JP3761634B2 - ガスバリア性積層体及びその製造方法 - Google Patents

ガスバリア性積層体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素、水蒸気等のガスの通過を遮断する薄膜(ガスバリア性薄膜)を有するガスバリア性積層体に関する。特に、ガスバリア性積層体の製造時や製袋時に実施される種々の処理工程(例えば、蒸着工程、印刷工程、ラミネート工程、折り曲げ工程、シール工程等)においてガスバリア性薄膜が剥離や剥落しにくく、また、その積層体から形成された包装体の使用時に実施される種々の処理(例えば、高温ボイル処理、高温高圧レトルト処理等)においてガスバリア性薄膜が剥離や剥落しにくく、更に、耐熱性、弾性、機械的性質に優れ、加えて、耐薬品性、耐油性、耐摩擦性にも優れたガスバリア性積層体とその製造方法に関す
【0002】
る。
【従来の技術】
近年、食品、医療品等の包装に用いられる包装材料に対しては、内容物の変質を防止もしくは抑制できることが求められている。例えば、食品用包装材料に対しては、内容物(例えば、蛋白質や油脂等)の酸化や変質の抑制、更に内容物の風味や鮮度を保持できることが求められ、また、医療品用包装材料に対しては、内容物の無菌状態を維持でき、更に、有効成分の変質を抑制して効能を維持できることが求められている。
【0003】
このような要望に応えるためには、内容物を変質させうる気体(例えば、酸素)が包装材料を通過して内容物に接触しないようにすることが必要である。従って、包装材料に対しては、これらの気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
【0004】
従来より、酸素を遮断するバリア性フィルムとしては、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、ポリアクリロニトリルフィルム等が知られている。また、水蒸気を遮断するバリア性フィルムとしてはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等が知られている。ところで、これらのフィルムを単独で用いた場合には、同時に酸素と水蒸気との双方に対する十分なガスバリア性を備えていないために、それらを組み合わせてラミネート法またはコーティング法により積層したものを包装材料として用いている。しかし、保存や使用環境における温度や湿度の影響を受け十分なガスバリア性を発揮できない場合もある。
【0005】
また、酸素と水蒸気との双方に対するバリア性を単独で備えている樹脂フィルムとして、ポリ塩化ビニリデンフィルム、あるいはポリエステルフィルムに塩化ビニリデン共重合体樹脂をコーティングした樹脂フィルム、ポリプロピレンフィルムに塩化ビニリデン共重合体樹脂をコーティングした樹脂フィルム、ナイロンフィルムに塩化ビニリデン共重合体樹脂をコーテイングした樹脂フィルム等が知られている。しかし、これらの樹脂フィルムを使用後に焼却処分した場合には、有毒ガスが発生するという問題がある。
【0006】
ところで、高度なガスバリア性が要求される包装材料としては、樹脂フィルム基材上に、圧延法により製造された金属箔(例えばアルミニウム箔)であって、非常に優れたガスバリア性を示す金属箔を積層することにより作製された積層フィルムが用いられている。この場合、樹脂フィルム基材に対しては、単独でガスバリア性を示すことは特に要求されていない。
【0007】
しかし、圧延法で製造された金属箔の厚みが比較的厚いために、使用後に廃棄物を焼却処分すると、焼却残滓として金属又はその酸化物が焼却炉中に残り、また、その再利用も難しいため、圧延法で製造された金属箔をガスバリア膜として使用することは、環境問題上望ましいものではない。
【0008】
そこで、上述のような問題に対し、最近では一酸化ケイ素(SiO)等のケイ素酸化物(SiOx)、酸化アルミニウム(Alyz)、アルミニウム(Al)等の金属あるいは金属化合物の薄膜を、樹脂フィルム上に、圧延法ではなく非常に薄く成膜できる蒸着法により形成した蒸着フィルムが開発されている。このような蒸着フィルムは、ガスバリア性の樹脂フィルムよりも優れたガスバリア特性を有し、しかも高温高湿度下での劣化も少ないという性質を有しており、実際に包装材料に利用されるようになっている。この場合、このような蒸着フィルムは、単体で用いられることはほとんどなく、他の基材と貼り合わせて包装用積層材料を作製し、それを袋や種々の容器に加工している。
【0009】
しかしながら、上述したように、金属あるいは金属化合物のガスバリア性薄膜を樹脂フィルム基材上に蒸着法により形成した蒸着フィルムにおいては、有機物である樹脂フィルム基材と、それに接する無機物であるガスバリア性薄膜との間の機械的性質、化学的性質、熱的性質、電気的性質等の諸性質が非常に異なっている。従って、ガスバリア性積層体の製造時や製袋時に実施される種々の処理工程(例えば、蒸着工程、印刷工程、ラミネート工程、折り曲げ工程、シール工程等)中に、あるいはその積層体から形成された包装体の使用時に実施される種々の処理(例えば、高温ボイル処理、高温高圧レトルト処理等)中に、ガスバリア性薄膜に機械的ストレス、熱的ストレス等が加わるとガスバリア性薄膜に、クラック、ピンホール等の損傷や欠陥が発生し、それらの損傷部分や欠陥部分から酸素や水蒸気等の気体が通過するようになり、結果的に本来有しているはずの高いガスバリア性能が低下するという問題がある。
【0010】
また、無機物のガスバリア性薄膜と有機物である樹脂フィルム基材との間では強固な結合が得られ難く、また、ガスバリア性薄膜上に形成されるインキ層や接着剤層との間でも強固な結合が得られ難いために、それらの層間の密着性が不十分となって層間剥離の問題が生じるとともに、層間剥離の際にはガスバリア性薄膜にも損傷が生じ、ガスバリア性能が劣化するという問題がある。
【0011】
更に、内容物によっては酸性成分やアルカリ性成分を含んでおり、ガスバリア性積層体を構成する各材料の耐薬品性が十分でない場合もあり、その場合にはガスバリア性積層体のガスバリア性が低下し、しかも樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との密着性が低下するという問題もあった。
【0012】
このような問題に対して、蒸着基材となる樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との密着性を改善するために、樹脂フィルム基材の表面に種々の表面処理(例えば、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、火炎処理、加熱処理、アルカリ液表面処理等)を施し、それにより樹脂フィルム基材の表面を活性化し、その後に金属または金属化合物の蒸着を行うことによりガスバリア性薄膜を形成することが試みられている。これらの処理が施された樹脂フィルム基材は、その表面の濡れ性が向上してガスバリア性薄膜との二次結合力が増加する。従って、樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との間の密着性が向上することが期待できる。
【0013】
また、蒸着基材となる樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との密着性を改善するための別な方法として、従来の樹脂フィルム基材を作製する際に主として用いられているモノマー成分に、他のモノマー成分を共重合させることにより得られる共重合樹脂フィルム基材を使用したり、樹脂フィルム基材の成膜時に他の樹脂を共押出しすることにより得られる共押出多層樹脂フィルム基材を使用したり、蒸着基材となる樹脂フィルム基材の表面に、樹脂フィルム基材の成膜時にオフラインまたはインラインでエチレンイミン系、アミン系、エポキシ系、ウレタン系あるいはポリエステル系等のコーティング剤を塗布したりすることも試みられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、蒸着基材となる樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との密着性を改善するために、樹脂フィルム基材の表面に種々の表面処理を施してその表面を活性化した場合、その活性化状態は経時と共に大きく減少するので、これらの表面処理方法によっては常に満足する密着性が得られない等の問題がある。
【0015】
また、樹脂フィルム基材として、従来の樹脂フィルム基材を作製する際に主として用いられているモノマー成分に他のモノマー成分を共重合させることにより得られる共重合樹脂フィルム基材を使用したり、樹脂フィルム基材の成膜時に他の樹脂を共押出しすることにより得られる共押出多層樹脂フィルム基材を使用したり、成膜時にコーティング剤を塗布することにより得られるものを使用したりする場合には、樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との間の密着性は向上するが、それらの耐熱性が十分でないために、熱寸法安定性が悪く、蒸着、印刷、ラミネート等の各工程における熱負荷時にガスバリア性薄膜が機械的ストレスを受け、それによりガスバリア性薄膜にクラック、ピンホール等が発生し、ガスバリア性が低下するという問題がある。
【0016】
なお、樹脂フィルム基材に形成されたガスバリア性薄膜と、その上に更に印刷層やヒートシール性フィルムを積層する際に用いられるインキや接着剤などとの密着性の改良も試みられており、例えば、前述したようなエチレンイミン系、アミン系、エポキシ系、ウレタン系あるいはポリエステル系等のコーテイング剤を塗布することが行われている。しかし、コーティング剤の樹脂成分によっては、密着性あるいはガスバリア性が低下するという問題がある。即ち、それらの耐熱性が十分でないために、製袋工程や成型工程で受ける熱負荷によりあるいは経時的に体積膨脹または体積収縮を起こしてガスバリア性薄膜が機械的ストレスを受け、それによりガスバリア性薄膜にクラック、ピンホール等が発生し、印刷層や接着剤層等からガスバリア性薄膜が剥離し、そのガスバリア性が低下する。
【0017】
また、樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との間のコーティング層の塗布工程や、ガスバリア性薄膜と印刷層あるいは接着剤層との間のコーティング層の塗布工程は、ガスバリア性薄膜の形成工程とは別々のラインで行なわれるために、製造コストがかさむという問題もある。
【0018】
本発明は、以上の従来の技術の課題を解決しようとするものであり、樹脂フィルム基材と金属又は金属化合物の蒸着薄膜であるガスバリア性薄膜とからなるガスバリア性積層体において、樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との間の密着性を改善し且つ優れたガスバリア性を保持できるようにすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の目的を達成するために、以下に示す本発明を完成させた。
【0020】
即ち、第1の本発明は、樹脂フィルム基材上に金属又は金属化合物からなるガスバリア性薄膜が物理蒸着法により形成されてなるガスバリア性積層体において、蒸着合成法により形成されたポリアミド膜が、樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との間に挟持されていることを特徴とするガスバリア性積層体を提供する。
【0022】
また、第の本発明は、上述のガスバリア性積層体の製造方法であって、ガスバリア性薄膜の物理蒸着と、ポリアミド膜の蒸着合成とが同一バッチ内で行なわれることを特徴とする製造方法を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1は、第1の本発明のガスバリア性積層体の断面図である。このガスバリア性積層体は、樹脂フィルム基材1とガスバリア性薄膜2との間に、蒸着合成法により形成されたポリアミド膜3が挟持されている構造を有する。ここで、蒸着合成法により形成されるポリアミド膜3は、その膜内部に強固なアミド(−CONH−)結合を有すると共に、樹脂フィルム基材1との間でも強固な化学結合を形成し、十分な密着性を発揮する。しかも、物理蒸着法により形成される金属又は金属化合物からなるガスバリア性薄膜2との間でも十分な密着性を発揮する。更に、ポリアミド膜3は、高い融点を有する高結晶性ポリマーであるために、蒸着処理、印刷処理、ラミネート処理、ボイル処理、レトルト処理などの各加工処理工程における熱ストレスに対して十分な耐熱性を示し、しかも機械的性質(例えば弾性、耐摩擦性等)にも優れているので機械的ストレスに対する十分な耐性も有する。従って、樹脂フィルム基材1とガスバリア性薄膜2との間に蒸着合成法により形成されるポリアミド膜3を挟持させることにより、樹脂フィルム基材1とガスバリア性薄膜2との密着性を改善し、且つ、優れたガスバリア性を保持することができる。
【0025】
また、ポリアミド膜3は耐薬品性及び耐油性に優れているために、ポリアミド膜3を備えたガスバリア性積層体で包装袋を作製した場合、その内容物の種類の自由度を高くすることができる。
【0026】
また、ポリアミド膜3として蒸着合成法で形成されるものを使用するので、ポリアミド膜3の成膜の前工程、後工程での連続同一真空バッチ内で物理蒸着法によって金属または金属化合物のガスバリア性薄膜の形成が可能となり、生産工程及び生産コストの点で有利となる。
【0027】
図1の態様においては、樹脂フィルム基材1とガスバリア性薄膜2との間にポリアミド膜3が挟持されているが、図2に示すように、ガスバリア性薄膜2の外側面に、ポリアミド膜3と同等のポリアミド膜4を更に設けることができる。
【0028】
次に、参考例として図3のガスバリア性積層体について説明する。図3に示すガスバリア性積層体は、樹脂フィルム基材1上に、ガスバリア性薄膜2が積層され、更にその上に蒸着合成法により形成されるポリアミド膜3が形成されている。このような構造とすることにより、図1の態様に比べて樹脂フィルム基材1とガスバリア性薄膜2との間の密着性については多少劣るが、ポリアミド膜3側からの熱的ストレスや機械的ストレスに対する耐性をガスバリア性積層体に付与することができ、結果的に、ポリアミド膜3を設けない場合に比べ、樹脂フィルム基材1とガスバリア性薄膜2との間の密着性と、ガスバリア性積層体のガスバリア性とを良好な状態に保持することができる。
【0029】
図3の態様においては、ポリアミド膜3と樹脂フィルム基材1とでガスバリア性薄膜2を挟持するような構造となっているが、図4に示すように、ポリアミド膜3上に、ガスバリア性薄膜2と同等のガスバリア性薄膜5を更に設けることができる。
【0030】
次に、本発明のガスバリア性積層体の各構成単位について説明する。
【0031】
本発明において、樹脂フィルム基材1は、シート状又はフィルム状の形状を有し、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,4−ナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン12等)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、テトラフルオロエチレン、一塩化三フッ化エチレン、フッ化エチレンプロピレン共重合体、ポリイミドなどの包装材料として通常に用いられるものを、ガスバリア性積層体の用途に応じて適宜選択して使用することができる。
【0032】
なお、樹脂フィルム基材1としては、必要に応じて二軸延伸したものを使用することができる。また、これらの樹脂フィルム基材1には、必要に応じて公知の添加剤、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤等の添加剤を加えることができる。
【0033】
このような樹脂フィルム基材1の表面には、コロナ放電処理、プラズマ活性化処理、グロー放電処理、逆スパッタ処理、あるいは粗面化処理などの表面活性化処理を施すことができる。その他に、クリーニング処理や帯電除去処理などの公知の表面処理を行うこともできる。このような表面処理に代えて、樹脂フィルム基材1の表面には、オフラインやインラインで、エチレンイミン系、アミン系、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系などのコーティング剤でコーティング処理を施すこともできる。このような処理により、樹脂フィルム基材1とポリアミド膜3あるいはガスバリア性薄膜2との密着性を向上させることができる。
【0034】
樹脂フィルム基材1の厚さは、特に制限されないが、ポリアミド膜3の成膜工程やガスバリア性薄膜2の成膜工程における取扱性等を考慮すると、2〜400μmの範囲が好ましい。
【0035】
本発明において、蒸着合成法により形成されるポリアミド膜3は、式(1)又は(2)
【0036】
【化1】
-[R-CONH]- (1)
-[CO-R-CONH-R1-NH]- (2)
(式中、R及びR1は置換又は未置換のアルキレン又はアリーレン等の二価の連結基である。)
で表される結合を有する膜であり、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11や、ノーメックス、ケブラー29、ケブラー49等の商品名で特定されるものを使用することができる。
【0037】
なお、蒸着合成法としては、公知の手法を利用することができ、常圧で、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル等のジアミン類と、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸などの二塩基酸類とを、ハロゲンランプなどによる加熱により1:1のモル比で蒸発させて反応させ、樹脂フィルム基材1又はガスバリア性薄膜2上にポリアミド膜3を析出させることができるが、減圧低温CVD法を利用することが好ましい。これは、ポリアミド膜3の形成と後述するガスバリア性薄膜2の形成とを同一バッチ内で行なうことができ、製造工程的にも製造コスト的にも有利となるためである。ここで、減圧低温CVD法の圧力条件は、好ましくは1×10-4Pa〜8×10-1Paである。
【0038】
なお、ジアミン類と二塩基酸類とのそれぞれの種類は、必要に応じて適宜選択することができ、従って、ポリアミド膜3としては、2種類以上のポリアミドの混合物から形成されてもよい。更に、単層のポリアミド膜でもよく、複数層のポリアミド膜でもよい。
【0039】
また、ポリアミド膜3の厚みは、薄すぎると均一膜となりにくくなり、厚すぎるとフレキシビリティーが損なわれるので、通常、10〜5000オングストロームの範囲であり、好ましくは50〜500オングストロームの範囲である。
【0040】
本発明において、物理蒸着法により形成される金属あるいは金属化合物からなるガスバリア性薄膜2としては、アルミニウム、シリカ、チタニウム、亜鉛、ジルコニウム、マグネシウム、錫、銅、鉄などの金属やこれらの金属の酸化物、窒化物、フッ化物等(例えば酸化アルミニウム(Al23)、一酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタニウム(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化錫(SnO)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe23))の薄膜を挙げることができる。
【0041】
ガスバリア性薄膜2の膜厚としては、薄過ぎると薄膜に抜けが生じ、ガスバリア性にバラツキが生じ易く、厚過ぎると薄膜のフレキシビリティーが損なわれ、クラック、ピンホールが発生し易くなり、ガスバリア性が低下するので、好ましくは50〜5000オングストローム、より好ましくは200〜1500オングストロームの範囲である。なお、ガスバリア性薄膜2は単一成分の単層に限られることなく、上記の蒸着材料の混合物からなる蒸着薄膜であっても、また2層以上の多層膜であってもよい。
【0042】
物理蒸着法としては、公知の真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの蒸着法を利用することができる。これらの中でも、真空蒸着、イオンプレーティングが生産性の高さの点から好ましい。蒸着装置の加熱方式としては、抵抗加熱方式、エレクトロンビーム(EB)加熱方式、高周波誘導加熱方式等を利用することができる。
【0043】
以上、説明した本発明のガスバリア性積層体は、図1〜図4に示したような層構成となるように、樹脂フィルム上基材1上に、蒸着合成法によりポリアミド膜3を形成し且つ物理蒸着法によりガスバリア性薄膜2を形成することにより製造することができる。特に、蒸着合成法として減圧低温CVD法を利用することにより、ポリアミド膜3の蒸着合成とガスバリア性薄膜2の物理蒸着とを同一バッチ内で行うことができるので好ましい。これにより、ポリアミド膜3とガスバリア性薄膜2とを連続して成膜できるので、製造工程的にも製造コスト的にも利点がある。
【0044】
このように、同一バッチ内でガスバリア性積層体を製造するための装置の一例を、図5に模式的に示す。同図に示されるように、この装置は、巻出しロール101に巻かれた樹脂フィルム基材102が、真空蒸着兼減圧低温(プラズマ)CVD装置100内のロール室103に装填されている。この樹脂フィルム基材101は、ガイドロール104aを通り金属製の冷却ドラム105に接しながら第1の減圧低温CVD室106a、次いでガスバリア性薄膜を形成するための材料である蒸着源107を有する蒸着室108、及び第2の減圧低温CVD室106bを順次通って、最後に冷却ドラム105から離れてガイドロール104bを経てロール室103に設置されている巻取りロール109に巻き取られる構成となっている。具体的は、先ず真空蒸着装置兼減圧低温CVD装置100内の真空度を2×10-6〜8×10-3、好ましくは8×10-6〜8×10-5Torrとする。そして、第1の減圧低温CVD室106a中の冷却ドラム105上を走行している樹脂フィルム基材102に、ポリアミド膜用原料蒸発源110aにジアミン類を供給し、ポリアミド膜用原料蒸発源110bに二塩基酸類(例えば、二塩基酸又は二塩基酸ジハライドもしくは二塩基酸無水物)を供給し、それぞれの蒸発温度もしくはそれ以上の温度に、ハロゲンランプなどの加熱手段111a、111bを使用し、熱電対で温度を測定しながら加熱する。また、ジアミン類と二塩基酸類とが1:1のモル比で反応して堆積するように、水晶振動子膜厚モニター等で観測しながらコントロールする。
【0045】
次に、ポリアミド膜が形成された樹脂フィルム基材1の当該ポリアミド膜上に、蒸着室108中で金属又は金属化合物からなるガスバリア性材料を真空蒸着する。この場合、ガスバリア性材料を蒸着源107に投入し、減圧下で加熱(例えばエレクトロンビーム加熱)することによりガスバリア性薄膜を成膜する。
【0046】
ここで、ガスバリア性薄膜上に、必要に応じて、第2の減圧低温CVD室106bで再度ポリアミド膜をガスバリア性薄膜上に成膜してもよい。即ち、第2の減圧低温CVD室106b中の冷却ドラム105上を走行している樹脂フィルム基材102に、ポリアミド膜用原料蒸発源110cにジアミン類を供給し、ポリアミド膜用原料蒸発源110dに二塩基酸類を供給し、それぞれの蒸発温度もしくはそれ以上の温度に、ハロゲンランプなどの加熱手段111c、111dを用いて、熱電対で温度を測定しながら加熱する。また、ジアミン類と二塩基酸類とが1:1のモル比で反応して堆積するように、水晶振動子膜厚モニター等で観測しながらコントロールする。このように樹脂フィルム基材上にポリアミド膜とガスバリア性薄膜とが形成されてなるガスバリア性積層体は、ガイドロール104bを経て、巻取りロール109に連続的に巻き取られることとなる。
【0047】
このようにして得られたガスバリア性積層体は、種々の包装材料として有用であり、種々の形状に加工され、実用に供される。
【0048】
【実施例】
以下、本発明のガスバリア性積層体を具体的に説明する。なお、実施例3は、参考例である図3の態様の例である。
【0049】
実施例1
図5に示したような真空蒸着兼減圧低温CVD装置100を用いて以下に示すようにガスバリア性積層体を製造した。
【0050】
まず、樹脂フィルム基材102として、12μm厚の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PET基材と略称する)を使用した。このPET基材102をロール室103の巻出しロール101から引き出し、ガイドロール104aを経て、金属製の冷却ドラム105に接触させながら第1の減圧低温CVD室106a、ついでガスバリア性材料の蒸着源107を有する蒸着室108、そして第2の減圧低温CVD室106bを順次通った後に冷却ドラム105から離れ、ガイドロール104bを経てロール室103に設置されている巻取りロール109に巻き取られるようにセッティングした。
【0051】
先ず,真空蒸着兼減圧低温CVD装置100全体の真空度を1.5×10-5Torrに調整した後、第1の減圧低温CVD室106a中で冷却ドラム105上を走行しているPET基材102に、原料蒸発源110aにジアミノジフェニルエーテルを供給し、原料蒸発源110bにテレフタル酸ジクロリドを供給した。そして、原料蒸発源110aのジアミノジフェニルエーテルをその蒸発温度の約60℃に熱電対で測定しながらハロゲンランプ111aで加熱した。また、原料蒸発源110bのテレフタル酸ジクロリドをその蒸発温度の約150℃に熱電対で測定しながらハロゲンランプ111bで加熱した。また、水晶振動子膜厚モニターで観測しながら、ジアミノジフェニルエーテルとテレフタル酸ジクロリドとが1:1のモル比で堆積するようにコントロールした。このときの圧力は3.0×10-4Torrに調整した。この結果、冷却ドラム105上を走行しているPET基材102の表面に、厚さ100オングストロームのポリアミド膜が形成された。
【0052】
次に、蒸着室108中において冷却ドラム105に接触しながら走行しているPET基材102のポリアミド膜上に、酸化ケイ素(SiO)を厚さ500オングストロームとなるように真空蒸着(蒸着条件:エレクトロンビームパワー(30KV−0.75A),圧力2×10-4Torr)させ、ガスバリア性薄膜を形成した。これにより、図1に示すような、PET(基材)/ポリアミド膜/SiO薄膜(ガスバリア性薄膜)の三層構成のガスバリア性積層体が得られた。
【0053】
更に、減圧低温CVD室106b中で冷却ドラム105に接触しながら走行している積層体(PET/ポリアミド膜/SiO薄膜)のSiO薄膜上に、原料蒸着源110cにジアミノジフェニルエーテルを供給し、原料蒸発源110dにテレフタル酸ジクロリドを供給し、前述のポリアミド膜の形成と同様の条件に従って、100オングストローム厚のポリアミド膜を形成した。これにより、図2に示すような、PET/ポリアミド膜/SiO薄膜/ポリアミド膜の四層構成のガスバリア性積層体が得られた。この積層体は、冷却ドラム105を離れ、ガイドロール104bを経て、ロール室103中の巻取りロール109に連続的に巻取った。
【0054】
得られたガスバリア性積層体の表面のポリアミド膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能なガスバリア性積層体が得られた。
【0055】
実施例2
減圧低温CVD発生室106bにおいてポリアミド膜を形成しなかった以外は、実施例1と同様の操作により、図1に示すようなPET/ポリアミド膜/SiO薄膜の3層構成のガスバリア性積層体が得られた。そして、得られたガスバリア性積層体の表面のSiO薄膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能なガスバリア性包装材料が得られた。
【0056】
実施例3
減圧低温CVD室106aにおいてポリアミド膜を積層しなかった以外は、実施例1と同様の操作により、図3に示しようなPET/SiO薄膜/ポリアミド膜の3層構成のガスバリア性積層体が得られた。そして、得られたガスバリア性積層体の表面のポリアミド膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能なガスバリア性包装材料が得られた。
【0057】
実施例4
酸化ケイ素に代えて、ガスバリア性材料として酸化アルミニウム(純度99.99%)を使用し、且つエレクトロンビームパワーを30KV−0.75Aとした以外は実施例1と同様の操作により、PET/ポリアミド膜/Al23薄膜/ポリアミド膜の四層構成のガスバリア性積層体が得られた。
【0058】
得られたガスバリア性積層体の表面のポリアミド膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能な包装材料が得られた。
【0059】
実施例5
酸化ケイ素に代えて、ガスバリア性材料として酸化マグネシウム(純度99.99%)を使用し、且つエレクトロンビームパワーを30KV−1.00Aとした以外は実施例1と同様の操作により、PET/ポリアミド膜/MnO薄膜/ポリアミド膜の四層構成のガスバリア性積層体が得られた。
【0060】
得られたガスバリア性積層体の表面のポリアミド膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能な包装材料が得られた。
【0061】
実施例6
酸化ケイ素に代えて、ガスバリア性材料として金属アルミニウム(純度99.99%)を使用し、且つエレクトロンビームパワーを30KV−0.50Aとした以外は実施例1と同様の操作により、PET/ポリアミド膜/Al薄膜/ポリアミド膜の四層構成のガスバリア性積層体が得られた。
【0062】
得られたガスバリア性積層体の表面のポリアミド膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能な包装材料が得られた。
【0063】
実施例7
原料蒸発源110a及び110cに供給するジアミン類として、ジアミノジフェニルエーテルに代えてヘキサメチレンジアミンを使用し、原料蒸発源110b及び110dに供給する二塩基酸ジクロリドとして、テレフタル酸ジクロリドに代えてアジピン酸を使用する以外は、実施例1と同様の操作により、PET(基材)/ナイロン66(ポリアミド膜)/SiO薄膜(ガスバリア性薄膜)/ナイロン66(ポリアミド膜)の四層構成のガスバリア性積層体が得られた。
【0064】
得られたガスバリア性積層体の表面のポリアミド膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能な包装材料が得られた。
【0065】
実施例8
酸化ケイ素に代えて、ガスバリア性材料として金属アルミニウム(純度99.99%)を使用し、且つエレクトロンビームパワーを30KV−0.50Aとした以外は実施例7と同様の操作により、PET(基材)/ナイロン66(ポリアミド膜)/Al薄膜(ガスバリア性薄膜)/ナイロン66(ポリアミド膜)の四層構成のガスバリア性積層体が得られた。
【0066】
得られたガスバリア性積層体の表面のポリアミド膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能な包装材料が得られた。
【0067】
比較例1
2つの減圧低温CVD室106aと106bとにおいて、ポリアミド膜を積層しない以外は、実施例1と同様の操作により、PET/SiO薄膜の2層構成のガスバリア性積層体を作製した。
【0068】
得られたガスバリア性積層体の表面のSiO薄膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能な包装材料が得られた。
【0069】
比較例2
2つの減圧低温CVD室106aと106bとにおいて、ポリアミド膜を積層しない以外は、実施例4と同様の操作により、PET/Al23薄膜の2層構成のガスバリア性積層体を作製した。
【0070】
得られたガスバリア性積層体の表面のAl23薄膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能な包装材料が得られた。
【0071】
比較例3
2つの減圧低温CVD室106aと106bとにおいて、ポリアミド膜を積層しない以外は、実施例5と同様の操作により、PET/MgO薄膜の2層構成のガスバリア性積層体を作製した。
【0072】
得られたガスバリア性積層体の表面のMgO薄膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能な包装材料が得られた。
【0073】
比較例4
2つの減圧低温CVD室106aと106bとにおいて、ポリアミド膜を積層しない以外は、実施例6と同様の操作により、PET/Al薄膜の2層構成のガスバリア性積層体を作製した。
【0074】
得られたガスバリア性積層体の表面のAl薄膜に、更に熱接着性樹脂として30μm厚の未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネート法により貼り合わせた。これにより、ヒートシール可能な包装材料が得られた。
【0075】
(評価)
以上のようにして作製した実施例1〜8及び比較例1〜4のガスバリア性積層体について、ガスバリア特性(酸素透過率,透湿度)を以下の測定条件で測定した。また、各実施例及び各比較例で得られたヒートシール可能な包装材料について、ポリアミド膜及びガスバリア性薄膜の密着特性(剥離強度)を以下の測定条件で測定した。得られた結果を表1に示す。
【0076】
(ガスバリア特性)
酸素透過率 (cc/m 2 /day)
25℃−100%RHの環境下でモコン法(MOCON OXTRAN−10/50A)により測定した。酸素透過率は低い程好ましいが、実用的には0.1(cc/m2/day) 以下であることが望まれる。
【0077】
透湿度 (g/m 2 /day
40℃−90%RHの環境下でモコン法(MOCON PERMATRAN−W6)により測定した。透湿度は低い程好ましいが、実用的には0.3(g/m2/day) 以下であることが望まれる。
【0078】
(密着特性)
剥離強度 (g/15mm)
15mm幅のサンプルを、剥離角度90度−剥離速度300mm/minの条件でインストロン型引張試験機により測定した。剥離強度は高い程望ましいが、実用的には450g/15mm以上であることが望まれる。
【0079】
【表1】
Figure 0003761634
【0080】
表1から、実施例1〜8のガスバリア性積層体は、酸素及び水蒸気に対して優れたバリア性を示していることがわかる。また、実施例1〜8のガスバリア性積層体を使用した包装材料の剥離強度も非常に良好な結果を示していることがわかる。
【0081】
一方、ポリアミド膜が形成されていない比較例1及び2のガスバリア性積層体を使用した包装材料の剥離強度は、同一のガスバリア性薄膜を有する実施例1及び4のガスバリア性積層体に比べ約30〜40%低下していることがわかる。更に、酸素透過率も透湿度が少なくとも約25倍〜30倍となっており、ガスバリア性が大きく低下していることがわかる。
【0082】
また、ポリアミド膜が形成されておらず且つガスバリア性薄膜としてMgO又はAlを使用している比較例3及び4のガスバリア性積層体を使用した包装材料の剥離強度は、同一のガスバリア性薄膜を有する実施例5及び6のガスバリア性積層体に比べ約50〜70%低下していることがわかる。更に、酸素透過率も透湿度は、少なくとも約6倍〜12倍となっており、ガスバリア性が大きく低下していることがわかる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、蒸着合成法により形成されたポリアミド膜を、樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との間に挟持させることにより、ガスバリア性積層体の層間の密着性を向上させることができる。
【0084】
また、ポリアミド膜は、耐熱性、弾性、機械的性質、及び耐油性、耐薬品性に優れているので、本発明のガスバリア性積層体は、蒸着、印刷、ラミネート、製袋等の積層体製造工程における機械的ストレス、熱的ストレスからくる歪みによるクラック、ピンホールが発生しにくく、ガスバリア性劣化が起き難いものとなる。更に、ポリアミド膜を低圧低温CVD法で行なうことで、ポリアミド膜とガスバリア性薄膜とを同一バッチ内で連続的に積層させることができ、加工性、生産性に非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリア性積層体の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明のガスバリア性積層体の別の実施例を示す断面図である。
【図3】スバリア性積層体の参考例を示す断面図である。
【図4】スバリア性積層体の別の参考例を示す断面図である。
【図5】本発明のガスバリア性積層体の製造装置の概略図である。
【符号の説明】
1…樹脂フィルム基材
2,5…ガスバリア性薄膜
3,4…ポリアミド膜

Claims (4)

  1. 樹脂フィルム基材上に金属又は金属化合物からなるガスバリア性薄膜が物理蒸着法により形成されてなるガスバリア性積層体において、蒸着合成法により形成されたポリアミド膜が、樹脂フィルム基材とガスバリア性薄膜との間に挟持されていることを特徴とするガスバリア性積層体。
  2. ガスバリア性薄膜上に蒸着合成法により形成されたポリアミド膜が更に形成されている請求項1記載のガスバリア性積層体。
  3. 蒸着合成法が減圧低温CVD法である請求項1又は2記載のガスバリア性積層体。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性積層体の製造方法であって、ガスバリア性薄膜の物理蒸着と、ポリアミド膜の蒸着合成とが同一バッチ内で行なわれることを特徴とする製造方法。
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