JP3216341B2 - 貴金属めっきの製造方法 - Google Patents
貴金属めっきの製造方法Info
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- JP3216341B2 JP3216341B2 JP18438793A JP18438793A JP3216341B2 JP 3216341 B2 JP3216341 B2 JP 3216341B2 JP 18438793 A JP18438793 A JP 18438793A JP 18438793 A JP18438793 A JP 18438793A JP 3216341 B2 JP3216341 B2 JP 3216341B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性の高い貴金属め
っきの製造方法に関するものである。
っきの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、装飾を目的として各種のめっきが
行われているが、特に、金、白金、パラジウム、ロジウ
ム、ルテニウム等の貴金属を基材、あるいは電気ニッケ
ルめっき層上に形成した場合、貴金属の有している電位
が貴な電位(標準電極電位が水素を0とし、それより+
側にある電位を貴な電位という)であるため、基材また
は電気ニッケルめっき層との間に電位差が生じ、電気化
学的な腐食が発生してしまう問題があった。又、筆記具
や化粧品などのインキや化粧料を含む製品においては、
貴金属めっきを処理した部品とこれらの内容物とが接触
することが多く、このような場合、これら内容物が電解
質となり、より電気化学的な腐食が促進されてしまう。
行われているが、特に、金、白金、パラジウム、ロジウ
ム、ルテニウム等の貴金属を基材、あるいは電気ニッケ
ルめっき層上に形成した場合、貴金属の有している電位
が貴な電位(標準電極電位が水素を0とし、それより+
側にある電位を貴な電位という)であるため、基材また
は電気ニッケルめっき層との間に電位差が生じ、電気化
学的な腐食が発生してしまう問題があった。又、筆記具
や化粧品などのインキや化粧料を含む製品においては、
貴金属めっきを処理した部品とこれらの内容物とが接触
することが多く、このような場合、これら内容物が電解
質となり、より電気化学的な腐食が促進されてしまう。
【0003】これら電気化学的な腐食の問題を解決する
ために、従来技術では、貴金属と基材あるいは電気ニッ
ケルめっき層との間に、電位が中間に位置する金属をめ
っきにより形成している。その方法としては、パラジウ
ム−ニッケル合金めっき層を設ける方法と、特開平3−
229891号に開示されているニッケル−リン合金め
っき層を用いる方法とが知られている。
ために、従来技術では、貴金属と基材あるいは電気ニッ
ケルめっき層との間に、電位が中間に位置する金属をめ
っきにより形成している。その方法としては、パラジウ
ム−ニッケル合金めっき層を設ける方法と、特開平3−
229891号に開示されているニッケル−リン合金め
っき層を用いる方法とが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、パラジウム
−ニッケル合金めっき層を設ける方法においては、耐食
性を向上させるために、パラジウム−ニッケル合金めっ
き層を厚くする必要があり、コストの点で問題があっ
た。
−ニッケル合金めっき層を設ける方法においては、耐食
性を向上させるために、パラジウム−ニッケル合金めっ
き層を厚くする必要があり、コストの点で問題があっ
た。
【0005】又、ニッケル−リン合金めっき層を用いる
方法は、具体的には、基材上に低リン含有量(8〜9
%)の無電解ニッケル−リン合金めっき層と、高リン含
有量(10〜13%)のニッケル−リン電気めっき層の
2層のめっき層を設けものであり、耐食性とコストの両
方の問題を解消せんとするものであるが、この方法にお
いてはニッケル−リン合金めっき層を形成させるため
に、2種類のめっき液を用いるため工程が煩雑となる。
又、一般に低リン含有タイプのニッケル−リン合金めっ
き液は、リン供給源として次亜リン酸または次亜リン酸
塩を、高リン含有タイプは亜リン酸または亜リン酸塩を
用いている。このようにめっき液組成の異なる2種類の
めっき液を使用した場合、次亜リン酸または次亜リン酸
塩が高リン含有タイプのめっき液中に徐々に混入し、p
Hの上昇などのめっき液組成の変動に伴い、リン含有量
の低下、耐食性の低下などの問題が生じる。
方法は、具体的には、基材上に低リン含有量(8〜9
%)の無電解ニッケル−リン合金めっき層と、高リン含
有量(10〜13%)のニッケル−リン電気めっき層の
2層のめっき層を設けものであり、耐食性とコストの両
方の問題を解消せんとするものであるが、この方法にお
いてはニッケル−リン合金めっき層を形成させるため
に、2種類のめっき液を用いるため工程が煩雑となる。
又、一般に低リン含有タイプのニッケル−リン合金めっ
き液は、リン供給源として次亜リン酸または次亜リン酸
塩を、高リン含有タイプは亜リン酸または亜リン酸塩を
用いている。このようにめっき液組成の異なる2種類の
めっき液を使用した場合、次亜リン酸または次亜リン酸
塩が高リン含有タイプのめっき液中に徐々に混入し、p
Hの上昇などのめっき液組成の変動に伴い、リン含有量
の低下、耐食性の低下などの問題が生じる。
【0006】更に、装飾を目的とするものにおいては、
基材表面の調整が外観特性において重要となる。一般に
光沢の表面を要求する場合は、光沢ニッケルめっきを基
材表面に形成させ、ブラストや梨地などの表面を要求す
る場合には、半光沢ニッケルめっきを形成させる。この
ように基材表面に電気ニッケルめっき層を形成すること
により外観特性は向上する。しかし電気ニッケルめっき
層上にニッケル−リン合金めっき層を形成させようとし
た場合、特に高リン含有量タイプを用いた場合は、密着
性が低く、層間剥離が発生してしまう問題があった。
又、万年筆などの製品においては、インキとの接触部品
として、密着性及び層間剥離の問題から低リン含有量タ
イプのニッケル−リン合金めっきを用いているが、電気
化学的な腐食が発生する。
基材表面の調整が外観特性において重要となる。一般に
光沢の表面を要求する場合は、光沢ニッケルめっきを基
材表面に形成させ、ブラストや梨地などの表面を要求す
る場合には、半光沢ニッケルめっきを形成させる。この
ように基材表面に電気ニッケルめっき層を形成すること
により外観特性は向上する。しかし電気ニッケルめっき
層上にニッケル−リン合金めっき層を形成させようとし
た場合、特に高リン含有量タイプを用いた場合は、密着
性が低く、層間剥離が発生してしまう問題があった。
又、万年筆などの製品においては、インキとの接触部品
として、密着性及び層間剥離の問題から低リン含有量タ
イプのニッケル−リン合金めっきを用いているが、電気
化学的な腐食が発生する。
【0007】以上のように、従来技術にあっては、未だ
耐食性の高い貴金属めっきは得られていない。
耐食性の高い貴金属めっきは得られていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、前記問
題に鑑みなされたものであり、基材上に、電気ニッケル
めっきを施す工程と、その上層部にリン供給源として亜
リン酸または亜リン酸塩を用いるニッケル−リン合金め
っき液中で、初期電流密度として8〜20A/dm2の
高電流密度で処理し、続けて7A/dm2以下の電流密
度で処理する工程と、その上層部に貴金属めっき層を形
成する工程を有する貴金属めっきの製造方法を要旨とす
るものである。
題に鑑みなされたものであり、基材上に、電気ニッケル
めっきを施す工程と、その上層部にリン供給源として亜
リン酸または亜リン酸塩を用いるニッケル−リン合金め
っき液中で、初期電流密度として8〜20A/dm2の
高電流密度で処理し、続けて7A/dm2以下の電流密
度で処理する工程と、その上層部に貴金属めっき層を形
成する工程を有する貴金属めっきの製造方法を要旨とす
るものである。
【0009】即ち、本発明は、電気ニッケルめっき層と
ニッケル−リン合金めっき層との密着性を向上させるた
めに、高リン含有タイプ(リン供給源として亜リン酸ま
たは亜リン酸塩を用いたもの)のニッケル−リン合金め
っき液のみを用いて、ニッケル−リン合金めっき層の初
期析出時に8〜20A/dm2の高電流密度で処理する
ことによりニッケル表面がカソーディックとなり、且
つ、多量の還元性水素を発生するために活性化し、続け
て7A/dm2以下の電流密度で処理することによりリ
ン含有量を上げ、耐食性を高めんとしたものである。
ニッケル−リン合金めっき層との密着性を向上させるた
めに、高リン含有タイプ(リン供給源として亜リン酸ま
たは亜リン酸塩を用いたもの)のニッケル−リン合金め
っき液のみを用いて、ニッケル−リン合金めっき層の初
期析出時に8〜20A/dm2の高電流密度で処理する
ことによりニッケル表面がカソーディックとなり、且
つ、多量の還元性水素を発生するために活性化し、続け
て7A/dm2以下の電流密度で処理することによりリ
ン含有量を上げ、耐食性を高めんとしたものである。
【0010】被処理物となる基材は、銅、銅合金、鉄、
鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、ステ
ンレス等の金属や、他の金属の表面にこれらの金属を形
成したものや、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ナイロン樹脂などの合成樹脂の表面に前記
金属の処理をなしたものや、アルミナ、ジルコニア、シ
リカ等のセラミックスの表面に、電気めっき法、無電解
めっき法、スパッタリング、イオンプレーティング法な
どの方法により前記金属の処理をなしたものなど種々使
用可能である。
鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、ステ
ンレス等の金属や、他の金属の表面にこれらの金属を形
成したものや、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ナイロン樹脂などの合成樹脂の表面に前記
金属の処理をなしたものや、アルミナ、ジルコニア、シ
リカ等のセラミックスの表面に、電気めっき法、無電解
めっき法、スパッタリング、イオンプレーティング法な
どの方法により前記金属の処理をなしたものなど種々使
用可能である。
【0011】ニッケル−リン合金めっき液は、リン供給
源として亜リン酸または亜リン酸塩、ニッケル供給源と
してニッケル塩が用いられる。具体例としては、亜リン
酸または亜リン酸塩として亜リン酸ナトリウム、亜リン
酸カリウム等が挙げられる。それらの使用量としては液
全量として10〜100g/lが好ましい。ニッケル塩
としては、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、スルファミン
酸ニッケル等が挙げられる。それらの使用量は液全量と
して100〜450g/lが好ましい。又、その他の添
加剤としてほう酸、リン酸、多糖類などを用いてもよ
い。これら液組成の他市販されているニッケル−リン合
金めっき液も使用可能である。本発明のめっき皮膜はこ
れらのめっき液を用いて電気めっき法で得られるもので
ある。尚、膜厚は適宜であるが、一般には0.1〜30
μm程度がよい。
源として亜リン酸または亜リン酸塩、ニッケル供給源と
してニッケル塩が用いられる。具体例としては、亜リン
酸または亜リン酸塩として亜リン酸ナトリウム、亜リン
酸カリウム等が挙げられる。それらの使用量としては液
全量として10〜100g/lが好ましい。ニッケル塩
としては、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、スルファミン
酸ニッケル等が挙げられる。それらの使用量は液全量と
して100〜450g/lが好ましい。又、その他の添
加剤としてほう酸、リン酸、多糖類などを用いてもよ
い。これら液組成の他市販されているニッケル−リン合
金めっき液も使用可能である。本発明のめっき皮膜はこ
れらのめっき液を用いて電気めっき法で得られるもので
ある。尚、膜厚は適宜であるが、一般には0.1〜30
μm程度がよい。
【0012】貴金属めっきの金属の具体例としては、ロ
ジウム、ルテニウム、白金、パラジウム、金またはそれ
らの合金などが挙げられる。めっき方法としては電気め
っき、無電解めっきを使用する。尚、膜厚は適宜である
が、一般には、0.01〜30μm程度がよい。
ジウム、ルテニウム、白金、パラジウム、金またはそれ
らの合金などが挙げられる。めっき方法としては電気め
っき、無電解めっきを使用する。尚、膜厚は適宜である
が、一般には、0.01〜30μm程度がよい。
【0013】本発明の貴金属めっきの製造方法は、少な
くとも上記工程を含むものであるが、例えば、さらに耐
食性を向上させるために、後処理としてクロメート皮膜
などを形成してもよい。
くとも上記工程を含むものであるが、例えば、さらに耐
食性を向上させるために、後処理としてクロメート皮膜
などを形成してもよい。
【0014】
【作用】本発明は、中間層に亜リン酸又は亜リン酸塩を
リン供給源としたニッケル−リン合金めっき液を用い
て、初期電流密度として8〜20A/dm2の高電流密
度で処理することによりニッケル表面がカソーディック
となり、且つ、多量の還元性水素を発生するために活性
化し、電気ニッケルめっき層との密着性を向上し、続け
て7A/dm2以下の電流密度で処理することによりリ
ン含有量を上げ、基材及び電気ニッケルめっき層の腐食
を防止する。これらの作用により高耐食性であり、密着
性に優れた貴金属めっきが得られるものである。
リン供給源としたニッケル−リン合金めっき液を用い
て、初期電流密度として8〜20A/dm2の高電流密
度で処理することによりニッケル表面がカソーディック
となり、且つ、多量の還元性水素を発生するために活性
化し、電気ニッケルめっき層との密着性を向上し、続け
て7A/dm2以下の電流密度で処理することによりリ
ン含有量を上げ、基材及び電気ニッケルめっき層の腐食
を防止する。これらの作用により高耐食性であり、密着
性に優れた貴金属めっきが得られるものである。
【0015】
実施例1 基材として、プレス加工により得られた直径8.8m
m、長さ100mm、厚さ0.3mmの円筒状の真鍮を
用い、バフ研磨し、洗浄し予備処理とした。次に、上記
基材を、公知の方法で脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴からなる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、
電気ニッケルめっき層を形成した。更に、その上層部に
奥野製薬工業(株)製ニッケリンBを用いて液温65
℃、pH1.5、初期電流密度として10A/dm2で
2分間処理し、続けて、4A/dm2で10分間処理
し、膜厚が3.0μmの電気ニッケル−リン合金めっき
層を形成した。次にその上層部に日本エレクトロプレイ
ティング・エンジニヤーズ(株)製ブライトロジウムを
用いて液温40℃、電流密度1A/dm2で2分間処理
し、膜厚が0.03μmのロジウムめっき層を形成した
円筒状の軸を得た。
m、長さ100mm、厚さ0.3mmの円筒状の真鍮を
用い、バフ研磨し、洗浄し予備処理とした。次に、上記
基材を、公知の方法で脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴からなる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、
電気ニッケルめっき層を形成した。更に、その上層部に
奥野製薬工業(株)製ニッケリンBを用いて液温65
℃、pH1.5、初期電流密度として10A/dm2で
2分間処理し、続けて、4A/dm2で10分間処理
し、膜厚が3.0μmの電気ニッケル−リン合金めっき
層を形成した。次にその上層部に日本エレクトロプレイ
ティング・エンジニヤーズ(株)製ブライトロジウムを
用いて液温40℃、電流密度1A/dm2で2分間処理
し、膜厚が0.03μmのロジウムめっき層を形成した
円筒状の軸を得た。
【0016】実施例2 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴からなる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、
電気ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部に液
組成として硫酸ニッケル300g/l、亜リン酸80g
/l、リン酸50g/l、硫酸20g/l、ラクツロー
ス1g/lを用いて液温70℃、pH1.0、初期電流
密度として20A/dm2で2分間処理し、続けて、2
A/dm2で20分間処理し、膜厚が3.0μmの電気
ニッケル−リン合金めっき層を形成した。次にその上層
部に日本エレクトロプレイティング・エンジニヤーズ
(株)製ブライトロジウムを用いて液温40℃、電流密
度1A/dm2で2分間処理し、膜厚が0.03μmの
ロジウムめっき層を形成した。次にその上層部に荏原ユ
ージライト製ECR−500を用いて液温60℃、電流
密度0.5A/dm2で1分間処理し、クロメート皮膜
を形成した円筒状の軸を得た。
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴からなる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、
電気ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部に液
組成として硫酸ニッケル300g/l、亜リン酸80g
/l、リン酸50g/l、硫酸20g/l、ラクツロー
ス1g/lを用いて液温70℃、pH1.0、初期電流
密度として20A/dm2で2分間処理し、続けて、2
A/dm2で20分間処理し、膜厚が3.0μmの電気
ニッケル−リン合金めっき層を形成した。次にその上層
部に日本エレクトロプレイティング・エンジニヤーズ
(株)製ブライトロジウムを用いて液温40℃、電流密
度1A/dm2で2分間処理し、膜厚が0.03μmの
ロジウムめっき層を形成した。次にその上層部に荏原ユ
ージライト製ECR−500を用いて液温60℃、電流
密度0.5A/dm2で1分間処理し、クロメート皮膜
を形成した円筒状の軸を得た。
【0017】実施例3 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴からなる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、
電気ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部に液
組成として硫酸ニッケル200g/l、亜リン酸18g
/lを用いて液温60℃、pH1.5、初期電流密度と
して8A/dm2で1分間処理し、続けて、6A/dm2
で20分間処理し、膜厚が5.0μmの電気ニッケル−
リン合金めっき層を形成した。次にその上層部に日鉱共
石(株)製B・Ruを用いて液温70℃、電流密度5.
0A/dm2で12分間処理し、膜厚が0.1μmのブ
ラックルテニウムめっき層を形成した円筒状の軸を得
た。
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴からなる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、
電気ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部に液
組成として硫酸ニッケル200g/l、亜リン酸18g
/lを用いて液温60℃、pH1.5、初期電流密度と
して8A/dm2で1分間処理し、続けて、6A/dm2
で20分間処理し、膜厚が5.0μmの電気ニッケル−
リン合金めっき層を形成した。次にその上層部に日鉱共
石(株)製B・Ruを用いて液温70℃、電流密度5.
0A/dm2で12分間処理し、膜厚が0.1μmのブ
ラックルテニウムめっき層を形成した円筒状の軸を得
た。
【0018】実施例4 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴からなる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、
電気ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部に奥
野製薬工業(株)製ニッケリンBを用いて液温65℃、
pH1.5、初期電流密度として15A/dm2で1分
間処理し、続けて、6A/dm2から20分間かけ2A
/dm2まで連続的に電流密度を下げ処理し、膜厚が
3.0μmの電気ニッケル−リン合金めっき層を形成し
た。次にその上層部に日本エレクトロプレイティング・
エンジニヤーズ(株)製プラタネックスIIILSを用
いて液温80℃、電流密度2A/dm2で5分間処理
し、膜厚が0.5μmの白金めっき層を形成した円筒状
の軸を得た。
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴からなる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、
電気ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部に奥
野製薬工業(株)製ニッケリンBを用いて液温65℃、
pH1.5、初期電流密度として15A/dm2で1分
間処理し、続けて、6A/dm2から20分間かけ2A
/dm2まで連続的に電流密度を下げ処理し、膜厚が
3.0μmの電気ニッケル−リン合金めっき層を形成し
た。次にその上層部に日本エレクトロプレイティング・
エンジニヤーズ(株)製プラタネックスIIILSを用
いて液温80℃、電流密度2A/dm2で5分間処理
し、膜厚が0.5μmの白金めっき層を形成した円筒状
の軸を得た。
【0019】比較例1 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。ワット浴から
なる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、電気ニッケル
めっき層を形成した。次にその上層部に奥野製薬工業
(株)製ニッケリンAを用いて液温60℃、pH3.
0、電流密度として2A/dm2で10分間処理し、膜
厚が5.0μmのリン含有量8%の電気ニッケル−リン
合金めっき層を形成した。次にその上層部に日本エレク
トロプレイティング・エンジニヤーズ(株)製ブライト
ロジウムを用いて液温40℃、電流密度1A/dm2で
2分間処理し、膜厚が0.03μmのロジウムめっき層
を形成した円筒状の軸を得た。
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。ワット浴から
なる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、電気ニッケル
めっき層を形成した。次にその上層部に奥野製薬工業
(株)製ニッケリンAを用いて液温60℃、pH3.
0、電流密度として2A/dm2で10分間処理し、膜
厚が5.0μmのリン含有量8%の電気ニッケル−リン
合金めっき層を形成した。次にその上層部に日本エレク
トロプレイティング・エンジニヤーズ(株)製ブライト
ロジウムを用いて液温40℃、電流密度1A/dm2で
2分間処理し、膜厚が0.03μmのロジウムめっき層
を形成した円筒状の軸を得た。
【0020】比較例2 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。ワット浴から
なる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、電気ニッケル
めっき層を形成した。次にその上層部に奥野製薬工業
(株)製ニッケリンBを用いて液温65℃、pH1.
5、電流密度として4A/dm2で10分間処理し、膜
厚が3.0μmのリン含有量11%の電気ニッケル−リ
ン合金めっき層を形成した。次にその上層部に日本エレ
クトロプレイティング・エンジニヤーズ(株)製ブライ
トロジウムを用いて液温40℃、電流密度1A/dm2
で2分間処理し、膜厚が0.03μmのロジウムめっき
層を形成した円筒状の軸を得た。
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。ワット浴から
なる光沢ニッケルめっきを5μm処理し、電気ニッケル
めっき層を形成した。次にその上層部に奥野製薬工業
(株)製ニッケリンBを用いて液温65℃、pH1.
5、電流密度として4A/dm2で10分間処理し、膜
厚が3.0μmのリン含有量11%の電気ニッケル−リ
ン合金めっき層を形成した。次にその上層部に日本エレ
クトロプレイティング・エンジニヤーズ(株)製ブライ
トロジウムを用いて液温40℃、電流密度1A/dm2
で2分間処理し、膜厚が0.03μmのロジウムめっき
層を形成した円筒状の軸を得た。
【0021】以上の実施例1〜4、比較例1、2により
得られた円筒状の軸について、密着性、耐食性の評価結
果を表1に示す。尚、密着性は折り曲げ試験(JIS
K5400)にて、耐食性は塩水噴霧試験(JIS Z
2371)で腐食が発生するまでの時間と、インキ
(ぺんてる(株)製万年筆インキ・ブルーブラック)で
の温度80℃、7日間での腐食発生の有無を目視にて評
価した。
得られた円筒状の軸について、密着性、耐食性の評価結
果を表1に示す。尚、密着性は折り曲げ試験(JIS
K5400)にて、耐食性は塩水噴霧試験(JIS Z
2371)で腐食が発生するまでの時間と、インキ
(ぺんてる(株)製万年筆インキ・ブルーブラック)で
の温度80℃、7日間での腐食発生の有無を目視にて評
価した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】上記表でも明らかなように、本発明によ
る製造方法によって得られた貴金属めっきは、密着性、
耐食性に優れているものである。
る製造方法によって得られた貴金属めっきは、密着性、
耐食性に優れているものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 5/00 - 7/12
Claims (1)
- 【請求項1】 基材上に、電気ニッケルめっきを施す工
程と、その上層部にリン供給源として亜リン酸または亜
リン酸塩を用いるニッケル−リン合金めっき液中で、初
期電流密度として8〜20A/dm2の高電流密度で処
理し、続けて7A/dm2以下の電流密度で処理する工
程と、その上層部に貴金属めっき層を形成する工程を有
する貴金属めっきの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18438793A JP3216341B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 貴金属めっきの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18438793A JP3216341B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 貴金属めっきの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711478A JPH0711478A (ja) | 1995-01-13 |
JP3216341B2 true JP3216341B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=16152296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18438793A Expired - Fee Related JP3216341B2 (ja) | 1993-06-29 | 1993-06-29 | 貴金属めっきの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3216341B2 (ja) |
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JP6450300B2 (ja) * | 2015-10-20 | 2019-01-09 | 松田産業株式会社 | ルテニウムを含む積層めっき被覆材及びその製造方法 |
JP6649915B2 (ja) * | 2017-04-21 | 2020-02-19 | 松田産業株式会社 | ルテニウムを含む積層めっき被覆材 |
SG11202106502SA (en) * | 2019-06-05 | 2021-07-29 | Erni Int Ag | Electrical contact element |
-
1993
- 1993-06-29 JP JP18438793A patent/JP3216341B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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