JP3212724U - 立体式駐輪装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な機構により安定姿勢で自転車の吊り上げ駐輪を行う。【解決手段】立体式駐輪装置は、床面Fに対して立設される支柱1と、支柱に沿って昇降スライドし、自転車2の一方の車輪2aを受け止めて着脱可能に取付け固定するスライダー4と、スライダーを吊り下げ状態で昇降駆動させる牽引装置8とを備え、支柱の正面側にはスライダーと共に昇降する自転車の他方の車輪2bを転接させて受け止め左右動を規制する凹溝を備えている。支柱の高さ及びスライダーの上限停止位置を吊り上げ状態の自転車の下端と床面との間に車両又は人が通行するスペースを確保する高さに設定した。支柱が角型のC型断面の材料よりなり、正面側の開放断面部内にスライダーを収容するとともに、スライダーの下方の支柱正面の開放断面部である凹溝内に他方の車輪2bを収容させている。【選択図】図1
Description
この考案は立体式駐輪装置に関する。
従来立体式駐輪装置としては特許文献1,同2に示すように、柱状又は壁状のフレームの周りに複数段に且つ複数列の自転車の前後両輪を上下方向にしてそれぞれ取付けて多数台の自転車を放射状に配置して駐輪するものが公知である。
特許文献1の装置では、上下方向の駐輪列の間の少なくとも一列分を自転車を上下方向に取付けていずれかの段の高さまで昇降移動を案内するレール40aと、取付けられた自転車をレール40aに沿って昇降移動させる自転車保持部材(キャリア)51とを設けている。そして装置から自転車を取り出す際は上記レール40aにキャリア51を移動させ且つ下降させて自転車を取外すものであり、自転車の昇降移動とレール40aを基点とした各段での横移動はそれぞれ動力を用いている。
また特許文献2に示す装置は平面上に多数立設された支柱に沿って自転車の前輪を上にして自転車を吊り上げ支持するものである。
上記特許文献1,2の発明は共に限られたスペース内に多数台の駐輪を行い、さらに多数の自転車の出し入れの便宜性や管理面の安全性等を重視したもので、いずれも大型で且つ支柱構造やロック機構も複雑であるため高コストでメンテナンスも複雑である。
また上記装置は限られたスペースに多数台の駐輪を行うには適しているが、通路や駐車場確保のために駐輪スペースが取れない居住区や工場等では採用ができない。その他自転車を上下方向に且つ起立状態で保つには前後輪共に支柱側に締付固定する必要がある等の問題がある。
上記課題を解決するための本考案の装置は、第1に床面Fに対して立設される支柱1と、該支柱1に沿って昇降スライドし、自転車2の一方の車輪2aを受け止めて着脱可能に取付け固定するスライダー4と、該スライダー4を吊り下げ状態で昇降駆動させる牽引装置8とを備え、上記支柱1の正面側にはスライダー4と共に昇降する自転車2の他方の車輪2bを転接させて受け止め左右動を規制する凹溝1aを備えてなることを特徴としている。
第2に、支柱1の高さ及びスライダー4の上限停止位置を吊り上げ状態の自転車2の下端と床面Fとの間に車両又は人が通行するスペースを確保する高さに設定したことを特徴としている。
第3に、支柱1が角型のC型断面の材料よりなり、正面側の開放断面部内にスライダー4を収容するとともに、該スライダー4の下方の支柱正面の開放断面部である凹溝1a内に他方の車輪2bを収容させることを特徴としている。
第4に、スライダー4の左右両側面にガイドローラ18を回転可能に軸支し、支柱1の内面に転接させるとともにスライダー4の外れ防止機構としたことを特徴としている。
第5に、スライダー4の下端に吊り下げ状態の車輪2aを下側より受け止める受け部4aを突設したことを特徴としている。
第6に、スライダー4に自転車2の車輪2aを取付け固定する機構としてスライダー4内に収容された上記車輪2aを係脱可能に取付ける取付具19を設けたことを特徴としている。
第7に、牽引装置8がウィンチであり、該ウィンチ8に接続されたロープ9又はチェンを支柱1の上端側に軸支した中継輪14を介してスライダー4に連結したことを特徴としている。
以上のように構成される本考案の装置によれば、以下に示すような効果を奏する。
(1)支柱に沿って自転車を吊り上げる際に、先行する上側の車輪のみをスライダーに取付け、下側の車輪は支柱の凹溝内に収容することによって左右動が規制され、安定姿勢で支柱に沿って保持でき、支柱には前輪用のスライダーのみで足りるので、機構が簡単で低コストにできるほか、保守点検等のメンテナンス作業も簡単である。また支柱高さを高くすることにより、吊り下げられた自転車の下方にスペース確保ができるので、人や車両の通行スペースの確保や物の仮置きスペースの確保のために、床面上に駐輪スペースが取れない条件下でも設置できる利点がある。
(1)支柱に沿って自転車を吊り上げる際に、先行する上側の車輪のみをスライダーに取付け、下側の車輪は支柱の凹溝内に収容することによって左右動が規制され、安定姿勢で支柱に沿って保持でき、支柱には前輪用のスライダーのみで足りるので、機構が簡単で低コストにできるほか、保守点検等のメンテナンス作業も簡単である。また支柱高さを高くすることにより、吊り下げられた自転車の下方にスペース確保ができるので、人や車両の通行スペースの確保や物の仮置きスペースの確保のために、床面上に駐輪スペースが取れない条件下でも設置できる利点がある。
(2)自転車の一方の車輪がスライダーとともに支柱の角型C形断面の開放された凹溝によって上下方向に案内され、さらに他方の車輪はスライダー下方の支柱の上記凹溝に収容されて転接断面内部に転接して案内されるので、自転車が安定姿勢を保ってスムースに昇降ガイドされる。
(3)また上記スライダーの昇降スライドは、スライダーに設けたガイドローラによってさらに円滑に案内されるほか、支柱の開放された断面部よりスライダーが外れるのを防止できる。またスライダーの下端に突設された受け部によって、固定される側の車輪が2カ所で受け止めて支持され、より安定した姿勢での支持が可能となる。
(4)自転車の一方の車輪は取付具によって係脱可能に取付けられるので、装置への自転車の取付け取外しが簡単であり、支柱の上端側に軸支した中継輪を介して吊り上げるので機構や動作も簡単でメンテナンスも容易である。
以下図示する本考案の実施形態につき詳述すると、図1に示すように、工場や住宅の例えば人や車両の通路となる床面Fの建造物6側に、自転車2をスタンド姿勢で上下方向に取付ける角型でC形断面の型鋼(図4参照)等からなる全長4500mm程度の支柱1を立設しており、支柱1の下端は取付ベース3を介して上記床面に取付け固定される。該支柱1の上部の背面側において建造物6側に固定する固定部7を設け、支柱1はこれにより少なくとも1台の自転車を取付けて支持するに十分な強度を保って姿勢が維持される。本実施形態で使用されている支柱1は左右幅75,前後幅45,正面中央の開放幅(凹溝幅)45,材料厚2(いずれもmm)である。
図示するように角型のC形断面の型鋼材からなる支柱1の断面における正面中央には、開放断面からなる凹溝(スリット)1aが形成され、その内部にはチャンネル状断面で例えば前方開放側の横幅42mm,前後幅50mm,上下方向長さ560mm,板厚(t)2mmの寸法のスライダー4が上下方向に且つスライド可能に収納される。
上記スライダー4の下端には、く字状に屈曲して前方下向きに突設され、後述する一方の車輪(前輪)2aを収容して受け止める受部4aが一体的に設けられており、上端側にはチャンネル状断面部を塞ぐ端板4bが一体的に固着して設けられている。スライダー4の上下の側面にはガイドローラ18がそれぞれ回転自在に軸支され、支柱1の断面内の背面に転接してスライダー4の上下スライドを案内し且つスライダー4の凹溝1a内から正面側への抜け出しを防止するストッパーを兼ねている。上記受部4aの先端両側面と後述する取付具19の左右の取付プレート19aの基端部間には、受部4aを補強するための補強棒(図示しない)を架設溶着して設けることができる。
支柱1の背面側にはウィンチ8が設置され、このウィンチ8に巻き取り繰り出しされるロープ9の繰り出し端は、支柱1の上端の左右両側に上向きに取付けられた軸受プレート11に吊り上げられた吊り滑車12を介してスライダー4の上端に連結されている。吊り滑車12は軸受プレート11間に支持されたピン13に揺動可能に吊り上げられ、ロープ9は吊り滑車12の滑車(中継輪)14に巻掛けられ、折り返されたワイヤエンド(アイ)部分にはフック16が連結され、該フック16はスライダー4の端板4bにねじ込まれたアイボルト17に係止されている。
上記機構によりロープ9に吊り上げられたスライダー4は、凹溝1aに収容され且つ支柱1内において、ウィンチ8の正転駆動により上昇方向に巻き上げられ、逆転駆動により(又はスライダー側の自重により)下降スライドする。図1に示す15はウィンチ操作用の制御ボックスである。
前記スライダー4の上下方向中間位置には、スライダー4内のチャンネル状断面に収容された車輪2aをリム(図示しない)の上から押さえながら係脱可能にクランプするクランパー(又はクリップ)からなる取付具19が設けられている。
この取付具19は、それ自体の機構は公知のものであり、図2〜図4に示すようにチャンネル状断面の両側壁の開放端に内端が溶着固定されてそれぞれ両外側に突出し、支柱1の両側を覆うようにアングル状に折曲げ形成された左右の取付プレート19aと、両取付プレート19aの外側に突設されるブラケット19b,19cとを備えている。
さらに取付具19には一方(左側)のブラケット19bに基端部を回動起伏自在に支持され左右の取付プレート19aを跨ぐように形成された押えレバー19d、他方(右側)のブラケット19cに上端を回動可能に軸支され、その上端外側に上記押えレバー19dの回動端を係止する係止部19fを形成してなるセットレバー19e等を備えている。19gはセットレバー19eの係止部19fに押えレバー19dを係止して締付セットした状態でセットレバー19eをロックするロックピンで、ブラケット19cとセットレバー19eを上下方向に貫くように着脱可能に差し込まれる。
上記取付具19においては、図2〜図4に示すようにスライダー4内に収容された車輪2aのリム(図示しない)の上(内周側)に押えレバー19dを倒伏回動させるとともに押えレバー19dの回動端を係止部19fに係止し、セットレバー19eを下向きに回動させることで車輪2aをスライダー4に取付け固定し、ロックピン19gを差し込むことで取付固定状態がロックされる。車輪2aを取外すには上記締付固定動作を逆順に行えば良い。
以上のように構成される本考案の装置で駐輪を行うには、図1に示すように床面F上にある自転車2を、下降スライドさせたスライダー4のチャンネル状断面内に車輪2aが挿入されるまで進行させる。車輪2aがスライダー4とその下端の受け部4a内に挿入された状態で、上述したように取付具19による車輪2aのスライダー4への取付操作をし、ウィンチ8を作動してスライダー4を上限位置まで吊り上げる。この過程で後輪2bは床面F上を転動(移動)し、自転車2を人手で補助しながら上向き姿勢にした時点で支柱1正面の凹溝1a内に導かれて支柱1の断面内の前壁内面に転接する。吊り上げ動作時は後輪2bは支柱1内で転動しながら上昇する。
上記吊り上げた駐輪状態では、自転車2の下方スペースは完全に空きスペースとなり、人や車両の通行スペース又は一時的な物の置場スペース等として確保できる。自転車2の取り出しは逆にウィンチ8を操作して自転車2を下降させ、下降位置で自転車2の荷台を人手により持ち上げながら水平状態に姿勢変更することができる。
上記自転車2の姿勢変更時に人手による補助なしに行うには、スライダー4の下限位置を高めに設定し、スライダー4まで後輪2bを導く案内レール(図示しない)を斜設すれば良いが、床面Fを通路として使用するには通行の妨げになる場合がある。また上記のように自転車2の姿勢変更時や昇降時に、スライダー4に取付けられた他方の車輪(この例では後輪)2bが床面や支柱1内面に転接して転動することにより、それぞれの動作時の負荷が軽減され、昇降動作も円滑に行うことができる。
上記実施形態において、牽引材としてロープ9を使用しているが、ロープの代わりにチェンを用いることも可能で、この場合は中継輪14はチェンスプロケット(いずれも図示しない)が用いられる。また本考案の装置は1台だけ設置する場合もあるが、設置場所の条件や目的に応じ、縦列又は横列方向等に複数台並設することができる。
1 支柱
1a 凹溝
2 自転車
2a,2b 前輪
4 スライダー
4a 受け部
8 牽引装置
9 ロープ(牽引材)
12 吊り滑車
14 滑車(中継輪)
18 ガイドローラ
19 取付具
1a 凹溝
2 自転車
2a,2b 前輪
4 スライダー
4a 受け部
8 牽引装置
9 ロープ(牽引材)
12 吊り滑車
14 滑車(中継輪)
18 ガイドローラ
19 取付具
Claims (7)
- 床面(F)に対して立設される支柱(1)と、該支柱(1)に沿って昇降スライドし、自転車(2)の一方の車輪(2a)を受け止めて着脱可能に取付け固定するスライダー(4)と、該スライダー(4)を吊り下げ状態で昇降駆動させる牽引装置(8)とを備え、上記支柱(1)の正面側にはスライダー(4)と共に昇降する自転車(2)の他方の車輪(2b)を転接させて受け止め左右動を規制する凹溝(1a)を備えてなる立体式駐輪装置。
- 支柱(1)の高さ及びスライダー(4)の上限停止位置を吊り上げ状態の自転車(2)の下端と床面(F)との間に車両又は人が通行するスペースを確保する高さに設定した請求項1に記載の立体式駐輪装置。
- 支柱(1)が角型のC型断面の材料よりなり、正面側の開放断面部内にスライダー(4)を収容するとともに、該スライダー(4)の下方の支柱正面の開放断面部である凹溝(1a)内に他方の車輪(2b)を収容させる請求項1又は2に記載の立体式駐輪装置。
- スライダー(4)の左右両側面にガイドローラ(18)を回転可能に軸支し、支柱(1)の内面に転接させるとともにスライダー(4)の外れ防止機構とした請求項3に記載の立体式駐輪装置。
- スライダー(4)の下端に吊り下げ状態の車輪(2a)を下側より受け止める受け部(4a)を突設した請求項1〜4のいずれかに記載の立体式駐輪装置。
- スライダー(4)に自転車(2)の車輪(2a)を取付け固定する機構としてスライダー(4)内に収容された上記車輪(2a)を係脱可能に取付ける取付具(19)を設けた請求項1〜5のいずれかに記載の立体式駐輪装置。
- 牽引装置(8)がウィンチであり、該ウィンチ(8)に接続されたロープ(9)又はチェンを支柱(1)の上端側に軸支した中継輪(14)を介してスライダー(4)に連結した請求項1〜6のいずれかに記載の立体式駐輪装置。
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