JP4149307B2 - X線検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送中の物品の検査を行うX線検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線検査装置では、たとえば、目玉焼きの表面に付着した卵の殻などのような薄い異物は、物品のバックグラウンドとの差異が小さく検出が難しい。
そこで、X線源から出射されるX線の光軸を物品の搬送方向に対して傾斜させたX線検査装置が提案されている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。かかる従来の装置によれば、物品に対してX線が斜めに入射するので、異物に対する透過距離が長くなり、そのため、検出感度が向上する。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−62269号公報 (第2−4頁、図1)
【特許文献2】
特開2002−168802号公報 (第2−6頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来のX線検査装置では、X線源およびX線検出器などのX線光学系を傾斜させて設けているので、装置が大型化すると共に、製造コストがアップする。また、X線の照射方向が斜めになるため、物品の搬入・搬出口からのX線の漏洩が大きくなる。
【0005】
したがって、本発明の目的は、かかる種々の不具合を解決し得るX線検査装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のX線検査装置は、物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送される物品にX線を照射するX線源と、前記物品を透過した前記X線を検出するX線検出器とを備え、前記X線源から前記X線検出器に向って概ね鉛直下方にX線を出射し、前記X線検出器からの検出信号に基づき物品の検査を行うX線検査装置であって、前記搬送手段は物品を傾斜させた状態で、かつ、滑落させて搬送する傾斜部を有し、前記傾斜部は、互いに概ね同じ傾斜角度に設定された上流の第1傾斜板と下流の第2傾斜板とを備え、前記第1傾斜板と第2傾斜板とが互いに分離された間の隙間において傾斜状態で搬送される前記物品を前記X線源からのX線が透過して前記X線検出器に検出されるようにした。
【0007】
本発明によれば、傾斜部において傾斜状態(姿勢)で搬送される物品を前記X線源からのX線が透過するので、物品に対してX線が斜めに入射するから、異物に対する透過距離が長くなり検出感度が向上する。
また、X線源およびX線検出器からなる光学系を斜めに配置していないので、装置が大型化することなく、製造コストも安価になる。
さらに、鉛直方向にX線を照射するので、物品の搬入・排出口からのX線の漏洩が大きくなることもない。
【0008】
本発明において、「検査」とは、商品の合否を判定する検品の他に、卵の殻や針、金属片などの異物を検出する異物検査を含む。
【0009】
前記X線検査装置は、前記傾斜部におけるX線が透過する位置から、物品の先端が前記傾斜部の下方の搬送面に到達するまでの長さが、前記物品の長さよりも長く設定されているのが好ましい。このように設定することにより、傾斜部上の物品が排出部に接触する前に物品へのX線の照射が完了するから、X線の透過中に物品の形状や姿勢が変化しないので、精度の高い検査を行うことができる。
【0010】
また、前記傾斜部の傾斜角を調節可能にすれば、物品の種別に応じた適切な滑落速度の設定を行うことが可能となり、異物検出の再現性をより一層向上させることができる。
【0011】
前記搬送手段は、前記傾斜部と、検査室内に物品を搬入し前記傾斜部に物品を渡す搬入部と、前記傾斜部から物品を受け取り検査室外に物品を排出する排出部とを備え、前記搬入部および排出部は、概ね水平に設定され、あるいは、前記傾斜部とは異なる角度の傾斜を有し、前記搬入部の下流端および/または排出部の上流端の高さ調節を可能にするのが好ましい。このように、高さ調節を可能にすれば、前記傾斜部の傾斜角の調節が行い易くなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
以下の説明では、物品として目玉焼きを例にとって説明する。なお、前記目玉焼きは、型枠等のない円盤状の目玉焼きのみの状態で搬送される。
【0013】
全体構成:
図1に示すように、物品Mの搬送ライン上に設けられたX線検査装置1は、X線シールドボックスからなる筐体1Sを備えている。前記筐体1Sの内部には、X線源10およびX線検出器11からなる光学系を筐体(カバー)1Sで覆う検査室12が形成されている。X線源10は、概ね鉛直方向Zに平行な光軸Cに沿ってX線Lを出射する。該X線Lは、X線検出器11に入射する。
【0014】
筐体1Sの両側には、搬入口1aおよび搬出口1bからなる開口部が形成されており、筐体1S内には、上流から順に、第1コンベヤ(搬入部の一例)50、傾斜部30および第2コンベヤ(搬出部の一例)20を備えた搬送手段が設けられている。第1コンベヤ50および第2コンベヤ20は、概ね水平に設定されている。
【0015】
第1コンベヤ50:
第1コンベヤ50は、検査室12内に物品Mを搬入し、傾斜部30に物品Mを渡す搬入部を構成している。第1コンベヤ50には無端状のベルト5Bが張設されており、第1コンベヤ50の上流端部にはベルト5Bの駆動を行う駆動ローラ51が設けられている。第1コンベヤ50の下方に設けたモータ53により、駆動ローラ51が回転されてベルト5B上の物品Mが搬送される。
第1コンベヤ50は、第2コンベヤ20よりも高いレベルに設けられている。第1コンベヤ50の下流端50dは、前記光軸Cよりも上流の位置まで延設されており、下流端50dから下方の第2コンベヤ20の搬送面上にかけて傾斜部30が設けられている。
【0016】
前記傾斜部30は、後述するように、物品Mを傾斜させた状態(姿勢)で滑落させて物品Mを第2コンベヤ20上に搬送する。
【0017】
第2コンベヤ20:
第2コンベヤ20は、傾斜部30から物品Mを受け取り、搬出口1bから検査室12の外に物品Mを排出する排出部を構成している。前記コンベヤ20には、無端状のベルト2Bが張設されており、第2コンベヤ20の下方には搬送ベルト2Bの駆動を行う駆動ローラ23やテンションローラ22などが設けられている。
なお、第2コンベヤ20の両端部21aは、それぞれ、上方にはね上げるようにでき、清掃時やメンテナンスの際には、該両端部21aを上方に回動させて、搬送ベルト2Bを取り外すことが可能である。
【0018】
上流コンベヤ60から搬入口1a内に搬入された物品Mは、第1コンベヤ50上に搬送される。物品Mは、第1コンベヤ50上を搬送されて検査室12内に搬入された後、第1コンベヤ50の下流端50dから傾斜部30上を滑落され、第2コンベヤ20上に搬送される。物品Mは、第2コンベヤ20上を搬送されて、搬出口1bから筐体1Sの外に搬出され下流コンベヤ61上に搬送される。
なお、下流コンベヤ61には、図示しない振分装置が設けられており、検査において不良であると判別された場合には、当該物品が系外に振り分けられる。
【0019】
光学系10,11:
前記X線源10はX線を発生させ、該X線をX線検出器11に向って照射する。前記X線検出器11は、多数の画素を第2コンベヤ20の幅方向に1列に配設したラインセンサを備えている。前記X線検出器11には、図示しないコンピュータが接続されている。前記コンピュータは、X線検出器11からの検出信号を所定のタイミングで取り込んで処理し、透過X線の量に応じた明暗の分布を有する画像を作成することにより、物品Mの検査を行う。
【0020】
傾斜部30:
図2に示すように、前記傾斜部30は、下流端50dの近傍にその上流端が位置する第1傾斜板31と、第1傾斜板31の斜め下方に設けられた第2傾斜板32とを備えている。前記両傾斜板31,32は、たとえば、横断面が凹字型の金属板からなり、その底面には物品Mが滑落する傾斜面31a,32aが、それぞれ形成されている。傾斜面31a,32aは、所定の距離をおいて概ね同じ傾斜角度に設定されている。異物検査時には、前記傾斜面31a,32aの間に向って前記X線Lが照射され、傾斜状態で搬送される物品MをX線Lが透過し、当該透過したX線LがX線検出器11によって検出される。
【0021】
傾斜部30におけるX線Lが透過する位置から第2コンベヤ20の搬送面上までの長さ、すなわち、点O1から点O2までの距離(以下、「到達距離」という)D1は、物品Mの搬送方向Yの長さD2よりも長く設定されている。
ここで、第2傾斜面32aから第2コンベヤ20上に物品Mが乗り移ると、物品Mの搬送される角度が変化するため物品Mの形状や姿勢が変化する。そこで、前記到達距離D1を物品Mの長さD2よりも長く設定されている。これにより、X線の透過中に物品Mの形状や姿勢が変化するのを防止して、精度の高い検査を行うことができる。
【0022】
傾斜部30の傾斜角の調節:
図3に示すように、第1傾斜板31は、第1ブラケット31bを介して第1コンベヤ50の本体50sに取り付けられている。第1傾斜板31は、第1ブラケット31bに取り付けた回転軸31cを中心に二点鎖線で示すように、その傾斜角度を変化させることが可能である。また、第1傾斜板31は、第1ブラケット31bに対して搬送方向Yに、その取付位置を変更可能である。
一方、第2傾斜板32は、第2ブラケット32bを介して第2コンベヤ20の本体20sに取り付けられている。第2傾斜板32は、第2ブラケット32bに取り付けた回転軸32cを中心に二点鎖線で示すように、その傾斜角度を変化させることが可能である。
したがって、傾斜板31,32を回動させて、傾斜板31,32の傾斜角度をそれぞれ変更することが可能である。
一方、物品Mが第2傾斜板32の先端に衝突したりすることがないように、第1傾斜板31を搬送方向Yに移動させて、両傾斜面31a,32aの搬送レベルを略同一平面上に合わせることが可能である。
【0023】
第1コンベヤ50の高さ調節:
図4に示すように、第1コンベヤ50は、駆動ローラ51の回転軸Oを中心として、第1コンベヤ50を回動させることにより、二点鎖線で示すように、下流端50dの高さを鉛直方向Zに移動させることが可能である。下流端50dの高さを調節するには、第1コンベヤ50の下方を支持する調節部材52を上下させることにより行う。
したがって、第1コンベヤ50の下流端50dの高さは調節することが可能である。
【0024】
なお、第1および第2コンベヤ50,20による物品Mの搬送経路上には、X線が本検査装置1の外へ漏洩するのを防止するためのX線遮蔽部材(図示せず)が設けられている。前記X線遮蔽部材は、たとえば、のれん状の遮蔽部材を上方からつり下げることにより形成されている。
【0025】
検査時の動作:
検査が開始されると、図1の前記X線源10からX線検出器11に向ってX線が照射されると共に、物品Mが上流コンベヤ60から第1コンベヤ50上に搬送された後、第1コンベヤ50によって検査室12内に送られる。第1コンベヤ50上の物品Mは、第1コンベヤ50から傾斜部30上に乗り移り、X線検査が行われた後、第2コンベヤ20上に移送される。第2コンベヤ20上の物品Mは、搬出口1bから検査室12外に搬送された後、下流コンベヤ61によって下流に搬出される。
【0026】
ここで、前記傾斜部30上の物品Mが第1傾斜板31から第2傾斜板32に乗り移る間に、傾斜姿勢で滑落しながら、物品MをX線Lが透過し、当該透過したX線LがX線検出器11によって検出される。前記コンピュータは、X線検出器11からの検出信号に基づき物品の検査を行う。
【0027】
このように、傾斜部30において傾斜状態で搬送される物品Mに対して、鉛直方向ZからのX線Lが透過するので、物品Mに対してX線Lが斜めに入射するから、異物に対する透過距離が長くなり検出感度を向上させることができる。そのため、卵の殻などの薄い異物であっても検出することができる。
また、X線源10およびX線検出器11からなる光学系を斜めに配置する必要がないので、装置が大型化することなく、製造コストも安価になる。
さらに、X線を斜め方向から照射しないので、物品の搬入・排出口からのX線の漏洩が大きくなることもない。
【0028】
角度調節:
傾斜部30の傾斜角を調節する際には、両傾斜板31,32の傾斜角が概ね同じ同角度になるように傾斜板31,32を回動させる。一方、第1傾斜板31を搬送方向Yに移動させて、両傾斜面31a,32aの搬送面が同一平面上に配置されるように調節する。
このように、傾斜部30の傾斜角を調節することにより、物品の種別に応じた適切な滑落速度の調節を行うことが可能となり、異物検出の再現性をより一層向上させることができる。
なお、物品Mの傾斜部30での滑落速度は、物品Mの第1コンベヤ50からの乗り移りや第2コンベヤ20への乗り移りがスムースに行えるように、第1コンベヤ50や第2コンベヤ20の搬送速度と略同速度に設定するのが好ましい。
【0029】
一方、必要に応じて、前記調節部材52を上下させることにより、第1コンベヤ50を前記駆動ローラ51の回転軸Oを中心に回動させ、下流端50dの高さを変更する。かかる高さ調節により、傾斜部30の角度調節を容易に行うことができると共に、第1傾斜板31と第2傾斜板32との隙間の距離を調節して一定に保つことができる。
【0030】
なお、前述の実施形態では、第1コンベヤ50の下流端50dの高さを調節可能としたが、第1コンベヤ50の代わりに第2コンベヤ20の上流端の高さを調節するようにしてもよい。また、第1コンベヤ50の下流端50dの高さ、および第2コンベヤ20の上流端の高さの両方を調節できるようにしてもよい。
【0031】
また、前述の実施形態では、傾斜部30を板状の傾斜板31,32としたが、前記傾斜板31,32に代えて、図5(a),(b)に示すように、フリーローラコンベヤ30Aやベルトコンベヤ30Bを採用してもよい。
また、図5(c)に示すように、第1コンベヤ50、傾斜部30および第2コンベヤ20により平行運動機構を形成してもよい。傾斜部30の角度に応じて第1コンベヤ50が平行移動される。なお、かかる場合には、傾斜部30を1枚の板材で形成し、X線Lの透過する透過孔Eを傾斜部30に穿孔してもよい。
【0032】
なお、物品としては目玉焼き以外の物品であってもよい。また、異物としては、卵の殻以外であってもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、傾斜部において傾斜状態で搬送される物品を前記X線源からのX線が透過するので、物品に対してX線が斜めに入射するから、異物に対する透過距離が長くなり検出感度が向上する。
また、X線源およびX線検出器からなる光学系を斜めに配置していないので、装置が大型化することなく、製造コストも安価になる。
さらに、鉛直方向にX線を照射するので、物品の搬入・排出口からのX線の漏洩が大きくなることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかるX線検査装置を示す一部破断した概略側面図である。
【図2】 検査室内を示す概略側面図である。
【図3】 傾斜部の傾斜角の調節方法を示す概略側面図である。
【図4】 搬入部の高さの調節方法を示す概略側面図である。
【図5】 本発明の理解に役立つ参考例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
10:X線源
11:X線検出器
12:検査室
20:第2コンベヤ(排出部,搬送手段)
30:傾斜部(搬送手段)
50:第1コンベヤ(搬入部,搬送手段)
M:物品
Claims (4)
- 物品を搬送する搬送手段と、
該搬送手段により搬送される物品にX線を照射するX線源と、
前記物品を透過した前記X線を検出するX線検出器とを備え、
前記X線源から前記X線検出器に向って概ね鉛直下方にX線を出射し、前記X線検出器からの検出信号に基づき物品の検査を行うX線検査装置であって、
前記搬送手段は物品を傾斜させた状態で、かつ、滑落させて搬送する傾斜部を有し、前記傾斜部は、互いに概ね同じ傾斜角度に設定された上流の第1傾斜板と下流の第2傾斜板とを備え、前記第1傾斜板と第2傾斜板とが互いに分離された間の隙間において傾斜状態で搬送される前記物品を前記X線源からのX線が透過して前記X線検出器に検出されるようにしたX線検査装置。 - 請求項1において、
前記傾斜部の傾斜角を調節可能にしたX線検査装置。 - 請求項2において、
前記搬送手段は、前記傾斜部と、検査室内に物品を搬入し前記傾斜部に物品を渡す搬入部と、前記傾斜部から物品を受け取り検査室外に物品を排出する排出部とを備え、前記搬入部および排出部は、概ね水平に設定され、あるいは、前記傾斜部とは異なる角度の傾斜を有し、前記搬入部の下流端および/または排出部の上流端の高さ調節を可能にしたX線検査装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記傾斜部が上流の第1傾斜板と下流の第2傾斜板とで、各々別々に角度調節が可能であるように、前記物品を透過したX線が検出される位置において互いに分離されており、
前記第2傾斜板の傾斜角度を変化させることができるように前記第2傾斜板の上流端近傍において前記第2傾斜板が回転自在であることを特徴とするX線検査装置。
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