JP3219370B2 - 部材の結合構造 - Google Patents

部材の結合構造

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JP3219370B2
JP3219370B2 JP09142996A JP9142996A JP3219370B2 JP 3219370 B2 JP3219370 B2 JP 3219370B2 JP 09142996 A JP09142996 A JP 09142996A JP 9142996 A JP9142996 A JP 9142996A JP 3219370 B2 JP3219370 B2 JP 3219370B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車その他の車
両やコンテナあるいは倉庫等に用いられる部材の結合構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の部材の結合構造としては、例え
ば、図9,10,11に示すような結合構造が知られて
いる。
【0003】図の結合構造は、パネル部材20,30
どうしの結合構造であって、一方のパネル部材20に
は、パネル押出方向全長に亘って係止凹部20aが端部
に設けられ、他方のパネル部材30には、パネル押出方
向全長に亘って係止凸部30aが端部に設けられてお
り、前記係止凹部20aと前記係止凸部30aとを嵌合
させた構造になっている。
【0004】また、前記係止凸部30aの内側面と前記
係止凹部20aとの間には、両者に形成された溝を符合
させてパネル押出方向に結合用孔40が形成されてお
り、この結合用孔40の両端部に結合ピン50が圧入さ
れている。つまり、結合ピン50を結合用孔40の端部
から圧入して、両パネル部材20,30の結合を行うよ
うにしている。なお、係止凹部20a,係止凸部30
a,結合用孔40,結合ピン50は、パネルの表側と裏
側の2箇所に設けられている(なお、以上の技術につい
ては、実開昭61−155272号公報参照のこと)。
【0005】図10に示す結合構造は、パネル部材0
1,02どうしの結合構造であって、両パネル部材0
1,02には、パネル押出方向全長に亘って横断面略L
字形の係合凸部03,04,05,06が、互いに嵌め
込まれる関係に設けられ、一方のパネル部材01には、
他方のパネル部材02に向いて延びる突条07が、前記
係合凸部03から内方に離間して設けられている。ま
た、前記係合凸部03,04,05,06を嵌めた状態
で係合凸部05と前記突条07との間に形成された結合
用孔40の両端部に楔部材51を結合用孔40の端部か
ら圧入して前記係合凸部03,04,05,06の係合
を行うようにしている(なお、以上の技術については、
特開平7−113407号公報参照のこと)。
【0006】図11に示す結合構造は、ウイング車の屋
根に使用される屋根用パネル部材60と側壁に使用され
る壁用パネル部材70とを略直角に連結するための連結
部材80,90どうしの結合構造であって、前記連結部
材80,90は、車体前後方向に長尺状に形成され、長
尺方向に押出成形されており、前記屋根用パネル部材6
0の端部と前記壁用パネル部材70の端部にそれぞれ装
着されている。また、屋根用パネル部材60側の連結部
材80には、押出方向全長に亘って係止凹部80aが端
部に設けられ、壁用パネル部材70側の連結部材90に
は、押出方向全長に亘って係止凸部90aが設けられて
いて、これら係止凹部80aと係止凸部90aとを互い
に係合させた構造になっている。
【0007】また、前記係止凸部90aの内側面と係止
凹部80aとの間には、前記図の従来技術同様、両者
に形成された溝を符合させてパネル押出方向に結合用孔
40が形成されており、この結合用孔40の両端部に結
合ピン50が圧入された構造になっている。つまり、結
合ピン50を結合用孔40の端部から圧入させて、両連
結部材80,90の結合を行うようにしている。なお、
係止凹部80a,係止凸部90a,結合用孔40,結合
ピン50は、パネルの表側と裏側の2箇所に設けられて
いる。更に、この結合構造は、屋根用パネル部材60側
の連結部材80に、屋根用パネル部材60の室内側の面
に沿って延在する突出片80bが設けられ、壁用パネル
部材70側の連結部材90にも、前記突出片80bの下
に重なる突出片90bが設けられており、これらの突出
片80b,90bは、屋根用パネル部材60を共締めす
る形で締結部材B,Nによって締結固定された構造にな
っている(なお、以上の技術については実開昭62−8
8622号公報、実開平3−52225号公報、実開平
5−35562号公報参照のこと)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の結合構造にあっては、上記したいずれの構造におい
ても、パネル部材間あるいは連結部材間に設けられてい
る結合用孔の両端部に結合ピンまたは楔部材を圧入する
作業によって部材を結合できるものの、前記結合用孔
は、部材の内側に隠れていて部材の端面にしか開口して
いないので作業性が悪いものである。すなわち、押出方
向が上下方向になるように部材を立てた状態で結合ピン
または楔部材の打ち込み作業を行う場合には、結合用孔
の一端部に結合ピンまたは楔部材を打ち込んだ後に、部
材を上下方向に180度動かさなければならないし、押
出方向が横向きになるように部材を立てた状態、あるい
は、部材を寝かせた状態で結合ピンまたは楔部材の打ち
込み作業を行う場合でも、打ち込む反対側の部材端を支
持固定しなければならず、さらに結合用孔の一端部に結
合ピンまたは楔部材を打ち込んだ後に、部材を横方向に
180度動かすか、作業者が部材の端から端まで移動す
るかしなければならない。
【0009】また、結合用孔の両端部にしか結合ピンま
たは楔部材を設けることができないので、結合強度上、
結合ピンまたは楔部材どうしの間隔が広くなり過ぎない
ようにパネル部材あるいは連結部材の寸法を設定する必
要があり構造が制約される。その他、結合ピンまたは楔
部材を打ち込むまでパネル部材の端面あるいは連結部材
の端面が塞がらないような作業手順としなければならな
いので、作業手順が制約されるという問題があった。
【0010】そこで、本発明は、上記のような問題に着
目し、作業性がよく、構造ならびに作業手順の制約が少
なく、しかも、高い結合強度を確保できる部材の結合構
造を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的達成のため、
請求項1記載の発明では、押出成形により柱状に形成さ
れた連結骨格部材の端部に、室内外を区画するための一
対のパネル部材の端部を挿入可能な一対の凹部が押出方
向全長に亘って形成され、凹部内側面の一方には
記パネル部材の端部挿入状態において凹部の開口端に向
けて拡幅した隙間を形成するテーパが形成され、前記
結骨格部材の凹部に前記パネル部材の端部を挿入させ
て、このパネル部材の側面と前記凹部のテーパを有した
内側面との間に形成された隙間に楔部材を圧入させて結
合した結合構造とした。
【0012】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
部材の結合構造において、前記連結骨格部材は、相互に
略90度異なる向きに開口した一対の凹部と、これら一
対の凹部の外側面を形成する板状の外壁部と、前記一対
の凹部の内側面を形成する板状の内壁部と、前記外壁部
と内壁部を結合するとともに、各凹部の底面を形成する
2枚の板状の第1補強リブと、前記内壁部において凹部
を形成する部位を連結する第2補強リブと、を備え、前
記外壁部において凹部を形成する部位の内側面に、前記
パネル部材と当接してシールを行うシールパッキンが装
着され、前記テーパが、前記内壁部において凹部を形成
する部位の内側面に形成され、前記第1補強リブの凹部
側には突条が押出方向に形成されている結合構造とし
た。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
部材の結合構造において、前記連結骨格部材が車両の前
あるいは後壁と側壁とのコーナ部に立設するピラーであ
る一方、前記一対のパネル部材が前あるいは後壁用パネ
ル部材と側壁用パネル部材である結合構造とした。
【0014】請求項4記載の発明では、請求項2記載の
部材の結合構造において、前記連結骨格部材が車両のル
ーフと側壁とのコーナ部に前後方向に延在されるルーフ
サイドレールである一方、前記一対のパネル部材が屋根
用パネル部材と側壁用パネル部材である結合構造とし
た。
【0015】請求項5記載の発明では、請求項記載の
部材の結合構造において、前記連結骨格部材が車両の側
壁の途中に立設されるピラーである一方、前記一対のパ
ネル部材がそれぞれ側壁用パネル部材であり、前記ピラ
ーに形成された一対の凹部が相互に180度異なる向き
に開口している結合構造とした。
【0016】
【作用】請求項1記載の部材の結合構造では、次の手順
により施工を行うことができる。まず、連結骨格部材の
一対の凹部にそれぞれパネル部材の端部を挿入し、その
後、前記凹部のテーパを有する内側面と、凹部に挿入
させたパネル部材の端部との間の隙間に楔部材を打ち込
んで圧入する。つまり、連結骨格部材とパネル部材とを
結合させるにあたり、楔部材は、両部材の全長に亘って
形成されている隙間に打ち込むことになるため、長尺状
の楔部材を隙間の全長に亘って設けたり、あるいは、短
冊状の楔部材を任意の間隔で任意の個数設けたりするこ
とができ、それにより高い結合強度を確保することがで
きる。しかも、楔部材の打ち込み作業は、両部材の一方
の側面側から行うことができるので、部材を動かしたり
する必要がない。また、高い結合強度が確保できるよう
になることによって、部材の寸法設定の許容範囲が拡が
るので、構造上の制約が少なくなる。また、楔部材の打
ち込み作業を、部材の一方の側面側から行うことができ
るので、従来のように楔部材の打ち込み作業が終わるま
で部材の端面を開放しておく必要がない分だけ部材を箱
形に組み立てていく時等の作業手順の制約も少なくな
る。
【0017】このように、連結骨格部材と一対のパネル
部材とが結合でき、連結骨格部材を介して連結した一対
のパネル部材により室内外を区画する。この時、一方の
パネル部材と連結骨格部材とを結合するための楔部材を
打ち込む作業、ならびに、他方のパネル部材と連結骨格
部材とを結合するための楔部材を打ち込む作業は、それ
ぞれ室内側あるいは室外側の一方の側の空間から行うこ
とができる。
【0018】請求項2記載の部材の結合構造では、パネ
ル部材の端部を凹部に挿入し、次に、連結骨格部材の内
壁部とパネル部材との間に形成された隙間に楔部材を
ち込む。したがって、楔部材の打ち込み作業がパネル部
材に対して内側からの作業となるため、作業性に優れ
る。また、外側にあっては、外壁部とパネル部材との間
でシールパッキンによりシールされ、楔部材を打ち込む
隙間は、内側に形成されるから、シール性に優れるもの
であり、特に、凹部のテーパとの間に形成された隙間に
楔部材を圧入させた時に、その圧力が、パネル部材が凹
部に装着したシールパッキンを圧縮する方向に作用する
ため、より高いシール性が得られる。さらに、外壁部と
内壁部とを第1補強リブにより連結するとともに、内壁
部どうしを第2補強リブにより連結した構成としたた
め、パネル部材からの凹部を口開きするような入力に対
して高い強度が得られる。請求項3記載の部材の結合構
造では、車両の前あるいは後壁と側壁とのコーナ部に立
設するピラーの一対の凹部の一方に、前あるいは後壁用
パネル部材の端部を挿入し、凹部の他方に側壁用パネル
部材の端部を挿入し、さらに、凹部のテーパと各パネル
部材との間の隙間に楔部材を打ち込む。これにより、前
あるいは後壁用パネル部材と側壁用パネルとが略90度
の角度で連結されて、室内空間が形成される。
【0019】請求項4記載の部材の結合構造では、車両
のルーフと側壁とのコーナ部に前後方向に延在されるル
ーフサイドレールの一対の凹部の一方に、屋根用パネル
部材の端部を挿入し、凹部の他方に側壁用パネル部材の
端部を挿入し、さらに、凹部のテーパと各パネル部材と
の間の隙間に楔部材を打ち込む。これにより、屋根用パ
ネル部材と側壁用パネルとが略90度の角度で連結され
て、室内空間が形成される。
【0020】請求項5記載の部材の結合構造では、車両
の側壁の途中に立設されるピラーの一対の凹部のそれぞ
れに、側壁用パネル部材の端部を挿入し、さらに、凹部
のテーパと各パネル部材との間の隙間に楔部材を打ち込
む。これにより、一対の側壁用パネルとが180度の角
度に、すなわち一直線上に連結されて室内空間が形成さ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、実施の形態1の部材の結合
構造について詳述する。図1は実施の形態1の部材の結
合構造を示す横断面図であり、図中1は車体の前面の壁
を構成している前壁用パネル部材、2は車体の側面の壁
を構成している側壁用パネル部材、4は車体の前面の壁
と側面の壁との間のコーナ部に設けられているピラーで
ある。このピラー4に、前記前壁用パネル部材1と前記
側壁用パネル部材2が結合されている。
【0022】前記前壁用パネル部材1ならびに前記側壁
用パネル部材2はアルミニウムの中空押出成形材であっ
て、押出方向が車体の幅方向または前後方向になるよう
に設けられている。また、これら前壁用パネル部材1な
らびに側壁用パネル部材2は、車室内側に配置される内
壁部11,21と、車室外側に配置される外壁部12,
22とを有し一体に形成されている。前記ピラー4は、
車体上下方向に長い長尺形状に形成されており、長尺方
向に押出成形されたアルミニウムの中空押出成形材であ
る。このピラー4は、90度に屈曲した略L字形の内壁
部41と、90度の円弧を描いて湾曲した曲面を有する
外壁部42と、前記内壁部41と前記外壁部42との間
に設けられている第1補強リブ43と、前記内壁部41
の車室内側に内壁部41に対して略45度の傾斜角度で
設けられた第2補強リブ44を有している。また、この
ピラー4は、前壁側端部ならびに側壁側端部のそれぞれ
に、上記の内壁部41と外壁部42と第1補強リブ43
とで囲まれた凹部45が車体上下方向すなわちピラー4
の押出方向全長に亘って形成されている。前記一対の凹
部45,45は、互いに90度異なる向きに開口してお
り、一方の凹部45には前記前壁用パネル部材1の側端
部が挿入され、他方の凹部45には前記側壁用パネル部
材2の前端部が挿入されている。前記一対の凹部45,
45は、車室内側すなわち内壁部41側の内側面45a
が、前壁用パネル部材1の側端部ならびに側壁用パネル
部材2の前端部の間に、凹部45の開口端に向けて拡幅
した隙間を形成するべくテーパを有しており、車室外側
の内側面すなわち外壁部42側の内側面45bに、2本
の溝46が押出方向全長に亘って互いに平行に形成され
ており、底面すなわち第1補強リブ43の中央に、突条
47が押出方向全長に亘って形成されている。前記ピラ
ー4の内壁部41と前壁用パネル部材1の側端部の内壁
部11との間の隙間ならびに前記ピラー4の内壁部41
と側壁用パネル部材2の前端部の内壁部21との間の隙
間のそれぞれには楔部材5が圧入され、前記溝46のそ
れぞれにはシールパッキンp2,p2が装着されてい
る。なお、両補強リブ43,44および内壁部41は、
ピラー4の上下端の一方の端あるいは両方の端が、他の
部材との結合関係で一部切り欠かれる場合もある。
【0023】前記楔部材5は、凹部45の内側面45a
に対応したテーパを側面に有し、この内側面45aと前
壁用パネル部材1の内壁部11(車室内側面)の間、あ
るいは、凹部45の内側面45aと側壁用パネル部材2
の内側部21(車室内側面)の間に圧入され、両パネル
部材1,2を嵌着している。
【0024】次に、図2に基づいて、前記ピラー4と前
記前壁用パネル部材1ならびに前記側壁用パネル部材2
とを結合させる時の施工手順について説明する。まず、
ピラー4の側壁側の凹部45の各溝46にそれぞれシー
ルパッキンp2を装着して、図2に実線で示したよう
に、側壁用パネル部材2の前端部をピラー4の凹部45
に前記シールパッキンp2と干渉しないように凹部45
の内側面45aのテーパに沿って挿入する。そして、図
2に二点鎖線で示したように、前記シールパッキンp2
を圧縮する方向すなわち矢印C方向に側壁用パネル部材
2を動かし、ピラー4の凹部45の内側面45aと側壁
用パネル部材2の内壁部21との間にできた隙間に楔部
材5を打ち込んで圧入する。次に、同様にして、ピラー
4の前壁側の凹部45の各溝46にシールパッキンp2
を装着し、前壁用パネル部材1の側端部をピラー4の凹
部45に前記シールパッキンp2と干渉しないように凹
部45の内側面45aのテーパに沿って挿入し、前記シ
ールパッキンp2を圧縮する方向に前壁用パネル部材1
を動かし、ピラー4の凹部45の内側面45aと前壁用
パネル部材1の内壁部11との間にできた隙間に楔部材
5を打ち込んで圧入する。これにより、前壁用パネル部
材1と側壁用パネル部材2とをピラー4を介して直角に
結合することができる。なお、前壁用パネル部材1とピ
ラー4とを結合させる作業は、側壁用パネル部材2とピ
ラー4とを結合させる作業よりも前に行ってもよい。ま
た、楔部材5は、最初仮止め状態にしておき、前壁用パ
ネル部材1と側壁用パネル部材2を両方ピラー4に挿入
接続させた後に、本格的に打ち込むようにしてもよい。
また、楔部材5は、図において前壁用パネル部材1の取
り付け状態として示しているように、外側部42側の内
側面45bとの間に圧入してもよい。
【0025】いずれにしても楔部材5は、ピラー4の押
出方向全長に亘って形成されている隙間に打ち込むこと
になるため、長尺状の楔部材5を隙間の全長に亘って設
けたり、あるいは、短冊状の楔部材5を任意の間隔で任
意の個数設けたりすることができ、それにより高い結合
強度を確保することができる。しかも、楔部材5の打ち
込み作業は、前壁用パネル部材1と側壁用パネル部材2
の車室内側の側面側から行うことができるので、前壁用
パネル部材1ならびに側壁用パネル部材2を動かしたり
する必要がなく、作業性がよい。また、高い結合強度が
確保できるようになることによって、前壁用パネル部材
1ならびに側壁用パネル部材2の寸法(長さ)設定の許
容範囲が拡がるので、構造上の制約が少なくなる。ま
た、楔部材5の打ち込み作業を、前壁用パネル部材1な
らびに側壁用パネル部材2の車室内側の側面側から行う
ことができるので、従来のように楔部材5の打ち込み作
業が終わるまで前壁用パネル部材1ならびに側壁用パネ
ル部材2の端面を開放しておく必要がない分だけ、前壁
用パネル部材1と側壁用パネル部材2を結合していく時
等の作業手順の制約も少なくなる。さらに、ピラー4
は、内壁部41の車室内側に設けられている第2補強リ
ブ44の補強効果により、楔部材5を圧入したときの圧
力によって内壁部41が車室内側に開いて変形するのが
防止される。また、楔部材5を圧入したときの圧力がシ
ールパッキンp2を圧縮する方向に有効に作用し、前壁
用パネル部材1とピラー4、ならびに、側壁用パネル部
材2とピラー4間に高いシール性を確保することができ
る。
【0026】次に、実施の形態2の部材の結合構造につ
いて詳述する。実施の形態2を説明するにあたり、実施
の形態1と同一の構成については実施の形態1と同一符
号を図面に付して説明を省略する。図3は実施の形態2
の部材の結合構造を示す縦断面図であり、図中201は
車体の屋根を構成している屋根用パネル部材、3,20
2は車体の側壁を構成している側壁用パネル部材、20
4は車体の屋根と側壁との間のコーナ部に設けられてい
るルーフサイドレールである。このルーフサイドレール
204に、前記屋根用パネル部材201と前記側壁用パ
ネル部材202とが結合されている。
【0027】前記屋根用パネル部材201ならびに前記
側壁用パネル部材3,202は、アルミニウムの中空押
出成形材であって、押出方向が車体前後方向になるよう
に設けられている。また、これら屋根用パネル部材20
1ならびに側壁用パネル部材202,3は、それぞれ車
室内側に配置される内壁部11,21,31と、車室外
側に配置される外壁部12,22,32と、側端部に設
けられている側壁部13,23,33とをそれぞれ有し
ていて一定の厚さに形成されている。前記側壁用パネル
部材202,3は、上下に並設されており、上側の側壁
用パネル部材202の下端部には、内壁部21の延長上
に室内側突出片24が設けられていると共に、外壁部2
2の延長上に室外側突出片25が設けられ、さらに、前
記室内側突出片24と室外側突出片25との間の室外側
突出片25寄りの位置には中間突出片26が設けられて
いる。前記室内側突出片24の先端には車室外側を向い
た係止爪27が設けられ、前記中間突出片26の先端に
は車室外側を向いた屈曲片28が設けられている。ま
た、前記室外側突出片25は、前記中間突出片26より
も突出寸法が短く形成されている。一方、下側の側壁用
パネル部材3の上端部には、内壁部31の延長上に室内
側突出片34が設けられていると共に、外壁部32の延
長状に室外側突出片35が設けられ、さらに、前記室内
側突出片34の先端には車室内側を向いた係止爪36が
設けられ、前記室外側突出片35の先端には車室内側に
L字形に折れたL形屈曲片37が設けられ、前記室外側
突出片35の中間部の車室内側には突条38が設けられ
ている。
【0028】図4は、これらの側壁用パネル部材20
2,3どうしを結合させる時の施工手順を示している。
この図に基づいて、その手順を説明すると、まず、
(イ)に示すように、上側の側壁用パネル部材202の
室外側突出片25と中間突出片26との間にシールパッ
キンp1を嵌め込む。この時、シールパッキンp1は接
着しない。次に、(ロ)に示すように、下側の側壁用パ
ネル部材3のL形屈曲片37を上側の側壁用パネル20
2の室外側突出片25と中間突出片26との間に斜めに
挿入してシールパッキンp1に当て、そのままシールパ
ッキンp1を車室外側に押しやるようにして矢印A方向
に動かし、(ハ)に示すように、前記突条38を上側の
側壁用パネル部材202の屈曲片28に係止させると共
に、前記係止爪36を上側の側壁用パネル部材2の係止
爪27に係止させる。これにより、シールパッキンp1
が上側の側壁用パネル部材202の室外側突出片25と
下側の側壁用パネル部材3のL形屈曲片37との間で嵌
着されるので、この部分のシールが確実に行える。ま
た、上側の側壁用パネル部材202と下側の側壁用パネ
ル部材3は、板厚方向すなわち矢印B方向のがたつきが
防止された状態で結合されるものである。
【0029】次に、図5〜図に基づいて実施の形態3
について説明する。なお、実施の形態3〜を説明
するにあたり、実施の形態1および2と同一の構成につ
いては、実施の形態1および2と同一の符号を図面に付
して説明を省略する。図5は実施の形態3の部材の結合
構造を示す横断面図で、この結合構造では、ピラー4a
の断面形状が実施の形態1と異なっており、ピラー4a
の外壁部42aに、曲面の代わりに、凹部45の奥行き
方向に対して45度の角度を有する傾斜面が設けられて
いる。更に、前記ピラー4aの車室外側側面には、シー
ルパッキンp2が装着されている溝46と対応する位置
に、断面半円状の突条48が模様となるように押出方向
全長に亘って設けられている。これにより、車体の外観
を損なうことなく、溝46の部分が他の部分の肉厚より
も薄くならないようにしている。
【0030】図6は実施の形態4の部材の結合構造を示
す横断面図で、この結合構造では、ピラー4bの断面形
状が実施の形態1と異なっており、内壁部41の車室内
側に設けられている第2補強リブ44bが湾曲形状に形
成されている。また、ピラー4bの中空部に、第1補強
リブ43どうしを連結する第3補強リブ49aおよび内
壁部41どうしを連結する第4補強リブ49bを追加す
ることで、ピラー4bの曲げ剛性を向上させている。
【0031】図7は実施の形態5の結合構造を示す横断
面図で、この結合構造では、ピラー6が、湾曲コーナ部
を有する外側面61と、車体後方側を向いた側壁側面6
2と、この側壁側面62に対して直角に設けられていて
車体幅方向を向いた前壁側面63とを有していて、側壁
側面62と前記前壁側面63のそれぞれに凹部64,6
5が設けられている。これにより、ピラー6の断面形状
がコンパクトになっている。なお、各凹部64,65の
内側面の一方にテーパが設けられ、他方に溝66,67
が設けられ、各凹部64,65の底面に突条68,69
が設けられている点は実施の形態1と同様である。
【0032】図8は実施の形態6の結合構造を示す横断
面図で、図中7は車体の側壁を構成している側壁用パネ
ル部材、8は中柱として上下方向に設けられていて前記
側壁用パネル部材7,7どうしを連結しているピラーで
ある。前記側壁用パネル部材7は、アルミニウムの中空
押出成形材であって、押出方向が車体前後方向になるよ
うに設けられており、車室内側に配置される内壁部71
と、車室外側に配置される外壁部72とを有していて一
定の厚さに形成されている。前記ピラー8は、車体上下
方向に長い長尺形状に形成されており、長尺方向に押出
成形されたアルミニウムの中空押出成形材である。この
ピラー8は、真っ直ぐな内壁部81ならびに外壁部82
と、これらの間に設けられている一対の補強リブ83,
83とを有しており、左右両側端部のそれぞれに、上記
の内壁部81と外壁部82と補強リブ83とで囲まれた
一対の凹部84が前後に開口を向けて(一対の凹部8
4,84旗外に180度異なる向きに開口)設けられ、
各凹部84,84に前記側壁用パネル部材7の側端部が
挿入されている。また、前記一対の凹部84,84は、
車室内側すなわち内壁部81側の内側面が、前記側壁用
パネル部材7の側端部との間に、凹部84の開口端に向
けて拡幅した隙間を形成するべくテーパを有しており、
車室外側の内側面すなわち外壁部82側の内側面に、溝
85が押出方向全長に亘って2本平行に形成されてお
り、補強リブ83の中央に、凹条86が押出方向全長に
亘って形成されている。そして、前記溝85のそれぞれ
にはシールパッキンp2が装着され、前記凹部84と側
壁用パネル部材7の側端部との間の隙間のそれぞれには
楔部材5が圧入されている。これにより、側壁パネル部
材7,7どうしを真っ直ぐに結合することができる。な
お、前記ピラー8と一対の側壁パネル部材7,7とを結
合させる時の施工手順は、実施の形態1で示したピラー
4と前壁用パネル部材1ならびに側壁用パネル部材2と
を結合させる時の施工手順と同様であるので説明を省略
する。以上、本発明の実施の形態を図面により詳述して
きたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計
の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、前壁用
パネル部材,側壁用パネル部材、屋根用パネル部材は
材質をアルミニウムに限定されるものではない。さら
に、実施の形態では、車体の前壁と側壁との間のコーナ
部に設けられるピラーと前壁用パネル部材ならびに側壁
用パネル部材との結合構造、車体の屋根と側壁との間の
コーナ部に設けられるルーフサイドレールと屋根用パネ
ル部材ならびに側壁用パネル部材との結合構造、車体の
側壁に中柱として上下方向に設けられているピラーと側
壁用パネル部材との結合構造、側壁用パネル部材どうし
の結合構造のそれぞれに適用した例を示したが、車体の
後壁と側壁との間のコーナ部に設けられるピラーと後壁
用パネル部材ならびに側壁用パネル部材との結合構造に
適用してもよい。また、車体に使用される部材の結合構
造のみならず、コンテナや倉庫などに使用される部材の
結合構造に適用してもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明にあっては、押出成形により柱状に形成された連結骨
格部材の端部に全長に亘り形成した一対の凹部に、一対
のパネル部材の端部を挿入し、このパネル部材と凹部の
テーパとの間に形成された隙間に楔部材を圧入させて結
合した構造としたため、楔部材の長さ、間隔、個数を適
宜設定することができ、しかも楔部材の打ち込み作業
を、室内側あるいは室外側の一方の側の空間、すなわち
同じ側の空間から行うことができるので、高い結合強度
を確保することができるとともに作業性に優れるという
効果が得られ、かつ、構造上の制約や作業手順の制約が
少なくなるという効果が得られる。
【0034】また、請求項2記載の発明にあっては、楔
部材の打ち込み作業がパネル部材に対して内側からの作
業となるため、作業性に優れるという効果が得られる。
また、外壁部とパネル部材との間でシールパッキンによ
り外側がシールされ、楔部材を打ち込む隙間は、内側に
形成されるから、シール性に優れるものであり、特に、
凹部のテーパとの間に形成された隙間に楔部材を圧入さ
せた時に、その圧力が、パネル部材が凹部に装着したシ
ールパッキンを圧縮する方向に作用するため、より高い
シール性が得られる。さらに、外壁部と内壁部とを第1
補強リブにより連結するとともに、内壁部どうしを第2
補強リブにより連結した構成としたため、パネル部材か
らの凹部を口開きするような入力に対して高い強度が得
られる。請求項3記載の発明にあっては、車体の前ある
いは後壁と側壁とのコーナ部に立設するピラーに、凹部
を略90度異なる向きに形成し、各凹部に前あるいは後
壁用パネル部材と側壁用パネル部材を結合する構造とし
たため、前あるいは後壁用パネル部材と側壁用パネル部
材とをピラーに略直角に結合する作業を室内側から効率
よく行うことができるという効果が得られる。
【0035】請求項4記載の発明にあっては、車体のル
ーフと側壁とのコーナ部に前後方向に延在されるルーフ
レールに、凹部を略90度異なる向きに形成し、各凹部
に屋根用パネル部材と側壁用パネル部材とを結合させる
構造としたため、屋根用パネル部材と側壁用パネル部材
とをルーフサイドレールに略直角に結合する作業を室内
側から効率よく行うことができるという効果が得られ
る。
【0036】請求項5記載の発明にあっては、車体の側
壁の途中に立設されるピラーに、凹部を180度異なる
向きに形成し、各凹部に側壁用パネル部材を結合させる
構造としたため、側壁用パネル部材を同一直線上に並べ
て結合する作業を室内側から効率よく行うことができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の部材の結合構造を示す横断面図
である。
【図2】実施の形態1の結合作業の説明図である。
【図3】実施の形態2を示す縦断面図である。
【図4】実施の形態2の結合作業の説明図である。
【図5】実施の形態3を示す横断面図である。
【図6】実施の形態4を示す横断面図である。
【図7】実施の形態5を示す横断面図である。
【図8】実施の形態6を示す縦断面図である。
【図9】従来技術を示す縦断面図である。
【図10】従来技術を示す縦断面図である。
【図11】従来技術を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 前壁用パネル部材 2 側壁用パネル部材 3 側壁用パネル部材 4 ピラー(連結骨格部材) 41 内壁部 42 外壁部 43 第1補強リブ 44 第2補強リブ 45 凹部46 溝 47 突条 5 楔部材 6 ピラー(連結骨格部材) 64 凹部 65 凹部 7 側壁用パネル部材 8 ピラー 84 凹部 9 側壁用パネル部材 10 側壁パネル部材 100 凹部 201 屋根用パネル部材 202 側壁用パネル部材 204 ルーフサイドレール(連結骨格部材)p2 シールパッキン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭55−94311(JP,U) 実開 平6−32185(JP,U) 実開 平6−42356(JP,U) 実開 平4−31674(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 5/00 - 5/12 F16B 12/32 B62D 33/04 E04B 1/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出成形により柱状に形成された連結骨
    格部材の端部に、室内外を区画するための一対のパネル
    部材の端部を挿入可能な一対の凹部が押出方向全長に亘
    って形成され、 凹部内側面の一方には前記パネル部材の端部挿入状
    態において凹部の開口端に向けて拡幅した隙間を形成す
    るテーパが形成され、 前記連結骨格部材の凹部に前記パネル部材の端部を挿入
    させて、このパネル部材の側面と前記凹部のテーパを有
    した内側面との間に形成された隙間に楔部材を圧入させ
    て結合したことを特徴とする部材の結合構造。
  2. 【請求項2】 前記連結骨格部材は、相互に略90度異
    なる向きに開口した一対の凹部と、これら一対の凹部の
    外側面を形成する板状の外壁部と、前記一対の凹部の内
    側面を形成する板状の内壁部と、前記外壁部と内壁部を
    結合するとともに、各凹部の底面を形成する2枚の板状
    の第1補強リブと、前記内壁部において凹部を形成する
    部位を連結する第2補強リブと、を備え、 前記外壁部において凹部を形成する部位の内側面に、前
    記パネル部材と当接してシールを行うシールパッキンが
    装着され、 前記テーパが、前記内壁部において凹部を形成する部位
    の内側面に形成され、 前記第1補強リブの凹部側には突条が押出方向に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の部材の結合構
    造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の部材の結合構造におい
    て、 前記連結骨格部材が車両の前あるいは後壁と側壁とのコ
    ーナ部に立設するピラーである一方、前記一対のパネル
    部材が前あるいは後壁用パネル部材と側壁用パネル部材
    あることを特徴とする部材の結合構造。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の部材の結合構造におい
    て、 前記連結骨格部材が車両のルーフと側壁とのコーナ部に
    前後方向に延在されるルーフサイドレールである一方、
    前記一対のパネル部材が屋根用パネル部材と側壁用パネ
    ル部材であることを特徴とする部材の結合構造。
  5. 【請求項5】 請求項記載の部材の結合構造におい
    て、 前記連結骨格部材が車両の側壁の途中に立設されるピラ
    ーである一方、前記一対のパネル部材がそれぞれ側壁用
    パネル部材であり、 前記ピラーに形成された一対の凹部が相互に180度異
    なる向きに開口していることを特徴とする部材の結合構
    造。
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