JP2714759B2 - 摺動絞り弁型気化器における摺動絞り弁 - Google Patents
摺動絞り弁型気化器における摺動絞り弁Info
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Description
の濃度及び量を制御する気化器に関し、そのうち特に気
化器本体の吸気路に連設された絞り弁案内筒内に移動自
在に配置された摺動絞り弁を機械的に操作することによ
って吸気路の開口面積を制御する摺動絞り弁型気化器の
摺動絞り弁に関するものである。
によって説明する。40は内部を吸気路41が水平方向
に貫通され、吸気路41の中間部より上方に向けて絞り
弁案内筒42が穿設された気化器本体であり、気化器本
体40の下方凹部43に浮子室本体44を配置すること
によって浮子室45が形成され、浮子室45内には、フ
ロート46及び図示せぬバルブシート、フロートバルブ
によって一定なる燃料液面が形成される。絞り弁案内筒
42内には摺動絞り弁47が移動自在に配置されるもの
で、この摺動絞り弁47は、絞り弁案内筒42の上部開
口を閉塞するトップTと摺動絞り弁47の内底部47A
との間に縮設されたスプリングSにより吸気路41を閉
塞する側に付勢され、又、摺動絞り弁47の下方底部4
7Dには、吸気路41内に開口する主燃料系としてのニ
ードルジェット48内へ挿入されるジェットニードル4
9を挿通する為のジェットニードル挿通孔47Eが穿設
され、更に前記下方底部47Dとそれに対向する吸気路
41とによってベンチュリー部Vが形成される。
内に配置されると、図1における摺動絞り弁47の右方
に、エアクリーナAに連なるエアクリーナA側の吸気路
41Aに臨むエアクリーナ側の対向側面47Bが形成さ
れ、摺動絞り弁47の左方に、機関Bに連なる機関B側
の吸気路41Bに臨む機関側の対向側面47Cが形成さ
れる。
第1例について図10,図11によって説明する。同一
構造部分は図9と同一符号を使用する。図10は摺動絞
り弁47の摺動方向X−Xに直交する横断面における簡
略横断面図、図11はエアクリーナA側よりみた簡略側
面図である。かかる摺動絞り弁47はその横断面が円形
状をなすもので、エアクリーナ側の対向側面47B及び
機関側の対向側面47Cは円弧状に形成される。
12,図13によって説明する。同一構造部分は図9と
同一符号を使用する。図12は、摺動絞り弁47の摺動
方向X−Xに直交する横断面における簡略平面図、図1
3はエアクリーナA側よりみた簡略側面図である。かか
る摺動絞り弁47はその横断面が矩形状をなすもので、
エアクリーナ側の対向側面47B及び機関側の対向側面
47Cは吸気路41の長手方向軸心線Y−Yに直交する
平面形状に形成される。
ト50を介して浮子室45内の一定燃料液面下に没入さ
れる。51は、運転者によって操作されるアクセルワイ
ヤーであり、一端はアクセルグリップ(図示せず)に連
結され、他端は摺動絞り弁47に螺着された係止部材5
2にエンド53を介して連結される。又、54は、摺動
絞り弁47の機関側の対向側面47Cの下端近傍に対向
した吸気路41内に開口した低速燃料系としてのパイロ
ットアウトレット孔であり、低速燃料ジェット55と図
示せぬ低速空気ジェットにて計量された燃料と空気との
混合気が該パイロットアウトレット孔54より吸気路4
1内に供給される。
すると、アクセルワイヤー51によって摺動絞り弁47
が操作されて吸気路41のベンチュリー部Vの開口が開
閉制御され、ベンチュリー部Vの開口に応じた空気がエ
アクリーナA側の吸気路41Aから機関B側の吸気路4
1Bに向かって流下するもので、かかる空気流れによっ
て生起するベンチュリー部Vの負圧により主燃料系とし
てのニードルジェット48及び低速燃料系としてのパイ
ロットアウトレット孔54より主燃料及び低速燃料をベ
ンチュリー部V内へ吸出し、この燃料が機関B側の吸気
路41Bを介して機関Bへ供給されることによって機関
の運転を満足する。
化器における第1の従来例によると、エアクリーナA側
の吸気路41A内を、吸気路41の長手方向軸心線Y−
Yに沿って流下する空気流(図10において点線で示さ
れる)が、前記円弧状のエアクリーナ側の対向側面47
Bに衝突すると、該空気流は、衝突部C点とエアクリー
ナ側の対向側面47Bの円弧状の中心Dとを結ぶ線C−
Dの延長線の反対側に、衝突部C点に向かう空気流の流
入角度Eと同一なる角度Eをもって反射し、吸気路41
の長手方向軸心線Y−Yより離れる方向に空気流は拡散
されて摺動絞り弁47の下方底部47D内へと流れこ
む。すなわち、円弧状のエアクリーナ側の対向側面47
Bに衝突した空気流は、円弧状の面を斜め外側下方に向
かって流れ、吸気路41の外側方の内周壁41C方向に
収束されつつ摺動絞り弁47の下方底部47D内に流れ
こむ。この状態は図11の点線で示される。
における空気の流れ速度は、吸気路41の中央部分にお
いて、流速が大きく慣性が大なるものであるが、吸気路
41の外側方の内周壁41Cの近傍部分において、空気
流速は小さく慣性は小さいもので、吸気路41の外側方
の内周壁41Cに沿って流れる空気流に「はがれ」現象
が生じ、この部に渦流が生起することが知られる。又、
摺動絞り弁47を摺動自在に案内する絞り弁案内筒42
は円形をなすもので、絞り弁案内筒42には、吸気路4
1に臨んで三日月凹部42Aが形成され、吸気路41内
を空気が流下する際、三日月凹部42Aに渦流が生起す
る。従って、エアクリーナ側の円弧状の対向側面47B
に衝突した後の空気流が吸気路41の外側方の内周壁4
1Cに向かって収束されることは、渦流に向かって衝突
後の空気流が指向し、更に三日月凹部42Aに渦流が生
起することによると摺動絞り弁47の下方底部47D内
に流れこむ衝突後の空気流に対して渦流が抵抗となり、
摺動絞り弁47の下方底部47D内に効率よく空気を流
入させることができないという問題(吸入効率が悪い)
を有する。
空気を効率よく供給できないことは、結果として下方底
部47Dと吸気路41とによって形成されるベンチュリ
ー部Vを流れる空気流速を充分に上昇し得ないものであ
り、これによると、ベンチュリー部Vに開口するニード
ルジェット48及びパイロットアウトレット孔54に作
用する負圧を充分に高めることができないという問題を
有する。
面47B及び機関側の対向側面47Cが平面形状に形成
された摺動絞り弁47においては、エアクリーナA側の
吸気路41A内を、吸気路41の長手方向軸心線Y−Y
に沿って流下する空気流が、前記平面形状のエアクリー
ナ側の対向側面47Bに衝突すると、該空気流は、平面
形状に沿って下方向へ流れをかえ、摺動絞り弁47の下
方底部47D内へと流れこむ。これによると、エアクリ
ーナ側の対向側面47Bの中央部分を下方向へ流下する
衝突後の空気流は流速が大なる吸気路41の中央部分に
向かって流れこみ、エアクリーナ側の対向側面47Bの
外側方部分を流下する衝突後の空気流は流速の小なる吸
気路41の外側方の内周壁41Cに向かって流れ込み、
エアクリーナ側の対向側面47Bの中央部分と外側方部
分との間の中間部分を下方向へ流下する衝突後の空気流
は、吸気路41の中央部分と、吸気路41の外側方の内
周壁41Cの中間部分の吸気路41内へと向かって流れ
込む。
47Bの外側方部分に衝突した後の空気流は、吸気路4
1の外側方の内周壁41C部の渦流に向かって指向し、
またエアクリーナ側の対向側面47Bの中間部分に衝突
した後の空気流は、中なる流速を有する中間部分の吸気
路41内に向かって指向するのであり、エアクリーナ側
の対向側面47Bの中央部分に衝突した後の空気流は、
流速の大なる吸気路41の中央部分に指向するものであ
り、空気の吸入効率及びニードルジェット48及びパイ
ロットアウトレット孔54に作用する負圧は前記第1の
従来例に比較すれば流速の大なる吸気路41の中央部分
に指向させることができた分向上できたものである。一
方、吸気路41に開口する絞り弁案内筒42は、三日月
凹部42Bをなすものであるが、摺動絞り弁47の横断
面が短形状をなすことから、三日月凹部42Bの溝幅
は、第1の従来例の三日月凹部42Aの溝幅より小さく
することができ、この分凹部において生起する渦流の発
生を抑止できる。
る摺動絞り弁は前記不具合に鑑み成されたもので、特に
摺動絞り弁の中間開度域における吸入効率の向上と、ニ
ードルジェット及びパイロットアウトレット孔に作用す
る負圧を高めることのできる摺動絞り弁型気化器を提供
することを目的とする。
気化器における摺動絞り弁は、前記目的達成の為に、内
部を吸気路が貫通し、吸気路の中間部より一側方に向け
て絞り弁案内筒が連設され、絞り弁案内筒内には、吸気
路を開閉制御するとともに吸気路内に開口するニードル
ジェット内に挿入されるジェットニードルを備えた摺動
絞り弁を移動自在に配置した摺動絞り弁型気化器におい
て、摺動絞り弁1は、機関B側の吸気路41Bに臨む機
関側の対向側面1Bと、エアクリーナA側の吸気路41
Aに臨むエアクリーナ側の対向側面1Aと、を備え、摺
動絞り弁1の摺動方向X−Xに直交する摺動絞り弁1の
横断面において、機関側の対向側面は、吸気路の長手軸
心線上に起点を有する単一の半径をもつ円弧状の突部に
よって形成され、エアクリーナ側の対向側面は、前記機
関側の対向側面の両外側端を結ぶ線より機関側に向かう
凹部であって且つ長手軸心線に対して対称に凹設される
とともに凹部における対向面間距離が機関側に向けて順
次減少され、更にジェットニードル挿通孔を、機関側の
対向側面とエアクリーナ側の対向側面との間の長手軸心
線上に穿設したことを特徴とする。
のエアクリーナ側の対向側面に衝突する空気流は、エア
クリーナ側の対向側面に形成された凹部に衝突した後に
摺動絞り弁の下方底部よりベンチュリー部に流入する。
そして凹部における対向面間距離を機関側に向けて順次
減少させたことによって、エアクリーナ側の対向側面に
衝突した空気流は、摺動絞り弁の中心の下方底部に向け
て指向される。而して、前記、衝突後の空気流は、吸気
路の中央部分における流速が大きく慣性の大なる空気流
に向かって流れこむので摺動絞り弁の下方底部に効率よ
く空気を流入させることができる。
単一の円弧状の突部にて形成したことにより、吸気路に
開口する絞り弁案内筒は、従来の三日月凹部の略半分が
臨んで開口することになる。而して、絞り弁案内筒の吸
気路に臨む凹部を大きく減少できたもので、この減少に
応じて凹部に発生する渦流を低減できた。而して、摺動
絞り弁の下方底部に効率よく空気を流入させることがで
きるとともにニードルジェット及びパイロットアウトレ
ット孔に作用する負圧を良好に高めることができたもの
である。
実施例について図により説明する。図1は摺動絞り弁を
含む摺動絞り弁型気化器の縦断面図、図2は図1のZ−
Z線における横断面図、図3は図1の右方よりみた右側
面図、図4は図1の摺動絞り弁型気化器に使用された摺
動絞り弁の縦断面図、図5は図4の摺動絞り弁の上部平
面図、図6は図4の摺動絞り弁の右方よりみた右側面図
である。尚、図9と同一構造部分については同一符号を
使用し説明を省略する。1は絞り弁案内筒42内に移動
自在に配置される摺動絞り弁であり、摺動絞り弁1の摺
動方向X−X(絞り弁案内筒42内に配置された際にお
ける摺動絞り弁1の移動方向をいう)に直交する横断面
(図5に示される上部平面図に相当する)において、機
関Bに臨む機関側の対向側面1Bと、エアクリーナAに
臨むエアクリーナ側の対向側面1Aと、により形成され
る。ここで機関Bに臨むということは機関Bに向けて対
向する側のことで、より具体的には図5において左側方
部分をいうものである。又、エアクリーナAに臨むとい
うことは、エアクリーナAに向けて対向する側のこと
で、より具体的には図5において右側方部分をいうもの
である。ここで機関側の対向側面1Bは、摺動絞り弁1
の横断面における中心を通る線F−F上に起点を有する
単一の半径を有する円弧状の突部に形成されたもので、
線F−Fをまたいで形成された円弧状の両側方端に端部
G,Gが形成される。これは、図5によく示される。
機関側の対向側面1B側に向かう(図5において左方に
向かうこと)凹部1Cが凹設される。この凹部1Cは、
エアクリーナ側の対向側面1Aのもっともエアクリーナ
A側へ突出した端部GとGとを摺動絞り弁1の横断面に
おける中心を通る線F−Fを横断して結ぶ線H−Hより
機関B側(図5において左側)にあり、且つ中心線F−
Fをはさんで互いに対称に凹設され、さらに凹部1Cに
おける対向面間距離Lは、機関B側に向けて順次減少さ
れる。尚、本実施例における凹部1Cは、摺動絞り弁1
の横断面の中心を通る線F−F上にその起点を有し、線
H−Hより機関B側に向けて没入させた単一なる半径を
有する円弧状に形成した。
部1Gに向けて係止部材52を螺着する為のメネジ孔1
Hと、ジェットニードル挿通孔1Jが穿設されるもの
で、少なくともジェットニードル挿通孔1Jは中心線F
−Fの近傍にあって、且つ凹部1Cと機関側の対向側面
1Bの間に穿設される。
本体40の摺動絞り弁案内筒42内に移動自在に配置さ
れるもので、これによると摺動絞り弁1の下方底部1G
とそれに対向する吸気路41とによってベンチュリー部
Vが形成されるとともにジェットニードル49は吸気路
41内のベンチュリー部Vに開口する主燃料系としての
ニードルジェット48内に挿入され、さらに機関側の対
向側面1Bの下方底部1Gは、吸気路41内に開口する
低速燃料系としてのパイロットアウトレット孔54に対
向する。又、吸気路41は摺動絞り弁1によってエアク
リーナA側の吸気路41Aと、機関B側の吸気路41B
とに区分されるもので、摺動絞り弁1のエアクリーナ側
の対向側面1AはエアクリーナA側の吸気路41Aに臨
んで開口し、機関側の対向側面1Bは機関B側の吸気路
41Bに臨んで開口する。
気路41Bが機関Bに接続されるとともにエアクリーナ
A側の吸気路41AがエアクリーナAに接続され、運転
者によってアクセルワイヤ51が操作されると、摺動絞
り弁1はそれに応じて吸気路41の開口(ベンチュリー
部Vの開口)を制御する。
摺動絞り弁型気化器によると、ニードルジェット48に
加わるノズル負圧とパイロットアウトレット孔54に加
わるパイロットアウトレット孔負圧を特に摺動絞り弁1
の中間開度域において、従来の摺動絞り弁に比較して大
きく上昇させることができた。これは、摺動絞り弁1の
開度を、吸気路41の直径を基準として全閉状態から全
開状態迄ストロークを8等分し、各開度状態において、
摺動絞り弁1より機関B側の吸気路41B内に一定値の
負圧を作用させ、かかる状態においてニードルジェット
48に加わる負圧と、パイロットアウトレット孔54に
加わる負圧を計測することによって実証したものであ
り、このテスト結果が図7,図8に示される。
圧のテスト結果が示される。すなわち、図7によれば、
従来の摺動絞り弁、エアクリーナ側の対向側面に円弧状
突面を有する摺動絞り弁(第1の従来例に相当)、エア
クリーナ側の対向側面に平面形状を有する摺動絞り弁
(第2の従来例に相当)と本発明になるエアクリーナ側
の対向側面1Aに凹部1Cを備えた摺動絞り弁1とは、
1/8開度以上から7/8開度以下の間の開度において
相違し、特に3/8開度から6/8開度迄の中間開度域
において、本発明になる摺動絞り弁1は、従来の摺動絞
り弁に比較して大きくニードルジェット48の負圧を上
昇させることができた。
に加わる負圧のテスト結果が示される。すなわち、図8
によれば、前述した従来の摺動絞り弁と、本発明になる
エアクリーナ側の対向側面1Aに凹部1Cを備えた摺動
絞り弁1とは、2/8開度以上から8/8開度以下の間
の開度において相違し、特に3/8開度から6/8開度
迄の中間開度域において、本発明になる摺動絞り弁1
は、従来の摺動絞り弁に比較して大きくパイロットアウ
トレット孔54の負圧を上昇させることができた。
ル負圧及びパイロットアウトレット孔54の孔負圧を摺
動絞り弁1の特に中間開度域において、従来の摺動絞り
弁を用いたものに比較して大きく上昇できたことは、以
下の理由によるものと考えられる。すなわち、エアクリ
ーナA側の吸気路41A内を吸気路41の長手方向軸心
線Y−Yに沿って流下する空気流(図2において点線で
示される)が、摺動絞り弁1のエアクリーナ側の対向側
面1Aに凹設した凹部1Cに衝突すると、該空気流は、
衝突部K点と、凹部1Cの中心M(エアクリーナ側の対
向側面1AよりエアクリーナA側にある)とを結ぶ線K
−Mの反対側に、衝突部K点に向かう空気流の流入角度
Nと同一なる角度Nをもって反射し、吸気路41の長手
方向軸心線Y−Yに近づく(いいかえると摺動絞り弁1
のエアクリーナ側の対向側面1Aの中心F−F)方向に
空気流は収束されて摺動絞り弁1の下方底部1G内へと
流れこむ。すなわち、凹部1Cに衝突した空気流は、凹
部1Cを斜め内側下方に向かって流れ、吸気路41の中
央部分に収束されつつ摺動絞り弁1の下方底部1G内へ
と流れこむ。この状態は図3の一点鎖線で示される。
に衝突した後の空気流が吸気路41の中央部分に収束さ
れつつ摺動絞り弁1の下方底部1G内へと収束されるこ
とは、該空気流を吸気路41の中央部分を流れる流速が
大きく慣性の大なる空気流に向けて指向できたものであ
り、これによると衝突後の空気流は極めて円滑に摺動絞
り弁1の下方底部1G内へと流入することができるもの
で、下方底部1Gと吸気路41とによって形成されるベ
ンチュリー部V内へ多量の空気を供給できるものであ
る。すなわち、エアクリーナ側の対向側面1Aに衝突し
た後の空気流が、吸気路41の外側方の内周壁41Cの
近傍に生起する渦流による影響を受けることが少なくな
ったものである。そして、前述の如く、ベンチュリー部
V内へ多量の空気を供給できたことは、ベンチュリー部
Vを流れる空気流速を速めることができたもので、この
空気流速の上昇によってベンチュリー部Vに開口するニ
ードルジェット48、パイロットアウトレット孔54に
生起する負圧を高めることができたものである。
り弁1の機関側の対向側面1Bは、吸気路41の長手軸
心線Y−Y上に起点を有する単一の半径をもつ円弧状の
突部に形成されたので、絞り弁案内筒42の吸気路41
に臨む凹部は、従来の三日月状の凹部の略半分の凹部が
開口することになり、吸気路41内への凹部の開口を大
きく減少できたものである。以上によると、吸気路41
を空気が流下する際において前記凹部内に空気が流入し
たとしても、該凹部における渦流の発生が少ないもの
で、これによって、摺動絞り弁1の下方底部1G内へ効
率よく空気を供給でき、もって、下方底部1Gと吸気路
41とによって形成されるベンチュリー部V内へ多量の
空気を供給できる。
気量を増量できたことは、機関Bに向けて供給される空
気の吸入効率を高めることができたもので小なる吸気路
径をもって機関の出力を向上できたものである。又、摺
動絞り弁1の中間開度域におけるニードルジェット4
8、パイロットアウトレット孔54に生起する負圧を高
めることができたことは、それらからベンチュリー部V
内へ吸出される燃料の霧化特性を向上でき、機関の過渡
特性、中間開度域における運転性を大きく向上できたも
のである。更に又、気化器のセッティング作業におい
て、燃料を増量する側の自由度を大きくとることができ
たものでセッティング作業が容易となったものである。
(ニードルジェット48に作用する負圧が小さい場合、
燃料ジェット径を大としても燃料を吸気路内へ吸出でき
ないもので、燃料増量側への自由度が少ない)
絞り弁によると、摺動絞り弁のエアクリーナ側の対向側
面に機関側に向かう凹部を凹設し、前記凹部の対向面間
距離を機関側に向けて順次減少させたので、エアクリー
ナ側の吸気路内を流れる空気が摺動絞り弁の凹部に衝突
すると、空気流は摺動絞り弁の中心の下方端部に向けて
指向され、吸気路の中央部分における流速が大きく慣性
の大なる空気流に向かって流れこむ。一方、機関側の対
向側面を、吸気路の長手軸心線上に起点を有する単一の
半径をもつ円弧状の突部に形成したことによると、絞り
弁案内筒の吸気路内に臨む凹部の開口を大きく減少する
ことができたもので、凹部における渦流の発生を抑止で
きたものである。而して、ベンチュリー部を流れる空気
量を増量することができて空気の吸入効率を向上できる
もので、これによって機関の出力を向上することができ
たものである。一方、ベンチュリー部に多量の空気を流
すことができたことは、ベンチュリー部を流れる空気流
速を速めることができてニードルジェット、パイロット
アウトレット孔に作用する負圧を高めることができ、特
に摺動絞り弁の中間開度域における燃料の霧化特性を向
上することができ、機関の過渡特性、運転性を大きく向
上でき、更には中間開度域における燃料増量の自由度が
増加し、気化器のセッティング作業性を著しく向上でき
たものである。又、摺動絞り弁の傾斜凹部を形成する
に、傾斜面部を単一の半径Rにて円弧状に形成すると、
傾斜凹部を旋盤加工によって正確且つ容易に製作するこ
とができるもので気化器の製造コストを低減する上で効
果的である。
示す縦断面図。
た摺動絞り弁の縦断面図。
係を示す線図。
度との関係を示す線図。
の従来例の摺動絞り弁を示す簡略横断面図。
図。
Claims (1)
- 【請求項1】 内部を吸気路が貫通し、 吸気路の中間部より一側方に向けて絞り弁案内筒が連設
され、絞り弁案内筒内には、吸気路を開閉制御するとと
もに吸気路内に開口するニードルジェット内に挿入され
るジェットニードルを備えた摺動絞り弁を移動自在に配
置した摺動絞り弁型気化器において、 摺動絞り弁1は、機関B側の吸気路41Bに臨む機関側
の対向側面1Bと、エアクリーナA側の吸気路41Aに
臨むエアクリーナ側の対向側面1Aと、を備え、摺動絞
り弁1の摺動方向X−Xに直交する摺動絞り弁1の横断
面において、 機関側の対向側面1Bは、吸気路41の長手軸心線Y−
Y上に起点を有する単一の半径をもつ円弧状の突部に形
成され、エアクリーナ側の対向側面1Aは、前記機関側
の対向側面の両外側端G、Gを結ぶ線H−Hより機関側
に向かう凹部1Cであって且つ線F−Fに対して対称に
凹設されるとともに凹部1Cにおける対向面間距離Lが
機関側に向けて順次減少され、更にジェットニードル挿
通孔1Jを、機関側の対向側面1Bとエアクリーナ側の
対向側面1Aとの間の線F−F上に穿設したことを特徴
とする摺動絞り弁型気化器における摺動絞り弁。
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JP6093024A JP2714759B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 摺動絞り弁型気化器における摺動絞り弁 |
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JPS58133125A (ja) * | 1982-02-03 | 1983-08-08 | 財団法人電力中央研究所 | 直流多端子送電システムにおける分岐線投入制御方式 |
JPH0762467B2 (ja) * | 1990-01-11 | 1995-07-05 | 株式会社京浜精機製作所 | 摺動絞り弁型気化器 |
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1994
- 1994-04-05 JP JP6093024A patent/JP2714759B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07279769A (ja) | 1995-10-27 |
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