JP3225414B2 - ジフェニルアセチレン系ポリマーの製造法 - Google Patents

ジフェニルアセチレン系ポリマーの製造法

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JP3225414B2 JP28506292A JP28506292A JP3225414B2 JP 3225414 B2 JP3225414 B2 JP 3225414B2 JP 28506292 A JP28506292 A JP 28506292A JP 28506292 A JP28506292 A JP 28506292A JP 3225414 B2 JP3225414 B2 JP 3225414B2
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジフェニルアセチレン系
ポリマーの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、(p−トリメチルシリル)ジフェ
ニルアセチレンなどのジフェニルアセチレン系モノマー
を重合させて得られるジフェニルアセチレン系ポリマー
は熱安定性に優れ、また気体に対して良好な透過性や分
離特性を有することが知られている。
【0003】かかるジフェニルアセチレン系ポリマーの
製造法としては、例えば、ジフェニルアセチレン系モノ
マーを五塩化タンタルと有機スズ化合物との存在下に重
合する方法が知られている(Polymer Prep
rint,Japan,Vol,39,2056〜20
58頁,No.7(1990)、日本化学会第60回秋
季年会要旨集,499頁,(1990))。
【0004】しかしながら、かかる方法で得られたポリ
マー溶液は高粘度化し、重合時に溶液の攪拌、移送、溶
解希釈等が困難になり、更には得られたポリマーの有機
溶媒への再溶解も困難になるなど操作面及び取扱いの面
において問題があった。このため、より取扱いの容易な
ポリマーを得るべく、ポリマーの分子量を低下させる方
法が研究されている。例えば、モノマー濃度に対する触
媒濃度の比を高めることによりポリマーの分子量を低下
させる方法が検討されているが、この方法ではポリマー
中に多量の触媒残渣が包含される可能性があり、諸特性
への悪影響が懸念される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前記問題
点を解決すべく鋭意研究の結果、周期律表第V族遷移金
属のハロゲン化物及び該ハロゲン化物に対し還元性を有
する有機金属化合物とからなる触媒並びに分子末端に炭
素−炭素二重結合を有する化合物の存在下にジフェニル
アセチレン系モノマーの重合を行えば、前記遷移金属の
ハロゲン化物の量を増加させることなく、ポリマーの分
子量を低下させることが可能であることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0006】
【課題を解決する為の手段】かくして本発明によれば周
期律表第V族遷移金属のハロゲン化物及び該ハロゲン化
物に対し還元性を有する有機金属化合物とからなる触媒
並びに分子末端に炭素−炭素二重結合を有する化合物の
存在下にジフェニルアセチレン系モノマーを重合するこ
とを特徴とするジフェニルアセチレン系ポリマーの製造
法が提供される。
【0007】本発明において用いられるジフェニルアセ
チレン系モノマーはジフェニルアセチレン、または置換
基を有するジフェニルアセチレンである。置換基として
は重合を阻害しないものであれば特に限定されず、例え
ば、アルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、
アリール基、置換シリル基などが挙げられる。かかる置
換基はジフェニルアセチレンを形成する二つのベンゼン
環に結合しているものであるが、その数や位置は特に限
定されない。
【0008】アルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter−ブチル
基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基など
が挙げられる。
【0009】シクロアルキル基としては、例えばシクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シ
クロオクチル基などが挙げられる。
【0010】ハロアルキル基としては、例えばクロロメ
チル基、ブロムメチル基、ヨードメチル基、1−クロロ
−1−エチル基、2−クロロ−1−エチル基、1−ブロ
モ−1−エチル基、2−ブロモ−1−エチル基などが挙
げられる。
【0011】アリール基としては、例えばフェニル基、
トリル基、キシリル基、クメニル基、メチシル基などが
挙げられる。
【0012】置換シリル基としては、例えばトリメチル
シリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルフェニル
シリル基、ジエチルメチルシリル基、ジフェニルメチル
シリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基
などが挙げられる。
【0013】これらの置換基の中でもアルキル基や置換
シリル基などが好ましい。
【0014】本発明における周期律表第V族遷移金属の
ハロゲン化物はニオブやタンタルなどのハロゲン化物で
あり、例えば、五弗化タンタル、五塩化タンタル、五臭
化タンタル、五弗化ニオブ、五塩化ニオブ、五臭化ニオ
ブなどが挙げられる。反応性の点でタンタルのハロゲン
化物が賞用される。また、これらの化合物は二種以上の
混合物として用いても良い。
【0015】また、周期律表第V族遷移金属のハロゲン
化物に対し還元性を有する有機金属化合物としては、ア
ルミニウム、ケイ素、スズ、アンチモン、ビスマス、ホ
ウ素、リチウムのごとき金属を有する化合物が挙げら
れ、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ
ニウム、モノクロロジエチルアルミニウム、ジクロロエ
チルアルミニウム、トリエチルシラン、ジメチルエチル
シラン、トリフェニルシラン、テトラメチルスズ、テト
ラ−n−ブチルスズ、テトラフェニルスズ、トリフェニ
ルアンチモン、トリフェニルビスマス、9−ボラビシク
ロ[3,3,1]ノナン、n−ブチルリチウムなどが挙
げられる。
【0016】これらの有機金属化合物のなかでもアルミ
ニウム、ケイ素、スズを有する化合物が賞用される。
【0017】一方、分子末端に炭素−炭素二重結合を有
する化合物は、更に分子内に不飽和結合を有していても
よく、また、重合を阻害しない置換基を有していてもよ
い。置換基としては前述したようなアルキル基、シクロ
アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、置換シリル
基などが例示される。
【0018】かかる分子末端に炭素−炭素二重結合を有
する化合物の好ましい具体例としてはスチレン、p−メ
チルスチレンなどのスチレン類、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどのモノアルケ
ン類、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエンな
どアルカジエン類などが挙げられる。
【0019】重合に際し、周期律表第V族遷移金属のハ
ロゲン化物の使用量はジフェニルアセチレン系モノマー
1モルに対して、通常0.001〜1モル、好ましくは
0.01〜0.2モルの範囲である。
【0020】また、周期律表第V族遷移金属のハロゲン
化物に対し還元性を有する有機金属化合物の使用量は、
周期律表第V族遷移金属のハロゲン化物1モルに対し
て、通常、0.01〜10モル、好ましくは0.1〜5
モルの範囲である。
【0021】また、分子末端に炭素−炭素二重結合を有
する化合物の使用量は、周期律表第V族遷移金属のハロ
ゲン化物1モルに対して、通常、0.01〜20モル、
好ましくは1〜10モルの範囲である。
【0022】ジフェニルアセチレン系モノマーの重合
は、通常、窒素雰囲気下、溶媒を用いて行われる。溶媒
としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのごとき
芳香族炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−
ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼンなど
のごときハロゲン化炭化水素、シクロヘキサン、シクロ
ヘキセンなどのごとき脂環式炭化水素および、これらの
2種以上の混合物が挙げられる。
【0023】溶媒の使用量は、ジフェニルアセチレン系
モノマーの溶媒に対する濃度が通常0.01〜1モル/
リットルになる範囲で適宜選択される。
【0024】本発明の方法において各成分の添加順序や
触媒溶解温度等の調製方法は特に制限されないが、通
常、溶媒に周期律表第V族遷移金属のハロゲン化物及び
該ハロゲン化物に対し還元性を有する有機金属化合物と
からなる触媒を加え、次いで分子末端に炭素−炭素二重
結合を有する化合物を加え、所定の重合温度で攪はんし
た後、ジフェニルアセチレン系モノマーを添加する方法
や、溶媒に周期律表第V族遷移金属のハロゲン化物及び
該ハロゲン化物に対し還元性を有する有機金属化合物と
からなる触媒を添加した溶液に、分子末端に炭素−炭素
二重結合を有する化合物とジフェニルアセチレン系モノ
マーとを混合した溶液を添加し所定の重合温度で攪はん
する方法などがある。
【0025】重合温度は室温から溶媒の沸点まで任意に
変えることができるが、好ましくは50〜100℃であ
る。
【0026】重合時間は重合温度に依存するが、50〜
100℃であれば、通常、数時間から数十時間である。
【0027】上記のように重合して得られたジフェニル
アセチレン系ポリマーの回収は、大量の貧溶媒中にポリ
マー溶液を加えポリマーを沈澱させ、ろ別、乾燥するな
どの通常の方法で行うことができる。
【0028】得られたジフェニルアセチレン系ポリマー
は淡黄色〜橙色の繊維状または粉末状で、重量平均分子
量が1万〜500万程度である。
【0029】ジフェニルアセチレン系ポリマーは半導
体、ガス吸着体、光導電性材料、ガス吸着体、気体分離
膜、液体分離膜、クロミック材料、レジスト、生体適合
材料などへの応用が可能である。
【0030】
【発明の効果】かくして本発明によれば、触媒の使用量
を増加させることなくポリマーの分子量を低下させるこ
とが可能となるため生成ポリマー中に残存する触媒残渣
の量を低レベルに抑制することができ、面倒な精製操作
を伴わず、より高純度なポリマーを得ることができる。
ポリマーの分子量を低下させることによりポリマー溶液
の低粘度化が可能になる。またポリマー溶液が流動性を
有するためポリマー溶液の攪はん、移送などの操作を容
易に行うことができ、従って、得られたポリマーの有機
溶媒への再溶解も容易に、短時間で行うことが可能であ
る。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例及び比較例中の部及び%は特
に断りのないかぎり重量基準である。 実施例1 乾燥窒素雰囲気下において重合容器に(p−トリメチル
シリル)ジフェニルアセチレン0.5グラム、五塩化タ
ンタル30.4ミリグラム、1−ヘキセン14.4ミリ
グラムをトルエン17.0ミリリットルに溶解させ、次
いでテトラ−n−ブチルスズ58.9ミリグラムを加え
80℃で20時間重合させた。次いで、生成ポリマー溶
液を大量のメタノール中に沈澱させた後、ろ別乾燥した
ところポリ((p−トリメチルシリル)ジフェニルアセ
チレン)が0.42グラム(モノマーの仕込み量に対す
るポリマーの収量から算出した収率は82%)得られ
た。このポリマーの比粘度を測定したところηsp=7.
85であった。比粘度はウッベローデ型粘度計を用い3
0℃で1.0グラム/リットル濃度のポリマートルエン
溶液について測定した。
【0032】実施例2 1−ヘキセンの使用量を36.0ミリグラムにする他は
実施例1と同様に操作を行ったところポリ((p−トリ
メチルシリル)ジフェニルアセチレン)が0.32グラ
ム(モノマーの仕込み量に対するポリマーの収量から算
出した収率は63%)得られた。このポリマーの比粘度
を測定したところηsp=4.90であった。
【0033】実施例3 1−ヘキセンに代えてスチレン17.7ミリグラムにす
る他は実施例1と同様に操作を行ったところポリ((p
−トリメチルシリル)ジフェニルアセチレン)が0.4
1グラム(モノマーの仕込み量に対するポリマーの収量
から算出した収率は81%)得られた。このポリマーの
比粘度を測定したところηsp=6.43であった。
【0034】実施例4 スチレンの使用量を44.3ミリグラムにする他は実施
例3と同様に操作を行ったところポリ((p−トリメチ
ルシリル)ジフェニルアセチレン)が0.34グラム
(モノマーの仕込み量に対するポリマーの収量から算出
した収率は67%)得られた。このポリマーの比粘度を
測定したところηsp=4.89であった。
【0035】比較例1 1−ヘキセンを用いないこと以外は実施例1と同様に操
作を行ったところポリ((p−トリメチルシリル)ジフ
ェニルアセチレン)が0.43グラム(モノマーの仕込
み量に対するポリマーの収量から算出した収率は84
%)得られた。このポリマーの比粘度を測定したところ
ηsp=11.8であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表第V族遷移金属のハロゲン化物
    及び該ハロゲン化物に対し還元性を有する有機金属化合
    物とからなる触媒並びに分子末端に炭素−炭素二重結合
    を有する化合物の存在下にジフェニルアセチレン系モノ
    マーを重合することを特徴とするジフェニルアセチレン
    系ポリマーの製造法。
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