JP6507632B2 - 積層体 - Google Patents

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本発明は、高いガスバリア性が必要とされる食品、医薬品の包装材料や、太陽電池、電子ペーパー、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレーなどの電子部品の材料に使用される積層体に関する。
高分子基材のガスバリア性を向上する技術としては、例えば、有機ケイ素化合物の蒸気と酸素とを含有するガスを用いてプラズマCVD法により高分子基材上に、ケイ素酸化物を主成分とし、炭素、水素、ケイ素及び酸素を少なくとも1種類含有した化合物の層を形成することによって、透明性を維持しつつガスバリア性を向上させる技術が開示されている(特許文献1)。また、別のガスバリア性を向上する技術としては、例えば、有機ケイ素化合物の蒸気と窒素とを含有するガスを用いてICP−CVD法により、成膜時の高周波電源の電力および各投入ガス量を制御して、高分子基材上に、窒化ケイ素膜を形成することによって、膜を緻密化してガスバリア性を向上させる技術が開示されている(特許文献2)。さらに別のガスバリア性を向上する技術としては、基板上にエポキシ化合物を含む有機層とプラズマCVD法で形成されるケイ素系酸化物層を交互に多層積層することで、膜応力によるクラック及び欠陥の発生を防止した多層積層構成の多層薄膜層を形成する方法が開示されている(特許文献3)。
特開平8−142252号公報(特許請求の範囲) 特開2009−235510号公報(特許請求の範囲) 特開2003−341003号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、プラズマCVD法によりケイ素酸化物を主成分とするガスバリア性の層を形成する方法では、有機ELや電子ペーパー用途で必要とされる温度40℃、湿度90%の環境下で水蒸気透過率1×10−3g/m・24hr・atm以下の高いガスバリア性を得るためには層を厚くする必要があり、そのような場合には、形成されたガスバリア性の層が非常に緻密かつ高硬度な層であるため、形成した層の応力により、ケイ素酸化物層にクラックが発生し、逆にガスバリア性が低下するという課題があった。
また、ICP−CVD法によりケイ素窒化物を主成分とした多層薄膜層を形成する特許文献2の方法では、ケイ素窒化物が非常に硬い層であるため、下地となる高分子基材表面の凹凸の影響を受けて層内部に欠陥が発生しやすく、高いガスバリア性を安定して得られない問題があった。さらに、ケイ素窒化物を主成分とした多層薄膜層は波長380nm〜780nmの可視光領域(以下、本願における可視光領域とは波長380nm〜780nmとする)における屈折率が高い層であるため、光が入射する側の最表面に形成すると反射による損失が大きく、光透過性が低下する問題があった。
また、有機層と無機層の多層積層構成の多層薄膜層を形成する特許文献3の方法では、水蒸気透過度1.0×10−3g/(m・24hr・atm)以下の高いガスバリア性を得るためには、数十層積層して厚膜のガスバリア性の層を形成する必要があるため、屈曲や外部からの衝撃によってクラックが生じやすく、多層薄膜層形成後のフィルム搬送や後工程におけるハンドリングや切断、貼合などの加工時にガスバリア性が大幅に低下するという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、数十層レベルの多層積層を形成せずとも水蒸気に対する高度なガスバリア性の発現が可能であり、さらに光の反射を防止することで高い光透過性を有する積層体を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、
(1)高分子基材の少なくとも片面に、以下の[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層を高分子基材側からこの順に有し、
前記[A1]層および前記[A2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.6〜2.0の範囲であり、かつ、前記[B1]層および前記[B2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.4〜1.5の範囲である積層体。
[A1]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素を含み、厚みが10〜50nmである層
[B1]層:ケイ素化合物を含み、厚みが10〜50nmである層
[A2]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素を含み、厚みが50nm〜500nmである層
[B2]層:ケイ素化合物を含み、厚みが50nm〜500nmである層
(2)前記[A1]層及び前記[A2]層は、酸化アルミニウムを含む、(1)に記載の積層体。
)前記[A1]層、前記[B1]層、前記[A2]層、前記[B2]層の合計厚みが1,000nm以下である(1)又は(2)に記載の積層体。
)前記高分子基材と前記[A1]層との間にアンダーコート層を有し、該アンダーコート層が芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含む(1)〜()のいずれかに記載の積層体。
)前記[A1]層および/または前記[A2]層がアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタンタル(Ta)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含む(1)〜()のいずれかに記載の積層体。
)前記[A1]層および/または前記[A2]層がアルミニウム(Al)を含み、X線光電子分光法により測定される前記[A1]層および前記[A2]層の亜鉛(Zn)原子濃度が10〜35atom%、ケイ素(Si)原子濃度が7〜25atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜7atom%、酸素(O)原子濃度が45〜70atom%である(1)〜()のいずれかに記載の積層体。
水蒸気に対する高度なガスバリア性および優れた光学特性を有する積層体を提供することができる。
本発明の積層体の一例を示した断面図である。 本発明の積層体の一例を示した断面図である。 本発明の積層体を製造するための巻き取り式のスパッタリング・化学気相蒸着装置を模式的に示す概略図である。
[積層体]
本発明の積層体は、高分子基材の少なくとも片面に、以下の[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層を高分子基材側からこの順に有する積層体である。
[A1]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含み、厚みが10〜50nmである層
[B1]層:ケイ素化合物を含み、厚みが10〜50nmである層
[A2]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含み、厚みが50nm〜500nmである層
[B2]層:ケイ素化合物を含み、厚みが50nm〜500nmである層。
図1に本発明の積層体の一例の断面図を示す。本発明の積層体は、高分子基材1の少なくとも片面に[A1]層2a、[B1]層2b、[A2]層2c、[B2]層2dを高分子基材1からこの順に接して配されている(以下、[A1]層2a、[B1]層2b、[A2]層2c、[B2]層2dを合わせて「多層薄膜層2」ということもある)。多層薄膜層2は[A1]層2aに接して[B1]層2bを有することによって、[A1]層2aの表面のピンホールやクラック等の欠陥に[B1]層2bに含まれるケイ素化合物が充填され、高度なガスバリア性を有するものとなる。さらに多層薄膜層2は[B1]層2b上に[A2]層2cを積層し、[A2]層2cに接して[B2]層2dを有することによって、[A2]層2cの表面のピンホールやクラック等の欠陥に[B2]層2dに含まれるケイ素化合物が充填され、より高度なガスバリア性を有するものとなる。
また、[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層を高分子基材側からこの順に積層し各層の厚みを調整することにより、光が多層薄膜層2に入射すると、各層間で反射した光は互いに干渉して打ち消し合い、反射光は抑制される。すなわち、反射光が抑制されると、反射光のエネルギーが小さくなり、入射光が各層および基板を透過するエネルギー損失も小さくなり、結果として光透過性が向上した積層体を得ることができる。
本発明において、[A1]層の厚みは10〜50nm、[B1]層の厚みは10〜50nm、[A2]層の厚みは50〜500nm、[B2]層の厚みは50〜500nmの範囲であることが好ましい。[A1]層または[B1]層の厚みが10nm未満になる、または[A2]層または[B2]層の厚みが50nm未満になると、多層薄膜層2に入射した光を可視光全域で十分に打ち消すことができず、光透過性が良好となる波長範囲が狭くなる場合がある。また、[A1]層または[B1]層の厚みが50nmより大きくなる、または[A2]層または[B2]層の厚みが500nmより大きくなると、可視光領域における特定の波長範囲で反射率が大きくなり、光透過性が低下する場合がある。従って、[A1]層の厚みは10〜50nm、[B1]層の厚みは10〜50nm、[A2]層の厚みは50〜500nm、[B2]層の厚みは50〜500nmの範囲であることが好ましく、可視光領域における広い波長範囲で良好な光透過性を得る観点から、[A1]層の厚みは20〜40nm、[B1]層の厚みは20〜40nm、[A2]層の厚みは70〜200nm、[B2]層の厚みは80〜300nmの範囲であることがより好ましい。なお、本発明の各層の厚みは、後述する分光エリプソメトリー法で得られた厚みを使用する。
また、[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層の合計厚みは1,000nm以下であることが好ましい。[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層の合計厚みが1,000nmより厚くなると、多層薄膜層内に残留する応力が大きくなるため、曲げや外部からの衝撃によって多層薄膜層全体にクラックが発生しやすくなり、使用に伴いガスバリア性が低下する場合がある。従って、[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層の合計厚みは1,000nm以下であることが好ましく、屈曲性が良好となる厚みとして、500nm以下であることがより好ましい。
さらに、[A1]層および[A2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.6〜2.0の範囲でかつ、[B1]層および[B2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.4〜1.5の範囲とすることにより、優れたガスバリア性を維持しつつ積層体の光線透過性を向上させることができるため好ましい。[A1]層および[A2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.6より小さくなると、[A1]層および[A2]層を構成する成分の粒子間の空隙が大きくなり、欠陥サイズの大きい膜質となるため、[A1]層に接して[B1]層を積層した場合や[A2]層に接して[B2]層を積層した場合でも[A1]層および[A2]層表面の欠陥に[B1]層および[B2]層に含まれるケイ素化合物が十分に充填できない部分が発生するため、ガスバリア性が低下する場合がある。また、[A1]層または[A2]層の屈折率が2.0より大きくなると、[A1]層および[A2]層の波長400nm付近における光吸収が大きくなり、積層体の色調が低下する場合がある。従って、[A1]層および[A2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.6〜2.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.7〜1.9の範囲である。また、[B1]層または[B2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.4より小さくなると、[B1]層および[B2]層の成分の粒子間の空隙が大きい膜質となるため、ガス及び水蒸気が透過しやすい構造となり、ガスバリア性が低下する場合がある。また、[B1]層または[B2]層の屈折率が1.5より大きくなると、波長400nm付近における光吸収が大きくなり、積層体の色調が低下する場合がある。従って、[B1]層および[B2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.4〜1.5の範囲が好ましく、より好ましくは1.44〜1.48の範囲である。
[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層を構成する各層の詳細は後述するが、本発明に用いる[A1]層および[A2]層は[B1]層および[B2]層と可視光領域における屈折率が異なるため、これらの層を交互に積層し、各層の膜厚を上述した膜厚範囲で調整することによって、光反射を低減して光透過性を向上させることが可能である。例えば、多層薄膜層2が[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層の4層から形成される場合、多層薄膜層2の最表層には、外気の屈折率に近く、かつ厚みが50〜500nmの範囲である[B2]層を用いる方が外光からの光反射が低減されるため、光透過性を向上することができるため好ましい。
本発明において、[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層の厚みおよび各波長における屈折率、吸収係数は分光エリプソメトリー法(「表面・界面工学大系・上巻・基礎編」(株式会社フジ・テクノシステム発行)p.613〜616)により測定する値である。
具体的には、まずキセノンランプなどの光源から光を発生させ、モノクロメーターを通して分光した後、さらに偏光子を通すことで、直線偏光のビーム光を測定試料である積層体に入射させる。このとき一般的にビーム光の入射光は測定試料の法線に対して50°〜80°の入射角範囲で設定する。直線偏光のビーム光を上述した入射角範囲で測定試料に入射させることによって、積層体の各層、基材界面で反射、干渉した楕円偏光の反射ビームが発生する。発生した反射ビームを偏光子に通した後、ディテクタに入射させることで反射ビームの偏光状態と反射ビーム強度を測定する。このとき反射ビームの偏光状態は、入射角および各波長におけるP偏光、S偏光の2成分の反射率の実測データから、各波長における位相差Δと振幅反射率ψのプロファイルとして得られる。
また、位相差Δと振幅反射率ψは、各層の厚みおよび各層の屈折率、吸収係数の誘電関数であるため、層数、各層の厚み、各層の屈折率および吸収係数のモデルを立てることで、そのモデルから各波長における位相差Δと振幅反射率ψのプロファイルを計算して求めることができる。
本発明の層数、各層の厚み、各層の屈折率および吸収係数の解析方法としては、分光エリプソメトリー測定に用いた装置(J.A.Woollam製M200)の解析ソフトであるWVASE32を使用し、実測の反射ビームから求まる各波長に対する位相差Δと振幅反射率ψのプロファイルにモデルから算出される各波長に対する位相差Δと振幅反射率ψのプロファイルが重なるように、モデルの誘電関数を変化させ、両プロファイルの平均二乗誤差を最小に収束させて決定する。モデル化に使用する初期値として、層数、各層の厚みは、測定試料のTEM断面観察から得られる値を使用する。
なお、ビーム光の入射角を変化させて、各角度における反射光のプロファイルを測定し解析した結果のうち、平均二乗誤差が最小に収束したビーム光の入射角の解析結果から得られる層数、各層の厚み、各層の屈折率および吸収係数を採用することで、より精度の高い正確な測定を行うことができる。本願の実施例においては、ビーム入射角65°、70°、75°の3つの角度における反射光のプロファイルについて解析を行い、最も平均二乗誤差が最小に収束したビーム入射角の解析結果を採用し、層数、各層の厚み、各層の屈折率、吸収係数を決定した。
本発明において、多層薄膜層2は高分子基材1の片面に配置してもよいし、両面に配置しても構わない。多層薄膜層2を高分子基材1の両面に配置することによって、高分子基材1の両面からの反射光を抑制することができ、高分子基材1の片面のみに多層薄膜層2を形成した場合よりも光透過性を向上することが可能となる。
本発明品は透明性および柔軟性が低下しない範囲で多層薄膜層2の下側または上側に亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)、インジウム(In)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)のうち少なくとも一つの元素を含む化合物からなる層を形成してもよい。
また、本発明の積層体の別の一例は図2に示すように、高分子基材1の片面において高分子基材1と多層薄膜層2との間にアンダーコート層3を有するものである。アンダーコート層3を有することによって、高分子基材1の表面に突起や傷が存在しても、平坦化することができ、多層薄膜層2が偏りなく均一に成長するため、より高いガスバリア性を発現する積層体となる。
[高分子基材]
本発明に用いられる高分子基材は、柔軟性を確保する観点からフィルム形態を有することが好ましい。フィルムの構成としては、単層フィルム、または2層以上の、例えば、共押し出し法で製膜したフィルムであってもよい。フィルムの種類としては、一軸方向あるいは二軸方向に延伸されたフィルム等を使用してもよい。
本発明に用いられる高分子基材の素材は特に限定されないが、有機高分子を構成成分とするものであることが好ましい。本発明に好適に用いることができる有機高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性ポリオレフィン、環状構造を有する非晶性環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール等の各種ポリマーなどを挙げることができる。これらの中でも、透明性や汎用性、機械特性に優れた非晶性環状ポリオレフィンまたはポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。また、前記有機高分子は、単独重合体、共重合体のいずれでもよいし、有機高分子として1種類のみを用いてもよいし、複数種類をブレンドして用いてもよい。
高分子基材の多層薄膜層を形成する側の表面には、密着性や平滑性を良くするためにコロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理、イオンボンバード処理、溶剤処理、有機物もしくは無機物またはそれらの混合物で構成されるアンダーコート層の形成処理、等の前処理が施されていてもよい。また、多層薄膜層を形成する側の反対側には、フィルムの巻き取り時の滑り性の向上を目的として、有機物や無機物あるいはこれらの混合物のコーティング層が積層されていてもよい。
本発明に使用する高分子基材の厚みは特に限定されないが、柔軟性を確保する観点から500μm以下が好ましく、引張りや衝撃に対する強度を確保する観点から5μm以上が好ましい。さらに、フィルムの加工やハンドリングの容易性から高分子基材の厚みは10μm以上、200μm以下がより好ましい。
[[A1]層、[A2]層]
本発明の積層体は、酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A1]層および酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A2]層を有することによって高いガスバリア性を発現することができる。酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A1]層および酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A2]層を有することによりガスバリア性が良好となる理由は、酸化亜鉛に含まれる結晶質成分と二酸化ケイ素のガラス質成分とを共存させることによって、微結晶を生成しやすい酸化亜鉛の結晶成長が抑制され粒子径が小さくなるため層が緻密化し、水蒸気の透過が抑制されるためと推測している。また、結晶成長が抑制された酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む層は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の一つの金属元素からなる酸化物で形成された薄膜よりも膜の柔軟性が優れるため、熱や外部からの応力に対してクラックが生じにくく、ガスバリア性の低下を抑制できると考えられる。
本発明における酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A1]層および酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A2]層は、酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含んでいれば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタンタル(Ta)からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含んでいてもよい。すなわち、[A1]層および/または[A2]層がアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタンタル(Ta)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含むことが好ましい。ここで、[A1]層および/または[A2]層がアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタンタル(Ta)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含むとは、以下の(i)〜(iii)のいずれかをいう。
(i)[A1]層がアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタンタル(Ta)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含む。
(ii)[A2]層がアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタンタル(Ta)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含む。
(iii)[A1]層および[A2]層がアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタンタル(Ta)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含む。
さらに、これらの元素の酸化物、窒化物、硫化物、または、それらの混合物を含んでいてもよい。例えば、アルミニウム(Al)を含むという場合は、アルミニウム元素を含む場合、酸化アルミニウムを含む場合、アルミニウム元素と酸化アルミニウムの混合物を含む場合のいずれの場合も意味する。
加えて、[A1]層および/または[A2]層がアルミニウム(Al)を含み、X線光電子分光法により測定される[A1]層および[A2]層の亜鉛(Zn)原子濃度が10〜35atom%、ケイ素(Si)原子濃度が7〜25atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜7atom%、酸素(O)原子濃度が45〜70atom%であることが好ましい。ここで、[A1]層および/または[A2]層がアルミニウム(Al)を含み、X線光電子分光法により測定される[A1]層および[A2]層の亜鉛(Zn)原子濃度が10〜35atom%、ケイ素(Si)原子濃度が7〜25atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜7atom%、酸素(O)原子濃度が45〜70atom%であるとは、以下の(i)〜(iii)のいずれかをいう。
(i)[A1]層がアルミニウム(Al)を含み、X線光電子分光法により測定される[A1]層の亜鉛(Zn)原子濃度が10〜35atom%、ケイ素(Si)原子濃度が7〜25atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜7atom%、酸素(O)原子濃度が45〜70atom%である。
(ii)[A2]層がアルミニウム(Al)を含み、X線光電子分光法により測定される[A2]層の亜鉛(Zn)原子濃度が10〜35atom%、ケイ素(Si)原子濃度が7〜25atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜7atom%、酸素(O)原子濃度が45〜70atom%である。
(iii)[A1]層および[A2]層がアルミニウム(Al)を含み、X線光電子分光法により測定される[A1]層および[A2]層の亜鉛(Zn)原子濃度が10〜35atom%、ケイ素(Si)原子濃度が7〜25atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜7atom%、酸素(O)原子濃度が45〜70atom%である。
亜鉛(Zn)原子濃度が35atom%より大きくなる、またはケイ素(Si)原子濃度が7atom%より小さくなると、酸化亜鉛の結晶成長を抑制する二酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムが不足するため、空隙部分や欠陥部分が増加し、十分なガスバリア性が得られない場合がある。亜鉛(Zn)原子濃度が10atom%より小さくなる、またはケイ素(Si)原子濃度が25atom%より大きくなると、層内部の二酸化ケイ素の非晶質成分が増加して層の柔軟性が低下する場合がある。また、アルミニウム(Al)原子濃度が7atom%より大きくなると、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の親和性が過剰に高くなるため膜の鉛筆硬度が上昇し、熱や外部からの応力に対してクラックが生じやすくなる場合がある。アルミニウム(Al)原子濃度が0.5atom%より小さくなると、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の親和性が不十分となり、層を形成する粒子間の結合力が向上できないため、柔軟性が低下する場合がある。また、酸素(O)原子濃度が70atom%より大きくなると、[A1]層または[A2]層内の欠陥量が増加するため、所望のガスバリア性が得られない場合がある。酸素(O)原子濃度が45atom%より小さくなると、亜鉛、ケイ素、アルミニウムの酸化状態が不十分となり、結晶成長が抑制できず粒子径が大きくなるため、ガスバリア性が低下する場合がある。かかる観点から、亜鉛(Zn)原子濃度が15〜32atom%、ケイ素(Si)原子濃度が10〜20atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が3〜5atom%、酸素(O)原子濃度が50〜65atom%であることがより好ましい。
一例として、高いガスバリア性が得られる酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A1]層および[A2]層として、以下の共存相からなる層が好適に用いられる。
(i)酸化亜鉛
(ii)二酸化ケイ素
(iii)酸化アルミニウム
なお、この共存相からなる層の詳細は後述する。
本発明における[A1]層および[A2]層の中心面平均粗さSRaは、10nm以下であることが好ましい。SRaが10nmより大きくなると、[A1]層および[A2]層表面の凹凸形状が大きくなり、積層されるスパッタ粒子間に隙間ができるため、膜質が緻密になりにくく、膜厚を厚く形成してもガスバリア性の向上効果は得られにくくなる場合がある。また、SRaが10nmより大きくなると、[A1]層および[A2]層上に積層するケイ素化合物を含む[B1]層および[B2]層の膜質が均一にならないため、ガスバリア性が低下する場合がある。従って、[A1]層および[A2]層のSRaは10nm以下であることが好ましく、より好ましくは7nm以下である。
本発明における[A1]層および[A2]層のSRaは、三次元表面粗さ測定機を用いて測定することができる。
本発明において[A1]層および[A2]層を形成する方法は特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。これらの方法の中でも、簡便かつ緻密に[A1]層および[A2]層を形成可能であることから、スパッタリング法が好ましい。
[酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層]
本発明において酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A1]層および[A2]層として好適に用いられる共存相について詳細を説明する。[A1]層および[A2]層は以下の(i)〜(iii)の共存相からなることが好ましい。
(i)酸化亜鉛
(ii)二酸化ケイ素
(iii)酸化アルミニウム
なお、「(i)〜(iii)の共存相」を「酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相」または「ZnO−SiO−Al」と略記することもある。また、二酸化ケイ素(SiO)は、生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO)が生成することがあるが、二酸化ケイ素またはSiOと表記することとする。かかる組成比の化学式からのずれに関しては、酸化亜鉛、酸化アルミニウムについても同様の扱いとし、それぞれ、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、それぞれ酸化亜鉛またはZnO、酸化アルミニウムまたはAlと表記することとする。
本発明の積層体における[A1]層および[A2]層として酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層を適用することによりガスバリア性が良好となる理由は、酸化亜鉛と二酸化ケイ素を含む層に、さらに酸化アルミニウムを共存させることによって、酸化亜鉛と二酸化ケイ素のみを共存させる場合に比べて、より結晶成長を抑制することができるため、クラックの生成に起因するガスバリア性低下が抑制できたものと考えられる。
酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層の組成は、X線光電子分光法(XPS法)により測定することで得ることができる。ここで、本発明における[A1]層、[A2]層の組成は、[A1]層、[A2]層それぞれの厚みが1/2となる位置において、XPS法で測定される各元素の原子濃度比で表される。なお、[A1]層および[A2]層の厚みは上述の通り分光エリプソメトリー法から得られた厚みである。
酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層に含まれる成分は酸化亜鉛、二酸化ケイ素および酸化アルミニウムが上記組成の範囲でかつ主成分であれば特に限定されず、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタンタル(Ta)等から形成された金属酸化物を含んでも構わない。ここで主成分とは、[A1]層または[A2]層全体をそれぞれ100質量%としたとき、50質量%以上であることを意味し、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。
酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層の組成は、一般的には層の形成時に使用した混合焼結材料と同等の組成で形成されるため、目的とする層の組成に合わせた組成の混合焼結材料を使用することで[A1]層および[A2]層の組成を調整することが可能である。なお、成膜条件によっては混合焼結材料と形成される層の組成が異なる場合があるが、混合焼結材料の組成を調整することで目的とする組成の層を形成することが可能である。
酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層の組成は、X線光電子分光法を使用して、亜鉛、ケイ素、アルミニウム、酸素および含有する元素の組成比を知ることができる。X線光電子分光法は、超高真空中においた試料表面に軟X線を照射した際に表面から放出される光電子をアナライザーで検出することにより、得られた束縛電子の結合エネルギー値から元素情報を把握でき、さらに結合エネルギーのピーク面積比から各検出元素を定量することができる。
酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層上に無機層や樹脂層が積層されている場合、透過型電子顕微鏡による断面観察により測定された無機層や樹脂層の厚さ分をイオンエッチングや薬液処理により除去した後、さらに酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層の厚みが1/2となる位置まで、アルゴンイオンエッチングにより除去し、X線光電子分光法で分析することができる。
高分子基材上(または高分子基材上に設けられた層上(例えば後述するアンダーコート層の上))に酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層を形成する方法は特に限定されず、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの混合焼結材料を使用して、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの単体材料を使用する場合は、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムをそれぞれ別の蒸着源またはスパッタ電極から同時に成膜し、所望の組成となるように混合させて形成することができる。これらの方法の中でも、本発明の積層体の多層薄膜層の[A1]層および[A2]層の形成方法は、ガスバリア性と形成した層の組成再現性の観点から、混合焼結材料を使用したスパッタリング法がより好ましい。
[ケイ素化合物を含む[B1]層およびケイ素化合物を含む[B2]層]
次に、ケイ素化合物を含む[B1]層およびケイ素化合物を含む[B2]層について詳細を説明する。本発明における[B1]層および[B2]層はケイ素化合物を含む層であり、ケイ素化合物として、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素炭化物、ケイ素酸窒化物または、それらの混合物を含んでいてもよい。特に、ケイ素化合物が、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素および酸窒化ケイ素からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素であることが好ましい。
ケイ素化合物の含有率は[B1]層または[B2]層全体をそれぞれ100質量%としたとき、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。なお、本発明におけるケイ素化合物は、X線光電子分光法、ICP発光分光分析、ラザフォード後方散乱法等により成分を特定された各元素の組成比が整数で表される組成式を有する化合物として扱う。たとえば、二酸化ケイ素(SiO)は、生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO)が生成することがあるが、そのような場合でも、SiOとして扱い上記の質量含有率を算出するものとする。
本発明の積層体は、高分子基材の少なくとも片面に[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層を高分子基材からこの順に接して配することによって、高度なガスバリア性の発現が可能であり、さらに光の反射を防止することで高い光透過性を有する積層体となる。本発明の積層体においてケイ素化合物を含む[B1]層およびケイ素化合物を含む[B2]層を適用することによりガスバリア性が良好となる理由は、[B1]層および[B2]層が[A1]層および[A2]層の亜鉛原子より原子半径の小さいケイ素原子を含むことで、[A1]層および[A2]層表面に存在する数nm以下サイズの欠陥原子欠陥に効率良くケイ素原子を充填できるため、ガスバリア性が向上すると考えられる。
また、本発明の積層体の最表層には、外気の屈折率に近く、かつ厚みが50〜500nmの範囲である[B2]層を用いる方が外光からの光反射が低減され、光透過性を向上することができるため好ましい。
[B1]層、[B2]層がケイ素酸化物を含む層である場合において、その組成はX線光電子分光法により測定されるケイ素(Si)原子濃度が25〜45atom%、酸素(O)原子濃度が55〜75atom%であることが好ましい。ケイ素(Si)原子濃度が25atom%より小さくまたは酸素原子濃度が75atom%より大きくなると、ケイ素原子に結合する酸素原子が過剰に多くなるため、層内部に空隙や欠陥が増加し、ガスバリア性は低下する場合がある。また、ケイ素(Si)原子濃度が45atom%より大きくまたは酸素(O)原子濃度が55atom%より小さくなると、膜が過剰に緻密になるため、大きなカールが発生したり柔軟性が低下したりすることにより、熱や外部からの応力でクラックが生じやすくなり、ガスバリア性を低下させる場合がある。かかる観点から、ケイ素(Si)原子濃度が28〜40atom%、酸素(O)原子濃度が60〜72atom%であることがより好ましく、さらにはケイ素(Si)原子濃度が30〜35atom%、酸素(O)原子濃度が65〜70atom%であることがより好ましい。
[B1]層および[B2]層に含まれる成分はケイ素(Si)原子濃度および酸素(O)原子濃度が上記組成の範囲であれば特に限定されず、例えば、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)等から形成された金属酸化物を含んでも構わない。
[B1]層および[B2]層を形成する方法は特に限定されず、例えば、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。これらの方法の中でも、本発明に使用するケイ素化合物層の形成方法として、シラン化合物のモノマー気体をプラズマにより活性化し、重合反応によって[B1]層および[B2]層を形成するCVD法を適用すると、[A1]層または[A2]層の表面の欠陥を効率良く充填させて飛躍的にガスバリア性を向上させることができるので好ましい。かかるCVD法に適用することができるシラン化合物としては、例えば、シラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、エチルシラン、ジエチルシラン、トリエチルシラン、テトラエチルシラン、プロポキシシラン、ジプロポキシシラン、トリプロポキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメチルジシロキサン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ウンデカメチルシクロヘキサシロキサン、ジメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、デカメチルシクロペンタシラザン、ウンデカメチルシクロヘキサシラザンなどがあげられる。中でも取り扱い上の安全性からヘキサメチルジシロキサン、テトラエトキシシランが好ましい。
[アンダーコート層]
本発明の積層体には、ガスバリア性向上、耐屈曲性向上のため、高分子基材と[A1]層との間にアンダーコート層を有し、該アンダーコート層が芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含むことが好ましい。高分子基材上に突起や傷などの欠点が存在する場合、前記欠点を起点に高分子基材上に積層する[A1]層にもピンホールやクラックが発生してガスバリア性や耐屈曲性が損なわれる場合があるため、本発明のアンダーコート層を設けることが好ましい。また、高分子基材と[A1]層との熱寸法安定性差が大きい場合もガスバリア性や耐屈曲性が低下する場合があるため、アンダーコート層を設けることが好ましい。また、本発明に用いられるアンダーコート層は、熱寸法安定性、耐屈曲性の観点から芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含有することが好ましく、さらに、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、有機ケイ素化合物および/または無機ケイ素化合物を含有することがより好ましい。さらに、芳香族環構造を有するポリウレタン化合物、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、有機ケイ素化合物および/または無機ケイ素化合物を含むアンダーコート層に活性エネルギー線照射処理を施すことが好ましい。活性エネルギー線照射処理を施すことにより架橋反応が進行し、より緻密なアンダーコート層を形成することができるため好ましい。ここで、アンダーコート層が芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含むとは、アンダーコート層が芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含んでいればよく、その他に上述したエチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、有機ケイ素化合物および/または無機ケイ素化合物が含まれていてもよいし、アンダーコート層に活性エネルギー線照射処理が施され架橋していてもよい。
本発明に用いられる芳香族環構造を有するポリウレタン化合物は、主鎖あるいは側鎖に芳香族環およびウレタン結合を有するものであり、例えば、分子内に水酸基と芳香族環とを有するエポキシ(メタ)アクリレート、ジオール化合物、ジイソシアネート化合物とを重合させて得ることができる。
分子内に水酸基と芳香族環とを有するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールF型、レゾルシン、ヒドロキノン等の芳香族グリコールのジエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸誘導体とを反応させて得ることができる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、ビスフェノールAなどを用いることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート等の脂環族系イソシアネート化合物、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族系イソシアネート化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
前記分子内に水酸基と芳香族環とを有するエポキシ(メタ)アクリレート、ジオール化合物、ジイソシアネート化合物の成分比率は所望の重量平均分子量になる範囲であれば特に限定されない。本発明における芳香族環構造を有するポリウレタン化合物の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜100,000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が5,000〜100,000であれば、得られる硬化皮膜の熱寸法安定性、耐屈曲性が優れるため好ましい。なお、本発明における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用いて測定され標準ポリスチレンで換算された値である。
エチレン性不飽和化合物としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型エポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシアクリレート等を挙げられる。これらの中でも、熱寸法安定性、表面保護性能に優れた多官能(メタ)アクリレートが好ましい。また、これらは単一の組成で用いてもよいし、二成分以上を混合して使用してもよい。
エチレン性不飽和化合物の含有量は特に限定されないが、熱寸法安定性、表面保護性能の観点から、芳香族環構造を有するポリウレタン化合物との合計量100質量%中、5〜90質量%の範囲であることが好ましく、10〜80質量%の範囲であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、本発明の積層体のガスバリア性および耐屈曲性を保持することができれば素材は特に限定されない。本発明に好適に用いることができる光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルーケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアルキルフェノン系光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系光重合開始剤、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(0−ベンゾイルオキシム)]等オキシムエステル構造を持つ光重合開始剤等が挙げられる。
これらの中でも、硬化性、表面保護性能の観点から、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルーケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドから選ばれる光重合開始剤が好ましい。また、これらは単一の組成で用いてもよいし、二成分以上を混合して使用してもよい。
光重合開始剤の含有量は特に限定されないが、硬化性、表面保護性能の観点から、重合性成分の合計量100質量%中、0.01〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜5質量%の範囲であることがより好ましい。
有機ケイ素化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらの中でも、硬化性、活性エネルギー線照射による重合活性の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも一つの有機ケイ素化合物が好ましい。また、これらは単一の組成で用いてもよいし、二成分以上を混合して使用してもよい。
有機ケイ素化合物の含有量は特に限定されないが、硬化性、表面保護性能の観点から、重合性成分の合計量100質量%中、0.01〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜5質量%の範囲であることがより好ましい。
無機ケイ素化合物としては、表面保護性能、透明性の観点からシリカ粒子が好ましく、さらにシリカ粒子の一次粒子径が1〜300nmの範囲であることが好ましく、5〜80nmの範囲であることがより好ましい。なお、ここでいう一次粒子径とは、ガス吸着法により求めた比表面積sを下記の式(1)に適用することで求められる粒子直径dを指す。無機ケイ素化合物の含有量は特に限定されないが、透明性、表面保護性能の観点から、重合性成分の合計量100質量%中、0.01〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
Figure 0006507632
アンダーコート層の厚みは、200nm以上、4,000nm以下が好ましく、300nm以上、2,000nm以下がより好ましく、500nm以上、1,000nm以下がさらに好ましい。アンダーコート層の厚みが200nmより薄くなると、高分子基材上に存在する突起や傷などの欠点の悪影響を抑制できない場合がある。アンダーコート層の厚みが4,000nmより厚くなると、アンダーコート層の平滑性が低下して前記アンダーコート層上に積層する[A1]層表面の凹凸形状も大きくなり、積層されるスパッタ粒子間に隙間ができるため、膜質が緻密になりにくく、ガスバリア性の向上効果が得られにくくなる場合がある。ここでアンダーコート層の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察画像から測定された厚みを初期値とし、分光エリプソメトリー法で得られた値を使用する。
アンダーコート層の中心面平均粗さSRaは、10nm以下であることが好ましい。SRaを10nm以下にすると、アンダーコート層上に均質な[A1]層を形成しやすくなり、ガスバリア性の繰り返し再現性が向上するため好ましい。アンダーコート層の表面のSRaが10nmより大きくなると、アンダーコート層上の[A1]層表面の凹凸形状も大きくなり、積層されるスパッタ粒子間に隙間ができるため、膜質が緻密になりにくく、ガスバリア性の向上効果が得られにくくなる場合があり、また、凹凸が多い部分で応力集中によるクラックが発生し易いため、ガスバリア性の繰り返し再現性が低下する原因となる場合がある。従って、本発明においては、アンダーコート層のSRaを10nm以下にすることが好ましく、より好ましくは7nm以下である。
本発明におけるアンダーコート層のSRaは、三次元表面粗さ測定機を用いて測定することができる。
本発明の積層体にアンダーコート層を適用する場合、アンダーコート層を形成する樹脂を含む塗液の塗布手段としては、まず高分子基材上に芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含む塗料を乾燥後の厚みが所望の厚みになるよう固形分濃度を調整し、例えばリバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法などにより塗布することが好ましい。また、本発明においては、塗工適性の観点から有機溶剤を用いて芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含む塗料を希釈することが好ましい。
具体的には、キシレン、トルエン、メチルシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ジブチルエーテル、エチルブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤などを用いて、固形分濃度を10質量%以下に希釈して使用することが好ましい。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いてもよい。また、アンダーコート層を形成する塗料には、各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、触媒、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤などを用いることができる。
次いで、塗布後の塗膜を乾燥させて希釈溶剤を除去することが好ましい。ここで、乾燥に用いられる熱源としては特に制限は無く、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターなど任意の熱源を用いることができる。なお、ガスバリア性向上のため、加熱温度は50〜150℃で行うことが好ましい。また、加熱処理時間は数秒〜1時間行うことが好ましい。さらに、加熱処理中は温度が一定であってもよく、徐々に温度を変化させてもよい。また、乾燥処理中は湿度を相対湿度で20〜90%RHの範囲で調整しながら加熱処理してもよい。前記加熱処理は、大気中もしくは不活性ガスを封入しながら行ってもよい。
次に、乾燥後の芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含む塗膜に活性エネルギー線照射処理を施して前記塗膜を架橋させて、アンダーコート層を形成することが好ましい。
かかる場合に適用する活性エネルギー線としては、アンダーコート層を硬化させることができれば特に制限はないが、汎用性、効率の観点から紫外線処理を用いることが好ましい。紫外線発生源としては、高圧水銀ランプメタルハライドランプ、マイクロ波方式無電極ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ等、既知のものを用いることができる。また、活性エネルギー線は、硬化効率の観点から窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で用いることが好ましい。紫外線処理としては、大気圧下または減圧下のどちらでも構わないが、汎用性、生産効率の観点から本発明では大気圧下にて紫外線処理を行うことが好ましい。前記紫外線処理を行う際の酸素濃度は、アンダーコート層の架橋度制御の観点から酸素ガス分圧は1.0%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。相対湿度は任意でよい。
紫外線発生源としては、高圧水銀ランプメタルハライドランプ、マイクロ波方式無電極ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ等、既知のものを用いることができる。
紫外線照射の積算光量は0.1〜1.0J/cmであることが好ましく、0.2〜0.6J/cmがより好ましい。前記積算光量が0.1J/cm以上であれば所望のアンダーコート層の架橋度が得られるため好ましい。また、前記積算光量が1.0J/cm以下であれば高分子基材へのダメージを少なくすることができるため好ましい。
[その他の層]
本発明の積層体の最表面の上には、ガスバリア性が低下しない範囲で耐擦傷性の向上を目的としたハードコート層を形成してもよいし、有機高分子化合物からなるフィルムをラミネートした積層構成としてもよい。なお、ここでいう最表面とは、高分子基材上に[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層が接するようにこの順に積層された後の、[A2]層と接していない側の[B2]層の表面をいう。
[用途]
本発明の積層体は高いガスバリア性を有するため、様々な電子デバイスに用いることができる。例えば、太陽電池のバックシートやフレキシブル回路基板のような電子デバイスに好適に用いることができる。また、高いガスバリア性を活かして、電子デバイス以外にも、食品や電子部品の包装用フィルム等として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
(1)各層表面の中心面平均粗さSRa
三次元表面粗さ測定機(小坂研究所社製)を用いて、以下の条件で各層表面について測定した。
システム:三次元表面粗さ解析システム「i−Face model TDA31」
X軸測定長さ/ピッチ:500μm/1.0μm
Y軸測定長さ/ピッチ:400μm/5.0μm
測定速度:0.1mm/s
低域カットオフ:0.25mm
広域カットオフ:カットオフなし
測定環境:温度23℃、相対湿度65%、大気中。
(2)各層の組成
各層の組成分析は、X線光電子分光法(XPS法)により行った。各層の厚みが1/2となる位置まで、表層からアルゴンイオンエッチングにより層を除去して下記の条件で各元素の含有比率を測定した。
・装置 :ESCA 5800(アルバックファイ社製)
・励起X線 :monochromatic AlKα
・X線出力 :300W
・X線径 :800μm
・光電子脱出角度 :45°
・Arイオンエッチング:2.0kV、10mPa。
(3)層数、各層の厚み、屈折率、吸収係数
断面観察用サンプルをマイクロサンプリングシステム((株)日立製作所製 FB−2000A)を使用してFIB法により(具体的には「高分子表面加工学」(岩森暁著)p.118〜119に記載の方法に基づいて)作製した。透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製 H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして、観察用サンプルの断面を観察し、層数および各層の厚みを測定して、分光エリプソメトリーの解析に使用する初期値とした。
次に、高速分光メーターM−2000(J.A.Woollam社製)を用い、分析するサンプル表面の積層体にビーム光を入射角度65度、70度、75度で入射させ、波長300nm〜1,680nmの範囲の反射ビームの各波長におけるP偏光、S偏光を測定した。得られた実測データを用いて、解析ソフトWVASE32にて、波長550nmの層数および各層の厚み、屈折率、吸収係数を算出した。測定し解析した結果のうち、平均二乗誤差が最小に収束したビーム光の入射角の解析結果を採用した。なお、吸収係数は、波長550nmにおいて0.001以下の場合は0とした。
(4)ヘイズ
JIS K7136:2000に基づき、濁度計NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。測定は、縦50mm、横50mmのサイズに切り出したフィルム3枚について行い、測定回数は各サンプルにつき5回とし、合計15回測定した値の平均値をヘイズ値とした。
(5)分光透過率
分光光度計V−670(日本分光(株)製)および絶対反射率測定ユニットARSN−733を用いて、波長400〜800nmの範囲の分光透過率を下記条件で測定した。得られた実測データのうち波長450nm、550nm、650nmにおける分光透過率および波長450nm〜750nmの平均分光透過率を評価した。ここで、波長450nm〜750nmの平均分光透過率は、分光透過率を波長450〜750nmの範囲で1nm毎に測定し、得られた波長450〜750nmにおける1nm間隔の分光透過率の値の平均値とした。
入射角度0°
測定波長400nm〜800nm
バンド幅5.0nm
データ取り込み間隔1.0nm
走査速度1,000nm/min。
(6)水蒸気透過度(g/(m・d))
特許第4407466号に記載のカルシウム腐食法により、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下での水蒸気透過度を測定した。水蒸気透過度を測定するためのサンプル数は水準当たり2検体とし、測定回数は各検体について5回とし、得られた10点の平均値を水蒸気透過度(g/(m・d))とした。
(実施例1)
(芳香族環構造を有するポリウレタン化合物の合成)
5リットルの4つ口フラスコに、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(共栄社化学社製、商品名:エポキシエステル3000A)を300質量部、酢酸エチル710質量部を入れ、内温60℃になるよう加温した。合成触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチル錫0.2質量部を添加し、攪拌しながらジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート(東京化成工業社製)200質量部を1時間かけて滴下した。滴下終了後2時間反応を続行し、続いてジエチレングリコール(和光純薬工業社製)25質量部を1時間かけて滴下した。滴下後5時間反応を続行し、重量平均分子量20,000の芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を得た。
(アンダーコート層の形成)
高分子基材1として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)U48)を用いた。
アンダーコート層形成用の塗液として、前記ポリウレタン化合物を150質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートDPE−6A)を20質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルーケトン(BASFジャパン社製、商品名:IRGACURE 184)を5質量部、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越シリコーン社製、商品名:KBM−503)を3質量部、酢酸エチルを170質量部、トルエンを350質量部、シクロヘキサノンを170質量部配合して塗液を調整した。次いで、塗液を高分子基材上にマイクログラビアコーター(グラビア線番150UR、グラビア回転比100%)で塗布、100℃で1分間乾燥し、乾燥後、下記条件にて紫外線処理を施して厚み1,000nm狙いでアンダーコート層を設けた。アンダーコート層表面の中心面平均粗さSRaの評価を実施した結果を表1に示す。
紫外線処理装置:LH10−10Q−G(フュージョンUVシステムズ・ジャパン社製)
導入ガス:N(窒素イナートBOX)
紫外線発生源:マイクロ波方式無電極ランプ
積算光量:400mJ/cm
試料温調:室温。
なお、この紫外線発生源より発生される光は波長172nmを中心に±15nmの幅を持つ波長である。
([A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層の形成)
次いで、図3に示す巻き取り式のスパッタリング・化学気相蒸着装置(以降、スパッタ・CVD装置と略す)を使用し、前記アンダーコート層の表面に、第1層として[A1]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚20nm狙いで設けた。
具体的な操作は以下のとおりである。まず、スパッタ電極11に酸化亜鉛/二酸化ケイ素/酸化アルミニウムの組成質量比が77/20/3で焼結されたスパッタターゲットを設置したスパッタ・CVD装置4の巻き取り室5の中で、巻き出しロール6に前記高分子基材1の[A1]層を設ける側の面がスパッタ電極11に対向するようにセットし、巻き出し、ガイドロール7,8,9を介して、温度100℃に加熱されたメインドラム10に通した。真空度2×10−1Paとなるように酸素ガス分圧10%としてアルゴンガスおよび酸素ガスを導入し、直流パルス電源により投入電力3,000Wを印加することにより、アルゴン・酸素ガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記アンダーコート層の表面上にZnO−SiO−Al層を形成した。厚みは、フィルム搬送速度により調整した。その後、ガイドロール12,13,14を介して巻き取りロール15に巻き取った。
この[A1]層の組成は、Zn原子濃度が27.0atom%、Si原子濃度が13.6atom%、Al原子濃度が1.9atom%、O原子濃度が57.5atom%であった。
次いで、図3に示す構造のスパッタ・CVD装置を使用し、第1層であるZnO−SiO−Al層上に、ヘキサメチルジシラザンを原料とした化学気相蒸着(以降、CVDと略す)を実施し第2層として[B1]層であるSiO層を厚み28nm狙いで設けた。
具体的な操作は以下のとおりである。スパッタ・CVD装置4の巻き取り室5の中で、巻き出しロール6に前記高分子基材1をセットし、巻き出し、ガイドロール7,8,9を介して、温度100℃に加熱されたメインドラム10に通した。真空度5×10−1Paとなるように酸素ガス150sccmとヘキサメチルジシラザン9sccmを導入し、高周波電源からCVD電極16の誘導コイル17に投入電力2,000Wを印加することにより、プラズマを発生させ、CVDにより前記第1層上に[B1]層を形成した。その後、ガイドロール12,13,14を介して巻き取りロール15に巻き取り、積層体を得た。
この[B1]層の組成は、Si原子濃度が33.0atom%、O原子濃度が67.0atom%であった。
次いで、前記第1層と同様の方法で、図3に示す構造のスパッタ・CVD装置を使用し、前記第2層の表面に、第3層として[A2]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚130nm狙いで設けた。
この[A2]層の組成は、Zn原子濃度が27.0atom%、Si原子濃度が13.6atom%、Al原子濃度が1.9atom%、O原子濃度が57.5atom%であった。
次いで、図3に示す構造のスパッタ・CVD装置を使用し、第3層であるZnO−SiO−Al層上に、ヘキサメチルジシラザンを原料とした化学気相蒸着(以降、CVDと略す)を実施し第4層として[B2]層であるSiO層を厚み75nm狙いで設けた。
この[B2]層の組成は、Si原子濃度が33.0atom%、O原子濃度が67.0atom%であった。
得られた積層体について、(3)〜(6)の評価を実施した。結果を表2に示す。
(実施例2)
アンダーコート層の表面に、第1層として[A1]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚47nm狙いで設け、次いで、第2層として[B1]層であるSiO層を厚み13nm狙いで設け、次いで、第3層として[A2]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚220nm狙いで設け、次いで、第4層として[B2]層であるSiO層を厚み87nm狙いで設ける以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(実施例3)
前記アンダーコート層の表面に、第1層として[A1]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚17nm狙いで設け、次いで、第2層として[B1]層であるSiO層を厚み47nm狙いで設け、次いで、第3層として[A2]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚183nm狙いで設け、次いで、第4層として[B2]層であるSiO層を厚み267nm狙いで設ける以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(実施例4)
前記アンダーコート層の表面に、第1層として[A1]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚37nm狙いで設け、次いで、第2層として[B1]層であるSiO層を厚み47nm狙いで設け、次いで、第3層として[A2]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚231nm狙いで設け、次いで、第4層として[B2]層であるSiO層を厚み82nm狙いで設ける以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例1)
前記アンダーコート層の表面に、第1層として[A1]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚123nm狙いで設け、第2層および第3層、第4層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例2)
前記アンダーコート層の表面に、第1層として[A1]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚125nm狙いで設け、次いで、第2層として[B1]層であるSiO層を厚み140nm狙いで設け、第3層、第4層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例3)
前記アンダーコート層の表面に、第1層として[A1]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚150nm狙いで設け、次いで、第2層として[B1]層であるSiO層を厚み300nm狙いで設け、第3層、第4層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例4)
前記アンダーコート層の表面に、第1層として[A1]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚300nm狙いで設け、次いで、第2層として[B1]層であるSiO層を厚み120nm狙いで設け、第3層、第4層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例5)
前記アンダーコート層の表面に、第1層として[A1]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚100nm狙いで設け、次いで、第2層として[B1]層であるSiO層を厚み100nm狙いで設け、次いで、第3層として[A2]層であるZnO−SiO−Al層を膜厚150nm狙いで設け、次いで、第4層として[B2]層であるSiO層を厚み100nm狙いで設ける以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例6)
前記アンダーコート層の表面に、第1層として[B1]層であるSiO層を膜厚300nm狙いで設け、第2層および第3層、第4層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例7)
実施例1において、第1層として純度99.99質量%の亜鉛からなるスパッタターゲットを使用して、ZnO層を厚み150nmとなるように設け、次いで、第2層として[B1]層であるSiO層を厚み150nm狙いで設けた以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。なお、ZnO層は、ZnO−SiO−Al層形成時の酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットを、純度99.99質量%の亜鉛からなるスパッタターゲットに代えてスパッタ電極11に設置した以外は実施例1の第1層と同様にして形成した。この第1層の組成は、Zn原子濃度が55.5atom%、O原子濃度が45.5atom%であった。
(比較例8)
実施例1において、第1層として純度99.99質量%のアルミニウムからなるスパッタターゲットを使用して、Al層を厚み155nmとなるように設け、次いで、第2層として[B1]層であるSiO層を厚み150nm狙いで設け、次いで、第3層として純度99.99質量%のアルミニウムからなるスパッタターゲットを使用して、Al層を厚み150nmとなるように設け、次いで、第4層として[B2]層であるSiO層を厚み100nm狙いで設けた以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。なお、Al層は、ZnO−SiO−Al層形成時の酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットを、純度99.99質量%のアルミニウムからなるスパッタターゲットに代えてスパッタ電極12に設置した以外は実施例1の第1層と同様にして形成した。この第1層、第3層の組成は、Al原子濃度が38.0atom%、O原子濃度が62.0atom%であった。
(比較例9)
実施例1において、第3層および第4層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例10)
実施例1において、第2層および第3層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例11)
実施例1において、第1層および第4層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
(比較例12)
実施例1において、第4層を設けない以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
Figure 0006507632
Figure 0006507632
本発明の積層体は、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性に優れているので、例えば、食品、医薬品などの包装材および薄型テレビ、太陽電池などの電子デバイス用部材として有用に用いることができるが、用途がこれらに限定されるものではない。
1 高分子基材
2 多層薄膜層
2a 酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A1]層
2b ケイ素化合物を含む[B1]層
2c 酸化亜鉛と二酸化ケイ素とを含む[A2]層
2d ケイ素化合物を含む[B2]層
3 アンダーコート層
4 巻き取り式スパッタリング・化学気相蒸着装置
5 巻き取り室
6 巻き出しロール
7、8、9 巻き出し側ガイドロール
10 メインドラム
11 スパッタ電極
12、13、14 巻き取り側ガイドロール
15 巻き取りロール
16 CVD電極
17 誘導コイル

Claims (6)

  1. 高分子基材の少なくとも片面に、以下の[A1]層、[B1]層、[A2]層、[B2]層を高分子基材側からこの順に有し、
    前記[A1]層および前記[A2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.6〜2.0の範囲であり、かつ、前記[B1]層および前記[B2]層の屈折率が波長550nmにおいて1.4〜1.5の範囲である積層体。
    [A1]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素を含み、厚みが10〜50nmである層
    [B1]層:ケイ素化合物を含み、厚みが10〜50nmである層
    [A2]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素を含み、厚みが50nm〜500nmである層
    [B2]層:ケイ素化合物を含み、厚みが50nm〜500nmである層
  2. 前記[A1]層及び前記[A2]層は、酸化アルミニウムを含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記[A1]層、前記[B1]層、前記[A2]層、前記[B2]層の合計厚みが1,000nm以下である請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記高分子基材と前記[A1]層との間にアンダーコート層を有し、該アンダーコート層が芳香族環構造を有するポリウレタン化合物を含む請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記[A1]層および/または前記[A2]層がアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタンタル(Ta)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含む請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記[A1]層および/または前記[A2]層がアルミニウム(Al)を含み、X線光電子分光法により測定される前記[A1]層および前記[A2]層の亜鉛(Zn)原子濃度が10〜35atom%、ケイ素(Si)原子濃度が7〜25atom%、アルミニウム(Al)原子濃度が0.5〜7atom%、酸素(O)原子濃度が45〜70atom%である請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
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