JP3225186B2 - 換気棟構造 - Google Patents
換気棟構造Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は屋根下の自然換気を
行なうための換気棟構造に関する。
行なうための換気棟構造に関する。
【0002】
【従来の技術】実開平5−92311号公報には、上下
2枚の棟板間に空間を形成し、上棟板に貫通孔を形成す
る一方、この貫通孔とは位置を前後にずらせて下棟板に
通気孔を形成し、上記貫通孔、空間及び通気孔を介して
屋根下の換気を行なうようにした換気棟構造が記載され
ている。上棟板の貫通孔と下棟板の通気孔との位置が前
後にずれているのは、貫通孔より侵入した雨が通気孔に
直接入るのを防止するためであり、この雨水は通気孔の
横を通って両側に流れ、上下の棟板の側縁部の合わせ部
の隙間から排出される。
2枚の棟板間に空間を形成し、上棟板に貫通孔を形成す
る一方、この貫通孔とは位置を前後にずらせて下棟板に
通気孔を形成し、上記貫通孔、空間及び通気孔を介して
屋根下の換気を行なうようにした換気棟構造が記載され
ている。上棟板の貫通孔と下棟板の通気孔との位置が前
後にずれているのは、貫通孔より侵入した雨が通気孔に
直接入るのを防止するためであり、この雨水は通気孔の
横を通って両側に流れ、上下の棟板の側縁部の合わせ部
の隙間から排出される。
【0003】実開昭61−170630号公報にも換気
棟構造が記載されている。このものでは、棟の両側の屋
根パネルの間に開口を形成し、屋根パネルに長手方向に
延びる棟板受具を設ける一方、棟板の両側部下面に長手
方向に延びる係止片を設け、該係止片を棟板受具に外側
から係止することによって棟板を屋根に固定するように
されている。そして、上記棟板受具及び係止片の各々に
換気口を形成することによって、上記開口から棟板受具
の換気口、係止片の換気口を通って棟板の側縁と屋根パ
ネルとの隙間に至る空気流通路が形成されている。この
場合、上記棟板受具及び係止片に水切りの機能をもた
せ、棟板と屋根パネルとの隙間から雨が吹き込んでも、
該雨水が屋根下に侵入しないようにされている。
棟構造が記載されている。このものでは、棟の両側の屋
根パネルの間に開口を形成し、屋根パネルに長手方向に
延びる棟板受具を設ける一方、棟板の両側部下面に長手
方向に延びる係止片を設け、該係止片を棟板受具に外側
から係止することによって棟板を屋根に固定するように
されている。そして、上記棟板受具及び係止片の各々に
換気口を形成することによって、上記開口から棟板受具
の換気口、係止片の換気口を通って棟板の側縁と屋根パ
ネルとの隙間に至る空気流通路が形成されている。この
場合、上記棟板受具及び係止片に水切りの機能をもた
せ、棟板と屋根パネルとの隙間から雨が吹き込んでも、
該雨水が屋根下に侵入しないようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
のうち前者のものでは、上棟板の貫通孔と下棟板の通気
孔との位置が前後にずれていても、雨が屋根下へ多少吹
き込むことは避けられない。また、上記従来技術のうち
後者のものでは、空気が流れる径路と雨水が侵入する径
路とが同じになるから、棟板と屋根パネルとの隙間から
風が強く吹き込むときには、同時に吹き込んだ雨が小さ
な水滴になって上記棟板受具及び係止片の換気口から屋
根下に侵入し易い。
のうち前者のものでは、上棟板の貫通孔と下棟板の通気
孔との位置が前後にずれていても、雨が屋根下へ多少吹
き込むことは避けられない。また、上記従来技術のうち
後者のものでは、空気が流れる径路と雨水が侵入する径
路とが同じになるから、棟板と屋根パネルとの隙間から
風が強く吹き込むときには、同時に吹き込んだ雨が小さ
な水滴になって上記棟板受具及び係止片の換気口から屋
根下に侵入し易い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に対
して、換気のための空気の流れる径路とは別に排水のた
めの径路を設け、これを解決したものである。
して、換気のための空気の流れる径路とは別に排水のた
めの径路を設け、これを解決したものである。
【0006】すなわち、請求項1に係る発明は、棟木に
所定間隔で配設された垂木に屋根板が野地板を介して葺
かれている屋根の換気棟構造であって、上記棟木両側の
屋根板の間に形成された屋根下の換気のための開口と、
上記棟木に沿ってその長手方向に延び両側部が上記両側
の屋根板の各々に沿って左右に下降傾斜した山形に形成
されていて、その両側部に下面側へ膨出した内部が中空
の中空体が形成された棟板構造物とを備え、上記棟板構
造物が上記屋根板間の開口を跨ぎ、該棟板構造物の両側
の中空体が上記両側の屋根板に載置されていて、上記棟
板構造物の各中空体の上壁に、該中空体内部への外気の
導入と該中空体内部から外部への空気の排出とを行なう
ための貫通孔が形成され、上記中空体の上記貫通孔より
も棟芯寄りに位置する上側の側壁に、該中空体内部と当
該棟板構造物で覆われた上記開口の上方空間とを屋根下
の換気のために結ぶ通気孔が形成され、上記中空体の上
記貫通孔よりも棟芯の反対側に位置する下側の側壁に、
上記貫通孔から該中空体内部に侵入した水を排出する排
水口が形成され、上記両側の屋根板間に形成された開口
に、上記棟木両側の野地板より各々上記通気孔よりも棟
芯寄りの位置に突出した突出部と、該突出部の突出端よ
り立ち上がり所定間隔をおいて相対する縦壁とよりなる
一対の水切り板が設けられ、この両水切り板の縦壁の対
向する内面に多孔質材が貼付けられていることを特徴と
するものである。
所定間隔で配設された垂木に屋根板が野地板を介して葺
かれている屋根の換気棟構造であって、上記棟木両側の
屋根板の間に形成された屋根下の換気のための開口と、
上記棟木に沿ってその長手方向に延び両側部が上記両側
の屋根板の各々に沿って左右に下降傾斜した山形に形成
されていて、その両側部に下面側へ膨出した内部が中空
の中空体が形成された棟板構造物とを備え、上記棟板構
造物が上記屋根板間の開口を跨ぎ、該棟板構造物の両側
の中空体が上記両側の屋根板に載置されていて、上記棟
板構造物の各中空体の上壁に、該中空体内部への外気の
導入と該中空体内部から外部への空気の排出とを行なう
ための貫通孔が形成され、上記中空体の上記貫通孔より
も棟芯寄りに位置する上側の側壁に、該中空体内部と当
該棟板構造物で覆われた上記開口の上方空間とを屋根下
の換気のために結ぶ通気孔が形成され、上記中空体の上
記貫通孔よりも棟芯の反対側に位置する下側の側壁に、
上記貫通孔から該中空体内部に侵入した水を排出する排
水口が形成され、上記両側の屋根板間に形成された開口
に、上記棟木両側の野地板より各々上記通気孔よりも棟
芯寄りの位置に突出した突出部と、該突出部の突出端よ
り立ち上がり所定間隔をおいて相対する縦壁とよりなる
一対の水切り板が設けられ、この両水切り板の縦壁の対
向する内面に多孔質材が貼付けられていることを特徴と
するものである。
【0007】この請求項1に係る発明においては、外気
は棟板構造物の貫通孔より中空体内部に入り該中空体の
上側の側壁の通気孔、屋根板の開口を介して屋根下に入
る。屋根下からは外気とは逆の径路を通って外に空気が
流れる。上記貫通孔から中空体内部に侵入した雨水は中
空体の底壁を伝って排水口から排出される。強い風と共
に雨が上記貫通孔から中空体内部に吹き込んでも、通気
孔とは別に排水口が設けられているから、風は排水口に
も流れ、それに伴われて雨水も通気孔よりは下側にある
排水口から外に排出されることになり、通気孔から内部
に入る量は少なくなる。逆に排水口から雨が風と共に吹
き込んでも、該排水口と通気孔との間に貫通孔が設けら
れているから、当該雨水は風と共に貫通孔から吹き出さ
れ易くなり、通気孔からの侵入は少なくなる。
は棟板構造物の貫通孔より中空体内部に入り該中空体の
上側の側壁の通気孔、屋根板の開口を介して屋根下に入
る。屋根下からは外気とは逆の径路を通って外に空気が
流れる。上記貫通孔から中空体内部に侵入した雨水は中
空体の底壁を伝って排水口から排出される。強い風と共
に雨が上記貫通孔から中空体内部に吹き込んでも、通気
孔とは別に排水口が設けられているから、風は排水口に
も流れ、それに伴われて雨水も通気孔よりは下側にある
排水口から外に排出されることになり、通気孔から内部
に入る量は少なくなる。逆に排水口から雨が風と共に吹
き込んでも、該排水口と通気孔との間に貫通孔が設けら
れているから、当該雨水は風と共に貫通孔から吹き出さ
れ易くなり、通気孔からの侵入は少なくなる。
【0008】そうして、水切り板が野地板より棟芯側に
突出し上記通気孔よりも棟芯寄りの位置において立ち上
がっているから、仮に通気孔から雨水が内部に侵入して
も、水切り板によって雨水が屋根下に侵入することが防
がれる。また、上記水切り板の縦壁の対向する内面に貼
られている多孔質材は、結露水を細孔内に分散して蓄
え、該結露水が大きな水滴となって屋根下に落下するこ
とを防止する。多孔質材に溜まった結露水はその後に湿
度が低下することにより、また換気によって蒸発する。
突出し上記通気孔よりも棟芯寄りの位置において立ち上
がっているから、仮に通気孔から雨水が内部に侵入して
も、水切り板によって雨水が屋根下に侵入することが防
がれる。また、上記水切り板の縦壁の対向する内面に貼
られている多孔質材は、結露水を細孔内に分散して蓄
え、該結露水が大きな水滴となって屋根下に落下するこ
とを防止する。多孔質材に溜まった結露水はその後に湿
度が低下することにより、また換気によって蒸発する。
【0009】請求項2に係る発明は、棟木に所定間隔で
配設された垂木に屋根板が野地板を介して葺かれてい
て、上記棟木両側の屋根板の間に形成された屋根下の換
気のための開口と、上記棟木に沿ってその長手方向に延
び両側部が上記両側の屋根板の各々に沿って左右に下降
傾斜した山形に形成されていて、その両側部に下面側へ
膨出した内部が中空の中空体が形成された棟板構造物と
を備え、上記棟板構造物が上記屋根板間の開口を跨ぎ、
該棟板構造物の両側の中空体が上記両側の屋根板に載置
されている屋根の換気棟構造であって、上記棟板構造物
は、上記屋根板に沿って傾斜した底壁と、該底壁の勾配
の上縁及び下縁の各々から立ち上がった上側及び下側の
各側壁とを備えてなる両側の各棟板受けを備え、該両側
の棟板受けに、その底壁、上側の側壁及び下側の側壁と
共に断面矩形状の中空体を形成するように山形の棟板が
被せられて形成されていて、上記棟板構造物の各中空体
の上壁を構成する上記棟板に、該中空体内部への外気の
導入と該中空体内部から外部への空気の排出とを行なう
ための貫通孔が形成 され、上記中空体の上記貫通孔より
も棟芯寄りに位置する上記棟板受けの上側の側壁に、該
中空体内部と当該棟板構造物で覆われた上記開口の上方
空間とを屋根下の換気のために結ぶ通気孔が形成され、
上記中空体の上記貫通孔よりも棟芯の反対側に位置する
上記棟板受けの底壁と下側の側壁とのなす角部に、上記
貫通孔から該中空体内部に侵入した水を排出する排水口
が形成され、さらに、上記棟板受けには、上側の側壁の
上端より反棟芯側へ斜め下方に張り出し上記棟板の貫通
孔の下方に該棟板との間に隙間を存して配置された水切
りが形成されていることを特徴とする。
配設された垂木に屋根板が野地板を介して葺かれてい
て、上記棟木両側の屋根板の間に形成された屋根下の換
気のための開口と、上記棟木に沿ってその長手方向に延
び両側部が上記両側の屋根板の各々に沿って左右に下降
傾斜した山形に形成されていて、その両側部に下面側へ
膨出した内部が中空の中空体が形成された棟板構造物と
を備え、上記棟板構造物が上記屋根板間の開口を跨ぎ、
該棟板構造物の両側の中空体が上記両側の屋根板に載置
されている屋根の換気棟構造であって、上記棟板構造物
は、上記屋根板に沿って傾斜した底壁と、該底壁の勾配
の上縁及び下縁の各々から立ち上がった上側及び下側の
各側壁とを備えてなる両側の各棟板受けを備え、該両側
の棟板受けに、その底壁、上側の側壁及び下側の側壁と
共に断面矩形状の中空体を形成するように山形の棟板が
被せられて形成されていて、上記棟板構造物の各中空体
の上壁を構成する上記棟板に、該中空体内部への外気の
導入と該中空体内部から外部への空気の排出とを行なう
ための貫通孔が形成 され、上記中空体の上記貫通孔より
も棟芯寄りに位置する上記棟板受けの上側の側壁に、該
中空体内部と当該棟板構造物で覆われた上記開口の上方
空間とを屋根下の換気のために結ぶ通気孔が形成され、
上記中空体の上記貫通孔よりも棟芯の反対側に位置する
上記棟板受けの底壁と下側の側壁とのなす角部に、上記
貫通孔から該中空体内部に侵入した水を排出する排水口
が形成され、さらに、上記棟板受けには、上側の側壁の
上端より反棟芯側へ斜め下方に張り出し上記棟板の貫通
孔の下方に該棟板との間に隙間を存して配置された水切
りが形成されていることを特徴とする。
【0010】この請求項2に係る発明においては、請求
項1に係る発明と同様に強い風と共に雨が上記貫通孔か
ら中空体内部に吹き込んでも、通気孔とは別に排水口が
設けられているから、風は排水口にも流れ、それに伴わ
れて雨水も通気孔よりは下側にある排水口から外に排出
されることになり、通気孔から内部に入る量は少なくな
る。逆に排水口から雨が風と共に吹き込んでも、該排水
口と通気孔との間に貫通孔が設けられているから、当該
雨水は風と共に貫通孔から吹き出され易くなり、通気孔
からの侵入は少なくなる。また、排水口が棟板受けの底
壁と下側の側壁とのなす角部に形成されているから、底
壁を伝って流下する雨水が排水口から排出され易い。
項1に係る発明と同様に強い風と共に雨が上記貫通孔か
ら中空体内部に吹き込んでも、通気孔とは別に排水口が
設けられているから、風は排水口にも流れ、それに伴わ
れて雨水も通気孔よりは下側にある排水口から外に排出
されることになり、通気孔から内部に入る量は少なくな
る。逆に排水口から雨が風と共に吹き込んでも、該排水
口と通気孔との間に貫通孔が設けられているから、当該
雨水は風と共に貫通孔から吹き出され易くなり、通気孔
からの侵入は少なくなる。また、排水口が棟板受けの底
壁と下側の側壁とのなす角部に形成されているから、底
壁を伝って流下する雨水が排水口から排出され易い。
【0011】そうして、棟板受けに形成された水切り
が、通気孔のある上側の側壁の上端より斜め下方に張り
出し上記棟板の貫通孔の下方に該棟板との間に隙間を存
して配置されているから、該貫通孔から侵入する雨水は
当該水切りによって受けられて反棟芯側、つまり通気孔
とは反対側へ導かれるから、該通気孔から屋根下に侵入
する雨水が少なくなる。
が、通気孔のある上側の側壁の上端より斜め下方に張り
出し上記棟板の貫通孔の下方に該棟板との間に隙間を存
して配置されているから、該貫通孔から侵入する雨水は
当該水切りによって受けられて反棟芯側、つまり通気孔
とは反対側へ導かれるから、該通気孔から屋根下に侵入
する雨水が少なくなる。
【0012】また、両側の各棟板受けに上側の側壁の上
端より棟芯側へ斜め上方に張り出したフランジを設け、
該上側の側壁とフランジとのなす角部に通気孔を形成す
れば 、棟板受けの底壁と上側の側壁との角部が水切りの
機能を果たし、通気孔から雨水が侵入することが防がれ
る。
端より棟芯側へ斜め上方に張り出したフランジを設け、
該上側の側壁とフランジとのなす角部に通気孔を形成す
れば 、棟板受けの底壁と上側の側壁との角部が水切りの
機能を果たし、通気孔から雨水が侵入することが防がれ
る。
【0013】請求項3に係る発明は、上記請求項2に記
載されている換気棟構造において、上記両側の屋根板間
に形成された開口に、上記棟木両側の野地板より各々上
記通気孔よりも棟芯寄りの位置に突出した突出部と、該
突出部の突出端より立ち上がり所定間隔をおいて相対す
る縦壁とよりなる一対の水切り板が設けられ、この両水
切り板の縦壁の対向する内面に多孔質材が貼付けられて
いることを特徴とするものである。
載されている換気棟構造において、上記両側の屋根板間
に形成された開口に、上記棟木両側の野地板より各々上
記通気孔よりも棟芯寄りの位置に突出した突出部と、該
突出部の突出端より立ち上がり所定間隔をおいて相対す
る縦壁とよりなる一対の水切り板が設けられ、この両水
切り板の縦壁の対向する内面に多孔質材が貼付けられて
いることを特徴とするものである。
【0014】この請求項3に係る発明においては、水切
り板が野地板より棟芯側に突出し上記通気孔よりも棟芯
寄りの位置において立ち上がっているから、仮に通気孔
から雨水が内部に侵入しても、水切り板によって雨水が
屋根下に侵入することが防がれる。また、上記水切り板
の縦壁の対向する内面に貼られている多孔質材は、結露
水を細孔内に分散して蓄え、該結露水が大きな水滴とな
って屋根下に落下することを防止する。多孔質材に溜ま
った結露水はその後に湿度が低下することにより、また
換気によって蒸発する。
り板が野地板より棟芯側に突出し上記通気孔よりも棟芯
寄りの位置において立ち上がっているから、仮に通気孔
から雨水が内部に侵入しても、水切り板によって雨水が
屋根下に侵入することが防がれる。また、上記水切り板
の縦壁の対向する内面に貼られている多孔質材は、結露
水を細孔内に分散して蓄え、該結露水が大きな水滴とな
って屋根下に落下することを防止する。多孔質材に溜ま
った結露水はその後に湿度が低下することにより、また
換気によって蒸発する。
【0015】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、棟木両側
の屋根板の間に開口を形成し、両側部に下面側へ膨出し
た傾斜した中空体を有する山形の棟板構造物によって上
記開口を覆い、且つ上記中空体の上壁に貫通孔を形成す
るとともに、該貫通孔よりも棟芯寄りに位置する上側の
側壁に通気孔を形成し、上記貫通孔よりも棟芯の反対側
に位置する下側の側壁に排水口を形成したから、上記貫
通孔及び排水口のいずれか一方から雨が風と共に中空体
内部に侵入しても他方から排出され易くなり、通気孔か
ら雨水が屋根下に侵入することを防止しながら屋根下の
換気を行なう上で有利になり、さらに水切り板が野地板
より棟芯側に突出し通気孔よりも棟芯寄りの位置におい
て立ち上がっているとともに、該水切り板の縦壁の対向
する内面に多孔質材を貼っているから、仮に通気孔から
雨水が内部に侵入しても、屋根下に 侵入することを防ぐ
ことができるとともに、結露水が大きな水滴となって屋
根下に落下することを防止することができる。
の屋根板の間に開口を形成し、両側部に下面側へ膨出し
た傾斜した中空体を有する山形の棟板構造物によって上
記開口を覆い、且つ上記中空体の上壁に貫通孔を形成す
るとともに、該貫通孔よりも棟芯寄りに位置する上側の
側壁に通気孔を形成し、上記貫通孔よりも棟芯の反対側
に位置する下側の側壁に排水口を形成したから、上記貫
通孔及び排水口のいずれか一方から雨が風と共に中空体
内部に侵入しても他方から排出され易くなり、通気孔か
ら雨水が屋根下に侵入することを防止しながら屋根下の
換気を行なう上で有利になり、さらに水切り板が野地板
より棟芯側に突出し通気孔よりも棟芯寄りの位置におい
て立ち上がっているとともに、該水切り板の縦壁の対向
する内面に多孔質材を貼っているから、仮に通気孔から
雨水が内部に侵入しても、屋根下に 侵入することを防ぐ
ことができるとともに、結露水が大きな水滴となって屋
根下に落下することを防止することができる。
【0016】請求項2に係る発明によれば、棟板受けの
上側の側壁に通気孔を形成し、該棟板受けの底壁と下側
の側壁とのなす角部に排水口を形成し、さらに、該棟板
受けの上側の側壁の上端より水切りを斜め下方に張り出
させ、該水切りを棟板の貫通孔の下方において該棟板と
の間に隙間を存して配置したから、該貫通孔から侵入す
る雨水を水切りによって通気孔とは反対側へ導くことが
でき、雨水の屋根下への侵入防止に有利になる。
上側の側壁に通気孔を形成し、該棟板受けの底壁と下側
の側壁とのなす角部に排水口を形成し、さらに、該棟板
受けの上側の側壁の上端より水切りを斜め下方に張り出
させ、該水切りを棟板の貫通孔の下方において該棟板と
の間に隙間を存して配置したから、該貫通孔から侵入す
る雨水を水切りによって通気孔とは反対側へ導くことが
でき、雨水の屋根下への侵入防止に有利になる。
【0017】請求項3に係る発明によれば、水切り板が
野地板より棟芯側に突出し通気孔よりも棟芯寄りの位置
において立ち上がっているとともに、該水切り板の縦壁
の対向する内面に多孔質材を貼っているから、仮に通気
孔から雨水が内部に侵入しても、屋根下に侵入すること
を防ぐことができるとともに、結露水が大きな水滴とな
って屋根下に落下することを防止することができる。
野地板より棟芯側に突出し通気孔よりも棟芯寄りの位置
において立ち上がっているとともに、該水切り板の縦壁
の対向する内面に多孔質材を貼っているから、仮に通気
孔から雨水が内部に侵入しても、屋根下に侵入すること
を防ぐことができるとともに、結露水が大きな水滴とな
って屋根下に落下することを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】−実施形態1− <構造> 図1において、1は棟木、2は棟木1に所定間隔で配設
された垂木、3は垂木2に野地板4を介して葺かれてい
る屋根板である。上記棟木1の両側の屋根板間及び野地
板間には開口5が形成されている。この開口5は、図2
に示すように棟の中央において長手方向に所定長さ延び
ていて、山形の棟板構造物6によって覆われている。開
口5の前後両側は笠木7を介して在来棟板8が施工され
ている。上記開口5には一対の水切り板9,9が設けら
れている。
された垂木、3は垂木2に野地板4を介して葺かれてい
る屋根板である。上記棟木1の両側の屋根板間及び野地
板間には開口5が形成されている。この開口5は、図2
に示すように棟の中央において長手方向に所定長さ延び
ていて、山形の棟板構造物6によって覆われている。開
口5の前後両側は笠木7を介して在来棟板8が施工され
ている。上記開口5には一対の水切り板9,9が設けら
れている。
【0019】上記棟板構造物6は、左右の棟板受け1
1,11と換気棟板12とを備え、さらに防虫網13、
左右の棟板受け11,11を連結する連結板14及び左
右の排水板15,15を備えてなる。そして、棟板構造
物6の両側部の下面側には左右の棟板受け11,11の
各々と換気棟板12とによって中空体16,16が形成
され、各中空体16の上壁に貫通孔17、棟芯側に位置
する上側の側壁に通気孔18、棟芯とは反対側の下側の
側壁に排水口19がそれぞれ形成されている。左右の棟
板受け11、防虫網13、連結板14及び左右の排水板
15,15は、図2に示す止水通気板20として一体に
組まれて施工される。
1,11と換気棟板12とを備え、さらに防虫網13、
左右の棟板受け11,11を連結する連結板14及び左
右の排水板15,15を備えてなる。そして、棟板構造
物6の両側部の下面側には左右の棟板受け11,11の
各々と換気棟板12とによって中空体16,16が形成
され、各中空体16の上壁に貫通孔17、棟芯側に位置
する上側の側壁に通気孔18、棟芯とは反対側の下側の
側壁に排水口19がそれぞれ形成されている。左右の棟
板受け11、防虫網13、連結板14及び左右の排水板
15,15は、図2に示す止水通気板20として一体に
組まれて施工される。
【0020】図3に示すように、棟板受け11は、上記
屋根板3に沿って傾斜した底壁11aと、該底壁11a
の勾配の上縁及び下縁の各々から立ち上がった上側及び
下側の各側壁11b,11cと、該上側の側壁11bの
上端より棟芯側に斜め上方へ張り出した外フランジ11
dとを備えてなる溝形のものである。下側の側壁11c
の上端には棟芯側に張り出した内フランジ11eが設け
られている。棟板受け11の底壁11aの前端からは前
壁11fが立ち上がり、その上端には内フランジ11g
が形成されている。底壁11aの後端にも前端と同様の
後壁及び内フランジが設けられている(図示省略)。
屋根板3に沿って傾斜した底壁11aと、該底壁11a
の勾配の上縁及び下縁の各々から立ち上がった上側及び
下側の各側壁11b,11cと、該上側の側壁11bの
上端より棟芯側に斜め上方へ張り出した外フランジ11
dとを備えてなる溝形のものである。下側の側壁11c
の上端には棟芯側に張り出した内フランジ11eが設け
られている。棟板受け11の底壁11aの前端からは前
壁11fが立ち上がり、その上端には内フランジ11g
が形成されている。底壁11aの後端にも前端と同様の
後壁及び内フランジが設けられている(図示省略)。
【0021】そして、図4にも示すように、上記棟板受
け11の上側の側壁11bと外フランジ11dとのなす
角部に上記通気孔18がL字状に形成され、底壁11a
と下側の側壁11cとのなす角部に上記排水口19がL
字状に形成されている。底壁11aには図4に示すよう
に当該止水通気板20を野地板4又は垂木2に固定する
ためのビス21を通すビス孔22が形成されている。こ
のビス孔22はバーリング加工によって形成されたもの
であって、周囲に上方へ突出したかえり22aが形成さ
れている。上記外フランジ11dには連結板14と結合
するためのビス孔23が形成されている。下側の側壁1
1cには換気棟板12と結合するためのビス孔24が形
成されている。上記通気孔18、排水口19、ビス孔2
2〜24の各々は前後に間隔をおいて複数個形成されて
いる。
け11の上側の側壁11bと外フランジ11dとのなす
角部に上記通気孔18がL字状に形成され、底壁11a
と下側の側壁11cとのなす角部に上記排水口19がL
字状に形成されている。底壁11aには図4に示すよう
に当該止水通気板20を野地板4又は垂木2に固定する
ためのビス21を通すビス孔22が形成されている。こ
のビス孔22はバーリング加工によって形成されたもの
であって、周囲に上方へ突出したかえり22aが形成さ
れている。上記外フランジ11dには連結板14と結合
するためのビス孔23が形成されている。下側の側壁1
1cには換気棟板12と結合するためのビス孔24が形
成されている。上記通気孔18、排水口19、ビス孔2
2〜24の各々は前後に間隔をおいて複数個形成されて
いる。
【0022】防虫網13及び連結板14の各々は、左右
の屋根板3,3と同じ勾配を有する山形のものであっ
て、両側縁に脚部を有する。連結板14にはビス孔25
が形成されている。そして、連結板14は、左右の棟板
受け11,11の外フランジ11d,11dに防虫網1
3を介して股がり、脚部が上側の側壁11b,11bに
重ねられ、上記左右の外フランジ11d,11dにビス
によって結合されて、当該左右の棟板受け11,11を
連結している。これにより、上記左右の棟板受け11,
11の下壁11a,11aは屋根板3,3に沿って傾斜
したものになっている。また、上記防虫網13は上記棟
板受け11の通気孔18を外側から覆っている。
の屋根板3,3と同じ勾配を有する山形のものであっ
て、両側縁に脚部を有する。連結板14にはビス孔25
が形成されている。そして、連結板14は、左右の棟板
受け11,11の外フランジ11d,11dに防虫網1
3を介して股がり、脚部が上側の側壁11b,11bに
重ねられ、上記左右の外フランジ11d,11dにビス
によって結合されて、当該左右の棟板受け11,11を
連結している。これにより、上記左右の棟板受け11,
11の下壁11a,11aは屋根板3,3に沿って傾斜
したものになっている。また、上記防虫網13は上記棟
板受け11の通気孔18を外側から覆っている。
【0023】排水板15は棟芯とは反対側の縁がこはぜ
折りにされた平板状のものであり、このこはぜ折りにさ
れた側には上記棟板受け11の各排水口19に対応させ
て段落ちによる排水溝26が形成されている。この排水
板15は上記棟板受け11の下面にスポット溶接によっ
て固定されている。また、この排水板15の下面には棟
長手方向に延びる防水パッキン(発泡ポリエチレン)2
7が接着剤によって貼付けられている。
折りにされた平板状のものであり、このこはぜ折りにさ
れた側には上記棟板受け11の各排水口19に対応させ
て段落ちによる排水溝26が形成されている。この排水
板15は上記棟板受け11の下面にスポット溶接によっ
て固定されている。また、この排水板15の下面には棟
長手方向に延びる防水パッキン(発泡ポリエチレン)2
7が接着剤によって貼付けられている。
【0024】以上のような止水通気板20は図1に示す
ように左右の屋根板3,3の上に上記開口5を覆うよう
に被せられ、ビス28によって野地板4(又は野地板4
及び垂木2の両者)に固定されている。
ように左右の屋根板3,3の上に上記開口5を覆うよう
に被せられ、ビス28によって野地板4(又は野地板4
及び垂木2の両者)に固定されている。
【0025】換気棟板12は、左右の屋根板3,3と同
じ勾配を有する山形の本体部と、該本体部の両側縁より
下方へ突出した側壁12a,12aと、該側壁12a,
12aの下端より棟芯の反対側に左右の屋根板3,3と
同じ勾配で突出したフランジとを備えてなる。この換気
棟板12は、その本体部の中央部が上記止水通気板20
の連結板14の上に支えられ、その側壁12aが上記棟
板受け11の下側の側壁11cに外側から重ねられてビ
スによって結合されている。
じ勾配を有する山形の本体部と、該本体部の両側縁より
下方へ突出した側壁12a,12aと、該側壁12a,
12aの下端より棟芯の反対側に左右の屋根板3,3と
同じ勾配で突出したフランジとを備えてなる。この換気
棟板12は、その本体部の中央部が上記止水通気板20
の連結板14の上に支えられ、その側壁12aが上記棟
板受け11の下側の側壁11cに外側から重ねられてビ
スによって結合されている。
【0026】そうして、上記換気棟板12の上記棟板受
け11と共に上記中空体16を形成している部位に、複
数の貫通孔17が棟長手方向及び屋根の勾配方向に間隔
をおいて形成されているものである。これらの貫通孔1
7は、棟長手方向に延びる複数の切れ目を勾配方向に間
隔をおいて入れ、各切れ目の棟芯側の部分を下方へ起こ
すことによって、形成されたものであって、この切起し
部17aが中空体16に侵入した雨を排水口19側へ案
内し通気孔18側へ向かうことを阻止するルーバの働き
をする。
け11と共に上記中空体16を形成している部位に、複
数の貫通孔17が棟長手方向及び屋根の勾配方向に間隔
をおいて形成されているものである。これらの貫通孔1
7は、棟長手方向に延びる複数の切れ目を勾配方向に間
隔をおいて入れ、各切れ目の棟芯側の部分を下方へ起こ
すことによって、形成されたものであって、この切起し
部17aが中空体16に侵入した雨を排水口19側へ案
内し通気孔18側へ向かうことを阻止するルーバの働き
をする。
【0027】水切り板9,9は、各々左右の野地板4,
4の上面に重ねられて釘止めされ上記通気孔18,18
よりも棟芯寄りの位置に突出した傾斜突出部と、該突出
部の突出端より立ち上がり所定間隔をおいて相対する縦
壁とを備えてなる。そして、この両水切り板9,9の縦
壁の対向する内面に多孔質材(発泡ポリエチレン)30
が貼付けられている。
4の上面に重ねられて釘止めされ上記通気孔18,18
よりも棟芯寄りの位置に突出した傾斜突出部と、該突出
部の突出端より立ち上がり所定間隔をおいて相対する縦
壁とを備えてなる。そして、この両水切り板9,9の縦
壁の対向する内面に多孔質材(発泡ポリエチレン)30
が貼付けられている。
【0028】<施工> 開口5を形成するための切欠きを有する野地板4,4を
棟木1及び垂木2の上に固定し、その上に必要な下葺き
材(図示省略)を葺く。多孔質材30を貼付けた水切り
板9,9をその縦壁が上記開口5に突出した状態になる
ように野地板4,4に固定する。屋根板3を上記下葺き
材の上に葺き、上記開口5の前後両側において屋根板3
に笠木7及び在来棟板8を取り付ける。
棟木1及び垂木2の上に固定し、その上に必要な下葺き
材(図示省略)を葺く。多孔質材30を貼付けた水切り
板9,9をその縦壁が上記開口5に突出した状態になる
ように野地板4,4に固定する。屋根板3を上記下葺き
材の上に葺き、上記開口5の前後両側において屋根板3
に笠木7及び在来棟板8を取り付ける。
【0029】次に、止水通気板20を左右の屋根板3,
3の上に上記開口5を覆うように被せ、ビス28によっ
て野地板4に固定する。垂木2が存在する箇所では止水
通気板20は野地板4及び垂木2に固定する。そして、
換気棟板12を上記止水通気板20の上に被せ、その側
壁12bを上記棟板受け11の下側の側壁11cにビス
によって結合する。
3の上に上記開口5を覆うように被せ、ビス28によっ
て野地板4に固定する。垂木2が存在する箇所では止水
通気板20は野地板4及び垂木2に固定する。そして、
換気棟板12を上記止水通気板20の上に被せ、その側
壁12bを上記棟板受け11の下側の側壁11cにビス
によって結合する。
【0030】<換気等> 外気は換気棟板12の貫通孔17より中空体16の内部
に入り、該中空体16の上側の側壁11bの通気孔1
8、防虫網13、開口5を介して屋根下に入る。また、
屋根下からは外気とは逆の径路を通って外に空気が流れ
る。防虫網13は屋根下への虫の侵入を防ぐ。雨天時に
おいては、雨が上記貫通孔17から切起し17aを伝っ
て中空体16の内部に入る。そして、雨水は中空体16
の底壁11aを伝って排水口19に至り、該排水口19
から排水板15の排水溝26を経て屋根板3の上に排出
される。上記底壁11aのビス孔22にはかえり22a
が形成されているため、このかえり22aによって雨水
2がビス孔22に侵入することが防止される。
に入り、該中空体16の上側の側壁11bの通気孔1
8、防虫網13、開口5を介して屋根下に入る。また、
屋根下からは外気とは逆の径路を通って外に空気が流れ
る。防虫網13は屋根下への虫の侵入を防ぐ。雨天時に
おいては、雨が上記貫通孔17から切起し17aを伝っ
て中空体16の内部に入る。そして、雨水は中空体16
の底壁11aを伝って排水口19に至り、該排水口19
から排水板15の排水溝26を経て屋根板3の上に排出
される。上記底壁11aのビス孔22にはかえり22a
が形成されているため、このかえり22aによって雨水
2がビス孔22に侵入することが防止される。
【0031】上記貫通孔17から雨が強い風と共に中空
体16の内部に吹き込む場合、この雨及び風は切起し1
7aに当たり、該切起し17aによって排水口19側に
誘導されるため、通気孔18から止水通気板20の内側
に直接吹き込むことが防止される。また、雨天時には外
気圧が低くなるため、屋根下の空気が通気孔18から中
空体16の内部に入り排水口19に向かって流れる。従
って、上記貫通孔17から中空体16の内部に入る雨風
は中空体16の内部を主として排水口19に向かって流
れ、通気孔17から屋根下に入る量は少なくなる。
体16の内部に吹き込む場合、この雨及び風は切起し1
7aに当たり、該切起し17aによって排水口19側に
誘導されるため、通気孔18から止水通気板20の内側
に直接吹き込むことが防止される。また、雨天時には外
気圧が低くなるため、屋根下の空気が通気孔18から中
空体16の内部に入り排水口19に向かって流れる。従
って、上記貫通孔17から中空体16の内部に入る雨風
は中空体16の内部を主として排水口19に向かって流
れ、通気孔17から屋根下に入る量は少なくなる。
【0032】逆に排水口19から雨風が吹き込んでも、
該排水口19と通気孔18との間に貫通孔17が設けら
れているから、当該雨風は風と共に貫通孔17から吹き
出易くなる。そして、この場合も通常は通気孔18の内
側よりも貫通孔17の外の方が気圧が低いから、雨風は
貫通孔17に向かって流れ易い。よって、上記排水口1
9から雨風が吹き込む場合でも通気孔18から屋根下に
侵入することは少なくなる。
該排水口19と通気孔18との間に貫通孔17が設けら
れているから、当該雨風は風と共に貫通孔17から吹き
出易くなる。そして、この場合も通常は通気孔18の内
側よりも貫通孔17の外の方が気圧が低いから、雨風は
貫通孔17に向かって流れ易い。よって、上記排水口1
9から雨風が吹き込む場合でも通気孔18から屋根下に
侵入することは少なくなる。
【0033】さらに、仮に中空体16の内部において一
時的に排水口19側から通気孔18に向かって空気が流
れ、それに伴って雨水が通気孔18側に吹き寄せられて
も、棟板受け11の底壁11aと上側の側壁11bとの
角部が水切りの機能を果たし、その上方に位置する通気
孔18からの雨水の侵入が防がれる。また、仮に通気孔
18から雨水が内部に入っても、水切り板9によって遮
られて屋根下に侵入することが防がれる。
時的に排水口19側から通気孔18に向かって空気が流
れ、それに伴って雨水が通気孔18側に吹き寄せられて
も、棟板受け11の底壁11aと上側の側壁11bとの
角部が水切りの機能を果たし、その上方に位置する通気
孔18からの雨水の侵入が防がれる。また、仮に通気孔
18から雨水が内部に入っても、水切り板9によって遮
られて屋根下に侵入することが防がれる。
【0034】また、上記水切り板9の縦壁に貼られてい
る多孔質材30は、結露水を細孔内に分散して蓄え、該
結露水が大きな水滴となって屋根下に落下することを防
止する。多孔質材30に溜まった結露水はその後に湿度
が低下することにより、また換気によって蒸発する。
る多孔質材30は、結露水を細孔内に分散して蓄え、該
結露水が大きな水滴となって屋根下に落下することを防
止する。多孔質材30に溜まった結露水はその後に湿度
が低下することにより、また換気によって蒸発する。
【0035】−実施形態2− 本形態については図5乃至図7に示されている。なお、
本形態に関し、実施形態1と実質的に同じものについて
は、説明の重複を避けるため同じ符号付してその説明を
省略する。
本形態に関し、実施形態1と実質的に同じものについて
は、説明の重複を避けるため同じ符号付してその説明を
省略する。
【0036】図5に示すように、本形態が実施形態1と
大きく異なる点は、棟板構造物の取付け構造及び棟板受
け31の形状である。先に棟板受け31の形状及びそれ
に関連する事項を説明すると、この棟板受け31は、実
施形態1の棟板受け11と同様に底壁31a、上側及び
下側の各側壁31b,31cを備え、さらに、上側の側
壁31bより反棟芯側へ斜め下方に張り出した水切り3
1dを備えている。この水切り31dは、換気棟板12
の貫通孔17の下方において該換気棟板12との間に隙
間を存して配置されている。
大きく異なる点は、棟板構造物の取付け構造及び棟板受
け31の形状である。先に棟板受け31の形状及びそれ
に関連する事項を説明すると、この棟板受け31は、実
施形態1の棟板受け11と同様に底壁31a、上側及び
下側の各側壁31b,31cを備え、さらに、上側の側
壁31bより反棟芯側へ斜め下方に張り出した水切り3
1dを備えている。この水切り31dは、換気棟板12
の貫通孔17の下方において該換気棟板12との間に隙
間を存して配置されている。
【0037】通気孔18は上側の側壁31bと水切り3
1dとのなす角部に、排水口19は底壁31aと下側の
側壁31cとのなす角部にそれぞれ形成されている。
1dとのなす角部に、排水口19は底壁31aと下側の
側壁31cとのなす角部にそれぞれ形成されている。
【0038】左右の棟板受け31,31と換気棟板12
とは、それぞれ水切り31dの基端部においてビス33
によって且つ左右の棟板受け31,31に股がるように
換気棟板12の下面に接着された発泡ポリエチレンによ
る結露防止板32を挾んで結合されており、これによ
り、棟板構造物34が構成されている。そして、棟板受
け31の底壁31aにおける下側側壁31c寄りの位置
には、棟板構造物34を野地板4(又は野地板4及び垂
木2)に固定するためのスペーサ35が設けられてい
る。
とは、それぞれ水切り31dの基端部においてビス33
によって且つ左右の棟板受け31,31に股がるように
換気棟板12の下面に接着された発泡ポリエチレンによ
る結露防止板32を挾んで結合されており、これによ
り、棟板構造物34が構成されている。そして、棟板受
け31の底壁31aにおける下側側壁31c寄りの位置
には、棟板構造物34を野地板4(又は野地板4及び垂
木2)に固定するためのスペーサ35が設けられてい
る。
【0039】すなわち、図6に示すように、棟板受け3
1の底壁31aの当該位置には、バーリング加工によっ
てかえり36aを有する取付孔36が形成され、また、
換気棟板12における前記取付孔36に対応する位置に
も同様のかえり37aを有する取付孔37が形成されて
いる(図7参照)。上記スペーサ35は、ゴム製であっ
て、中心にビス孔35aを有する円筒状に形成されてい
て、下面には上記取付孔36のかえり36aが嵌入する
環状溝が形成され、上面には上記取付孔37に嵌合する
突出部が形成されている。
1の底壁31aの当該位置には、バーリング加工によっ
てかえり36aを有する取付孔36が形成され、また、
換気棟板12における前記取付孔36に対応する位置に
も同様のかえり37aを有する取付孔37が形成されて
いる(図7参照)。上記スペーサ35は、ゴム製であっ
て、中心にビス孔35aを有する円筒状に形成されてい
て、下面には上記取付孔36のかえり36aが嵌入する
環状溝が形成され、上面には上記取付孔37に嵌合する
突出部が形成されている。
【0040】そうして、上記換気棟板12の取付孔36
のかえり36aにビス孔を有するゴム製キャップ38が
被せられ、該キャップ38の上にワッシャ39が設けら
れて、ビス40がワッシャ39、キャップ38、スペー
サ35の各ビス孔に通され、野地板4(又は野地板4及
び垂木2)に打ち付けられて、当該棟板構造物34が固
定されている。
のかえり36aにビス孔を有するゴム製キャップ38が
被せられ、該キャップ38の上にワッシャ39が設けら
れて、ビス40がワッシャ39、キャップ38、スペー
サ35の各ビス孔に通され、野地板4(又は野地板4及
び垂木2)に打ち付けられて、当該棟板構造物34が固
定されている。
【0041】従って、本形態の場合は、実施形態1と同
様の作用効果が得られる他、棟板受け31に換気棟板1
2の貫通孔17にその下方で対峙する水切り31dが設
けられているから、貫通孔17から侵入する雨水は当該
水切り31dによって受けられて通気孔18とは反対
側、つまり排水口19側へ導かれ、該通気孔17から屋
根下に侵入する雨水が少なくなる。
様の作用効果が得られる他、棟板受け31に換気棟板1
2の貫通孔17にその下方で対峙する水切り31dが設
けられているから、貫通孔17から侵入する雨水は当該
水切り31dによって受けられて通気孔18とは反対
側、つまり排水口19側へ導かれ、該通気孔17から屋
根下に侵入する雨水が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の換気棟構造の断面図
【図2】同換気棟構造の分解斜視図
【図3】同換気棟構造の止水通気板の分解斜視図
【図4】同換気棟構造の棟板受けの断面図
【図5】実施形態2の換気棟構造の断面図
【図6】同換気棟構造の棟板受け部分の拡大断面図
【図7】同換気棟構造の換気棟板と棟板受けとを示す斜
視図
視図
1 棟木 2 垂木 3 屋根板 4 野地板 5 開口 6 棟板構造物 9 水切り板 11 棟板受け 11a 底壁 11b 上側の側壁 11c 下側の側壁 11d フランジ 12 換気棟板 13 防虫網 14 連結板 15 排水板 16 中空体 17 貫通孔 18 通気孔 19 排水口 20 止水通気板 30 多孔質材 31 棟板受け 31a 底壁 31b 上側の側壁 31c 下側の側壁 31d 水切り 33 ビス 34 棟板構造物 35 スペーサ 36 取付孔 36a かえり 37 取付孔 37a かえり 38 キャップ 39 ワッシャ 40 ビス
Claims (3)
- 【請求項1】 棟木に所定間隔で配設された垂木に屋根
板が野地板を介して葺かれている屋根の換気棟構造であ
って、 上記棟木両側の屋根板の間に形成された屋根下の換気の
ための開口と、 上記棟木に沿ってその長手方向に延び両側部が上記両側
の屋根板の各々に沿って左右に下降傾斜した山形に形成
されていて、その両側部に下面側へ膨出した内部が中空
の中空体が形成された棟板構造物とを備え、 上記棟板構造物が上記屋根板間の開口を跨ぎ、該棟板構
造物の両側の中空体が上記両側の屋根板に載置されてい
て、 上記棟板構造物の各中空体の上壁に、該中空体内部への
外気の導入と該中空体内部から外部への空気の排出とを
行なうための貫通孔が形成され、 上記中空体の上記貫通孔よりも棟芯寄りに位置する上側
の側壁に、該中空体内部と当該棟板構造物で覆われた上
記開口の上方空間とを屋根下の換気のために結ぶ通気孔
が形成され、 上記中空体の上記貫通孔よりも棟芯の反対側に位置する
下側の側壁に、上記貫通孔から該中空体内部に侵入した
水を排出する排水口が形成され、 上記両側の屋根板間に形成された開口に、上記棟木両側
の野地板より各々上記通気孔よりも棟芯寄りの位置に突
出した突出部と、該突出部の突出端より立ち上がり所定
間隔をおいて相対する縦壁とよりなる一対の水切り板が
設けられ、この両水切り板の縦壁の対向する内面に多孔
質材が貼付けられ ていることを特徴とする換気棟構造。 - 【請求項2】 棟木に所定間隔で配設された垂木に屋根
板が野地板を介して葺かれていて、 上記棟木両側の屋根板の間に形成された屋根下の換気の
ための開口と、 上記棟木に沿ってその長手方向に延び両側部が上記両側
の屋根板の各々に沿って左右に下降傾斜した山形に形成
されていて、その両側部に下面側へ膨出した内部が中空
の中空体が形成された棟板構造物とを備え、 上記棟板構造物が上記屋根板間の開口を跨ぎ、該棟板構
造物の両側の中空体が上記両側の屋根板に載置されてい
る屋根の換気棟構造であって、 上記棟板構造物は、上記屋根板に沿って傾斜した底壁
と、該底壁の勾配の上縁及び下縁の各々から立ち上がっ
た上側及び下側の各側壁とを備えてなる両側の各棟板受
けを備え、該両側の棟板受けに、その底壁、上側の側壁
及び下側の側壁と共に断面矩形状の中空体を形成するよ
うに山形の棟板が被せられて形成されていて、 上記棟板構造物の各中空体の上壁を構成する上記棟板
に、該中空体内部への外気の導入と該中空体内部から外
部への空気の排出とを行なうための貫通孔が形成され、 上記中空体の上記貫通孔よりも棟芯寄りに位置する上記
棟板受けの上側の側壁に、該中空体内部と当該棟板構造
物で覆われた上記開口の上方空間とを屋根下の換気のた
めに結ぶ通気孔が形成され、 上記中空体の上記貫通孔よりも棟芯の反対側に位置する
上記棟板受けの底壁と下側の側壁とのなす角部に、上記
貫通孔から該中空体内部に侵入した水を排出する排水口
が形成され、 さらに、上記棟板受けには、上側の側壁の上端より反棟
芯側へ斜め下方に張り出し上記棟板の貫通孔の下方に該
棟板との間に隙間を存して配置された水切りが形成され
ている ことを特徴とする換気棟構造。 - 【請求項3】 上記請求項2に記載されている換気棟構
造において、 上記両側の屋根板間に形成された開口に、上記棟木両側
の野地板より各々上記通気孔よりも棟芯寄りの位置に突
出した突出部と、該突出部の突出端より立ち上がり所定
間隔をおいて相対する縦壁とよりなる一対の水切り板が
設けられ、この両水切り板の縦壁の対向する内面に多孔
質材が貼付けられ ていることを特徴とする換気棟構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24040195A JP3225186B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 換気棟構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24040195A JP3225186B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 換気棟構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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