JP3207174B2 - 電気素子搭載配線基板およびその製造方法 - Google Patents

電気素子搭載配線基板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、多層配線
基板及び半導体素子収納用パッケージなどに適し、特に
絶縁基板内部に電気素子が内蔵されてなる電気素子搭載
配線基板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】電子機器は小型化が進んでいるが、近年携
帯情報端末の発達や、コンピューターを持ち運んで操作
する、いわゆるモバイルコンピューティングの普及によ
ってさらに小型、薄型且つ高精細の多層配線基板が求め
られる傾向にある。また、従来の多層配線基板に対し
て、半導体素子やコンデンサ素子、抵抗素子などの電気
素子を搭載させる場合には、予め作製されたプリント配
線基板の表面に素子を接着し、ワイヤボンディングによ
って配線基板の配線回路層と接続し、または配線基板の
表面に電気素子を半田等により直接実装し、実装した素
子を樹脂によってモールドする方法、絶縁基板の表面に
凹部を形成して、その凹部内に素子を収納して樹脂モー
ルドしたり、蓋体によって凹部を気密に封止する方法な
どが採用されている。
【0003】また、最近では、携帯情報端末等小型軽量
薄型化が要求される用途に用いる基板について、最近で
はTAB(tape automated bonding)といわれる方法が
用いられている。TAB接続法は、所定箇所に半導体素
子を収納する穴が設けられたポリイミド樹脂などのフィ
ルムの全面に金属箔を接着した後、この金属箔をフォト
エッチングにより半導体素子の接続するためのインナー
リードとアウターリードからなるリード配線層が形成さ
れた,いわゆるTABテープに対して、半導体素子のバ
ンプとインナーリードとを接続する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電気素子を搭載する方法においては、予め作製した配線
基板の表面に、電気素子を搭載し、配線回路層と電気的
に接続する工程が必要であり、電気素子を含む電気装置
を完成するまでの製造工程が多く、コスト高を招いてい
た。しかも、電気素子の搭載部が配線基板の表面のみで
あるために、基板の薄層化、小型化および複数の電気素
子の高密度実装化を阻害していた。
【0005】また、接続方法においても、半導体素子の
実装をワイヤボンディングによって行う場合、接続パッ
ドは200μm程度のピッチが必要なので、それより小
さいピッチでの接続が難しくなり、小型化に対応できな
いものであった。また、個々の端子間を接続する必要が
あるために、接続に要する時間が長くなり、生産性が落
ちるという問題があった。しかも、ワイヤボンディング
による接続はワイヤーがループを描くように配線せざる
を得ないため、必然的にシリコンチップの厚さ方向に
0.5mm程度のクリアランスを作らざるを得なくな
り、半導体装置の薄型化を阻害していた。
【0006】これに対して、TAB接続法は、半導体素
子とリードとを一度の接続処理で接続できることから、
短時間で接続できるため、量産性に優れているとの利点
を有する反面、TABテープと呼ばれる銅箔を片面に接
着したポリイミド樹脂フィルムを使用することのみ実現
可能な接続方法であるため、接続端子が500を越える
と20μm以下の配線幅が必要となる等、シリコンチッ
プの端子数の増加に対応できないという問題があった。
【0007】従って、本発明は、半導体素子や電子部品
(コンデンサ素子、抵抗素子、フィルター素子、発振素
子など)の電気素子を搭載し、基板の小型化と、素子の
実装密度を高めることのできる電気素子搭載配線基板を
提供することを目的とするものである。さらに、本発明
は、配線基板内部に電気素子を内蔵することのできる配
線基板を容易に作製することのできる電気素子搭載配線
基板の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、電気素子を
密閉された空隙中に搭載した配線基板の小型化および製
造の簡略化について検討を重ねた結果、ビアホール導体
中に、絶縁基板中に含まれる熱硬化性樹脂の硬化温度よ
りも低い融点を有する低融点金属と融点が熱硬化性樹脂
の硬化温度よりも高い高融点金属とを所定比率で混合し
た混合物を含有せしめることによって、前記電気素子の
電極と前記ビアホール導体との接続を低融点金属の加熱
溶融によって電気素子の電極をビアホール導体と接続さ
せることによって、電気素子を配線基板内に容易に内蔵
できることを見いだし、本発明に至った。
【0009】即ち、本発明の電気素子搭載配線基板は、
少なくとも熱硬化性樹脂を含む複数の絶縁層を積層して
なる絶縁基板と、該絶縁基板の表面および内部に形成さ
れた配線回路層と、金属粉末が充填されてなるビアホー
ル導体とを具備する配線基板内部の密閉された空隙中に
電気素子が搭載され、前記電気素子の電極と前記ビアホ
ール導体とが電気的に接続してなる電気素子搭載配線基
板において、前記電極と接続されるビアホール導体が、
前記熱硬化性樹脂の硬化温度よりも10℃以上低い融点
を有する低融点金属と融点が熱硬化性樹脂の硬化温度
よりも高い高融点金属との混合物を含有し、前記低融点
金属と前記高融点金属とが体積比率で10:90〜9
0:10の比率からなり、該ビアホール導体と前記電気
素子の電極とを該ビアホール導体中の低融点金属の加熱
溶融によって電気的に接続固定してなることを特徴とす
るものである。
【0010】また、本発明の電気素子搭載配線基板の製
造方法によれば、少なくとも熱硬化性樹脂を含有する未
硬化の絶縁シートにビアホールを形成し、該ビアホール
中に前記熱硬化性樹脂の硬化温度よりも10℃以上低い
融点を有する低融点金属と、融点が熱硬化性樹脂の硬化
温度よりも高い高融点金属との混合物を含有し、前記低
融点金属と前記高融点金属とが体積比率で10:90〜
90:10の比率からなる導体ペーストを充填してビア
ホール導体を形成するA工程と、前記絶縁シートの表面
に所定の電気素子を搭載し、前記電気素子の電極と前記
ビアホール導体の端部の露出部とを当接させるB工程
と、前記電気素子を載置した絶縁シートの表面に、前記
電気素子が密閉された空隙中に収納搭載されるように
の絶縁シートを積層するC工程と、該積層物を前記熱硬
化性樹脂の熱硬化温度に加熱して前記絶縁シートを硬化
させると同時に、前記ビアホール導体内の前記低融点金
属を溶融せしめ、前記電気素子の電極とビアホール導体
とを前記溶融した低融点金属によって電気的に接続する
D工程と、を具備することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面をもとに説明
する。図1は、本発明の電気素子搭載配線基板を製造す
るための製造工程を説明するための図である。
【0012】図1によれば、まず、図1(a)に示すよ
うに、硬化温度T1の熱硬化性樹脂を含む軟質(Bステ
ージ状態)の絶縁シート1を作製し、この絶縁シート1
には、厚み方向に貫通するビアホールを形成し、そのビ
アホールのうち、電気素子の電極と接続されるビアホー
ル内に、前記熱硬化性樹脂の硬化温度T1以下の低い融
点T2を有する低融点金属と融点が熱硬化性樹脂の硬化
温度よりも高い高融点金属とを含有する導体ペーストを
スクリーン印刷や吸引処理しながら充填して、電気素子
接続用のビアホール導体2aを形成する。また、図1
(a)によれば、電気素子接続用のビアホール導体2a
以外に、一般のビアホール導体2bも形成されている。
【0013】ここで用いられる絶縁シート1は、熱硬化
性樹脂、または熱硬化性樹脂とフィラーなどの組成物を
混練機や3本ロールなどの手段によって十分に混合し、
これを圧延法、押し出し法、射出法、ドクターブレード
法などによってシート状に成形するか、または所望によ
り硬化温度よりもやや低い温度で熱処理して半硬化させ
ることにより作製される。
【0014】そして、絶縁シートへのビアホール(ビア
ホール)および空隙部の形成は、ドリル、パンチング、
サンドブラスト、あるいは炭酸ガスレーザ、YAGレー
ザ、及びエキシマレーザ等の照射による加工など公知の
方法が採用される。
【0015】なお、絶縁シートを形成する熱硬化性樹脂
としては、絶縁材料としての電気的特性、耐熱性、およ
び機械的強度を有する熱硬化性樹脂であれば特に限定さ
れるものでなく、例えば、アラミド樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂、フェニレ
ンエーテル樹脂、ビスマイレイドトリアジン樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂等が、単独ま
たは組み合わせて使用できる。
【0016】また、上記の絶縁シート1中には、絶縁基
板あるいは配線基板全体の強度を高めるために、有機樹
脂に対してフィラーを複合化させることもできる。有機
樹脂と複合化されるフィラーとしては、SiO2 、Al
2 3 、ZrO2 、TiO2、AlN、SiC、BaT
iO3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaTiO3 、ほ
う酸アルミニウム等の無機質フィラーが好適に用いられ
る。また、ガラスやアラミド樹脂からなる不織布、織布
などに上記樹脂を含浸させて用いてもよい。なお、有機
樹脂とフィラーとは、体積比率で15:85〜50:5
0の比率で複合化されるのが適当である。
【0017】これらの中でもパンチング又はレーザー等
により加工の容易性の点で、エポキシ樹脂、イミド樹
脂、フェニレンエーテル樹脂の群から選ばれる少なくと
も1種の熱硬化性樹脂と、フイラー成分としてシリカま
たはアラミド不織布との混合物であることが最も望まし
い。
【0018】一方、電気素子の電極と接続されるビアホ
ール導体2aに充填する導体ペースト中に含まれる低融
点金属としては、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、ビスマス
(Bi)及びこれらと銀(Ag)、銅(Cu)などとの
合金が好適に用いられる。
【0019】低融点金属の融点T2と熱硬化性樹脂の硬
化温度T1とは、T1−T2≧10℃の関係を満足するこ
とが必要であり、これによって熱硬化性樹脂の硬化中に
低融点金属が加熱溶融し、電気素子の電極と容易に強固
に結合させることができる。
【0020】また、この低融点金属は、導体ペースト中
の金属成分の全部を構成すると、後述する熱硬化時に溶
融した時にビアホール導体内での保形性が悪くなるため
に、融点が熱硬化性樹脂の硬化温度よりも高い高融点金
属と混合して用いる。融点が熱硬化性樹脂の硬化温度よ
りも高融点金属としては、銅、銀、銅銀合金あるいはそ
れらの混合物が好適に使用される。前記高融点金属と前
記低融点金属は、体積比率で90〜10:10〜90の
比率で混合する。
【0021】また、電気素子と接続されないビアホール
導体2bは、必ずしも低融点金属を含む必要はなく、通
常の銅、銀、あるいはそれらを含む合金などの高融点の
金属粉末を含む導体ペーストを充填すればよい。
【0022】導体ペーストを調製する場合、低融点金
属、あるいは高融点金属と低融点金属は、平均粒径が
0.5〜50μmの金属粉末として調製することが望ま
しく、金属粉末の平均粒径が0.5μmよりも小さいと
金属粉末同士の接触抵抗が増加してビアホール導体の抵
抗が高くなる傾向にあり、50μmを越えるとビアホー
ル導体の低抵抗化が難しくなる傾向にある。
【0023】また、導体ペースト中には、前述したよう
な金属粉末に対して、前述したような結合用有機樹脂や
溶剤を添加混合して調製される。ペースト中に添加され
る溶剤としては、用いる結合用有機樹脂が溶解可能な溶
剤であればよく、例えば、イソプロピルアルコール、テ
ルピネオール、2−オクタノール、ブチルカルビトール
アセテート等が用いられる。
【0024】導体ペースト中の結合用有機樹脂として
は、前述した種々の絶縁層を構成する有機樹脂の他、セ
ルロースなども使用される。この有機樹脂は、前記金属
粉末同士を互いに接触させた状態で結合するとともに、
金属粉末を絶縁シートに接着させる作用をなしている。
この有機樹脂は、金属ペースト中において、0.1乃至
40体積%、特に0.3乃至30体積%の割合で含有さ
れることが望ましい。これは、樹脂量が0.1体積%よ
りも少ないと、金属粉末同士を強固に結合することが難
しく、低抵抗金属を絶縁層に強固に接着させることが困
難となり、逆に40体積%を越えると、金属粉末間に樹
脂が介在することになり粉末同士を十分に接触させるこ
とが難しくなり、ビアホール導体の抵抗が大きくなるた
めである。次に、図1(b)に示すように、絶縁シート
1の表面あるいは裏面に適宜、配線回路層3を形成す
る。配線回路層3の形成は、1)絶縁シート1の表面に
金属箔を貼り付けた後、エッチング処理して回路パター
ンを形成する方法、2)絶縁シート1表面にレジストを
形成して、メッキにより形成する方法、3)転写フィル
ム表面に金属箔を貼り付け、金属箔をエッチング処理し
て回路パターンを形成した後、この金属箔からなる回路
パターンを絶縁シート1表面に転写させる方法等が挙げ
られる。この時、電気素子の電極と接続されるビアホー
ル導体2aに対しては、配線回路層を形成しないか、ま
たは前記低融点金属を含む接続用パッドを設けてもよ
い。
【0025】配線回路層3としては、銅、アルミニウ
ム、金、銀の群から選ばれる少なくとも1種、または2
種以上の合金からなることが望ましく、特に、銅、また
は銅を含む合金が最も望ましい。また、場合によって
は、導体組成物として回路の抵抗調整のためにNi−C
r合金などの高抵抗の金属を混合、または合金化しても
よい。さらには、配線回路層の低抵抗化のために、前記
低抵抗金属よりも低融点の金属、例えば、半田、錫など
の低融点金属を導体組成物中の金属成分中に2〜20重
量%の割合で含んでもよい。
【0026】その後、図1(c)に示すように、上記絶
縁シート1の表面に電気素子4を載置し、電気素子4の
裏面に形成された電極5をビアホール導体2aの端面の
露出部と当接させる。
【0027】この時の電気素子4としては、半導体素
子、コンデンサ素子、抵抗素子、フィルター素子、発振
素子などが挙げられ、特に、耐熱温度が硬化温度T1
りも高いことが望ましい。
【0028】そして、電気素子4を搭載した絶縁シート
1を、ビアホール導体2bや配線回路層3が形成された
他の絶縁シート6,7、8とともに積層する。この時、
図1(d)に示すように、絶縁シート1の直上の絶縁シ
ート6に対しては、電気素子4を収納するための開口9
を形成して積層することにより、電気素子4を絶縁シー
ト1、6、7によって形成される密閉された空隙中に収
納搭載することができる。
【0029】その後、上記のようにして作製された積層
物を絶縁シート1中の熱硬化性樹脂の硬化温度T1 以上
に加熱することにより、絶縁シート1、6、7を完全硬
化させる。
【0030】この時、ビアホール導体2a内の低融点導
体材料はその融点T2 が硬化温度T1 よりも低いため
に、上記熱硬化時に溶融する結果、電気素子4の電極5
とビアホール導体2aとを電気的に接続することができ
る。
【0031】その結果、図1(e)に示すように、電気
素子4を多層配線基板A内部の密閉された空隙10中に
収納搭載され、空隙10内においてビアホール導体2a
と電気的に接続された電気素子を搭載した多層配線基板
を作製することができる。
【0032】なお、本発明によれば、上記の方法を発展
させて、あらゆる形態の電気素子を搭載した配線基板を
作製することができ、例えば、多層配線基板内の同一層
内、あるいは異なる層に、複数の空隙部を形成してそれ
ぞれ電気素子を収納搭載させて、複数の電気素子を搭載
させることができる。また、熱硬化性樹脂を硬化前に流
動させ、電気素子4の周辺の絶縁相との隙間を極力小さ
くすることが信頼性を高める上で望ましい。
【0033】また、上記の方法は、電気素子を基板内部
に収納した場合について述べたが、電気素子を基板の表
面においてビアホール導体と接続させる場合においても
適用でき、さらには、上記のように基板内部への収納搭
載とともに、基板表面への搭載も同時に行うことも可能
である。
【0034】このように、本発明によれば、配線基板の
内部に、単一のみならず、複数の電気素子を容易に搭載
することができるために、配線基板の小型化と、電気素
子の実装密度を高めることのできる電気素子搭載配線基
板を提供できる。しかも、本発明の製造方法によれば、
電気素子の配線基板への接続と、多層配線基板との製造
を同時に行うことができる結果、製造工程の簡略化が可
能であり、製造の歩留りを高め、コストの低減を図るこ
とができる。
【0035】
【実施例】(1)PPE(ポリフェニレンエーテル)樹
脂(硬化温度T1 =200℃)50体積%、シリカ粉末
50体積%の割合となるように、ワニス状態の樹脂と粉
末を混合しドクターブレード法により、厚さ75mmの
絶縁シートaを作製し、その絶縁シートaにパンチング
で直径0.1mmのビアホールを複数個形成し、そのう
ち、電気素子の電極と接続されるビアホール内に表面に
銀をメッキした平均粒径が5μmの銅粉末を50体積
%、低融点金属としてSn−Pb共晶ハンダからなる平
均粒径が3μmの粉末(融点T2 =183℃)を50体
積%とからなる金属成分に対して、トリアリルイソシア
ヌレートを5体積%の割合で添加した導体ペーストを充
填してビアホール導体を形成した。また、電気素子と接
続されないビアホールにも、同様の導体ペーストを充填
した。
【0036】(2)一方、ポリエチレンテレフタレート
(PET)樹脂からなる転写シートの表面に接着剤を塗
布し、厚さ12μm、表面粗さ0.8μmの銅箔を一面
に接着した。そして、フォトレジスト(ドライフィル
ム)を塗布し露光現像を行った後、これを塩化第二鉄溶
液中に浸漬して非パターン部をエッチング除去して配線
回路層を形成した。なお、作製した配線回路層は、線幅
が20μm、配線と配線との間隔が20μmの微細なパ
ターンである。
【0037】(3)そして、(1)で作製した絶縁シー
トaの表面に、転写シートの配線回路層側を絶縁シート
aに50kg/cm2 の圧力で圧着した後、転写シート
を剥がして、配線回路層を絶縁シートaに転写させた。
【0038】(4)次に、ビアホール導体および配線回
路層が形成された絶縁シートaの表面に、シリコン半導
体メモリチップ(耐熱温度250℃)を載置し、チップ
の裏面に形成された電極とビアホール導体の端部の露出
部が当接するように位置合わせし、接着剤によって仮固
定した。
【0039】(5)その後、上記と同様にしてビアホー
ル導体または配線回路層を形成した絶縁シートbに対し
て、電気素子の大きさよりもわずかに大きい開口をパン
チングによって形成し、それを電気素子の厚さ分積層
し、最後に開口を有しない絶縁シートcを積層し、20
kg/cm2 の圧力を印加して圧着した。
【0040】(6)そして、この積層物を200℃で1
時間加熱して完全硬化させて多層配線基板を作製した。
なお、加熱による樹脂の流動で絶縁シートの開口部が収
縮して絶縁層とチップとが密着し、チップと絶縁層との
隙間はほとんどなくなっていた。
【0041】得られた多層配線基板に対して、断面にお
ける配線回路層やビアホール導体の形成付近を観察した
結果、IC素子とビアホール導体とはビアホール導体中
の低融点金属の溶融によって良好な接続状態であり、各
配線間の導通テストを行った結果、配線の断線も認めら
れなかった。また、IC素子の動作においても何ら問題
はなかった。得られた多層配線基板を湿度85%、温度
85℃の高温多湿雰囲気に100時間放置したが、目視
で判別できる程度の変化は全く生じていなかった。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
配線基板の内部に、単一あるいは複数の電気素子を容易
に搭載することができるために、配線基板の小型化と、
電気素子の実装密度を高めることのできる電気素子搭載
配線基板を提供できる。しかも、本発明の製造方法によ
れば、電気素子の配線基板への接続と、多層配線基板と
の製造を同時に行うことができる結果、製造工程の簡略
化が可能であり、製造の歩留りを高め、コストの低減を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気素子搭載配線基板の製造方法を説
明するための工程図である。
【符号の説明】
1,6,7,8 絶縁シート 2 ビアホール導体 3 配線回路層 4 電気素子 5 電極 9 開口 10 空隙

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも熱硬化性樹脂を含む複数の絶縁
    層を積層してなる絶縁基板と、該絶縁基板の表面および
    内部に形成された配線回路層と、金属粉末が充填されて
    なるビアホール導体とを具備する配線基板内部の密閉さ
    れた空隙中に電気素子が搭載され、前記電気素子の電極
    と前記ビアホール導体とが電気的に接続してなる電気素
    子搭載配線基板において、 前記電極と接続されるビアホール導体が、前記熱硬化性
    樹脂の硬化温度よりも10℃以上低い融点を有する低融
    点金属と融点が熱硬化性樹脂の硬化温度よりも高い高
    融点金属との混合物を含有し、前記低融点金属と前記高
    融点金属とが体積比率で10:90〜90:10の比率
    からなり、該ビアホール導体と前記電気素子の電極とを
    該ビアホール導体中の低融点金属の加熱溶融によって
    気的に接続固定してなることを特徴とする電気素子搭載
    配線基板。
  2. 【請求項2】少なくとも熱硬化性樹脂を含有する未硬化
    の絶縁シートにビアホールを形成し、該ビアホール中に
    前記熱硬化性樹脂の硬化温度よりも10℃以上低い融点
    を有する低融点金属と、融点が熱硬化性樹脂の硬化温度
    よりも高い高融点金属との混合物を含有し、前記低融点
    金属と前記高融点金属とが体積比率で10:90〜9
    0:10の比率からなる導体ペーストを充填してビアホ
    ール導体を形成するA工程と、前記絶縁シートの表面に
    所定の電気素子を搭載し、前記電気素子の電極と前記ビ
    アホール導体の端部の露出部とを当接させるB工程と、
    前記電気素子を載置した絶縁シートの表面に、前記電気
    素子が密閉された空隙中に収納搭載されるように他の絶
    縁シートを積層するC工程と、該積層物を前記熱硬化性
    樹脂の熱硬化温度に加熱して前記絶縁シートを硬化させ
    ると同時に、前記ビアホール導体内の前記低融点金属を
    溶融せしめ、前記電気素子の電極とビアホール導体とを
    前記溶融した低融点金属によって電気的に接続するD工
    程と、を具備することを特徴とする電気素子搭載配線基
    板の製造方法。
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