JP3275198B2 - 摺動絞り弁型気化器 - Google Patents

摺動絞り弁型気化器

Info

Publication number
JP3275198B2
JP3275198B2 JP13108095A JP13108095A JP3275198B2 JP 3275198 B2 JP3275198 B2 JP 3275198B2 JP 13108095 A JP13108095 A JP 13108095A JP 13108095 A JP13108095 A JP 13108095A JP 3275198 B2 JP3275198 B2 JP 3275198B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
throttle valve
sliding throttle
cutterway
sliding
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13108095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08303302A (ja
Inventor
博司 山添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keihin Corp
Original Assignee
Keihin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keihin Corp filed Critical Keihin Corp
Priority to JP13108095A priority Critical patent/JP3275198B2/ja
Priority to TW085212979U priority patent/TW302053U/zh
Publication of JPH08303302A publication Critical patent/JPH08303302A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3275198B2 publication Critical patent/JP3275198B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機関に供給する混合気の
濃度、量を制御する気化器に関し、そのうち吸気路に連
設して設けた絞り弁案内筒内に摺動絞り弁が移動自在に
配置され、吸気路と摺動絞り弁によって形成されるベン
チュリー部が摺動絞り弁を移動することによって制御さ
れる摺動絞り弁型気化器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の摺動絞り弁型気化器について図1
6により説明する。1は内部を吸気路2が左右に貫通し
た気化器本体であり、吸気路2の中間部より上方に向か
って絞り弁案内筒2Aが連設される。絞り弁案内筒2A
内には摺動絞り弁3が移動自在に配置されるもので、摺
動絞り弁3が運転者によって図示せぬアクセルワイヤー
にて操作されることにより吸気路2の面積(ベンチュリ
ー部)が開閉制御される。吸気路2は摺動絞り弁3によ
ってエアクリーナ(図示せず)に連なる左方のエアクリ
ーナ側の吸気路2Bと、機関(図示せず)に連なる右方
の機関側の吸気路2Cとに区分される。4は摺動絞り弁
3の底部3Aに対向した吸気路2に開口する主燃料系統
のニードルジェットであり、このニードルジェット4は
主混合管5及び主燃料ジェット6を介して浮子室7内の
一定液面下に連通する。
【0003】前記摺動絞り弁3の底部3Aにはカッタウ
エイ3B(CUT AWAY)が形成される。このカッ
タウエイ3Bは、摺動絞り弁3のエアクリーナ側の側面
3Cから摺動絞り弁3の機関側の側面3Dに向かうとと
もに摺動絞り弁3の底部3Aに向かって斜めに切欠き形
成される。いいかえると、カッタウエイ3Bは、摺動絞
り弁3のエアクリーナ側の切欠きをいうもので、ニード
ルジェット4に作用する負圧をコントロールする役目を
なすものである。尚、7は摺動絞り弁3に取着されたジ
ェットニードルであり、吸気路2に開口するニードルジ
ェット4内に挿入され、両部材によって形成される環状
の間隙により吸気路2内へ吸出される主燃料の量を制御
する。8は、摺動絞り弁3の機関側の側面3Dの底部に
対向した吸気路2に開口する低速燃料系統としての低速
噴孔であり、この低速噴孔8は低速混合管9及び低速燃
料ジェット10を介して浮子室7内の一定液面下に連通
する。そして、機関が運転されると、エアクリーナ(図
示せず)を介してエアクリーナ側の吸気路2B内に流入
した空気は、摺動絞り弁3のカッタウエイ3Bを介して
その底部3Aに向かって流入し、摺動絞り弁3の底部3
Aとそれに対応する吸気路2とによって形成されるベン
チュリー部Vの開口面積にてその空気量が制御され、こ
の空気が機関側の吸気路2Cを介して機関へ供給され
る。一方、前記空気流れによると、ベンチュリー部Vに
おいて負圧が生ずるもので、ベンチュリー部Vに開口す
るニードルジェット4及び低速噴孔8より該負圧に応じ
た燃料がベンチュリー部Vに吸出され、この燃料がベン
チュリー部Vを流れる空気流に混入されて混合気とな
り、この混合気が機関へ供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の摺動絞り
弁型気化器によると、ベンチュリー部Vに開口するニー
ドルジェット4及び低速噴孔8に加わる負圧を高めるこ
と及びベンチュリー部Vを流れる空気の吸入効率を高め
ることが困難なものであった。ニードルジェット4、低
速噴孔8に加わる負圧を充分に高めることができないこ
とは、燃料の霧化特性を向上することが困難であって、
機関の運転性、加速応答性、有害排気ガス成分の低減、
更には、気化器のセッティング性、において問題であ
り、一方吸入効率を高められないことは、機関の出力を
向上する上で問題である。これは以下の理由によるもの
と考えられる。図16のA−A線における横断面図であ
るところの図17によって説明すると、エアクリーナ側
の吸気路2B内を機関側に向かって流れる空気流(図1
7において左方から右方へ向かって流れる)は、摺動絞
り弁3のエアクリーナ側の側面3Cに衝突し、これによ
ると空気流れは、図17において上方B及び下方向Cの
側方へ分流される。次いで、側方へ分流された空気流
は、摺動絞り弁3に形成されたカッタウエイ3Bに沿っ
て斜め下方に流れこんでベンチュリー部V内へ流入す
る。いいかえると、図16においてエアクリーナ側の吸
気路2B内を、長手水平方向に沿って流れる空気流は、
摺動絞り弁3のエアクリーナ側の側面3Cに衝突して水
平方向の側方へと分流され、次いで水平方向の側方への
流れから下方向Dへの流れへと大きく向きを変えてカッ
タウエイ3B内へと流れ込む。以上のように空気の流れ
方向が大きく変更されたことによると、ベンチュリー部
Vに流れ込む空気流速が大きく低下し、ベンチュリー部
Vにおける高い負圧の発生が抑止されるとともにベンチ
ュリー部Vにおける空気流の通過が阻害される。
【0005】本発明は上記不具合に鑑み成されたもの
で、ベンチュリー部Vに生起する負圧を高め、ベンチュ
リー部Vに開口するニードルジェット4及び低速噴孔8
に加わる負圧を効果的に高めること、及び吸入効率を向
上することのできる摺動絞り弁型気化器を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】前記目的を達成する為に、
本発明は、気化器本体を吸気路が貫通し、該吸気路が絞
り弁案内筒内に移動自在に配置された摺動絞り弁にて開
閉制御され、摺動絞り弁に一体的に取着されたジェット
ニードルが吸気路に開口するニードルジェット内に挿入
配置された摺動絞り弁型気化器において、摺動絞り弁
に、上流端が摺動絞り弁のエアクリーナ側の側面に開口
し、下流端が摺動絞り弁の機関側の側面に向かうととも
に摺動絞り弁の底部に向かう第1のカッタウエイと、上
流端が第1のカッタウエイに開口し、下流端が絞り弁の
機関側の側面に向かうとともに摺動絞り弁の底部に向か
う第2のカッタウエイと、を設け、ジェットニードルを
第2のカッタウエイを貫通して配置したことを第1の特
徴とする。
【0007】又、本発明は、前記第1の特徴に加え、第
1のカッタウエイが摺動絞り弁の底部に交差する角度
を、第2のカッタウエイが摺動絞り弁の底部に交差する
角度より大としたことを第2の特徴とする。
【0008】又、本発明は、前記第1の特徴に加え、第
1のカッタウエイの、摺動絞り弁のエアクリーナ側の側
面に開口する開口位置を、吸気路の中心より上方位置に
開口したことを第3の特徴とする。
【0009】又、本発明は、前記第1の特徴に加え、第
1のカッタウエイの横断面を、その中心部が摺動絞り弁
の機関側の側面に向かって凹部をなす円弧状としたこと
を第4の特徴とする。
【0010】更に本発明は、前記第1の特徴に加え、第
1のカッタウエイの横断面を、その中心部が摺動絞り弁
の機関側の側面に向かって凹部をなす錐形状としたこと
を第5の特徴とする。
【0011】
【作用】第1の特徴によると、エアクリーナ側の吸気路
を長手水平方向に沿って流れる空気流は、摺動絞り弁の
エアクリーナ側の側面に形成する第1のカッタウエイに
衝突し、この衝突によって摺動絞り弁の底部に向かう斜
め下方の流れに変換される。そして、この下方へ向かう
空気流れは、第1のカッタウエイに開口する第2のカッ
タウエイを介してベンチュリー部へ流入するもので、エ
アクリーナ側の吸気路を流れる空気流の速度を大きく低
下させることなくベンチュリー部へ流入できる。而し
て、ベンチュリー部における負圧を高めることができ
て、高い負圧をニードルジェット及び低速噴孔に加える
ことができるとともに吸入効率を向上することができ
る。
【0012】又、第2の特徴によると、第1のカッタウ
エイの空気流れ方向の長さを充分にとることができると
ともに第2のカッタウエイの第1のカッタウエイに対す
る開口位置を比較的に小開口位置に開口することができ
る。これによると、第1のカッタウエイから第2のカッ
タウエイに向かう空気流を斜め下方向へ確実に整流状態
として供給できるのでベンチュリー部の負圧を効果的に
高めることができる。又、第2のカッタウエイが第1の
カッタウエイに対して比較的に小開口位置に開口される
ことになるので、ニードルジェットに加わる負圧を弱め
ることがない。
【0013】又、第3の特徴によると、第1のカッタウ
エイの空気流れ方向の長さを充分にとることができる。
これによると、第1のカッタウエイから第2のカッタウ
エイに向かう空気流を斜め下方向へ整流状態として供給
できるのでベンチュリー部の負圧を効果的に高めること
ができる。
【0014】又、第4及び第5の特徴によると、第1の
カッタウエイを流れる空気流は、第1のカッタウエイに
沿って斜め下方へ向かって流れるとともに摺動絞り弁の
中心部に向かって流下する。これによると、第1のカッ
タウエイに沿って流れる空気流は、第2のカッタウエイ
の中心部を指向して第2のカッタウエイに流入するもの
で、吸気路の中心部に配置されるニードルジェット、低
速噴孔に加わる負圧を更に効果的に高めることができる
とともに吸入効率をより一層向上させることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明になる摺動絞り弁型気化器の第
1実施例について図により説明する。図1は摺動絞り弁
の縦断面図、図2は図1の摺動絞り弁をカッタウエイ側
よりみた左側面図、図3は図1の摺動絞り弁が気化器に
組みつけられた状態を示す縦断面図、図4は図3のE−
E線における横断面図である。尚、図16に示された従
来の摺動絞り弁型気化器とは摺動絞り弁が異なる。図1
6と同一構造部分は同一符号を使用して説明を省略す
る。摺動絞り弁20は横断面が円形をなし、その左側方
にエアクリーナ側の吸気路2Bに臨むエアクリーナ側の
側面20Aが形成され、その右側方に機関側の吸気路2
Cに臨む機関側の側面20Bが形成され、その下方にニ
ードルジェット4、低速噴孔8が開口する吸気路2に臨
む底部20Cが形成される。そして、エアクリーナ側の
側面20Aから機関側の側面20B側に(図1において
右方に向かうこと)向かうとともに摺動絞り弁20の底
部20C(下方に向かうこと)に向かう平坦面をなす第
1のカッタウエイ20Dが切欠きを形成される。より具
体的にいうと、第1のカッタウエイ20Dはエアクリー
ナ側の側面20Aから摺動絞り弁20の底部20Cに向
かう右下がりの傾斜面をなし、その上流端20Eがエア
クリーナ側の側面20Aに開口し、下流端20Fが底部
20Cに達する。又、前記第1のカッタウエイ20Dに
対して第2のカッタウエイ20Gが連設して切欠き形成
される。この第2のカッタウエイ20Gの上流端20H
は第1のカッタウエイ20Dに開口し、下流端20Jは
機関側の側面20Bに近い底部20Cの近傍に達するも
ので、この第2のカッタウエイ20Dもまた右下がりの
傾斜面をなす。すなわち、摺動絞り弁20には、エアク
リーナ側の側面20Aから機関側の側面20B方向に向
かうとともに底部20Cに向かう平坦状の第1のカッタ
ウエイ20Dが形成され、第1のカッタウエイ20Dか
ら機関側の側面20B方向に向かうとともに底部20C
に向かう第2のカッタウエイ20Gが連設して形成され
る。又、摺動絞り弁20の内底部より第2のカッタウエ
イ20Gに向けてジェットニードルに挿通孔20Kが貫
通して穿設される。このニードルジェット挿通孔20K
の下方が拡大されるのは、ニードルジェット、スクリー
ンチューブ、等の突出部を逃げる為のものであり、必ず
しも必要としない。
【0016】上記構成よりなる摺動絞り弁20が気化器
本体1の絞り弁案内筒2A内に配置された状態が図3に
示されるもので、このとき摺動絞り弁20のエアクリー
ナ側の側面20Aはエアクリーナ側の吸気路2Bに臨ん
で配置され、機関側の側面20Bは機関側の吸気路2C
に臨んで配置され、底部20Cは、ニードルジェット
4、低速噴孔8が開口する吸気路2の底部に臨んで配置
される。そして、摺動絞り弁20のジェットニードル挿
通孔20K内に配置されたジェットニードル7は、第2
のカッタウエイ20Gを貫通して吸気路内に開口するニ
ードルジェット4内へ挿入配置され、低速噴孔8は摺動
絞り弁20の機関側の側面20Bの底部20Cに臨んで
吸気路内に開口する。
【0017】そして、機関が運転されることによって、
エアクリーナ側の吸気路2Bから機関側の吸気路2Cに
向かって空気が流れると、エアクリーナ側の吸気路2B
内を流れる水平方向の空気流は、摺動絞り弁20のエア
クリーナ側の側面20Aに形成された第1のカッタウエ
イ20Dに衝突する。そして、この第1のカッタウエイ
20Dに衝突した水平方向の空気流は、第1のカッタウ
エイ20Dに沿って流れの向きを変えるもので、この第
1のカッタウエイ20Dが摺動絞り弁20の底部20C
に向かう右下がりの平坦面をなす傾斜面として形成され
たので、エアクリーナ側の吸気路2B内を流れる水平方
向の空気流は、右下がりの斜め方向に向かって流下し
て、摺動絞り弁20の底部20Cに確実に向かう。そし
て、この第1のカッタウエイ20Dに沿う右下がりの斜
め方向の空気流は、第1のカッタウエイ20Dに開口す
る第2のカッタウエイ20Gの上流端20Hに達し、第
2のカッタウエイ20Gに沿って流入する。
【0018】以上によると、エアクリーナ側の吸気路2
B内を流れる水平方向の空気流が第1のカッタウエイ2
0Dによって摺動絞り弁20の底部20Cに向かう斜め
下方への空気流に集中的に整流され、この整流された空
気が第2のカッタウエイ20G内へ流入するので摺動絞
り弁20の底部20Cと、それに対向する吸気路2とに
よって形成されるベンチュリー部Vにおける空気流の流
速を効果的に上昇することができる。そして、このベン
チュリー部Vの空気流速を速めることができたことによ
って、ベンチュリー部Vの負圧を高めることができ、更
にはベンチュリー部Vを流れる空気量を効果的に増量で
きる。
【0019】そして、低速噴孔8に加わる負圧を従来の
摺動絞り弁式気化器に比較して高められることは図5の
実験結果により明らかにされる。これによると、摺動絞
り弁20の各絞り弁開度において従来のものに比較して
その負圧を高めることができたことが認められる。
【0020】又、ニードルジェット4に加わる負圧を従
来の摺動絞り弁式気化器に比較して高められることは図
6の実験結果により明らかにされる。これによると、摺
動絞り弁20の各絞り弁開度において従来のものに比較
してその負圧を高めることができたことが認められる。
【0021】又、気化器の吸気路を流れる吸入空気量を
従来の摺動絞り弁型気化器に比較して高められることは
図7の実験結果により明らかにされる。これによると、
摺動絞り弁20の各絞り弁開度において従来のものに比
較してその吸入空気量を増量できたことが認められる。
【0022】以上のように、低速噴孔8及びニードルジ
ェット4に加わるベンチュリー部Vにおける負圧を高め
ることができたことによると、低速噴孔8及びニードル
ジェット4より霧化特性のすぐれた燃料をベンチュリー
部V内へと吸出することができるとともにこの燃料をベ
ンチュリー部Vを流れる空気流に均一に混合することが
でき、もって良好に霧化された均一なる混合気を機関に
供給できたものである。而して、摺動絞り弁20の各開
度における機関の燃焼状態を良好に行なえるもので、機
関の運転性を向上できるとともに有害排気ガス成分の低
減を達成できたものである。又、霧化状態の良好な混合
気を機関へ供給できたことは、機関の加速運転時におい
て、混合気を摺動絞り弁20の開放に応答して即座に機
関へ供給することができ、機関の加速応答性の向上を図
ることができる。更に又、低速噴孔8及びニードルジェ
ット4に加わる負圧を高めることができたことによる
と、セッティング作業性を著しく向上できたもので、機
関への適合の自由度を大きく高めることができた。
【0023】更に、摺動絞り弁20の各絞り弁開度にお
ける吸入空気量を増量できたことによると、機関の出力
を向上することができたものである。
【0024】又、図1において、第1のカッタウエイ2
0Dが摺動絞り弁20の底部20Cに交差する角度G
を、第2のカッタウエイ20Gが摺動絞り弁20の底部
20Cに交差する角度Hより大きく設定すると以下の効
果を奏する。すなわち、第1のカッタウエイ20Dの傾
斜面の長さLを充分長くとることができるもので、これ
によるとエアクリーナ側の吸気路2B内を流れる空気流
を、確実に第1のカッタウエイ20Dの傾斜面に沿う斜
め下方向への流れに指向して整流でき、この整流状態に
ある空気流を第2のカッタウエイ20Gへ積極的に流入
させることができる。従って、前述したベンチュリー部
Vの負圧の昇圧効果及び吸入効率の向上を一層効果的に
達成できる。
【0025】又、第2のカッタウエイ20Gにあって
は、その交差角度Hが第1のカッタウエイ20Dの交差
角度より小さく設定されるので、第2のカッタウエイ2
0Gの上流端20Hが第1のカッタウエイ20Dの上方
位置へ開口されることがなく、比較的に第1のカッタウ
エイ20Dの下方位置へ開口される。以上によると、第
2のカッタウエイ20Gによってベンチュリー部Vの負
圧が低下することが抑止される。すなわち、ベンチュリ
ー部Vの負圧は、第2のカッタウエイ20Gの上流端2
0Hの第1のカッタウエイ20Dに対する開口位置が上
方へ移動するにつれて弱められる傾向を有するもので、
前述の如く、第2のカッタウエイ20Gの上流端20H
を、第1のカッタウエイ20Dの下方位置に開口したこ
とによって、ベンチュリー部Vにおける負圧を高い負圧
状態に保持できる。第2のカッタウエイ20Gの上流端
20Hの、第1のカッタウエイ20Dに対する具体的開
口位置は、セッティングによって選定される。
【0026】又、第1のカッタウエイ20Dの上流端2
0Eの、摺動絞り弁20のエアクリーナ側の側面20A
への開口位置は、図3において示される吸気路2の長手
方向軸心線X−Xより上方位置が望ましい。これは、第
1のカッタウエイ20Dの傾斜面の長さLを充分とれて
エアクリーナ側の吸気路2Bを流れる空気流を確実に第
1のカッタウエイ20Dの傾斜面に沿う整流状態の空気
流に指向することができ、この整流状態にある空気を第
2のカッタウエイ20Gに向けてより一層確実に流入さ
せることができるからである。
【0027】次に図8から図11によって本発明の摺動
絞り弁型気化器の他の実施例について説明する。図8は
摺動絞り弁の他の実施例を示す縦断面図、図9は図8の
摺動絞り弁をエアクリーナ側の側面からみた右側面図、
図10は図8の摺動絞り弁が組みつけられた状態を示す
摺動絞り弁型気化器の縦断面図。図11は図10のJ−
J線における横断面図。図8に示された摺動絞り弁と図
1に示された摺動絞り弁とは第1のカッタウエイ及び第
2のカッタウエイの面形状が異なる。尚、図1と同一構
造部分については同一符号を使用して説明を省略する。
すなわち、図1に示される第1のカッタウエイ20D、
第2のカッタウエイ20Gの面形状が平坦面であるのに
対し、図8に示される第1のカッタウエイ20D' 及び
第2のカッタウエイ20G' の面形状は円弧状をなす。
この円弧状のカッタウエイは、図11によく示されるも
ので、第1のカッタウエイ20D' の横断面は、その中
心部が摺動絞り弁20の機関側の側面20Bに向かう
(いいかえると図11において右方に向かう)凹部20
Lをなす円弧状に形成されるもので、凹部20Lのもっ
とも深い部分はジェットニードル挿通孔20K側に向か
う。又、第2のカッタウエイ20G' の断面もまた凹部
20Nをなす円弧状に形成される。
【0028】そして、機関が運転されることによって、
エアクリーナ側の吸気路2Bから機関側の吸気路2Cに
向かって空気が流れると、エアクリーナ側の吸気路2B
内を流れる水平方向の空気流は、摺動絞り弁20のエア
クリーナ側の側面20Aに形成された第1のカッタウエ
イ20D' に衝突する。そして、この第1のカッタウエ
イ20D' に衝突した水平方向の空気流は、第1のカッ
タウエイ20D' に沿って流れの向きを変えるもので、
この第1のカッタウエイ20D' が摺動絞り弁20の底
部20Cに向かう右下がりの円弧状をなす傾斜面として
形成されたので、エアクリーナ側の吸気路2B内を流れ
る水平方向の空気流は、右下がりの斜め方向に向かうと
ともに円弧状の凹部20Lの中心に沿って流下して、摺
動絞り弁20の底部20Cの中心に確実に向かう。そし
て、この第1のカッタウエイ20D' に沿う右下がりの
斜め方向の空気流は、第1のカッタウエイ20D' に開
口する第2のカッタウエイ20G' の上流端20Hに達
し、第2のカッタウエイ20G' に沿って流入する。
【0029】以上によると、エアクリーナ側の吸気路2
B内を流れる水平方向の空気流が第1のカッタウエイ2
0D' の円弧状の凹部20Lによって摺動絞り弁20の
底部20Cの中心(いいかえると吸気路の中心)に向か
う斜め下方への空気流により一層集中的に整流され、こ
の整流された空気が第2のカッタウエイ20G' 内へ流
入するので摺動絞り弁20の底部20Cと、それに対向
する吸気路2とによって形成されるベンチュリー部Vに
おける空気流の流速をより一層効果的に上昇することが
できる。そして、このベンチュリー部Vの空気流速をよ
り一層速めることができたことによって、ベンチュリー
部Vの負圧を第1の実施例に比してより一層高めること
ができ、更にはベンチュリー部Vを流れる空気量を第1
の実施例に比してより一層効果的に増量できる。
【0030】図12には更に他の実施例の摺動絞り弁型
気化器が示される。図11に示される第1のカッタウエ
イ20' の面形状が凹部20Lをなす円弧状であるのに
対し、図12に示される第1のカッタウエイ20" の面
形状は、その中心部が摺動絞り弁20の機関側の側面2
0Bに向かう凹部20L' をなす錐形状に形成されるも
ので、錐形状のもっとも深い角部はジェットニードル挿
通孔20Kに向かう。
【0031】以上によると、エアクリーナ側の吸気路2
B内を流れる水平方向の空気流が第1のカッタウエイ2
0D" の錐形状の凹部20L' の角部によって摺動絞り
弁20の底部20Cの中心に向かう斜め下方への空気流
に更により一層集中的に整流され、この整流された空気
が第2のカッタウエイ20G内へ流入するので摺動絞り
弁20の底部20Cと、それに対向する吸気路2とによ
って形成されるベンチュリー部Vにおける空気流の流速
を更により一層効果的に上昇することができる。そし
て、このベンチュリー部Vの空気流速を更により一層速
めることができたことによって、ベンチュリー部Vの負
圧をより一層高めることができ、さらにはベンチュリー
部Vを流れる空気量をより一層効果的に増量できる。
【0032】尚、前述した摺動絞り弁の形状は円筒形状
をなすものであるが、図13に示される矩形状のもの、
図14に示される長円形状のもの、図15に示される中
心部に円筒形のベンチュリー形成部を有し、側方に羽根
部がのびる異形状のもの、であってもよいもので、摺動
絞り弁そのものの形状に何等限定されることはなく、第
1のカッタウエイと第2のカッタウエイを形成できる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明になる摺動絞り弁型
気化器の第1の特徴によると、エアクリーナ側の吸気路
内を流れる空気流を、摺動絞り弁のエアクリーナ側の側
面に設けた第1のカッタウエイによって底部に向かう斜
め下方向の空気流へと整流し、この整流された空気流を
第1のカッタウエイに開口する第2のカッタウエイ内に
流入させたので、ベンチュリー部内を流れる空気流を速
めることができ、ベンチュリー部に開口するニードルジ
ェット、及び低速噴孔に加わる負圧を高めることができ
たもので、更には吸入効率を大きく向上することができ
たものである。以上によると、混合気を良好に霧化する
ことができて、機関の燃焼状態を良好に行なうことがで
き機関の運転性の向上、有害排気ガス成分の低減、更に
は加速応答性の向上とセッティング作業性の向上を達成
できたものである。更に吸入効率の向上によって機関の
出力性能を向上できたものである。
【0034】又、本発明の第2の特徴によると、第1の
カッタウエイの傾斜面の長さを充分にとることができベ
ンチュリー部の負圧の昇圧効果及び吸入効率の向上を一
層効果的に行なうことができ、更に第2のカッタウエイ
によるベンチュリー部の負圧を低下させることが抑止さ
れる。
【0035】又、本発明の第3の特徴によると、第1の
カッタウエイの傾斜面の長さを充分にとることができ
て、安定した整流状態の空気流を第2のカッタウエイに
向けて供給することができ、ベンチュリー部の負圧の昇
圧効果及び吸入効率の向上を一層効果的に行なうことが
できる。
【0036】又、本発明の第4及び第5の特徴による
と、第1のカッタウエイを流れる空気流を摺動絞り弁の
底部の中心に向けて集中的に整流して流入させることが
できたもので、ベンチュリー部の空気流速をより一層速
めることができて、ベンチュリー部の負圧をより一層高
めることができるとともに吸入効率を更に一層効果的に
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる摺動絞り弁型気化器に用いられる
摺動絞り弁の縦断面図。
【図2】図1の摺動絞り弁のエアクリーナ側の側面にお
ける左側面図。
【図3】図1の摺動絞り弁が組みつけられた状態におけ
る摺動絞り弁型気化器の縦断面図。
【図4】図3のE−E線における横断面図。
【図5】摺動絞り弁開度と低速噴孔に加わる負圧との関
係を示す線図。
【図6】摺動絞り弁開度とニードルジェットに加わる負
圧との関係を示す線図。
【図7】摺動絞り弁開度と吸入空気量との関係を示す線
図。
【図8】摺動絞り弁の他の実施例を示す縦断面図。
【図9】図8の摺動絞り弁のエアクリーナ側の側面にお
ける左側面図。
【図10】図8の摺動絞り弁が組みつけられた状態にお
ける摺動絞り弁型気化器の縦断面図。
【図11】図10のJ−J線における横断面図。
【図12】摺動絞り弁の他の実施例が組みつけられた状
態における摺動絞り弁型気化器の横断面図。
【図13】摺動絞り弁の外形形状の一例を示す上部平面
簡略図。
【図14】摺動絞り弁の外形形状の他の例を示す上部平
面簡略図。
【図15】摺動絞り弁の外形形状の更に他の例を示す上
部平面簡略図。
【図16】従来の摺動絞り弁型気化器を示す縦断面図。
【図17】図16のA−A線における横断面図。
【符号の説明】
20 摺動絞り弁 20A エアクリーナ側の側面 20B 機関側の側面 20C 底部 20D 第1のカッタウエイ 20G 第2のカッタウエイ 20L,20L' 凹部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化器本体を吸気路が貫通し、該吸気路
    が絞り弁案内筒内に移動自在に配置された摺動絞り弁に
    て開閉制御され、摺動絞り弁に一体的に取着されたジェ
    ットニードルが吸気路に開口するニードルジェット内に
    挿入配置された摺動絞り弁型気化器において、摺動絞り
    弁20に、上流端が摺動絞り弁20のエアクリーナ側の
    側面20Aに開口し、下流端が摺動絞り弁20の機関側
    の側面20Bに向かうとともに摺動絞り弁20の底部2
    0Cに向かう第1のカッタウエイ20Dと、上流端が第
    1のカッタウエイ20Dに開口し、下流端が絞り弁20
    の機関側の側面20Bに向かうとともに摺動絞り弁20
    の底部20Cに向かう第2のカッタウエイ20Gと、を
    設け、ジェットニードル7を第2のカッタウエイ20G
    を貫通して配置したことを特徴とする摺動絞り弁型気化
    器。
  2. 【請求項2】 前記、第1のカッタウエイ20Dが摺動
    絞り弁20の底部20Cに交差する角度Gを、第2のカ
    ッタウエイ20Gが摺動絞り弁20の底部20Cに交差
    する角度Hより大としたことを特徴とする請求項1記載
    の摺動絞り弁型気化器。
  3. 【請求項3】 前記、第1のカッタウエイ20Dの、摺
    動絞り弁20のエアクリーナ側の側面20Aに開口する
    開口位置を、吸気路2の中心X−Xより上方位置に開口
    したことを特徴とする請求項1記載の摺動絞り弁型気化
    器。
  4. 【請求項4】 前記、第1のカッタウエイ20D' の横
    断面を、その中心部が摺動絞り弁20の機関側の側面2
    0Bに向かって凹部20Lをなす円弧状としたことを特
    徴とする請求項1記載の摺動絞り弁型気化器。
  5. 【請求項5】 前記、第1のカッタウエイ20D”の横
    断面を、その中心部が摺動絞り弁20の機関側の側面2
    0Bに向かって凹部20L' をなす錐形状としたことを
    特徴とする請求項1記載の摺動絞り弁型気化器。
JP13108095A 1995-05-01 1995-05-01 摺動絞り弁型気化器 Expired - Fee Related JP3275198B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13108095A JP3275198B2 (ja) 1995-05-01 1995-05-01 摺動絞り弁型気化器
TW085212979U TW302053U (en) 1995-05-01 1995-08-03 Sliding throttle valve type carburetor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13108095A JP3275198B2 (ja) 1995-05-01 1995-05-01 摺動絞り弁型気化器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08303302A JPH08303302A (ja) 1996-11-19
JP3275198B2 true JP3275198B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=15049529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13108095A Expired - Fee Related JP3275198B2 (ja) 1995-05-01 1995-05-01 摺動絞り弁型気化器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3275198B2 (ja)
TW (1) TW302053U (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
TW302053U (en) 1997-04-01
JPH08303302A (ja) 1996-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6125894B2 (ja)
JPS5922046B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
JP3275198B2 (ja) 摺動絞り弁型気化器
JP3324022B2 (ja) 摺動絞り弁型気化器
JP3303183B2 (ja) 摺動絞り弁型気化器
JP2714760B2 (ja) 定真空式気化器における負圧作動弁
JP3293055B2 (ja) 可変ベンチュリー式気化器
JP2835594B2 (ja) 可変ベンチュリー式気化器
JP2539187Y2 (ja) 気化器のプライマリーチョーク装置
JP2714765B2 (ja) 可変ベンチュリ式気化器
JP2512853Y2 (ja) 気化器
JPH0236926Y2 (ja)
JPH0622138Y2 (ja) 可変ベンチュリ気化器
JPS6042200Y2 (ja) 内燃機関用気化器
JPH1054303A (ja) 摺動絞り弁型気化器
JPH10220293A (ja) 摺動絞り弁型気化器における摺動絞り弁
JP2000213422A (ja) プライマリ―型摺動絞り弁型気化器
JP2714759B2 (ja) 摺動絞り弁型気化器における摺動絞り弁
JPH10220292A (ja) 摺動絞り弁型気化器における摺動絞り弁
JPS6039869B2 (ja) 気化器
JP4081590B2 (ja) プライマリー型摺動絞り弁型気化器
JPH08128327A (ja) 内燃機関の低負荷時スワール発生装置
JPS59218348A (ja) 可変ベンチユリ型気化器
JPS62237070A (ja) 可変ベンチユリ−形気化器
JP2002310043A (ja) 内燃機関の吸気装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees