
以外の方法を適用して行ってもよい。形成される前記ダ
イヤモンド膜の膜厚は、使用目的等に応じて適宜に適当
な膜厚にすればよく、この意味で特に制限はないが、通
常は、1〜100μmの範囲に選定するのがよい。
【0036】この膜厚が、あまり薄すぎると、ダイヤモ
ンドが膜として得られないことがあり、一方、あまり厚
すぎると、使用条件によっては、ダイヤモンド膜の剥離
を生じることがある。なお、得られたダイヤモンドを切
削工具等の過酷な条件で使用する場合には、通常、この
厚さを、5〜100μmの範囲に選定するのが好適であ
る。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例およびその比較例によ
って本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。 (実施例1) −パターン膜形成工程− Siウエハーの基板の表面に、ネガ型フォトレジスト
(富士薬品工業(株)製:LMR−33)からなるパタ
ーン膜形成用塗布液を、毎分5,000rpmのスピナ
ーで塗布することにより、基板の表面にレジスト層を形
成した。塗布後、前記塗布膜を60℃で30分間かけて
加熱した。次に、図5に示すように、一辺50μmの正
方形からなる露光用窓5を互いに50μmの間隔を設け
て行列状に配列してなるフォトマスクを、基板上のレジ
スト層の上に配置し、Xe−Hgランプ(波長300n
m以下)で露光(30mJ/cm2 )した。露光後10
0℃で30分かけて加熱し、さらに、同社製のLMR用
現像液Cタイプを用いて、未感光の部分を20℃で80
秒間かけて除去し、同社製のLMRリンス液にて、20
℃で20秒間かけてリンスを行ない、パターン膜の形成
を行なった。
【0038】−DLCコーティング工程− RF平行平板型のプラズマCVD装置を用い、酸素供給
量10sccM、圧力0.1Torr、RF出力200
Wにて、15秒間アッシングしてレジストを完全に除去
した後、以下の条件でダイヤモンド状炭素膜を形成し
た。
【0039】導入原料ガスの種類及びその流量:CH
3 、10sccm、 系内の圧力:10-2Torr、 RF出力:150W、 反応時間:30分 結果として、厚みが約1,000Åであり、ヌープ硬度
が5,000Kg/mm2 であるダイヤモンド状炭素膜
が、基板の表面に被覆された。
【0040】−ダイヤモンド状炭素膜の除去工程− 前記基板を、アセトンで洗浄し、基板の表面のパターン
膜を溶解除去すると共に、前記パターン膜の表面に形成
されたダイヤモンド状炭素膜も同時に除去した。
【0041】−傷付け処理工程− 超音波洗浄装置内に、粒径5〜12μmのダイヤモンド
パウダー0.5gを100mlのアセトン中に分散さ
せ、該液中に基板を浸し、傷付け処理を15分間かけて
行なった。
【0042】−ダイヤモンド膜形成工程− 以下の条件でダイヤモンド膜の形成を行なった。 原料ガスの種類と流量:COとH2 との混合ガス、10
/90sccm 合成条件:反応圧力40Torr、基板温度900℃、
合成時間2時間 合成法(原料ガス励起法):マイクロ波プラズマCVD
法(2.45GHz)。 結果としては ダイヤモンド状炭素膜の形成がされてい
ない部分は、ダイヤモンド膜の形成が見られた。
【0043】
【発明の効果】本発明によると、基板に悪影響を及ぼす
ことなく、高性能な半導体デバイスや光導波路等の電子
機器分野をはじめとする広い分野で好適なダイヤモンド
膜を選択的に形成することのできる、実用上著しく有用
なダイヤモンド膜の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、表面にパターン膜を形成した基板の表
面を示す断面図である。
【図2】図2は、パターン膜を形成した基板の表面に、
ダイヤモンド状炭素膜を形成した状態を示す断面図であ
る。
【図3】図3は、パターン膜を除去し、ダイヤモンド状
炭素が基板の表面に残された状態を示す断面図である。
【図4】図4は、図3に示される基板の表面を傷付け処
理した後における基板を示す断面図である。
【図5】図5は、フォトマスクを示す平面図である。
【符合の説明】 1 基材 2 パターン膜 3 ダイヤモンド状炭素膜 4 傷付き処理をされた部分 5 露光用窓

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面におけるダイヤモンド膜を形
    成すべき部分に、レジストによるパターン膜を形成した
    後、前記基板の表面全体にダイヤモンド状炭素膜を形成
    し、溶剤により前記パターン膜を溶解すると共にその表
    面上にある前記ダイヤモンド状炭素膜を前記基板の表面
    から除去した後、前記基板の表面全体を傷付け処理し、
    次いで前記基板の表面に気相法によるダイヤモンド膜の
    合成を行なうことにより、前記パターン膜形成部分に選
    択的にダイヤモンド膜を形成することを特徴とするダイ
    ヤモンド膜の選択形成法。
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