JP3224275B2 - 異収縮混繊糸の製造方法 - Google Patents

異収縮混繊糸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル異収縮
混繊糸の製造方法に関する。さらに詳しくは、走行フィ
ラメント群の出口側にシャッターを有する加熱筒と有さ
ない加熱筒とを併用した、従来とは異なる嵩高な風合を
呈し、シープ・毛羽等の欠点がなく品位に優れた異収縮
混繊糸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱処理を施すことによって嵩高性を呈す
るポリエステル混繊糸は、熱収縮差を有するポリエステ
ル繊維同志を混繊することによって得られることは周知
である。かかる混繊糸は、熱処理時に高収縮率のポリエ
ステル繊維が収縮し、これにより低収縮率のポリエステ
ル繊維が張り出すことによって嵩高性を付与するもので
ある。この時、高収縮繊維の単繊維の繊度は太くし、低
収縮繊維の単繊維の繊度を細くすることにより、熱処理
後の嵩高糸の風合は表面タッチがソフトであって腰があ
るものとなる。
【0003】かかる熱収縮差を有するポリエステル混繊
糸を得るためには、予め熱収縮差のある複数のフィラメ
ントを混繊する方法が多く採用されている。例えば、特
開昭54―82423号公報には、同一紡糸口金からポ
リエステルを溶融吐出し急冷して得られる紡出フィラメ
ントを2つに分割して、その1つの糸束には水が主体で
ある油剤を付与し、他の1つの糸束には水よりも高温の
沸点を有する剤を付与してから両者を別々に同一条件で
熱処理しつつ延伸を施してから混繊する方法が提案され
ている。しかし、紡糸油剤の沸点差を利用して糸束間に
収縮差(沸水収縮差)を付与するものであるため、糸束
間の沸水収縮差を充分に大きくすることができず、得ら
れる混繊糸は繊維間の収縮差の小さいものとなる。この
ため、最終的に得られる嵩高糸は嵩高性が乏しく、満足
し得る風合は得られなかった。
【0004】ところで、紡糸引取速度3000m/分程
度の溶融紡糸で得られる部分配向糸(以降POYと称す
る)は沸水収縮率が大きく、前記混繊糸の高収縮繊維と
して用いることが考えられる。しかしながら、POYは
沸水収縮差が大きいものの、延伸後充分な熱固定処理が
施されているフィラメント(以降延伸熱セット糸と称す
る)と比較して結晶構造が完全でないため、経時により
結晶構造や配向構造が変化したり、耐熱性及び寸法安定
性が劣る等の種々の欠点を有している。
【0005】近年繊維市場環境は、均一・均質なものの
要求から消費者の高級化指向に伴う多種・多様なものの
要求へと変化し、少品種・大量生産から少ロット・多品
種の付加価値品生産へと変化している。一方では、生産
性も向上させるために高速化が急がれている。こうした
状況の下で、例えば特開昭62―191511号公報に
は、紡出糸を吐出し冷却した後再加熱して4000m/
分〜6000m/分で引き取り、充分配向させた後に、
沸水収縮率の異なる2種以上のフィラメントを合糸する
方法が提案されている。すなわち、溶融吐出されたポリ
エステル繊維を一旦冷却した後再加熱処理する際に、好
ましくは高収縮糸と低収縮糸の単繊維繊度比を1.5以
上とし、且つ再加熱装置の雰囲気温度を変えることによ
って沸水収縮差を発現させている。しかしながら、この
方法によれば、生産性よく嵩高性のある混繊糸が得られ
るものの、さらにヌメリ感が向上し且つ表面タッチの柔
らかい新質感のある異収縮混繊糸が望まれている。しか
も、再加熱装置がフィラメント群に沿って個別に有り、
また温度設定を変えなければならないので設備投資の面
でも好ましい方向ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、同一の加熱装
置を用い同一温度設定で熱処理を施しても熱収縮差を有
する異収縮混繊糸が、高速製糸の下で安価に製造するこ
とのできる新規な方法を提供することにある。
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討の結果、加熱装置のフィラメント
群出口側の形状をコントロールすることにより、走行フ
ィラメント随伴流がコントロールされ、従来とは異なる
物性差を有する混繊糸が安定且つ容易に得られることを
見い出し本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明によれば、リエステル
を溶融して紡糸口金より吐出した複数のフィラメント群
を一旦冷却した後、夫々加熱筒を通して異なる熱処理を
施し、次いで3500m/分以上5500m/分以下の
速度で引取った後合糸混繊して異収縮混繊糸を製造する
に際し、一方のフィラメント群はフィラメント群出口側
が開放された加熱筒を通し、他方のフィラメント群はフ
ィラメント群出口側がシャッターにより絞られた加熱筒
を通すことを特徴とする異収縮混繊糸の製造方法が提供
される。
【0010】
【0011】本発明で用いられるポリエステルは、主た
る繰り返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリ
エステルを主たる対象とする。しかし、テレフタル酸成
分及び/又はエチレングリコール成分以外の第3成分を
少量(通常はテレフタル酸成分に対して20モル%以
下)共重合したものであってもよく、また他種ポリマー
を少量(通常ポリエステルに対して10重量%以下)混
合したものであってもよい。
【0012】本発明においては、上記ポリエステルを溶
融吐出した複数のフィラメント群を、一旦冷却した後、
夫々加熱筒を用いて加熱処理し、次いで3500〜55
00m/分の速度で引きとった後合糸する。ここでポリ
エステルの溶融温度及び冷却条件は、ポリエステルの溶
融紡糸に通常採用されている条件でよく、例えば285
〜300℃の温度範囲で溶融し、温度25℃湿度65%
の冷却風で冷却すれば良い。また夫々の加熱筒は、紡糸
口金下0.6〜1.2mに取り付けることが好ましく、
例えば、長さ1.5m、巾1mの箱型の熱媒槽で囲まれ
た実行長1〜1.5m、内径30〜60mmφのステンレ
ス製円筒状の加熱筒が等間隔に2〜8本収納された加熱
装置を設置する。かかる加熱装置は、同一温度に設定さ
れた熱媒により温められるので、加熱筒自体はほぼ同等
の温度に設定されることになる。引取速度は上記範囲、
特に4000〜5000m/分とする必要があり、35
00m/分未満ではいずれも伸度及び沸水収縮率が大き
くなってフィラメント群間の物性差が発現せず充分な風
合を呈する異収縮混繊糸が得られないばかりか、充分な
繊維構造が形成されないために沸水収縮率が高すぎるあ
るいはアルカリ減量加工時にフィブリル化し易いといっ
た問題がある。一方5500m/分を越える場合には、
いずれのフィラメント群も伸度及び沸水収縮率が低くな
り充分な嵩高性が得られなくなる。
【0013】本発明の製造法は、上記の製糸方法におい
て一方のフィラメント群はフィラメント群出口側が開放
された加熱筒を通し、他方のフィラメント群はフィラメ
ント群出口側が該フィラメント群が走行可能な孔を有す
るシャッターで絞られた加熱筒を通すことに最大の特徴
を有する。該出口側に設けられた孔の形状は、円形状、
四角形状等任意であるが、径又は巾が3〜10mm、特に
5〜10mmが望ましく、かくすることにより高速で走行
するフィラメント群が持ち込む随伴流を少なくすること
ができ、加熱筒内の雰囲気温度の低下を防ぐことができ
る。一方開放された加熱筒は、随伴流が多いため加熱筒
内の雰囲気温度が低下する。このため、同一の加熱筒を
使用しても、シャッターの有無のみで異なった熱処理を
施すことが可能となる。
【0014】さらにシャッターが有る場合には、孔径が
小さくなると糸条が持ち込む随伴流は該孔部から排出さ
れ難くなるため、空気抵抗となって走行フィラメントに
高張力を負荷することになり、上記とあいまってより高
配向高結晶の低収縮糸を得ることが可能となる。一方シ
ャッターがない場合には、走行フィラメントに負荷され
る張力が低下するとともに上記のように加熱筒内の温度
も低下するため、分子配向のみが進んで配向結晶化は進
行せず、高収縮糸を得ることが可能となる。
【0015】なお、本発明でいう加熱筒下部を開放する
とは、開放時の穴径が30mmを越える場合には加熱筒内
の温度がポリエステルのガラス転移温度まで上がらなく
なって分子配向が進まなくなるので、径又は巾が30mm
以下、特に10〜25mmの絞りを有するシャッターを有
していてもよい。この場合、前記走行可能な孔径との差
は5mm以上、特に5〜10mmあることが得られる混繊糸
の特性から望ましい。
【0016】またシャッターは、製糸立上げ時の作業性
より、開閉型のシャッターが好ましく、加熱筒は均一加
熱及び消費エネルギーの点より熱媒式加熱が好ましい。
【0017】なお加熱筒の設定温度は300℃程度以下
であれば任意であり、70〜100℃に設定して上記と
逆の効果を得ることもできる。すなわち、かかる温度で
はシャッターのある方が走行フィラメント群の温度をガ
ラス転移温度以上にすることができ、また空気抵抗に基
づく張力を負荷することができるので、分子配向のみが
進行して高配向低結晶性の高収縮糸を得ることができ
る。
【0018】次に図を用いてさらに説明する。図1は、
本発明で用いられる紡糸設備の1例を示す概略図であ
る。図1においては、紡糸口金1より吐出されたポリエ
ステル繊維糸条2(2A:低収縮群糸、2B:高収縮糸
群)が紡糸冷却筒3を介して一旦冷却され、加熱筒4を
擁する熱媒加熱による再加熱装置5で走行加熱延伸を施
された後、糸条出口6(6A:径・幅が狭い、6B:径
・幅が6Aに比べ広い)の径により糸条の物性が決めら
れ、糸条は油剤付与装置7により製織工程に適正な油剤
量を付着させインターレース・ノズル8により先交絡さ
せ、引取ローラー9,10により糸条が引取られ、引取
ローラー10とワンダー12の間に再度インターレース
・ノズル11を設け低収縮糸群と高収縮群とを一緒に後
交絡させワンダー12で捲取られる。この時、先交絡に
おいて、糸条2Aと2Bを一緒に交絡させ再度後交絡を
させても構わない。
【0019】また図2に上記の再加熱装置の拡大した概
略図を示す。図において糸条出口6Aは、低収縮糸群を
得るために糸条が持ち込む随伴流の排出を防ぎ、且つ円
筒内の雰囲気温度の低下を抑制するため、糸条出口の径
の絞りを狭くする。一方糸条出口6Bは、高収縮糸群を
得るために円筒内の雰囲気温度を低下させガラス転移温
度領域付近にすることで糸条出口の径の絞りを6Aより
広くする。
【0020】以上に説明した本発明の製造方法によって
得られる異収縮混繊糸は、紡糸速度、加熱筒温度、シャ
ッター径等を適宜設定して下記特性を同時に満足させる
ことが好ましい。
【0021】低収縮糸群(以下A群と称する)の伸度E
Laは50〜100%、特に50〜80%の範囲が望ま
しく、50%未満の場合には風合が硬くなってヌメリ感
がなくなるとともにさらに延伸又は仮撚加工する際毛羽
が発生し易く、一方100%を越える場合には経時によ
る収縮率や染着の変化が大きくなるため望ましくない。
また高収縮糸群(以下B群と称する)の伸度ELbは4
0〜80%、特に40〜70%の範囲であって、ELa
との伸度差が10%以上あることが望ましく、40%未
満の場合には風合が硬くなるし80%を越える場合には
嵩高性が発現しなくなる。また伸度差|ELa−ELb
|が10%未満の場合にも嵩高性が発現せず風合及び質
感が低下する。
【0022】次にA群の配向度ΔNaは0.06〜0.
15、特に0.08〜0.15の範囲が望ましく、0.
06未満では分子配向が低すぎて経時による強伸度の低
下が大きく、また延伸・仮撚等の加工を施す際にB群と
のバランスがとれなくなって毛羽が発生し易くなる。一
方0.15を越える場合には、B群との配向差がなくな
って嵩高性が発現し難くなる。B群の配向度ΔNbは
0.10〜0.16の範囲であって、配向度差が0.0
1以上あることが望ましく、これを満足しない場合には
充分な嵩高性を発現することができなくなるし、A群の
糸が糸表面に張り出さなくなる。
【0023】また、A群の比重ρaは1.355〜1.
390、特に1.360〜1.385の範囲が望まし
、B群の比重ρbは1.345〜1.370、特に
1.350〜1.370の範囲が望ましく、且つρa−
ρbが0.01以上であることが望ましい。ρaが1.
355未満の場合には比重差が小さくなって充分な嵩高
性が発現し難くなるし、1.390を越える場合にはさ
らに延伸仮撚加工を施す際に毛羽を発生し易くなる。但
しB群との風合差を出すためにはρaは大きい方が望ま
しいので、前述のとおり1.360〜1.385が特に
好ましい。一方ρbが1.345未満の場合には結晶化
が低すぎ、経時による物性変化が大きくなるし、1.3
70を越える場合にはρaとの差が小さくなり風合が悪
化する。但し、B群の比重も風合を決める大きな割合を
果たすため、ρa−ρbが0.01以上を満足する範囲
でρbは大きい方が望ましく、ρa−ρbが0.01未
満になると逆に風合が低下するため望ましくない。
【0024】また、A群の沸水収縮率BWSaは、3〜
35%、特に3〜25%の範囲が望ましい。35%を越
える場合は、B群の沸水収縮率BWSbとの差が少なく
なるために、全体として風合が硬くなるばかりかA群の
糸が張り出さなくなる。一方BWSbは、35〜70%
の範囲が望ましく、高ければ高いほど糸表面のA群の張
り出しが大きくなるため好ましい。但しそのまま製織す
る場合には、全体として風合がくなる傾向がある。ま
た、BWSaとBWSbとの差は、充分な嵩高性を発現
させる上で20%以上あることが望ましい。
【0025】更に、A群及びB群の融点(Tma,Tm
b)は共に260℃以上あることが最終的に得られる製
品の風合上望ましいが、特にTmaがTmbよりも高い
ことが、収縮率差がより発現し易くなって風合が良好と
なるので好ましい。
【0026】以上に説明した本発明にかかる異収縮混繊
糸は、A群及びB群の繊度は同一であっても異なってい
てもよく、また断面形状も互いに異なっていてもよく任
意である。また総繊度はあまりに大きすぎると膨らみが
大きくなりすぎて逆に風合が低下し易いので200デニ
ール以下、特に150デニール以下が好ましく、単繊維
繊度は細いほど風合が良好となる。
【0027】本発明にかかる異収縮混繊糸は、そのまま
製織してもよいが、別工程で延伸したり、仮撚しても構
わない。この時の倍率は、紡糸引取速度に一義的となり
1.05〜1.50倍位となる。
【0028】
【発明の作用効果】以上に説明した本発明の製造方法に
よれば、同一の加熱筒を用い、同一設定温度にしても、
シャッターにより随伴流をコントロールできるため走行
フィラメント群の加熱筒内雰囲気温度を容易にコントロ
ールでき、且つフィラメント群に負荷される張力もコン
トロールできるので、フィラメント群間の単糸繊度を変
えなくても容易に異収縮混繊糸を得ることができる。す
なわち、加熱筒の下部部分を開放状態にすることで分子
配向のみが促進した状態となるために、同一再加熱装置
内にある熱媒により同一温度で設定された加熱筒内を走
行する同繊度のポリエステル繊維であっても、シャッタ
ーの有無により伸度、配向度、比重、沸水収縮率が異な
り、この物性の異なるポリエステルフィラメントを一緒
に収束することで優れた嵩高性・風合を発現することと
なる。
【0029】またかかる方法により得られる混繊糸は、
従来の混繊糸と比較して低伸度側の糸の伸度が高くヌメ
リ感に優れるといった特徴を有する。
【0030】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に詳述する。
尚、伸度、配向度、比重、沸水収縮率、融点は下記の方
法で測定した。 (イ)伸度(ELa,ELb);島津製作所製のオート
グラフを使用し試料長20cm、引張速度100%/分で
測定した。 (ロ)配向度(ΔNa,ΔNb);偏光顕微鏡により単
色(ナトリウム)ランプのもとで、コンペンセーターの
補正角度から求めたレーターディションと干渉縞の数と
試料の直径から配向度を求めた。 (ニ)沸水収縮率(BWSa,BWSb);試料を10
0℃の沸騰水中で30分間拘束状態で熱処理したときの
収縮量を試料長に対するパーセントで表す。 (ホ)融点(Tma,Tmb);DU―PONT社製の
DSCを使用し、昇温速度20℃/分で昇温させて融点
を測定した。 (ヘ)風合;織物に触ってその柔らかさにより◎○×と
し、基準としては、強度4.7g/d,伸度30〜40
%の糸条で製織された織物とし、柔らかくヌメリ感があ
りしかも腰のあるものを◎、基準品よりも若干柔らかい
ものとを○、同等あるいは非常に硬い感じを与えるもの
を×とした。
【0031】
【実施例1〜3】ポリエステルチップを溶融温度290
℃で溶融し、孔径が0.2mmφ・ランド長0.8mm・ホ
ール数が36ホールの紡糸口金を使用し溶融吐出した
後、各々の繊度・紡糸引取速度・再加熱装置の設定温度
を表1記載の条件にし、捲取った。その際A群の加熱筒
は下部部分のシャッターを閉とし、B群の加熱筒の下部
部分のシャッターを開とした。その結果を表1に示す。
実施例1〜3はいずれも、風合的に特に問題なく、しか
も充分な嵩高性を示し、特に繊度が細くなる程柔らかく
・ドレープ性のある製品が得られた。
【0032】
【比較例1〜3】実施例1〜3と同じ溶融温度・紡糸口
金を使用して、各々の繊度・紡糸引取速度・再加熱装置
の設定温度を表1記載の条件にし、捲取った結果を表1
に示す。比較例1においては、低収縮糸群の伸度、配向
度、及び比重が本発明の範囲外であるため、嵩高性は高
いものの、風合的にはくなる。比較例2においては、
再加熱装置の温度をoff(室温)にしたために、A群
とB群の物性が同じになるために、嵩高性は発現しなか
った。また比較例3においては、紡糸引取速度が350
0m/分未満のために、A群の伸度及び収縮率が高くな
り過ぎ、異収縮混繊糸としての機能が発揮せず風合の硬
いものしか得られなかった。
【0033】
【実施例4】B群として、Y字型の吐出孔を有する吐出
孔のスリット幅が0.10mm、ランド長が0.10mm、
ホール数36ホールの紡糸口金を使用し、一方A群とし
て実施例1と同様の紡糸口金を使用し、表1記載の条件
で捲きとった。結果を表1に示す。B群は3角断面であ
るためにより一層絹調のシャリ感のある風合が発現し、
嵩高が有りしかも、実施例3以上に柔らかく・ドレープ
性に優れた製品が得られた。
【0034】
【実施例5】加熱筒の設定温度を100℃とする以外は
実施例1と同様にした。結果は表1に示す。上記実施例
1とは逆の伸度、配向度を有するものが得られるが、シ
ャッターを設けた方が充分に配向していて沸水収縮率が
非常に高いので、他方のフィラメントが繊維表面に張り
出して優れた嵩高性を示す。
【0035】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる紡糸設備の一例を示す概略
図である。
【図2】本発明で用いられる加熱筒の一例を示す拡大概
略図である。
【符号の説明】
1. 溶融紡糸口金 2. 糸条 2A.低収縮糸群 2B.高収縮糸群 3. 紡糸冷却筒 4. 再加熱装置の加熱円筒 5. 再加熱装置(熱媒式加熱) 6. 糸条出口 6A.低収縮糸用出口 6B.高収縮糸用出口 7. 油剤付与装置 8. インターレース・ノズル(先交絡) 9. 引取ローラー 10.引取ローラー 11.インターレース・ノズル(後交絡) 12.ワインダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D01F 6/62 303 D01F 6/62 303K (56)参考文献 特開 昭61−55225(JP,A) 特開 平4−119134(JP,A) 特開 平3−82842(JP,A) 特開 昭62−191511(JP,A) 特開 平6−212523(JP,A) 特開 昭61−252311(JP,A) 特開 昭63−12714(JP,A) 特開 平4−100932(JP,A) 特許3095942(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D01F 6/00 - 6/96 D01D 1/00 - 13/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルを溶融して紡糸口金より吐
    出した複数のフィラメント群を一旦冷却した後、夫々加
    熱筒を通して異なる熱処理を施し、次いで3500m/
    分以上5500m/分以下の速度で引取った後合糸混繊
    して異収縮混繊糸を製造するに際し、一方のフィラメン
    ト群はフィラメント群出口側が開放された加熱筒を通
    し、他方のフィラメント群はフィラメント群出口側がシ
    ャッターにより絞られた加熱筒を通すことを特徴とする
    異収縮混繊糸の製造方法。
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