JPS6339283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は下屋換気装置に関するものである。

第１図および第２図に示すように、２階建物１
の床面積を１階建物２の床面積より小さく設定し
た建物の場合、１階屋根部分すなわち、下屋３の
屋根裏空間４を換気するときは、通常は１階軒天
井５に設けた換気口６を介して行なつている。と
ころが、屋根裏空間４内の湿つた空気は１階天井
７を介し１階室内８からの熱により暖められて上
昇気流となり、そのまま下屋３と壁９の入隅空間
に滞留してほとんど換気口６から屋外１０へは排
気されず、しかも、その滞留空気１１は滞留して
いる間に屋外１０の冷気により冷やされるため、
下屋３の屋根裏面に結露１２を生じるという問題
を有していた、 したがつて、この考案の目的は、屋根裏換気を
効率良く行なえる下屋換気装置を提供することで
ある。

この考案の一実施例を第３図を用いて説明す
る。すなわち、この下屋換気装置は、同図に示す
ように、パネルで形成した外壁１３の屋外面から
たる木１４を下向きに突設し、このたる木１４上
に野地板１５を載架する。野地板１５は、その上
端縁を外壁１３から離隔して外壁面との間に換気
スリツト１６を形成し、野地板１５下方の屋根裏
空間１７（下屋部分）に連通させる。

また、野地板１５上には、防水シート１８を介
して平板状屋根瓦１９を敷設するとともに、野地
板１５の上面上端部には桟木２０，２１を断面逆
Ｌ字状に組立固定し、さらにこれら桟木２０，２
１と屋根瓦１９間に防水シール２２を配設して、
防水シート１８の上端縁１８ａにより桟木２０，
２１の外壁側側面から上面を被覆する。

一方、換気スリツト１６上方の外壁１３と屋根
瓦１９間には換気部材２３を取付ける。この換気
部材２３は、垂直片２３ａの下端から屋外側へ下
向き傾斜片２３ｂを突設するとともに、この下向
き傾斜片２３ｂの上部に換気口２４を形成して、
その換気口２４の屋外側における下向き傾斜片２
３ｂ上に外壁１３の屋外面に略平行に水返片２３
ｃを突設する。さらに上記垂直片２３ａの屋外面
中央部から逆Ｌ形のカバー材３２を突設して上記
換気口２４の上方を被覆させるとともに、カバー
材３２の先端を上記水返片２３ｃの屋外側に間隔
を置いて設けることにより水返片２３ｃとの間に
換気スリツト２５を形成する。換気部材２３およ
びカバー材３２の取付けは、垂直片２３ａを外壁
１３の屋外面に沿わせるとともに、下向き傾斜片
２３ｂを防水シート１８の端縁１８ａから屋根瓦
１９の上面上端に沿わせて設け、垂直片２３ａの
上部を下地材２６を介し釘２７により外壁１３へ
固定する。また、カバー材３２は一側を換気部材
２３の垂直片２３ａに溶接等により固定する。そ
して、下地材２６の上面から屋外面にかけて逆Ｌ
形水切カバー２８を配して下地材２６へ釘２９に
より固定し、その水切カバー２８と外壁１３の接
合部にコーキング材３０を配設して水密処理を行
なう。

このように構成した結果、下屋部分の屋根裏空
間１７が、換気スリツト１６，換気部材２３の換
気口２４，換気スリツト２５を介して屋外３１と
連通されるため、屋根裏空間１７の換気を行なう
ことができる。しかも換気スリツト、換気部材２
３、カバー材３２は、屋根裏空間１７の最上部位
置に設けられているため、１階の室内熱により上
昇気流となつた屋根裏空間１７内の空気が、上記
換気経路を介して屋外３１へと円滑に排気されて
効率良く屋根裏換気が行なわれ、湿気を含む空気
が屋根裏空間１７内に滞留しなくなるので野地板
１５等の屋根裏面への結露発生を防止できる。そ
の上、屋外３１側から換気部材２３およびカバー
材３２へ雨風が吹き付けても、カバー材３２と水
返片２３ｃの作用により雨水が換気スリツト２５
を通つてカバー材３２内に侵入することがなく、
言い換えれば雨水が換気口２４を通つて屋根裏空
間１７内に侵入することがない。また、換気部材
２３の垂直片２３ａと外壁１３との接合部を、水
切カバー２８，コーキング材３０等からなる水密
手段で防水処理しているため、外壁１３の屋外面
に沿つて流下した雨水は、水切カバー２８→カバ
ー材３２→下向き傾斜片２３ｂ→屋根瓦１９を通
つて軒先側へ排水され、この場合も屋根裏空間１
７内へ侵入しない。さらにまた、換気部材２３の
下向き傾斜片２３ｂと屋根瓦１９との接合部を、
防水シート１８，桟木２０，２１および防水シー
ル２２からなる水密手段で防水処理しているた
め、屋根瓦１９上を軒先側から外壁１３へ向けて
雨水が逆流してきても、その雨水は防水シール２
２で逆流を阻止され、やはり屋根裏空間１７内へ
侵入しない。こうしてこの下屋換気装置は、雨仕
舞性能にも優れる。

なお、換気部材２３の垂直片２３ａと外壁１３
の接合部における水密手段、および換気部材２３
の下向き傾斜片２３ｂの下端と屋根瓦１９の接合
部における水密手段は、それぞれ上記実施例のも
ののみに限定するものではない。

以上のように、この考案の下屋換気装置は、外
壁と、その外壁面から下向きに突設したたる木
と、このたる木上に載架して自己の上端縁と前記
外壁面との間に第１の換気スリツトを形成した野
地板と、この野地板上に敷設した屋根瓦と、前記
外壁に沿つて固定された垂直片と，この垂直片の
下部から下方に傾斜延設し先端が前記屋根瓦の上
面に沿つて設けられ上部に前記第１の換気スリツ
トと連通する換気口を形成しこの換気口よりも下
方の上面に水返片を立設した下向き傾斜片とから
なる換気部材と、この換気部材の前記垂直片に一
側が固定され他側が前記下向き傾斜片まで延設さ
れて前記換気口および水返片を覆いかつ延設部先
端と前記下向き傾斜片との間に隙間を設けること
により第２の換気スリツトを形成したカバー材
と、前記垂直片上部と前記外壁面との接合部を水
密処理する第１の水密手段と、前記下向き傾斜片
先端と前記屋根瓦との接合部を水密処理する第２
の水密手段とを備えたため、屋根裏換気を効率良
く行なえ、しかも雨仕舞性能にも優れるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の平面図、第２図はその欠点を
説明するための断面図、第３図はこの考案の一実
施例の断面図である。 １３……外壁、１４……たる木、１５……野地
板、１６……第１の換気スリツト、１９……屋根
瓦、２０，２１……桟木（第２の水密手段）、２
２……防水シール（第２の水密手段）、２３……
換気部材、２３ａ……垂直片、２３ｂ……下向き
傾斜片、２３ｃ……水返片、２４……換気口、２
５……第２の換気スリツト、２８……水切カバー
（第１の水密手段）、３０……コーキング材（第１
の水密手段）、３１……屋外、３２……カバー材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外壁と、その外壁面から下向きに突設したたる
   木と、このたる木上に載架して自己の上端縁と前
   記外壁面との間に第１の換気スリツトを形成した
   野地板と、この野地板上に敷設した屋根瓦と、前
   記外壁に沿つて固定された垂直片と、この垂直片
   の下部から下方に傾斜延設し先端が前記屋根瓦の
   上面に沿つて設けられ上部に前記第１の換気スリ
   ツトと連通する換気口を形成しこの換気口よりも
   下方の上面に水返片を立設した下向き傾斜片とか
   らなる換気部材と、この換気部材の前記垂直片に
   一側が固定され他側が前記下向き傾斜片まで延出
   されて前記換気口および水返片を覆いかつ延出部
   先端と前記下向き傾斜片との間に隙間を設けるこ
   とにより第２の換気スリツトを形成したカバー材
   と、前記垂直片上部と前記外壁面との接合部を水
   密処理する第１の水密手段と、前記下向き傾斜片
   先端と前記屋根瓦との接合部を水密処理する第２
   の水密手段とを備えた下屋換気装置。