JP3193564B2 - ホワイトソースの製造方法 - Google Patents
ホワイトソースの製造方法Info
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Description
ホワイトソースを迅速に製造する方法に関するものであ
る。本発明の方法によって得られたホワイトソースは、
グラタンやシチュー等に利用することができる。
ホワイトソースの製造方法には、二通りあって、一つ
は、ルーと乳製品、特に牛乳、あるいは牛乳に塩、コシ
ョウ等の調味料や香辛料を分散した分散液とを混合して
ホワイトソース原料液を調製し、これを撹拌しながら加
熱して製造する方法である。ルーは、ソースにとろみを
つけるもので、小麦粉、コーンスターチ、米粉等の穀粉
をバターあるいはマーガリン等の油脂類で100 〜140 ℃
の温度で炒めたものである。炒める際の加熱によって穀
粉の粉臭が除去され、同時に穀粉中の蛋白質が熱変性を
受けるために、できあがったホワイトソースは、ねばり
が少なくさらっとした好ましいテクスチャーを有し、風
味もよくなる。もう一つの製造方法は、焙焼処理あるい
は湿熱処理した穀粉(以下、焙焼穀粉あるいは湿熱穀粉
という)と牛乳あるいは牛乳に塩、コショウ等の調味料
や香辛料を分散した分散液とを混合してホワイトソース
原料液を調製し、これを撹拌しながら加熱して製造する
方法である。。上記の焙焼穀粉あるいは湿熱穀粉を利用
する理由は、通常の穀粉でルーを製造すると時間がかか
り、また焦げつきなどの問題があるためである。焙焼穀
粉は、ガス火あるいは過熱蒸気で穀粉を加熱処理したも
のであり、また湿熱穀粉は、オートクレーブにより飽和
蒸気で加熱処理したものである。この加熱処理により、
穀粉の蛋白質が熱変性され、同時に粉臭も除去され、で
きあがったホワイトソースは、ねばりが少なく、風味と
テクスチャーに優れたホワイトソースとなる。
を加熱処理すると、とろみがつくが、これは穀粉が熱と
水分により糊化するためで、滑らかなソースとするため
には糊化を均一に行う必要がある。しかし、小麦粉をは
じめとする穀粉の糊化特性、すなわち糊化開始温度、糊
化速度などは穀粉毎に異なり、その製造条件は、常に一
定ではない。このホワイトソース原料液を加熱するのに
よく用いられる装置として、ニーダーがある。しかし、
ニーダーはジャケットの中に蒸気を吹き込む間接加熱で
あるため、熱効率が低く、液の温度上昇も遅い。この温
度上昇が遅いことが、結果的には穀粉の糊化度を高め、
ザラツキもなく滑らかなホワイトソースを製造すること
ができるが、その反面時間がかかり、生産効率が低いと
いう問題がある。
吹き込んで加熱する方法もある。この方法は、温度上昇
が極めて速く、迅速で生産効率の高いホワイトソースの
製造方法であるが、加熱時間が短いため均一な糊化状態
とすることが困難で、得られたホワイトソースがざらつ
き、粘度が低くなるといった問題がある。従って、本発
明は従来技術が有する問題点に鑑み、均一に糊化がで
き、滑らかなテクスチャーを有するホワイトソースを迅
速に製造できる方法を提供することを課題とするもので
ある。
トソース原料液に超音波を付加しながら水蒸気を吹き込
んで加熱するホワイトソースの製造法である。また本発
明は、超音波の周波数が10〜100 KHzで、水蒸気の吹
き込み圧力を1 〜5 kg/cm2 で行うホワイトソース
の製造方法である。
より小麦粉、コーンスターチ、米粉等の穀粉をバター、
マーガリンをはじめとする各種の食用油脂で100 〜140
℃に炒めてルーを調製し、このルーと、乳製品、あるい
は乳製品に塩、コショウ等の調味料や香辛料を分散した
分散液とを混合して調製したものか、または常法により
焙焼穀粉及び/又は湿熱穀粉と乳製品、あるいは乳製品
に調味料や香辛料を分散した分散液とを混合して調製し
たものが用いられる。更にこれらのホワイトソースの原
料液を調製する際、必要に応じて水を用いてもよい。乳
製品としては、牛乳、生クリーム、粉乳、チーズ等の通
常ホワイトソースに用いられているものが使用できる。
上記のように調製したホワイトソースの原料液に対し
て、周波数10〜100 KHz、好ましくは20〜50KHzの
超音波を付加しながら1 〜5 kg/cm2 の水蒸気を吹
き込み加熱する。超音波を付加しながら水蒸気を吹き込
むことにより、超音波の振動作用により、吹き込まれた
水蒸気は、気泡が細かく分散する。このため水蒸気の吹
き抜け(生の蒸気が液面より噴出すること)がなく、効
率よく水蒸気が凝縮する。従って、ホワイトソース原料
液の温度の上昇が速くなり、また超音波の振動が、穀粉
への熱と水分の浸透を促進する。しかし単に水蒸気を吹
き込んだ場合には、一部の水蒸気は、凝縮したまま吹き
抜け、これらの作用効果がなくなる。
波を付加しながら水蒸気を吹き込んで加熱することによ
り、穀粉は均一な糊化状態となり、得られたホワイトソ
ースはザラツキがなく滑らかな組織になる。また単に水
蒸気を吹き込むだけより穀粉の糊化が促進され、加熱時
間の短縮も図られる。尚、周波数が10KHz未満の場合
には、一部の水蒸気が凝縮しないまま吹き抜け、凝縮が
不十分となって加熱の遅延や均一に糊化ができず、ザラ
ツキのあるホワイトソースになることがある。一方、10
0 KHzを超えるとホワイトソース原料液の振動が大き
くなり、同じく一部の水蒸気が凝縮しないまま吹き抜け
ることがある。また水蒸気の吹き込み圧力が1kg/c
m2 未満では、加熱時間が長くなり、穀粉の糊化も促進
されず、一方5 kg/cm2 を超えると一部の水蒸気が
凝縮しなまま吹き抜けることがある。上記した加熱方法
は、バッチ式でも連続式でもよく、連続式の場合には、
ホワイトソースの原料液の流れの方向に沿って、複数の
超音波発生装置と水蒸気吹き込みノズルを設けることが
好ましい。使用できる超音波発生装置としては、例え
ば、タンク底面外側に振動子が付いていて、タンク内の
液体に振動を与える装置(例 シャープ社製 UT-304
F)、あるいはバイプラインに数個の超音波照射室が設け
られ、パイプラインの中を通過する液体に連続的に超音
波振動エネルギーを照射する装置( 例 日本精機製作所
社製 CUS-2200) 等である。また、水蒸気吹き込み装置
としては、タンクに水蒸気噴射ノズルが付いていて、バ
ッチ式で水蒸気を吹き込んで加熱する装置(例 岩井機
械社製 スチームフュージョン)、あるいはパイプライ
ンの中を通過する液体に水蒸気を吹き込み、連続的に加
熱する装置(例 ノリタケリミテッド社製 ノリタケク
ッカー)等である。 しかし、上記した装置に限定され
るものではなく、公知のものが使用可能である。
を具体的に説明する。
加熱し、ルーを調製した。このルー0.5 kgと牛乳4.5
kgとを混合してホワイトソース原料液を調製した。ホ
ワイトソース原料液を45℃に調整して超音波発生装置
(シャープ社製UT−304 F)が付いている容器に入
れ、周波数26kHzの超音波を付加しながら、同時に孔
径1mmのノズルで1.5 kg/cm2 の水蒸気を吹き込
み最高温度が93℃になるまで加熱した。尚、この時ホワ
イトソース原料液は、櫂型の撹拌羽根をもつ撹拌機によ
り60rpmで撹拌した。
熱して焙焼小麦粉を造った。この焙焼小麦粉400 gとサ
ラダ油200 g、脱脂粉乳500 g、塩10gを4000gの水と
混合してホワイトソース原料液を調製した。このホワイ
トソース原料液を45℃に調整後、超音波発生装置(国際
電気エルテック社製 UT−30A)が付いている容器に入
れ、周波数40kHzの超音波を付加しながら孔径1mm
のノズルで1.0 kg/cm2 の水蒸気を吹き込み最高温
度が93℃になるまで加熱した。ホワイトソース原料液の
撹拌は、実施例1と同じにした。
ース原料液5kgを容器に入れ、孔径1mmのノズルで
1.5 kg/cm2 の水蒸気を吹き込み、最高温度が93℃
になるまで加熱した。尚、撹拌条件は、実施例1と同じ
にした。
ース原料液5 kgを小型ニーダーで最高温度が93℃にな
るまで加熱した。尚ジャケットの蒸気圧を1.2kg/c
m2 とし、ホワイトソース原料液の撹拌は、撹拌羽根の
回転数を40rpmとした。
得られたホワイトソースについて最高温度(93℃)に達
する迄の加熱時間、糊化度、粘度および組織について評
価した。その結果を表1に示す。
を電流滴定法で求めた。また、粘度は、85℃の温度で測
定した。
2の方法によると、加熱時間が短く、得られたホワイト
ソースは、糊化度が促進され、また粘度も理想的なもの
(通常の好ましい粘度は、15〜20ポイズ)で、組織とし
ても滑らかでザラツキのないものである。これに対し、
比較例1の方法によって得られたホワイトソースは、加
熱時間が長いにもかかわらず糊化度も粘度も低く、また
組織もザラツキがあって製品として使用に耐えるもので
はない。更に比較例2の方法によって得られたホワイト
ソースは、糊化度、粘度、組織とも良好であるが、加熱
時間が実施例1や2の方法に比較して約4倍にもなり、
生産性の低下が避けられないものであった。このよう
に、本発明の方法によると、短時間に、しかも滑らかで
ザラツキのない組織を有するホワイトソースを得ること
ができる。
得られたホワイトソースは、糊化度、粘度、組織ともに
使用に耐えられるものではなく、一方、糊化度、粘度、
組織を重視すると加熱時間が長くなり、生産性の低下が
避けられなかった。これに対し、本発明の方法によれ
ば、ホワイトソース原料液に超音波を付加しながら水蒸
気を吹き込んで加熱するだけで、均一に糊化でき、滑ら
かでザラツキのない組織を有するホワイトソースを短時
間に製造できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ホワイトソース原料液に超音波を付加し
ながら水蒸気を吹き込んで加熱することを特徴とするホ
ワイトソースの製造方法。 - 【請求項2】 超音波が、周波数10〜100KHzで
ある請求項1記載のホワイトソースの製造方法。 - 【請求項3】 水蒸気の吹き込み圧力が、1〜5kg/
cm2 である請求項1記載のホワイトソースの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08270794A JP3193564B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | ホワイトソースの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08270794A JP3193564B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | ホワイトソースの製造方法 |
Publications (2)
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---|---|
JPH07265022A JPH07265022A (ja) | 1995-10-17 |
JP3193564B2 true JP3193564B2 (ja) | 2001-07-30 |
Family
ID=13781883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08270794A Expired - Fee Related JP3193564B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | ホワイトソースの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3193564B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0406635D0 (en) * | 2004-03-24 | 2004-04-28 | Unilever Plc | Process for the preparation of an emulsion |
JP4743633B2 (ja) * | 2006-01-24 | 2011-08-10 | 有限会社M&F食品開発研究所 | 大豆の磨砕加熱処理方法及び装置 |
-
1994
- 1994-03-30 JP JP08270794A patent/JP3193564B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07265022A (ja) | 1995-10-17 |
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