JP3198501B2 - バリアー性積層体及びその製造方法 - Google Patents

バリアー性積層体及びその製造方法

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JP3198501B2 JP9828397A JP9828397A JP3198501B2 JP 3198501 B2 JP3198501 B2 JP 3198501B2 JP 9828397 A JP9828397 A JP 9828397A JP 9828397 A JP9828397 A JP 9828397A JP 3198501 B2 JP3198501 B2 JP 3198501B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装材料等に有用
なシート状の積層体であって、酸素、水蒸気等のガスバ
リアー性に優れ、かつ積層体を構成する薄膜の剥離防止
性が向上したバリアー性積層体とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、食品、医療品等の包装に用いられ
る包装材料には、内容物の変質を抑制し、その効能が維
持されるように、酸素、水蒸気、その他内容物を変質さ
せる気体(ガス)の通過を遮断するガスバリアー性を備
えることが求められている。特に、食品の包装材料に
は、蛋白質や油脂等の酸化や変質を抑制し、また、味や
鮮度を保持するため、このようなガスバリアー性が必要
とされている。また、医薬品の包装材料には、無菌状態
を維持すると共に、有効成分の変質を抑制し、効能を維
持するために、ガスバリアー性が必要とされている。
【0003】従来、ガスバリアー性を有する包装材料と
しては、その使用目的等に応じて種々の樹脂フィルムが
使用されており、例えば、酸素を遮断するバリアー性フ
ィルムとして、ポリビニルアルコールフィルム、エチレ
ンビニルアルコール共重合体フィルム、ポリアクリロニ
トリルフィルム等が使用されている。また、水蒸気を遮
断するバリアー性フィルムとしては、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリエチレンフィルム等が使用されている。
【0004】しかしながら、これらの樹脂フィルムは、
単独では酸素と水蒸気の両方に対して十分なガスバリア
ー性を備えることができない。そのため、複数種の高分
子樹脂組成物をラミネートまたはコーティングすること
により積層フィルムを形成し、これを包装材料に使用す
ることがなされている。しかし、この積層フィルムも保
存環境や使用環境における温度や湿度の影響により、十
分なガスバリアー性を発揮しない場合がある。
【0005】一方、単独で酸素と水蒸気の両方のバリア
ー性を有する樹脂フィルムの開発も進められており、例
えば、ポリ塩化ビニリデンフィルム、あるいはポリエス
テルフィルムに塩化ビニリデン共重合体樹脂をコーティ
ングしたフィルム、ポリプロピレンフィルムに塩化ビニ
リデン共重合体樹脂をコーティングしたフィルム、ナイ
ロンフィルムに塩化ビニリデン共重合体樹脂をコーティ
ングしたフィルム等がある。しかし、このような樹脂フ
ィルムは使用後廃棄され焼却されると有毒ガスを発生さ
せ、環境上の問題を引き起こすことが問題となる。
【0006】また、高度なガスバリアー性が要求される
包装材料には、樹脂フィルム単独では達成することので
きない高いガスバリアー性を得るために、樹脂フィルム
とアルミニウム等の金属または金属化合物からなる金属
箔との積層フィルムが用いられている。しかし、ここで
使用されるアルミニウム箔等の金属箔は、酸素、水蒸気
等の気体に対するバリアー性は優れているが、使用後廃
棄物として焼却されると残滓として金属が残り、また、
再利用も難しい。このため、金属箔の廃棄による環境へ
の影響が問題となる。
【0007】上述のような問題を解決するものとして、
最近では一酸化ケイ素(SiO)等のケイ素酸化物(S
iOx)、酸化アルミニウム(Alxy)、アルミニウ
ム(Al)等の金属あるいは金属酸化物の薄膜を樹脂フ
ィルム上に物理蒸着等で成膜した蒸着フィルムが開発さ
れている。これらは高分子樹脂の単独フィルムあるいは
積層フィルムよりも優れたガスバリアー性を有してお
り、高湿度下での劣化も少ない。そのため、蒸着フィル
ムは、包装材料として注目されるようになっている。
【0008】この蒸着フィルムを包装材料として使用す
る場合、蒸着フィルムが単体で包装材料として用いられ
ることはほとんどなく、蒸着フィルムにさらに種々の後
加工を施し、包装容器や包装袋等を作製することがなさ
れている。例えば、包装袋は蒸着フィルムをさらに他の
基材と貼り合わせ、製袋工程を施すことにより袋状に加
工されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
金属又は金属酸化物を樹脂フィルム上に薄膜形成させた
蒸着フィルムは、蒸着薄膜が無機化合であり、その蒸着
薄膜の基材となる樹脂フィルムが有機化合物であるため
に、両者の機械的性質、化学的性質、熱的性質、電気的
性質等の諸物性が非常に異なっている。
【0010】従って、蒸着加工、印刷加工、ラミネート
加工等の包装材料に一般に施される加工工程、包装袋や
包装容器等の包装材料の最終形態の使用方法や使用環境
によっては、蒸着薄膜に機械的ストレス、熱的ストレス
等が付加され、蒸着薄膜に傷が生じ、クラック、ピンホ
ール等の損傷や欠陥が発生し、それらの損傷部分あるい
は欠陥部分から酸素、水蒸気等の気体が通過し、本来有
しているはずの高いガスバリアー性が低下するという問
題がある。
【0011】また、無機化合物の蒸着薄膜と有機化合物
である樹脂フィルムとの間では強固な結合が得られ難
く、樹脂フィルムと蒸着薄膜との間、あるいは蒸着薄膜
上に一般に形成されるインキ層や接着剤等との間で剥離
が発生し、十分な密着性が得られないという問題があ
り、さらにこの密着性の低さ故に蒸着薄膜にも損傷が生
じ、バリアー性が劣化するという問題がある。
【0012】このような問題に対して、蒸着薄膜の基材
となる樹脂フィルムと蒸着薄膜との密着性を改善するた
め、例えば、樹脂フィルムの表面をコロナ放電処理、紫
外線照射処理、プラズマ処理、火炎処理、または熱やア
ルカリ等の薬品による表面処理等を施し、樹脂フィルム
表面を活性化してから金属または金属化合物の蒸着を行
う方法がある。ところがこの方法によると、樹脂フィル
ムの濡れ性の向上により、この樹脂フィルムと蒸着薄膜
との接着性の向上は期待できるが、樹脂フィルム表面の
活性能力が経時的に減少するため、この処理方法によっ
ても必ずしも満足する接着力が得られないという問題が
ある。
【0013】樹脂フィルムと蒸着薄膜との密着性を改善
する別な方法として、蒸着薄膜の基材に、樹脂フィルム
の構成成分と他の樹脂成分等とを共重合させた共重合樹
脂フィルムや樹脂フィルムの構成樹脂と他の樹脂を共押
出しさせた共押出多層樹脂フィルムを用いる方法や、蒸
着薄膜の基材となる樹脂フィルム表面に、樹脂フィルム
の製膜時にオフラインまたはインラインで、エチレンイ
ミン系、アミン系、エポキシ系、ウレタン系またはポリ
エステル系等のコーティング剤を塗布する方法がある。
これらの方法によれば、樹脂フィルムと蒸着薄膜との密
着性は向上する。しかし、樹脂フィルムの耐熱性が劣る
ため、熱寸法安定性が悪く、包装材料に一般に課される
蒸着、印刷、ラミネート等の各工程における熱負荷時に
蒸着薄膜が機械的ストレスを受け、それにより蒸着薄膜
にクラック、ピンホール等が発生し、ガスバリアー性が
低下するという問題がある。
【0014】さらに、蒸着薄膜上に印刷、ラミネート等
によって形成されるインキ層や接着剤等の密着性の改良
も行われており、例えば、エチレンイミン系、アミン
系、エポキシ系、ウレタン系またはポリエステル系等の
コーティング剤を樹脂フィルム上に塗布し、蒸着薄膜を
形成する方法がある。しかし、この方法は、コーティン
グ剤の樹脂成分によっては、かえって密着性の悪化ある
いはバリアー性の低下をきたし、密着性とバリアー性の
両者を満足させるものではない。また、コーティング剤
の塗布時の熱寸法安定性が悪いため、経時的にあるいは
蒸着フィルムが製袋工程等の成形工程で受ける熱負荷に
より体積膨脹または体積収縮を起こして蒸着薄膜が機械
的ストレスを受け、それにより蒸着薄膜にクラック、ピ
ンホール等が発生し、インキ層や接着剤等からの剥離が
発生し、バリアー性が低下するという問題がある。
【0015】以上のように、樹脂フィルム上に蒸着薄膜
を積層した蒸着フィルムは、ガスバリアー性という包装
材料としての性能面での問題に加えて、樹脂フィルムと
蒸着薄膜の間にコーティング層を設ける場合の当該コー
ティング層の塗布工程や、蒸着薄膜上に印刷によりイン
キ層あるいは接着剤層を形成する場合にこの蒸着薄膜と
インキ層あるいは接着剤層との間にコーティング層を設
けるときの当該コーティング層の塗布工程は、樹脂フィ
ルム製造時にインラインでコーティング層を設ける以
外、樹脂フィルムや蒸着薄膜やの形成装置とは別個の装
置を用いて独立的になされるため、製造コストが非常に
かかるという問題もある。
【0016】本発明は、樹脂フィルムと金属あるいは金
属酸化物の蒸着薄膜との積層体について上記のような問
題点を除去するためになされたものであり、樹脂フィル
ムと蒸着薄膜との密着性が良く、かつ、ガスバリアー性
に優れた積層体を得ること、及びこのようなバリアー性
積層体を低コストで製造できるようにすることを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するため、請求項1の発明として、樹脂フィルム
の片面に、真空紫外線硬化法により形成されたアクリル
樹脂層、及び金属または金属化合物の蒸着薄膜が順次積
層されていることを特徴とするバリアー性積層体を提供
し、特に請求項2に、このバリアー性積層体上の蒸着薄
膜上に、さらに真空紫外線硬化法により形成されたアク
リル樹脂層が積層されているバリアー性積層体を提供す
る。
【0018】また、請求項3の発明として、樹脂フィル
ムの片面に、金属または金属化合物の蒸着薄膜、及び真
空紫外線硬化法により形成されたアクリル樹脂層が順次
積層されていることを特徴とするバリアー性積層体を提
供する。
【0019】さらに請求項1記載のバリアー性積層体の
製造方法として、請求項4に、樹脂フィルムの片面に真
空紫外線硬化法によりアクリル樹脂層を形成し、次いで
そのアクリル樹脂層上に金属または金属化合物の蒸着薄
膜を積層することを特徴とする製造方法を提供し、特に
請求項5に、真空蒸着兼用コーティング装置で連続的に
アクリル樹脂層の形成と金属または金属化合物の蒸着薄
膜の積層を行う製造方法を提供する。
【0020】また、請求項3記載のバリアー性積層体の
製造方法として、請求項6に、樹脂フィルムの片面に金
属または金属化合物の蒸着薄膜を形成し、次いでその蒸
着薄膜上に真空紫外線硬化法によりアクリル樹脂層を積
層することを特徴とする製造方法を提供し、特に請求項
7に、真空蒸着兼用コーティング装置で連続的に金属ま
たは金属化合物の蒸着薄膜の形成とアクリル樹脂層の積
層とを行う製造方法を提供する。
【0021】請求項1の本発明によれば、樹脂フィルム
上に真空紫外線硬化法により形成されたアクリル樹脂層
が形成されている。このアクリル樹脂層は、その層内部
で重合し強固な架橋構造を形成しており、基材となる樹
脂フィルムに対して十分な密着性を発揮する。また、こ
のアクリル樹脂層は、この上に形成される金属または金
属化合物の蒸着薄膜に対しても十分な密着性を発揮す
る。
【0022】また、真空紫外線硬化法により形成された
アクリル樹脂層は、高硬度、良耐熱性であるため、この
アクリル樹脂層と、金属または金属化合物の蒸着薄膜と
の間に生じる歪みは小さい。したがって、これによって
も蒸着薄膜に強い密着性を得ることが可能となる。
【0023】さらに、真空紫外線硬化法により形成され
たアクリル樹脂層は、膜質が緻密で架橋が進んでおり、
ドライ加工であるために粉塵等の異物の混入が少なく、
ピンホールも非常に少ない。このため、このアクリル樹
脂層上に物理蒸着法等により金属または金属化合物の蒸
着薄膜を形成する場合に、残留溶剤や脱ガスが発生する
ことはなく、金属または金属化合物の蒸発粒子のアクリ
ル樹脂層上への付着が妨害されることもない。よって、
金属または金属化合物の蒸着薄膜の膜質も緻密化しバリ
アー性能が向上したものとなる。
【0024】以上のように、アクリル樹脂層上に金属ま
たは金属化合物の蒸着薄膜が積層されている本発明のバ
リアー性積層体においては、アクリル樹脂層がアンカー
コート層として非常に有効に機能し、このバリアー性積
層体を構成する各層の剥離が防止され、ガスバリアー性
も向上したものとなる。
【0025】また、請求項2あるいは請求項3の本発明
のように、金属又は金属酸化物の蒸着薄膜上に、真空紫
外線硬化法によりアクリル樹脂層を形成したバリアー性
積層体においては、このアクリル樹脂層が、金属または
金属化合物の蒸着薄膜を物理蒸着法等により形成した場
合に一般にその蒸着薄膜中に含まれる多くのピンホール
を覆い隠す。また、アクリル樹脂層は、外傷からの保護
膜ともなる。したがって、蒸着薄膜上のアクリル樹脂層
は、トップコート層として非常に有効に機能し、このバ
リアー性積層体のガスバリアー性を大きく向上させる。
【0026】本発明のバリアー性積層体において形成す
るアクリル樹脂層は、アクリル樹脂コーティング剤の真
空下における噴霧コーティングと、その後の紫外線照射
による硬化により形成することができるが、この形成方
法は膜厚の制御が容易である。特に、分子量10000
以下のアクリル系モノマー又はオリゴマーを含有する粘
度500cps以下のアクリル樹脂コーティング剤を用
いると、ウェットコーティング法によりアクリル樹脂層
を形成する場合よりも容易に膜厚を薄く形成することが
できる。また、真空蒸着兼用コーティング装置で連続的
に真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層の形成と金属
または金属化合物の蒸着薄膜の積層とを行うことによ
り、バリアー性積層体の生産性を向上させることができ
る。したがって、本発明においては、バリアー性積層体
の加工性や生産性も大きく向上させることが可能とな
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等
の構成要素を表している。
【0028】図1、図2及び図3は、それぞれ本発明の
バリアー性積層体10A、10B、10Cの層構成を説
明する断面図であり、図4はこれら本発明のバリアー性
積層体を製造する装置の模式説明図である。
【0029】図1、図2及び図3のバリアー性積層体1
0A、10B、10Cにおいて、1は樹脂フィルム、2
は真空紫外線硬化法により形成されたアクリル樹脂層、
3は金属または金属化合物の蒸着薄膜である。
【0030】ここで、樹脂フィルム1としては、シート
状またはフィルム状のものであって、通常、包装材料と
して用いられるものを使用することができる。例えば、
ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチ
レン2,4−ナフレート等)、ポリアミド(ナイロン
6、ナイロン12等)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルア
ルコール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルイミドポリサルフォン、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、テト
ラフルオロエチレン、一塩化三フッ化エチレン、フッ化
エチレンプロピレン共重合体、ポリイミド等のフィルム
を当該バリアー性積層体の用途等に応じて適宜選択して
用いることができる。
【0031】樹脂フィルム1をこれらのフィルムから形
成する場合に、樹脂フィルム1には、必要に応じて公知
の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、滑剤、着色剤等を適宜添加することができる。
【0032】また、樹脂フィルム1としては、必要に応
じて二軸延伸フィルムを使用することができる。
【0033】さらに樹脂フィルム1には、コロナ放電処
理、プラズマ活性化処理、グロー放電処理、逆スパッタ
処理、粗面化処理などの表面活性化処理や、クリーニン
グ処理、帯電除去処理など公知の表面処理を行うことが
できる。あるいは、オフラインやインラインで、エチレ
ンイミン系、アミン系、エポキシ系、ウレタン系、ポリ
エステル系などのコーティング剤を塗布してもよい。こ
れにより、樹脂フィルム1と、真空紫外線硬化法による
アクリル樹脂層2、又は金属あるいは金属化合物の蒸着
薄膜3との密着性を向上させることが可能となる。
【0034】樹脂フィルム1の厚さは特に制限されない
が、蒸着工程の加工適性などを考慮すると2〜400μ
mの範囲が好ましい。
【0035】一方、真空紫外線硬化法によるアクリル樹
脂層2は、第一の成分として、アクリル系モノマーある
いはオリゴマーからなる樹脂成分と、第二の成分として
光重合開始剤とを混合したアクリル樹脂コーティング剤
を、真空下において目的物に噴霧コーティングし、真空
紫外線照射により硬化させて得られるものである。
【0036】この場合、第一の成分としては、例えばア
ルキド、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアク
リレート、アクリルアクリレート、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、シリコーンアクリレート、
ポリアセタールアクリレート、ポリブタジエン系アクリ
レート、メラミンアクリレートなどの重合性二重結合を
有するアクリル系モノマーあるいはオリゴマーをあげる
ことができる。また、アクリル系モノマーあるいはオリ
ゴマーとしては、そのアクリロイル基の保有数に応じて
一官能、二官能、三官能、及びそれ以上の多官能のもの
を適宜選定して用いることができる。これらアクリル系
モノマーあるいはオリゴマーは、二種類以上を混合して
用いることができる。
【0037】また、アクリル系モノマーあるいはオリゴ
マーの分子量は10,000以下、好ましくは2,00
0以下、より好ましくは100〜600とする。
【0038】第二の成分の光重合開始剤としては、例え
ばベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、キサント
ン類、アセトフェノン誘導体等を、第一成分のアクリル
系モノマーあるいはオリゴマーに対して0.01重量%
〜10重量%、好ましくは0.1〜2重量%を用いる。
【0039】アクリル樹脂コーティング剤は、上述のア
クリル系モノマーあるいはオリゴマーからなる第一の成
分と光重合開始剤からなる第二の成分とを混合すること
により調製することができる。また、アクリル樹脂コー
ティング剤の粘度は、常温で500cps以下、好まし
くは100cps以下とする。
【0040】アクリル樹脂コーティング剤を用いて前述
の樹脂フィルム1あるいは後述する金属または金属化合
物の蒸着薄膜3上に真空紫外線硬化法によるアクリル樹
脂層2を形成する方法としては、樹脂フィルム1又は蒸
着薄膜3上にアクリル樹脂コーティング剤を真空下にお
いて加熱気化させて噴霧コーティングし、これに、例え
ば水銀ランプ、メタルハライドランプ等の紫外線照射用
ランプを用いて真空紫外線を照射し、アクリル樹脂層を
硬化させればよい。
【0041】真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層2
の膜厚は、アクリル樹脂層2の形成装置にもよるが、一
般に0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは
0.1〜5μmとする。これは膜厚が0.05μmを下
回ると均一な膜に形成することが困難となり、また、1
0μmを超えると紫外線硬化速度が低下し、十分に硬化
させることが困難となるからである。
【0042】本発明において、金属あるいは金属化合物
の蒸着薄膜3は、アルミニウム、シリカ、チタニウム、
亜鉛、ジルコニウム、マグネシウム、錫、銅、鉄などの
金属やこれらの金属の酸化物、窒化物、硫化物、フッ化
物など、例えば酸化アルミニウム(Al23)、一酸化
ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チ
タニウム(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジル
コニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、
フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化錫(SnO2)、
酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe23)などを蒸着材料
として形成することができる。
【0043】この蒸着薄膜3の形成方法としては、真空
蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの蒸
着法を用いることができるが、真空蒸着、イオンプレー
ティングが生産性の点から好ましい。蒸着装置の加熱方
式は抵抗加熱、エレクトロンビ−ム(EB)加熱、高周
波誘導加熱などを用いることができる。
【0044】金属あるいは金属化合物の蒸着薄膜3の膜
厚は50〜5000Åが好ましく、より好ましくは20
0〜1500Åとする。これは膜厚が50Åを下回ると
蒸着薄膜に抜けが生じ、バリアー性にバラツキが生じ易
く、また、5000Åを超えると蒸着薄膜のフレキシビ
リティーが損なわれ、クラック、ピンホールが発生し易
くなり、バリアー性が低下するためである。なお、蒸着
薄膜3は単一成分の単層に限られることなく、上記の蒸
着材料の混合物からなる蒸着薄膜であってもよく、また
2層以上の多層膜であってもよい。
【0045】本発明のバリアー性積層体は、以上の樹脂
フィルム1、真空紫外線硬化法により形成されたアクリ
ル樹脂層2、金属または金属化合物の蒸着薄膜3からな
るが、この層構成としては、図1のバリアー性積層体1
0Aのように、樹脂フィルム1上に、真空紫外線硬化法
により形成されたアクリル樹脂層2及び金属または金属
化合物の蒸着薄膜3を順次積層してもよく、図2のバリ
アー性積層体10Bのように、図1のバリアー性積層体
10Aの蒸着薄膜3上にさらに真空紫外線硬化法による
アクリル樹脂層2を積層してもよい。また、図3のバリ
アー性積層体10Cのように、樹脂フィルム1上に、金
属または金属化合物の蒸着薄膜3及び真空紫外線硬化法
によるアクリル樹脂層2を順次積層してもよい。
【0046】図1あるいは図2のように、金属または金
属化合物の蒸着薄膜3の下地に真空紫外線硬化法による
アクリル樹脂層2を形成することにより、このアクリル
樹脂層2の優れたアンカー効果を得ることができ、バリ
アー性積層体における蒸着薄膜3の密着性を高め、優れ
たガスバリアー性を得ることができる。
【0047】また、図3あるいは図2のように、蒸着薄
膜3の上に真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層2を
形成することにより、このアクリル樹脂層2のトップコ
ート層としての効果を得ることができ、バリアー性積層
体のガスバリアー性を高めることができる。
【0048】以上のような本発明のバリアー性積層体1
0A、10B、10Cを製造する本発明の製造方法とし
ては、真空蒸着兼用コーティング装置を用いて、樹脂フ
ィルム1上に連続的に真空紫外線硬化法によるアクリル
樹脂層2の形成と金属または金属化合物の蒸着薄膜3の
積層を行い、さらに必要に応じて連続的に同様のアクリ
ル樹脂層2を積層するか、あるいはこの反対の順序で、
樹脂フィルム1上に連続的に金属または金属化合物の蒸
着薄膜3の形成と、真空紫外線硬化法によるアクリル樹
脂層2の積層を行うことが生産性を高める点から好まし
い。
【0049】このように真空紫外線硬化法によるアクリ
ル樹脂層2と金属または金属化合物の蒸着薄膜3との連
続的な形成を可能とする真空蒸着兼用コーティング装置
としては、例えば、図4に示した真空蒸着兼用コーティ
ング装置20を使用することができる。
【0050】この真空蒸着兼用コーティング装置20
は、ロール室21内に、巻出しロール22、冷却ドラム
23、巻取りロール24及びガイドロール25を有して
いる。ここで、巻出しロール22はアクリル樹脂層2や
蒸着薄膜3の形成を受ける樹脂フィルム1を巻き出すも
のであり、冷却ドラム23は、樹脂フィルム1がアクリ
ル樹脂層2や蒸着薄膜3の形成を受ける間にこの樹脂フ
ィルム1を支持すると共に必要に応じて冷却する金属製
のドラムであり、巻取りロール24は、アクリル樹脂層
2や蒸着薄膜3が形成された樹脂フィルム1を巻き取る
ものであり、ガイドロール25は、巻出しロール22、
冷却ドラム23及び巻取りロール24の間の樹脂フィル
ム1の走行を案内するものである。
【0051】また、この真空蒸着兼用コーティング装置
20には、冷却ドラム23の外周に沿って、アクリル樹
脂層2を形成するコーティングユニット26-1、蒸着薄
膜3を形成する蒸着ユニット30、アクリル樹脂層2を
形成するコーティングユニット26-2が順次配されてい
る。
【0052】真空蒸着兼コーティング装置20のロール
室21の内部は、真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂
層2の形成や蒸着薄膜3の形成処理に当たり、予め2×
10-6〜10-3Torr,好ましくは8×10-6〜8×
10-5Torr程度の真空に引かれるようになってい
る。
【0053】コーティングユニット26-1、26-2で
は、容器27-1、27-2に貯留されているアクリル樹脂
コーティング剤が加熱気化され、冷却ドラム23上を走
行している樹脂フィルム1に対してアクリル樹脂コーテ
ィング剤の噴霧コーティングが行われる。そして噴霧コ
ーティングの直後に、紫外線照射用ランプ(例えば、水
銀ランプ、メタルハライドランプ等)28-1、28-2
から紫外線照射が行われ、噴霧コーティングされたアク
リル樹脂コーティング剤が硬化する。ここで、紫外線照
射用ランプ28-1、28-2は樹脂フィルム1の幅方向に
均一に照射される様に設置される。また、アクリル樹脂
コーティング剤の硬化速度を大きくするために、紫外線
照射用ランプ28-1、28-2は二つ以上平行に並べても
よい。さらに、こうして形成するアクリル樹脂層2は二
層以上の多層としてもよい。
【0054】なお、各コーティングユニット26-1、2
6-2で形成するアクリル樹脂層2の膜厚は、0.05〜
10μmとすることが好ましく、より好ましくは0.1
〜5μmとする。膜厚が0.05μmを下回ると均一な
膜に形成することが困難となり、また、10μmを超え
ると紫外線硬化速度が低下し、十分に硬化させることが
困難となる。
【0055】一方、蒸着ユニット30では、前述の金属
又は金属化合物の蒸着材料31が冷却ドラム23を走行
している樹脂フィルム上に蒸着される。
【0056】この装置20では、コーティングユニット
26-1、26-2及び蒸着ユニット30で処理をそれぞれ
独立的に制御することができるので、コーティングユニ
ット26-1及びを蒸着ユニット30を作動させることに
より図1のバリアー性積層体10Aを容易に得ることが
可能となり、さらにコーティングユニット26-2も作動
させることにより図2のバリアー性積層体10Bも容易
に得ることが可能となる。また、コーティングユニット
26-1を作動させることなく、蒸着ユニット30及びコ
ーティングユニット26-2を作動させることにより図3
のバリアー性積層体10Cを容易に得ることが可能とな
る。
【0057】以上、図示したバリアー性積層体10A、
10B、10Cについて詳細に本発明を説明したが、本
発明のバリアー性積層体にはさらに必要に応じて蒸着工
程、印刷工程、ラミネート工程、製袋工程等を施し、所
望の形態に形成することができる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0059】実施例1 図4に示した真空蒸着兼コーティング装置20を使用し
て、図2に示したバリアー性積層体10Bと同様の層構
成のバリアー性積層体を次のように作製した。
【0060】この場合、樹脂フィルム1としては、厚さ
12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(以下PETフィルムと略称する)を使用し、これを
真空蒸着兼コーティング装置20内の巻出しロール22
に装填した。
【0061】また、アクリル樹脂コーティング剤として
は、トリプロピレングリコールジアクリレートとベンゾ
フェノン(1重量%)の混合液体を使用し、これを同装
置20の容器27-1、27-2に装填した。
【0062】まず、真空蒸着兼コーティング装置20全
体を真空度1.5×10-5Torrとし、コーティング
ユニット26-1の冷却ドラム23上を走行しているPE
Tフィルム1に、アクリル樹脂コーティング剤を流量調
整しつつ加熱気化し噴霧した。同時に二列平行の出力2
50W/cmのメタルハライドランプにて真空紫外線を
照射することにより、噴霧したアクリル樹脂コーティン
グ剤を重合及び架橋させて硬化させた。その結果、冷却
ドラム23上を走行しているPETフィルム1の表面に
厚さ1μmの真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層2
が形成された。
【0063】次いで、蒸着ユニット30において、冷却
ドラム23を抱くように走行している、上述の真空紫外
線硬化法によるアクリル樹脂層2を形成したPETフィ
ルム1の上に、酸化ケイ素SiOをEB−Power
30kV−0.75A,圧力2×10-4Torrの条件
で膜厚500Åに蒸着し、[PETフィルム/真空紫外
線硬化法によるアクリル樹脂層/SiO蒸着薄膜]の層
構成の蒸着フィルムを得た。
【0064】さらにコーティングユニット26-2におい
て、冷却ドラム23を抱くように走行している[PET
フィルム/真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層/S
iO蒸着薄膜]の層構成を有する蒸着フィルムの当該S
iO蒸着薄膜上に、アクリル樹脂コーティング剤を流量
調整しつつ加熱気化し噴霧した。同時に二列平行の出力
250W/cmのメタルハライドランプにて真空紫外線
を照射することにより、噴霧したアクリル樹脂コーティ
ング剤を重合及び架橋させて硬化させた。これにより、
冷却ドラム23上を走行している蒸着フィルムのSiO
蒸着薄膜の表面に、厚さ1μmの真空紫外線硬化法によ
るアクリル樹脂層を形成した。次いで、この蒸着フィル
ムを冷却ドラム23から離し、ガイドロール25を経て
巻取りロ−ル(24に連続的に巻き取り、本発明のバリ
アー性積層体10Bを得た。
【0065】得られたバリアー性積層体10Bの最外層
の真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層2の面に、熱
接着性樹脂として厚さ30μmの未延伸ポリプロピレン
フィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。
【0066】実施例2 実施例1のバリアー性積層体10Bの作製において、コ
ーティングユニット26-2にて真空紫外線硬化法による
アクリル樹脂層を形成しなかった以外は、実施例1と同
様にして、図1に示したバリアー性積層体10Aと同様
の層構成のバリアー性積層体を作成した。これにより、
[PETフィルム/真空紫外線硬化法によるアクリル樹
脂層/SiO蒸着薄膜]の層構成のバリアー性積層体1
0Aを得た。
【0067】実施例3 実施例1のバリアー性積層体10Bの作製において、コ
ーティングユニット26-1にて真空紫外線硬化法による
アクリル樹脂層を形成しなかった以外は、実施例1と同
様にして、図3に示したバリアー性積層体10Cと同様
の層構成のバリアー性積層体を作成した。これにより、
[PETフィルム/SiO蒸着薄膜/真空紫外線硬化法
によるアクリル樹脂層]の層構成のバリアー性積層体1
0Cを得た。
【0068】実施例4 蒸着材料として酸化アルミニウム(純度99.99%)
を使用し、蒸着ユニット30における蒸着条件をEB−
Power 30kV−0.75Aとした以外は、実施
例1と同様にしてバリアー性積層体を作製した。その結
果、[PETフィルム/真空紫外線硬化法によるアクリ
ル樹脂層/Al23の蒸着薄膜/真空紫外線硬化法によ
るアクリル樹脂層]の層構成のバリアー性積層体を得
た。
【0069】実施例5 アクリル樹脂コーティング剤として、トリプロピレング
リコールジアクリレートとベンゾフェノンの混合原料に
代えて、1,4−ブタンジオールジアクリレートとベン
ゾフェノン(1重量%)の混合原料を使用する以外は、
実施例1と同様にしてバリアー性積層体を作製した。そ
の結果、[PETフィルム/真空紫外線硬化法によるア
クリル樹脂層/SiO蒸着薄膜/真空紫外線硬化法によ
るアクリル樹脂層]の層構成のバリアー性積層体を得
た。
【0070】比較例1 2つのコーティングユニット26-1、26-2にて、真空
紫外線硬化法によるアクリル樹脂層を積層しなかった以
外は、実施例1と同様にしてPETフィルム1上にSi
O蒸着薄膜を形成し、[PETフィルム/SiO蒸着薄
膜]の層構成の積層体を得た。
【0071】比較例2 2つのコーティングユニット26-1、26-2にて、真空
紫外線硬化法によるアクリル樹脂層を積層しなかった以
外は、実施例4と同様にしてPETフィルム1上に蒸着
薄膜を形成し、[PETフィルム/Al23蒸着薄膜]
の層構成の積層体を得た。
【0072】比較例3 実施例1と同様の樹脂フィルム(厚さ12μmのPET
フィルム)の片面に、実施例1と同様のアクリル樹脂コ
ーティング剤(即ち、トリプロピレングリコールジアク
リレートとベンゾフェノン(1重量%)の混合液体)を
グラビアコート法によりを塗布乾燥し、次いで窒素置換
ユニット内で二列平行の出力250W/cmのメタルハ
ライドランプにて紫外線照射することによりアクリル樹
脂コーティング剤を重合及び架橋させて硬化させ、厚さ
1μmのコーティング被膜を形成し、その上に実施例1
と同様にしてSiO蒸着薄膜を形成し、[PETフィル
ム/アクリル樹脂コーティング被膜/SiO蒸着薄膜]
の層構成の積層体を得た。
【0073】比較例4 比較例3と同様にして、[PETフィルム/アクリル樹
脂コーティング被膜/SiO蒸着薄膜]の層構成の積層
体を得、さらにこのSiO蒸着薄膜上にアクリル樹脂コ
ーティング被膜を、該被膜をPETフィルム上に形成し
た場合と同様の条件で形成し、[PETフィルム/アク
リル樹脂コーティング被膜/SiO蒸着薄膜/アクリル
樹脂コーティング被膜]の層構成の積層体を得た。
【0074】評価 以上のようにして作製した実施例1〜5、比較例1〜4
の合計9例の積層体に対し、そのバリアー性を示す(a)
酸素透過率及び(b)透湿度、アクリル樹脂層あるいは蒸
着薄膜の密着性を示す(c)剥離強度を以下に示す測定条
件に従って測定し、以下の評価基準で評価した。その結
果を表1に示す。
【0075】(a)酸素透過率…モコン法(MOCON
OXTRAN−10/50A)、25℃、100%RH
【0076】(b)透湿度 …モコン法(MOCON
PERMATRAN−W6)、40℃、90%RH
【0077】(c)剥離強度 …インストロン型引張試験
機、試料15mm幅、剥離角度90度、剥離速度300
mm/min.
【0078】評価基準 ◎:非所に良好、 ○:やや良好、 △:やや不良、
×:不良
【0079】
【表1】 バリアー性 密着性 酸素透過率 透湿度 評価 剥離強度 評価 (cc/m2/day) (g/m2/day) (g/15mm) 実施例1 0.1 0.2 ◎ 550 ◎ 実施例2 0.4 0.4 ◎ 530 ◎ 実施例3 0.3 0.4 ◎ 560 ◎ 実施例4 0.2 0.2 ◎ 670 ◎ 実施例5 0.3 0.4 ◎ 600 ◎ 比較例1 2.2 2.9 ○ 410 △〜× 比較例2 2.5 2.5 ○ 430 △〜× 比較例3 6.5 3.4 △〜× 450 ○ 比較例4 7.1 3.1 △〜× 490 ○
【0080】表1から、酸素、水蒸気に対するバリアー
性は、真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層を有する
実施例1〜5では非常に良好な結果が得られ、アクリル
樹脂層をもたない比較例1及び比較例2ではやや良好な
結果が得られ、コーティング被膜によるアクリル樹脂を
有する比較例3及び比較例4では、やや不良ないし不良
であった。したがって、真空紫外線硬化法によるアクリ
ル樹脂層は、バリアー性の向上に非常に有効であるこ
と、アクリル樹脂層を真空紫外線硬化法によらず、コー
ティング被膜として形成すると(比較例3及び比較例
4)、アクリル樹脂層を形成しない場合(比較例1及び
比較例2)に比してかえってバリアー性が低下すること
がわかる。
【0081】また、アクリル樹脂層および蒸着薄膜の密
着性を示す剥離強度に関しては、実施例1〜5では非常
に良好な密着性が得られ、比較例3及び比較例4ではや
や良好な結果が得られ、比較例1及び比較例2ではやや
不良あるいは不良であった。したがって、真空紫外線硬
化法によるアクリル樹脂層は、密着性の向上にも非常に
有効であること、アクリル樹脂層を真空紫外線硬化法に
よらず、コーティング被膜として形成すると(比較例3
及び比較例4)、アクリル樹脂層を形成しない場合(比
較例1及び比較例2)に比べると密着性は向上するが、
真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層には及ばないこ
とがわかる。
【0082】
【発明の効果】以上述べたように本発明のバリアー性積
層体によれば、真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層
がアンカーコート層として、あるいはトップコート層と
して優れた効果を発揮するので、ガスバリアー性及び各
層の密着性が大きく向上したものとなる。
【0083】また、真空紫外線硬化法によるアクリル樹
脂層は、耐熱性、熱寸法安定性、硬化性に優れることか
ら、本発明のバリアー性積層体に、後工程として、蒸
着、印刷、ラミネート、製袋等の種々の工程が施されて
も、機械的ストレスや熱的ストレスからくる歪みによる
クラックやピンホールが発生しにくく、バリアー性の劣
化が防止されたものとなる。
【0084】さらに、本発明のバリアー性積層体を構成
する、真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層と金属又
は金属化合物の蒸着薄膜とは、一つの真空蒸着兼用コー
ティング装置で連続的にインラインで形成することがで
きる。したがって、本発明のバリアー性積層体は、加工
性、生産性についても非常に有利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリアー性積層体の一態様を示す断面
図である。
【図2】本発明のバリアー性積層体の他の態様を示す断
面図である。
【図3】本発明のバリアー性積層体の他の態様を示す断
面図である。
【図4】本発明のバリアー性積層体を製造する、真空蒸
着兼用コーティング装置の模式説明図である。
【符号の説明】 1…樹脂フィルム 2…真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層 3…金属または金属化合物の蒸着薄膜 10A、10B、10C…バリアー性積層体 20…真空蒸着兼用コーティング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−171856(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂フィルムの片面に、真空紫外線硬化
    法により形成されたアクリル樹脂層、及び金属または金
    属化合物の蒸着薄膜が順次積層されていることを特徴と
    するバリアー性積層体。
  2. 【請求項2】 前記金属または金属化合物の蒸着薄膜上
    に、さらに真空紫外線硬化法により形成されたアクリル
    樹脂層が積層されている請求項1記載のバリアー性積層
    体。
  3. 【請求項3】 樹脂フィルムの片面に、金属または金属
    化合物の蒸着薄膜、及び真空紫外線硬化法により形成さ
    れたアクリル樹脂層が順次積層されていることを特徴と
    するバリアー性積層体。
  4. 【請求項4】 樹脂フィルムの片面に真空紫外線硬化法
    によりアクリル樹脂層を形成し、次いでそのアクリル樹
    脂層上に金属または金属化合物の蒸着薄膜を積層するこ
    とを特徴とする請求項1記載のバリアー性積層体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 真空蒸着兼用コーティング装置で連続的
    に真空紫外線硬化法によるアクリル樹脂層の形成と金属
    または金属化合物の蒸着薄膜の積層とを行う請求項4記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 分子量10000以下のアクリル系モノ
    マー又はオリゴマーを含有する粘度500cps以下の
    アクリル樹脂コーティング剤を用いて真空紫外線硬化法
    によるアクリル樹脂層を形成する請求項4又は5記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂フィルムの片面に金属または金属化
    合物の蒸着薄膜を形成し、次いでその蒸着薄膜上に真空
    紫外線硬化法によりアクリル樹脂層を積層することを特
    徴とする請求項3記載のバリアー性積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】 真空蒸着兼用コーティング装置で連続的
    に金属または金属化合物の蒸着薄膜の形成と真空紫外線
    硬化法によるアクリル樹脂層の積層とを行う請求項7記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】 分子量10000以下のアクリル系モノ
    マー又はオリゴマーを含有する粘度500cps以下の
    アクリル樹脂コーティング剤を用いて真空紫外線硬化法
    によるアクリル樹脂層を形成する請求項7又は8記載の
    製造方法。
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