JP3191545B2 - 包装用バリヤ性積層体及びその製造方法 - Google Patents

包装用バリヤ性積層体及びその製造方法

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JP3191545B2
JP3191545B2 JP435894A JP435894A JP3191545B2 JP 3191545 B2 JP3191545 B2 JP 3191545B2 JP 435894 A JP435894 A JP 435894A JP 435894 A JP435894 A JP 435894A JP 3191545 B2 JP3191545 B2 JP 3191545B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属又は金属化合物な
どの蒸着薄膜層と密着が良好な蒸着基材用ポリエステル
フィルム、酸素や水蒸気などに対してバリヤ性が良好な
包装材料に使用されるバリヤ性積層体及びこれらの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、化学薬品などの包装材料
に用いられる合成樹脂フィルムは、内容物の変質を防ぐ
ために、酸素や水蒸気などに対するバリヤ性の良いもの
が用いられていた。そして、さらに高度のバリヤ性が必
要な包装材料の場合には、合成樹脂フィルムにアルミニ
ウム箔を貼り合わせたものが用いられていた。しかし、
このような金属箔を用いた包装材料は、酸素や水蒸気な
どに対するバリヤ性が優れているものの、使用後の廃棄
物としては、焼却時に残存滓が残ったり、再利用も難し
く、環境衛生上では、好ましくない面があった。そこ
で、環境衛生上の問題を改良させるものとして、合成樹
脂フィルムの表面にアルミニウム、酸化アルミニウム又
は酸化ケイ素などの金属や金属酸化物を蒸着させたもの
が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
金属や金属酸化物の蒸着薄膜は、積層体又は包装袋とし
て用いた時に、使用方法や使用環境によっては、蒸着薄
膜と接する合成樹脂フィルム間の界面で剥離が発生する
場合もあり、他の合成樹脂フィルム同士の積層体に比べ
て密着性が悪い問題があった。
【0004】金属や金属酸化物の蒸着基材用合成樹脂フ
ィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレ
ンフィルムやナイロンフィルムなどが使用されている
が、耐熱性、ガスバリヤ性、電気的特性や耐薬品性など
に優れる二軸延伸ポリエステルフィルムが、最も汎用的
に使用されていた。このため、二軸延伸ポリエステルフ
ィルムと蒸着薄膜との密着性を改善する試みが、従来か
ら多く行われていた。例えば、ポリエステルフィルムの
表面を、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処
理又は火焔処理を施して表面を活性化した後に、金属又
は金属酸化物を蒸着する方法が用いられていた。しか
し、これらのフィルム面の活性化方法は、蒸着薄膜に対
する濡れによる二次結合力の増進による接着性の向上は
期待できるが、その活性能力が経時とともに減少した
り、または、必ずしも満足すべき接着力が得られなかっ
たりして、充分なものとは言えなかった。
【0005】また、ポリエステルフィルムと金属又は金
属酸化物の蒸着薄膜との密着性を向上させる他の方法と
して、酸やアルカリなどの薬剤による表面処理法、ポリ
エステルフィルムと他の成分、例えば酸成分やグリコー
ル成分などと共重合させた共重合ポリエステルフィルム
又はポリエステルフィルムの製膜時に他の樹脂を共押出
しさせた共押出多層ポリエステルフィルムなどがある
が、どれも充分に満足な密着性が得られていない。
【0006】さらには、ポリエステルフィルムの表面
に、オフライン又はインラインで、エチレンイミン系、
アミン系、エポキシ系、ウレタン系又はポリエステル系
などのアンカーコーティング剤を塗布する方法がある
が、塗布面は、金属又は金属酸化物の蒸着薄膜との密着
性が向上するが、バリヤ性は、アンカーコーティング剤
を塗布しない蒸着ポリエステルフィルムに比較して、低
下した。これは、アンカーコーティング層の熱寸法安定
性が悪いため、蒸着ポリエステルフィルムの熱負荷時
に、蒸着薄膜が機械的なストレスを受け、その結果、蒸
着薄膜に亀裂やピンホールなどが発生して、バリヤ性が
低下するためである。
【0007】本発明は、上述の従来のポリエステルフィ
ルム表面と蒸着薄膜との密着性や蒸着薄膜の亀裂やピン
ホールなどの発生によるバリヤ性を損なう問題を解決し
たもので、金属や金属酸化物の蒸着薄膜と密着が良好な
蒸着基材用ポリエステルフィルム、酸素や水蒸気などに
対してバリヤ性が良好な包装材料として使用するバリヤ
性積層体及びこれらの製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図4に示
すように、二軸延伸ポリエステルフィルム(110)の
少なくとも片面に、化学式がM(OR)n (Mは金属元
素,RはC1〜C8のアルキル基,nは1〜4の整数)で
表示されるアルコキシドの塗布層(120)、金属酸化
物の薄膜層(140)、接着剤層(150)、熱接着性
樹脂層(160)を順次に積層したことを特徴とするバ
リヤ性積層体である。
【0009】第2の発明は、第1の発明に記載のアルコ
キシドの金属元素が、アルミニウム(Al)又はケイ素
(Si)であること特徴とするバリヤ性積層体である。
【0010】第3の発明は、図5に示すように、二軸延
伸ポリエステルフィルム(110)の少なくとも片面
に、化学式がM(OR)n(Mは金属元素,RはC1〜C
8のアルキル基,nは1〜4の整数)で表示されるアル
コキシドの塗布層(120)、プラズマ活性化処理層
(130)、金属酸化物の薄膜層(140)、接着剤層
(150)、熱接着性樹脂層(160)を順次に積層し
たことを特徴とするバリヤ性積層体である。
【0011】第4の発明は、第2の発明に記載のアルコ
キシドの金属元素が、アルミニウム(Al)又はケイ素
(Si)であること特徴とするバリヤ性積層体である。
【0012】第5の発明は、結晶配向が完了前のポリエ
ステルフィルムの少なくとも片面に、化学式がM(O
R)n(Mは金属元素,RはC1〜C8のアルキル基,n
は1〜4の整数)で表示されるアルコキシドの水系溶液
を塗布したのち、このフィルムを一軸方向又は二軸方向
に延伸して結晶配向を完了させ、金属酸化物を蒸着させ
て薄膜層を形成し、接着剤を介して熱接着性樹脂層を形
成したことを特徴とするバリヤ性積層体の製造方法であ
る。
【0013】第6の発明は、第5の発明に記載のアルコ
キシドの金属元素が、アルミニウム(Al)又はケイ素
(Si)であること特徴とするバリヤ性積層体の製造方
法である。
【0014】第7の発明は、結晶配向が完了前のポリエ
ステルフィルムの少なくとも片面に、化学式がM(O
R)n(Mは金属元素,RはC1〜C8のアルキル基,n
は1〜4の整数)で表示されるアルコキシドの水系溶液
を塗布したのち、このフィルムを一軸方向又は二軸方向
に延伸して結晶配向を完了させ、ブラズマ活性化処理し
たのち、金属酸化物を蒸着させ、接着剤を介して熱接着
性樹脂層を形成したことを特徴とするバリヤ性積層体の
製造方法である。
【0015】第8の発明は、第7の発明に記載のアルコ
キシドの金属元素が、アルミニウム(Al)又はケイ素
(Si)であること特徴とするバリヤ性積層体の製造方
法である。
【0019】上述のポリエステルフィルムは、芳香族二
塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそ
のエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリ
エステルのフィルムであり、結晶配向が完了前のポリエ
ステルフィルムとは、ポリマーを熱溶融して、そのまま
押出して製膜した未延伸状態の合成樹脂膜であるか、さ
らにこれを縦方向又は横方法のいずれか一軸方向に延伸
した状態のフィルムであり、結晶配向が完了させたポリ
エステルフィルムとは、二軸方向に延伸して熱固定して
結晶配向を完了したフィルムである。
【0020】本発明においては、アルコキシドの水系溶
液(水溶液又は水とアルコールとの混合溶液,アルコキ
シドの加水分解物や熱分解物も含む)の塗布は、結晶配
向が完了する前のポリエステルフィルム表面に行うもの
であり、これによって、二軸延伸し熱固定された結晶配
向を完了したポリエステルフィルムに、単にアルコキシ
ドの水系溶液塗布した場合と比較して、フィルムとアル
コキシド塗布層との界面間に強い密着性が発生し、ま
た、アルコキシド塗布層と次工程で形成される金属や金
属化合物の蒸着薄膜層との強い密着性も発現する。な
お、アルコキシドの水系溶液中に、添加剤としてイソシ
アネート化合物、シランカップリング剤、一般的な分散
剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤及び界面活性剤など
を含んでもよい。また、塗布する前に、フィルム表面を
予めコロナ放電処理、ブラズマ活性化処理などを行って
もよい。そして、アルコキシド塗布層の乾燥は、ポリエ
ステルフィルムの二軸延伸後の熱固定工程を利用して行
うが、その直前に乾燥工程を設けることが更に好まし
い。乾燥したアルコキシド塗布層の厚みは、約0.01
〜100μmの範囲であれば良いが、反応速度や乾燥速
度を短縮するために、好ましくは、0.01〜50μm
である。
【0021】本発明で使用するアルコキシドは、化学式
がM(OR)n (Mは金属元素,RはC1〜C8のアルキ
ル基,nは1〜4の整数)で表示されるものであり、M
は、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム
(Al)、ジルコニウム(Zr)などであり、Rは、C
1〜C8のアルキル基である。例えば、テトラエチルオル
ソシリケート(Si(OC25)4)、トリイソプロポキ
シアルミニウム(Al(O−C37)3)などであり、こ
れらは、水系溶液中で比較的に安定であるため、使用上
では好ましい。なお、Mとしては、水との反応性が小さ
いケイ素やアルミニウムが好ましく、さらに、コストを
考慮するとケイ素が最も好ましいものである。
【0022】本発明の金属酸化物の薄膜形成方法は、真
空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの
蒸着方法が使用できるが、真空蒸着やイオンプレーティ
ングが好ましい。加熱方法としては、抵抗加熱、EB加
熱、高周波誘導加熱などを用いることができる。蒸着材
料は、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、チタン
(Ti)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、マグ
ネシウム(Mg)、スズ(Sn)、銅(Cu)そして鉄
(Fe)などの金属の酸化物、例えば、酸化アルミニウ
ム(Al23)、酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン
(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグ
ネシウム(MgO)、酸化スズ(SnO2)などを用い
ることができる。そして、蒸着時の蒸着装置内の真空度
は、2×10-6〜8×10-3トール(torr)の範囲
でよいが、好ましくは、8×10-6〜8×10-5トール
である。また、形成された金属酸化物の蒸着薄膜層は、
酸素、水蒸気などに対しバリヤ性を有する層であるが、
そのバリヤ特性は、形成された材料の材質や膜厚などに
より異なる。特に、金属アルミニウム、酸化ケイ素や酸
化アルミニウムなどの蒸着薄膜が良好なバリヤ特性を示
す。この金属酸化物の蒸着薄膜層の厚さは、50〜50
00Åの範囲でよいが、好ましくは、300〜2000
Åの範囲がよい。これは、厚みが50Å以下の場合で
は、均一な膜厚が制御し難くバリヤ特性にばらつきを生
じ易いこと、また、5000Å以上の場合では、蒸着薄
膜層に亀裂やピンホールが発生し易くバリヤ特性が損な
われるためである。形成される蒸着薄膜層は、単一成分
の単層に限らず、混合物の蒸着薄膜層でも、多層の蒸着
薄膜層であっても構わない。
【0023】本発明で使用するブラズマ活性化処理方法
には、グロー放電処理法、高周波プラズマ処理法、マイ
クロ波プラズマ処理法などを用いることができる。この
使用ガスとしては、酸素又は酸素含有混合ガスを用い、
混合ガスの場合では、酸素純度が0.5%以上ならばよ
い。蒸着時の蒸着装置内の真空度は、8×10-5〜8×
10-1トールの範囲であるが、プラズマの安定性を考慮
すると、8×10-4〜8×10-3トールの範囲が好まし
い。そして、処理表面に与えるプラズマ処理エネルギー
は、1〜50000ジュール(joule)の範囲でよ
いが、好ましくは、10〜10000ジュールの範囲で
ある。これは、1ジュール以下では、処理表面が充分に
活性化れず、また、50000ジュール以上では、処理
表面の分子が破壊されてしまうためである。
【0024】本発明での熱接着性樹脂層は、加熱及び加
圧によって熱融着し易い合成樹脂層であり、合成樹脂と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレンやエチレンプロ
ピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリエステル、
ポリアミド、アイオノマー、エチレン酢酸ビニル共重合
体、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルなどの
アクリル樹脂、ポリビニルアセタール、フェノール樹
脂、変成エポキシ樹脂及びこれらの共重合体や混合物な
どが挙げられるが、必ずしもこれらのものに限定される
ものではない。これらの樹脂の中では、ポリオレフィ
ン、ポリエステル、ポリアミドやエチレン酢酸ビニル共
重合体などが好ましい。そして、熱接着性樹脂層の厚み
は、用途により異なるが、1〜1000μmの範囲であ
り、好ましくは、10〜100μmである。また、熱接
着性樹脂層を形成する積層方法は、ドライラミネート加
工法、無溶剤型ラミネート加工法や押出しラミネート加
工法などの一般的なラミネート加工法が使用できる。な
お、熱接着性樹脂層の熱融着温度は、アルコキシド塗布
層の耐熱性を考慮すると、200℃以下であり、80〜
180℃が好ましい。
【0025】
【作用】アルコキシドを水又は水とアルコールの混合液
に溶解すると、アルコキシドが加水分解して、水酸基
(−OH)を生成し、金属元素(M)と活性なM−OH
結合を形成し、さらに、塗布工程時の熱処理によって分
解反応して、乾燥塗布層中にM−O−M−O−Mの強固
な結合を形成する。また、このアルコキシド塗布層面
に、次工程で金属酸化物を蒸着して薄膜層を形成する
と、アルコキシド塗布層中に残存する活性な水酸基によ
り、塗布層と薄膜層との界面に−O−M−O−M′の強
固な結合を形成するため、塗布層と薄膜層との間に強い
接着性が生じる。
【0026】また、本製造方法においては、アルコキシ
ドの塗布工程やプラズマ活性化処理工程は、複数の作業
を一工程で行うインライン方式で行うことができるた
め、複数の作業を別個の工程で行うオフライン方式と比
較して、工程数が少なく製造中に混入する塵埃が極めて
少なく抑えられる。
【0027】
【実施例】<参考例1>まず、結晶融解熱9.7cal
/gのポリエチレンテレフタレートを押出装置でダイか
ら押出し、これを40℃に冷却したドラム上で静電印加
しつつ、厚さ153μmの未延伸フィルムを作製した。
続いて、このフィルムを95℃に加熱した金属ロール上
で、流れ方向に3.65倍延伸したのち、テトラエチル
オルソシリケート(Si( OC25)4)10.4gに、
0.1Nの塩酸89.6gを加え、30分攪拌して加水
分解させた固形分が3wt%(SiO2 換算)の水溶液
を、ロールコート法によって片面に塗布し、95℃の予
熱ゾーンを経て102℃で幅方向に3.85倍に延伸し
た。さらに、200〜230℃で、4.0秒間熱処理を
施し、片面に0.2μm厚のアルコキシド塗布層を形成
した12μm厚の本参考例に係わる蒸着基材用ポリエス
テルフィルムを作製した。
【0028】次に、作製した蒸着基材用ポリエステルフ
ィルムを、巻取り式EB加熱真空蒸着装置内に装填し、
1.5×10-5トール以下の高真空度で、アルコキシド
塗布層面に、金属アルミニウムを蒸着して厚み1000
Åの薄膜層を積層し、本実施に係わるバリヤ性積層体を
作製した。なお、この時の蒸着条件は、蒸着材料がアル
ミニウム(純度99.99%)、EBパワーが30KV
−2A、巻取り速度が1.5m/secであった。
【0029】さらに、作製した前記のバリヤ性積層体の
アルミニウム蒸着薄膜層面に、ドライラミネート加工法
で30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合
わせて、参考例1のバリヤ性積層体を作製した。
【0030】<参考例2>金属アルコキシド加水分解溶
液として、トリイソプロポキシアルミニウム(Al(O
−C37)3)6.0gを80℃の熱水90gで溶解した
後に、5Nの塩酸4gを添加して解膠させた固形分3w
t%(Al23換算)を用いた以外は、全て参考例1と
同様にして作製した参考例2のバリヤ性積層体を作製し
た。
【0031】<実施例3>蒸着材料が酸化ケイ素(純度
99.9%)、EBパワーが30KV−0.5Aで行っ
た以外は、全て参考例1と同様にして作製した実施例3
のバリヤ性積層体を作製した。
【0032】<実施例4>蒸着材料が酸化アルミニウム
(純度99.9%)、EBパワーが30KV−0.75
Aで行った以外は、全て参考例1と同様にして作製した
実施例4のバリヤ性積層体を作製した。
【0033】<実施例5>蒸着材料が酸化マグネシウム
(純度99.9%)、EBパワーが30KV−1.5A
で行った以外は、全て参考例1と同様にして作製した実
施例5のバリヤ性積層体を作製した。
【0034】<参考例6>EB蒸着装置内にて、蒸着直
前にアルコキシド塗布層面を酸素プラズマ処理をした以
外は、全て参考例1と同様にして作製した参考例6のバ
リヤ性積層体を作製した。なお、プラズマ条件は、使用
ガスが99.9%酸素、流量が500sccm、プラズ
マ発生方式がグロー放電、供給電力が200W、真空度
が5×10-3トール、巻取り速度が1.5m/secで
あった。
【0035】<比較例1>アルコキシド塗布層の代わり
に、ポリウレタン系接着剤100gにイソシアネート4
5gを加え、酢酸エチル90gを用いて、固形分20%
の溶液を用い、厚さ0.2μmの塗布層を形成した以外
は、全て参考例1と同様にして作製した比較例1のバリ
ヤ性積層体を作製した。
【0036】<比較例2>共重合ポリエステルと、1モ
ルのトリメチロールプロパンに3モルのトルイレンジイ
ソシアナートを付加させたイソシアナート化合物とを混
合し、共重合ポリエステルとイソシアナート化合物との
混合比が、重量比率で90対10の接着剤を調整した。
この接着剤を、酢酸エチル/トルエン/メチルエチルケ
トン混合溶剤(重量比率1/1/1)に溶解し、酢酸エ
チル/酢酸ブチル/メチルイソブチルケトン混合溶剤
(重量比率1/1/1)で希釈して固形分25%の接着
剤溶液を作製した。この接着剤溶液を、アルコキシド塗
布層の代わりに用いた以外は、全て参考例1と同様にし
て作製した比較例2のバリヤ性積層体を作製した。
【0037】<比較例3>蒸着材料が酸化アルミニウム
(純度99.9%)、EBパワーが30KV−0.75
Aで行った以外は、全て比較例1と同様にして作製した
比較例3のバリヤ性積層体を作製した。
【0038】<評価>作製した参考例1、参考例2、実
施例3、実施例4、実施例5、参考例6の6種類のバリ
ヤ性積層体と、比較例1、比較例2、比較例3の3種類
のバリヤ性積層体とを比較評価するため、それぞれのバ
リヤ性積層体のバリヤ特性を示す酸素透過率及び透湿度
と、蒸着薄膜層と隣接層との密着性を示す剥離強度を測
定し、その結果を表1に示した。なお、測定条件は、
酸素透過率:モコン法(MOCON-OXTRAN-10/50A ),設定
25℃−100%RH透湿度:モコン法(MOCON-PARM
ATRAN-W6),設定40℃−90%RH剥離強度:イン
ストロン型引張試験機,試料15mm巾,剥離角度90
度,剥離速度300mm/分、であった。
【0039】
【表1】
【0040】表1を見ると、酸素や水蒸気に対するバリ
ヤ性については、参考例1、参考例2、実施例3、実施
例4、実施例5及び参考例6は、良好な結果を得られた
が、比較例1、比較例2及び比較例3は、結果が不良で
あった。蒸着薄膜層と隣接層との密着性を示す剥離強度
については、参考例1、参考例2、実施例3、実施例
4、実施例5、参考例6及び比較例3は、良好な結果を
得られたが、比較例1及び比較例2は、結果がやや不良
であった。
【0041】
【発明の効果】結晶配向が完了前のポリエステルフィル
ムの少なくとも片面に、アルコキシドの水系溶液を塗布
してアルコキシド塗布層を形成したのち、このフィルム
を延伸して結晶配向を完了させた蒸着基材用ポリエステ
ルフィルムをまず製造し、このフィルムのアルコキシド
塗布層面に、金属酸化物を蒸着させて薄膜層を形成する
か、又は、さらにこの蒸着薄膜層面に、接着剤を介して
熱接着性樹脂層を形成して製造された本発明の包装材料
用バリヤ性積層体は、金属酸化物などの蒸着薄膜層の隣
接層との密着が非常に良好であり、しかも、蒸着される
アルコキシド塗布層が可撓性で耐熱性が良好であるた
め、製造時及び使用時に、蒸着薄膜層に亀裂やピンホー
ルが発生し難く、この結果として、酸素や水蒸気などに
対してバリヤ性が極めて良好である。
【0042】また、本製造方法においては、アルコキシ
ドの塗布工程やプラズマ活性化処理工程を、インライン
方式で行うことができるため、バリヤ性積層体の特性を
損なう製造中の塵埃の混入が、オフライン方式の場合と
較べて極めて少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蒸着基材用ポリエステルフィルムの一例の断面
図である。
【図2】バリヤ性積層体の一例の断面図である。
【図3】バリヤ性積層体の一例の断面図である。
【図4】本発明の一例のバリヤ性積層体の断面図であ
る。
【図5】本発明の他の一例のバリヤ性積層体の断面図で
ある。
【符号の説明】
100……蒸着基材用ポリエステルフィルム 110……2軸延伸ポリエステルフィルム 120……アルコキシド塗布層 130……プラズマ活性化処理層 140……薄膜層 150……接着剤層 160……熱接着性樹脂層 200,300,400,500……バリヤ性積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−209835(JP,A) 特開 昭52−128968(JP,A) 特開 平4−210464(JP,A) 特開 平1−255661(JP,A) 特開 昭59−96137(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 B32B 15/08 104 B32B 27/36

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくと
    も片面に、化学式がM(OR)n (Mは金属元素,Rは
    1〜C8のアルキル基,nは1〜4の整数)で表示され
    るアルコキシドの塗布層、金属酸化物の薄膜層、接着剤
    層、熱接着性樹脂層を順次に積層したことを特徴とする
    包装用バリヤ性積層体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のアルコキシドの金属元素
    が、アルミニウム(Al)又はケイ素(Si)であるこ
    と特徴とする包装用バリヤ性積層体。
  3. 【請求項3】二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくと
    も片面に、化学式がM(OR)n(Mは金属元素,Rは
    1〜C8のアルキル基,nは1〜4の整数)で表示され
    るアルコキシドの塗布層、プラズマ活性化処理層、金属
    酸化物の薄膜層、接着剤層、熱接着性樹脂層を順次に積
    層したことを特徴とする包装用バリヤ性積層体。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のアルコキシドの金属元素
    が、アルミニウム(Al)又はケイ素(Si)であるこ
    と特徴とする包装用バリヤ性積層体。
  5. 【請求項5】結晶配向が完了前のポリエステルフィルム
    の少なくとも片面に、化学式がM(OR)n(Mは金属
    元素,RはC1〜C8のアルキル基,nは1〜4の整数)
    で表示されるアルコキシドの水系溶液を塗布したのち、
    このフィルムを一軸方向又は二軸方向に延伸して結晶配
    向を完了させ、金属酸化物を蒸着させて薄膜層を形成
    し、接着剤を介して熱接着性樹脂層を形成したことを特
    徴とする包装用バリヤ性積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のアルコキシドの金属元素
    が、アルミニウム(Al)又はケイ素(Si)であるこ
    と特徴とする包装用バリヤ性積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】結晶配向が完了前のポリエステルフィルム
    の少なくとも片面に、化学式がM(OR)n(Mは金属
    元素,RはC1〜C8のアルキル基,nは1〜4の整数)
    で表示されるアルコキシドの水系溶液を塗布したのち、
    このフィルムを一軸方向又は二軸方向に延伸して結晶配
    向を完了させ、ブラズマ活性化処理したのち、金属酸化
    物を蒸着させ、接着剤を介して熱接着性樹脂層を形成し
    たことを特徴とする包装用バリヤ性積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のアルコキシドの金属元素
    が、アルミニウム(Al)又はケイ素(Si)であるこ
    と特徴とする包装用バリヤ性積層体の製造方法。
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