JPH0692790A - ダイヤモンドネットの製造方法 - Google Patents

ダイヤモンドネットの製造方法

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JPH0692790A
JPH0692790A JP23861092A JP23861092A JPH0692790A JP H0692790 A JPH0692790 A JP H0692790A JP 23861092 A JP23861092 A JP 23861092A JP 23861092 A JP23861092 A JP 23861092A JP H0692790 A JPH0692790 A JP H0692790A
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diamond
matrix
film
pattern
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Satoshi Katsumata
聡 勝又
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、機械的及び熱的特性に優れると
共に多くの分野において好適に用いることのできるダイ
ヤモンドネットを簡便にしかも任意の大きさ及び形状に
製造することのできる、ダイヤモンドネットの製造方法
を提供することを目的とする。 【構成】 前記目的を達成するための前記請求項1に記
載の発明は、基板の表面に、ライン幅が1μm以下、か
つライン間隔が1μmよりも大きいネット状のマトリッ
クスパターンをマトリックス材料により形成した後、前
記ライン間隔の1/3以上の粒径を有する砥粒により前
記基板の表面に傷付け処理を行ない、次いで前記基板の
表面に気相法によるダイヤモンド合成を行なうことによ
り、前記パターン状にダイヤモンドを形成することを特
徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ダイヤモンドネット
の製造方法に関し、更に詳しくは、機械的及び熱的特性
に優れることにより、多くの技術分野において好適に用
いることのできるダイヤモンドネットを、簡便にしかも
任意の大きさ及び形状に製造することのできる方法に関
する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来か
ら、ダイヤモンドは、化学的に安定で高硬度である等の
優れた特性を有するので、各種の技術分野において注目
され、またその応用が検討されてきた。前記応用例とし
ては、例えば、ダイヤモンドと他の材料とを組合せてな
る複合材料、切削工具及び研磨工具等の超硬工具、ある
いは各種の摺動部材や耐摩耗性部材等がある。
【0003】ところが、ダイヤモンドの応用技術は、現
実にはまだ適用範囲が狭く、限られた分野においてでし
か利用されていない。というのも、ダイヤモンド自体の
製造技術がまだ発展途上にあり、目的とする形状・大き
さのダイヤモンドを選択的かつ容易に得ることができて
いないからである。
【0004】近時、こうした事情に鑑み、種々のダイヤ
モンドの製造技術が報告されてきている。しかし、これ
らは主にダイヤモンド膜の製造に関するものであり、例
えば、ネット状等の複雑な形状のダイヤモンドを選択的
に製造する方法に関する報告例は極めて少ない。
【0005】ネット状ダイヤモンドを製造する方法の例
としては、光電気化学エッチング法によりその表面を目
的のパターンに粗面化したシリコン基板を用いてダイヤ
モンド合成を行なう方法がある。また、プラズマCVD
法等により一旦合成したダイヤモンド膜を、酸素、二酸
化炭素等を含んだ気流中でプラズマ処理又は熱酸化処理
することによりエッチングして多孔質化する方法(特開
平1−246116号)がある。
【0006】しかしながら、前者の方法においては、ダ
イヤモンド合成初期に数ミクロンのサイズのネット状ダ
イヤモンドが単に得られるだけである。また、後者の方
法においては、エッチングする条件が厳しいので、これ
を適切に制御しつつダイヤモンド膜を目的の形状にする
ことは困難である。したがって、いずれの方法において
も、目的とする任意の大きさ及び形状を有するネット状
ダイヤモンドを再現性よく得ることはできないという問
題がある。しかも、これらの方法は、操作が簡便でない
ので実用的でないという問題がある。
【0007】任意の微細なパターンを有するダイヤモン
ドネットを、基板の表面に選択的かつ容易に形成する方
法は、開発されていないのが現状である。この発明の目
的は、前記問題を解決すると共に、機械的及び熱的特性
に優れると共に多くの分野における好適な材料とするこ
とのできるダイヤモンドネットを簡便にしかも任意の大
きさ及び形状に製造することのできる、ダイヤモンドネ
ットの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者は、前記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、基板の表面に、特
定のライン幅及びライン間隔を有するネット状のマトリ
ックスパターンをマトリックス材料により形成した後、
特定の粒径を有するダイヤモンド粒子を用いて傷付け処
理を行なう。そして、この基板の表面にダイヤモンド合
成を行なうと、前記パターンの表面だけに選択的にダイ
ヤモンドを合成させることができ、ダイヤモンドネット
を容易にしかも再現性よく得ることができることを見出
した。
【0009】この発明は、この発明者らのかかる知見を
基に到達したものである。即ち、前記目的を達成するた
めの前記請求項1に記載の発明は、基板の表面に、ライ
ン幅が1μm以下、かつライン間隔が1μmよりも大き
いネット状のマトリックスパターンをマトリックス材料
により形成した後、前記ライン間隔の1/3以上の粒径
を有する砥粒により前記基板の表面に傷付け処理を行な
い、次いで前記基板の表面に気相法によるダイヤモンド
合成を行なうことにより、前記パターン状にダイヤモン
ドを形成することを特徴とするダイヤモンドネットの製
造方法である。
【0010】以下に、この発明について詳細に説明す
る。この発明の方法は、 1)基板の表面に、マトリックス材料により特定のマト
リックスパターンを形成する工程(以下、マトリックス
パターン形成工程と称する。)、 2)特定の粒径を有するダイヤモンド粒を用いて基板の
表面を傷付け処理する工程(以下、傷付け処理工程と称
する。)、及び、 3)基板の表面に気相法によるダイヤモンドを形成する
工程(以下、ダイヤモンド形成工程と称する。)の3つ
の工程を有する。
【0011】以下、順を追って前記各工程について説明
する。 −マトリックスパターン形成工程− マトリックスパターン形成工程においては、マトリック
ス材料により基板表面に目的とする形状及び大きさを有
する特定のマトリックスパターンが形成される。マトリ
ックスパターンを形成するには、リソグラフィー技術を
用いることができる。具体的には、その一例として以下
の〈マトリックスパターン形成1〉による方法を挙げる
ことができる。
【0012】〈マトリックスパターン形成1〉先ず、ネ
ガ型のフォトレジスト等のレジスト剤を含有するパター
ン形成用塗布液を基板の表面全体に塗布し、これを乾燥
する。次に、例えば図4に示すような、目的のパターン
と同じマスクパターンのフォトマスク5を介して、図5
に示すように紫外線等の光を照射した後、未露光部分を
除去して図6に示すようなレジスト膜4を基板1の表面
に形成する。続いてこの基板1の全表面に、図7に示す
ように、例えば二酸化ケイ素によるマトリックス膜6を
スパッタリング形成する。その後、基板1上のレジスト
膜4を溶解しこれを除去すると、その表面に形成されて
いたマトリックス膜6も同時に除去される。これによ
り、基板1上に、図3に示すような、目的とするパター
ンと同じ大きさ及び形状を有するマトリックスパターン
2を形成する方法である。
【0013】また、他の例として以下の〈マトリックス
パターン形成2〉による方法を挙げることができる。 〈マトリックスパターン形成2〉先ず、基板の表面全体
に、例えばニ酸化ケイ素をスパッタリング又は熱酸化す
ることによりマトリックス膜を形成する。この全表面
に、ポジ型のフォトレジスト等のレジスト剤を含有する
パターン形成用塗布液を塗布し、これを乾燥する。次
に、図4に示すような、目的とするパターンと同じマス
クパターンのフォトマスク5を介して、図8に示すよう
に紫外線等の光を照射する。その後、露光部分を除去し
て図9に示されるようなレジスト膜4を形成する。続い
て、リアクティブイオンエッチング法(RIE法)又は
バッファーフッ酸を用いて二酸化ケイ素によるマトリッ
クス膜6のエッチングを行なうことにより、図10に示
すように基板1上に露出していたマトリックス膜6を除
去する。その後、基板1上のレジスト膜4を溶解し除去
すると、その下で保護されていたマトリックス膜6が露
出される。これにより、図3に示すように、基板1上
に、目的とするパターンと同じ大きさ及び形状を有する
マトリックスパターン2を形成する方法である。
【0014】前記レジスト剤としては、フォトレジスト
の他、電子線やX線用のレジストを用いることができ
る。前記フォトレジストしては、一般に用いられている
もののほか、各種公知の樹脂系やゴム系のフォトレジス
トを用いることができる。前記ネガ型フォトレジストの
市販品としては、例えば、富士薬品工業(株)製のLM
R−33や東京応化工業(株)製のOMR−83、OM
R−85等を挙げることができる。また、前記ポジ型フ
ォトレジストの市販品としては、東京応化工業(株)製
のOFPR−2やOFPR−800等を挙げることがで
きる。
【0015】前記パターン形成用塗布液の調製方法とし
ては、特に制限はなく、公知の種々の方法を採用するこ
とができる。前記パターン形成用塗布液の塗布方法とし
ては、スプレー、スピンナー、デイップ等を用いる方法
などを挙げることができ、これらの中で好ましいのはス
ピンナーを用いる方法である。
【0016】パターン形成用塗布液を塗布した後、通常
の場合乾燥することにより、レジスト層を得る。このレ
ジスト層の乾燥時の厚みとしては、特に制限はないが、
通常、0.5〜3μm程度である。前記レジスト層は、
図5及び図8に示すように、フォトマスク5を介してレ
ジスト層4に紫外線などの光を照射し、現像及びリンス
することにより、形成することができる。
【0017】また、レジスト層を除去するには、適宜の
方法を選択することができる。例えば、プラズマを用い
る方法、アセトン、アルコール、セルソルブ、硫酸及び
過酸化水素の混合液、ジメチルホルムアミド等の溶剤を
用いる方法等を挙げることができる。前記紫外線などの
光を照射することによる露光の方法としては、例えば、
コンタクト露光方式、プロキシミティー露光方式、プロ
ジェクション露光方式等を挙げることができ、目的に応
じて種々の方法を適宜に選択して用いることができる。
【0018】マトリックス膜を形成するマトリックス材
料としては、基板の表面に目的とするパターンを形成す
ることができれば特に制限はないが、例えば、シリコ
ン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ダイヤモ
ンド状炭素、ニッケル、タングステン等を好適に挙げる
ことができる。マトリックス膜の形成方法としては、例
えば、スパッタリングによる方法、熱酸化する方法、蒸
着法、CVD法、PVD法等を挙げることができる。
【0019】マトリックス膜の厚みとしては、通常50
0Å〜5μmであり、好ましくは1000Å〜1μmで
ある。このようにしてこの工程では、例えば図3に示す
ように、基板1の表面にマトリックス材料によるマトリ
ックスパターン2が形成される。この発明において形成
するマトリックスパターンは、そのライン幅が1μm以
下、好ましくは0.2〜1μmであり、かつライン間隔
が1μmよりも大きく、好ましくは1〜100μmであ
る。
【0020】前記マトリックスパターンのライン幅が1
μmよりも大きいと、成長するダイヤモンド粒の大きさ
は通常1μm以下であるので、マトリックスパターンに
おけるラインの両角にダイヤモンドが形成されてしまう
ことがある。この場合、目的とするパターン通りの形状
を有するダイヤモンドネットを得ることができない。
【0021】また、前記マトリックスパターンにおける
ライン間隔が1μm以下であると、ダイヤモンド形成の
際に、隣接するライン上に析出するダイヤモンド同士が
互いに結合し、一体化してしまうことがある。この場
合、膜状のダイヤモンドしか得ることができず、ダイヤ
モンドネットを得ることができない。
【0022】−傷付け処理工程− 傷付け処理工程では、特定の粒径を有する砥粒を用い
て、マトリックスパターンの表面にダイヤモンドが析出
することができるようにするための核となる傷を形成す
る。前記砥粒としては、基板よりも硬度の大きな微粒子
であれば特に制限はないが、例えば、SiC、cBN、
ダイヤモンド等を挙げることができる。これらの中で好
ましいのは、ダイヤモンドである。
【0023】砥粒の粒径としては、ライン間隔の1/3
以上であり、好ましくはライン間隔の1/2以上であ
る。前記砥粒の粒径がライン間隔の1/3よりも小さい
と、マトリックスパターンにおけるラインとラインとの
間への傷付け効果が大きくなり、ライン上だけでなく、
かかるラインとラインとの間の場所にダイヤモンド析出
のための核を生じてしまうことがある。この場合、目的
とするダイヤモンドネットを得ることはできない。
【0024】前記砥粒を用いて傷付け処理を行なうに
は、種々の方法を選択することができるが、通常、前記
砥粒を溶媒中に分散させた液中に基板を浸漬し、これに
超音波を照射することにより行なうことができる。前記
溶媒としては、アルコール、アセトン等を挙げることが
できる。また、溶媒に分散する前記砥粒の量としては、
通常、溶媒100ml当たり0.05〜10gであり、
ましくは0.1〜5gである。
【0025】傷付け処理の時間としては、目的に応じて
適宜選択されるが、通常3秒〜1時間である。傷付け処
理の時間が短すぎると、ダイヤモンド発生のための核の
生じる割合が少なくなり、その後にダイヤモンド形成を
行なってもダイヤモンドがネット状に繋らないことがあ
る。一方、長すぎると、マトリックスパターンの表面だ
けでなく、マトリックスパターンとマトリックスパター
ンとの間の基板表面にも核を生じることがあり、ダイヤ
モンドが膜状になる等、ダイヤモンドネットを得ること
ができないことがある。
【0026】この傷付け処理工程において、超音波を照
射すると、前記砥粒が激しく基板の表面に接触する。こ
れにより、形成したマトリックスパターンの表面を選択
的に微小な傷を付けることができる。この傷付け処理に
よりマトリックスパターンの表面に付与された微小な傷
は、ダイヤモンド合成の際のダイヤモンド初期核の発生
点として作用する。
【0027】−ダイヤモンド形成工程− ダイヤモンドの形成は、従来の気相合成法等の各種の気
相合成法によって行うことができ、中でも、CVD法に
よる方法が好適に採用される。こうしたダイヤモンド膜
の気相合成法としてのCVD法としては、例えば、マイ
クロ波プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、熱
フィラメントCVD法、DCアークプラズマCVD法、
有磁場プラズマCVD法(ECR法を含む)等の多種多
様の方法が知られている。
【0028】また、こうしたプラズマCVD法によるダ
イヤモンドの気相合成法においては、原料ガスとして、
少なくとも炭素源ガスを含む各種の種類及び組成の原料
ガスを使用することのできることが、知られている。前
記原料ガスとして、例えば、CH4 とH2 の混合ガス等
のように炭化水素を炭素源ガスとして含有する原料ガ
ス、COとH2 の混合ガス等のように炭化水素以外の炭
素化合物を炭素源ガスとして含有する原料ガスなど、各
種の原料ガスを挙げることができる。
【0029】この発明の方法においては、ダイヤモンド
の形成が可能であれば、上記の原料ガス等を初めとする
従来法で使用されている原料ガスなどの各種の原料ガス
を適宜に使用してダイヤモンドを形成させることができ
る。中でも、COとH2 との混合ガス、又はCH4 とH
2 との混合ガスが好ましい。特に、COとH2 との混合
ガスを原料ガスとして使用すると、炭化水素を用いた場
合に比べてダイヤモンド膜の堆積速度が速くて、高純度
のダイヤモンドを効率よく形成することができるなどの
点で優れている。
【0030】以下に、この特に好ましいダイヤモンドの
形成方法の例として、COとH2 を原料ガスとして用い
る方法について、その好適な方法の例を説明する。即
ち、この発明の方法においては、前記ダイヤモンドの形
成は、下記の一酸化炭素と水素ガスとの混合ガスを原料
ガスとして用いる方法(以下、この方法を、方法Iと称
する。)によって特に好適に行うことができる。即ち、
この方法Iは、一酸化炭素と水素とを、一酸化炭素ガス
が1容量%以上となる割合で、含有する混合ガスを励起
して得られるプラズマガスを、基板に接触させることを
特長とする。
【0031】この方法Iにおいて、使用に供する前記一
酸化炭素としては特に制限がなく、例えば、石炭、コー
クスなどと空気又は水蒸気を熱時反応させて得られる発
生炉ガスや水性ガスを充分に精製したものを用いること
ができる。使用に供する前記水素について特に制限がな
く、例えば、石油類のガス化、天然ガス、水性ガスなど
の変成、水の電解、鉄と水蒸気との反応、石炭の完全ガ
ス化などにより得られるものを充分に精製したものを用
いることができる。
【0032】この方法Iにおいては、原料ガスとして一
酸化炭素と前記水素とを、一酸化炭素ガスの含有量が1
容量%以上、好ましくは3容量%以上となる割合で、含
有する混合ガスを励起して得られるガスを、前記基材に
接触させることにより、その所定の面上にダイヤモンド
を堆積させる。前記混合ガス中の一酸化炭素ガスの含有
量が1容量%よりも少ないとダイヤモンドが生成しなか
ったり、ダイヤモンドがたとえ生成してもその堆積速度
が著しく小さい。
【0033】前記原料ガスを励起して励起状態の炭素を
含有する前記原料ガスを得る手段としては、例えば、プ
ラズマCVD法、熱フィラメント法などの従来より公知
の方法を用いることができる。前記プラズマCVD法を
用いる場合には、前記水素は高周波又はマイクロ波の照
射によってプラズマを形成し、前記熱フィラメント法な
どのCVD法を用いる場合には、前記水素は熱フィラメ
ントにより原子状水素を形成する。
【0034】この方法Iにおいては、前記原料ガスのキ
ャリヤーとして、不活性ガスを用いることもできる。不
活性ガスの具体例としては、アルゴンガス、ネオンガ
ス、ヘリウムガス、キセノンガス、窒素ガスなどが挙げ
られる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以
上を組合せて用いてもよい。
【0035】この方法Iにおいては、以下の条件下に反
応が進行して、基板の表面にダイヤモンドが析出する。
即ち、前記基板の表面の温度は、前記原料ガスの励起手
段によって異なるので、一概に決定することはできない
が、例えばプラズマCVD法を用いる場合には、通常、
室温〜1,200℃、好ましくは450℃〜1,100
℃である。この温度が室温より低い場合には、ダイヤモ
ンドの堆積速度が遅くなったり、励起状態の炭素が生成
しないことがある。一方、1,200℃より高い場合に
は、前記基板の表面に堆積したダイヤモンドがエッチン
グにより削られてしまい、堆積速度の向上が見られない
ことがある。
【0036】前記反応圧力は、通常、10-3〜103
orr、好ましくは1〜800Torrである。反応圧
力が10-3Torrよりも低い場合には、ダイヤモンド
の堆積速度が遅くなったり、ダイヤモンドが析出しなく
なったりする。一方、103Torrより高くしてもそ
れに相当する効果は得られない。以上のようにこの発明
においては、前記基板の表面に形成したパターンの表面
に、ダイヤモンドを選択的に形成することができる。こ
れにより、例えば、図1及び図2で示されるような、ダ
イヤモンドネットを得ることができる。
【0037】この発明の方法においては、前記ダイヤモ
ンドの形成は、もちろん、上記の方法I以外の方法を適
用して行ってもよい。形成される前記ダイヤモンドの厚
みは、使用目的等に応じて適宜に適当な厚みにすればよ
く、この意味で特に制限はないが、通常は、1〜100
μmの範囲に選定するのがよい。この厚みが、あまり薄
すぎると、ダイヤモンドネットとして得られないことが
あり、一方、あまり厚すぎると、横方向にもダイヤモン
ドが成長して膜化することがある。
【0038】
【実施例】以下、この発明の実施例につき具体的に説明
する。なお、この発明は以下の実施例に何ら限定される
ものではない。 (実施例1) −マトリックスパターン形成工程− 電気炉内において、Siウエハーの基板の表面を、1a
tmの酸素ガスを用い、1050℃の条件で4時間熱酸
化処理することにより、基板の表面に厚み2000Åの
二酸化ケイ素によるマトリックス膜を形成した。
【0039】この基板を、霧状のヘキサメチルジシラザ
ン(HMDS)により60℃の条件下で25秒間処理し
た。この処理を全部で2回行なった。次に、ポジ型フォ
トレジスト(東京応化工業(株)製:OFPR−80
0)をスピンナーを用いて、3×103 rpmで、厚み
が1μmになるように塗布することにより、基板の表面
にレジスト層を形成した。塗布後、前記レジスト層を1
00℃で90秒間加熱して乾燥した。
【0040】そして、キャノン(株)製マスクアライナ
ー(PLA−501FA)を用いて紫外線を13mW/
cm2 の強さで90秒間、ライン幅が0.5μmかつパ
ターン間隔が2μmである格子縞状のフォトマスクを介
して、レジスト層に露光した。続いてこの基板を、同社
製のNMD−3中に60秒間浸漬して現像を行ない、レ
ジスト層の露光部分を除去した後、純水を用いてリンス
した。
【0041】この基板を、市販のバッファーフッ酸に浸
漬して、1,000Å/minの速度で二酸化ケイ素に
よるマトリックス膜のエッチングを行なった後、純水で
リンスした。そして、同社製のストリッパー10を用い
てレジスト層を剥離した。こうして、ライン幅が0.5
μmかつライン間隔が2μmであるマトリックスパター
ンを形成した。
【0042】−傷付け処理工程− 超音波洗浄装置内に、粒径5〜12μmのダイヤモンド
粒0.5gを100mlのアセトン中に分散させると共
にこの液中に、マトリックスパターンを形成した基板を
浸し、傷付け処理を3分間行なった。
【0043】−ダイヤモンド形成工程− 以下の条件でダイヤモンドの形成を行なった。 原料ガスの種類と流量:COとH2 との混合ガス(10
/90sccm) 合成条件:反応圧力40Torr、基板温度900℃、
合成時間60分間 合成法(原料ガス励起法):マイクロ波プラズマCVD
法(2.45GHz)。 その結果、基板におけるマトリックスパターン上にダイ
ヤモンドが形成した。その後、ダイヤモンドが形成され
た基板を、フッ化水素と硝酸との混合液を用いて処理し
てマトリックスパターンを溶解して、セルフスタンドの
ダイヤモンドネットを得た。
【0044】
【発明の効果】この発明によると、他の材料と組合せる
ことにより、機械的及び熱的特性に優れると共に多くの
分野において好適な複合材料とすることのできる、実用
上著しく有用なダイヤモンドネットを、再現性よく、簡
便にしかも任意の大きさ及び形状に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ダイヤモンドネットが形成された基板
の断面の状態を示す概略説明図である。
【図2】図2は、ダイヤモンドネットが形成された基板
を上から見た状態を示す概略説明図である。
【図3】図3は、パターンが形成された基板の断面の状
態を示す概略説明図である。
【図4】図4は、フォトマスクの一例を示す概略説明図
である。
【図5】図5は、フォトマスクを用いて基板上に塗布し
たレジスト層に紫外線を照射している状態を示す概略説
明図である。
【図6】図6は、レジスト層が形成された基板の断面の
状態を示す概略説明図である。
【図7】図7は、レジスト層の表面にマトリックス膜が
形成された基板の断面の状態を示す概略説明図である。
【図8】図8は、フォトマスクを介して、基板表面に形
成したマトリックス膜上に塗布したレジスト層に、紫外
線を露光している状態を示す概略説明図である。
【図9】図9は、マトリックス膜上にレジスト層が形成
された基板の断面の状態を示す概略説明図である。
【図10】図10は、パターン状のマトリックス膜上に
レジスト層が形成された基板の断面の状態を示す概略説
明図である。
【符合の説明】
1 基板 2 マトリックスパターン 3 ダイヤモンド 4 レジスト層 5 フォトマスク 6 マトリックス膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に、ライン幅が1μm以下で
    あり、かつライン間隔が1μmよりも大きいネット状の
    マトリックスパターンをマトリックス材料により形成し
    た後、前記ライン間隔の1/3以上の粒径を有する砥粒
    により前記基板の表面に傷付け処理を行ない、次いで前
    記基板の表面に気相法によるダイヤモンド合成を行なう
    ことにより、前記パターン状にダイヤモンドを形成する
    ことを特徴とするダイヤモンドネットの製造方法。
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