JP3225395B2 - ユニット式金属瓦屋根とユニット式金属瓦屋根セット及び施工方法 - Google Patents

ユニット式金属瓦屋根とユニット式金属瓦屋根セット及び施工方法

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JP3225395B2
JP3225395B2 JP32575796A JP32575796A JP3225395B2 JP 3225395 B2 JP3225395 B2 JP 3225395B2 JP 32575796 A JP32575796 A JP 32575796A JP 32575796 A JP32575796 A JP 32575796A JP 3225395 B2 JP3225395 B2 JP 3225395B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、金属瓦を用いた
戸建て住宅、集合住宅の屋根の構築技術に係り、工場で
機能複合化したユニット部材として生産された、垂木、
野地板をはじめとして金属瓦(屋根葺き材)まで仕上げ
た屋根パネル、及び換気用部材や水切り板を複合化した
棟包みを使用し、先行して構築された小屋組に対して、
全て地上側からのクレーン等による吊り込み作業として
施工され、屋根面上に作業員が登る必要もなく、1日の
工程で屋根の機能に支障ない程度にまで完成される構成
としたユニット式金属瓦屋根と、前記屋根の構築に使用
されるユニット式金属瓦屋根セット、及び屋根を構築す
る施工方法の技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】従来、ユニット式屋根及びその施工方法
に関する技術としては、例えば特開平1−148957
号、特開平5−33427号、特開平5−33428
号、特開平5−222810号、特開平6−42094
号、特開平8−199723号公報等々に種々の発明が
開示されている。また、本出願人も特願平8−1834
70号明細書及び図面に記載した発明その他をいくつか
提案している。 【0003】このように戸建て住宅や集合住宅の屋根に
金属瓦を使用すること、そして、工場で機能複合化した
ユニット部材として生産された、屋根葺き材まで仕上げ
た屋根パネル、或いは棟包みを使用し、先行して構築さ
れた小屋組に対して、地上側からのクレーン等による吊
り込み作業として施工されるユニット式屋根、或いは同
屋根を構築する施工方法の技術開発は、かなり以前から
部分的に行われている。 【0004】 【本発明が解決しようとする課題】しかし、上述した技
術開発の提案では、建設現場で一部葺き残した部分をパ
ネル設置後に屋根面上において施工を要する案件である
とか、損傷しやすい葺き材に対する現場での吊り込み方
法について全く触れていない案件であるとかであった。
即ち、個々の部分的な技術の束の段階でしかなく、屋根
の施工をトータルに纏めて実用的に完成したといえる総
合技術は、未だ見当たらないと言うのが実情である。 【0005】日本の住宅産業は世界的にみても工業化の
進展がめざましい方だと言える。そのめざす所の一つ
は、可能な限り工場内で部材を製作し、建設現場での作
業を出来るだけ省略又は軽減することである。一般に最
終仕上げ材まで含んだ段階までのユニット化は技術的に
容易ではない。その理由は、パネル同士の接続部や他部
位の部材との取り合い部の困難性にある。即ち、最終仕
上げ材に於いては外観の美しさおよび外環境に対する防
禦性、つまり熱、水、音の遮断や耐久性を満たさなけれ
ばならず、それが前述の部位に於いて解決すべき課題を
困難性の高いものにしている。現場作業を工場内作業に
転換し、トータルとして経済効果を得るには各部位のユ
ニット化がバランスよく開発されていなければならな
い。 【0006】屋根に関して言えば、建設現場で全く屋根
材を葺かずにすむ段階までユニット化した例はない。ま
たアイディアとしても現場施工法まで含めたトータルな
ものはない。そのため屋根に関する現場工期の短縮と工
業化の進展は実現していないのが実情である。とりわけ
我国は雨が多く短期間に雨がしのげる屋根を施工出来る
メリットは、建設側、注文者側の双方にとって計り知れ
なく大きなものがある。そのため、これを実現すること
に対する熱望は非常に高い。 【0007】短期間、とりわけ1日で屋根を完成するに
は次の様な課題の全部が同時に解決していなければなら
ず、それがなされていない今日、これが実現を見ていな
い所以でもある。 1.建設現場で葺き材や止水水切り等必要関連部品がす
べて一枚のパネル上に設置された構成になっているこ
と。 【0008】2.パネル間のジョイント部の雨仕舞が完
璧で且つ安定的、耐久的であること。 3.そのための施工に特別の技術や職方を必要とせず、
一般作業員で十分施工可能であること。 4.屋根パネルの頂部を納めるための棟部材も棟包み及
び必要関連部品がすべて整ったものであり、現場据えつ
け時に特別の技術や職方を必要とせず施工可能であるこ
と。 【0009】5.その雨仕舞が完全、確実で、耐久性も
高いものであること。 6.上記の条件を満たす屋根パネルと、棟部材について
の建設現場での建方方法が適切な方法として確立してい
ること。即ち、仕上材まで取り付き、且つ雨仕舞機構を
擁するパネル部材および棟部材を損傷することなく短時
間で安全、確実に、そして、経済的に建方作業を可能と
する吊り金具やそれに関連する装置が準備されているこ
と。 【0010】本発明が解決しようとする課題は、解決す
べくして解決されていない上記の課題1〜6までをシス
テム全体として解決することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、請求項1の発明に係るユニット式金属
瓦屋根は、先に構築された小屋組の上面にユニット化し
た屋根パネルを複数吊り込み、棟にはユニット化した棟
包みを吊り込んで構築されたユニット式屋根であって、
屋根パネルは、垂木、野地板、防水材及び金属瓦を一体
的に組み合わせた合成ユニットで、棟方向寸法を複数に
分割した幅寸を有する大きさとされており、同屋根パネ
ルのうち、後施工の屋根パネルが重なる重ね継ぎ端部に
は、当該パネルの外縁に沿って内側部位に屋根の流れ方
向の全長に及ぶ長さの捨て樋が野地板上に設置され、金
属瓦の外縁は前記捨て樋の外側壁よりも若干内側に位置
させてあり、他方、先施工の屋根パネルの上へ重ねる反
対側の重ね継ぎ端部には、当該端部に沿って金属瓦と野
地板との間に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さの水切り
屋根桟木が野地板へ固定して設けられ、金属瓦は前記水
切り屋根桟木又は野地板に固定され、同金属瓦の外縁は
屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さにわたり当該パネルの
外縁から更に必要とされる重ね継ぎ寸法だけ突き出され
ており、また、前記水切り屋根桟木は前記捨て樋の外側
壁を越えて隣の金属瓦の外縁との間に若干の隙間を残す
位置まで延び出した前下がり傾斜状の水返し部を前記捨
て樋の外側壁と干渉を起こさない高さに有すること、前
記屋根パネルの棟側の上端近傍には、止水板または棟面
戸が設置されていること、棟包みは、その下面の中央部
に垂直下方へ突き出る固定金具を長手方向に間隔をあけ
て複数有すること、前記屋根パネルは、予め決められた
順序で順次小屋組の上面に吊り下ろされ固定が行われて
いること、前記棟包みは、前記屋根パネルが小屋組の上
で形成する棟部へ吊り下ろされ、前記固定金具を利用し
て固定されていること、屋根パネルの重ね継ぎ位置の止
水板または棟面戸の隙間部を閉塞するジョイント金具が
屋根パネルの上端部に取り付けられていることをそれぞ
れ特徴とする。 【0012】請求項2に記載した発明に係るユニット式
金属瓦屋根セットは、先に構築された小屋組の上面に吊
り込まれるユニット化した屋根パネルと、棟に吊り込ん
で施工するユニット化した棟包みと屋根パネル吊り機
、並びに屋根パネルの上端部に取り付けられ屋根パネ
ルの重ね継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間部を閉塞
するジョイント金具を主要部とするユニット式金属瓦屋
根セットであって、屋根パネルは、垂木、野地板、防水
材及び金属瓦を一体的に組み合わせた合成ユニットであ
り、棟方向寸法を複数に分割した幅寸を有する大きさと
され、同屋根パネルのうち、後施工の屋根パネルが重な
る重ね継ぎ端部には、当該パネルの外縁に沿って内側部
位に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さの捨て樋が野地板
上に設置され、金属瓦の外縁は前記捨て樋の外側壁より
も若干内側に位置させ、他方、先施工の屋根パネルの上
に重ねる反対側の重ね継ぎ端部には、当該端部に沿って
金属瓦と野地板との間に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長
さの水切り屋根桟木が野地板へ固定され、金属瓦は前記
水切り屋根桟木又は野地板に固定され、同金属瓦の外縁
は屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さにわたり当該パネル
の外縁から更に必要とされる重ね継ぎ寸法だけ突き出さ
れ、前記水切り屋根桟木には前記捨て樋の外側壁を越え
て隣の金属瓦の外縁との間に若干の隙間を残す位置まで
延び出した前下がり傾斜状の水返し部が捨て樋の外側壁
と干渉を起こさない高さに形成されており、前記屋根パ
ネルの棟側の上端部近傍には、止水板または棟面戸が設
置された構成であり、屋根パネル吊り機構は、屋根パネ
ル軒先部の垂木および屋根パネル棟部の垂木に各々付設
された吊り金具係止部材と、各吊り金具係止部材に着脱
可能に取付けられた軒先部吊り金物および棟部吊り金物
とからなり、各吊り金物にクレーンのワイヤーが取付け
られている構造であり、棟包みは、その下面の中央部に
垂直下方へ突き出る固定金具が長手方向に間隔をあけて
複数設けられ、小屋組上に固定した前記屋根パネルが形
成する棟部へ下ろして位置決めされ、小屋側から前記固
定金物をボルト締めにて固定する構成であり、屋根パネ
ルの重ね継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間部を閉塞
するジョイント金具が屋根パネルの上端部に取り付けら
れていることをそれぞれ特徴とする。 【0013】請求項3に記載した発明に係るユニット式
金属瓦屋根セットは、先に構築された小屋組の上面に吊
り込まれるユニット化した屋根パネルと、棟に吊り込ん
で施工するユニット化した棟包みと屋根パネル吊り機
構、並びに屋根パネルの上端部に取り付けられ屋根パネ
ルの重ね継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間部を閉塞
するジョイント金具を主要部とするユニット式金属瓦屋
根セットであって、屋根パネルは、垂木、野地板、防水
材及び金属瓦を一体的に組み合わせた合成ユニットであ
り、棟方向寸法を複数に分割した幅寸を有する大きさと
され、同屋根パネルのうち、後施工の屋根パネルが重な
る重ね継ぎ端部には、当該パネルの外縁に沿って内側部
位に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さの捨て樋が野地板
上に設置され、金属瓦の外縁は前記捨て樋の外側壁より
も若干内側に位置させ、他方、先施工の屋根パネルの上
に重ねる反対側の重ね継ぎ端部には、当該端部に沿って
金属瓦と野地板との間に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長
さの水切り屋根桟木が野地板へ固定され、金属瓦は前記
水切り屋根桟木又は野地板に固定され、同金属瓦の外縁
は屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さにわたり当該パネル
の外縁から更に必要とされる重ね継ぎ寸法だけ突き出さ
れ、前記水切り屋根桟木には前記捨て樋の外側壁を越え
て隣の金属瓦の外縁との間に若干の隙間を残す位置まで
延び出した前下がり傾斜状の水返し部が捨て樋の外側壁
と干渉を起こさない高さに形成されており、前記屋根パ
ネルの棟側の上端部近傍には、止水板または棟面戸が設
置された構成であり、屋根パネル吊り機構として、屋根
パネルの垂木の側面に沿って形材が付設され、該形材に
軒先部吊り金物が離脱可能でかつ、抜け止め係止機構を
備えた構成であり、棟包みは、その下面の中央部に垂直
下方へ突き出る固定金具が長手方向に間隔をあけて複数
設けられ、小屋組上に固定した前記屋根パネルが形成す
る棟部へ下ろして位置決めされ、小屋側から前記固定金
物をボルト締めにて固定する構成であり、屋根パネルの
重ね継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間部を閉塞する
ジョイント金具が屋根パネルの上端部に取り付けられて
いることをそれぞれ特徴とする。 【0014】請求項4に記載した発明は、請求項1に記
載したユニット式金属瓦屋根において、棟包みは、その
下面の中央部に垂直下方へ突き出る固定金具が長手方向
に間隔をあけて複数設けられ、同下面の棟方向の全長に
わたり換気用部材を備え、前記換気用部材の下面に水切
り板を備えており、他方、屋根パネルの止水板には前記
水切り板が密接に重なる重合部が形成されており、棟包
みは小屋組上に固定した前記屋根パネルが形成する棟部
へ下ろし、水切り板が止水板の重合部の上へ載置され、
小屋側から前記固定金具をボルト締めにて固定する構成
であることを特徴とする。また、請求項5記載の発明
は、請求項2又は3に記載したユニット式瓦屋根セット
において、棟包みは、その下面の中央部に垂直下方へ突
き出る固定金具が長手方向に間隔をあけて複数設けら
れ、同下面の棟方向の全長にわたり換気用部材を備え、
前記換気用部材の下面に水切り板を備えており、他方、
屋根パネルの止水板には前記水切り板が密接に重なる重
合部が形成されており、棟包みは小屋組上に固定した前
記屋根パネルが形成する棟部へ下ろし、水切り板が止水
板の重合部の上へ載置され、小屋側から前記固定金具を
ボルト締めにて固定する構成であることを特徴とする。 【0015】請求項に記載した発明は、請求項1に記
載したユニット式金属瓦屋根において、屋根パネルの止
水板の上に水切り板が一体的に止着され、該水切り板に
重合部が形成されており、他方、棟包みにはその下面の
中央部に垂直下方へ突き出る固定金具が長手方向に間隔
をあけて複数設けられ、同下面の棟方向の全長にわたり
換気用部材を備えており、棟包みは小屋組上に固定した
前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろし、換気用部材が
前記重合部の上へ載置され、小屋側から前記固定金具を
ボルト締めにて固定する構成であること特徴とする。
また、請求項7に記載した発明は、請求項2又は3に記
載したユニット式金属瓦屋根セットにおいて、屋根パネ
ルの止水板の上に水切り板が一体的に止着され、該水切
り板に重合部が形成されており、他方、棟包みにはその
下面の中央部に垂直下方へ突き出る固定金具が長手方向
に間隔をあけて複数設けられ、同下面の棟方向の全長に
わたり換気用部材を備えており、棟包みは小屋組上に固
定した前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろし、換気用
部材が前記重合部の上へ載置され、小屋側から前記固定
金具をボルト締めにて固定する構成であることを特徴と
する。 【0016】更に、請求項に記載した発明は、請求項
1に記載したユニット式金属瓦屋根において、屋根パネ
ルの止水板の上に換気用部材を備えた水切り板が一体的
に止着されており、棟包みにはその下面に固定金具のみ
が設けられており、棟包みは小屋組上に固定した前記屋
根パネルが形成する棟部へ下ろし、換気用部材の重合部
に載置され、小屋側から前記固定金物をボルト締めにて
固定する構成であること特徴とする。また、請求項9
に記載した発明は、請求項2又は3に記載したユニット
式金属瓦屋根において、屋根パネルの止水板の上に換気
用部材を備えた水切り板が一体的に止着されており、棟
包みにはその下面に固定金具のみが設けられており、棟
包みは小屋組上に固定した前記屋根パネルが形成する棟
部へ下ろし、換気用部材の重合部に載置され、小屋側か
ら前記固定金物をボルト締めにて固定する構成であるこ
とを特徴とする。 【0017】次に、請求項10に記載した発明に係るユ
ニット式金属瓦屋根の施工方法は、先に構築された小屋
組の上面にユニット化した屋根パネルを複数吊り込み、
棟にユニット化した棟包みを吊り込んで施工するユニッ
ト式屋根の施工方法において、屋根パネルは、垂木、野
地板、防水材及び金属瓦を一体的に組み合わせた合成ユ
ニットで棟方向寸法を複数に分割した幅寸を有する大き
さとし、同屋根パネルのうち、後施工の屋根パネルが重
なる重ね継ぎ端部には、当該パネルの外縁に沿って内側
部位に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さの捨て樋が野地
板上に設置し、金属瓦の外縁は前記捨て樋の外側壁より
も若干内側に位置させ、他方、先施工の屋根パネルの上
に重ねる反対側の重ね継ぎ端部には、当該端部に沿って
金属瓦と野地板との間に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長
さの水切り屋根桟木が野地板へ固定し、金属瓦は前記水
切り屋根桟木又は野地坂に固定し、同金属瓦の外縁は屋
根の流れ方向の全長に及ぶ長さにわたり当該パネルの外
縁から更に必要とされる重ね継ぎ寸法だけ突き出させ、
また、前記水切り屋根桟木には前記捨て樋の外側壁を越
えて隣の金属瓦の外縁との間に若干の隙間を残す位置ま
で延び出した前下がり傾斜状の水返し部が捨て樋の外側
壁と干渉を起こさない高さに形成し、前記屋根パネルの
棟側の上端部近傍には、止水板または棟面戸を設置し、
棟包みは、その下面の中央部に垂直下方へ突き出る固定
金具を長手方向に間隔をあけて複数有し、前記の屋根パ
ネルは、予め決められた順序により金属瓦等を損傷させ
ない構造で且つ着脱自在な屋根パネル吊り機構を使用し
て吊り、棟包みを載荷できる状態にまで屋根パネルを設
置し、その後に棟包みをクレーン等で吊り、前記小屋組
上に設置した屋根パネルが形成する棟部へ下ろして位置
決めを行い、小屋組の側から前記固定金物をボルト締め
する方法で固定し、屋根パネルの重ね継ぎ位置の止水板
または棟面戸の隙間部を閉塞するジョイント金具を屋根
パネルの上端部に取り付ける工程から成ることを特徴と
する。 【0018】請求項11に記載した発明は、請求項10
に記載したユニット式金属瓦屋根の施工方法において、
棟包みは、その下面の中央部に垂直下方へ突き出る固定
金具を長手方向に間隔をあけて複数有し、同下面の棟方
向の全長にわたり換気用部材を備え、更に水切り板を備
えており、他方、屋根パネルの止水板には前記水切り板
が密接に重なる重合部が形成されており、棟包みは小屋
組上に固定した前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろ
し、水切り板が止水板の重合部の上へ載置され、小屋側
から前記固定金具をボルト締めにて固定することを特徴
とする。 【0019】請求項12に記載した発明は、請求項10
に記載したユニット式金属瓦屋根の施工方法において、
屋根パネルの止水板の上に水切り板が一体的に止着さ
れ、該水切り板に重合部が形成されており、他方、棟包
みには、その下面の中央部に垂直下方へ突き出る固定金
具を長手方向に間隔をあけて複数有し、同下面の棟方向
の全長にわたり換気用部材を備えており、棟包みは小屋
組上に固定した前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろ
し、換気用部材が前記重合部の上へ載置され、小屋側か
ら前記固定金具をボルト締めにて固定すること特徴と
する。 【0020】請求項13に記載した発明は、請求項10
に記載したユニット式金属瓦屋根の施工方法において、
屋根パネルの止水板の上に換気用部材を備えた水切り板
を一体的に止着してあり、該換気用部材に棟包みの重合
部が形成されており、他方、棟包みにはその下面に固定
金具のみを設けてあり、棟包みは小屋組上に固定した前
記屋根パネルが形成する棟部へ下ろし、換気用部材の前
記重合部の上へ載置され、小屋側から前記固定金具をボ
ルト締めにて固定することを特徴とする請求項14
記載した発明は、請求項10に記載したユニット式金属
瓦屋根の施工方法において、屋根パネルの垂木および屋
根パネル棟部の垂木の吊り金具係止部材が各々付設され
ており、該吊り金具係止部材に着脱自在に取り付けられ
た軒先部吊り金物および棟部吊り金物は、クレーンで吊
ることを特徴とする。 【0021】請求項15に記載した発明は、請求項14
に記載したユニット式金属瓦屋根の施工方法において、
吊り金具係止部材から、クレーンのワイヤー先端に取り
付けた軒先吊り金物および棟部吊り金物を地上からの操
作で離脱させることを特徴とする。また、請求項16
記載した発明は、請求項10に記載したユニット式金属
瓦屋根の施工方法において、棟包みを複数一連に重ね継
ぎする場合、先に施工する棟包みの重ね継ぎ端部に毛
細管現象を解除する溝を複数設けた棟ジョイントを取り
付けて重ね継ぎに必要な長さ突き出させ、前記棟ジョイ
ントの突き出し部分の上に、後施工の棟包みの端部を重
ね継ぎして設置すること特徴とする。 【0022】 【発明の実施の形態及び実施例】請求項1記載の発明に
係るユニット式金属瓦屋根は、図1に各構成要素を分解
で示したように、先に構築された小屋組1の上面の母
屋2上にユニット化した屋根パネル3を複数吊り込み、
その棟へユニット化した棟包み4を吊り込んで構築され
る。 【0023】屋根パネル3は、図2に例示したように、
必要関連部品としての垂木5、野地板6、そして、前記
野地板6の上面に防水材として通称アスファルトルーフ
ィングの如き防水シートを施工し、更に金属瓦7を一体
的に組み合わせて機能複合化した合成ユニットである。
図1に示した屋根パネル3は、屋根の棟から流れ方向に
軒先まで連続した全長に及ぶ長さ(例えば4.8m)を
有し、同屋根の棟方向寸法を複数に分割した幅寸(例え
ば1.8m)を有する大きさ、形状とされている。金属
瓦7は幅寸方向に切断した場合の標準的な断面形状は図
3のように製作され、屋根の流れ方向には基本的に屋根
パネルと同じく屋根の棟から流れ方向に軒先まで連続し
た長さに製作されている。この金属瓦7は屋根パネル3
の幅方向に複数枚重ね継ぎして敷設されている。なお、
屋根パネル3の長さは、屋根の棟から流れ方向に軒先ま
でを複数に分割した大きさとし、例えば先願の特願平8
−183470号明細書及び図面に開示したような方法
で順次継ぎ足し施工することもできる。 【0024】屋根パネル3のうち、後施工の屋根パネル
が重なる図2中右側の重ね継ぎ端部Aには、当該パネル
の外縁に沿って内側部位に、屋根の流れ方向の全長に及
ぶ長さの捨て樋8が野地板6上に接着等して設置され、
金属瓦7の外縁7aは前記捨て樋8の外側壁8aよりも
若干内側に位置させている。他方、先施工の屋根パネル
の上へ重ねる反対側(図2中左側)の重ね継ぎ端部Bに
は、当該端部に沿って金属瓦7と野地板6との間に、屋
根の流れ方向の全長に及ぶ長さの水切り屋根桟木9が野
地板6へビス10で固定して設けられている。この水切
り屋根桟木9は例えば鋼製成形品であり、金属瓦7は前
記水切り屋根桟木9に当接して跨ぐ山の部分の頂部が垂
直下向きのセルフタップビス11で固定される。なお、
セルフタップビス11に代えて、金属瓦7を、水切り屋
根桟木9にあけた通孔を通じて直接野地板6へねじ込ん
だ木ネジで固定することもできる。該金属瓦7の外縁7
bは屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さにわたり当該屋根
パネル3の外縁から必要とされる重ね継ぎ寸法(約75
mm)だけ突き出されている。 【0025】図2中の屋根桟木12も例えば鋼製成形品
であり、野地板6の上面の屋根流れ方向に短尺の長さの
桟木であり、金属瓦7のある特定の山の一列の棟側と軒
先側の2ヵ所に木ネジ13で固定されている。なお、そ
の長さは、流れ方向の全長に及んでも差し支えない。こ
の屋根桟木12の役割は、当該屋根パネル3の製作工程
において、金属瓦7の山の部分を利用してその取付け位
置を決める定規の如きものである。かくして一つの屋根
パネル3に複数枚の割合で設置する金属瓦7は、前述し
たように水切り屋根桟木9に固定されるほか、詳しい図
示を省略したが、山の部分を選んだ複数箇所に木ネジ用
の孔をあけ、この孔を通じて野地板6へ木ネジで締結
し、且つ十分な止水、防水材を施して強く固定されてい
る。 【0026】前記水切り屋根桟木9は、屋根パネル3を
図4および図5のように重ね継ぎで施工するすることを
前提として、図中左側の先行パネルの捨て樋8の外側壁
8aを越えて同先行パネル(隣)の金属瓦7の外縁7a
との間に若干(浸入水の排水に支障ない程度、10mm程
度)の隙間を残す位置まで延び出した前下がり傾斜状の
水返し部9aを、前記捨て樋8の外側壁8aと干渉を起
こさない高さ位置に有する。 【0027】従って、図2に示した屋根パネル3は、図
4、図5のように屋根の左から右への順序で吊り込み作
業を進める構成である。図4及び図5において、先行し
て小屋組の母屋2上に吊り込み設置した図中左側の屋根
パネル3Aに対し、後から吊り込む図中右側の屋根パネ
ル3Bは、芯々位置K点において隣接の垂木5、5が約
2mm程度の隙間を残す配置で垂直に下ろす。すると、隣
接の金属瓦7、7の端部は所定の重なり寸法でぴったり
重ね継ぎされ、水切り屋根桟木9の図中左方へ延び出し
た前下がり傾斜状の水返し部9aは捨て樋8の外側壁8
aと干渉を起こすことなく同捨て樋8の外側壁8aを越
えて隣の金属瓦7の外縁7aとの間に若干の隙間を残す
位置に納まる。従って、仮に大雨、強風のため金属瓦
7、7の重ね継ぎ部分を浸透した雨水が外縁7aから右
方へ噴出するようなことがあっても、その噴水は必ず水
切り屋根桟木9の前下がり傾斜状の水返し部9aに当た
って手前側に落水し捨て樋8に収容される。よって、隣
接する二つの垂木5、5の間へ雨水が漏れ落ちることは
決してなく、重ね継ぎ部の雨仕舞い(止水、防水)の問
題は一切ない。なお、屋根の左端の破風、及び右端の破
風を形成する屋根パネルに関しては、水切り屋根桟木9
及び捨て樋8の無い構成とし、且つ金属瓦7の外縁7
b、7aはパネルの外縁に揃えた構成として木ネジによ
り野地板6へきっちり押え付けて固定し、雨仕舞いと美
観の良さを確保することが行われる。 【0028】屋根パネル3はまた、棟側の上端部の雨仕
舞い(止水、防水)処理を大別して2種類の構造で行っ
ている(図6、図7)。但し、両者の構成に本質的な相
違はなく、金属瓦7の上端部の外側を底面から端面及び
上面まで包囲する形状と配置の止水板14が野地板6へ
ビス15で固定して設置され、前記止水板14の上部に
後述する棟包み側の水切り板が載置され密着する重合部
14aを有する構成が基本的に共通する。図6の止水板
14は重合部14aが野地板6と略平行な向きとされ、
図7の止水板14は重合部14aが内向きに屈曲した状
態に設けられている構成が相違する。前記の相違点は、
棟包み4との関係で発揮されるので、その意義は後述す
る。 【0029】図6、図7中の符号19は、屋根パネル3
を小屋組1の上面へ吊り込み重ね継ぎ方式で設置する必
要上相互に干渉を起さないように重ね継ぎ部において切
除された止水板14の欠落部分50(図5参照)の雨仕
舞い(止水、防水)の手段として、両隣の止水板14、
14の欠落部分の繋ぎに小屋組1の裏側から両者の長手
方向に必要な長さラップする状態に止水板14の背後側
へ差し込み設置したアングル形状のジョイント金具であ
る。止水板14の底面と野地板6との間に、前記ジョイ
ント金具19の差し込みを容易にするための相当な隙間
25を設けている。 【0030】次に、棟包み4も、上記止水板14の2種
類の構造に応じて2型式の実施例に大別される(図8、
図10)。もっとも、棟包み4がその下面の中央部に垂
直下方へ突き出るブラケット状の固定金具16を長手方
向に間隔をあけて複数有し、また、同下面の棟方向の全
長にわたり傾斜方向の両側に略対称な配置で換気用部材
17を備えており、更に前記換気用部材17の下面に前
記屋根パネル3の止水板14における重合部14aの上
に重なり密着する水切り板18を一体的に備えているユ
ニット構成は基本的に共通する。固定金具16の下部に
は、ボルト42と受け金物40がナット43で予め取付
けられている。前記換気用部材17は、屋根の流れ方向
に貫通する通気孔が蜂の巣状に多数形成された構造材で
ある。棟包み4に関する図8と図10の実施例の相違点
は、図9、図11のように棟部へ納めた形の相違点であ
るから、図9、図11に基いて説明する。 【0031】図8及び図9の実施例は、屋根パネル3の
止水板14が屋根の流れ方向に略平行な重合部14aを
有することに対応して、棟包み4側の水切り板18が前
記重合部14aの上にぴったり密着する状態に重なる平
板状に形成され、左右両側の重合部14a,14aの言
うなれば山形状の座りの良さによって位置決めと固定を
容易に安定に行える構成とされている。水切り板18
は、換気用部材17を吹き抜ける雨水があるときに備え
て、これを止める止水壁18aを奥端に有する。もっと
も、山形状の棟包み4自体も、前記換気用部材17の外
側縁よりも少し外側の位置に、強風時の雨水が換気用部
材17へ直接吹き込むことがないように遮蔽する防水段
部4aを備えているから、もともと台風時でも換気用部
材17へ雨水が吹き込む心配の無い構成である。 【0032】図10及び図11の実施例は、山形状の棟
包み4が2段階に屈折された形状であり、下段側の裏面
に換気用部材17が設置されている。水切り板18は換
気用部材17の内端位置で上向きに大きく屈曲され、こ
の屈曲部18bが止水板14の重合部14aへぴったり
密着する状態に重なり、左右両側の重合部14a,14
aの言うなれば山形状の座りの良さによって位置決めと
固定を容易に安定に行える構成である(図11)。水切
り板18の屈曲部18bと止水壁18aが換気用部材1
7を吹き抜ける雨水を可及的に止める働きをする。この
棟包み4も、換気用部材17の外側縁よりも少し外側の
位置に、強風時の雨水が換気用部材17へ吹き込むのを
可及的に遮蔽する防水段部4aを備えている。 【0033】かくして、この金属瓦屋根は、棟包み4の
換気用部材17の存在によって必要十分な屋根の換気
(棟換気)を実現する。そして、強風、大雨時に棟内へ
浸入しようとする雨水は、先ず棟包み4の防水段部4a
にて浸入を阻止され、換気部材17を通過して侵入した
雨水は水切り板18の止水壁18aによって阻止され
る。また、屋根パネル面に沿って侵入しようとする雨水
は止水板14の重合部14aと水切り板18および止水
板14とによって阻止されるので、棟内への漏水を完璧
に防ぐ雨仕舞いを構成する。 【0034】もっとも、屋根パネル3の構成部品、及び
棟包みの構成部品の組み合わせは、上記実施例の限りで
はない。或る場合には棟包み4は固定金具16のみを備
え、他の部品は全て屋根パネル3の側にユニット化する
こと、又は棟包み4に換気用部材17を含ませ、水切り
板18は屋根パネル3の構成材とする等々の多様な組み
合わせで実施することも出来る。 【0035】その他、棟側の上端部の雨仕舞いの異なる
実施例として、図18に示したように、前記の止水板1
4に代わる棟面戸51を屋根パネルの上端部近傍の上面
に取り付ける。この棟面戸51は金属瓦7の上面に接す
る部分を図19A、Bに示したように金属瓦7の波形に
合わせた波状とし、この波状部から垂直に立ち上がる遮
水面51bと、この遮水部51bから水平に屈曲された
重合部51aとを備え、前記重合部51aの上に棟包み
4の換気用部材17の水切り板18が密接に重なる構成
とされている。図18及び図19Aの棟面戸51は鋼板
製であり、図19Aの棟面戸51は、独立気泡発泡体の
合成樹脂等からなるものを示している。前記棟面戸51
を使用する場合は、上記したアングル状のジョイント金
具19に代えて、コの字形のジョイント金具52を、金
属瓦7の上端に使用する。 【0036】以上の構成を前提として、請求項10に記
載した発明に係るユニット式金属屋根の施工方法を説明
する。先に構築された小屋組1の上面に、上記した構成
にユニット化した屋根パネル3を予め決められた順序で
順次小屋組1の上面に複数吊り込み、その後棟へユニッ
ト化した棟包み4を吊り込んで施工する工程で実施され
る。 【0037】前記屋根パネル3の吊り込みは、好ましく
は同パネルの3ないし4箇所、即ち軒先側の1、2箇所
及び棟側の1、2箇所を、軟弱な金属瓦7や野地板6等
を損傷させない構造で且つ着脱自在な屋根パネル吊り機
構を使用しクレーン等で地上のサイトから吊り上げて行
う(図12参照)。屋根パネル吊り機構として、複数本
の垂木5が平行に配置された屋根パネル3(図1参照)
において選択された垂木、特には棟包み4の固定金具1
6との干渉を避け、或いは吊り込み作業のし易さ等を考
慮して屋根パネル3の外枠に該当する垂木は避け、一つ
内側の垂木5の側面に沿って形材、例えばC形鋼等の補
強用軽量形鋼20が、図12、図13のように予め付設
される。この補強用軽量形鋼20は、図12に示したよ
うに、垂木5に沿って、部分的にあるいは全長に等しい
長さで平行に設置され、屋根パネル軒先部及び棟部の吊
り金具係止部材を形成する。 【0038】クレーンのワイヤー26に取付けた軒先部
吊り金物22及び棟部吊り金物29は、図12のように
前記補強用軽量形鋼20の軒先側端部(軒先部吊り金具
係止部材)および棟側端部(棟部吊り金具係止部材)へ
取り付けて吊る。屋根パネル3の垂木5の側面に沿って
付設した前記補強用軽量形鋼20の軒先側端部には、図
12、図13に示したように、下向きに突き出る抜け止
めフック21が例えば形鋼の壁の一部を引き起こす加工
により設けられている。この軒先側端部から補強用軽量
形鋼20の溝内へ同形鋼20よりも若干小さい断面の溝
形鋼等による軒先部吊り金物22が挿入される。この軒
先部吊り金物22の上面壁には、丁度前記補強用軽量形
鋼20の抜け止めフック21を嵌めるべき位置にフック
用スリット23が設けられている。つまり、軒先部吊り
金物22を補強用軽量形鋼20の溝内へ挿入すると共に
そのフック用スリット23を補強用軽量形鋼20の抜け
止めフック21へ嵌めて安全、確実な吊り作業を行う抜
け止め係止機構が構成されているのであり、スリット2
3をフック21から外して軒先部吊り金物22は補強用
軽量形鋼20から抜き外される。軒先部吊り金物22を
補強用軽量形鋼20の溝内へ挿入しフック用スリット2
3を補強用軽量形鋼20の抜け止めフック21へ嵌めた
吊り作業状態を保ち安全性を確保する手段として、軒先
部吊り金物22の下面壁に、該軒先部吊り金物22を上
向きに傾けて前記フック用スリット23と抜け止めフッ
ク21の嵌合状態を保つ板バネ24が設置されている。
吊り作業が終了した後、ワイヤー26の張力を解消し、
予め装着しておいた操作ロープ53(図12参照)で軒
先部吊り金物22の先端部を前記板バネ24よりも強い
力で下方へ引き下げることにより、前記フック用スリッ
ト23を抜け止めフック21から外す。よって地上側か
らの操作として該軒先部吊り金物22を補強用軽量形鋼
20から抜き外すことは容易である。軒先部吊り金物2
2は、補強用軽量形鋼20の溝内へ挿入しフック用スリ
ット23を補強用軽量形鋼20の抜け止めフック21へ
嵌めた状態において、図12に示すように金属瓦7の軒
先端部よりもかなり外方へ突き出る長さを有し、その外
端部にクレーンのワイヤー26がシャックル27で取り
付けられている。従って、吊り作業時にシャックル27
及びワイヤー26が金属瓦7の軒先端部へ当たって傷つ
ける心配は皆無である。 【0039】一方、補強用軽量形鋼20の棟側端部(棟
部吊り金具係止部材)には、その下面部に、吊り用孔を
形成する筒体28が溶接等の手段で水平方向(棟の方
向)に取り付けられている(図12、図14)。クレー
ンのワイヤー26へシャックル27で取り付けた棟部吊
り金物29は、図14に示したように上記補強用軽量形
鋼20が嵌まる大きさの溝形鋼状とされ、その上部がシ
ャックル27とボルト止めされている。この棟部吊り金
物29は前記筒体28の孔と水平方向のピン30で連結
して吊り作業が行なわれる。ピン30にも、先端側に安
全用として抜け止め用のバネ板31が常時孕み出る状態
に設置されている。棟部吊り金物29は、図12のよう
に屋根パネル3を吊った際に硬度、剛性の大きい補強用
軽量形鋼20の外端にのみ当接する当て金29aを備
え、もって吊り作業時に軟弱な野地板6、止水板14な
どを棟部吊り金物29で傷つける心配のない構成とされ
ている。 【0040】ところで、屋根パネル3の吊り込み作業に
おいて、屋根の最も高い棟部に位置する前記棟部吊り金
物29を、地上側からの操作としてピン30を抜き、棟
部吊り金物29を屋根パネルから離脱させるための手段
として、図15に示したピン抜き外し用工具が用意され
る。小屋組1の床側から作業員が手に持って棟部の前記
棟部吊り金物29の下端へ楽に届く長さで軽量な管体3
2の上端に、前記棟部吊り金物29の下端へ嵌めて反力
をとることが可能に上向きの溝状をなす金具33が取り
付けられている。更に前記金具33から側方へ腕34が
突き出され、この腕34にロープガイド35が設けられ
ている。地上で屋根パネル3の吊り込み準備をする際、
補強用軽量形鋼20と棟部吊り金物29を連結したピン
30の基端の環部に、十分に長い操作用ロープ36を結
合して予め用意する。そして、屋根パネル3の小屋組1
への吊り込みを終え棟部吊り金物29を離脱させるとき
は、作業員が図15のピン抜き外し用工具を手で持ち上
げ、屋根パネル3と共に屋根パネル相互間の棟部隙間
(図8、図10を参照)から下りてきたロープ36をロ
ープガイド35の上に掛け、金具33を棟部吊り金物2
9の下端へ差し込んで反力を十分に確保した上で同ロー
プ36を強く引く。すると、ロープガイド35を経由す
ることで水平方向に屈曲しピン30と一連の水平部を形
成するロープ36の引張力で、抜け止め用板バネ31の
作用に打ち勝って同ピン30を引き抜くことが出来、棟
部吊り金物29を補強用軽量形鋼20から離脱させられ
る。 【0041】以上要するに、屋根パネル吊り機構たる軒
先部吊り金物22及び棟部吊り金物29はともに、クレ
ーンのワイヤー26に取付けられて繰り返し使用が可能
であり、屋根パネル3に対しては着脱自在な構成であ
る。そして、屋根パネル3を小屋組1の上に吊り込み位
置決め固定した後には、作業員が屋根に登る必要もな
く、全て地上側からの操作として屋根パネル3から離脱
させられることが大きな特長である。 【0042】現場のサイトへ搬入された屋根パネル3
は、クレーンのワイヤー26に用意された上記の軒先部
吊り金物22及び棟部吊り金物29を利用して吊り上げ
る。小屋組1の上に接近すると、図12のように小屋組
1の屋根の傾斜に沿う姿勢で吊り下ろして行く。この屋
根パネル3を小屋組1の上面にタッチさせて位置決め、
固定する作業要領と手段については、特に図示をして説
明することは省略したが、現在当業界で一般的に行って
いる作業方法と手段、例えば垂木5の軒先側に位置決め
兼固定用の金具を突出させておき、該金具を小屋組1の
軒先側の母屋2の上流側へ当てるように下ろして位置決
めを行い、しかる後に小屋組1の裏側から作業員が固定
金物で定着、固定の処理を行う等々の工程、手段が一般
的に採用、実施される。図8〜図11には棟側の固定金
物37のみ示した。なお、位置決めと固定を兼ねるよう
に改良、工夫した特別の金物、道具を使用して位置決
め、固定することも考えられる。 【0043】上述のようにして屋根パネル3を予め決め
られた順序で小屋組1の上面の両傾斜面へ吊り込んだ後
に、上記構成の棟包み4をやはりクレーン等で吊り、図
8又は図10に示すように、前記小屋組1の上面に固定
した両側の屋根パネル3、3が形成する棟部へ下ろして
位置決めを行い、小屋組1の裏側から固定金物16をボ
ルト締めする方法で強く固定する。棟包み4は、上記屋
根パネル3の重量(およそ100〜200kgに比較して
著しく軽量(1m当たり4kg後、4mもので15〜16
kg位)なので、ナイロンロープで巻いて吊るようにすれ
ば、何の支障もなく吊り込み作業を行える。図8又は図
10に示すように棟部へ吊り込んだ棟包み4は、その下
面の水切り板18を屋根パネル3の止水板14が形成す
る重合部14aの上へ載置する要領でその位置決めを容
易に確実に安定に行うことができる。 【0044】固定の処理は、図9及び図11に示したよ
うに、固定金具16と共に下りて来たボルト42の受け
金具40を左右両側の屋根パネル3、3の垂木5、5の
上面に引っ掛けて止め、更に同垂木5の下面に引っ掛け
て止めた受け金具41をナット44でボルト42の下部
に強く締結する。ナット44の締結力によって、屋根パ
ネル3側の止水板14の重合部14aと棟包み4側の水
切り板18との座り具合が良くなり、また、両者の密着
度も高まって止水、防水の効果も向上する。但し、ナッ
ト44の締め付けにより棟包み4が変形する不具合を回
避するために受け金具40がある。また、水切り板18
と止水板14の重合部14aが適切な密着となるよう
に、固定金具16と受け金具40との間に調整板(スプ
ライスプレート)を挟み込む調整が行われる。 【0045】屋根パネル3の吊り込み設置の後、又は棟
包み4を吊り込み設置した後の工程として、屋根パネル
3を小屋組1の上面へ吊り込み重ね継ぎ方式で設置する
必要上切除された止水板の欠落部分50(隙間部)に、
アングル形状で両隣の止水板14、14へその長手方向
に必要な長さラップするジョイント金具19(又は5
2)を、小屋組1の裏側から止水板14の背後側(又は
金属瓦7の棟端部)へ差し込み設置する。 【0046】次に、屋根の大きさ(棟の長さ)に応じ
て、棟包み4が複数一連に重ね継ぎ施工される場合に
は、先に施工する棟包み4の重ね継ぎ端部に、図16に
示したように浸水の毛細管現象を解除する溝46を複数
設けた棟ジョイント45を使用する。棟ジョイント45
は、図17に示したように棟包み4の重ね継ぎ端部に取
り付けて重ね継ぎに必要な長さ突き出させる。前記棟ジ
ョイント45の突き出し部分の上に、後施工の棟包み
4′の端部を重ね継ぎして設置する方法が好適に実施さ
れる。継ぎ目から棟ジョイント45の溝46へ到達した
浸水は、同溝46に沿って流れ、金属瓦7の上に導かれ
て排除される。 【0047】以上のようにして構築されるユニット式金
属瓦屋根は、下記の表1に工程表を示したように、1日
で完成することが出来る。表2は、従来の屋根工法によ
る工程表であって、本発明による工程表と対比すれば工
程が大幅に短縮されることが理解できる。残る樋の取付
け、ケラバ納め等は翌日以降に回しても屋根の機能には
何ら支障は無く、天候に左右されない施工を行えるので
ある。 【0048】 【表1】 【0049】 【表2】 なお、本発明は、上記の各実施例の構成に限定すること
なく、様々な態様で実施することができる。請求項1又
は2又は3に記載したユニット式金属瓦屋根又はユニッ
ト式金属瓦屋根セットにおいて、屋根パネルには、その
止水板の重合部に水切り板が重ねられて一体的に止着さ
れ、該水切り板に棟包みの換気用部材の重合部が形成さ
れた構成とし、他方、棟包みにはその下面に固定金具と
換気用部材が設けられた構成で全く同様に実施すること
ができる。 【0050】また、請求項1又は2又は3に記載したユ
ニット式金属瓦屋根又はユニット式金属瓦屋根セットに
おいて、屋根パネルには、その止水板の重合部に換気用
部材を備えた水切り板が重ねられて一体的に止着され、
該換気用部材に棟包みの重合部が形成された構成とし、
他方、棟包みにはその下面に固定金具のみが設けられた
構成で実施しても、同様な作用、効果を期待できる。 【0051】同様な発想に基づき、請求項10に記載し
たユニット式金属屋根の施工方法においても、屋根パネ
ルには、その止水板の重合部に水切り板を重ねて一体的
に止着し、該水切り板に棟包みの換気用部材の重合部を
形成しておき、他方、棟包みにはその下面に固定金具と
換気用部材を設け、吊り込んだ棟包みは前記水切り板の
重合部に換気用部材を載置して位置決めを行う方式によ
って実施することができる。 【0052】また、請求項10に記載したユニット式金
属屋根の施工方法において、屋根パネルには、止水板の
重合部に換気用部材を備えた水切り板を重ねて一体的に
止着し、該換気用部材に棟包みの重合部を形成してお
き、他方、棟包みにはその下面に固定金具のみを設け、
吊り込んだ棟包みは前記換気用部材の重合部に載置して
位置決めを行う方式によって実施することもでき、上記
実施例と同様な作用効果を期待することができる。 【0053】また、上記実施例では、軒先及び棟部の吊
り金具係止部材としてC形鋼等の軽量形鋼を示したが、
これに限るものではない。他の形材を用いた場合でも、
軒先部吊り金物及び棟部吊り金物並びにこれらの抜け止
め機構及び離脱機構を変更、応用することにより、本発
明の範囲内で適用、実施することができる。上記の各実
施例はまた、屋根パネルの構成として、本来小屋組の構
成要素である母屋を、垂木の下側に屋根パネルの構成要
素として一体化した構成で実施することもできる。即
ち、パネル木枠の構造や寸法上、パネル横方向(幅方
向)の剛性が不足する場合の対策として有効的である。 【0054】その他、棟包みに関しても、棟換気を行わ
ず、妻面に換気窓を設けるような場合には、棟包みに換
気用部材や水切り板などは一切設けず、固定金具のみを
設け、他方、屋根パネルは止水板を備えた構成として実
施するのが一般的である。 【0055】 【本発明が奏する効果】本発明に係るユニット式金属瓦
屋根は、建設現場で葺き屋根材や止水、水切り等必要関
連部品がすべて1枚の屋根パネル上に設置された構成に
なっており、かつ、屋根パネル間のジョイント部の雨仕
舞が完璧で安定的、耐久的である。そのため施工に特別
な技術や職方を必要とせず、一般作業員で十分施工可能
なので、雨をしのげる屋根が短期間で、特に1日で屋根
を完成させることができる金属瓦屋根を提供する。 【0056】そのために、天候不順に悩まされることが
なく、工期を計画通りに進めることができる。また、止
水性、防水性はもとより、換気性能、耐用寿命に優れ、
意匠的美観も良く、品質及び精度に優れた建物の金属瓦
屋根を経済的に提供することができる。 【0057】また、本発明のユニット式金属瓦屋根の施
工方法によれば、屋根パネルや棟包みなどの施工のほと
んどを地上からのクレーン等による吊り込み作業で出
来、補助的に小屋組の内側からの僅かな補完作業をする
だけで、能率的かつ安全に施工できる。さらに、本発明
によるユニット式金属瓦屋根セット及び施工方法によれ
ば板金屋根職人は一切必要とせず、パネル建方職人のみ
による施工ができ、施工に際して屋根面上に作業員が登
らないで済むか、又は登っても極僅かで済むから、人員
の確保が容易で安全性の高い施工を可能ならしめる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のユニット式金属瓦屋根の構成を分解し
て示した斜視図である。 【図2】屋根パネルの一部を省き主要部のみを示した端
面図である。 【図3】金属瓦の端面図である。 【図4】金属瓦屋根パネルの重ね継ぎの直前段階を要部
のみ示した立面図である。 【図5】金属瓦屋根パネルの重ね継ぎ部を要部のみ示し
た立面図である。 【図6】屋根パネルの棟部の止水構造を示した部分図で
ある。 【図7】屋根パネルの棟部の止水構造の異なる例を示し
た部分図である。 【図8】棟包みの取付け直前の状態を示した立面図であ
る。 【図9】棟包みの取付け状態を示した立面図である。 【図10】異なる棟包みの取付け直前の状態を示した立
面図である。 【図11】前記棟包みの取付け状態を示した立面図であ
る。 【図12】屋根パネルの吊り構造を示した側面図であ
る。 【図13】図12の13−13線矢視図である。 【図14】図12の14−14線矢視図である。 【図15】ピン抜き外し工具の使用状態を示した立面図
である。 【図16】棟ジョイントの斜視図である。 【図17】棟包みの重ね継ぎ構造を示した側面図であ
る。 【図18】棟部雨仕舞いの異なる実施例を主要部につい
て示した立面図である。 【図19】A、Bは棟面戸の異なる実施例を示した斜視
図である。 【符号の説明】 1 小屋組 3 屋根パネル 4 棟包み 5 垂木 6 野地板 7 金属瓦 A、B 重ね継ぎ端部 8 捨て樋 7a、7b 瓦の外縁 9 水切り屋根桟木 8a 樋の外側壁 9a 水返し部 14 止水板 51 棟面戸 16 固定金具 17 換気用部材 18 水切り板 19 止水板ジョイント 20 補強用軽量形鋼 22 軒先部吊り金物 28 筒体(吊り用孔) 26 クレーンのワイヤー 29 棟部吊り金物 50 隙間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 用稲 都世志 東京都江東区木場二丁目8番3号 株式 会社ニッケンビルコン内 (72)発明者 本橋 修一 東京都江東区木場二丁目8番3号 株式 会社ニッケンビルコン内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 7/02 511 E04D 1/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 先に構築された小屋組の上面にユニット
    化した屋根パネルを複数吊り込み、棟にはユニット化し
    た棟包みを吊り込んで構築されたユニット式屋根であっ
    て、 屋根パネルは、垂木、野地板、防水材及び金属瓦を一体
    的に組み合わせた合成ユニットで、棟方向寸法を複数に
    分割した幅寸を有する大きさとされており、 同屋根パネルのうち、後施工の屋根パネルが重なる重ね
    継ぎ端部には、当該パネルの外縁に沿って内側部位に屋
    根の流れ方向の全長に及ぶ長さの捨て樋が野地板上に設
    置され、金属瓦の外縁は前記捨て樋の外側壁よりも若干
    内側に位置させてあり、他方、先施工の屋根パネルの上
    へ重ねる反対側の重ね継ぎ端部には、当該端部に沿って
    金属瓦と野地板との間に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長
    さの水切り屋根桟木が野地板へ固定して設けられ、金属
    瓦は前記水切り屋根桟木又は野地板に固定され、同金属
    瓦の外縁は屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さにわたり当
    該パネルの外縁から更に必要とされる重ね継ぎ寸法だけ
    突き出されており、また、前記水切り屋根桟木は前記捨
    て樋の外側壁を越えて隣の金属瓦の外縁との間に若干の
    隙間を残す位置まで延び出した前下がり傾斜状の水返し
    部を前記捨て樋の外側壁と干渉を起こさない高さに有す
    ること、 前記屋根パネルの棟側の上端部近傍には、止水板または
    棟面戸が設置されていること、 棟包みは、その下面の中央部に垂直下方へ突き出る固定
    金具を長手方向に間隔をあけて複数有すること、 前記屋根パネルは、予め決められた順序で順次小屋組の
    上面に吊り下ろされて固定が行われていること、 前記棟包みは、前記屋根パネルが小屋組の上で形成する
    棟部へ吊り下ろされ、前記固定金具を利用して固定され
    ていること、 屋根パネルの重ね継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間
    部を閉塞するジョイント金具が屋根パネルの上端部に取
    り付けられていることをそれぞれ特徴とするユニット式
    金属瓦屋根。 【請求項2】 先に構築された小屋組の上面に吊り込ま
    れるユニット化した屋根パネルと、棟に吊り込んで施工
    するユニット化した棟包みと屋根パネル吊り機構、並び
    に屋根パネルの上端部に取り付けられ屋根パネルの重ね
    継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間部を閉塞するジョ
    イント金具を主要部とするユニット式金属瓦屋根セット
    であって、 屋根パネルは、垂木、野地板、防水材及び金属瓦を一体
    的に組み合わせた合成ユニットであり、棟方向寸法を複
    数に分割した幅寸を有する大きさとされ、同屋根パネル
    のうち、後施工の屋根パネルが重なる重ね継ぎ端部に
    は、当該パネルの外縁に沿って内側部位に屋根の流れ方
    向の全長に及ぶ長さの捨て樋が野地板上に設置され、金
    属瓦の外縁は前記捨て樋の外側壁よりも若干内側に位置
    させ、他方、先施工の屋根パネルの上に重ねる反対側の
    重ね継ぎ端部には、当該端部に沿って金属瓦と野地板と
    の間に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さの水切り屋根桟
    木が野地板へ固定され、金属瓦は前記水切り屋根桟木又
    は野地板に固定され、同金属瓦の外縁は屋根の流れ方向
    の全長に及ぶ長さにわたり当該パネルの外縁から更に必
    要とされる重ね継ぎ寸法だけ突き出され、前記水切り屋
    根桟木には前記捨て樋の外側壁を越えて隣の金属瓦の外
    縁との間に若干の隙間を残す位置まで延び出した前下が
    り傾斜状の水返し部が捨て樋の外側壁と干渉を起こさな
    い高さに形成されており、前記屋根パネルの棟側の上端
    部近傍には、止水板または棟面戸が設置された構成であ
    り、 屋根パネル吊り機構は、屋根パネル軒先部の垂木および
    屋根パネル棟部の垂木に各々付設された吊り金具係止部
    材と、各吊り金具係止部材に着脱可能に取付けられた軒
    先部吊り金物および棟部吊り金物とからなり、各吊り金
    物にクレーンのワイヤーが取付けられている構造であ
    り、 棟包みは、その下面の中央部に垂直下方へ突き出る固定
    金具が長手方向に間隔をあけて複数設けられ、小屋組上
    に固定した前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろして位
    置決めされ、小屋側から前記固定金物をボルト締めにて
    固定する構成であり、 屋根パネルの重ね継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間
    部を閉塞するジョイント金具が屋根パネルの上端部に取
    り付けられていることをそれぞれ特徴とするユニット式
    金属瓦屋根セット。 【請求項3】 先に構築された小屋組の上面に吊り込ま
    れるユニット化した屋根パネルと、棟に吊り込んで施工
    するユニット化した棟包みと屋根パネル吊り機構、並び
    に屋根パネルの上端部に取り付けられ屋根パネルの重ね
    継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間部を閉塞するジョ
    イント金具を主要部とするユニット式金属瓦屋根セット
    であって、 屋根パネルは、垂木、野地板、防水材及び金属瓦を一体
    的に組み合わせた合成ユニットであり、棟方向寸法を複
    数に分割した幅寸を有する大きさとされ、同屋根パネル
    のうち、後施工の屋根パネルが重なる重ね継ぎ端部に
    は、当該パネルの外縁に沿って内側部位に屋根の流れ方
    向の全長に及ぶ長さの捨て樋が野地板上に設置され、金
    属瓦の外縁は前記捨て樋の外側壁よりも若干内側に位置
    させ、他方、先施工の屋根パネルの上に重ねる反対側の
    重ね継ぎ端部には、当該端部に沿って金属瓦と野地板と
    の間に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さの水切り屋根桟
    木が野地板へ固定され、金属瓦は前記水切り屋根桟木又
    は野地板に固定され、同金属瓦の外縁は屋根の流れ方向
    の全長に及ぶ長さにわたり当該パネルの外縁から更に必
    要とされる重ね継ぎ寸法だけ突き出され、前記水切り屋
    根桟木には前記捨て樋の外側壁を越えて隣の金属瓦の外
    縁との間に若干の隙間を残す位置まで延び出した前下が
    り傾斜状の水返し部が捨て樋の外側壁と干渉を起こさな
    い高さに形成されており、前記屋根パネルの棟側の上端
    部近傍には、止水板または棟面戸が設置された構成であ
    り、 屋根パネル吊り機構として、屋根パネルの垂木の側面に
    沿って形材が付設され、該形材に軒先部吊り金物が離脱
    可能でかつ、抜け止め係止機構を備えた構成であり、 棟包みは、その下面の中央部に垂直下方へ突き出る固定
    金具が長手方向に間隔をあけて複数設けられ、小屋組上
    に固定した前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろして位
    置決めされ、小屋側から前記固定金物をボルト締めにて
    固定する構成であり、 屋根パネルの重ね継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間
    部を閉塞するジョイント金具が屋根パネルの上端部に取
    り付けられていることをそれぞれ特徴とするユニット式
    金属瓦屋根セット。 【請求項4】包みは、その下面の中央部に垂直下方
    へ突き出る固定金具が長手方向に間隔をあけて複数設け
    られ、同下面の棟方向の全長にわたり換気用部材を備
    え、前記換気用部材の下面に水切り板を備えており、他
    方、屋根パネルの止水板には前記水切り板が密接に重な
    る重合部が形成されており、棟包みは小屋組上に固定し
    た前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろし、水切り板が
    止水板の重合部の上へ載置され、小屋側から前記固定金
    具をボルト締めにて固定する構成であることを特徴とす
    る、請求項1に記載したユニット式金属瓦屋根。 【請求項5】 棟包みは、その下面の中央部に垂直下方
    へ突き出る固定金具が長手方向に間隔をあけて複数設け
    られ、同下面の棟方向の全長にわたり換気用部材を備
    え、前記換気用部材の下面に水切り板を備えており、他
    方、屋根パネルの止水板には前記水切り板が密接に重な
    る重合部が形成されており、棟包みは小屋組上に固定し
    た前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろし、水切り板が
    止水板の重合部の上へ載置され、小屋側から前記固定金
    具をボルト締めにて固定する構成であることを特徴とす
    る、請求項2又は3に記載したユニット式金属瓦屋根セ
    ット。 【請求項根パネルの止水板の上に水切り板が一
    体的に止着され、該水切り板に重合部が形成されてお
    り、他方、棟包みにはその下面の中央部に垂直下方へ突
    き出る固定金具が長手方向に間隔をあけて複数設けら
    れ、同下面の棟方向の全長にわたり換気用部材を備えて
    おり、棟包みは小屋組上に固定した前記屋根パネルが形
    成する棟部へ下ろし、換気用部材が前記重合部の上へ載
    置され、小屋側から前記固定金具をボルト締めにて固定
    する構成であることを特徴とする、請求項1に記載した
    ユニット式金属瓦屋根。 【請求項7】 屋根パネルの止水板の上に水切り板が一
    体的に止着され、該水切り板に重合部が形成されてお
    り、他方、棟包みにはその下面の中央部に垂直下方へ突
    き出る固定金具が長手方向に間隔をあけて複数設けら
    れ、同下面の棟方向の全長にわたり換気用部材を備えて
    おり、棟包みは小屋組上に固定した前記屋根パネルが形
    成する棟部へ下ろし、換気用部材が前記重合部の上へ載
    置され、小屋側から前記固定金具をボルト締めにて固定
    する構成であることを特徴とする、請求項2又は3に記
    載したユニット式金属瓦屋根セット。 【請求項8】 屋根パネルの止水板の上に換気用部材を
    備えた水切り板が一体的に止着されており、棟包みには
    その下面に固定金具のみが設けられており、棟包みは小
    屋組上に固定した前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろ
    し、換気用部材の重合部に載置され、小屋側から前記固
    定金物をボルト締めにて固定する構成であることを特徴
    とする、請求項1に記載したユニット式金属瓦屋根。 【請求項9】 屋根パネルの止水板の上に換気用部材を
    備えた水切り板が一体的に止着されており、棟包みには
    その下面に固定金具のみが設けられており、棟包みは小
    屋組上に固定した前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろ
    し、換気用部材の重合部に載置され、小屋側から前記固
    定金物をボルト締めにて固定する構成であることを特徴
    とする、請求項2又は3に記載したユニット式金属瓦屋
    根セット。 【請求項10】 先に構築された小屋組の上面にユニッ
    ト化した屋根パネルを複数吊り込み、棟にユニット化し
    た棟包みを吊り込んで施工するユニット式屋根の施工方
    法において、 屋根パネルは、垂木、野地板、防水材及び金属瓦を一体
    的に組み合わせた合成ユニットで棟方向寸法を複数に分
    割した幅寸を有する大きさとし、 同屋根パネルのうち、後施工の屋根パネルが重なる重ね
    継ぎ端部には、当該パネルの外縁に沿って内側部位に屋
    根の流れ方向の全長に及ぶ長さの捨て樋が野地板上に設
    置し、金属瓦の外縁は前記捨て樋の外側壁よりも若干内
    側に位置させ、他方、先施工の屋根パネルの上に重ねる
    反対側の重ね継ぎ端部には、当該端部に沿って金属瓦と
    野地板との間に屋根の流れ方向の全長に及ぶ長さの水切
    り屋根桟木が野地板へ固定し、金属瓦は前記水切り屋根
    桟木又は野地坂に固定し、同金属瓦の外縁は屋根の流れ
    方向の全長に及ぶ長さにわたり当該パネルの外縁から更
    に必要とされる重ね継ぎ寸法だけ突き出させ、また、前
    記水切り屋根桟木には前記捨て樋の外側壁を越えて隣の
    金属瓦の外縁との間に若干の隙間を残す位置まで延び出
    した前下がり傾斜状の水返し部が捨て樋の外側壁と干渉
    を起こさない高さに形成し、 前記屋根パネルの棟側の上端部近傍には、止水板または
    棟面戸を設置し、 棟包みは、その下面の中央部に垂直下方へ突き出る固定
    金具を長手方向に間隔をあけて複数有し、 前記の屋根パネルは、予め決められた順序により金属瓦
    等を損傷させない構造で且つ着脱自在な屋根パネル吊り
    機構を使用して吊り、棟包みを載荷できる状態にまで屋
    根パネルを設置し、 その後に棟包みをクレーン等で吊り、前記小屋組上に設
    置した屋根パネルが形成する棟部へ下ろして位置決めを
    行い、小屋組の側から前記固定金物をボルト締めする方
    法で固定し、 屋根パネルの重ね継ぎ位置の止水板または棟面戸の隙間
    部を閉塞するジョイント金具を屋根パネルの上端部に取
    り付ける工程から成ることを特徴とするユニット式金属
    瓦屋根の施工方法。 【請求項11】包みは、その下面の中央部に垂直下
    方へ突き出る固定金具を長手方向に間隔をあけて複数有
    し、同下面の棟方向の全長にわたり換気用部材を備え、
    更に水切り板を備えており、他方、屋根パネルの止水板
    には前記水切り板が密接に重なる重合部が形成されてお
    り、棟包みは小屋組上に固定した前記屋根パネルが形成
    する棟部へ下ろし、水切り板が止水板の重合部の上へ載
    置され、小屋側から前記固定金具をボルト締めにて固定
    することを特徴とする、請求項10に記載したユニット
    式金属瓦屋根の施工方法。 【請求項12】根パネルの止水板の上に水切り板が
    一体的に止着され、該水切り板に重合部が形成されてお
    り、他方、棟包みにはその下面の中央部に垂直下方へ突
    き出る固定金具を長手方向に間隔をあけて複数有し、同
    下面の棟方向の全長にわたり換気用部材を備えており、
    棟包みは小屋組上に固定した前記屋根パネルが形成する
    棟部へ下ろし、換気用部材が前記重合部の上へ載置さ
    れ、小屋側から前記固定金具をボルト締めにて固定する
    ことを特徴とする、請求項10に記載したユニット式金
    属瓦屋根の施工方法。 【請求項13】根パネルの止水板の上に換気用部材
    を備えた水切り板を一体的に止着してあり、該換気用部
    材に棟包みの重合部が形成されており、他方、棟包みに
    はその下面に固定金具のみを設けてあり、棟包みは小屋
    組上に固定した前記屋根パネルが形成する棟部へ下ろ
    し、換気用部材の前記重合部の上へ載置され、小屋側か
    ら前記固定金具をボルト締めにて固定することを特徴と
    する、請求項 10に記載したユニット式金属瓦屋根の施
    工方法。 【請求項14】根パネルの垂木および屋根パネル棟
    部の垂木の吊り金具係止部材が各々付設されており、該
    吊り金具係止部材に着脱自在に取り付けられた軒先部吊
    り金物および棟部吊り金物は、クレーンで吊ることを特
    徴とする、請求項10に記載したユニット式金属瓦屋根
    の施工方法。 【請求項15】り金具係止部材から、クレーンのワ
    イヤー先端に取り付けた軒先吊り金物および棟部吊り金
    物を地上からの操作で離脱させることを特徴とする、
    求項14に記載したユニット式金属瓦屋根の施工方法。 【請求項16】包みを複数一連に重ね継ぎする場合
    は、先に施工する棟包みの重ね継ぎ端部に毛細管現象を
    解除する溝を複数設けた棟ジョイントを取り付けて重ね
    継ぎに必要な長さ突き出させ、前記棟ジョイントの突き
    出し部分の上に、後施工の棟包みの端部を重ね継ぎして
    設置することを特徴とする、請求項10に記載したユニ
    ット式金属瓦屋根の施工方法。
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