JP3225435B2 - 定真空式気化器 - Google Patents

定真空式気化器

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JP3225435B2
JP3225435B2 JP24995597A JP24995597A JP3225435B2 JP 3225435 B2 JP3225435 B2 JP 3225435B2 JP 24995597 A JP24995597 A JP 24995597A JP 24995597 A JP24995597 A JP 24995597A JP 3225435 B2 JP3225435 B2 JP 3225435B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関へ供給する混合気
の濃度及びその量を制御する気化器に関し、そのうち特
に絞り弁より上流側の吸気路内に生起する負圧によって
負圧作動弁を動作し、負圧作動弁によって形成されるベ
ンチュリーの面積を可変制御する定真空式気化器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】定真空式気化器の負圧作動弁を、ベンチ
ュリー形成部と、ベンチュリー形成部の側面よりそれぞ
れ側方に突出させた板状のガイド部と、によって形成し
たものは、単一円筒形状をなす負圧作動弁、あるいは単
一矩形状をなす負圧作動弁に比較して、特に吸入効率の
向上を図れることから近年よく使用される。
【0003】例えば、特開平2−252952号公報に
は、吸気路の底とともにベンチュリーを形成する半円形
状部と矩形状部とが連設されたベンチュリー形成部と、
ベンチュリー形成部の側面より側方にそれぞれ突出した
板状のガイド部と、によって構成される負圧作動弁が示
される。(第1従来技術という)
【0004】又、特公昭62−17659号公報には、
円形状をなすベンチュリー形成部と、ベンチュリー形成
部の側面より側方にそれぞれ突出した板状のガイド部
と、によって構成される負圧作動弁が示される。(第2
従来技術という)
【0005】又、特公昭56−33582号公報には、
摺動絞り弁型気化器において、エアクリーナ側に板状の
ガイド部が形成され、板状のガイド部の機関側対向側面
より機関側に向かって矩形状をなすベンチュリー形成部
が形成された摺動絞り弁が開示される。(第3従来技術
という)
【0006】又、実開昭58−186151号公報に
は、摺動絞り弁型気化器において、機関側に板状のガイ
ド部が形成され、板状のガイド部のエアクリーナ側対向
側面よりエアクリーナ側に向かって矩形状をなすベンチ
ュリー形成部が形成された摺動絞り弁が開示される。
(第4従来技術という)
【0007】更に又、実開昭58−81359号公報に
は、摺動絞り弁型気化器において、摺動絞り弁の吸気路
を流れる空気の流れ方向に直交する面を凹曲面状に形成
するとともに摺動絞り弁の両端に、リターンスプリング
を配設することのできる空間を形成した摺動絞り弁が開
示される。(第5従来技術という)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来技術による
と、吸気路内を機関側に向かって流れる空気は、板状の
ガイド部のエアクリーナ側対向側面に衝突した後に該対
向側面に沿って下方に向かって流れ、負圧作動弁の下方
へ流れこむ。以上によると、エアクリーナ側対向側面に
衝突した空気はベンチュリー形成部に向けて何等規制さ
れるものでなくベンチュリーに空気流が収束されにくい
もので、これによると機関に向かう空気の吸入効率を向
上できない。
【0009】又、第2の従来技術によると、吸気路内を
機関側に向かって流れる空気は、ベンチュリー形成部の
エアクリーナ側対向側面に衝突するもので、このエアク
リーナ側対向側面が半円形状をなすことから、該対向側
面に衝突した空気流は、ベンチュリー形成部の側方に向
かい板状のガイド部に向かって分散される。いいかえる
とエアクリーナ側対向側面に衝突した空気流れはベンチ
ュリー形成部より離れる側に分散されることになる。以
上によると、空気流れをベンチュリー形成部に向けて収
束しにくいもので、これによって機関に向かう吸入効率
を効果的に向上できない。
【0010】又、第3の従来技術によると、板状のガイ
ド部に衝突した空気流れは第1の従来側と同様な空気流
れを生ずるもので、吸入効率の向上を望めない。
【0011】更に又、第4の従来技術によると、吸気路
内を機関側に向かって流れる空気流れは、ベンチュリー
形成部の平坦形状をなすエアクリーナ側対向側面に衝突
した後に該対向側面に沿って下方に向かって流れ、負圧
作動弁の下方へ流れこむ。然しながら、かかる従来例に
あってもベンチュリー形成部の中心方向に向かって空気
流れが積極的に収束されるものでなく、効果的な吸入効
率の向上を望めるものでない。
【0012】一方、第1から第4の従来技術において、
負圧作動弁を通過して機関側の吸気路に向かう空気流れ
について鑑案すると、その何れにおいても機関側対向側
面において大きな渦流が発生し、この渦流が機関に向か
う空気流れを阻害するもので吸入効率の向上が望めるも
のでなく、更には機関への混合気の到達応答が遅れるこ
とになる。
【0013】次に第5の従来技術について鑑案すると、
摺動絞り弁の周面の内、空気流れに直交する面を凹曲面
状に形成したことによってベンチュリー部に向かう空気
流れを中心方向に向けて収束できること及び負圧作動弁
から機関側の吸気路に向かう空気流を外周方向へと拡散
できることから吸入効率の向上が図れるものであるが実
際的には大きな吸入効率の向上を望めるものでない。す
なわち、摺動絞り弁の両端にはリターンスプリングを配
設できるよう、中央部分よりも肉厚の空間部が形成され
る。そして、この肉厚の空間部が吸気路に臨んで気化器
本体の摺動溝に摺動案内される。以上によると、摺動絞
り弁が摺動溝内を上動した際、摺動溝は吸気路に臨んで
大きく開口するものであり、吸気路を流下する空気流れ
はこの摺動溝によって大きな渦流が引き起こされること
になる。従って、前述した如く、ベンチュリー部に流入
及び流出する空気流が凹曲面状によって方向付けが成さ
れたとしても、機関に向かう空気流れは摺動溝による渦
流の影響を受け、結果として機関に向かう空気流れの吸
入効率の向上が阻害される。
【0014】本発明になる定真空式気化器は述上の不具
合に鑑みなされたもので、ベンチュリー形成部に向かう
空気流れ及び機関に向かう空気流れを負圧作動弁によっ
て積極的に方向付けを行うとともに負圧作動弁を摺動案
内する摺動溝による渦流の発生を抑止し、もって吸入効
率の極めて秀れた定真空式気化器を提供することを第1
の目的とする。
【0015】
【課題を解決する為の手段】本発明になる定真空式気化
器は前記課題を達成する為に、絞り弁より上流側の吸気
路に生起する負圧によって吸気路を開閉制御する負圧作
動弁を備えた定真空式気化器において、負圧作動弁を、
エアクリーナ側に臨み、吸気路の長手方向に略直交する
エアクリーナ側対向側面と、機関側に臨み、吸気路2の
長手方向に略直交する機関側対向側面を有する薄板状を
なす板状ガイド部と;板状ガイド部の機関側対向側面か
ら吸気路の長手方向に沿って機関側に突出し、吸気路の
底とベンチュリーを形成し、機関側に臨んで吸気路の長
手方向に略直交する機関側対向側面を備えたベンチュリ
ー形成部と;により形成し、板状ガイド部のエアクリー
ナ側対向側面及びベンチュリー形成部の機関側対向側面
に、弧状凹部を凹設したことを第1の特徴とする。
【0016】又、本発明は、絞り弁より上流側の吸気路
に生起する負圧によって吸気路を開閉制御する負圧作動
弁を備えた定真空式気化器において、吸気路の長手方向
に沿い、吸気路の底とベンチュリーを形成するとともに
エアクリーナに臨んで吸気路の長手方向に略直交するエ
アクリーナ側対向側面と機関に臨んで吸気路の長手方向
に略直交する機関側対向側面とを備えたベンチュリー形
成部と;ベンチュリー形成部の、吸気路の長手方向に沿
う外側面からそれぞれ側方に向かって突出する薄板状を
なす一対の板状ガイド部と、により負圧作動弁を形成
し、前記ベンチュリー形成部のエアクリーナ側対向側面
及び機関側対向側面に、弧状凹部を凹設したことを第2
の特徴とする。
【0017】又、本発明は、前記第1,第2の特徴に加
え、負圧作動弁の上部に円板状をなす下側リテーナを一
体形成し、下側リテーナに対向配置される上側リテーナ
との間にダイヤフラムの内周部を挟持するとともに負圧
作動弁を閉方向に押圧する負圧作動弁スプリングの一端
を前記上側リテーナに係止させたことを第3の特徴とす
る。
【0018】更に又、本発明は、前記第1の特徴に加
え、板状ガイド部のエアクリーナ側対向側面に形成され
る弧状凹部の開口幅を、ベンチュリー形成部の機関側対
向側面に形成される弧状凹部の開口幅と略同一か若しく
は大としたことを第4の特徴とする。
【0019】
【作用】第1の特徴によると、吸気路内を流れる空気
は、板状ガイド部のエアクリーナ側対向側面の弧状凹部
によって中心方向に収束されつつベンチュリーへ流れこ
む。又、ベンチュリーをでて機関に向かう空気は、ベン
チュリー形成部の機関側対向側面の弧状凹部によって側
方へ拡散されつつ機関に向かって流れる。一方、吸気路
に開口する負圧作動弁摺動溝は板状ガイド部に相当する
薄板状溝が開口する。而して機関に向かう空気流れの吸
入効率を向上できる。
【0020】又、第2の特徴によると、吸気路内を流れ
る空気は、ベンチュリー形成部のエアクリーナ側対向側
面の弧状凹部によって中心方向に収束されてベンチュリ
ーへ流れこむ。又、ベンチュリーをでて機関へ向かう空
気は、ベンチュリー形成部の機関側対向側面の弧状凹部
によって側方へ拡散されつつ機関に向かって流れる。一
方、吸気路に開口する負圧作動弁摺動溝は、板状ガイド
部に相当する薄板状溝が開口する。而して機関に向かう
空気流れの吸入効率を向上できる。
【0021】又、第3の特徴によると、負圧作動弁スプ
リングの一端を上側リテーナに係止させたので、負圧作
動弁スプリングに何等関与されることなく、ベンチュリ
ー形成部及び板状ガイド部の形状、配置を設定できる。
【0022】更に第4の特徴によると、エアクリーナ側
対向側面に形成される弧状凹部の開口幅を、ベンチュリ
ー形成部の機関側対向側面に形成される弧状凹部の開口
幅と略同一か若しくは大としたことによって、ベンチュ
リーに流れ込む空気流を一層効果的に収束できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明になる定真空式気化器の一実施
例について図により説明する。図1は定真空式気化器の
縦断面図。図2は図1のA−A線における縦断面図。図
3は、図1のB−B線における横断面図。図4は、図1
においてカバーを外した状態における上部平面図。(但
しリテーナ、及びダイヤフラムは説明を容易にする為に
負圧作動弁より取り外した)図5は、図1のB−B線に
おける負圧作動弁の拡大横断面図である。
【0024】1は、内部を吸気路2が貫通して穿設され
るとともに吸気路2の上側より上端1Aに向けて大気室
凹部3が凹設されるとともに吸気路2の下側に燃料を貯
溜する為の浮子室4を形成する浮子室本体5が取着され
た気化器本体である。6は気化器本体1に回転自在に支
承された絞り弁軸であり、この絞り弁軸6には吸気路2
を開閉する絞り弁7が取着される。この絞り弁軸6は運
転者によって操作されて回転するもので、絞り弁7は運
転者によって機械的に開閉される。8は吸気路2の底に
開口する主燃料系としてのニードルジェットであり、こ
のニードルジェット8には、主燃料ジェット9にて制御
された主燃料と、主空気ジェット10にて制御された主
空気との混合気が供給される。
【0025】負圧作動弁Pについて以下に説明する。負
圧作動弁Pの横断面形状について図5により説明する。
(負圧作動弁Pの横断面とは、負圧作動弁の長手方向に
直交する断面をいう。)負圧作動弁Pは、板状ガイド部
11とベンチュリー形成部12とにより形成される。板
状ガイド部11は、吸気路2を開閉するもので、エアク
リーナC側に臨み、吸気路2の長手方向X−Xに略直交
するエアクリーナ側対向側面11Aと、機関E側に臨
み、吸気路2の長手方向X−Xに略直交する機関側対向
側面11Bを有する薄板状をなす。
【0026】ベンチュリー形成部12は、板状ガイド部
11の機関側対向側面11Bから吸気路2の長手方向X
−Xに沿って機関E側に突出する。このベンチュリー形
成部12の底部(板状ガイド部11の底部を含む)と吸
気路2の底とによってベンチュリーVが形成される。こ
のベンチュリー形成部12の側壁12A,12Bは吸気
路2内にあり、一方、ベンチュリー形成部12の機関側
対向側面12Cは機関E側に臨むとともに吸気路2の長
手方向X−Xに略直交する対向側面をなす。
【0027】そして、板状ガイド部11のエアクリーナ
側対向側面11Aには、弧状凹部11Cが凹設される。
この弧状凹部11Cは、円弧状をなし、エアクリーナ側
対向側面11Aより機関E側(図5において左側)に向
かって凹設される。一方、ベンチュリー形成部12の機
関側対向側面12Cには、弧状凹部12Dが凹設され
る。この弧状凹部12Dは、円弧状をなし、機関側対向
側面12CよりエアクリーナC側(図5において右側)
に向かって凹設される。
【0028】尚、12Eは、ベンチュリー形成部12の
底に向かって開口して穿設され、ジェットニードル13
を挿入配置するジェットニードル挿入孔であり、12F
は、ベンチュリー形成部12の底に向かって開口して穿
設された負圧導入孔である。
【0029】一方、負圧作動弁Pの上部には、円弧状を
なす下側リテーナP1が一体形成される。例えば、負圧
作動弁Pを合成樹脂材料によって射出成形する際、この
下側リテーナP1は同時に形成される。
【0030】そして、下側リテーナP1上に、ダイヤフ
ラム14の内周部14Aが配置され、更にこのダイヤフ
ラム14上に円板状をなす上側リテーナ15が配置さ
れ、この状態において、上側リテーナ15が負圧作動弁
Pに固着される。この固着は、クリップを用いても、接
着剤でもあるいは溶着でもよい。以上によると、負圧作
動弁Pの上部に、ダイヤフラム14の内周部14Aが下
側リテーナP1と上側リテーナ15とによって挟持され
て固定される。
【0031】気化器本体1の大気室凹部3から、吸気路
2の底に向かって負圧作動弁摺動溝16が穿設される。
この負圧作動弁摺動溝16の溝形状は、負圧作動弁Pの
外形状と同一をなすもので板状摺動溝16Aと、ベンチ
ュリー摺動溝16Bを備える。これは図4によく示され
る。
【0032】そして、上部にダイヤフラム14を備えた
負圧作動弁Pが負圧作動弁摺動溝16内に挿入配置され
る。この状態においてダイヤフラム14の外周部14B
は、気化器本体1の上端1A上に配置され、この外周部
14Bは、気化器本体1の上端1Aに固定配置されるカ
ップ状のカバー17によって挟持される。而してダイヤ
フラム14の上側面とカバー17とによって受圧室18
が形成され、ダイヤフラム14の下側面と大気室凹部3
とによって大気室19が区分形成される。この受圧室1
8には、負圧作動弁Pの負圧導入孔12Fよりベンチュ
リーVに生起する負圧が導入され、一方、大気室19に
は図示せぬ大気導入路を介して大気が導入される。
【0033】Sは、負圧作動弁Pを閉方向(図1におい
て下方)に付勢する負圧作動弁スプリングであり、受圧
室18内に縮設され、その一端Saは、上側リテーナ1
5に係止され、他端Sbはカバー17の上底部に係止さ
れる。
【0034】かかる定真空式気化器において、吸気路2
内をエアクリーナC側から機関E側に向けて空気が流れ
ると、ベンチュリーVを流れる空気流速が速められて負
圧が生起するもので、このベンチュリーVの負圧は負圧
作動弁Pの負圧導入孔12Fを介して受圧室18内へ導
入され、受圧室18内の圧力を負圧状態とする。一方大
気室19は大気圧力に保持される。以上によると、負圧
作動弁Pは、ダイヤフラム14による上方向(受圧室1
8側)への引上げ力と、負圧作動弁スプリングSの下方
向(大気室19側)への押圧力とがバランスした状態に
おいてその位置が決定され、ベンチュリーVに生起する
負圧に応じた負圧作動弁Pの開度が保持される。
【0035】ここで本発明になる定真空式気化器による
と、前述した負圧作動弁Pを用いたことによって以下の
格別な作用、効果を奏する。すなわち、吸気路2内をエ
アクリーナC側より機関E側に向かって流れる空気が負
圧作動弁Pの板状ガイド部11のエアクリーナ側対向側
面11Aに衝突すると、このうちエアクリーナ側対向側
面11Aの弧状凹部11Cに衝突した空気は弧状凹部1
1Cの中心部に向かってその流れが収束され、この収束
された空気がベンチュリー形成部12の底部とそれに対
向する吸気路2の底とによって形成されるベンチュリー
Vに向かって流れ込む。以上によると、ベンチュリーV
に向かって空気が円滑に且つ効果的に流入するもので、
機関に向かう空気の吸入効率を向上することができる。
又、上記によれば、ベンチュリーVにおける空気流速を
速めることができ、ベンチュリーVの負圧を高めること
ができる。
【0036】一方、ベンチュリー形成部12の下部を機
関E側に向かって流れる空気は、ベンチュリー形成部1
2の機関側対向側面12Cから機関E側の吸気路2内へ
流入するが、この際、ベンチュリー形成部12の機関側
対向側面12Cに形成した弧状凹部12Dによって吸気
路2の側壁方向へ方向性をもって拡散される。この空気
流れ状態は、図3においてZ線にて示される。以上によ
ると、ベンチュリーVから機関E側の吸気路2に向かう
空気流れは、ベンチュリー形成部12の側壁12A,1
2Bとそれに対向する吸気路2の側壁との間に形成され
る閉塞空間部2A内への回り込みによる渦流の発生が抑
止される。従って、機関Eに向かう空気流れが阻害され
るものでなく、機関への吸入効率を向上できたものであ
る。
【0037】更に又、吸入路2には、負圧作動弁摺動溝
16のうち板状摺動溝16Aのみが開口するもので、本
発明にあっては、薄溝をなす板状摺動溝16Aが開口す
ることにより、負圧作動弁摺動溝16による渦流の発生
を大きく減少することができた。以上によると、渦流に
よる空気流れが阻害されることがなく、機関への吸入効
率を向上できたものである。
【0038】以上の実験結果が図6,図7に示される。
まず、この実験に使用された3種の定真空式気化器の負
圧作動弁は以下である。第1には本発明になる定真空式
気化器、第2には、負圧作動弁の板状ガイド部のエアク
リーナ側対向側面11A、及びベンチュリー形成部12
の機関側対向側面12Cに弧状凹部11C,12Dが形
成されることがなく、平坦面をなす従来の定真空式気化
器、第3には、ベンチュリー形成部が円筒状をなし、そ
の外側から側方に一対の板状ガイド部が形成された負圧
作動弁を有する従来の定真空式気化器である。尚、第3
の気化器を基準定真空式気化器として比較の原点とし
た。又、この実験条件としては、絞り弁7を全開状態と
して負圧作動弁の上昇量を機械的に変化させ、各負圧作
動弁の開度位置において機関側の吸気路に25mmHgの
一定負圧を加えた。
【0039】図6には、負圧作動弁の上昇量と機関へ供
給される吸入空気量との関係が示されるもので、第3の
定真空式気化器を基準値「ゼロ」として比較した。図6
から理解されるように、本発明の定真空式気化器におい
ては、従来の定真空式気化器に比較して吸入効率の向上
が達成できたもので、そのうち特に第2の従来の定真空
式気化器を比較した際において、エアクリーナ側対向側
面11A及び機関側対向側面12Cに弧状凹部11C,
12Dを設けたことによって吸入空気量を増加できたこ
とが立証された。
【0040】図7には、負圧作動弁の上昇量とメイン負
圧(具体的にはニードルジェット8に加わる負圧)との
関係が示される。図7から理解されるように、本発明の
定真空式気化器においては、従来の定真空式気化器に比
較してメイン負圧を高めることができたもので、そのう
ち特に第2の従来の定真空式気化器と比較した際におい
て、エアクリーナ側対向側面11A及び機関側対向側面
12Cに弧状凹部11C,12Dを設けたことによって
メイン負圧を明らかに高められることが立証された。
【0041】以上のように機関に向かって流れる空気の
吸入効率を高めることができたことによると、機関の高
出力化対応を容易に行うことができるとともに同一出力
を得る場合においてベンチュリーVを小径化できて定真
空式気化器を小型化する上で好ましい。
【0042】又、メイン負圧(ニードルジェット8に加
わる負圧)を高めることができたことは、ニードルジェ
ット8から吸気路2内に向けて吸出される燃料の微粒化
を達成でき、これによって吸気路2への燃料付着を抑止
でき、燃料経済性の向上を達成できる。更に、又機関へ
の燃料の応答性を高めることができ、特に吸入効率の向
上と相まって加速運転性能の著しい向上を達成できたも
のである。
【0043】図8には負圧作動弁の他の実施例が示され
る。かかる負圧作動弁Pは、吸気路2の長手方向X−X
に沿い、吸気路2の底とベンチュリーVを形成するとと
もにエアクリーナCに臨んで吸気路2の長手方向X−X
に略直交するエアクリーナ側対向側面20Aと機関Eに
臨んで吸気路2の長手方向X−Xに略直交する機関側対
向側面20Bとを備えたベンチュリー形成部20と;ベ
ンチュリー形成部20の、吸気路2の長手方向X−Xに
沿う外側面20C,20Dからそれぞれ側方に向かって
突出する薄板状をなす一対の板状ガイド部21A,21
Bと、により形成され、前記ベンチュリー形成部のエア
クリーナ側対向側面20A及び機関側対向側面20B
に、弧状凹部20E,20Fを凹設したものである。
【0044】かかる負圧作動弁Pを用いても前記第1の
実施例と同様の効果を達成できるものであり、板状ガイ
ド部21A,21Bが特にジェットニードル挿入孔12
Eの近傍に配置できてニードルジェット8の負圧を高め
る上で効果的である。
【0045】又、負圧作動弁Pの上部に円板状をなす下
側リテーナP1を一体形成し、下側リテーナP1に対向
配置される上側リテーナ15との間にダイヤフラム14
の内周部14Aを挟持するとともに負圧作動弁Pを閉方
向に押圧する負圧作動弁スプリングSの一端Sbを前記
上側リテーナ15に係止したことによると、負圧作動弁
Pのベンチュリー形成部12の形状を決定するに当って
負圧作動弁スプリングSの形状に何等の制限を受けるこ
となく、適正な形状を自由に選択でき、吸入効率の向
上、メイン負圧の上昇を達成する上での設計的自由度が
高められて好ましい。
【0046】更に又、図5に示される如く、板状ガイド
部のエアクリーナ側対向側面11Aに形成される弧状凹
部11Cの開口幅Gを、ベンチュリー形成部12の機関
側対向側面12Cに形成される弧状凹部12Dの開口幅
Hと略同一か若しくは大としたことによると、特にベン
チュリーVに向かう空気流れの収束性、円滑化を向上で
きるとともにニードルジェット8に加わるメイン負圧を
高めるに好適である。
【0047】
【発明の効果】以上、詳述した如く、本発明になる定真
空式気化器の第1の特徴によると、絞り弁より上流側の
吸気路に生起する負圧によって吸気路を開閉制御する負
圧作動弁を備えた定真空式気化器において、負圧作動弁
を、エアクリーナ側に臨み、吸気路の長手方向に略直交
するエアクリーナ側対向側面と、機関側に臨み、吸気路
の長手方向に略直交する機関側対向側面を有する薄板状
をなす板状ガイド部と;板状ガイド部の機関側対向側面
から吸気路の長手方向に沿って機関側に突出し、吸気路
の底とベンチュリーを形成し、機関側に臨んで吸気路の
長手方向に略直交する機関側対向側面を備えたベンチュ
リー形成部と;により形成し、板状ガイド部のエアクリ
ーナ側対向側面及びベンチュリー形成部の機関側対向側
面に、弧状凹部を凹設したので、機関に向かう空気の吸
入効率を高めることができ、機関の高出力化を図る上で
効果的である。又、メイン負圧を高めることができたこ
とにより燃料経済性の向上と加速運転性の向上を達成で
きたものである。
【0048】又、本発明の定真空式気化器の第2の特徴
によると、吸気路の長手方向に沿い、吸気路の底とベン
チュリーを形成するとともにエアクリーナに臨んで吸気
路の長手方向に略直交するエアクリーナ側対向側面と機
関に臨んで吸気路の長手方向に略直交する機関側対向側
面とを備えたベンチュリー形成部と;ベンチュリー形成
部の、吸気路の長手方向に沿う外側面からそれぞれ側方
に向かって突出する薄板状をなす一対の板状ガイド部
と、により負圧作動弁を形成し、前記ベンチュリー形成
部のエアクリーナ側対向側面及び機関側対向側面に、弧
状凹部を凹設したので、前記と同様の効果を達成すると
ともにニードルジェットに作用する負圧を高めるのに更
に効果的である。
【0049】更に又、前記第1及び第2の特徴に加え、
負圧作動弁の上部に円板状をなす下側リテーナを一体形
成し、下側リテーナに対向配置される上側リテーナとの
間にダイヤフラムの内周部を挟持するとともに負圧作動
弁を閉方向に押圧する負圧作動弁スプリングの一端を前
記上側リテーナに係止させたことによると、負圧作動ス
プリングの形状に何等限定されることなくベンチュリー
形成部の形状を決定でき、吸入効率の向上、メイン負圧
の上昇に対してその設計的自由度を高めることができ
た。
【0050】更に又、前記第1の特徴に加え、板状ガイ
ド部のエアクリーナ側対向側面に形成される弧状凹部の
開口幅を、ベンチュリー形成部の機関側対向側面に形成
される弧状凹部の開口幅と略同一か若しくは大としたこ
とによると、特にベンチュリーに向かう空気流れの収束
性、円滑化を向上できるとともにニードルジェットに加
わるメイン負圧を高めるに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる定真空式気化器の一実施例を示す
縦断面図。
【図2】図1のA−A線における縦断面図。
【図3】図1のB−B線における横断面図。
【図4】図1においてカバー17を取外した状態におけ
る上部平面図。
【図5】図1に用いられる負圧作動弁の横断面図。
【図6】本発明の定真空式気化器の負圧作動弁上昇量と
吸入空気量比との関係を示す線図。
【図7】本発明の定真空式気化器の負圧作動弁上昇量と
メイン負圧比との関係を示す線図。
【図8】本発明になる定真空式気化器に用いられる負圧
作動弁の他の実施例を示す横断面図。
【符号の説明】
2 吸気路 11 板状ガイド部 11A エアクリーナ側対向側面 11B 機関側対向側面 11C 弧状凹部 12 ベンチュリー形成部 12C 機関側対向側面 12D 弧状凹部 P 負圧作動弁 C エアクリーナ E 機関 P1 下側リテーナ 14 ダイヤフラム S 負圧作動弁スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 7/17 F02M 9/06 F02M 19/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞り弁より上流側の吸気路に生起する負
    圧によって吸気路を開閉制御する負圧作動弁を備えた定
    真空式気化器において、負圧作動弁Pを、エアクリーナ
    C側に臨み、吸気路2の長手方向X−Xに略直交するエ
    アクリーナ側対向側面11Aと、機関E側に臨み、吸気
    路2の長手方向X−Xに略直交する機関側対向側面11
    Bを有する薄板状をなす板状ガイド部11と;板状ガイ
    ド部11の機関側対向側面11Bから吸気路2の長手方
    向X−Xに沿って機関E側に突出し、吸気路2の底とベ
    ンチュリーVを形成し、機関E側に臨んで吸気路2の長
    手方向X−Xに略直交する機関側対向側面12Cを備え
    たベンチュリー形成部12と;により形成し、板状ガイ
    ド部11のエアクリーナ側対向側面11A及びベンチュ
    リー形成部12の機関側対向側面12Cに、弧状凹部1
    1C,12Dを凹設したことを特徴とする定真空式気化
    器。
  2. 【請求項2】 絞り弁より上流側の吸気路に生起する負
    圧によって吸気路を開閉制御する負圧作動弁を備えた定
    真空式気化器において、吸気路2の長手方向X−Xに沿
    い、吸気路2の底とベンチュリーVを形成するとともに
    エアクリーナCに臨んで吸気路2の長手方向X−Xに略
    直交するエアクリーナ側対向側面20Aと機関Eに臨ん
    で吸気路2の長手方向X−Xに略直交する機関側対向側
    面20Bとを備えたベンチュリー形成部20と;ベンチ
    ュリー形成部20の、吸気路2の長手方向X−Xに沿う
    外側面20C,20Dからそれぞれ側方に向かって突出
    する薄板状をなす一対の板状ガイド部21A,21B
    と、により負圧作動弁Pを形成し、前記ベンチュリー形
    成部のエアクリーナ側対向側面20A及び機関側対向側
    面20Bに、弧状凹部20E,20Fを凹設したことを
    特徴とする定真空式気化器。
  3. 【請求項3】 前記、負圧作動弁の上部に円板状をなす
    下側リテーナP1を一体形成し、下側リテーナP1に対
    向配置される上側リテーナ15との間にダイヤフラム1
    4の内周部14Aを挟持するとともに負圧作動弁Pを閉
    方向に押圧する負圧作動弁スプリングSの一端Sbを前
    記上側リテーナ15に係止させてなる請求項1及び請求
    項2記載の定真空式気化器。
  4. 【請求項4】 前記、板状ガイド部のエアクリーナ側対
    向側面11Aに形成される弧状凹部11Cの開口幅G
    を、ベンチュリー形成部12の機関側対向側面12Cに
    形成される弧状凹部12Dの開口幅Hと略同一か若しく
    は大としたことを特徴とする請求項1記載の定真空式気
    化器。
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