JP2714760B2 - 定真空式気化器における負圧作動弁 - Google Patents

定真空式気化器における負圧作動弁

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JP2714760B2
JP2714760B2 JP6093025A JP9302594A JP2714760B2 JP 2714760 B2 JP2714760 B2 JP 2714760B2 JP 6093025 A JP6093025 A JP 6093025A JP 9302594 A JP9302594 A JP 9302594A JP 2714760 B2 JP2714760 B2 JP 2714760B2
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  • Control Of The Air-Fuel Ratio Of Carburetors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関へ供給される混合
気の量及び濃度を制御する気化器に関し、そのうち特に
絞り弁より上流側の吸気路内に配置された負圧作動弁の
移動を、吸気路内に生起する負圧によって制御し、負圧
作動弁と吸気路とによって形成されるベンチュリー開口
面積を吸気路内の負圧に応じて可変制御した定真空式気
化器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の定真空式気化器について図9によ
り説明する。1は、内部を吸気路2が側方に貫通した気
化器本体であり、吸気路2の中間部より上方に向かって
負圧作動弁案内筒3が連設され、この負圧作動弁案内筒
3の上方端は有底形状をなす大気圧室凹部4内に開口
し、大気圧室凹部4の上方端は、カバー取付鍔部5に開
口する。又、負圧作動弁案内筒3より機関側(図9にお
いて右方をいう)の吸気路2A内には絞り弁6が配置さ
れ、この絞り弁6は気化器本体1に回転自在に支持され
た軸7に取着される。又、気化器本体1の下方には浮子
室本体8が配置されて浮子室9が形成され、浮子室9内
には、バルブシート10、フロートバルブ11、フロー
ト12の協同作用によって一定なる燃料液面が形成され
る。
【0003】13は負圧作動弁案内筒3内に移動自在に
配置された負圧作動弁であり、その上方には、側方にの
びる環状鍔部13Aが形成され、この環状鍔部13Aの
上面に傘状に形成されたダイヤフラム14の内周端が配
置され、さらにこの内周端上にはリテーナの如き環状突
部15が配置され、これらダイヤフラム14、環状突部
15は、負圧作動弁13の上方に一体的に取着される。
16はトップカバーであって、上底部17から下方に形
成された気化器本体取付鍔部18に向けて受圧室凹部1
9が凹設される。
【0004】そして、ダイヤフラム14を備えた負圧作
動弁13を気化器本体1の負圧作動弁案内筒3内に配置
し、グイヤフラム14の外周端を気化器本体1のカバー
取付鍔部5上に配置し、さらにグイヤフラム14の外周
端上にトップカバー16の気化器本体取付鍔部18を配
置し、しかる後にトップカバー16を気化器本体1に向
けて螺着する。
【0005】以上によると、ダイヤフラム14の一側面
14Aと受圧室凹部19とによって受圧室Pが形成さ
れ、ダイヤラフム14の他側面14Bと大気圧室凹部4
とによって大気圧室Aが形成され、受圧室P内には負圧
作動弁13の下方に穿設された負圧導入路20を介して
吸気路2内の負圧が導入され、大気圧室Aには気化器本
体1に穿設された大気導入路21より大気圧が導入され
る。
【0006】尚、22は、受圧室P内にあって、負圧作
動弁13を大気圧室A側に付勢するスプリングであり、
一端がトップカバー16の上底部に係止され、他端が負
圧作動弁13に係止される。又、23は負圧作動弁13
に一体的に取着されたジェットニードルであって負圧作
動弁13の下方底部13Bよりジェットニードル挿通孔
25を介して下方に向かって突出し、吸気路2内に開口
するニードルジェット24内に挿入される。そして、負
圧作動弁13の下方底部13Bとそれに対向する吸気路
2とによってベンチュリー部Vが形成される。
【0007】かかる負圧作動弁13が負圧作動弁案内筒
3内に配置されると、図9における負圧作動弁13の左
方に、エアクリーナAに連なるエアクリーナA側の吸気
路2Bに臨むエアクリーナ側の対向側面13Cが形成さ
れ、負圧作動弁13の右方に、機関Bに連なる機関B側
の吸気路2A(前述した負圧作動弁案内筒3より機関側
の吸気路2Aに相当)に臨む機関側の対向側面13Dが
形成される。
【0008】そして、従来使用される負圧作動弁13の
第1例について図10,図11によって説明する。図1
0は負圧作動弁13の摺動方向X−Xに直交する横断面
における簡略横断面図、図11はエアクリーナA側より
みた簡略側面図である。かかる負圧作動弁13はその横
断面が円形状をなす。
【0009】負圧作動弁13の従来の第2例について図
12,図13によって説明する。図12は、負圧作動弁
13の摺動方向X−Xに直交する横断面における簡略平
面図、図5はエアクリーナA側よりみた簡略側面図であ
る。かかる負圧作動弁13はその横断面が矩形状をなす
もので、エアクリーナ側の対向側面13Cは吸気路2の
長手方向軸心線Y−Yに直交する平面形状に形成され
る。
【0010】そして、機関が運転されることによって、
吸気路2内に負圧が生起すると、この負圧は負圧導入路
20を介して受圧室P内へ導入されるもので、負圧作動
弁13は、受圧室P内に導入された負圧の大きさと、ス
プリング22のバネ力とが釣り合った状態でその位置が
決定され、負圧作動弁13の下方底部13Bと吸気路2
とによってベンチュリー部Vの開口が設定される。すな
わち、吸気路2内の負圧が上昇すると、負圧作動弁13
は上方向へ移動してベンチュリー部Vは大開口をなし、
吸気路2内の負圧が減少すると、負圧作動弁13は下方
向へ移動してベンチュリー部Vは小開口に制御される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】かかる定真空式気化器
における第1の従来例の、負圧作動弁13においては、
エアクリーナA側の吸気路2B内を、吸気路2の長手方
向軸心線Y−Yに沿って流下する空気流(図10におい
て点線で示される)が、前記円弧状のエアクリーナ側の
対向側面13Cに衝突すると、該空気流は、衝突部C点
とエアクリーナ側の対向側面13Cの円弧状の中心Dと
を結ぶ線C−Dの延長線の反対側に、衝突部C点に向か
う空気流の流入角度Eと同一なる角度Eをもって反射
し、吸気路2の長手方向軸心線Y−Yより離れる方向に
空気流は拡散されて負圧作動弁13の下方底部13B内
へと流れこむ。すなわち、円弧状のエアクリーナ側の対
向側面13Cに衝突した空気流は、円弧状の面を斜め外
側下方に向かって流れ、吸気路2の外側方の内周壁2C
方向に収束されつつ負圧作動弁13の下方底部13B内
に流れこむ。この状態は図11の点線で示される。
【0012】一方、かかる円管形状をなす吸気路2内に
おける空気の流れ速度は、吸気路2の中央部分におい
て、流速が大きく慣性が大なるものであるが、吸気路2
の外側方の内周壁2Cの近傍部分において、空気流速は
小さく慣性は小さいもので、吸気路2の外側方の内周壁
2Cに沿って流れる空気流に「はがれ」現象が生じ、こ
の部に渦流が生起することが知られる。又、負圧作動弁
13を摺動自在に案内する負圧作動弁案内筒3は円形を
なすもので、負圧作動弁案内筒3には、吸気路2に臨ん
で三日月凹部2Fが形成され、吸気路2内を空気が流下
する際、三日月凹部2Fに渦流が生起する。従って、前
述の如く、エアクリーナ側の円弧状の対向側面13Cに
衝突した後の空気流が吸気路2の外側方の内周壁2Cに
向かって収束されることは、渦流に向かって衝突後の空
気流が指向し、更に三日月凹部2Fに渦流が生起するこ
とによると負圧作動弁13の下方底部13B内に流れこ
む衝突後の空気流に対して渦流が抵抗となり、負圧作動
弁13の下方底部13B内に効率よく空気を流入させる
ことができないという問題(吸入効率が悪い)を有す
る。
【0013】又、負圧作動弁13の下方底部13B内に
空気を効率よく供給できないことは、結果として下方底
部13Bと吸気路2とによって形成されるベンチュリー
部Vを流れる空気流速を充分に上昇し得ないものであ
り、これによると、ベンチュリー部Vに開口するニード
ルジェット24に作用する負圧を充分に高めることがで
きないという問題を有する。
【0014】第2の従来例の、エアクリーナ側の対向側
面13C及び機関側の対向側面13Dが平面形状に形成
された負圧作動弁13においては、エアクリーナA側の
吸気路2B内を、吸気路2の長手方向軸心線Y−Yに沿
って流下する空気流が、前記平面形状のエアクリーナ側
の対向側面13Cに衝突すると、該空気流は、平面形状
に沿って下方向へ流れをかえ、負圧作動弁13の下方底
部13B内へと流れこむ。これによると、エアクリーナ
側の対向側面13Cの中央部分を下方向へ流下する衝突
後の空気流は流速が大なる吸気路2の中央部分に向かっ
て流れこみ、エアクリーナ側の対向側面13Cの外側方
部分を流下する衝突後の空気流は流速の小なる吸気路2
の外側方の内周壁2Cに向かって流れ込み、エアクリー
ナ側の対向側面13Cの中央部分と外側方部分との間の
中間部分を下方向へ流下する衝突後の空気流は、吸気路
2の中央部分と、吸気路2の外側方の内周壁2Cの中間
部分の吸気路2内へと向かって流れ込む。以上による
と、エアクリーナ側の対向側面13Cの外側方部分に衝
突した後の空気流は、吸気路2の外側方の内周壁2C部
の渦流に向かって指向し、またエアクリーナ側の対向側
面13Cの中間部分に衝突した後の空気流は、中なる流
速を有する中間部分の吸気路2内に向かって指向するの
であり、一方、エアクリーナ側の対向側面13Cの中央
部分に衝突した後の空気流は、流速の大なる吸気路2の
中央部分に指向するものであり、空気の吸入効率及びニ
ードルジェット24に作用する負圧は前記第1の従来例
に比較すれば流速の大なる吸気路2の中央部分に指向さ
せることができた分向上できたものである。一方、吸気
路2に開口する負圧作動弁案内筒3は、三日月凹部2F
をなすものであるが負圧作動弁13の横断面が矩形状を
なすことから、三日月凹部の溝幅は、第1の従来例の三
日月凹部2Fの溝幅より小さくすることができ、この分
凹部において生起する渦流の発生を抑止できる。
【0015】
【発明の目的】本発明になる定真空式気化器における負
圧作動弁は前記不具合に鑑み成されたもので、特に負圧
作動弁の中間開度域における吸入効率の向上と、ニード
ルジェットに作用する負圧を高めることのできる気化器
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決する為の手段】本発明になる定真空式気化
器における負圧作動弁は、前記目的達成の為に、内部を
吸気路が貫通するとともに吸気路に負圧作動弁案内筒が
連設され、負圧作動弁案内筒より機関側の吸気路内に絞
り弁が配置された気化器本体と、負圧作動弁案内筒内に
移動自在に配置されるとともにその上部に傘状のダイヤ
フラムが一体的に取着された負圧作動弁と、を備え、ダ
イヤフラムの一側面とそれをおおうカバーとによって受
圧室を形成するとともにダイヤフラムの他側面とそれに
対応する気化器本体の大気圧室凹部とにより大気圧室を
形成し、前記受圧室内に負圧導入路を介して吸気路内の
負圧を導入するとともに大気導入路を介して大気圧を大
気圧室内に導入した定真空式気化器において;負圧作動
弁は、機関側の吸気路に臨む機関側の対向側面と、エア
クリーナ側の吸気路に臨むエアクリーナ側の対向側面
と、を備え、負圧作動弁の摺動方向X−Xに直交する負
圧作動弁の横断面において、機関側の対向側面は、吸気
路の長手軸心線上に起点を有する単一の半径をもつ円弧
状の突部に形成され、エアクリーナ側の対向側面は、前
記機関側の対向側面の両外側端を結ぶ線より機関側に向
かう凹部であって且つ線に対して対称に凹設されるとと
もに凹部における対向面間距離が機関側に向けて順次減
少され、更にジェットニードル挿通孔を機関側の対向側
面とエアクリーナ側の対向側面との間の線F,F上に穿
設したことを特徴とする。
【0017】
【作用】中間開度域において、エアクリーナ側の対向側
面に衝突する空気流は、エアクリーナ側の対向側面に形
成された凹部に衝突した後に下方底部よりベンチュリー
部に流入する。そして凹部の傾斜面間距離を機関側に向
けて順次減少させたことによると、エアクリーナ側の対
向側面の凹部に衝突した空気流は、中心の下方底部に向
けて指向される。而して、前記、衝突後の空気流は、吸
気路の中央部分における流速が大きく慣性の大なる空気
流に向かって流れこむので下方底部に効率よく空気を流
入させることができるとともにニードルジェットに作用
する負圧を良好に高めることができたものである。
【0018】一方、負圧作動弁の機関側の対向側面を、
単一の円弧状の突部にて形成したことにより、吸気路に
開口する負圧作動弁案内筒は、従来の三日月凹部の略半
分が臨んで開口することになる。而して負圧作動弁案内
筒の吸気路に臨んで凹部を大きく減少できたもので、こ
の減少に応じて凹部に発生する渦流を低減できた。而し
て負圧作動弁の下方底部に効率よく空気を流入させるこ
とができるとともにニードルジェット及びパイロットア
ウトレット孔に作用する負圧を良好に高めることができ
たものである。
【0019】
【実施例】以下、本発明になる定真空式気化器の負圧作
動弁の一実施例について図により説明する。図1は負圧
作動弁を含む定真空式気化器の縦断面図、図2は図1の
Z−Z線における横断面図、図3は図1の右方よりみた
右側面図、図4は図1の定真空式気化器に使用された負
圧作動弁の縦断面図、図5は図4の負圧作動弁の上部平
面図、図6は図4の負圧作動弁の右方よりみた右側面
図、図7は図4のW−W線における横断面図である。
尚、図9と同一構造部分については同一符号を使用し説
明を省略する。30は負圧作動弁案内筒3内に移動自在
に配置される負圧作動弁であり、負圧作動弁30の摺動
方向X−X(負圧作動弁案内筒3内に配置された際にお
ける負圧作動弁30の移動方向をいう)に直交する横断
面(図7に示される)において、機関Bに臨む機関側の
対向側面30Aと、エアクリーナAに臨むエアクリーナ
側の対向側面30Bと、により形成される。ここで機関
Bに臨むということは機関Bに向けて対向する側のこと
で、より具体的には図7において左側方部分をいうもの
である。又、エアクリーナAに臨むということは、エア
クリーナAに向けて対向する側のことで、より具体的に
は図7において右側方部分をいうものである。機関側の
対向側面30Aは、負圧作動弁30の横断面における中
心を通る線F−F上に起点を有する単一の半径を有する
円弧状の突部に形成されたもので、線F−Fをまたいで
形成された円弧状の突部の両側方端に端部G,Gが形成
される。又、エアクリーナ側の対向側面30Bには、機
関側の対向側面30A側に向かう(図7において左方に
向かうこと)凹部30Cが凹設される。この凹部30C
は、エアクリーナ側の対向側面30Bのもっともエアク
リーナA側へ突出した端部、本実施例にあっては端部G
とGとをエアクリーナ側の対向側面30Bの中心を通る
線F−F、(負圧作動弁30の横断面における中心を通
る線F−Fと同一)を横断して結ぶ線H−Hより機関B
側(図7において左側)で且つ中心線F−Fをはさんで
互いに対称に凹設され、更に凹部30Cにおける対向面
間距離Lは、機関B側に向けて順次減少される。尚、本
実施例における凹部30Cは、負圧作動弁30の横断面
の中心を通る線F−F上にその起点を有し、線H−Hよ
り機関B側に向けて没入させた単一なる半径Rを有する
円弧状の凹部に形成した。
【0020】又、負圧作動弁30の内底部には下方底部
30Gに向けてジェットニードル挿通孔30Hが穿設さ
れるもので、ジェットニードル挿通孔30Hは中心線F
−Fの近傍にあって、且つ凹部30Cと機関側の対向側
面30Aの間に穿設される。以上の構造よりなる負圧作
動弁30が気化器本体1の負圧作動弁案内筒3内に移動
自在に配置されるもので、これによると負圧作動弁30
の下方底部30Gとそれに対向する吸気路2とによって
ベンチュリー部Vが形成されるとともにジェットニード
ル挿通孔30H内に挿通されたジェットニードル23は
吸気路内のベンチュリー部Vに開口する主燃料系として
のニードルジェット24内に挿入される。
【0021】又、吸気路2は負圧作動弁30によってエ
アクリーナA側の吸気路2Bと、機関B側の吸気路2A
とに区分されるもので、負圧作動弁30のエアクリーナ
側の対向側面30BはエアクリーナA側の吸気路2Bに
臨んで開口し、機関側の対向側面30Aは機関B側の吸
気路2Aに臨んで開口する。
【0022】かかる定真空式気化器の機関B側の吸気路
2Aが機関Bに接続されるとともにエアクリーナA側の
吸気路2BがエアクリーナAに接続され、運転者によっ
てアクセルワイヤ(図示せず)が操作されると、絞り弁
6はそれに応じて吸気路2の開口を制御する。
【0023】一方、前記によって吸気路2(ベンチュリ
ー部V)内を空気が流れると、吸気路2内には負圧が生
じ、この負圧は負圧導入路20を介して受圧室P内へ導
入される。そして受圧室P内の負圧とスプリング22の
バネ力が釣り合った状態にて負圧作動弁30はその位置
が決定され、所望のベンチュリー部Vの開口を得られ
る。
【0024】そして、本発明になる負圧作動弁30を用
いた定真空式気化器によると、ニードルジェット24に
加わる負圧を、特に負圧作動弁30の中間開度域におい
て従来の負圧作動弁に比較して大きく上昇させることが
できたものである。これは、負圧作動弁30の開度を、
吸気路2の直径を基準として全閉状態から全開状態迄ス
トロークを8等分し、各開度状態において、負圧作動弁
30より機関B側の吸気路2A内に一定値の負圧を作用
させ、かかる状態においてニードルジェット24に加わ
る負圧を計測することによって実証したものであり、こ
のテスト結果が図8に示される。
【0025】すなわち、図8によれば、従来のエアクリ
ーナ側の対向側面に円弧状突面を有する負圧作動弁(第
1の従来例に相当)、エアクリーナ側の対向側面に平面
形状を有する負圧作動弁(第2の従来例に相当)、と本
発明になるエアクリーナ側の対向側面30Bに凹部30
Cを備えた負圧作動弁30とは、1/8開度以上から7
/8開度以下の間の開度において相違し、特に3/8開
度から6/8開度迄の中間開度域において、本発明にな
る負圧作動弁30は、従来の負圧作動弁に比較して大き
くニードルジェット24の負圧を上昇させることができ
た。
【0026】このように、ニードルジェット24のノズ
ル負圧を負圧作動弁30の特に中間開度域において、従
来の負圧作動弁を用いたものに比較して大きく上昇でき
たことは、以下の理由によるものと考えられる。すなわ
ち、エアクリーナA側の吸気路2B内を吸気路2の長手
方向軸心線Y−Yに沿って流下する空気流(図2におい
て点線で示される)が、負圧作動弁30のエアクリーナ
側の対向側面30Bに凹設した凹部30Cに衝突する
と、該空気流は、衝突部K点と、凹部30Cの円弧状の
中心M(エアクリーナ側の対向側面30Bよりエアクリ
ーナA側にある)とを結ぶ線K−Mの反対側に、衝突部
K点に向かう空気流の流入角度Nと同一なる角度Nをも
って反射し、吸気路2の長手方向軸心線Y−Yに近づく
(いいかえると負圧作動弁30のエアクリーナ側の対向
側面30Bの中心F−F)方向に空気流は収束されて負
圧作動弁30の下方底部30G内へと流れこむ。すなわ
ち、凹部30Cに衝突した空気流は、凹部30Cを斜め
内側下方に向かって流れ、吸気路2の中央部分に収束さ
れつつ負圧作動弁30の下方底部30G内へと流れこ
む。この状態は図3の一点鎖線で示される。
【0027】このようにエアクリーナ側の対向側面30
Bに衝突した後の空気流が吸気路2の中央部分に収束さ
れつつ負圧作動弁30の下方底部30G内へと収束され
ることは、該空気流を吸気路2の中央部分を流れる流速
が大きく慣性の大なる空気流に向けて指向できたもので
あり、これによると衝突後の空気流は極めて円滑に負圧
作動弁30の下方底部30G内へと流入することができ
るもので、下方底部30Gと吸気路2とによって形成さ
れるベンチュリー部V内へ多量の空気を供給できるもの
である。すなわち、エアクリーナ側の対向側面30Bに
衝突した後の空気流が、吸気路2の外側方の内周壁2C
の近傍に生起する渦流によりる影響を受けることが少な
くなったものである。そして、前述の如く、ベンチュリ
ー部V内へ多量の空気を供給できたことは、ベンチュリ
ー部Vを流れる空気流速を速めることができたもので、
この空気流速の上昇によってベンチュリー部Vに開口す
るニードルジェット24に加わる負圧を高めることがで
きたものである。
【0028】又、本発明の負圧作動弁30によると、負
圧作動弁30の機関側の対向側面30Aは、吸気路2の
長手軸心線Y−Y上に起点を有する単一の半径をもつ円
弧状の突部に形成されたので、負圧作動弁案内筒3の吸
気路2に臨む凹部は、従来の三日月状の凹部の略半分の
凹部が開口することになり、吸気路2内への凹部の開口
を大きく減少できたものである。以上によると、吸気路
2を空気が流下する際において前記凹部内に空気が流入
したとしても、該凹部における渦流の発生が少ないもの
で、これによって負圧作動弁30の下方底部30G内へ
効率よく空気を供給でき、もって、下方底部30Gと吸
気路2とによって形成されるベンチュリー部V内へ多量
の空気を供給できる。
【0029】以上の如く、ベンチュリー部Vを流れる空
気量を増量できたことは、機関Bに向けて供給される空
気の吸入効率を高めることができたもので小なる吸気路
径をもって機関の出力を向上できたものである。又、負
圧作動弁30の中間開度域におけるニードルジェット2
4に加わる負圧を高めることができたことは、それらか
らベンチュリー部V内へ吸出される燃料の霧化特性を向
上でき、機関の過渡特性、中間開度域における運転性を
大きく向上できたものである。更に又、気化器のセッテ
ィング作業において、燃料を増量する側の自由度を大き
くとることができたものでセッティング作業が容易とな
ったものである。(ニードルジェット24に作用する負
圧が小さい場合、燃料ジェット径を大としても燃料を吸
気路内へ吸出できないもので、燃料増量側へのセッティ
ングの自由度が少ない)
【0030】
【発明の効果】以上の如く、本発明になる定真空式気化
器の負圧作動弁によると、負圧作動弁のエアクリーナ側
の対向側面に機関側に向かう凹部を凹設し、該凹部の互
いに対向する対向面間距離を機関側に向けて順次減少さ
せたので、エアクリーナ側の吸気路内を流れる空気が負
圧作動弁の凹部に衝突すると、空気流は負圧作動弁の中
心の下方端部に向けて指向され、吸気路の中央部分にお
ける流速が大きく慣性の大なる空気流に向かって流れこ
む。一方、機関側の対向側面を、吸気路の長手軸心線上
に起点を有する単一の半径をもつ円弧状の突部に形成し
たことによると、負圧作動弁案内筒の吸気路内に臨む凹
部の開口を大きく減少することができたもので、凹部に
おける渦流の発生を抑止できたものである。而して、ベ
ンチュリー部を流れる空気量を増量することができて空
気の吸入効率を向上できるもので、これによって機関の
出力を向上することができたものである。一方、ベンチ
ュリー部に多量の空気を流すことができたことは、ベン
チュリー部を流れる空気流速を速めることができてニー
ドルジェットに作用する負圧を高めることができ、特に
負圧作動弁の中間開度域における燃料の霧化特性を向上
することができ、機関の過渡特性、運転性を大きく向上
でき、更には中間開度域における燃料増量の自由度が増
加し、気化器のセッティング作業性を著しく向上できた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる定真空式気化器の一実施例を示す
縦断面図。
【図2】図1のZ−Z線における横断面図。
【図3】図1の右方よりみた右方側面図。
【図4】図1に示された定真空式気化器に用いられた負
圧作動弁の縦断面図。
【図5】図4の負圧作動弁を上方よりみた上部平面図。
【図6】図4の負圧作動弁を右方よりみた右側面図。
【図7】図4のW−W線における横断面図。
【図8】ニードルジェット負圧と負圧作動弁開度との関
係を示す線図。
【図9】従来の定真空式気化器を示す縦断面図。
【図10】従来の定真空式気化器に用いられる第1の従
来例の負圧作動弁を示す簡略横断面図。
【図11】図10の右方よりみた右方側面図。
【図12】負圧作動弁の第2の従来例を示す簡略横断面
図。
【図13】図12の右方よりみた右方側面図。
【符号の説明】
30 負圧作動弁 30A 機関側の対向側面 30B エアクリーナ側の対向側面 30C 凹部 2A 機関B側の吸気路 2B エアクリーナA側の吸気路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を吸気路が貫通するとともに吸気路
    に負圧作動弁案内筒が連設され、負圧作動弁案内筒より
    機関側の吸気路内に絞り弁が配置された気化器本体と、 負圧作動弁案内筒内に移動自在に配置されるとともにそ
    の上部に傘状のダイヤフラムが一体的に取着された負圧
    作動弁と、を備え、 ダイヤフラムの一側面とそれをおおうトップカバーとに
    よって受圧室を形成するとともにダイヤフラムの他側面
    とそれに対応する気化器本体の大気圧室凹部とにより大
    気圧室を形成し、 前記受圧室内に負圧導入路を介して吸気路内の負圧を導
    入するとともに大気導入路を介して大気圧を大気圧室内
    に導入した定真空式気化器において; 負圧作動弁30は、機関B側の吸気路2Aに臨む機関側
    の対向側面30Aと、エアクリーナA側の吸気路2Bに
    臨むエアクリーナ側の対向側面30Bと、を備え、負圧
    作動弁30の摺動方向X−Xに直交する負圧作動弁30
    の横断面において、 機関側の対向側面30Aは、吸気路2の長手軸心線Y−
    Y上に起点を有する単一の半径をもつ円弧状の突部に形
    成され、 エアクリーナ側の対向側面30Bは、前記機関側の対向
    側面の両外側端G,Gを結ぶ線H−Hより機関側に向か
    う凹部30Cであって且つ線F−Fに対して対称に凹設
    されるとともに凹部30Cにおける対向面間距離Lが機
    関側に向けて順次減少され、 更にジェットニードル挿通孔30Hを、機関側の対向側
    面30Aとエアクリーナ側の対向側面30Bとの間の線
    F−F上に穿設したことを特徴とする定真空式気化器に
    おける負圧作動弁。
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