JP4730526B2 - 封入物検査装置 - Google Patents
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Description
上記被検査物としては上記封書の他にも隠蔽シール付はがきや小包などが考えられ、このような被検査物を開封せずに封入物を検査するため、テラヘルツ波やミリ波などの電磁波を被検査物に照射し、封入物が上記対象物であるか否かを検査することが提案されている。
テラヘルツ波やミリ波を用いた検査手段ついては下記特許文献1〜3に開示されており、テラヘルツ波やミリ波を上記対象物に照射すると、対象物の種類によって上記テラヘルツ波やミリ波の散乱波や透過波や反射波が異なることから、当該散乱波や透過波や反射波を検出することで、封入物が上記対象物であるか否かを判定することができる。
このような問題に鑑み、本発明は大量の被検査物であっても、その封入物が対象物であるか否かを迅速に判定することの可能な封入物検査方法及びその装置を提供するものである。
上記擬似対象物が封入されていると判定された封書に対し、該封書の外部からテラヘルツ波もしくはミリ波を照射し、該テラヘルツ波もしくはミリ波の散乱波又は透過波又は反射波を検出することで、当該擬似対象物が所定の対象物であるか否かを判定する擬似対象物検査手段と、
上記X線検査手段から上記擬似対象物検査手段へと封書を搬送する搬送コンベヤと、該搬送コンベヤにより搬送される封書を上方より押圧して位置ずれを防止する押圧コンベヤと、上記搬送コンベヤおよび上記押圧コンベヤをその搬送方向に直交する方向に移動させる位置決め手段とを備え、
上記位置決め手段は、上記搬送コンベヤ上の封書を搬送方向に直交する方向に移動させて、上記X線検査手段において封入物が所定の擬似対象物であると判定された封書における擬似対象物の位置を、上記擬似対象物検査手段におけるテラヘルツ波もしくはミリ波の照射位置に合わせることを特徴とするものである。
このように、擬似対象物の封入されている被検査物に対してテラヘルツ波もしくはミリ波を用いた判定を行うことから、大量の被検査物を処理する場合であっても、その封入物が対象物であるか否かを迅速に判定することが可能となる。
本実施例の封入物検査装置1は、封書2の投入される封書投入ステーションAと、封書2の外観検査を行う外観検査ステーションBと、封書2内の封入物が所定の擬似対象物であるか否かを判定するX線検査ステーションCと、封入物に応じて封書2をリジェクトする第1選別ステーションDと、封書2内の擬似対象物の位置決めを行う位置決めステーションEと、上記擬似対象物が所定の対象物であるか否かを判定する擬似対象物査ステーションFと、封入物に応じて封書2を選別する第2選別ステーションGとから構成されている。
そしてこの封入物検査装置1全体は制御手段3によって制御され、この制御手段3は各ステーションごとに封書投入ステーション制御部3A、外観検査ステーション制御部3B、X線検査ステーション制御部3C、第1選別ステーション制御部3D、位置決めステーション制御部3E、擬似対象物査ステーション制御部3F、第2選別ステーション制御部3Gを備え、また各検査ステーションにおける封書2ごとの検査データを記憶するデータ記憶部4が接続されている。
本実施例における上記対象物とは、爆薬等の危険物質や麻薬等の禁止薬物等の封入物をいい、擬似対象物とは、封書2に封入された封入物のうち、上記対象物の疑いのある封入物のことをいう。そしてこのような対象物は、封書2の外観からは目視で発見することができず、封書2内の対象物を発見するのは困難となっていた。
第1選別ステーションDでは、所定の厚さ以上の封書2がリジェクトされ、位置決めステーションEでは、上記X線検査ステーションCにおいて擬似対象物が封入されていると判定された封書2に対し、当該封書2内の擬似対象物が擬似対象物査ステーションFにおける所定の照射位置Sに到達するように移動させる。
擬似対象物査ステーションFでは、テラヘルツ波を用いて封書2内の擬似対象物が所定の対象物であるか否かが判定され、第2選別ステーションGでは、判定結果にしたがって、対象物の封入された封書2と、封入されていない封書2とに選別される。
第1搬送コンベヤ11は、無端状のベルト11aを張設する保持ローラ11bと、上記ベルト11aを回転させる駆動ローラ11cとを備え、このうち下流端の保持ローラ11bは上記外観検査ステーションBのケース21内に位置し、駆動ローラ11cは上記ケース21の外に設置された第1モータ13によって回転する。
また両保持ローラ11bの間には、ベルト11aの上面が弛まないようにしてベルト11aの走行を案内するガイド板11dが設けられている。
上記ガイドバー12は上記第1搬送コンベヤ11の一側に沿って設けられており、上記封書2は上記ガイドバー12を基準として、該封書2の一辺がガイドバー12にほぼ接する状態でベルト11a上に供給されるようになっている。
上記ケース21は外観検査手段27による検査時に外乱光の侵入を防止する目的で設けられ、第1、第2搬送コンベヤ11、22及び第1,第2押圧コンベヤ23、24が設置される部分には図示しない開口部が形成されている。
第2搬送コンベヤ22は、X線が透過可能な材質からなる無端状のベルト22aと、当該ベルト22aを張設する2つの保持ローラ22bと、上記ベルト22aを回転させる駆動ローラ22cとを備え、当該駆動ローラ22cは上記ケース21外に設けられた第2モータ28によって回転する。
また両保持ローラ22bの間には、下記X線検査手段33によるX線照射位置(隙間δ2)を除き、上記ベルト22aの上面が弛まないようにベルト22aの走行を案内するガイド板22dが設けられている。
そして第2搬送コンベヤ22の上流側の保持ローラ22bと、第1搬送コンベヤ11の下流側の保持ローラ11bとの間には、外観検査手段27による外観検査位置として隙間δ1が形成され、また第2搬送コンベヤ22の下流側の保持ローラ22bはX線検査ステーションCの終端に位置している。
上記駆動ローラ23cは上記第1モータ13によって駆動するようになっており、第1押圧コンベヤ23は第1搬送コンベヤ11と同一の搬送速度で駆動されるようになっている。
各揺動ローラ23bはそれぞれフレーム23dの両側に回転軸23eによって揺動可能に軸支した揺動アーム23fの先端部に回転自在に軸支されており、各揺動アーム23fの他端部とフレーム23dとの間にはそれぞればね23gが弾装されている。
そして上記ばね23gの弾発力と弾性ベルト23aの張力とにより、各揺動アーム23fが一方向に付勢され、通常は各揺動ローラ23bが第1搬送コンベヤ11のベルト11aの上面に接触するようになっている。
このため、上記封書供給ステーションAに供給された封書2は、第1搬送コンベヤ11によって搬送されて第1押圧コンベヤ23にさしかかると、上記ばね23gの弾発力と弾性ベルト23aの張力とに抗して揺動ローラ23bを上方に押し上げながら両コンベヤ11,23のベルト11a、23aの間に進入し、これにより封書2の位置ずれが防止される。
上記第2押圧コンベヤ24は、上記第1押圧コンベヤ23と同様の構成を有しているので詳細な説明を省略するが、無端状の弾性ベルト24aを張設する揺動ローラ24bと、上記弾性ベルト24aを回転させる駆動ローラ24cとを備え、上流側の揺動ローラ24bは第2搬送コンベヤ22の上流側の保持ローラ22bと同じ位置に、下流側の揺動ローラ24bは上記X線検査ステーションCのケース31内にそれぞれ設けられている。
上記駆動ローラ24cは上記第2モータ28によって駆動するようになっており、このため第2押圧コンベヤ23は第2搬送コンベヤ22と同一の搬送速度で駆動されるようになっている。
封書2が第1搬送コンベヤ11及び第1押圧コンベヤ23の間に進入すると、揺動ローラ23bが上方に押し上げられてプレート25bが移動し、この移動量が所定量より大きいことをセンサ25aが検出すると、当該封書2をリジェクトするための信号が第1選別ステーション制御部3Dに送信される。
なお、上記センサ25aとして、他にも上記第1押圧コンベヤ23の回転軸23eを揺動アーム23fに一体に連結し、該回転軸23eの回転角度から揺動ローラ23bの移動量を検出するセンサとしてもよい。
封書2の先端が第1搬送コンベヤ11および第1押圧コンベヤ23の間から突出すると、受光素子26bに入射する発光素子26aからの光が遮られて封書2の先端位置が検出され、封書2が通過し終わると、再び発光素子26aからの光を受光素子26bが受光して封書2の後端位置が検出される。
そして外観検査ステーション制御部3Bは、封書検出手段26が封書2の先端位置を検出すると上記外観検査手段27を作動させて封書2の外観検査を開始し、封書検出手段26が封書2の後端位置を検出すると、第2搬送コンベヤ22の搬送速度から封書2の後端位置が隙間δ1を通過する時間を算出して、封書2が隙間δ1を通過し終わるまで外観検査手段27を作動させるようになっている。
上記支持板27aは上記第1、第2搬送コンベヤ11、22の搬送面の位置に合わせて固定されており、封書2を第1搬送コンベヤ11から第2搬送コンベヤ22に受け渡す際のガイドとなっている。
上記ライン式カメラ27bは、封書2が上記間隔δ1を通過する際に、その上面をライン状に撮影して、該封書2の上面全体を撮影し、上記照明27cは上記カメラ27bの撮影範囲に沿って設けられている。
なお、上記支持板27aを透明にするとともに、当該支持板27aの下面側に照明27cを設けることで、ライン式カメラ27bにより封書2を透過した光を撮影させることも可能である。
また上記エリアセンサ29は図1に示すように一対の発光素子29aと受光素子29bとから構成されており、それぞれ封書2の搬送高さにあわせて設けられるとともに、第2搬送コンベヤ22上の封書2を挟むように設けられている。
そして封書2が上記間隔δ1を通過する際に、発光素子29aからの光が封書2によって遮られる部分を受光素子29bが検出することで、封書2に触れることなく、当該封書2の厚さを連続的に測定するようになっている。
上記ケース31はX線検査手段33により照射されたX線が外部に拡散するのを防止し、上記第2搬送コンベヤ22及び第2,第3押圧コンベヤ24、32が設置されている部分には図示しない開口部が形成されている。
上記第3押圧コンベヤ32は上記第1,第2押圧コンベヤ23、24と同様の構成を有しているので詳細な説明を省略するが、無端状の弾性ベルト32aを張設する揺動ローラ32bと、上記弾性ベルト32aを回転させる駆動ローラ32cとを備えている。
この第3押圧コンベヤ32の上流側の揺動ローラ32bは、第2押圧コンベヤ24の下流側の揺動ローラ24bに対して隙間δ2だけ離れた位置に設けられ、下流側の揺動ローラ32bは第2搬送コンベヤ22の下流側の保持ローラ22bと同じ位置に設けられている。
そして上記駆動ローラ32cは上記第2モータ28によって駆動し、第3押圧コンベヤ32は第2搬送コンベヤ22と同一の搬送速度で駆動されるようになっている。また上記隙間δ2には上記X線検査手段33によるX線検査位置が設けられている。
上記X線検査手段33は、上記隙間δ2の上方に設置されて封書2に向けてX線を照射するX線照射部33aと、封書2および第2搬送コンベヤ22のベルト22aとを透過したX線を受光するライン式のX線カメラ33bとを備え、これらX線照射部33aおよびX線カメラ33bは、それぞれケース31にブラケットを介して取付けられている。
X線検査ステーション制御部3Cは、上記外観検査ステーションBの封書検出手段26における封書2の先端及び後端位置の検出信号と、上記第2搬送コンベヤ22の搬送速度とから、封書2が上記隙間δ2に到達する時間と通過し終わるまでの時間を算出し、封書2が隙間δ2を通過する間、X線カメラ33bによって封書2を撮影させ、X線透過画像を得るようになっている。
さらにX線検査ステーション制御部3Cでは、X線カメラ33bが撮影したX線透過画像により封書2内における擬似対象物の有無を判定し、擬似対象物が検出された場合には、当該擬似対象物の封書2内における座標値を検出し、この擬似対象物の座標値を位置決めステーション制御部3Eへと送信する。
図4に示すように、上記第1選別手段41は、上記位置決めステーションEを構成する第3搬送コンベヤ51の上流端に設けられており、第2搬送コンベヤ22及び第3搬送コンベヤ51の間に設けられたフラップ41aと、当該フラップ41aを第3搬送コンベヤ51の上流の保持ローラ51bと同軸上で回転させる揺動アーム41bと、揺動アーム41bに付勢してフラップ41aを上下に開閉させるエアシリンダ41cとを備えている。
上記フラップ41aは、通常その上面が第2、第3搬送コンベヤ22、51の搬送面と平坦になるように位置しており、上記エアシリンダ41cによって揺動アーム41bの下部を図示左方に付勢すると、フラップ41aの先端が第2搬送コンベヤ22の搬送面よりも上方に開くようになっている。
そして、第1選別ステーションDでは、後に詳述するように、所定厚さ以上の封書2を上記第1リジェクトボックス42内にリジェクトするようになっており、この封書2が第2搬送コンベヤ22を搬送されると、フラップ41aの先端が開かれ、封書2はフラップ41aの下面側に進入して第1リジェクトボックス42内にリジェクトされる。
第3搬送コンベヤ51及び第4押圧コンベヤ52はそれぞれ上記第1、第2搬送コンベヤ11、22及び第1〜第3押圧コンベヤ23,24、32と同様の構成を有しているので詳細な説明を省略するが、これらは共に位置決めステーションEに隣接して設けられた第3モータ54によって同一の搬送速度で駆動するようになっている。
上記位置決め手段53は、上記第3搬送コンベヤ51及び第4押圧コンベヤ52を保持する可動フレーム53aと、可動フレーム53aの側面から搬送方向に直交する方向に設けられたボールねじ53bとを備えている。
上記ボールねじ53bは位置決めステーションEに隣接して設けられた第1サーボモータ55によって駆動され、第3搬送コンベヤ51及び第4押圧コンベヤ52を駆動させた状態で、可動フレーム53aを搬送方向に直交する方向に移動させることが可能となっている。
そして位置決めステーション制御部3Eは、上記第1選別ステーションDでリジェクトされなかった封書2のうち、擬似対象物が封入されている封書2の場合には、上記位置決め手段53を作動させて、封書2内の擬似対象物の中心が擬似対象物査ステーションFの所定の照射位置Sに到達するような位置に移動させる。
一方、擬似対象物が封入されていない封書2の場合には、位置決めステーション制御部3Eは位置決め手段53を作動させず、そのまま封書2を搬送する。
第4、第5搬送コンベヤ62、63は、それぞれ上記第1〜第3搬送コンベヤ11、22、51と同様の構成を有し、第4搬送コンベヤ62と第5搬送コンベヤ63とは、隙間δ3の間隔で平行に配置され、これらは共に支持フレーム61の外部に設置された第2サーボモータ68によって同一の搬送速度で駆動するようになっている。
上記隙間δ3の所定の位置には、検査位置として擬似対象物検査手段67による照射位置Sが設定されており、当該照射位置Sを通過する封書2にテラヘルツ波が照射されるようになっている。
また、第5、第6押圧コンベヤ64,65は、それぞれ上記第1〜第4押圧コンベヤ23,24,32,52と同様の構成を有しており、これらは上記隙間δ3の間隔で平行に配置されるとともに、上記第2サーボモータ68によってそれぞれ第4,第5搬送コンベヤ62,63と同一の搬送速度で駆動するようになっている。
このため封書2は第4、第5搬送コンベヤ62、63によって下方から保持され、第5、第6押圧コンベヤ64,65によって、上方からずれないように挟持された状態で搬送される。
なお、上記第2サーボモータ68により、封書2の搬送速度を可変させながら搬送することが可能であるが、これを通常のモータとして、一定の搬送速度で封書2を搬送するようにしても良い。
封書2の先端が発光素子66a及び受光素子66bの間に差し掛かると、受光素子66bに入射する発光素子66aからの光が遮られて封書2の先端位置が検出され、封書2が通過し終わると、再び発光素子66aからの光を受光素子66bが受光して封書2の後端位置が検出される。
そして擬似対象物検査ステーション制御部3Fは、封書検出手段66が封書2の先端位置を検出すると、上記X線検査ステーションCでの検出結果と第4、第5搬送コンベヤ62、63の搬送速度とに応じて、封書2内の擬似対象物が上記照射位置Sに到達するタイミングで上記擬似対象物検査手段67を作動させるようになっている。
上記テラヘルツ波照射器67aは、上記照射位置Sに波長が3μm〜3mmのときに、周波数がそれぞれ100THz〜0.1THzとなるようなテラヘルツ波を照射し、第1検出器67bはテラヘルツ波が擬似対象物を透過した透過波または擬似対象物を透過する際に散乱する散乱波を検出し、第2検出器67cはテラヘルツ波が擬似対象物で反射した反射波または擬似対象物で反射する際に散乱した散乱波を検出する。
ここで、上記透過波とは照射されたテラヘルツ波が擬似対象物を透過してそのまま第1検出器67bに検出される電磁波であり、上記反射波とは照射されたテラヘルツ波が擬似対象物で反射してそのまま第2検出器67cに検出される電磁波である。また散乱波とは、上記テラヘルツ波が擬似対象物を透過または反射する際に分散した透過波または反射波以外の電磁波であって、上記第1検出器67bまたは第2検出器67cに検出されるものである。
そして擬似対象物査ステーション制御部3Fは、第1,第2検出器67b、67cが検出した透過波、反射波、散乱波の強度などから、擬似対象物が所定の対象物であるか否かの判定を行い、判定結果に応じて、第2選別ステーションGを作動させるための信号が第2選別ステーション制御部3Gに送信される。
なお、上記テラヘルツ波の波長及び周波数は、上記範囲に限られるものではなく、多少外れていても良いことは言うまでもない。
図6に示すように、上記第2選別手段71は、上記擬似対象物査ステーションFを構成する第4、第5搬送コンベヤ62、63の下流端に設けられたフラップ71aと、当該フラップ71aを回転軸71bを中心に回転させる揺動アーム71cと、揺動アーム71cに付勢してフラップ71aを上下に開閉させるエアシリンダ71dとを備えている。
上記フラップ71aは、通常その上面が第4、第5搬送コンベヤ62、63の搬送面と平坦になるように位置しており、上記エアシリンダ71dによって揺動アーム71cの下部を図示左方に付勢すると、フラップ71aの先端が第4、第5搬送コンベヤ62、63の搬送面よりも上方に開くようになっている。
そして、第2選別ステーションGでは、対象物の検出された封書2を上記第2リジェクトボックス72内にリジェクトし、対象物の検出されなかった封書2を上記第3リジェクトボックス73内にリジェクトするようになっている。
そのため、対象物の封入された封書2が第4、第5搬送コンベヤ62、63を搬送されると、フラップ71aの先端が開かれ、封書2はフラップ71aの下面側に進入して第2リジェクトボックス72内にリジェクトされる。
最初に、封入物検査装置1を作動させると制御手段3により各コンベヤは所定の搬送速度で作動を開始し、この状態から図示しない封書供給手段により、封書2が封書投入ステーションAの第1搬送コンベヤ11上に供給される。
すると、供給された封書2の一辺がガイドバー12を基準として位置決めされ、封書2は第1搬送コンベヤ11によって外観検査ステーションBへと搬送される。
このとき、上記揺動ローラ23bが封書2によって押し上げられることで、当該揺動ローラ23bを軸支する揺動アーム23fが回転し、揺動アーム23fの他端に設けられた厚さ検出手段25のプレート25bが移動する。
当該プレート25bの所定量以上の移動はフレーム23dに固定されているセンサ25aによって検出され、その旨の信号が第1選別ステーション制御部3Dに送信される。
一方、外観検査ステーションBでは、上記第2搬送コンベヤ22及び第2押圧コンベヤ24が上記第1搬送コンベヤ11と同じ搬送速度で駆動しており、封書2は隙間δ1を介して第2搬送コンベヤ22及び第2押圧コンベヤ24の間に供給される。
この封書2が上記隙間δ1を通過する間に、外観検査ステーション制御部3Bは上記受光素子26bからの信号を基に、外観検査手段27を作動させて当該封書2に照明27cから光を照射し、封書2の画像を上記ライン式カメラ27cによって撮影する。
上記ライン式カメラ27bによって撮影された画像はデータ記憶部4に送信され、ライン式カメラ27bが撮影した封書2の色や大きさ等の外観についての情報が封書2ごとに記憶される。
一方、エリアセンサ29によって封書2の厚さが測定され、これも封書2の外観についての情報としてデータ記憶部4に記憶される。
なお、エリアセンサ29を厚さ検出手段とし、上記センサ25a等を省略することも可能である。この場合、エリアセンサ29を用いて測定された封書2の厚さを基に、第1選別ステーションDでの選別を行うようにすれば良い
X線検査手段33では、X線照射部33aからX線を照射し、封書2を透過したX線はX線カメラ33bによって撮影されて、X線透過画像がX線検査ステーション制御部3Cに送信される。
X線検査ステーション制御部3Cでは、撮影された封書2のX線透過画像から、封書2内の封入物が擬似対象物であるか否かを判定する。
ここで上記擬似対象物には、爆薬等の危険物質や麻薬等の禁止薬物といった対象物のほか、当該対象物に該当しないその他の物質も含まれており、この擬似対象物はX線を完全に透過しないという点で共通する特徴を有しているが、X線による検査だけでは封入物が対象物であるか否かを判定することはできない。
このため、本実施例のX線検査ステーション制御部3Cは、X線カメラ33bがX線を完全に透過しない封入物を撮影したら、この封入物が対象物の疑いのある擬似対象物であるとして判定するようになっている。
なお、X線カメラ33bによって撮影された封入物であっても、その形状から明らかに対象物には該当しない物体(書類に付されたクリップなど)については、X線検査ステーション制御部3Cが画像認識を行って、これらを擬似対象物として扱わないようにすることも可能である。
そして、X線検査ステーション制御部3Cは、封書2内に擬似対象物が検出された場合には、封書2内における擬似対象物の座標値を算出すると共に、その座標値を上記対象物位置決めステーション制御部3Eに送信する。
第1選別ステーション制御部3Dには上記外観検査ステーション制御部3Bから受信した信号により、所定厚さ以上の封書2が第1選別ステーションDに差し掛かると、上記第1選別手段41のエアシリンダ41cを作動させ、フラップ41aの先端を上昇させる。
すると、上記条件の封書2は下方に設けられている第1リジェクトボックス42内に収容され、その後、他の方法で封書2内の封入物が対象物であるか否かの検査が行われる。
このように所定厚さ以上の封書2をリジェクトするのは、対象物が所定以上の厚さの場合、短時間での検査ができず、上記擬似対象物検査手段67では正確に対象物の有無を判定することができない場合が生じるからである。
そして、リジェクトされなかった封書2、つまり所定厚さ未満の封書2が第1選別ステーションDに差し掛かった場合には、第1選別ステーション制御部3Dは上記第1選別手段41を作動させず、当該封書2はそのまま後工程の位置決めステーションEへと搬送される。
そして位置決めステーションEでは、第3搬送コンベヤ51及び第4押圧コンベヤ52が上記第2搬送コンベヤ22と同じ搬送速度で駆動しており、封書2は第2搬送コンベヤ22及び第3押圧コンベヤ32から第3搬送コンベヤ51及び第4押圧コンベヤ52へと移動する。
封書2が完全に第3搬送コンベヤ51及び第4押圧コンベヤ52に受け渡されたら、位置決めステーション制御部3Eは封書2内の封入物の位置に応じて、以下のように位置決め手段53を作動させる。
まず、擬似対象物が封入されていないと判定された封書2の場合、位置決めステーション制御部3Eは位置決め手段53を作動させず、当該封書2をそのまま擬似対象物査ステーションFへと搬送する。
一方、擬似対象物が封入されていると判定された封書2の場合、位置決めステーション制御部3Eは第1サーボモータ55を作動させ、位置決め手段53のボールねじ53bを回転させて可動フレーム53aを封書2の搬送方向に直交する方向に移動させる。
このとき、位置決めステーション制御部3EはX線検査ステーション制御部3Cより受信した封書2内の擬似対象物の座標値から、擬似対象物の中心が擬似対象物査ステーションFにおける上記照射位置Sに到達するよう、可動フレーム53aを移動させる。
擬似対象物が封入されている封書2の場合、擬似対象物査ステーション制御部3Fは、第2サーボモータ68を制御して搬送速度を減速させ、さらに上記封書検出手段66が封書2を検出すると、搬送速度とX線検査ステーション制御部3Cからの封書2内の擬似対象物の座標値を基に、擬似対象物が照射位置S上に到達するタイミングで擬似対象物検査手段67により検査を行う。
照射位置Sに到達した擬似対象物にテラヘルツ波照射器67aがテラヘルツ波を照射すると、テラヘルツ波の一部は擬似対象物を透過し、第1検出器67bはこの擬似対象物を透過した透過波または透過した際に散乱した散乱波を検出する。
一方、テラヘルツ波の一部は擬似対象物に反射し、第2検出器67cはこの擬似対象物を反射した反射波または反射した際に散乱した散乱波を検出する。
擬似対象物査ステーション制御部3Fでは、上記第1,第2検出器67b、67cが検出した透過波、反射波、散乱波について、その強弱などから擬似対象物が上記対象物であるか否かを判定し、判定結果に関する信号を第2選別ステーション制御部3Gに送信する。
なお、上記擬似対象物検査手段67は上記特許文献1〜3等に記載されるような従来公知の構成を有しており、また擬似対象物が対象物か否かであることについての判定方法も従来公知であるので、詳細な説明は省略する。
一方、封入物が擬似対象物ではない封書2については、擬似対象物査ステーション制御部3Fは搬送速度を減速させず、また上記擬似対象物検査手段67を作動させないまま、当該封書2を第2選別ステーションGへと搬送する。
まず、封書2内に対象物が封入されていた場合には、エアシリンダ71cが制御されてフラップ71aが開き、封書2はフラップ71aの下面側を通過して第2リジェクトボックス72に収容される。
一方、封書2内に対象物が封入されていない場合には、エアシリンダ71cが制御されてフラップ71aが閉じ、封書2はフラップ71aの上面側を通過して第3リジェクトボックス73に収容される。
このように、本実施例による封入物検査装置1を用いれば、大量の封書2であっても、封入物が対象物であるか否かについて、迅速に判定することが可能となる。
そして、第2選別ステーションGの第2選別手段71を、上記第1選別手段41としても利用し、フラップ71aの角度を3段階に変更することで、3種類の封書を各第1〜第3リジェクトボックスに収容させることも可能である。
この場合においても、擬似対象物の検出されなかった封書2と所定の厚さ以上の封書2とに対しては、上記位置決めステーションEでの位置決めと、擬似対象物査ステーションFでの検査を行わないようにすることができる。
また、上記位置決めステーションEと擬似対象物査ステーションFとの間に第3の選別手段を設け、X線検査ステーションCにおいて擬似対象物の封入されていない封書2をリジェクトするようにしても良い。
さらに、本実施例では上記擬似対象物検査手段67に上記テラヘルツ波照射器67aを用いているが、波長が1mm〜10mmのときに、周波数がそれぞれ330GHz〜33GHzとなるようなミリ波を照射するミリ波照射器としても、同様の検査をすることが可能である。
この場合、擬似対象物検査手段67の第1検出器67bはミリ波が擬似対象物を透過した透過波または擬似対象物を透過する際に散乱する散乱波を検出し、第2検出器67cはミリ波が擬似対象物で反射した反射波または擬似対象物で反射する際に散乱した散乱波を検出するようになっている。
そして上記ミリ波の波長及び周波数は、上記範囲に限られるものではなく、多少外れていても良いことは言うまでもない。
25 厚さ検出手段 27 外観検査手段
33 X線検査手段 41 第1選別手段
53 位置決め手段 67 擬似対象物検査手段
71 第2選別手段 A 封書投入ステーション
B 外観検査ステーション C X線検査ステーション
D 第1選別ステーション E 位置決めステーション
F 擬似対象物査ステーション F 第2選別ステーション
Claims (1)
- 封書の外部からX線を照射して当該封書を撮影すると共に、得られたX線透過画像より当該封書内の封入物として擬似対象物が封入されているか否かを判定するX線検査手段と、
上記擬似対象物が封入されていると判定された封書に対し、該封書の外部からテラヘルツ波もしくはミリ波を照射し、該テラヘルツ波もしくはミリ波の散乱波又は透過波又は反射波を検出することで、当該擬似対象物が所定の対象物であるか否かを判定する擬似対象物検査手段と、
上記X線検査手段から上記擬似対象物検査手段へと封書を搬送する搬送コンベヤと、該搬送コンベヤにより搬送される封書を上方より押圧して位置ずれを防止する押圧コンベヤと、上記搬送コンベヤおよび上記押圧コンベヤをその搬送方向に直交する方向に移動させる位置決め手段とを備え、
上記位置決め手段は、上記搬送コンベヤ上の封書を搬送方向に直交する方向に移動させて、上記X線検査手段において封入物が所定の擬似対象物であると判定された封書における擬似対象物の位置を、上記擬似対象物検査手段におけるテラヘルツ波もしくはミリ波の照射位置に合わせることを特徴とする封入物検査装置。
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