JP3120653B2 - バリアー性積層体 - Google Patents

バリアー性積層体

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JP3120653B2
JP3120653B2 JP06064185A JP6418594A JP3120653B2 JP 3120653 B2 JP3120653 B2 JP 3120653B2 JP 06064185 A JP06064185 A JP 06064185A JP 6418594 A JP6418594 A JP 6418594A JP 3120653 B2 JP3120653 B2 JP 3120653B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、医薬品等の包装
分野に用いられる、酸素、水蒸気などのガスの透過を有
効に阻止可能なガスバリア性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品、医薬品等の包装に用いられ
る包装材料は、内容物の変質、とくに食品においては蛋
白質や油脂等の酸化、変質を抑制し、さらに味、鮮度を
保持するために、また無菌状態での取扱いが必要とされ
る医薬品においては有効成分の変質を抑制し、効能を維
持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その
他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要が
あり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備
えることが求められている。
【0003】そのため、従来から酸素を遮断するバリア
ー性フィルムとしてポリビニルアルコールフィルム(P
VA)、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム
(EVOH)、或いはアクリロニトリルフィルムなど、
また水蒸気を遮断するバリアー性フィルムとしてポリプ
ロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどがガスバ
リア性積層体として包装材料に用いられており、この包
装材料からなる包装フィルムが一般的に使用されてき
た。ところがこれらのフィルムは単独では酸素と水蒸気
の両方に対するガスバリア性を備えておらず、一般にガ
スバリア性が比較的高いと言われる特性の異なる他種の
高分子樹脂組成物をラミネート又はコーティングにより
積層した積層フィルムとして包装材料に用いられてきた
が、保存や使用環境における温度や湿度の影響を受け、
十分なガスバリア性を発揮できない場合もあった。
【0004】また単独で酸素と水蒸気の両方に対するガ
スバリア性を備えてなる樹脂フィルムがあり、ポリ塩化
ビニリデンフィルム(PVDC)、ポリエステルフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、及びナイロンフィルムに
ポリ塩化ビニリデンをコーティングしたコートフィルム
がある。このような樹脂フィルムは、使用後廃棄され焼
却すると有毒ガスが発生し、環境上の問題となるおそれ
がある。
【0005】一方、高度なガスバリア性が必要な包装材
料には、従来樹脂フィルム(適当な高分子樹脂組成物で
単独では、高いガスバリア性を有していない樹脂であっ
ても)にAlなどの金属又は金属化合物からなる金属箔
が用いられてきた。このような金属箔は、酸素、水蒸気
などの気体に対するバリアー性は優れているが、使用後
廃棄物として、焼却されると残滓として金属が残り、ま
た再利用も難しいため、この金属箔の廃棄は環境への影
響を避けることはできない。
【0006】また上記のような問題の解決するものとし
て、最近では一酸化珪素(SiO)などの珪素酸化物
(SiOX )、酸化アルミニウム(AlX Y )、アル
ミニウム(Al)などの金属、金属酸化物を樹脂フィル
ムに蒸着などの形成手段により形成した蒸着フィルムが
開発されており、これらは高分子樹脂組成物からなるガ
スバリア材より優れたガスバリア特性を有しており、高
湿度下での劣化も少なく、包装材料に用いられ始めてい
る。
【0007】そして、これらの蒸着フィルムからなる包
装材料は、蒸着フィルム単体で用いられることはほとん
どなく、蒸着後の後加工として包装容器、包装袋等に加
工される。例えば、包装袋は、蒸着フィルムをさらに他
の基材と貼り合わせ、製袋工程により袋状に加工されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
金属、金属酸化物を樹脂フィルム上に薄膜形成手段した
蒸着フィルムは、樹脂フィルムは有機化合物であるのに
対して、それに無機化合物を形成するため、両者の機械
的性質、化学的性質、熱的性質などの物性が非常に異な
っている。これらを積層すると印刷加工や製袋加工、容
器加工、ラミネート加工などの後加工や包装材として用
いるときの使用方法、使用環境によっては、蒸着薄膜に
機械的ストレス、熱的ストレスが付加され、蒸着薄膜に
歪みを生じ、クラックやピンホールの発生、また蒸着薄
膜に接する物質の化学的結合状態が異なる、例えば樹脂
フィルム、インキ、接着剤などの間に層間剥離の発生、
さらには蒸着薄膜の凝集破壊が起こり、クラックやピン
ホールの発生など蒸着薄膜に損傷が生じる。この損傷部
分から空気、水蒸気などの気体が浸透するなどして本来
有しているはずの高いバリアー性が低下するという問題
を有している。
【0009】このような問題に対して、蒸着基材となる
樹脂フィルムと蒸着フィルムとの密着性を改善する方法
に、例えば樹脂フィルムの表面をコロナ放電処理、紫外
線照射処理、プラズマ処理又は火炎処理などにより、表
面を活性化してから金属又は金属酸化物の蒸着を行なう
ものである。ところが、蒸着薄膜の濡れによる二次結合
力の増進により接着性の向上は期待できるが、その活性
能力が経時とともに減少する、この処理によっても必ず
しも満足する接着力が得られないなどの問題を有してお
り、十分なものとは言えない。
【0010】別な方法として、酸やアルカリ等の薬剤に
よる表面処理、或いは樹脂フィルムとその他の樹脂成分
などと共重合させた共重合樹脂フィルム、樹脂フィルム
の製膜時に他の樹脂を共押し出しさせた共押し出し多層
樹脂フィルムを用いるなどがあるが、十分なものとは言
えない。
【0011】また、蒸着基材となる樹脂フィルム表面
に、オフライン又はインラインでエチレンイミン系、ア
ミン系、エポキシ系、ウレタン系又はポリエステル系な
どのコーティング剤を塗布する方法がある。密着性は向
上するが、コーティング層の熱寸法安定性が悪いため、
樹脂フィルムの熱負荷時に蒸着薄膜が機械的ストレスを
受け、それにより蒸着薄膜にクラック、ピンホールなど
が発生しバリアー性が低下した。
【0012】さらに樹脂フィルムに形成された蒸着薄膜
と、上記のような後加工によって付加されるインキ、接
着剤などとの密着性の改善も行なわれており、エチレン
イミン系、アミン系、エポキシ系、ウレタン系又はポリ
エステル系などのコーティング剤を塗布する方法があ
る。コーティング剤の樹脂成分によって、密着性の悪
化、或いはバリアー性の低下がみられ、密着性とバリア
ー性の両者を満足させるものではない。これによればコ
ーティング層の熱寸法安定性が悪いため、経時、或いは
製袋や成形加工で受ける熱負荷より体積膨張又は体積収
縮を起こし蒸着薄膜が機械的ストレスを受け、それによ
る蒸着薄膜にクラック、ピンホールなどの発生、イン
キ、接着剤などからの層間剥離が発生しバリアー性が低
下した。
【0013】そこで、本発明は樹脂フィルムと蒸着薄膜
との密着性、後加工により付加されるインキや接着剤と
の密着性に優れ、酸素や水蒸気等の気体に対するバリア
ー性の低下することのない実用性の高いバリアー性積層
体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に関する発明
は、高分子樹脂フィルム上に、下記の化学式(I)、 R−Si−(OR')3 (I) (ただし、Rは有機官能基であり、R'は加水分解性基
である。)で表される有機ケイ素化合物からなる塗膜層
と、金属酸化物からなる蒸着薄膜層と、前記有機ケイ素
化合物からなる塗膜層を順次積層してなることを特徴と
するバリアー性積層体である。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
される発明に基づき、有機ケイ素化合物を構成する有機
官能基(R)が−CH=CH2 −、−CH2 −CH2
CH 2 −NH2 −、−CH2 −NH2 −、−CH2 −N
HCONH2 、−CH2 −NH−CH2 −CH2 −NH
2 −、−CH2 −O−CH2 −(C2 3 O)等であ
り、加水分解性基(R')が−Cl、−CH3 、−CH2
−CH3 、−CH2 −CH2 −O−CH3 等であること
を特徴とするバリアー性積層体である。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
される発明に基づき、最外層に設けられる有機ケイ素化
合物からなる塗膜層に接着層を介して熱接着性樹脂層を
積層してなることを特徴とするバリアー性積層体であ
る。
【0017】
【作用】本発明によれば、樹脂フィルム上に形成される
有機ケイ素化合物からなる塗膜層は、有機ケイ素化合物
中の有機官能基が樹脂フィルムの樹脂と結合力が強く、
密着性が高い。また有機ケイ素化合物の塗工時に有機ケ
イ素化合物を水、又は水とアルコールの混合液に溶解さ
せると有機ケイ素化合物の加水分解性基が加水分解し、
水酸基(−OH)を生成することにより活性な−Si−
OH結合を形成し、この活性な−Si−OH結合は乾燥
工程の熱分解反応により、有機ケイ素化合物からなる塗
膜層の強固な−O−Si−O−Si−結合を生成する。
【0018】この活性な−Si−OH結合は金属元素
(M)の存在時に−O−M−O−M−の強い結合を形成
するため、蒸着薄膜の金属元素(M')と−Si−O−
M' −の強固な結合を形成し、有機ケイ素化合物からな
る塗膜層と蒸着薄膜層との密着性が向上する。
【0019】有機ケイ素化合物からなる塗膜層は、耐熱
性、熱寸法安定性、硬度に優れ、蒸着薄膜層を挟む構成
により、蒸着薄膜層を保護することができる。
【0020】
【実施例】本発明の実施例に基づき詳細に説明する。図
1は本発明のバリアー性積層体の構成を説明する断面図
であり、図2は本発明のバリアー性積層体の他の構成を
説明する断面図である。
【0021】図1において、1はバリアー性積層体あ
り、樹脂フィルム基材2、有機ケイ素化合物からなる塗
膜層3、蒸着薄膜層4、有機ケイ素化合物からなる塗膜
層5である。樹脂フィルム基材2は、シート状またはフ
ィルム状のものであって、ポリオレフィン(ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン2,4−ナフタレート
等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−12
等)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、芳香族
ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドポ
リサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテル
ケトン、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリフェニレンオキサイド、テトラフルオロエチレ
ン、一塩化三フッ化エチレン、フッ化エチレンプロピレ
ン共重合体、ポリイミドなどなど通常包装材料として用
いられるものが使用できる。これら樹脂フィルム基材2
は用途に応じて上記材料から適宜選択される。必要に応
じて二軸延伸樹脂フィルムを使用できる。これらの樹脂
フィルム基材2には、例えば帯電防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、滑剤3 着色剤など公知の添加剤を加えるこ
とができ、必要に応じて適宜添加される。
【0022】さらに樹脂フィルム基材2の有機ケイ素化
合物からなる塗膜層3の形成面をコロナ放電処理、プラ
ズマ活性化処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、又
は粗面化処理などの公知の表面活性化処理を行ない、ま
たオフライン又はインラインでエチレンイミン系、アミ
ン系、エポキシ系、ウレタン系又はポリエステル系など
のコーティング剤を塗布し、蒸着薄膜の密着性を向上さ
せることも可能である。
【0023】樹脂フィルム基材2の厚さは、とくに制限
はされないが、蒸着工程の加工適性などを考慮すると、
2〜400μmの範囲が好ましい。
【0024】有機ケイ素化合物からなる塗膜層3、5
は、下記の化学式(I)、 R−Si−(OR')3 (I) (ただし、Rは有機官能基であり、R' は加水分解性基
である。)で表される有機ケイ素化合物からなり、有機
官能基(R)は−CH=CH2 −、−CH2 −CH2
CH2 −NH2 −、−CH2 −NH2 −、−CH2 −N
HCONH2 、−CH2 −NH−CH2 −CH2 −NH
2 −、−CH2 −O−CH2−(C2 3 O)等であ
り、エポキシ基、アミノ基、尿素基などが好ましい。ま
た加水分解性基(R')は−Cl、−CH3 、−CH2
CH3 、−CH2 −CH 2 −O−CH3 等である。上記
の有機ケイ素化合物を水、或いは水とアルコールの混合
液に溶解させた水系溶液を塗布する。この水系溶液には
公知のイソシアネート化合物、シランカップリング剤、
一般的な分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤、界面
活性剤などの有機ケイ素化合物と著しい化学反応を伴わ
ないものであれば、必要に応じて添加することができ
る。
【0025】有機ケイ素化合物からなる塗膜層3の形成
方法としては、樹脂フィルムの製造時に塗布するインラ
イン方式、樹脂フィルムの製造とは別工程で塗布するオ
フライン方式の二つがあるが、インライン方式はオフラ
イン方式に比べ、工程数が少ない、製造工程での塵埃の
混入が少ないという利点と、樹脂フィルムと有機ケイ素
化合物からなる塗膜層との界面間の密着力が大きいた
め、密着性を考えると好ましい方式と言える。
【0026】インライン方式では、樹脂フィルムのポリ
マーを熱溶融し、そのまま押し出し成形した未延伸状態
の樹脂、或いは縦方向又は横方向の何れか一軸方向に延
伸した状態の結晶配向が完了する前の樹脂フィルム表面
に、上記の有機ケイ素化合物の水系溶液(水溶液、水と
アルコールの混合溶液、有機ケイ素化合物の加水分解
物、熱分解物も含む)を塗布する。 なお、塗布前にコ
ロナ放電処理、プラズマ活性化処理等の表面処理を行な
ってもよい。 塗布された樹脂フィルムは二軸延伸、熱
固定の工程を経て結晶配向を完了する。有機ケイ素化合
物からなる塗膜層の乾燥は、樹脂フィルムの熱固定の工
程を利用するが、その直前乾燥工程を設けることが好ま
しい。
【0027】オフライン方式は、公知の塗工方法を用い
ることができる。例えばロールコート法、ロールブラッ
シュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、グ
ラビアコート法、含浸法、カーテンコート法などがあ
る。
【0028】有機ケイ素化合物からなる塗膜層3、5の
層厚は、とくに制限されるものではないが、乾燥層厚が
0.01〜50μmの範囲であればよく、反応速度や乾
燥速度を短縮するためには0.05〜5μmの範囲が好
ましい。
【0029】蒸着薄膜層4には、Al、Si、Ti、Z
n、Zr、Mg、Sn、Cu、Feなどの金属やこれら
の金属の酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物など、例え
ばAl2 3 、SiO、SiO2 、TiO2 、Zr
2 、MgO、SnO2 、ZnS、MgF2 が用いられ
る。形成方法は真空蒸着、イオンプレーティング、スパ
ッタリングなどの蒸着法を用いることができるが、真空
蒸着、イオンプレーティングは生産効率の点から好まし
い。蒸着装置の加熱方法は抵抗加熱、エレクトロンビー
ム(EB)加熱、高周波誘導加熱などが用いられる。
【0030】蒸着装置は内部を2×10-6〜8×10-3
Torr、好ましくは8×10-6〜8×10-5まで真空
に引いた後、蒸着処理を行なう。蒸着された金属薄膜は
酸素、水蒸気に対してバリアー性を示すが、バリアー性
は薄膜の材質、膜厚により異なる。とくにアルミニウ
ム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等はバリアー性に優
れる。
【0031】蒸着薄膜層4の膜厚は50〜5000Åの
範囲でよく、好ましくは300〜1500Åの範囲であ
る。これは膜厚が50Åを下回ると、蒸着薄膜に抜けが
生じ、バリアー性にバラツキが発生し易く、また500
0Åを越えると、蒸着薄膜のフレキシビリティーが損な
われ、クラック、ピンホールが発生し易くなり、いずれ
もバリアー性が低下する。なお、蒸着薄膜は。単一成分
の単層に限られることなく、上記蒸着材料の混合物から
なる蒸着薄膜であっても、また2層以上の多層としても
よい。
【0032】有機ケイ素化合物からなる塗膜層5は、上
記の有機ケイ素化合物からなる塗膜層3と同一であり、
形成方法は、オフライン方式により形成される。
【0033】さらに図2に示す本発明のバリアー性積層
体10の最外層に位置する有機ケイ素化合物からなる塗
膜層5に接着層7を介して熱接着性樹脂層8が積層され
る。この熱接着性樹脂層8により袋、容器など包装容器
などの加工される。
【0034】熱接着性樹脂層8は加熱加圧により熱融着
し易い樹脂層であり、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンプロピレン共重合体などのポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリアミド、アイオノマー、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステルなどのアクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル、フェノール樹脂、変性エポキシ樹脂及びこれらの共
重合体や混合物などが挙げられるが、上記条件を満たす
ものであれば、これらに限定されるものではない。とく
にポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体などが好ましい。
【0035】熱接着性樹脂層8の層厚は、用途により異
なるが、1〜200μmの範囲であり、好ましくは10
〜100μmの範囲である。形成方法はドライラミネー
ト加工法、無溶剤型ラミネート加工法、押し出しラミネ
ート加工法など一般的な加工法を用いることができる。
なお、熱接着性樹脂層8の融着温度は有機ケイ素化合物
からなる塗膜層の耐熱性を考慮すると、200℃以下で
あり、80〜180℃が好ましい。
【0036】以下、本発明の具体的な実施例を挙げ、詳
細に説明する。 <実施例1>結晶融解熱9.7cal/gのポリエチレ
ンテレフタレートを押し出し装置でダイから押し出し、
40℃に冷却したドラム上で静電印加しつつ、膜厚15
3μmの未延伸樹脂フィルムを作製した。このフィルム
を95℃に加熱した金属ロール上で流れ方向に3.65
倍延伸した後、有機ケイ素化合物としてN−(β−アミ
ノエチル)−γ−アミノ−プロピルメトキシシランの固
形分2wt%の水溶液をグラビアコート法によりフィル
ム片面に塗布し、95℃の予熱ゾーンを経て、102℃
で幅方向に3.85倍延伸した。さらに200〜230
℃で、4.0秒間熱処理し、フィルムの片面に膜厚0.
2μmの有機ケイ素化合物からなる塗膜層が形成された
12μmの二軸延伸エチレンテレフタレートフィルムを
作製した。
【0037】この二軸延伸エチレンテレフタレートフィ
ルムを巻取り、EB加熱真空蒸着装置内に装填し、真空
度を1.5×10-5Torrとした後、有機ケイ素化合
物からなる塗膜層面に金属アルミニウム(純度99.9
9%)をEB−Powerが30kV−2A、巻取り速
度1.5m/sec.、圧力が2×10-4mbarで膜
厚1000Åに蒸着し、アルミニウム蒸着層を形成し
た。
【0038】アルミニウム蒸着層上に、巻取り速度40
m/min.、乾燥条件が95〜110℃、塗布量が
0.15g/m2 の条件でN−(β−アミノエチル)−
γ−アミノ−プロピルメトキシシラン(有機ケイ素化合
物)の固形分2wt%の水溶液をグラビアコート法によ
り塗布、乾燥して有機ケイ素化合物からなる塗膜層が形
成された本発明のバリアー性積層体を作製した。
【0039】さらに、作製したバリアー性積層体の最外
層の有機ケイ素化合物からなる塗膜層面にドライラミネ
ート加工法により熱接着性樹脂層として膜厚30μmの
未延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合わせ、実施例1
のバリアー性積層体を作製した。
【0040】<実施例2>有機ケイ素化合物としてγ−
アミノプロピルトリエトキシシランの固形分2wt%の
水溶液とした以外は、実施例1と同様にしてバリアー性
積層体を作製した。
【0041】<実施例3>蒸着材料を一酸化ケイ素(純
度99.99%)、蒸着条件をEB−Powerを30
kV−0.75Aとした以外は、実施例1と同様にして
バリアー性積層体を作製した。
【0042】<実施例4>蒸着材料を酸化アルミニウム
(純度99.99%)、蒸着条件をEB−Powerを
30kV−0.75Aとした以外は、実施例1と同様に
してバリアー性積層体を作製した。
【0043】<比較例1>有機ケイ素化合物の水溶液の
代わりにポリウレタン系コート剤の固形分20%の溶液
とした以外は、実施例1と同様にしてバリアー性積層体
を作製した。
【0044】<比較例2>有機ケイ素化合物の水溶液の
代わりにニトロセルロース系コート剤の固形分20%の
溶液とした以外は、実施例1と同様にしてバリアー性積
層体を作製した。
【0045】<比較例3>蒸着材料を一酸化ケイ素(純
度99.99%)、蒸着条件をEB−Powerを30
kV−0.75Aとした以外は、比較例1と同様にして
バリアー性積層体を作製した。
【0046】<比較例4>巻取りEB加熱真空蒸着装置
で膜厚12μmのプレーンな二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムの片面に、直接アルミニウム蒸着を
行い、さらに実施例1と同様に熱接着性樹脂層として膜
厚30μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをラミネー
ト加工し、バリアー性積層体を作製した。
【0047】実施例1〜実施例4と比較例1〜比較例4
のバリアー性積層体を以下のように比較評価した。バリ
アー特性を示す酸素透過率、透湿度と、蒸着薄膜層
と隣接層との密着性を示す剥離強度とをそれぞれ測定
し、その結果を表1に示す。なお、測定条件は、 酸素透過率:モコン法(MOCON−OXTRAN−
10/50A)設定25度−100%RH 透湿度:モコン法(MOCON−PERMATRAN
−W6)設定40度−100%RH 剥離強度:インストロン型引張試験機 試料15mm幅、剥離角度90度、剥離速度300mm
/min である。
【0048】
【表1】
【0049】表1からは、酸素、水蒸気に対するバリア
ー性は、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び
比較例4は良好な結果が得られたが、比較例1、比較例
2、比較例3は不良であった。蒸着薄膜層と隣接層との
密着性を示す剥離強度は、実施例1、実施例2、実施例
3、実施例4及び比較例1、比較例2、比較例3は良好
な結果が得られたが、比較例4はやや不良であった。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、 樹
脂フィルム上に、有機ケイ素化合物からなる塗膜層を設
けることにより、樹脂フィルムの樹脂と結合力が強く、
密着性が高く、また有機ケイ素化合物からなる塗膜層と
強固な結合が形成され有機ケイ素化合物からなる塗膜層
と蒸着薄膜層との密着性が向上する。さらに有機ケイ素
化合物からなる塗膜層が耐熱性、熱寸法安定性、硬度に
優れることから、有機ケイ素化合物からなる塗膜層によ
り蒸着薄膜層を挟む構成とすることにより、蒸着薄膜層
を保護することができる。これにより積層体の製造時、
後加工時、使用時における積層体への応力付加、経時劣
化などによる蒸着薄膜のクラック、ピンホールの発生な
どの劣化が生じにくく、当初の優れた酸素、水蒸気など
のガスに対するバリアー性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリアー性積層体の一実施例を示す断
面図である。
【図2】本発明のバリアー性積層体の他の実施例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1、9、10、11 バリアー性積層体 2 樹脂フィルム基材 3 有機ケイ素化合物からなる
塗膜層 4 蒸着薄膜層 5 有機ケイ素化合物からなる
塗膜層 7 接着層 8 熱接着性樹脂層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08J 7/00 307 C08J 7/00 307 7/04 7/04 P (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 B32B 27/00 101 C08K 3/08 C09D 183/08 C08J 7/00 307 C08J 7/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子樹脂フィルム上に、下記の化学式
    (I)、 R−Si−(OR')3 (I) (ただし、Rは有機官能基であり、R'は加水分解性基
    である。)で表される有機ケイ素化合物からなる塗膜層
    と、金属酸化物からなる蒸着薄膜層と、前記有機ケイ素
    化合物からなる塗膜層を順次積層してなることを特徴と
    するバリアー性積層体。
  2. 【請求項2】前記有機ケイ素化合物を構成する有機官能
    基(R)が−CH=CH2−、−CH2−CH2−CH2
    NH2−、−CH2−NH2−、−CH2−NHCON
    2、−CH2−NH−CH2−CH2−NH2−、−CH2
    −O−CH2−(C23O)等であり、加水分解性基
    (R')が−Cl、−CH3、−CH2−CH3、−CH2
    CH2−O−CH3等であることを特徴とする請求項1記
    載のバリアー性積層体。
  3. 【請求項3】最外層に設けられる前記有機ケイ素化合物
    からなる塗膜層に接着層を介して熱接着性樹脂層を積層
    してなることを特徴とする請求項1記載のバリアー性積
    層体。
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