JP3204105B2 - 青果物の食味特性測定用トレイ - Google Patents

青果物の食味特性測定用トレイ

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JP3204105B2 JP21533196A JP21533196A JP3204105B2 JP 3204105 B2 JP3204105 B2 JP 3204105B2 JP 21533196 A JP21533196 A JP 21533196A JP 21533196 A JP21533196 A JP 21533196A JP 3204105 B2 JP3204105 B2 JP 3204105B2
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一夫 前田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メロン、スイカ、
カボチャ等青果物の糖度、熟度等の食味特性を一個体ず
つ非破壊的にかつ連続して測定可能な非破壊食味特性測
定装置に用いられる青果物の食味特性測定用トレイに係
り、特に、青果物の食味特性を高速かつ高精度に測定で
きる食味特性測定用トレイの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、桃、柑橘類、葡萄類、メロン、ト
マト等の青果物に対し光を照射し青果物から出射された
光の糖における光吸収測定により青果物の糖度を非破壊
的に測定できる装置が開発されている(特開平1−30
1147号公報参照)。
【0003】ところで、この装置を用いてメロン、スイ
カ等青果物の糖度を非破壊的に測定しようとした場合、
メロン、スイカ等は上記葡萄類や柑橘類等と較べてその
外果皮が厚く、かつ、サイズも大きいため、レーザ等の
照射光をメロン、スイカ等の奥深くまで浸透させたり、
充分な強度の検出光(すなわちメロン、スイカ等青果物
から出射される光)を得ることが困難であった。そし
て、照射光がメロン、スイカ等青果物の奥深くまで浸透
しないと一個の青果物の平均的糖度が適正に得られず、
また、検出光が弱いと測定精度が低下する。尚、適正か
つ高精度に糖度を測定するために、メロン、スイカ等の
青果物に対するレーザのパワーを増大させる方法も考え
られるが、強度アップに起因してメロン、スイカ等青果
物表面が焼けてしまい非破壊検査が困難となる。
【0004】そこで、従来においては青果物の外周面に
少なくとも一対の筒体を圧接し、かつ、一方の筒体を介
し青果物へ光照射することにより青果物内部へ漏れなく
光を入射させると共に、青果物からの出射光だけを他方
の筒体を介し検出器へ入射させる方法が検討されてい
る。
【0005】ところで、これ等の筒体を用いたメロン等
青果物の糖度測定を実際に行う場合、搬送中の青果物に
対しこれ等筒体を圧接配置させるには、上記青果物の搬
送に合わせて筒体も移動させることを要する。このた
め、これ等筒体の移動機構を非破壊糖度測定装置に組込
む必要が生じ、その分、測定装置の構造が複雑化する問
題があった。
【0006】尚、青果物の糖度を測定する際、青果物の
搬送を一旦停止する機構を装置内に組込むことにより上
記筒体の移動機構を省略することは可能である。
【0007】しかし、この様な構成にした場合、青果物
の糖度を連続的に測定することは機構上できなくなるた
め測定速度の低下を引起こす問題があった。
【0008】この様な技術的背景の下、本発明者等は測
定装置の構造を複雑化させることなくかつメロン、スイ
カ等青果物の糖度に加えてその熟度等も高速、高精度に
測定できる非破壊食味特性測定装置を既に提案してい
る。
【0009】すなわち、この非破壊食味特性測定装置
は、図8に示すように被測定用の青果物が載置される受
部cを有しかつ搬送路上を移動する食味特性測定用トレ
イdとこの食味特性測定用トレイdを搬送路に沿って案
内するガイドeと上記食味特性測定用トレイdを移動さ
せるローラーコンベア(他にベルトコンベア等の任意な
駆動手段が適用できる)fとで搬送系の主要部が構成さ
れ、上記食味特性測定用トレイdの受部cには図9に示
すようにその厚み方向に沿って一方の開口端が青果物M
の外周面に接触し他方が食味特性測定用トレイdの底面
側から露出する少なくとも2つのトレイ側光通路部g,
hを設けると共に、搬送路内における食味特性測定用ト
レイdの底面側と対向する部位には一方の開口端がトレ
イ側光通路部g,hの開口端と位置整合された少なくと
も2つの測定側光通路部i,jを備える測定部kを配設
し、この測定部kにおいて一方の測定側光通路部iとこ
れに位置整合されたトレイ側光通路部gを介し青果物M
へ光を照射すると共に、青果物Mから出射された光を他
方のトレイ側光通路部hとこれに位置整合された測定側
光通路部jを介し検出器(図示せず)へ入射させるよう
にしたことを特徴とするものであった。
【0010】そして、この非破壊食味特性測定装置によ
れば、図9に示すようにメロン等の青果物Mが載置され
る食味特性測定用トレイdの受部cに設けられたトレイ
側光通路部gと搬送路内の上記食味特性測定用トレイd
の底面側と対向する部位に配設された測定部kの測定側
光通路部iを介して青果物Mへ光が照射されると共に、
青果物Mからの出射光については上記食味特性測定用ト
レイdの受部cに設けられた他のトレイ側光通路部hと
同じく測定部kの他の測定側光通路部jを介して検出器
(図示せず)に入射されるため、光照射時並びに光検出
時における漏れ光が防止されて青果物M内部へ効率よく
光が入射されると共に青果物Mからの出射光も効率よく
検出器へ入射させることが可能となる。
【0011】従って、メロン等青果物に対する照射光の
パワーを増大させることなく適正かつ高精度に青果物の
糖度や熟度等その食味特性を測定することが可能とな
る。
【0012】また、上述した従来の筒体に相当するトレ
イ側光通路部g,hが食味特性測定用トレイdの受部c
に設けられ、これにより青果物の搬送に合わせて移動さ
せる筒体の移動機構を設ける必要がないため、測定装置
の構造を複雑化させることなく青果物の食味特性を高速
かつ高精度に測定することが可能になる。
【0013】尚、この非破壊食味特性測定装置において
は、ローラーコンベアfにより搬送される食味特性測定
用トレイdの受部cに設けられたトレイ側光通路部g,
hの測定部k側の開口端と、上記測定部kに設けられた
測定側光通路部i,jの食味特性測定用トレイd側の開
口端との位置が合致した時点において光を照射させる照
射タイミング制御手段が必要となる。そこで、この装置
においては、上記食味特性測定用トレイdの側面に光反
射皮膜(光反射テープ)等の被検知部材を設け、この被
検知部材と、上記測定部kの近傍位置に配設されトレイ
側光通路部の開口端と測定側光通路部の開口端の位置が
合致した時に上記食味特性測定用トレイdの被検知部材
を検知するセンサと、このセンサからの検知信号に基づ
き光照射手段としての光源(図示せず)をON,OFF
動作させる電源、スイッチング手段にて上記照射タイミ
ング制御手段を構成している。
【0014】また、上記非破壊食味特性測定装置におい
ては、図8〜図9に示すように測定部kの上面側中央部
位に設けられた凸條mと食味特性測定用トレイdの底面
側略中央部に設けられ凸條mを摺動可能に遊嵌させる凹
條nとで構成される光漏れ防止手段が設けら、この光漏
れ防止手段により測定側光通路部iを通過するレーザ等
光の測定側光通路部j内への入り込みが防止される構造
となっている。
【0015】また、この非破壊食味特性測定装置により
青果物の糖度を測定する場合、少なくとも3種類の波長
の光を用いて糖度を求めている。すなわち、3つの波長
の内の1つの波長は、糖による吸収波長である900n
m〜920nmの範囲に、他の2つの波長は、糖の吸収
に無関係な860nm〜890nm及び920nm〜9
60nm(920nmは含まれない)の範囲の波長の光
から1波長づつ選択されている。これは、この様に選択
された波長の光を用いることで、糖の吸収波長の両側の
波長の光により上記900nm〜920nmの波長の光
の吸収から波長依存性のあるバックグランドの影響を正
確に取り除くことができ、糖度を正確に求めることがで
きるようになるからである。すなわち、実際の糖度との
相関係数が0.9以上、つまり±1.0°ブリックスの
精度で青果物の糖度が求められるようになる。
【0016】従って、この非破壊食味特性測定装置にお
いては、図10〜図11に示すように搬送路内に3か所
の測定部k1〜k3が設けられ、かつ、3種類の光源p
1〜p3から光ファイバwを介してそれぞれの測定部へ
対応するレーザ等の光が供給されるよう構成されてい
る。尚、各測定部k1〜k3における青果物Mの糖度等
その食味特性の測定は、図11に示すように暗室におい
て行われるようになっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、被測定用青
果物が載置された食味特性測定用トレイdを各測定部k
1〜k3へ搬送する際、食味特性測定用トレイdは上記
ローラコンベアf等の駆動手段により各測定部k1〜k
3へ搬送されることになる。
【0018】このとき、食味特性測定用トレイdの受部
cに載置された青果物Mにはローラコンベアf等の駆動
手段に起因した機械的振動がトレイdを介し連続して加
わることから、上記青果物Mは受部c上において横揺れ
若しくは縦揺れしながら搬送されることになる。このた
め、搬送中において食味特性測定用トレイdに対する青
果物Mの載置位置が揺れを原因として微妙に変化してし
まうことがあった。
【0019】そして、この青果物Mにおける載置位置の
変化により各測定部k1〜k3における青果物Mに対す
る照射位置も微妙に変化する。従って、この照射位置の
変化により上述した3種類の波長の光は青果物M内の異
なる領域を通過しかつ青果物Mから出射されることにな
るため測定誤差を引き起こし易い問題点があった。特
に、測定対象がメロン、カボチャ等その表面形状や模様
等が部位により大きく異なるようにな青果物の場合、照
射箇所によってその反射率が大幅に変化するため測定誤
差が大きくなる問題点を有していた。
【0020】また、この種の非破壊食味特性測定装置に
おいては、3つの測定部k1〜k3が連設された搬送路
内に食味特性測定用トレイdを搬入する際、このトレイ
dの向きを適正方向へ揃えるための方向制御機構a(図
12参照)が付設されている。これは、各測定部k1〜
k3においてその測定側光通路部i、jと上記食味特性
測定用トレイdのトレイ側光通路部g、hとを位置整合
させる必要があるからである。この方向制御機構aは、
図12に示すように測定部が連設された搬送路直前の導
入路に設けられており、この導入路の略中央に配置され
かつ上記測定部に形成された凸條mに連続する凸條導入
部m’と、上記導入路の両側縁部に設けられかつ搬送速
度が互いに異なる一対の搬送ベルトb1、b2とで構成
されている。
【0021】そして、この方向制御機構aの作用により
食味特性測定用トレイdの向きは適正方向へ揃えられる
ことになるが、この方向制御の際、上記食味特性測定用
トレイdには大きな衝撃が加わり易いため、この衝撃に
より食味特性測定用トレイd上の青果物Mが転倒した
り、食味特性測定用トレイdに対する青果物Mの載置位
置が大きく変化してしまう等の問題点を有していた。
【0022】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、青果物の搬送時
における青果物の横揺れや縦揺れを防止できる食味特性
測定用トレイを提供すると共に、青果物の搬送時におけ
る青果物の転倒などをも防止できる食味特性測定用トレ
イを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、被測定用青果物が載置される受部に少なくと
も2つのトレイ側光通路部を有し、搬送路中に設けられ
た測定部において載置された青果物の外周面に開口端が
接触する一のトレイ側光通路部を介し青果物に光が照射
されると共に、青果物から出射された光をこの青果物の
外周面に開口端が接触する他のトレイ側光通路部を介し
測定することにより青果物の食味特性が測定され、か
つ、搬送手段に固定されていない青果物の食味特性測定
用トレイを前提とし、中央に略円形状の開口部を有し、
載置された青果物の外周面が上記開口部の開口縁に当接
され、かつ、載置された青果物の重量により上記開口部
及びその周辺部が変形して青果物の下方側外周面を各ト
レイ側光通路部の開口端に接触させると共に、載置され
た青果物に加わる機械的振動を吸収して青果物の搬送時
における揺れを防止する弾性材料から成る揺れ防止手段
が上記受部に設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0024】そして、この請求項1記載の発明に係る食
味特性測定用トレイによれば、被測定用青果物が載置さ
れる受部に揺れ防止手段が設けられているため、搬送時
における青果物の揺れを防止することが可能となる。
【0025】従って、搬送中において食味特性測定用ト
レイに対する青果物の載置位置が変化し難くなることか
ら、各測定部において青果物の略同一箇所へ波長の異な
る光をそれぞれ照射させることが可能になるため各光の
反射率の差異を最小にでき、かつ、青果物内における同
一箇所からの光情報を得ることができるため測定誤差の
大幅な低減が図れる。
【0026】尚、上記揺れ防止手段は、ゴム材、ウレタ
ンゴム、ウレタンスポンジ等の伸縮性に優れた弾性材料
により構成されているため、青果物に加わる機械的振動
を吸収できると共に、この揺れ防止手段が配置された受
部に青果物を載置した際、載置された青果物の重量によ
り揺れ防止手段の上記開口部及びその周辺部が変形して
青果物の下方側外周面を各トレイ側光通路部の開口端に
接触させることができる。このため、上記受部に揺れ防
止手段を配設しても、青果物の食味特性測定に支障を来
すこともない。
【0027】次に、請求項2〜3に係る発明は上記揺れ
防止手段の構造を特定した発明に関するものであり、ま
た、請求項4に係る発明は搬送時における青果物の転倒
をも防止できる食味特性測定用トレイに関するものであ
る。
【0028】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る青果物の食味特性測定用トレイを前
提とし、中央に円形状の開口部を有する円盤状の載置部
とこの載置部の外周縁から下方側に延設されかつその一
部がトレイの受部内面に嵌着若しくは接着される支持部
とで上記揺れ防止手段が構成されていることを特徴と
し、他方、請求項3に係る発明は、一部がトレイの受部
内面に嵌着若しくは接着されかつ中央に開口部を有する
ドーナツ形状の弾性部材にて上記揺れ防止手段が構成さ
れていることを特徴とするものである。
【0029】また、請求項4に係る発明は、請求項1、
2又は3記載の発明に係る青果物の食味特性測定用トレ
イを前提とし、上記揺れ防止手段における開口縁の当接
部位より高い部位の青果物外周面に当接されて搬送時に
おける青果物の転倒を防止する転倒防止手段が、揺れ防
止手段を備える受部の近傍に配設されていることを特徴
とするものである。
【0030】尚、これ等食味特性測定用トレイが適用さ
れる非破壊食味特性測定装置においては、メロン、スイ
カ、カボチャ等の青果物の糖度と熟度をそれぞれ測定す
ることが可能である。この場合、メロン等の青果物に光
を照射しその青果物から出射された光を測定する際、そ
の測定データの処理方式の違いにより糖度と熟度をそれ
ぞれ選択的に求めることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明をメロンの糖度等食
味特性測定用トレイに適用した実施の形態について図面
を参照して詳細に説明する。
【0032】[第一実施の形態]すなわち、この食味特
性測定用トレイ1は、図1(A)(B)に示すように黒
色のABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン)樹脂から成り受部11を有するトレイ本体10と、
黒色のゴム材から成り上記トレイ本体10の受部11に
設けられた揺れ防止手段20とでその主要部が構成され
ている。
【0033】まず、トレイ本体10は、円柱状のトレイ
下側部12と、このトレイ下側部12から上方側へ突出
し上記トレイ下側部12の円周縁から外方へはみでない
略四角柱状のトレイ上側部13とでその主要部が構成さ
れ、かつ、上記トレイ上側部13は2方向対称性を具備
するようにその中心が上記トレイ下側部12の中心と重
なるように配設されている。
【0034】また、上記トレイ上側部13の上面にはす
り鉢状の受部11が設けられ、この受部11の2方向対
称性を具備する位置に断面略円形状の2つのトレイ側光
通路部14、15が設けられていると共に、上記トレイ
上側部13の4隅部は丸加工され、かつ、トレイ上側部
13における2の側面16、17には被検知部材を構成
する光反射テープ18が設けられ、更にトレイ下側部1
2の底面側略中央部には上述した非破壊食味特性測定装
置(図8参照)の各測定部の上面に設けられた凸條を摺
動可能に遊嵌させる凹條19が設けられている。
【0035】尚、この食味特性測定用トレイ1全体の色
は、黒色でかつ不透明状態となっている。
【0036】他方、上記揺れ防止手段20は、図1
(B)に示すように中央に円形状の開口部21を有する
円盤状の載置部22と、この載置部22の外周縁から下
方側に延設されかつその背面側に複数の支持用凸部23
が取付けられた鍋底形状の支持部24とでその主要部が
構成されており、上記支持部24をトレイ本体10の受
部11内面に嵌着させてトレイ本体10内に組込まれて
いると共に、揺れ防止手段20についてはその載置部2
2の上面とトレイ本体10のトレイ上側部13とが略同
一平面を構成するように配置されている。また、鍋底形
状の上記支持部24については、トレイ上側部13の受
部11に設けられたトレイ側光通路部14、15の開口
端を閉止しないようその対応箇所に開口が設けられてい
る。
【0037】そして、揺れ防止手段20が設けられた食
味特性測定用トレイ1における載置部22の開口部21
に青果物(図示せず)を載置すると、載置された青果物
の重量により上記開口部21及びその周辺部が変形して
青果物の外周面が開口部21の開口縁に当接されると共
に、青果物の下方側外周面が各トレイ側光通路部14、
15の開口端に接触しかつ係止される。
【0038】従って、上記トレイ側光通路部14、15
を介して従来と同様に青果物の食味特性の測定ができる
と共に、食味特性測定用トレイ1の搬送中に青果物に加
わる機械的振動を上記揺れ防止手段20が吸収するため
搬送中における青果物の揺れをも防止できる利点を有し
ている。
【0039】[第二実施の形態]この実施の形態に係る
食味特性測定用トレイ3は、トレイ本体の形状が変更さ
れている点と、転倒防止手段が付加されている点を除き
第一実施の形態に係る食味特性測定用トレイと略同一で
ある。
【0040】すなわち、このトレイ本体30は、図2
(A)に示すように円柱状のトレイ下側部32と、この
トレイ下側部32から上方側へ突出しその一部を切り欠
いて形成された一対の平面状側面部36、37を有する
略円柱状のトレイ上側部33とでその主要部が構成さ
れ、かつ、上記トレイ上側部33は2方向対称性を具備
するようにその中心がトレイ下側部32の中心と重なる
ように配設されている。
【0041】また、上記トレイ上側部33の上面にはす
り鉢状の受部31が設けられ、この受部31の2方向対
称性を具備する位置に断面略円形状の2つのトレイ側光
通路部34、35が設けられていると共に、一対の上記
平面状側面部36、37には被検知部材を構成する光反
射テープ38が設けられ、更にトレイ下側部32の底面
側略中央部には非破壊食味特性測定装置の各測定部の上
面に設けられた凸條を摺動可能に遊嵌させる凹條39が
設けられている。尚、この食味特性測定用トレイ3全体
の色も、黒色でかつ不透明状態となっている。
【0042】また、第一実施の形態において適用されて
いるものと同一の揺れ防止手段40が、図2(A)
(B)〜図3(A)(B)に示すようにトレイ本体30
の受部31内面に嵌着させて配設されている。
【0043】更に、この食味特性測定用トレイ3におい
ては、上記揺れ防止手段40を配設した受部31の近
傍、すなわちトレイ上側部33の上面に転倒防止手段5
が付設されている。すなわち、この転倒防止手段5は、
図2(A)に示すようにトレイ上側部33の四隅部にそ
れぞれ設けられていると共に頂部側から下方中心側に向
かって傾斜する断面略U字形状の接触部50を内側に有
しかつゴム材から成る固定部51と、各固定部51の頂
部にそれぞれ取付けられ各頂部からトレイ中心部へ向か
って水平に伸びかつ帯状ゴム板から成る係止部52とで
その主要部が構成されている。
【0044】そして、揺れ防止手段40と転倒防止手段
5が設けられた食味特性測定用トレイ3における載置部
42の開口部41に青果物(図示せず)を載置すると、
第一実施の形態に係るトレイと同様に、載置された青果
物の重量により上記開口部41及びその周辺部が変形し
て青果物の外周面が開口部41の開口縁に当接されると
共に、青果物の下方側外周面が各トレイ側光通路部3
4、35の開口端に接触しかつ係止される。また、上記
開口部41に載置される青果物はその大小に拘らず上記
転倒防止手段5の各係合部52により保持される。すな
わち、載置された青果物が小さい場合には上記揺れ防止
手段40の当接部位より高い部位の青果物外周面に転倒
防止手段5の各係合部52の先端が当接して青果物が保
持され、また、載置された青果物が大きい場合には転倒
防止手段5の各係合部52先端が青果物に押圧されて変
形し上記揺れ防止手段40の当接部位より高い部位の青
果物外周面にその変形面が当接して青果物が保持され
る。
【0045】従って、トレイ側光通路部34、35を介
して従来と同様に青果物の食味特性の測定ができると共
に、食味特性測定用トレイ3の搬送中に青果物に加わる
機械的振動を上記揺れ防止手段40が吸収するため搬送
中における青果物の揺れをも防止でき、更に、図3
(B)に示すように食味特性測定用トレイ3が矢印で示
すいずれかの方向に搬送される際、このトレイ3に強い
衝撃が加わっても上記転倒防止手段5の作用により青果
物がトレイより転倒し難い利点を有している。
【0046】また、転倒防止手段5は図3(B)に示す
ようにトレイ上側部33の四隅部に設けられているた
め、トレイ搬送時においてこの転倒防止手段5が青果物
の外観検査(例えば青果物がメロンの場合、ネットの様
子、色、傷の具合等を検査する必要がある)に支障を来
すこともない。
【0047】[第三実施の形態]この実施の形態に係る
食味特性測定用トレイ6は、トレイ本体に設けられたト
レイ側光通路部の断面形状が円形状から四角形状に変わ
りかつその数が2から4個に増えている点と、転倒防止
手段が付加されている点を除き第一実施の形態に係る食
味特性測定用トレイと略同一である。
【0048】すなわち、このトレイ本体60は、図4
(A)に示すように円柱状のトレイ下側部62と、この
トレイ下側部62から上方側へ突出し上記トレイ下側部
62の円周縁から外方へはみでない略四角柱状のトレイ
上側部63とでその主要部が構成され、かつ、上記トレ
イ上側部63は4方向対称性を具備するようにその中心
がトレイ下側部62の中心と重なるように配設されてい
る。
【0049】また、上記トレイ上側部63の上面にはす
り鉢状の受部61が設けられ、この受部61の4方向対
称性を具備する位置に断面略四角形状の4つのトレイ側
光通路部64、65、64’、65’が設けられている
と共に、上記トレイ上側部63の4隅部は丸加工され、
かつ、トレイ上側部63における4の側面には被検知部
材を構成する光反射テープ(図示せず)が設けられ、更
にトレイ下側部62の底面側略中央部には非破壊食味特
性測定装置の各測定部の上面に設けられた凸條(この場
合、2本の凸條が設けられている)を摺動可能に遊嵌さ
せる2本の凹條69、69’が井桁状に設けられてい
る。尚、この食味特性測定用トレイ6全体の色も、黒色
でかつ不透明状態となっている。
【0050】また、第一実施の形態において適用されて
いるものと同一の揺れ防止手段70が、図4(A)
(B)に示すようにトレイ本体60の受部61内面に嵌
着させて配設されている。但し、揺れ防止手段70にお
ける支持部74については、トレイ側光通路部が4個に
増えたことに対応して各トレイ側光通路部の開口端を閉
止しないようその対応箇所に4つの開口が設けられてい
る。
【0051】更に、第二実施の形態において適用された
ものと同一構造の固定部81と係止部82から成る転倒
防止手段8がトレイ上側部63の四隅部に設けられてい
る(図4A〜B参照)。
【0052】そして、この食味特性測定用トレイ6にお
いてもトレイ側光通路部64、65または64’、6
5’を介して従来と同様に青果物の食味特性の測定がで
きると共に、食味特性測定用トレイ6の搬送中に青果物
に加わる機械的振動を上記揺れ防止手段70が吸収する
ため搬送中における青果物の揺れをも防止でき、かつ、
図4(B)に示すように食味特性測定用トレイ6が矢印
で示すいずれかの方向に搬送される際、このトレイ6に
強い衝撃が加わっても上記転倒防止手段8の作用により
青果物がトレイより転倒し難い利点を有している。更
に、この食味特性測定用トレイ6は4方向対称性を具備
しているためトレイの取扱い性も良好な利点を有してい
る。
【0053】尚、本発明に係る食味特性測定用トレイに
おいてトレイ本体の受部に設けられる上記揺れ防止手段
については、図5に示すようにその一部がトレイの受部
11内面に嵌着若しくは接着されかつ中央に開口部91
を有すると共にウレタンゴムから成るドーナツ形状の弾
性部材90にてこれを構成してもよい。また、上記転倒
防止手段についても、図6に示すようにその頂部に係止
部を具備しない固定部100のみでこれを構成してもよ
い。
【0054】また、上記揺れ防止手段については、中央
に円形状の開口部を有する円盤状の載置部(但し、この
載置面は必ずしも平面でなくともよい)とこの載置部の
外周縁から下方側に延設されかつその一部がトレイの受
部内面に嵌着若しくは接着される支持部とで構成される
ものなら任意であり、図1及び図5等において示したも
の以外に、例えば、ゴム材、ウレタンゴム、ウレタンス
ポンジ等伸縮性に優れた弾性材料から成り図7(A)〜
(E’)に示されたもの等が挙げられる。
【0055】
【発明の効果】請求項1〜3記載の発明に係る食味特性
測定用トレイによれば、被測定用青果物が載置される受
部に揺れ防止手段が設けられているため搬送時における
青果物の揺れを防止することが可能となる。
【0056】従って、搬送中において食味特性測定用ト
レイに対する青果物の載置位置が変化し難くなることか
ら、各測定部において青果物の略同一箇所へ波長の異な
る光をそれぞれ照射させることが可能になるため各光の
反射率の差異を最小にでき、かつ、青果物内における同
一箇所からの光情報を得ることができるため測定誤差の
大幅な低減が図れる効果を有する。
【0057】また、請求項4記載の発明に係る食味特性
測定用トレイによれば、上記揺れ防止手段に加えて、こ
の揺れ防止手段における開口縁の当接部位より高い部位
の青果物外周面に当接されて搬送時における青果物の転
倒を防止する転倒防止手段が受部に設けられているた
め、搬送時における青果物の転倒をも防止できる効果を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の第一実施の形態に係る食
味特性測定用トレイの概略斜視図、図1(B)はその部
分切欠斜視図。
【図2】図2(A)は本発明の第二実施の形態に係る食
味特性測定用トレイの概略斜視図、図2(B)はその部
分切欠斜視図。
【図3】図3(A)は本発明の第二実施の形態に係る食
味特性測定用トレイの部分切欠斜視図、図3(B)はこ
のトレイの概略平面図。
【図4】図4(A)は本発明の第三実施の形態に係る食
味特性測定用トレイの概略断面図、図4(B)はその概
略平面図。
【図5】本発明の変形例に係る食味特性測定用トレイの
部分切欠斜視図。
【図6】本発明の変形例に係る食味特性測定用トレイの
概略斜視図。
【図7】図7(A)は本発明の変形例に係る揺れ防止手
段の概略斜視図、図7(A’)はその部分切欠斜視図、
図7(B)は変形例に係る揺れ防止手段の概略斜視図、
図7(B’)はその部分切欠斜視図、図7(C)は変形
例に係る揺れ防止手段の概略斜視図、図7(C’)はそ
の部分切欠斜視図、図7(D)は変形例に係る揺れ防止
手段の概略斜視図、図7(D’)はその部分切欠斜視
図、図7(E)は変形例に係る揺れ防止手段の概略斜視
図、図7(E’)はその部分切欠斜視図をそれぞれ示
す。
【図8】非破壊食味特性測定装置の主要部を示す概略斜
視図。
【図9】この非破壊食味特性測定装置の測定時における
食味特性測定用トレイと測定部の断面図。
【図10】非破壊食味特性測定装置の主要部を示す説明
図。
【図11】非破壊食味特性測定装置の全体の構成を示す
説明図。
【図12】非破壊食味特性測定装置に組込まれた方向制
御機構を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1 食味特性測定用トレイ 10 トレイ本体 11 受部 14 トレイ側光通路部 15 トレイ側光通路部 20 揺れ防止手段 21 開口部 22 載置部 24 支持部
フロントページの続き (72)発明者 山内 真二 千葉県市川市中国分3丁目18番5号 住 友金属鉱山株式会社 中央研究所内 (72)発明者 前田 一夫 千葉県市川市中国分3丁目18番5号 住 友金属鉱山株式会社 中央研究所内 (72)発明者 寺島 彰 千葉県市川市中国分3丁目18番5号 住 友金属鉱山株式会社 中央研究所内 (72)発明者 伊東 雅宏 千葉県市川市中国分3丁目18番5号 住 友金属鉱山株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平9−236543(JP,A) 特開 平9−43142(JP,A) 特開 平9−15148(JP,A) 特開 平10−153546(JP,A) 特開 平10−38799(JP,A) 特開 平6−288903(JP,A) 特開 平3−89979(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 G01N 21/84 - 21/85

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定用青果物が載置される受部に少なく
    とも2つのトレイ側光通路部を有し、搬送路中に設けら
    れた測定部において載置された青果物の外周面に開口端
    が接触する一のトレイ側光通路部を介し青果物に光が照
    射されると共に、青果物から出射された光をこの青果物
    の外周面に開口端が接触する他のトレイ側光通路部を介
    し測定することにより青果物の食味特性が測定され、か
    つ、搬送手段に固定されていない青果物の食味特性測定
    用トレイにおいて、 中央に略円形状の開口部を有し、載置された青果物の外
    周面が上記開口部の開口縁に当接され、かつ、載置され
    た青果物の重量により上記開口部及びその周辺部が変形
    して青果物の下方側外周面を各トレイ側光通路部の開口
    端に接触させると共に、載置された青果物に加わる機械
    的振動を吸収して青果物の搬送時における揺れを防止す
    る弾性材料から成る揺れ防止手段が上記受部に設けられ
    ていることを特徴とする青果物の食味特性測定用トレ
    イ。
  2. 【請求項2】中央に円形状の開口部を有する円盤状の載
    置部とこの載置部の外周縁から下方側に延設されかつそ
    の一部がトレイの受部内面に嵌着若しくは接着される支
    持部とで上記揺れ防止手段が構成されていることを特徴
    とする請求項1記載の青果物の食味特性測定用トレイ。
  3. 【請求項3】一部がトレイの受部内面に嵌着若しくは接
    着されかつ中央に開口部を有するドーナツ形状の弾性部
    材にて上記揺れ防止手段が構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の青果物の食味特性測定用トレイ。
  4. 【請求項4】上記揺れ防止手段における開口縁の当接部
    位より高い部位の青果物外周面に当接されて搬送時にお
    ける青果物の転倒を防止する転倒防止手段が、揺れ防止
    手段を備える受部の近傍に配設されていることを特徴と
    する請求項1、2又は3記載の青果物の食味特性測定用
    トレイ。
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