JP6175960B2 - ガスバリア性フィルム - Google Patents
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Description
(1)高分子フィルム基材の少なくとも片面にガスバリア層を有するガスバリアフィルムであって、前記ガスバリア層は高分子フィルム基材の側から、周期律表第3族から第14族に属する金属元素のうち少なくとも1つの元素を含む化合物を主成分とする第1の層と、ケイ素化合物を主成分とする第2の層がこの順に積層されたものであり、前記第1の層は、X線反射率法により特定される高分子フィルム基材側に位置する層状の[1A]領域と前記第2の層に隣接する層状の[1B]領域からなり、該[1B]領域は厚さが3.2〜20nmであり、前記[1B]領域の密度が前記[1A]領域の密度より低く、前記第2の層の密度より高いことを特徴とするガスバリア性フィルム。
(2)前記[1B]領域の密度が、前記第2の層の密度より1〜7g/cm3高い前記(1)に記載のガスバリア性フィルム。
(3)前記[1B]領域の密度が、前記[1A]領域の密度より0.2〜4g/cm3低い前記(1)または(2)に記載のガスバリア性フィルム。
(4)前記第1の層が亜鉛化合物を主成分とする層であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
(5)前記[1A]領域は、以下の[1−1]または[1−2]からなる前記(1)〜(4)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
[1−1]:酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相
[1−2]:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相
(6)前記[1A]領域の密度が3.5〜7g/cm3、前記[1B]領域の密度が2.7〜5.8g/cm3、前記第2の層の密度が2〜4g/cm3である前記(5)に記載のガスバリア性フィルム。
(7)前記[1A]領域が、前記[1−1]からなり、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子濃度が20〜40atom%、ケイ素(Si)原子濃度が5〜20atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜5atom%、酸素(O)原子濃度が35〜70atom%である前記(5)または(6)に記載のガスバリア性フィルム。
(8)前記[1A]領域が、前記[1−2]からなり、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9である前記(5)または(6)に記載のガスバリア性フィルム。
(9)前記高分子フィルム基材とガスバリア層との間に鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である架橋樹脂層を有する前記(1)〜(8)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
(10)前記架橋樹脂層の平均表面粗さRaが1nm以下であることを特徴とする前記(9)に記載のガスバリア性フィルム。
本発明者らは、透明性および水蒸気遮断性が高い良好なガスバリア性フィルムを得ることを目的としてガスバリア性フィルムの層構成について鋭意検討を重ね、高分子フィルム基材の少なくとも片面にガスバリア層を有するガスバリアフィルムであって、前記ガスバリア層は高分子フィルム基材の側から周期律表第3族から第14族に属する金属元素のうち少なくとも1つの元素を含む化合物を主成分とする第1の層とケイ素化合物を主成分とする第2の層がこの順に積層され、前記第1の層は、X線反射率法により特定される、高分子フィルム基材側に位置する層状の[1A]領域と前記第2の層に隣接する層状の[1B]領域からなり、該[1B]領域は厚さが0.2〜20nmであり、該[1B]領域の密度が該[1A]領域の密度より低く、前記第2の層の密度より高い構成としたところ、前記課題を一挙に解決することを見いだしたものである。
本発明に使用する高分子フィルム基材としては、有機高分子化合物からなるフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマーからなるフィルムなどを使用することができる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムであることが好ましい。高分子フィルム基材を構成するポリマーは、ホモポリマー、コポリマーのいずれでもよいし、また、単独のポリマーであってもよいし複数のポリマーをブレンドして用いてもよい。
次に、鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である架橋樹脂層について詳細を説明する。
次に、X線反射率法により特定される、高分子フィルム基材側に位置する層状の[1A]領域と第2の層に隣接する層状の[1B]領域からなる周期律表第3族から第14族に属する金属元素のうち少なくとも1つの元素を含む化合物層(第1の層)について詳細を説明する。第1の層は、高分子フィルム基材の上に配置される。
次に、本発明の第1の層として好適に用いられる[1−1]として、酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相について詳細を説明する。なお、「酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相」を「ZnO−SiO2−Al2O3」と略記することもある。また、二酸化ケイ素(SiO2)は、生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO2)が生成することがあるが、本明細書においては二酸化ケイ素あるいはSiO2と表記し、その組成として扱うこととする。かかる組成比の化学式からのずれに関しては、酸化亜鉛、酸化アルミニウムについても同様の扱いとし、それぞれ、本明細書においては、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、酸化亜鉛またはZnO、酸化アルミニウムまたはAl2O3と表記し、それらの組成として扱うこととする。
次に、[1−2]として、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相について詳細を説明する。なお、「硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相」を、「ZnS−SiO2」と略記することもある。また、二酸化ケイ素(SiO2)は、その生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO2)が生成することがあるが、本明細書においては二酸化ケイ素あるいはSiO2と表記する。かかる組成比の化学式からのずれに関しては、硫化亜鉛についても同様の扱いとし、本明細書においては、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、硫化亜鉛またはZnSと表記し、その組成として扱うこととする。
次に、ケイ素化合物を主成分とする第2の層(以降第2の層と略記する)について詳細を説明する。上述したように、第1の層に接するように第2の層を特定の条件下で積層すると、第1の層は、第2の層に隣接する位置に、[1A]領域の密度より低く、第2の層の密度より高い緻密な層状の[1B]領域が形成され、飛躍的にガスバリア性を向上させることができる。ここで、主成分とは第2の層全体の60質量%以上であることを意味し、80質量%以上であれば好ましい。なお、本発明におけるケイ素化合物とは、後述するX線光電子分光法(XPS法)、ICP発光分光分析、ラザフォード後方散乱法等により成分を特定された各元素の組成比が整数で表される組成式を有する化合物として扱う。たとえば、二酸化ケイ素(SiO2)は、生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO2)が生成することがあるが、そのような場合でも、SiO2として扱い上記の質量含有率を算出するものとする(以下同様)。
[評価方法]
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
(1−1)TEMによる断面観察
断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム(日立製作所製FB−2000A)を使用してFIB法により(具体的には「高分子表面加工学」(岩森暁著)p.118〜119に記載の方法に基づいて)作製した。透過型電子顕微鏡(日立製作所製H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、カスバリア層の第1の層、第2の層の厚みを測定した。
(1−2)X線反射率法による[1A]、[1B]領域の厚み、密度のフィッティング
X線反射率法により、第1の層([1A]、[1B]領域)、第2の層の厚み及び密度を測定した。すなわち、高分子フィルム基材の上に形成されたガスバリア層(第1の層、第2の層)に斜方向からX線を照射し、入射X線強度に対する全反射X線強度のガスバリア層表面への入射角度依存性を測定することにより、得られた反射波のX線強度プロファイルを得た。そして、(1−1)の断面観察により特定した、層のデータ、および、(3)から(5)の評価により得た組成情報から計算される密度を初期値として、本文に記載したX線強度プロファイルのフィッティング方法を用いて各領域の厚み、密度を求めた。
・装置:Rigaku製SmartLab
・解析ソフト:Rigaku製Grobal Fit
・測定範囲(試料表面とのなす角):0〜8.0°、0.001°ステップ
・入射スリットサイズ:0.05mm×10.0mm
・受光スリットサイズ:0.15mm×20.0mm。
温度40℃、湿度90%RH、測定面積50cm2の条件で、英国、テクノロックス(Technolox)社製の水蒸気透過率透過率測定装置(機種名:DELTAPERM(登録商標))を使用して測定した。サンプル数は水準当たり2検体とし、測定回数は同一検体について各10回とし、その平均値を水蒸気透過率とした。
[1−1]の組成分析はICP発光分光分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、SPS4000)により行った。試料中の亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子の含有量を測定し、原子数比に換算した。なお、酸素原子は亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子が、それぞれ酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)として存在するとして求めた計算値とした。
[1−2]の組成分析はICP発光分光分析(セイコー電子工業(株)製、SPS4000)により行い、この値をもとにさらにラザフォード後方散乱法(日新ハイボルテージ(株)製AN−2500)を使用して、各元素を定量分析し硫化亜鉛と二酸化ケイ素の組成比を求めた
(5)第1の層([1−1]、[1−2]を除く)、第2の層の組成
第1の層はX線光電子分光法(XPS法)を用いることにより、酸素原子に対する含有金属または非金属原子の原子数比を測定し、必要に応じて上記(3)および/または(4)の測定も併用した。
第2の層はX線光電子分光法(XPS法)を用いることにより、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比(O/Si比率)を測定した。
測定条件は下記の通りとした。
・装置:Quantera SXM (PHI社製)
・励起X線:monochromatic AlKα1,2
・X線径100μm ・光電子脱出角度:10°。
架橋樹脂層表面の鉛筆硬度を、鉛筆硬度試験機HEIDON−14(新東科学(株))を用いて、JIS K5600−5−4:1999に従い、水準当たり1検体とし、測定回数は1回で、鉛筆硬度を測定した。
架橋樹脂層表面について、表面自由エネルギーおよびその各成分(分散力、極性力、水素結合力)が既知の4種類の測定液(水、ホルムアミド、エチレングリコール、ヨウ化メチレン)を用い、23℃の温度、相対湿度65%の条件下で接触角計CA−D型(協和界面科学(株)製)にて、各液体の積層膜上での接触角を測定した。各測定液毎に、測定回数は5回で接触角を測定し、平均値を求め、この値を、拡張Fowkes式とYoungの式より導入される下記式(1)に代入して各成分を計算した。
原子間力顕微鏡を用いて、以下の条件で架橋樹脂層表面について測定した。
システム:NanoScopeIII/MMAFM(デジタルインスツルメンツ社製)
スキャナ:AS−130(J−Scanner)
プローブ:NCH−W型、単結晶シリコン(ナノワールド社製)
走査モ−ド:タッピングモ−ド
走査範囲:10μm×10μm
走査速度:0.5Hz
測定環境:温度23℃、相対湿度65%、大気中。
JIS K7361:1997に基づき、濁度計NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。測定は、縦50mm、横50mmのサイズに切り出したフィルム3枚について行い、測定回数は各5回とし、合計15回測定の平均値を全光線透過率とした。
JIS K7136:2000に基づき、濁度計NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。測定は、縦50mm、横50mmのサイズに切り出したフィルム3枚について行い、測定回数は各5回とし、合計15回測定の平均値をヘイズ値とした。
図2に示す構造の巻き取り式のスパッタリング・化学気相蒸着装置(以降スパッタ・CVD装置と略す)を使用し、高分子フィルム基材5の面上に酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置し、アルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し第1の層を設けた。
図2に示す構造のスパッタ・CVD装置を使用し、高分子フィルム基材5の面上に、硫化亜鉛および二酸化ケイ素で形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置し、アルゴンガスプラズマによるスパッタリングを実施し第1の層を設けた。
図2に示す構造のスパッタ・CVD装置を使用し、高分子フィルム基材5の面([1−1]または[1−2]の形成された面)上に、酸素ガスプラズマで第1の層の表層をエッチング処理した後、ヘキサメチルジシロキサンを原料とした化学気相蒸着を実施し第2の層を設けた。
高分子フィルム基材として、厚み188μmの高分子フィルム基材5(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)U35:一方の面に易接着層が形成され、もう一方の面はポリエチレンテレフタレートが露出している)を用い、該高分子フィルム基材のポリエチレンテレフタレートが露出している面に、[1A]領域が[1−1]となる第1の層を膜厚100nmを目標として設けた。第1の層の組成は、ZnOが71.2質量%、Al2O3が3.7質量%、SiO2が25.0質量%であり、周期律表第3族から第14族に属する金属元素のうち少なくとも1つの元素を含む化合物に該当するZnOおよびAl2O3の含有量は74.9質量%であった。
第1の層として[1A]領域が[1−2]となる第1の層を形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第1の層の組成は、ZnSが86.7質量%、SiO2が13.3質量%であり、周期律表第3族から第14族に属する金属元素のうち少なくとも1つの元素を含む化合物に該当するZnSの含有量は86.7質量%であった。
第2の層の形成時の高周波電源の投入電力を3500Wまで上昇させて形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2の層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が1.90であった。
第1の層として[1A]領域が[1−2]となる第1の層を形成し、さらに第2の層の形成時の高周波電源の投入電力を3500Wまで上昇させて形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2の層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が1.90であった。
実施例1の手順で第1の層を形成した後に、表面処理用電極の直流電源の投入電力を750Wまで上昇させて酸素ガスプラズマを発生させ、第1層の表層をエッチング処理した。次いで、第1層のエッチング処理された表面に、第2の層の形成時の高周波電源の投入電力を2000Wまで上昇させて形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が1.70であった。
第1の層を形成するためのスパッタターゲットを酸化亜鉛/二酸化ケイ素/酸化アルミニウムの焼結ターゲットに代えて、酸化錫ターゲットを使用し、厚み100nmを目標として酸化錫層を形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第1層の[1A]領域の酸化錫層の組成は、錫原子に対する酸素原子の原子数比が1.95であった。
第1の層を形成するためのスパッタターゲットを酸化亜鉛/二酸化ケイ素/酸化アルミニウムの焼結ターゲットに代えて、酸化アルミニウムターゲットを使用し、厚み100nmを目標として酸化アルミニウム層を形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第1の層の[1A]領域層の組成は、アルミニウム原子に対する酸素原子の原子数比が1.45であった。
高分子基材として厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)U48)を使用した。
架橋樹脂層形成用の塗液として、ウレタンアクリレートに代えて、ポリエステルアクリレート(日本化薬(株)製FOP−1740)100質量部にシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製SH190)0.2質量部を添加し、トルエン50質量部、MEK50質量部で希釈した塗液2を調製し、塗液2をマイクログラビアコーター(グラビア線番200UR、グラビア回転比100%)で塗布、60℃で1分間乾燥後、紫外線を1J/cm2照射、硬化させ、厚み5μmの架橋樹脂層(構成樹脂を樹脂2と記す)を設けた以外は実施例8と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
第2層の形成時の高周波電源の投入電力を200Wまで低下させて形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が2.30であった。
第1の層として[1A]領域が[1−2]となる第1の層を形成し、さらに第2層の形成時の高周波電源の投入電力を200Wまで低下させて形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が2.40であった。
実施例1の手順で第1の層を形成した後に、表面処理用電極の直流電源の投入電力を4000Wまで上昇させて酸素ガスプラズマを発生させ、第1層の表層をエッチング処理した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が2.30であった。
第1の層として[1A]領域が[1−2]となる第1の層に代えた以外は実施例1の手順で第1の層を形成した。次いで、表面処理用電極の直流電源の投入電力を4000Wまで上昇させて酸素ガスプラズマを発生させ、第1層の表層をエッチング処理した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が2.30であった。
実施例1の手順で第1の層を形成し、第1層の表層を酸素ガスプラズマでエッチング処理した後、第2層を形成しない以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1の手順で第1の層を形成した後に、表面処理用電極の直流電源の投入電力を4000Wまで上昇させて酸素ガスプラズマを発生させ、第1層の表層をエッチング処理した後、第2層を形成しない以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
実施例1の手順で第1の層を形成した後に、表面処理用電極の直流電源の投入電力を3000Wまで上昇させて酸素ガスプラズマを発生させ、第1層の表層をエッチング処理した後、第2層の形成時の高周波電源の投入電力を200Wまで低下させて形成した以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が2.20であった。
実施例8の手順で第1の層を形成した後に、表面処理用電極の直流電源の投入電力を4000Wまで上昇させて酸素ガスプラズマを発生させ、第1層の表層をエッチング処理した以外は、実施例8と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が2.30であった。
実施例9の手順で第1の層を形成した後に、表面処理用電極の直流電源の投入電力を4000Wまで上昇させて酸素ガスプラズマを発生させ、第1層の表層をエッチング処理した以外は、実施例9と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。第2層の組成は、ケイ素原子に対する酸素原子の原子数比が2.30であった。
2 [1A]領域
3 [1B]領域
4 第2の層
5 高分子フィルム基材
6 スパッタ・CVD装置
7 巻き取り室
8 巻き出しロール
9、10、11 巻き出し側ガイドロール
12 クーリングドラム
13 スパッタ電極
14 CVD電極
15、16、17 巻き取り側ガイドロール
18 巻き取りロール
19 表面処理用電極
Claims (10)
- 高分子フィルム基材の少なくとも片面にガスバリア層を有するガスバリアフィルムであって、前記ガスバリア層は高分子フィルム基材の側から、周期律表第3族から第14族に属する金属元素のうち少なくとも1つの元素を含む化合物を主成分とする第1の層と、ケイ素化合物を主成分とする第2の層がこの順に積層されたものであり、前記第1の層は、X線反射率法により特定される高分子フィルム基材側に位置する層状の[1A]領域と前記第2の層に隣接する層状の[1B]領域からなり、該[1B]領域は厚さが3.2〜20nmであり、前記[1B]領域の密度が前記[1A]領域の密度より低く、前記第2の層の密度より高いことを特徴とするガスバリア性フィルム。
- 前記[1B]領域の密度が、前記第2の層の密度より1〜7g/cm3高い請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[1B]領域の密度が、前記[1A]領域の密度より0.2〜4g/cm3低い請求項1または請求項2に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記第1の層が亜鉛化合物を主成分とする層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[1A]領域は、以下の[1−1]または[1−2]からなる請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
[1−1]:酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相
[1−2]:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相 - 前記[1A]領域の密度が3.5〜7g/cm3、前記[1B]領域の密度が2.7〜5.8g/cm3、前記第2の層の密度が2〜4g/cm3である請求項5に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[1A]領域が、前記[1−1]からなり、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛(Zn)原子濃度が20〜40atom%、ケイ素(Si)原子濃度が5〜20atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜5atom%、酸素(O)原子濃度が35〜70atom%である請求項5または6に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記[1A]領域が、前記[1−2]からなり、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9である請求項5または6に記載のガスバリア性フィルム。
- 前記高分子フィルム基材とガスバリア層との間に鉛筆硬度がH以上かつ表面自由エネルギーが45mN/m以下である架橋樹脂層を有する請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
- 前記架橋樹脂層の平均表面粗さRaが1nm以下であることを特徴とする請求項9に記載のガスバリア性フィルム。
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