JP3201267B2 - ビニルフェニル基含有シラン化合物用重合禁止剤 - Google Patents

ビニルフェニル基含有シラン化合物用重合禁止剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シランカップリン
グ剤、重合性モノマー、樹脂改質剤原料などとして産業
上有用とされる下記一般式(2)で示されるビニルフェ
ニル基含有シラン化合物の工業的規模における合成及び
単離精製を目的とした加熱蒸留、更に貯蔵時に際しての
自発的な重合反応を十分防止することができるビニルフ
ェニル基含有シラン化合物用重合禁止剤に関する。
【0002】
【化3】 (但し、式中R2はハロゲン原子又は炭素数8以下のア
ルコキシ基、R3は炭素数8以下のアルキル基であり、
nは1〜3の整数である。)
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ビニル
フェニル基含有シラン化合物、特に上記一般式(2)で
示されるビニルフェニル基含有シラン化合物は、自己重
合性のビニルフェニル基を構造中に有していることを特
徴とし、その特有の性質ゆえにシランカップリング剤、
重合性モノマー、樹脂改質剤原料などとして産業上有用
な物質である。
【0004】しかし、上記式(2)のビニルフェニル基
含有シラン化合物は、自己重合性のビニルフェニル基を
有していることから、工業的規模における合成及び単離
精製を目的とした加熱蒸留、更に貯蔵時に非常に自己重
合し易く、それが多くの問題を引き起こすことがあっ
た。例えば、工業的規模で合成し、加熱蒸留して精製し
ようとすると、その工程熱によって重合反応が自発的に
発生し、反応装置や蒸留釜内でゲル化したり、あるいは
蒸留装置における配管内でゲル化して詰まりが生じたり
して、製造プロセスに多大な損害を及ぼす。また、貯蔵
中にも重合反応を自発的に発生し易く、こうしたことか
ら、上記式(2)の重合性化合物に対する自発的な重合
反応の防止技術の確立が工業的規模での製造を容易にす
る上で極めて重要であり、特に急がれている。
【0005】これまで、このビニルフェニル基含有シラ
ン化合物に関し、自発的な重合反応を防止する技術とし
ては、例えば一般的に分子状の酸素を適量吹き込む技術
が知られ、また、米国特許第2,982,757号で
は、ジ−tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキ
ノン、レゾルシノール、N、N’−ジ−β−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、N−β−ナフチル−N−フェ
ニルアミン等が重合禁止剤として提案されている。更
に、重合禁止剤として、ドイツ国特許第1,157,6
13号では2,4−ジニトロフェノールが、また、ケミ
カルアブストラクトCA89:109693s(197
7)ではピクリン酸が記載され、特開平4−12419
1号公報には、BHT(4−メチル−2,6−ジ−te
rt−ブチルフェノール)、ベンゾキノン、p−ter
t−ブチルカテコール、ジニトロベンゼン、トリ−p−
ニトロフェニルメチル、DPPH(1,1−ジフェニル
−2−ピクリルヒドラジル)等、特開平4−24388
5号公報には、2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル、フェノチアジン、ジメチルジチオカルバミン酸銅、
2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,
2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エ
チルフェノール)等が記載されている。
【0006】しかしながら、これらの重合禁止剤は、工
業的規模の蒸留過程では長時間高温下の状態になる蒸留
釜内の重合反応を十分には防止できなかったり、爆発危
険性を有していたり、また毒性が高いといった種々の問
題があり、いずれも満足な使用に耐えないものであっ
た。このように、未だビニルフェニル基含有シラン化合
物を工業的規模で製造するにあたっての性能十分な重合
禁止剤は見出されていなかった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、上記式(2)のビニルフェニル基含有シラン化合物
の工業的規模における合成及び単離精製を目的とした加
熱蒸留、更に貯蔵時に際しての自発的な重合反応を十分
防止することができるビニルフェニル基含有シラン化合
物用重合禁止剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、下記一般式(2)で示されるビニルフェニル基含有
シラン化合物の合成、単離精製を目的とした加熱蒸留、
更に貯蔵の際、重合禁止剤として下記一般式(1)で示
される化合物を有効成分として使用することにより、ビ
ニルフェニル基含有シラン化合物に対して、意外にも従
来公知の重合禁止剤に比べ非常に卓越した驚くべき重合
禁止効果を有し、増粘、ゲル化による低収率化や生産性
の悪化等の問題発生を抑止でき、しかも爆発危険性、毒
性の問題もないことを知見した。即ち、下記式(1)の
化合物は、従来公知の重合禁止剤であるBHT(4−メ
チル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)や4
−エチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールと
その重合禁止効果を比較すると驚くほどにその効果に差
があり、類似した骨格からは単純には類推し得ない卓越
した重合禁止効果を有することを見出したものである。
【0009】
【化4】 (但し、式中R1はヒドロキシ基又はジメチルアミノ基
である。)
【0010】
【化5】 (但し、式中R2はハロゲン原子又は炭素数8以下のア
ルコキシ基、R3は炭素数8以下のアルキル基であり、
nは1〜3の整数である。)
【0011】また更に、本発明者らは、上記式(1)の
化合物を他の従来公知の重合禁止剤の1種又は2種以上
と組み合わせて使用すると、予想し得ない更に数段優れ
た相乗安定化効果を示すことを見出し、本発明をなすに
至った。
【0012】従って、本発明は、上記式(1)で示され
る化合物、又はこの式(1)の化合物と他の重合禁止剤
とを有効成分として含有してなることを特徴とする上記
式(2)で示されるビニルフェニル基含有シラン化合物
用重合禁止剤を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の重合禁止剤は、下記一般式(1)で示され
る化合物を有効成分として含有するものである。
【0014】
【化6】 (但し、式中R1はヒドロキシ基又はジメチルアミノ基
である。)
【0015】具体的には、4−ヒドロキシメチル−2,
6−ジ−tert−ブチルフェノール及び4−ジメチル
アミノメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ルを単独で又は組み合わせて使用する。なお、これらの
化合物は、工業的に容易に入手することができる。
【0016】上記式(1)の化合物を有効成分とする重
合禁止剤が使用されるビニルフェニル基含有シラン化合
物は、下記一般式(2)で示されるものであるが、本発
明の重合禁止剤は、式(2)のビニルフェニル基含有シ
ラン化合物に対し、その反応系に添加することができ、
ビニルフェニル基含有シラン化合物の合成時に添加した
り、蒸留の前にビニルフェニル基含有シラン化合物の粗
製物に添加したり、貯蔵時に添加することによって目的
を達成することができる。
【0017】
【化7】 (但し、式中R2はハロゲン原子又は炭素数8以下のア
ルコキシ基、R3は炭素数8以下のアルキル基であり、
nは1〜3の整数である。)
【0018】上記式(2)において、R2はハロゲン原
子又は炭素数8以下のアルコキシ基であり、例えば塩素
原子、臭素原子、フッ素原子、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、特に塩素
原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。また、R3
は炭素数8以下のアルキル基であり、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、特にメ
チル基が好ましい。nは1〜3の整数である。
【0019】なお、上記式(2)の化合物は、分子中の
ビニル基がケイ素原子に対してオルト、パラ、メタのい
ずれの位置にあってもよい。
【0020】このような上記式(2)のビニルフェニル
基含有シラン化合物として具体的には、下記のものを例
示することができる。 4−ビニルフェニルトリメトキシシラン 4−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン 4−ビニルフェニルジメチルメトキシシラン 4−ビニルフェニルトリエトキシシラン 4−ビニルフェニルメチルジエトキシシラン 4−ビニルフェニルジメチルエトキシシラン 4−ビニルフェニルトリクロロシラン 4−ビニルフェニルメチルジクロロシラン 4−ビニルフェニルジメチルクロロシラン 3−ビニルフェニルトリメトキシシラン 3−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン 3−ビニルフェニルジメチルメトキシシラン 3−ビニルフェニルトリエトキシシラン 3−ビニルフェニルメチルジエトキシシラン 3−ビニルフェニルジメチルエトキシシラン 3−ビニルフェニルトリクロロシラン 3−ビニルフェニルメチルジクロロシラン 3−ビニルフェニルジメチルクロロシラン 2−ビニルフェニルトリメトキシシラン 2−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン 2−ビニルフェニルジメチルメトキシシラン 2−ビニルフェニルトリエトキシシラン 2−ビニルフェニルメチルジエトキシシラン 2−ビニルフェニルジメチルエトキシシラン 2−ビニルフェニルトリクロロシラン 2−ビニルフェニルメチルジクロロシラン 2−ビニルフェニルジメチルクロロシラン
【0021】これらビニルフェニル基含有シラン化合物
の製造方法としては、従来多くの方法が知られており、
一般的にはビニルフェニルマグネシウムハライドといっ
たグリニャール試薬と相応するシラン化合物とをカップ
リングさせる方法などにより得ることが可能である。
【0022】上記式(1)の化合物の使用量は特に制限
されないが、上記式(2)のビニルフェニル基含有シラ
ン化合物に対して重量基準で1ppm〜10%、特に1
0ppm〜1%となる範囲が好ましい。
【0023】本発明の重合禁止剤は、上述したように式
(1)の化合物を有効成分とするものであるが、この場
合、式(1)の化合物に他の従来公知の重合禁止剤を併
用することができ、上記式(1)の化合物と、その他の
重合禁止剤として従来公知の重合禁止剤の有効成分の1
種又は2種以上とを組み合わせて使用すると、予想し得
ない更に数段優れた相乗安定化効果が発揮される。その
他の重合禁止剤の有効成分として知られている化合物と
しては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル、N、N’−ジ−β−ナフチル−p−フェ
ニレンジアミン、N−β−ナフチル−N−フェニルアミ
ン、BHT、ベンゾキノン、2,6−ジ−tert−ブ
チルフェノール、フェノチアジン、ジメチルジチオカル
バミン酸銅、2,5−ジ−tert−ブチルフェノー
ル、フェノチアジン、2,5−ジ−tert−ブチルハ
イドロキノン、2,2’−メチレン−ビス(6−ter
t−ブチル−4−エチルフェノール)、4−エチル−
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール等が挙げられ
る。
【0024】上記した他の有効成分の使用量は、ビニル
フェニル基含有シラン化合物に対して重量基準で1pp
m〜10%、特に10ppm〜1%となるようにするこ
とがよい。使用方法としては、上記式(1)の化合物の
場合と同様である。
【0025】
【発明の効果】本発明のビニルフェニル基含有シラン化
合物用重合禁止剤は、式(2)のビニルフェニル基含有
シラン化合物の工業的規模における合成及び単離精製を
目的とした加熱蒸留、更に貯蔵時に際しての自発的な重
合反応を十分防止するのに有効である。従って、本発明
の重合禁止剤を使用することにより、上記ビニルフェニ
ル基含有シラン化合物を工業的規模で効率良く生産可能
である。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0027】〔実施例1〕十分に窒素置換したネジ口試
験管に従来公知の合成法に従って得られた4−ビニルフ
ェニルジメチルクロロシラン10g及び4−ヒドロキシ
メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール0.
03g(3000ppm)を仕込んだ後、再度窒素置換
して密封した。次いで、この試験管を130℃のオイル
バスに浸し、経時で流動性の変化をチェックした。その
結果、40時間を経た後においても当初の流動性はほと
んど損なわれることなく維持されており、4−ヒドロキ
シメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールが
上記のビニルフェニル基含有シラン化合物に対して極め
て良好な重合禁止効果を有することが確認された。
【0028】〔実施例2〕4−ヒドロキシメチル−2,
6−ジ−tert−ブチルフェノールの添加量を0.0
1g(1000ppm)にする以外は実施例1と同様の
試験を行ったところ、30時間を経た後においても当初
の流動性はほとんど損なわれることなく維持されてい
た。
【0029】〔比較例1〕4−ヒドロキシメチル−2,
6−ジ−tert−ブチルフェノールを加えない以外は
実施例1と同様の試験を行ったところ、4−ビニルフェ
ニルジメチルクロロシランは1時間後に完全にゲル化し
てしまった。重合禁止剤なしにはビニルフェニル基含有
シラン化合物は高温下においては極めて自己重合し易い
不安定な性質を有していることが確認された。
【0030】〔比較例2〜12〕4−ヒドロキシメチル
−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールの代わりに
表1の従来公知の重合禁止剤を添加する以外は実施例1
と同様の試験を行った。結果は表1に示すとおりであ
り、従来公知の重合禁止剤は、いずれも不十分な重合禁
止効果しか有していないことがわかった。
【0031】また、比較例11は、式(1)において、
1がHの化合物(BHT)であり、更に比較例12は
式(1)のR1がCH3の化合物(4−エチル−2,6−
ジ−tert−ブチルフェノール)であるが、本発明の
4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチル
フェノールと類似した化学構造を有していても、4位の
置換基が違うことにより、その重合禁止効果は格段に低
レベルになることが確認された。
【0032】
【表1】
【0033】〔実施例3〕十分に窒素置換したネジ口試
験管に従来公知の合成法に従って得られた4−ビニルフ
ェニルトリメトキシシラン10g及び4−ジメチルアミ
ノメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール
0.03g(3000ppm)を仕込んだ後、再度窒素
置換して密封した。次いで、この試験管を130℃のオ
イルバスに浸して、経時で流動性の変化をチェックし
た。その結果、10時間を経た後においても当初の流動
性は維持されていた。
【0034】〔比較例13〕4−ジメチルアミノメチル
−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールの代わりに
BHTを添加する以外は実施例3と同様の試験を行った
ところ、1時間後に完全にゲル化してしまった。
【0035】〔比較例14〕4−ジメチルアミノメチル
−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールの代わりに
2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノンを添加す
る以外は実施例3と同様の試験を行ったところ、1時間
後に完全にゲル化してしまった。
【0036】〔実施例4〕十分に窒素置換したネジ口試
験管に従来公知の合成法に従って得られた4−ビニルフ
ェニルジメチルメトキシシラン10g及び4−ジメチル
アミノメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル0.03g(3000ppm)を仕込んだ後、再度窒
素置換して密封した。次いで、この試験管を130℃の
オイルバスに浸して、経時で流動性の変化をチェックし
た。その結果、10時間を経た後においても当初の流動
性は維持されていた。
【0037】〔実施例5〕4−ジメチルアミノメチル−
2,6−ジ−tert−ブチルフェノールの添加量を
0.07g(7000ppm)にする以外は実施例4と
同様の試験を行ったところ、21時間を経た後において
も流動性は維持されていた。
【0038】〔実施例6〕4−ジメチルアミノメチル−
2,6−ジ−tert−ブチルフェノールの添加量を
0.1g(10000ppm)にする以外は実施例4と
同様の試験を行ったところ、30時間を経た後において
も流動性は維持されていた。
【0039】〔比較例15〕4−ジメチルアミノメチル
−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを添加しな
い以外は実施例4と同様の試験を行ったところ、4−ビ
ニルフェニルジメチルメトキシシランは1時間後に完全
にゲル化してしまった。
【0040】〔比較例16〜32〕4−ジメチルアミノ
メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールの代
わりに下記の従来公知の重合禁止剤を添加する以外は実
施例1と同様の試験を行った。結果は表2に示すとおり
であり、従来公知の重合禁止剤は、いずれも不十分な重
合禁止効果しか有していなかった。
【0041】
【表2】
【0042】〔実施例7〕十分に窒素置換したネジ口試
験管に従来公知の合成法に従って得られた3−ビニルフ
ェニルトリメトキシシラン10g及び4−ジメチルアミ
ノメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール
0.03g(3000ppm)を仕込んだ後、再度窒素
置換して密封した。次いで、この試験管を130℃のオ
イルバスに浸して、経時で流動性の変化をチェックし
た。その結果、30時間を経た後においても流動性は維
持されていた。
【0043】〔比較例33〕4−ジメチルアミノメチル
−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを加えない
以外は実施例4と同様の試験を行ったところ、3−ビニ
ルフェニルトリメトキシシランは4時間後に完全にゲル
化してしまった。
【0044】〔実施例8〕従来公知の合成法に従って得
られた4−ビニルフェニルジメチルメトキシシラン50
0gに4−ジメチルアミノメチル−2,6−ジ−ter
t−ブチルフェノール2.5g(5000ppm)を加
えて、減圧蒸留したところ、蒸留回収率87%で精製さ
れた目的物を得ることができた。
【0045】〔比較例34〕4−ジメチルアミノメチル
−2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを加えない
以外は実施例8と同様の試験を行ったところ、昇温途中
で蒸留釜内容物は完全にゲル化してしまった。
【0046】〔実施例9〕従来公知の合成法に従って得
られた4−ビニルフェニルジメチルメトキシシラン50
0gに4−ジメチルアミノメチル−2,6−ジ−ter
t−ブチルフェノール2.5g(5000ppm)及び
ジメチルジチオカルバミン酸銅1.5g(3000pp
m)を加えて、減圧蒸留したところ、蒸留回収率91%
で精製された目的物を得ることができた。
【0047】〔実施例10〕従来公知の合成法に従って
得られた4−ビニルフェニルジメチルクロロシシラン5
00gに4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert
−ブチルフェノール2.5g(5000ppm)及びハ
イドロキノンモノメチルエーテル0.25g(500p
pm)を加えて、減圧蒸留したところ、蒸留回収率90
%で精製された目的物を得ることができた。
【0048】〔比較例35〕4−ヒドロキシメチル−
2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを加えない以
外は実施例10と同様の試験を行ったところ、主留流出
途中で蒸留釜内容物は完全にゲル化してしまった。
【0049】〔実施例11〕従来公知の合成法に従って
得られた4−ビニルフェニルジメチルクロロシシラン5
00gに4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert
−ブチルフェノール2.5g(5000ppm)及びジ
メチルジチオカルバミン酸銅1.5g(3000pp
m)を加えて、減圧蒸留したところ、蒸留回収率95%
で精製された目的物を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 幹夫 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社 合成技術研究 所内 (56)参考文献 特開 平7−25907(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/38 - 2/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中R1はヒドロキシ基又はジメチルアミノ基
    である。)で示される化合物を有効成分として含有して
    なることを特徴とする下記一般式(2) 【化2】 (但し、式中R2はハロゲン原子又は炭素数8以下のア
    ルコキシ基、R3は炭素数8以下のアルキル基であり、
    nは1〜3の整数である。)で示されるビニルフェニル
    基含有シラン化合物用重合禁止剤。
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)で示される化合物以外
    の他の重合禁止剤を添加した請求項1記載の重合禁止
    剤。
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