JP3204804B2 - ダイヤモンドの選択形成法 - Google Patents

ダイヤモンドの選択形成法

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JP3204804B2
JP3204804B2 JP15584093A JP15584093A JP3204804B2 JP 3204804 B2 JP3204804 B2 JP 3204804B2 JP 15584093 A JP15584093 A JP 15584093A JP 15584093 A JP15584093 A JP 15584093A JP 3204804 B2 JP3204804 B2 JP 3204804B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ダイヤモンドの選択
形成法に関し、更に詳しくは、高性能な電子デバイス等
に好適なダイヤモンドを所望の形状に、効率よくかつ経
済的に、しかもダイヤモンド粒子による基板の傷付け処
理等の煩雑な工程を行なうことなく、短時間で再現性よ
く選択的に製造することができる、ダイヤモンドの選択
形成法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ダイヤモ
ンドは、極めて硬度が高くしかも電気的に優れるという
特性を有することから、電子・電気機器等をはじめとす
る各種の分野において有用な工業材料として注目されて
いる。ところで、ダイヤモンドを例えば電子デバイス等
として用いる場合には、所望の形状のダイヤモンドを選
択的に形成することが必要になる。近時、ダイヤモンド
を選択的に形成する方法が幾つか提案されている。例え
ば特開平2−30697号公報には、基板の表面をダイ
ヤモンド砥粒を用いて傷付け処理し、前記基板の表面に
レジスト材料によりパターンを形成すると共にアルゴン
イオンビームによりエッチング処理をし、前記パターン
を溶剤により溶解除去した後、気相法により前記基板の
表面にダイヤモンドを選択的に形成する方法が開示され
ている。
【0003】しかしながら、前記公報に記載の方法にお
いては、傷付け処理およびエッチング処理を行なうの
で、製造工程が複雑化して煩雑である上、ダイヤモンド
を得るのに時間がかかる。また、このような傷付け処理
やエッチング処理に要するコストを考えると経済的でな
い。更に、この傷付け処理を再現性よく行なうことが困
難であるので、所望の形状のダイヤモンドを再現性よく
選択的に形成することができないという問題がある。
【0004】一方、Proceedings of t
he first International co
nference on the Appricati
ons of Diamond Films and
Related Materials(Elsevie
r:1991、第423〜428頁)には、ダイヤモン
ドを形成する際、基板にダイヤモンド粒子を埋め込む手
法が提案されている。
【0005】しかし、この場合、ダイヤモンド粒子を埋
め込むための基板にSiO2 によりマスクパターンを形
成する工程が必要になるので、煩雑である。しかも、導
電性を有する基板しか用いることができないという問題
がある。
【0006】この発明は、前記問題を解決し、高性能な
電子デバイス等の電子材料をはじめとする広い分野に好
適なダイヤモンドを所望の形状に、効率よくかつ経済的
に、しかもダイヤモンド粒子による基板の傷付け処理等
の煩雑な工程を行なうことなく、短時間で再現性よく選
択的に製造することができる、ダイヤモンドの選択形成
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、基板の表面に炭素化合物の
薄膜を被覆し、前記薄膜上にダイヤモンド粒子を0.0
01〜10重量%含有するレジスト材料によるパターン
を形成し、非パターン部に残留するダイヤモンド粒子を
除去した後、気相法により前記基板の表面にダイヤモン
ド形成を行なうことを特徴とするダイヤモンドの選択形
成法である。
【0008】以下に、この発明に係るダイヤモンドの選
択形成法につき詳細に説明する。
【0009】この発明の方法は、1)基板の表面に炭素
化合物の薄膜を被覆する工程(以下、薄膜被覆工程と称
する。)と、2)前記薄膜上に特定量のダイヤモンド粒
子を含有するレジスト材料によるパターンを形成する工
程(以下、パターン形成工程と称する。)と、3)非パ
ターン部に残留するダイヤモンド粒子を除去する工程
(以下、ダイヤモンド粒子除去工程と称する。)と、
4)気相法により前記基板の表面にダイヤモンド形成を
行なう工程(以下、ダイヤモンド形成工程と称する。)
とを有する。
【0010】以下、前記各工程につき順を追って説明す
る。
【0011】1)薄膜被覆工程 この薄膜被覆工程においては、基板の表面全体に炭素化
合物の薄膜を被覆する。
【0012】前記基板としては、その材料質等につき特
に制限はないが、例えばSi、ガリウム−ヒ素、Si
C、SiO2 、Si34 、SrTiO3 、MgO、ア
ルミナ、AlN、セラミックス、サファイヤ、超硬合金
等の半導体用基板として用いることができる基板を挙げ
ることができる。これらの中でもSiの基板が好まし
い。この発明においては、前記基板としてシリコンウエ
ハーを好ましく用いることができる。また、前記基板
は、P型あるいはN型の半導体であってもよい。前記基
板の比抵抗としては、通常10-6〜103 Ω・cmであ
る。
【0013】前記炭素化合物としては、前記基板の表面
に薄膜として被覆することができ、かつ、ダイヤモンド
形成温度において燃焼する性質、具体的にはダイヤモン
ド形成用プラズマ中で燃焼する性質を有する化合物であ
れば特に制限はない。かかる炭素化合物としては、例え
ば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、グラッシ
ーカーボン、グラファイト、アモルファスカーボン等の
炭素のみからなる化合物、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ABS樹脂等の炭素と水素とから
なる化合物、および、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA樹脂)、ポ
リメタクリル酸メチル樹脂、ノボラック樹脂等の炭素と
水素と酸素とからなる化合物を挙げることができる。ま
た、この発明においては、炭素化合物として一般のリソ
グラフィー用のレジスト剤を用いることもできる。これ
らの中でも、ダイヤモンドライクカーボン、グラッシー
カーボン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリエステルが好ましく、特にダイヤモンドライ
クカーボンがダイヤモンド形成のための初期核の発生を
効果的に抑えることができるので好ましい。これらは一
種単独で用いても、あるいは二種以上を併用してもよ
い。
【0014】前記薄膜を前記基板の表面に被覆する方法
としては、特に制限はなく、被覆する前記炭素化合物の
種類に応じて適宜選択することができるが、例えばCV
D法、PVD法、プラズマ重合法、あるいはスピンコー
タ法およびディップ法などの塗布法等の種々のそれ自体
公知の被覆方法を挙げることができる。
【0015】前記薄膜の厚みとしては、通常500Å〜
100μmであり、好ましくは1,000Å〜10μm
であり、更に好ましくは3,000Å〜5μmである。
前記厚みが前記範囲内にあると、非ダイヤモンド形成領
域にダイヤモンド形成のための初期核が発生するのを効
果的に抑えることができる。その結果、高い選択率でダ
イヤモンドの選択形成を行なうことができる。一方、前
記厚みが500Åよりも薄いと、基板の表面に前記炭素
化合物の薄膜を形成した効果が充分でなく、その後の超
音波洗浄時において、前記炭素化合物の薄膜上に残留す
るダイヤモンド粒子により基板が傷付けられてしまうこ
とがある。また、100μmよりも厚いと、プラズマ中
での燃焼の際、上部のダイヤモンド形成パターンがずれ
てしまうことがある。
【0016】2)パターン形成工程 このパターン形成工程においては、前記薄膜上における
ダイヤモンドを形成すべき箇所に、特定量のダイヤモン
ド粒子を含有するレジスト材料によるパターンを形成す
る。
【0017】前記特定量のダイヤモンド粒子を含有する
レジスト材料によるパターンを形成するには、リソグラ
フィーの技術を用いることができる。具体的には、例え
ば特定量のダイヤモンド粒子を含有する電子線レジス
ト、フォトレジスト等のレジスト材料を基板の表面に被
覆した前記薄膜上に塗布し乾燥してダイヤモンド粒子含
有レジスト層を形成する。次に、所望の形状のパターン
と逆のパターンのフォトマスクを介して、紫外線等の光
を前記レジスト層に照射して露光する。その後、未露光
部分を溶剤等で除去することにより、所望の形状のパタ
ーンを前記薄膜上に形成することができる。
【0018】あるいは、前記レジスト材料を基板の表面
に被覆した前記薄膜上に塗布し乾燥してレジスト層を形
成する。次に、例えば図4に示すような、所望のパター
ンと同じパターンであるフォトマスク6を介して、図3
に示すように、紫外線等の光を前記レジスト層5に照射
して露光する。なお、図4に示すフォトマスク6は、着
色された形成樹脂やクロム等で構成される遮光部6aと
アクリル樹脂やガラス等の透明な板からなる光透過部6
bとを有する。その後、露光部分を溶剤により除去する
と、図2に示すような所望のパターン5aを前記炭素化
合物の薄膜4上に形成することができる。
【0019】前記レジスト材料としては、フォトレジス
トの他、電子線やX線用のレジストを挙げることができ
る。
【0020】前記フォトレジストとしては、ネガ型フォ
トレジストまたはポジ型フォトレジストを挙げることが
できる。これらのレジストは一般に用いられているもの
の外、各種公知の樹脂系やゴム系のフォトレジストを用
いることができる。
【0021】前記ネガ型フォトレジストの市販品として
は、例えば、富士薬品工業(株)製のLMR−33や東
京応化工業(株)製のOMR−83、OMR−85等を
挙げることができる。また、前記ポジ型フォトレジスト
の市販品としては、東京応化工業(株)製のOFPR−
2やOFPR−800等を挙げることができる。
【0022】前記ダイヤモンド粒子としては、天然のダ
イヤモンド粒子でも、あるいは合成したダイヤモンド粒
子でもよく、特に制限はない。前記ダイヤモンド粒子の
粒径としては、1μm以下が好ましく、更に0.1〜
0.5μmが好ましい。前記粒径が1μm以下である
と、レジスト材料中にダイヤモンド粒子を均一に分散さ
せることができ、その後に行なうダイヤモンド形成の際
の初期核として有効にダイヤモンド粒子を利用すること
ができるので好ましい。
【0023】前記レジスト材料中のダイヤモンド粒子の
含有量は0.001〜10重量%であり、好ましくは
0.1〜5重量%である。前記含有量が0.001重量
%未満では、ダイヤモンド形成の際の初期核としてダイ
ヤモンド粒子が少なく、良好なダイヤモンド膜を基板の
表面に形成することができないことがある。一方、10
重量%を越えると、レジスト材料中でのダイヤモンド粒
子の分散性が低下し、基板の表面にレジスト材料を均一
に塗布することができないことがある。
【0024】前記レジスト材料の調製方法としては、特
に制限はなく、公知の種々の方法を採用することができ
る。例えば、先ず前記レジスト材料に前記ダイヤモンド
粒子を混合させる。次にこのダイヤモンド粒子を含有す
るレジスト材料に超音波を照射する。すると、レジスト
材料中でダイヤモンドが均一に混合し、分散する。その
後、これを直径5μm程度のテフロン製フィルタ等を用
いて濾過する。すると、二次粒子や大きな粒子が除去さ
れた均一なレジスト材料を調製することができる。
【0025】前記レジスト材料の塗布方法としては、ス
プレー、スピンナー、デイップ等を用いる方法などを挙
げることができ、これらの中で好ましいのはスピンナー
を用いる方法である。
【0026】前記レジスト材料を前記薄膜上に塗布した
後、通常の場合は乾燥することにより、レジスト層を得
る。このレジスト層の乾燥時の厚みとしては、特に制限
はないが、通常0.5〜10μm程度である。
【0027】前記パターンは、フォトレジスト等を介し
て前記レジスト層に紫外線等の光を照射して露光した
後、現像およびリンスすることにより、形成することが
できる。
【0028】前記紫外線等の光を照射することによる露
光の方法としては、例えば、コンタクト露光方式、プロ
キシミティー露光方式、プロジェクション露光方式等を
挙げることができる。これらは、その目的に応じて適宜
に選択することができる。
【0029】以上により、例えば図2に示すように、炭
素化合物の薄膜4中にダイヤモンド粒子を含有するレジ
スト材料によるパターン5aが形成される。
【0030】3)ダイヤモンド粒子除去工程 このダイヤモンド粒子除去工程においては、前記基板の
表面における非パターン部に残留するダイヤモンド粒子
を除去する。
【0031】前記2)パターン形成工程において、基板
の表面に被覆した前記薄膜上にレジスト材料によるパタ
ーンを形成しても、非パターン形成部にダイヤモンド粒
子が残留している。そこで、前記残留するダイヤモンド
粒子を前記薄膜上から完全に除去する必要がある。
【0032】非パターン形成部に存在するダイヤモンド
粒子は、洗浄操作により除去することができる。洗浄操
作としては、ダイヤモンド粒子を除去するそれ自体公知
の洗浄操作を採用することができるが、好適なのは超音
波洗浄操作である。
【0033】前記超音波洗浄の条件としては特に制限は
なく、それ自体公知の超音波洗浄装置を用い、適宜に選
択した条件にて行なうことができる。前記超音波洗浄に
おいて用いる洗浄液としては、例えばレジストのリンス
液を好適に挙げることができる。
【0034】以上により、非パターン部に残留するダイ
ヤモンド粒子が基板上から除去される。
【0035】4)ダイヤモンド形成工程 このダイヤモンド形成工程においては、基板の表面にダ
イヤモンドを選択的に形成する。
【0036】ダイヤモンドの形成方法としては、それ自
体公知である各種のダイヤモンド気相形成法を用いるこ
とができる。具体的には、CVD法、PVD法、PCV
D法又はこれらを組合せた方法等を用いることができ
る。これらの中でも、通常EACVD法を含めた各種の
熱フィラメント法、熱プラズマ法を含めた各種の直流プ
ラズマCVD法、熱プラズマ法を含めた各種交流(50
Hz、60Hz、13.5MHz等)プラズマCVD
法、熱プラズマ法を含めたマイクロ波プラズマCVD法
等を好適に用いることができる。
【0037】これらのダイヤモンド形成法に用いる炭素
源ガスとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、
ブタン等のパラフィン系炭化水素;エチレン、プロピレ
ン、ブチレン等のオレフィン系炭化水素;アセチレン、
アリレン等のアセチレン系炭化水素;ブタジエン、アレ
ン等のジオレフィン系炭化水素;シクロプロパン、シク
ロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式
炭化水素;シクロブタジエン、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ナフタレン等の芳香族炭化水素;アセトン、ジ
エチルケトン、ベンゾフェノン等のケトン類;メタノー
ル、エタノール等のアルコール類;この外の含酸素炭化
水素;トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン
類;この外の含窒素炭化水素;炭酸ガス、一酸化炭素、
過酸化炭素等を挙げることができる。
【0038】これらの中でも、メタン、エタン、プロパ
ン等のパラフィン系炭化水素、エタノール、メタノール
等のアルコール類、アセトン、ベンゾフェノン等のケト
ン類、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン
類、炭酸ガス、一酸化炭素が好ましく、特に一酸化炭素
が好ましい。
【0039】なお、これらは一種単独で用いてもよく、
二種以上を混合ガス等として併用してもよい。
【0040】また、これらは水素等の活性ガスやヘリウ
ム、アルゴン、ネオン、キセノン、窒素等の不活性ガス
と混合して用いてもよい。
【0041】ダイヤモンドの形成条件としては、特に制
限はないが、例えば反応圧力としては、通常10-6〜1
3 Torrであり、好ましくは1〜760Torrで
ある。前記反応圧力が10-6Torrよりも低い場合に
は、ダイヤモンドの形成速度が遅くなることがある。一
方、103 Torrより高い場合には、103 Torr
のときに得られる効果に比べて、それ以上の効果がない
こともある。
【0042】基板の表面温度としては、前記炭素源ガス
の活性化手段等により異なるので、一概に規定すること
はできないが、通常、室温〜1,200℃であり、好ま
しくは室温〜1,100℃である。前記基板の表面温度
が室温よりも低いと、結晶性のダイヤモンドの形成が不
十分になることがある。一方、1,200℃を超える
と、形成されたダイヤモンドのエッチングが生じ易くな
ることがある。
【0043】反応時間としては、特に限定はなく、ダイ
ヤモンドが所望の厚みとなるように、ダイヤモンドの形
成速度に応じて適宜に設定するのが好ましい。
【0044】形成するダイヤモンドの厚みとしては、使
用目的等に応じて適宜選択すればよく、この意味で特に
制限はないが、通常1〜100μmである。前記厚みが
あまり薄すぎると、被覆部材料としたときにダイヤモン
ドによる被覆効果が十分に得られないことがある。一
方、あまり厚すぎるとその使用条件によってはダイヤモ
ンドの剥離等を生じることがある。なお、得られたダイ
ヤモンドを切削工具等の過酷な条件で使用する場合に
は、この厚みを5〜100μmに選定するのが好まし
い。
【0045】以上により、図1に示すように、基板1の
表面に被覆した前記炭素化合物の薄膜上に、ダイヤモン
ド粒子を含有するレジスト材料によるパターンを形成し
た部分に、これと同じ形状および大きさを有するダイヤ
モンド2が、寸法精度よく選択的に形成される。なお、
ダイヤモンドを形成する際、ダイヤモンド粒子を含有す
るレジスト材料によるパターンはエッチングされて消失
するが、その中に含まれるダイヤモンド粒子は消失せず
に残る。このとき、このダイヤモンド粒子により基板の
表面が傷つけられ、基板の表面にダイヤモンド形成のた
めの初期核が発生する。また、前記ダイヤモンド粒子は
種結晶としても作用するので、ダイヤモンドが効率よく
形成される。
【0046】前記ダイヤモンド形成工程の後は、前記ダ
イヤモンド粒子を含有するレジスト材料は炭素化合物の
薄膜上に残存することもなく、炭素化合物の薄膜もダイ
ヤモンド形成時のプラズマや高温下で燃焼し消失する。
したがって、炭素化合物の薄膜およびダイヤモンド粒子
を含有するレジスト材料は共に消失し、基板1の表面に
所望の形状に選択的に形成されたダイヤモンド2のみを
得ることができる。
【0047】この発明の方法によると、ダイヤモンド粒
子による基板の傷付け処理等の煩雑な工程を行なうこと
なく、微細なパターンのダイヤモンドを短時間で効率よ
く経済的に、任意の形状に再現性よくしかも高い選択率
で形成することができる。そして、得られるダイヤモン
ドは、例えば電子デバイス等の各種電子材料をはじめと
する広い分野において好適に用いることができる。
【0048】
【実施例】
(実施例1) 1)薄膜被覆工程 p型のシリコンウエハーを基板として用い、この基板の
表面に以下の条件下で炭素化合物としてのプラズマ重合
ポリエチレンの薄膜を被覆した。即ち、平行平板型RF
プラズマCVD法(13.56MHz)により、CH4
/H2 混合ガスを原料ガスとしてこれらをそれぞれ10
/90sccmの流量で使用し、反応圧力が0.5To
rr、基板温度が35℃、反応時間が15分である条件
下で反応させ、厚みが約3000Åになるようにプラズ
マ重合ポリエチレンを前記基板の表面全体に被覆し、プ
ラズマ重合ポリエチレンの薄膜を前記基板の表面に被覆
した。
【0049】2)パターン形成工程 先ず、ダイヤモンド粒子を含有するレジスト材料を以下
のようにして調製した。即ち、ポジ型フォトレジスト
(東京応化工業(株)製、OFPR−800、比重;
1.02g/cm3 )15ml中に粒度分布が0〜0.
25μmである合成ダイヤモンド粒子(東名ダイヤモン
ド工業(株)製;ファイングレード タイプ1MM)
0.25gを混合させた。この混合物に超音波を照射し
て前記ダイヤモンド粒子を前記ポジ型フォトレジスト中
に均一に分散させた後、この混合物を直径5μmのフィ
ルタを用いて濾過することにより、ダイヤモンド粒子の
含有量が1.61重量%であるレジスト材料を調製し
た。
【0050】次に、このレジスト材料を図3に示すよう
に、基板1の表面に被覆したプラズマ重合ポリエチレン
薄膜4上に、スピンコーターを用いて3×103 rpm
の速さで厚みが約1μmになるように塗布した。その
後、この塗布面を85℃で30分間かけてプリベークす
ることにより、レジスト層5を形成した。その後、図4
に示すような、透明なガラス板の表面に幅3μmの間隔
で格子状に配列された3μm角の正方形状の遮光部6a
と、光透過部6bとを有するフォトマスク6を、前記レ
ジスト層5の上に配置すると共に、レジストアライナー
(キャノン販売(株)製:PLA−501FA)で3秒
間露光(13mW/cm2 )した。露光後、東京応化工
業(株)製の現像液NMD−3で60秒間現像し、純水
によりリンスし、露光した部分のレジスト層5を除去し
た。続いて、135℃で30分間加熱することにより、
図2に示すような、ダイヤモンド粒子を含有するレジス
ト材料による3μm角のパターン5aをプラズマ重合ポ
リエチレン薄膜4上に形成した。
【0051】3)超音波洗浄工程 次に、パターン5aを形成した基板1を純水中に浸漬し
て5分間行なう超音波洗浄を、純水を交換しながら3回
繰返して行なった。超音波洗浄に用いた装置は、ヤマト
科学(株)製のブランソン卓上型、形式2200であ
る。
【0052】4)ダイヤモンド形成工程 マイクロ波プラズマCVD法(2.45GHz)によ
り、原料ガスとしてCO/H2 を各々10/90scc
mの流量で使用し、反応圧力が40Torr、基板温度
が900℃、反応時間が1時間である条件下で反応させ
ることにより、図1に示すような、厚みが約1μmであ
るダイヤモンドパターンを基板1の表面に形成した。
【0053】すると、ダイヤモンド粒子による基板の傷
付け処理等の煩雑な工程を行なうことなく、基板の表面
に被覆した炭素化合物の薄膜上に、所望の形状の、ダイ
ヤモンド粒子を含有するレジスト材料によるパターンを
形成しただけで、ダイヤモンド形成のための初期核を非
パターン部には低い密度で、パターン部には高い密度で
発生させることができた。具体的には、非パターン部に
2.3×105 個/cm2 という低い密度で、パターン
部には1.2×108 個/cm2 という高い密度でダイ
ヤモンド形成のための初期核を発生させることができ
た。その結果、前記パターンと同じ形状を有する3μm
角のダイヤモンドを、1:2×10-3という高い選択率
で、効率よく経済的に形成することができた。
【0054】(実施例2)炭素化合物の薄膜としてのプ
ラズマ重合ポリエチレン薄膜に代えて、ノボラック樹脂
のエチルセロソルブアセテート溶液をスピンコータを用
いて7000rpmの速さで厚みが約0.7μmになる
ように塗布した後、135℃で30分間加熱してフォト
レジストを前記基板の表面全体に被覆した外は、実施例
1と同様にしてダイヤモンドの選択形成を行なった。
【0055】すると、ダイヤモンド粒子による基板の傷
付け処理等の煩雑な工程を行なうことなく、基板の表面
に被覆した炭素化合物の薄膜上に、所望の形状のダイヤ
モンド粒子を含有するレジスト材料によるパターンを形
成しただけで、ダイヤモンド形成のための初期核を非パ
ターン部には低い密度で、パターン部には高い密度で発
生させることができた。具体的には、非パターン部には
1.0×105 個/cm2 という低い密度で、パターン
部には1.3×108 個/cm2 という高い密度でダイ
ヤモンド形成のための初期核を発生させることができ
た。その結果、前記パターンと同じ形状を有する3μm
角のダイヤモンドを、1:1×10-3という高い選択率
で、効率よく経済的に形成することができた。
【0056】(比較例1)炭素化合物の薄膜を基板の表
面に被覆しなかった外は、実施例1と同様にしてダイヤ
モンドの選択を形成を行なった。
【0057】すると、パターン部には高い密度でダイヤ
モンド形成のための初期核を発生させることができたも
のの、非パターン部におけるダイヤモンド形成のための
初期核の発生を低い密度に抑えることができなかった。
即ち、パターン部には1.8×108 個/cm2 という
高い密度で初期核を発生させることができたものの、非
パターン部における初期核の密度が1.3×107 個/
cm2 と充分に低い値に抑えることができなかった。そ
の結果、1:7×10-2という低い選択率でしかダイヤ
モンドを形成することができなかった。
【0058】
【発明の効果】この発明に係るダイヤモンドの選択形成
法によると、高性能な電子デバイス等の電子材料をはじ
めとする広い分野に好適なダイヤモンドを所望の形状
に、効率よくかつ経済的に、しかもダイヤモンド粒子に
よる基板の傷付け処理等の煩雑な工程を行なうことな
く、短時間で再現性よく選択的に製造することができ
る、ダイヤモンドの選択形成法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、基板の表面にダイヤモンドが選択的に
形成された状態を示す断面概略説明図である。
【図2】図2は、基板の表面に被覆した炭素化合物の薄
膜上にダイヤモンド粒子を含有するレジスト材料による
パターンが形成された状態を示す断面概略説明図であ
る。
【図3】図3は、基板の表面に被覆した炭素化合物の薄
膜上に塗布したダイヤモンド粒子を含有するレジスト層
に露光を行なっている状態を示す概略説明図である。
【図4】図4は、フォトマスクの一例を示す概略説明図
である。
【符合の説明】
1・・・基板、2・・・ダイヤモンド、4・・・炭素化
合物の薄膜、5・・・レジスト層、5a・・・ダイヤモ
ンド粒子を含有するレジスト材料によるパターン、6・
・・フォトマスク、6a・・・遮光部、6b・・・光透
過部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に炭素化合物の薄膜を被覆
    し、前記薄膜上にダイヤモンド粒子を0.001〜10
    重量%含有するレジスト材料によるパターンを形成し、
    非パターン部に残留するダイヤモンド粒子を除去した
    後、気相法により前記基板の表面にダイヤモンド形成を
    行なうことを特徴とするダイヤモンドの選択形成法。
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