JP6544793B2 - 昇降式上下二段駐輪装置 - Google Patents

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本発明は、自転車を上段収納部と下段収納部の上下二段で収納することができる上下二段駐輪装置に関し、更に云うと上段収納部が昇降可能に構成されている昇降式上下二段駐輪装置に関する。
従来から、自転車を上段収納部と下段収納部の上下二段で収納することができる上下二段式駐輪装置は、狭いスペースで多数台の自転車を収納することができるため、集合住宅や駅の駐輪場等において広く利用されている。
二段式駐輪装置において、上段収納部の自転車載置台は高い位置にあり、そのままでは自転車載置台に自転車を載せることができない。そのため、通常、自転車を収納する際には自転車載置台を低位置まで下降させる一方、自転車を収納した後には自転車載置台を高位置まで上昇させることができる昇降手段を備えた昇降式上下二段駐輪装置とされている。
特許文献1には、上下方向に延びる支柱内において、自転車載置台と連結された昇降体に、上方向の引張力を付与する定荷重バネ(板バネ)を連結して昇降させる構成が開示されている。
特開2013−36212号公報
上記した特許文献1は、定荷重バネと昇降体との連結をボルト接合により行うことが記載されている。また、定荷重バネは、支柱内において、当該支柱の中軸を挟んで左右一対に対峙するように配置される構成が記載されている。
したがって、定荷重バネを支柱内に組み付けるには、昇降体と左右一対の定荷重バネとをボルト接合した後、昇降体と一対の定荷重バネとを一緒に支柱内に嵌め入れる必要がある。これら作業は非常に時間が掛かり面倒である。
また、組み入れた定荷重バネをメンテナンスなどの理由で取外す場合には、昇降体と一緒に支柱から取出す必要があり非常に面倒である。仮に、支柱内に組み付けられた状態で、定荷重バネのみを昇降体から取外そうとする場合、幅の狭い支柱内に道具を差し入れてボルトの取外しを行う必要があり、やはり面倒で時間が掛かる。
本発明の一つの実施形態の目的は、上記の点を鑑みてなされたものであり、定荷重バネの取付け及び取外し作業が非常に簡便にできる昇降式上下二段駐輪装置を提供することにある。
上記の課題は、
上段収納部と下段収納部を有する昇降式上下二段駐輪装置であって、
前記上段収納部は、
中空形状とされ、一側面に上下方向に延びるスリットを有する支柱と、前記支柱に沿って昇降可能な昇降体と、前記昇降体に対して上方向の引張力を付与する牽引手段と、前記昇降体に対して前端部が取り付けられた自転車載置台と、を備えており、
前記昇降体及び前記牽引手段は前記支柱の中空部内に配設されており、
前記牽引手段は、前記スリットを挟んで配置された左右一対の定荷重バネからなり、
前記定荷重バネは、前記支柱内の上方位置に配設された巻き芯と、上端部が前記巻き芯に固定されて上下方向に延びる帯状板とを備え、
前記帯状板の下端部と前記昇降体とは、前記下端部と前記昇降体とを掛け止めて連結する、着脱可能な連結手段により接続されていることを特徴とする昇降式上下二段駐輪装置により解決することができる。


本発明によれば、定荷重バネの取付け及び取外し作業が非常に簡便にできる昇降式上下二段駐輪装置を提供できる。
本発明の実施形態に係る昇降式上下二段駐輪装置の上段収納部の側面図である。 本発明の実施形態に係る昇降式上下二段駐輪装置の上段収納部の正面図である。 本発明の実施形態に係る昇降式上下二段駐輪装置を構成する昇降体と定荷重バネとの連結箇所を示す拡大図である。(A)は拡大側面図、(B)は拡大正面図である。 取っ手部とフック部の連結状態を示す部分拡大図である。
以下、本発明に係る昇降式上下二段駐輪装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る昇降式上下二段駐輪装置は、自転車を上段収納部と下段収納部の上下二段で収納することができるものであり、上段収納部が昇降可能に構成されている。下段収納部は、図示することは省略したが、上段収納部の近傍位置の床面に設置されるものであり、下段収納部は床面に対して水平方向に移動可能な可動式であることが好ましい。本発明は上段収納部に特長があり、以下、上段収納部について具体的に説明する。
図1は本発明に係る昇降式上下二段駐輪装置の上段収納部を示す側面図であり、図2は本発明に係る昇降式上下二段駐輪装置の上段収納部を示す正面図である。尚、図1では支柱を上下方向全体に亘って切り欠いて内部を示しており、図2では支柱の高さ方向の略中間位置から下方の部分を切り欠いて内部を示している。
以下、本明細書において、図1の右側を前方F、左側を後方Bと称し、図2の右側を右方R、左側を左方Lと称する。
昇降式上下二段駐輪装置100は、上段収納部10と図示することは省略した下段収納部を有している。
前記した上段収納部10は、上下方向に延びるように床面上に立設される支柱1と、支柱1に沿って昇降可能な昇降体2と、昇降体2に対して上方向の引張力を付与する牽引手段3と、昇降体2に対して前端部が取り付けられた自転車載置台4とを備えている。支柱1の内部空間には、昇降体2及び牽引手段3が配設されている。
支柱1は、内部に中空部を有する四角柱状であって、自転車載置台4が位置する側(後方B側)の面の幅方向中央に上下方向に延びるスリット11を有している。図2では支柱1の一部を切り欠いて内部を示しているためスリット11の幅が高さ方向に変化しているように見えるが、スリット11の幅は支柱1の上端部から下端部にかけて同幅とされている。
昇降体2は、自転車載置台4が位置する側(後方B側)の面が開口し、内部に空間を有する四角柱状とされている。また、上面が開口して良い。更に、その外壁面20には支柱1の中空部内を走行するローラー21がそれぞれ4つ取付けられている。ローラー21が取付けられる外壁面20とは、図2の右方Rと左方Lに配置され、支柱1の左右の内壁と近接する2つの外壁面である。昇降体2に取付けられるローラー21は8つであるがこの限りではない。
これら8つのローラー21が支柱1の内面に沿って転動することにより昇降体2が支柱1に沿って昇降できる。このように、昇降体2が、上下前後左右に間隔をあけて配置された合計四対(八個)のローラー21を用いて支柱1の内面に沿って転動するように構成されていることにより、自転車載置台4及び自転車の重さによる昇降体2の傾きやぶれが確実に防止され、昇降体2の昇降動作が安定する。
昇降体2の寸法は、支柱1の中空部内に収納可能に支柱1より小径に構成される。昇降体2の内部の空間には、自転車載置台4の前端部の一部が収納される。因みに昇降体2の空間に収納される自転車載置台4の前端部の幅はスリット11の幅より小径に構成されている。これにより、自転車載置台4の前端部をスリット11内(支柱1内)に位置させた状態で昇降させることが可能となる。そのため、外的要因の影響を受けにくくすることができて故障が生じにくくなり、安定した昇降動作を長期間に亘って維持することができる。
前記した牽引手段3は、スリット11を挟んで配置された左右一対の定荷重バネからなる。以下、定荷重バネ3とも表記する。
定荷重バネ3は、支柱1内の上方位置に配設された巻き芯31と、この巻き芯31に巻回されて下方に延出された(巻き出された)帯状板32とから構成されている。
帯状板32は、スリット11を挟んで上下方向に互いに平行に延びる左右一対の金属製等の帯状板からなり、各帯状板32は上端部が巻き芯31に固定され且つ下端部が昇降体2と接続されている。因みに定荷重バネ3は、支柱1の右方R側と左方L側の両壁面の上部に設けられたボックス内に収納される構成としている。したがって、左右一対の帯状板32は、左右一対の巻き芯31のスリット11側(寄り)から出て下方に延びている。
左右一対の定荷重バネ3のバネ力は、自転車を載せた状態の自転車載置台4を引き上げることが可能な大きさに設定されており、必要に応じて異なる強さのものを実施して良い。
また、定荷重バネ3を構成する巻き芯31と帯状板32はいずれも支柱1内に配設されており、昇降体2も支柱1内に配設されているため、ゴミが入り込むなどの外的要因による影響を排除することができて故障が生じにくく且つ安全である。また、長期間に亘って動作が安定し、メンテナンスの手間を大幅に省くことが可能となる。
更に、帯状板32が、スリット11を挟んで上下方向に互いに平行に延びる左右一対の帯状板からなるため、左右の帯状板32が離れた位置となって互いに干渉することがない。のみならず、左右の定荷重バネ3のバネ力のバランスを調整することができるため、自転車載置台4を円滑に昇降させることが可能である。加えて、支柱1の奥行き(前後方向長さ)を小さく(薄く)することが可能となり、設置スペースを小さくできる。
前記構成の帯状板32の下端部は、昇降体2の上部と、着脱可能な連結手段5により接続されている。この点は、本発明の特徴であるため詳しくは後述する。
前記した自転車載置台4は、自転車を載置するベース部41と、当該ベース部41の上方に配置され、自転車の車体の両側に位置して当該車体を支持する左右一対の支持部42とを有する。
ベース部41は、その前端部に自転車の前輪を、自転車の自重により把持するロック機構43が設けられており、上記構成の前端部は昇降体2の内部空間に収納されボルト接合などにより昇降体2と連結される。支持部42の先端部には、自転車の転倒を防止する固定部44が連結されている。
自転車載置台4は、自転車載置台4A(点線)に示すように、上方へ折れ曲がり可能な構成であることが好ましい。
即ち、ベース部41と支持部42には、略中央位置に一方向(上側)に対して折れ曲がり可能な屈曲機構41a、42aが設けられている。屈曲機構41a、42aは、屈曲可能な角度があらかじめ定められており、その角度は自転車載置台4Aが適度な高さ位置となる設計とされている。
また、ベース部41の先端部は、当該先端部を支点として上方への回動が可能に、昇降体2と連結されている。支持部42も、同様に先端部(固定部44)は、当該先端部を支点として上方への回動が可能に、昇降体2と連結されている。
また、自転車載置台4には、特に図示することは省略したが、当該自転車載置台4の上方への移動を規制し、固定する解除可能なロック機構を有している。したがって、上方へ移動した自転車載置台4Bはロック機構により固定され、固定を解除すると、下方へ移動して、元の自転車載置台4の位置へ戻る。
上記構成の自転車載置台4は、ベース部41へ自転車が載置されると、昇降体2と支柱1との連結が解除(不図示)されて、自転車載置台4B(点線)に示すように定荷重バネ3のバネ力により昇降体2と共に上方へ上昇する。自転車載置台4Bを下方へ移動させる際には、利用者が自転車載置台4を持って下方へ押すと昇降体2がスライドして下方へ移動される。これらの技術は、既に昇降式上下二段駐輪装置で使用される構成が実施される。
次に、帯状板32の下端部と昇降体2との連結構造について、図3に基づいて詳しく説明する。
図3に、本発明の実施形態に係る昇降式上下二段駐輪装置を構成する昇降体と定荷重バネとの連結箇所のみを取り出した拡大図を示した。(A)は拡大側面図、(B)は拡大正面図である。
上記したように定荷重バネ3の帯状板32の下端部は、昇降体2の上部と着脱可能な連結手段5により接続されている。
先ず、定荷重バネ3は、帯状板32の下端部に、接続するためのフラットな面を形成するため、当該帯状板32の下端が支持プレート32aと支持プレート32bとに挟みこまれる構成とした。因みに、定荷重バネ3の裏面側(支柱1の中軸側)に位置する支持プレート32aは、支持プレート32bと幅は略同じであるが、長さ(高さ)が支持プレート32bより長く(高く)なっている。これは、支持プレート32aが後述する連結手段5と連結するためである。
連結手段5は、端的に云うと、先端にU字形状の取っ手部510を有する連結金具51と、前記取っ手部510を着脱可能に掛け止め可能な鉤形状のフック部520を先端に有する被連結金具52とを備える。
前記連結金具51は、前記した取っ手部510を、前記した帯状板32の下端部に配設された支持プレート32aの裏面側(支柱1の中軸側)と溶接などで連結された接続プレート511の露出部(下方部)に溶接などにより取付けて構成される。
また、被連結金具52は、前記したフック部520と繋がり、かつ昇降体2の外壁面20の上部位置にボルト接合される接続プレート521を備えている。具体的にフック部520と、接続プレート521とは、被連結金具52の幅を確保するべく鉛直方向に直交する方向に突出する繋ぎ材522により連結されている。したがって、取っ手部510とフック部520とが掛け止められた際に、その連結箇所が昇降体2よりも外側に配置されるため、動作時に他の物体と接触する虞が無く、円滑な昇降が確保できるとともに安全である。
前記した取っ手部510は、図4(図3B)に示すように、水平部510aを有している。また、当該取っ手部510を掛け止めるフック部520は、水平部520aを有している。この水平部510aと水平部520aの部分が互いに接触して両者を連結している。
したがって、取っ手部510とフック部520とが掛け止められた際に、水平部510aと520aとが互いに接触して接触面が確実に確保されているので、昇降体2が昇降する際に傾きやぶれが確実に防止され、昇降体2の昇降動作が安定する。
前記した連結手段5を構成する被連結金具52は、定荷重バネ3の帯状板32を変形を抑える抑え金具6と併せてボルト7により昇降体2(外壁面20)の上部位置に接合される。
抑え金具6は、昇降体2の上方へ立ち上がる左右一対の縦長のプレートであり、連結手段5より内側に位置されている。
前記した帯状板32は、左右一対の巻き芯31のスリット11側(寄り)から出て下方に延びている。したがって、帯状板32の表面は支柱1の内方に向かって力が掛かっているため、中央部が内方に向かって反り変形する虞がある。上記構成の抑え金具6が、被連結金具52の内側、もっては定荷重バネ3の帯状板32の内側に配置されることで、帯状板32の内方への変形を抑制できる。したがって、抑え金具6は、支柱1の中軸に対して外側に傾斜する様態(ハの字状)で取付けられることが好ましい。図示した抑え金具6は中間位置に外方へ突き出る屈曲部を有しているが、この限りではなく、前記した連結箇所と所定の間隔を確保できる機構があれば良い。
(まとめ)
上記してきたように本発明の昇降式上下二段駐輪装置100を構成する上段収納部10は、定荷重バネ3と昇降体2とを、連結手段5を構成する取っ手部510とフック部520により掛け止めて連結する構成とした。
したがって、定荷重バネ3を昇降体2へ取付ける際に、単に取っ手部510をフック部520へ掛け止めるのみで可能である。また単にフック部520から取っ手部510を掛け外すのみで取り外しができるため、メンテナンスや交換作業を容易に行うことができる。
また、連結手段5の取っ手部510とフック部520との掛け止めは、両部材の水平部510aと水平部520aの部分が互いに接触した状態でなされるため、接合精度を左右する接触面が確実に確保されて、昇降体2の安定した昇降動作に寄与できる。
更に、本発明の昇降式上下二段駐輪装置100を構成する上段収納部10は、抑え金具6が連結手段5の内側、もっては定荷重バネ3の帯状板32の内側に配置される構成とした。したがって、帯状板32の内方への変形を抑制することができ、動作時に他の物体と接触する虞が無く、円滑な昇降が確保できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
1 支柱
10 上端収納部
100 昇降式上下二段駐輪装置
11 スリット
2 昇降体
20 外壁面
21 ローラー
3 牽引手段
31 巻き芯
32 帯状板
32a、32b 支持プレート
4 自転車載置台
41 ベース部
41a 屈曲機構
42 支持部
42a 屈曲機構
43 ロック機構
44 固定部
5 連結手段
51 連結金具
510 取っ手部
510a 水平部
52 被連結金具
520 フック部
520a 水平部
6 抑え金具
7 ボルト

Claims (4)

  1. 上段収納部と下段収納部を有する昇降式上下二段駐輪装置であって、
    前記上段収納部は、
    中空形状とされ、一側面に上下方向に延びるスリットを有する支柱と、前記支柱に沿って昇降可能な昇降体と、前記昇降体に対して上方向の引張力を付与する牽引手段と、前記昇降体に対して前端部が取り付けられた自転車載置台と、を備えており、
    前記昇降体及び前記牽引手段は前記支柱の中空部内に配設されており、
    前記牽引手段は、前記スリットを挟んで配置された左右一対の定荷重バネからなり、
    前記定荷重バネは、前記支柱内の上方位置に配設された巻き芯と、上端部が前記巻き芯に固定されて上下方向に延びる帯状板とを備え、
    前記帯状板の下端部と前記昇降体とは、前記下端部と前記昇降体とを掛け止めて連結する、着脱可能な連結手段により接続されていることを特徴とする昇降式上下二段駐輪装置。
  2. 前記連結手段は、
    前記帯状板の下端部に配設された、先端にU字形状の取っ手部を有する連結金具と、前記昇降体の上部位置に配設された、前記取っ手部を着脱可能に掛け止め可能な鉤形状のフック部を有する被連結金具と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の昇降式上下二段駐輪装置。
  3. 前記昇降体の上部には、
    前記帯状板の変形を抑える抑え金具が、前記連結手段より内側の位置に設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の昇降式上下二段駐輪装置。
  4. 前記取っ手部と前記フック部は、互いに水平部を有しており、前記水平部同士を掛け止めることにより両者が連結されていることを特徴とする請求項2に記載の昇降式上下二段駐輪装置。
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