JP2977185B2 - アクリルシランの蒸留方法 - Google Patents

アクリルシランの蒸留方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】メタクリルオキシ基またはアクリ
ルオキシ基を有するクロロシランまたはアセトキシシラ
ン(以下、アクリルシランと言う。)を工業的規模で製
造する際に、蒸留工程において生じるアクリルシランの
自発重合を抑制するための蒸留方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリルシランは、シランカップリング
剤、シランカップリング剤の原料、ポリシロキサンの原
料、ポリシロキサンの製造時における末端停止剤、各種
基材の表面処理剤、各種樹脂の変性材料など、幅広い用
途に有効である。このような有用性の高いアクリルシラ
ンは、不飽和部位をもつアクリル酸エステルまたはメタ
クリル酸エステルとヒドロシラン化合物とを白金などの
遷移金属触媒の存在下で、ヒドロシリル化反応を行った
後、得られた反応液を減圧下で蒸留精製するという方法
で製造するのが一般的である。
【0003】この様な製造例は、特公平6ー51707
号公報に開示されており、アリルメタクリレートとメチ
ルジクロロシランとを白金触媒の存在下で反応させた
後、減圧下で蒸留を行ない、3−メタクリロキシプロピ
ルジメチルクロロシランを製造する方法が記載されてい
る。
【0004】しかし、アクリルシランは、その高い重合
性のために、各種の機能性材料などを製造するための原
料となりうる反面、アクリルシランの合成反応工程、精
製工程、貯蔵工程、運搬工程において、熱的に自発重合
しやすいという欠点を有している。このため、アクリル
シランの合成反応行程おいて、室温以上の加熱を必要と
する場合や、合成反応後の蒸留精製工程において、室温
以上の加熱を行う場合は、いかにアクリルシランの自発
重合を防止するかが最も重要となる。自発重合を防止す
る方法としては、合成反応工程や蒸留精製工程におい
て、重合禁止剤を加えておくのが一般的な方法であり、
通常、ヒドロキノンやメトキノンといったフェノール系
の重合禁止剤が使用されている。
【0005】しかしながら、フェノール系重合禁止剤
は、珪素原子に塩素原子が結合しているアクリルシラン
(以下、クロロシランと言う。)と縮合反応をおこし、
重合禁止能がなくなるという欠点を持っている。このこ
とは、特公平6−51707号公報やEfimovらの
論文(Zh.Obsch.Khim.(1991)61(10)2244
-53)にも記載されている。
【0006】一般に、該重合禁止剤の性能は、メタクリ
ル酸エステルやアクリル酸エステルを使用し、該エステ
ルが自発重合する温度にまで加熱した時、加えられてい
る該重合禁止剤によって、該エステルの自発重合がどの
程度抑えられているかを調べる方法によって判断してい
る。通常、このような試験は、ビーカースケールのテー
ブルテストによって行われている。そして、この方法を
基に、数多くの重合禁止剤が開発されている。
【0007】中でも、2、6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノールに代表されるヒンダートフェノール類
や、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンあ
るいはフェノチアジンに代表されるアミン類は、アクリ
ルシラン用の重合禁止剤として極めて有効であることが
判った。しかし、工業的規模にまでスケールアップする
と、該ヒンダートフェノール類や該アミン類を添加する
だけでは、アクリルシランの自発重合を充分に抑制する
ことができないのが現状であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点について、鋭意検討を重ねた結果、アクリルシラン
の自発重合形態には、均一重合と増殖重合の二種類があ
ることに気が付いた。均一重合は、アクリルシランの重
合に伴い、溶液粘度が徐々に上昇しプリン状に固化し、
一方、増殖重合は、フリーラジカル重合における異常反
応であり、溶液中にポップコーンのような形状をした不
溶性のポリマ−が生成し、これが次第に生長、膨張する
形態を有するものである。アクリルシランが増殖重合を
起こした場合、重合物の体積がモノマ−の2倍以上とな
るので、反応装置や配管などの閉塞を起こすばかりでな
く、装置の破壊など重大な事故につながる。
【0009】理由は明かではないが、テーブルテストで
は、均一重合の依存性が極めて高く、増殖重合が観測さ
れにくい。前記にように、テーブルテストで、重合禁止
剤の性能を検討したとしても、均一重合に対しての効果
が把握できるに過ぎず、その結果に基づいてスケールア
ップを行っても、増殖重合を抑制できないのである。従
って、工業的規模にまでスケールアップする場合は、均
一重合と増殖重合を共に防止できる重合禁止剤と該禁止
剤を用いた製造方法を確立する必要がある。
【0010】本発明の目的は、アクリルシランを工業的
規模で製造する際、特に、減圧下での蒸留による精製工
程において、均一重合と増殖重合を同時に抑制し、アク
リルシランの自発重合を極めて効果的に防止することの
できる蒸留方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の(1)な
いし(3)の構成を有している。 (1)一般式(I)で表されるアクリルシランの蒸留精
製を、ヒンダートフェノール化合物およびN,N’−ジ
フェニル−p−フェニレンジアミンまたは/およびフェ
ノチアジンであるアミン化合物の少なくともいずれか一
方と、ジアルキルジチオカルバミン酸銅とを共存させな
がら行うことを特徴とするアクリルシランの蒸留方法。 CH2=CR1COO(X)mSiR2 n3 3-n …(I) [式中、R1は水素、炭素数が1〜8のアルキル基また
は炭素数が6〜10のアリール基であり、XはCH2
2OもしくはCH2またはこれらの2個の基の組み合わ
せであり、mは1〜12であり、R2は加水分解性基で
あり、R3は炭素数が1〜12のアルキル基、アルケニ
ル基またはアリール基であり、そしてnは1〜3であ
る。] (2)ジアルキルジチオカルバミン酸銅が、一般式(I
I) (R4 2NC(=S)S)2Cu …(II) [式中、R4は炭素数が1〜5のアルキル基である。]
により表される化合物である前記第(1)項記載のアク
リルシランの蒸留方法。 (3)ヒンダートフェノール化合物が、芳香族環の水酸
基の近傍に立体障害を与える置換基を、少なくとも1個
以上結合している化合物である前記第(1)項または前
記第(2)項に記載のアクリルシランの蒸留方法。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、アクリルシランを工業的規模で製造する時に、ヒン
ダートフェノール化合物およびN,N’−ジフェニル−
p−フェニレンジアミンまたは/およびフェノチアジン
であるアミン化合物(以下の記述における「アミン化合
物」は、具体的な言及がない場合には「N,N’−ジフ
ェニル−p−フェニレンジアミンまたは/およびフェノ
チアジンであるアミン化合物」を意味する。)の少なく
ともいずれか一方と、ジアルキルジチオカルバミン酸銅
とを共存させながら行う蒸留方法である。
【0013】本発明に用いるジアルキルジチオカルバミ
ン酸銅は、テーブルテストにおいてその重合抑制効果を
調べると、アクリルシランの自発重合防止に効果的では
ないので、重合禁止剤としては、好んで用いられている
ものではないが、本発明において使用すると極めて優れ
た重合抑制能を発現する。このようなジアルキルジチオ
カルバミン酸銅は、下記一般式(II)で示されるもの
である。 (R4 2NC(=S)S)2Cu …(II) [式中、R4は炭素数が1〜5のアルキル基である] 具体的には、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチル
ジチオカルバミン酸銅、ジ−n−プロピルジチオカルバ
ミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジ−
n−ブチルジチオカルバミン酸銅等を例示することがで
きる。
【0014】本発明に使用するジアルキルジチオカルバ
ミン酸銅の使用量は、アクリルシランに対し、1〜10
0000ppm(重量換算)が好ましく、10〜500
0ppm(重量換算)がより好ましい。本発明に使用す
るジアルキルジチオカルバミン酸銅は、上記一般式(I
I)の化合物を単独で用いても、複数組み合わせて用い
てもどちらでもよい。具体的な使用方法としては、アク
リルシランの合成反応工程の直前に添加する方法、アク
リルシランの原料に予め混合しておく方法、蒸留精製工
程直前に、反応混合物の中に添加する方法等を例示する
ことができる。ただし、ジアルキルジチオカルバミン酸
銅は、増殖重合抑制には優れた効果を有するが、均一重
合抑制には効果がないので、必ずヒンダートフェノール
化合物およびアミン化合物の少なくともいずれか一方と
併用しなければならない。
【0015】本発明に用いるヒンダートフェノール化合
物およびアミン化合物として、具体的に、2,6ージー
t−ブチルー4ーメチルフェノール、2,6ージーt−
ブチルー4ージメチルアミノメチルフェノール、N,
N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチ
アジン等を例示することができる。
【0016】本発明に使用するヒンダートフェノール化
合物およびアミン化合物の使用量は、アクリルシランに
対し、1〜100000ppm(重量換算)が好まし
く、10〜1000ppm(重量換算)がより好まし
い。本発明では、ヒンダートフェノール化合物もしくは
アミン化合物をそれぞれ単独で用いても、少なくとも1
種以上のヒンダートフェノール化合物と1種以上のアミ
ン化合物とを組み合わせて用いてもよい。
【0017】具体的な使用方法としては、アクリルシラ
ンの合成反応工程の直前に添加する方法、アクリルシラ
ンの原料に予め混合しておく方法、蒸留精製工程直前
に、反応混合物の中に添加する方法等を例示することが
できる。ただし、ヒンダートフェノール化合物およびア
ミン化合物は、均一重合抑制には優れた効果を有する
が、増殖重合抑制には効果がないので、必ずジアルキル
ジチオカルバミン酸銅と併用しなければならない。
【0018】本発明において、効果的に重合抑制するこ
とのできるアクリルシランは、一般式(I)で示される
ものである。 CH2=CR1COO(X)mSiR2 n3 3ーn …(I) [式中、R1は水素、炭素数が1〜8のアルキル基また
は炭素数が6〜10のアリール基であり、XはCH2
2OもしくはCH2またはこれらの2個の基の組み合わ
せであり、mは1〜12であり、R2は加水分解性基で
あり、R3は炭素数が1〜12のアルキル基、アルケニ
ル基またはアリ−ル基であり、そしてnは1〜3であ
る]
【0019】特に、R2は、−OC(=O)R4[式中、
4は炭素数が1〜8のアルキル基、炭素数が1〜8の
アルケニル基、炭素数が1〜8のアルキニル基または炭
素数が6〜10のアリ−ル基である]、−OC(=O)
CR5=CH2[式中、R5は炭素数が1〜2のアルキル
基または水素である]、−OC(=O)CH3 、ハロゲ
ン元素、塩素原子が好ましい。
【0020】具体的には、3−メタクリロキシプロピル
トリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルメチル
ジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチル
クロロシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシ
ラン、3−アクリロキシプロピルメチルジクロロシラ
ン、3−アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、
3−メタクリロキシプロピルジメチルアセトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメタクリロキ
シシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルアセトキ
シシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルアクリロ
キシシラン等を例示することができる。
【0021】また、本発明の製造方法において、分子状
酸素を不活性ガスで希釈したガスや空気を導入しても良
い。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例および参考例
を用いて詳細を説明する。なお、本実施例は本発明をな
んら限定するものではない。
【0023】(実施例1)アリルメタクリレートとジメ
チルクロロシランから白金触媒存在下で3−メタクリロ
キシプロピルジメチルクロロシランを主成分とする反応
混合物を既知の方法により合成した。この反応混合物
6.54kgにジメチルジチオカルバミン酸銅0.66
gとフェノチアジン0.66gを溶解させ、蒸留塔のな
い単蒸留装置にて蒸留精製した。40kPaで塔頂温度
30〜50℃のアリルメタクリレートを主成分とする低
沸成分を留去した後、15kPaで塔頂温度65〜75
℃の3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン
の留分を得た。この蒸留精製の間、蒸留釜の粘度が上昇
する重合は観測されず、増殖重合物の生成も見られなか
った。
【0024】(実施例2)2,6ージーt−ブチルー4
ーメチルフェノール0.66gを加える以外は実施例1
と全く同じ蒸留精製操作を行なった。この蒸留精製の
間、蒸留釜の粘度が上昇する重合は観測されず、増殖重
合物の生成も見られなかった。
【0025】(実施例3)フェノチアジンのかわりに、
2,6ージーt−ブチルー4ージメチルアミノメチルフ
ェノール0.66gを加える以外は実施例1と全く同じ
蒸留精製操作を行なった。この蒸留精製の間、蒸留釜の
粘度が上昇する重合は観測されず、増殖重合物の生成も
見られなかった。
【0026】(比較例1)フェノチアジンとジメチルジ
チオカルバミン酸銅を加える代わりに、フェノチアジン
68gを加える以外は実施例1と全く同じ蒸留精製操作
を行なった。40kPaで塔頂温度30〜50℃のアリ
ルメタクリレートを主成分とする低沸成分を留去した
後、蒸留釜内に増殖重合物が生成、次第に生長し蒸留精
製操作が不能となった。
【0027】(比較例2)フェノチアジンとジメチルジ
チオカルバミン酸銅を加える代わりに、フェノチアジン
0.66gと2,6ージーt−ブチルー4ージメチルア
ミノメチルフェノール0.66gを加える以外は実施例
1と全く同じ蒸留精製操作を行なった。50kPaで塔
頂温度30〜40℃のアリルメタクリレートを主成分と
する低沸成分を留去している途中で、蒸留釜内に増殖重
合物が生成したため蒸留精製操作を停止した。
【0028】(比較例3)フェノチアジンとジメチルジ
チオカルバミン酸銅を加える代わりに、フェノチアジン
0.75gと無水塩化第二銅0.75gをを加える以外
は実施例1と全く同じ蒸留精製操作を行なった。40k
Paで塔頂温度30〜50℃のアリルメタクリレートを
主成分とする低沸成分を留去した後、蒸留釜内に増殖重
合物が生成、次第に生長し蒸留精製操作が不能となっ
た。
【0029】(参考例)アリルメタクリレートとジメチ
ルクロロシランから白金触媒存在下で3−メタクリロキ
シプロピルジメチルクロロシランを主成分とする反応混
合物を既知の方法により合成した。この反応混合物50
6gにフェノチアジン5.1gを溶解させ、蒸留精製し
た。40kPaで塔頂温度30〜60℃のアリルメタク
リレートを主成分とする低沸成分を留去した後、15k
Paで塔頂温度65〜75℃の3−メタクリロキシプロ
ピルジメチルクロロシランの留分を得た。この蒸留精製
の間、蒸留釜の粘度が上昇する重合は観測されず、増殖
重合物の生成も見られなかった。
【0030】
【発明の効果】実施例および比較例から明らかなよう
に、ヒンダートフェノール化合物または/およびアミン
化合物とジアルキルジチオカルバミン酸銅とを併用して
用いると、アクリルシランを工業的規模で製造する際
に、蒸留精製工程において生じるアクリルシランの自発
重合を抑制することができることが判る。この理由を明
確に説明することは困難であるが、ヒンダートフェノー
ル化合物、アミン化合物、ジアルキルジチオカルバミン
酸銅がアクリルシランの蒸留精製条件では揮発も分解せ
ず、常に蒸留釜内に残っていること、さらには、ヒンダ
ートフェノール化合物、アミン化合物、ジアルキルジチ
オカルバミン酸銅は、通常アクリルシランの重合禁止剤
として使用しているヒドロキノンのようなフェノール類
のように、クロロシランと反応することがないことが原
因であると推測される。また、参考例から明らかなよう
に、ビーカーテストでは、増殖重合が発生しないが、こ
れを比較例1のレベルにまでスケールアップすると増殖
重合が発生する。従って、従来の試験方法であるビーカ
ーテストの結果に基づいて、工業的規模にまでスケール
アップするのは非常に危険であるが、本発明の蒸留方法
は、実際の工業的規模のレベルで検討を行っているた
め、この結果に基づいて工業的生産を実施しても何等問
題なく行うことができる。さらに、ジアルキルジチオカ
ルバミン酸銅は、ビーカーテストでは、重合抑制効果の
乏しいもので、従来重合禁止剤としては好んで用いられ
るものではなかったが、本発明では、ジアルキルジチオ
カルバミン酸銅を、工業的規模のレベルで用いると重合
抑制効果が極めて高いことを見出した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/00 - 7/21 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるアクリルシラン
    の蒸留精製を、ヒンダートフェノール化合物およびN,
    N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンまたは/お
    よびフェノチアジンであるアミン化合物の少なくともい
    ずれか一方と、ジアルキルジチオカルバミン酸銅とを共
    存させながら行うことを特徴とするアクリルシランの蒸
    留方法。 CH2=CR1COO(X)mSiR2 n3 3-n …(I) [式中、R1は水素、炭素数が1〜8のアルキル基また
    は炭素数が6〜10のアリール基であり、XはCH2
    2OもしくはCH2またはこれらの2個の基の組み合わ
    せであり、mは1〜12であり、R2は加水分解性基で
    あり、R3は炭素数が1〜12のアルキル基、アルケニ
    ル基またはアリール基であり、そしてnは1〜3であ
    る。]
  2. 【請求項2】ジアルキルジチオカルバミン酸銅が、一般
    式(II) (R4 2NC(=S)S)2Cu …(II) [式中、R4は炭素数が1〜5のアルキル基である。]
    により表される化合物であることを特徴とする請求項1
    記載のアクリルシランの蒸留方法。
  3. 【請求項3】ヒンダートフェノール化合物が、芳香族環
    の水酸基の近傍に立体障害を与える置換基を、少なくと
    も1個以上結合している化合物であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のアクリルシランの蒸留
    方法。
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