JP3193349B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP3193349B2 JP28841198A JP28841198A JP3193349B2 JP 3193349 B2 JP3193349 B2 JP 3193349B2 JP 28841198 A JP28841198 A JP 28841198A JP 28841198 A JP28841198 A JP 28841198A JP 3193349 B2 JP3193349 B2 JP 3193349B2
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秀蓉 張
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物に関するもので、特に特殊なフェノール類エポキシ樹
脂を含有したエポキシ樹脂組成物に関するものである。
これによって、材料の吸湿性および熱膨張係数の低下、
ならびに成形時の流動性およびガラス転移温度の向上を
効率的に達成し、もって製品の耐熱性・寸法安定性・信
頼性・成形性を改善し、亀裂性を減少させることができ
る。
【0002】
【従来の技術】エレクトロデバイスが薄型化・軽量化や
チップの大型化に向かって発展するにつれ、少量の水分
や内部応力を原因とするICチップの亀裂が生じ易くな
り、製品の信頼性低下を招くようになった。したがっ
て、より好ましいパッケージ材料でもって改善を図る必
要がある。亀裂が生じるなどのパッケージ時の問題を解
決するため、すでに数多くの関連特許が公表されてい
る。主に、耐熱性を高める方法か、または充填剤の含量
を増加させ吸湿性を下げる方法かのいずれかが採用され
ている。例えば、信越化学は、米国特許明細書第5,3
58,980号では、パッケージ材料の耐熱性(または
ガラス転移温度)向上のためにナフタレンを含有したエ
ポキシ樹脂の使用を提案している。しかしながら、流動
性の低下を生ずるという欠点がある。住友化学は欧州特
許出願公開第700947号公報のなかで、また、住友
−ベークライト(Bakelite)は日本特許出願公開第8−
20631号のなかで、低粘度のエポキシ樹脂を利用す
ることによりパッケージ材料中の充填剤の含量を増加さ
せ、吸湿性を低下させる方法を開示している。しかし、
成形時における充分な流動性が確保されないという欠点
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上述した問題点を解決し、新規なエポキシ樹脂
を提供することである。このエポキシ樹脂組成物を半導
体装置のパッケージ材料として使用すれば、成形温度に
おける高い流動性を保持しつつ、吸湿性を低減させると
同時に、耐熱性を高め、かつ熱膨張係数を小さくして製
品寸法の安定性と抗亀裂性をも高めたりすることもでき
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明のエポキシ樹脂組成物は以下の成分よりな
る。 (A)化学式(I)
【0005】
【化10】
【0006】 または、化学式(II)
【化11】
【0007】で表されるフェノール類エポキシ樹脂(こ
こで、各R1は互いに同一でも異なってもよく、各自独
立して水素、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数6〜1
0の芳香族基、および炭素数1〜6の炭化水素基で置換
された炭素数6〜10の芳香族基よりなる群から選択さ
れたものを、各R2は互いに同一でも異なってもよく、
各自独立して水素、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数
6〜10の芳香族基、または炭素数1〜6の炭化水素基
で置換された炭素数6〜10の芳香族基を示す。)、 (B)上記フェノール類エポキシ樹脂(A)とは異なる
エポキシ樹脂、及び (C)硬化剤よりなり、かつ、フェノール類エポキシ樹
脂は全エポキシ樹脂の1〜99wt%、エポキシ樹脂
(B)は全エポキシ樹脂の1〜99wt%を占め、硬化
剤はエポキシ樹脂組成物の1〜90wt%を占める。
【0008】 上記化学式(I)および化学式(II)で
示されるフェノール類エポキシ樹脂中の 各R1は互いに
同一でも異なってもよく、それぞれ独立して水素、炭素
数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のシクロアルキル
基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアル
キン基、フェニル基、ナフタレン基、炭素数1〜6のア
ルキル基、炭素数1〜6のシクロアルキル基、炭素数2
〜6のアルケニル基もしくは炭素数2〜6のアルキン基
で置換されたフェニル基、または炭素数1〜6のアルキ
ル基、炭素数1〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6
のアルケニル基もしくは炭素数2〜6のアルキン基で置
換されたナフタレン基であることが最も好ましい。R1
の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、
ネオペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、トリル基、
エチルフェニル基、またはナフチル基などがある。好ま
しい例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、またはフ
ェニル基などがある。さらに好ましい例としては、水
素、メチル基、t−ブチル基、またはフェニル基があ
る。
【0009】上記化学式(I)で示されるフェノール類
エポキシ樹脂中の各R2は互いに同一でも異なってもよ
く、それぞれ独立して水素、炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6の
アルケニル基、炭素数2〜6のアルキン基、フェニル
基、ナフタレン基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル
基、もしくは炭素数2〜6のアルキン基で置換されたフ
ェニル基、または炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1
〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル
基、もしくは炭素数2〜6のアルキン基で置換されたナ
フタレン基であることが最も好ましい。
【0010】2の具体例としては、水素、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、
イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、フェニ
ル基、トリル基、エチルフェニル基、またはナフチル基
などがある。好ましい例としては、水素、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、またはフェニル基などがある。さらに好ましい例
としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、またはイソプロピル基がある。
【0011】 化学式(I)および化学式(II)で表さ
れるフェノール類エポキシ樹脂は、パラ、パラ’(p,
p’−)、 またはオルト、オルト’(o,o’−)結
合を有していることが好ましい。フェノール類エポキシ
樹脂の具体例としては、
【0012】
【化12】
【0013】
【化13】
【0014】
【化14】
【0015】
【化15】
【0016】
【化16】
【0017】
【化17】
【0018】および
【0019】
【化18】
【0020】よりなる群からのものが挙げられる。
【0021】 本発明のエポキシ樹脂組成物は、一種類ま
たは多種類のフェノール類エポキシ樹脂(A)、および
前記フェノール類エポキシ樹脂(A)と異なる一種類ま
たは多種類のエポキシ樹脂(B)を使用することができ
る。フェノール類エポキシ樹脂(A)はすでに詳しく定
義されている。エポキシ樹脂(B)は、フェノール類エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ノボラッ
ク(o−クレゾールノボラック)エポキシ樹脂、多官能
価エポキシ樹脂などの、一般に常用されるエポキシ樹脂
になりうる。ただし、フェノール類エポキシ樹脂(A)
は全エポキシ樹脂の1〜99wt%、好ましくは1〜9
5wt%を占めるように添加する、さらに好ましくは全
エポキシ樹脂中に4〜90wt%のフェノール類エポキ
シ樹脂(A)が含まれるように添加する。エポキシ樹脂
(B)は、全エポキシ樹脂の1〜99wt%を占めるよ
うに添加すればよい。
【0022】 本発明のエポキシ樹脂組成物中の硬化剤
(C)は、例えばアミン類、酸無水物類、またはフェノ
ール類の硬化剤などの、一般のエポキシ樹脂に使用され
る各種硬化剤を含有しうる。硬化剤(C)は、全エポキ
シ樹脂組成物の1〜90wt%を占めるように添加すれ
ばよい。本発明で使用されるアミン類硬化剤の使用量
は、エポキシ基1つあたりに0.5〜3.0個の活性水
素を組み合わせるのが好ましい。すなわちアミン類硬化
剤の活性水素とエポキシ樹脂のエポキシ基との当量比は
0.5〜3.0である。本発明で使用される酸無水物類
硬化剤の使用量は、酸無水物類硬化剤の酸無水物とエポ
キシ樹脂のエポキシ基との当量比が0.5〜3.0であ
ることが好ましい。本発明で使用されるフェノール系硬
化剤の使用量は、フェノール系硬化剤のヒドロキシル基
とエポキシ樹脂のエポキシ基との当量比が0.5〜2.
0であることが好ましく、0.6〜1.3であることが
最も好ましい。フェノール系硬化剤の例としては、ノボ
ラック、クレゾールノボラック、レソルシノールノボラ
ック、およびビスフェノールAノボラックなどがある。
【0023】 また、本発明のエポキシ樹脂組成物は硬化
促進剤をも含有しうる。この硬化促進剤は通常の触媒を
使用でき、特に種類を限定しない。硬化促進剤の含量
は、エポキシ樹脂(A)、(B)、および硬化剤の総量
100wt%を基準とした場合、0.1〜20wt%に
なりうる。硬化促進剤の具体例としては、例えばトリフ
ェニルホスフィン、トリ(2,6−ジメトキシフェニ
ル)ホスフィン、トリ(パラトリル)ホスフィン、トリ
フェニルホスフィットなどの燐化合物、2−メチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシル
イミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エ
チル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、
2−ジメチルアミノメチルフェノール、ベンジルジメチ
ルアミンなどの第三級アミン、および2,5−アゾビス
シクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,4−アゾビス
シクロ[2,2,2]ノネン、1,8−アゾビスシクロ
[5,4,0]−7−ウンデセンの有機塩類などが挙げ
られる。
【0024】 本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応
じて各種の添加剤を含有しうる。添加剤としては、例え
ば充填剤、充填剤の表面処理剤、難燃性付与剤、離型
剤、着色剤、応力除去剤などが挙げられる。充填剤の種
類は特別に限定せず、例えば結晶性シリカ粉末(silica
powders)、溶融シリカ粉末、石英ガラス粉末、滑石粉
末、ケイ酸アルミニウム粉末、ケイ酸ジルコニウム粉
末、アルミニウム粉末、炭酸カルシウム粉末などが挙げ
られ、なかでもシリカ粉末系充填剤が特に好ましい。充
填剤の含量は、全エポキシ樹脂組成物の1〜97wt
%、特に60〜90wt%が好ましい。
【0025】 表面処理剤としては、例えばシランカップ
リング剤などが挙げられる。難燃性付与剤は、例えば三
酸化アンチモン、リン酸塩、プロミドなどがある。離型
剤は例えば各種ワックス類がある。着色剤は例えばカー
ボンブラックなどがある。応力除去剤は、例えばシリコ
ーン樹脂やゴムなどを含有し得る。本発明のエポキシ樹
脂組成物は通常、前述した各成分を適当な混練器具を使
用して混合し、必要に応じてその他の添加剤成分を混合
することにより製造できる。これら成分の混合順序に特
別なルールはない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げさらに詳しく
説明するが、本発明の内容はこれら実施例に限定されな
い。組成物の各成分は全て重量部をもって示す。
【0027】 調製例1:2,2’−ビス(グリシドキ
シ)ビフェニル(エポキシ樹脂O)の調製 自動撹拌器と冷却管を取り付けた500mlの反応容器
に、48.4g(0.20mol)の4,4’−ジヒド
ロキシル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニ
ル、0.68g(0.01mol)のイミダゾール、お
よび185.2g(2.0mol)のエピクロロヒドリ
ンを仕込み、115℃まで加熱し、ついで環流させなが
ら2時間反応させた(カラムクロマトグラフィーで、
4,4’−ジヒドロキシル−3,3’,5,5’−テト
ラメチルビフェニルが完全に反応したことを確認し
た)。室温に戻るのを待って、ロータリーエバポレータ
ーで余分なエピクロロヒドリンを除去した。得られた生
成物に、200mlのトルエンと50mlの1N水酸化
ナトリウム水溶液を加えて90℃まで加熱した後、強く
撹拌し、さらに環流させながら2時間反応させた。室温
に戻るのを待って有機層および水層を抽出分離し、水層
中の有機成分をさらにトルエンで抽出した(160ml
で2回)。その後、有機層を一緒にし、無水硫酸ナトリ
ウムによる乾燥、濾過、およびロータリーエバポレータ
ーでの濃縮を経て粗製物を得た。シリカゲルクロマトグ
ラフィーにより粗製物を精製し、無色の液体をえた。収
率は92%であった。
【0028】 最終精製物の分光データは次のとおりであ
った。 oil,1H NMR(CDCl3,200MHz)δ
2.54(2H,dd,J=5.1,2.5Hz),
2.70(2H,dd,J=5.1,4.0Hz),
3.16(2H,dddd,J=5.5,4.0,2.
9,2.5Hz),3.93(2H,dd,J=11.
2,5.5Hz),4.17(2H,dd,J=11.
2,2.9Hz),6.95(2H,dd,J=8.
1,<1.0Hz),7.03(2H,dd,J=7.
3,1.0Hz),7.24(4H,m)。13C NM
R(CDCl3,100MHz)δ44.3(t),5
0.2(d),68.9(t),112.6(d),1
21.0(d),128.3(s),128.5
(d),131.4(d),155.9(s)。
【0029】 調製例2:2,2’−ビス(グリシドキ
シ)−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルビフェ
ニル(エポキシ樹脂D)の調製 精製にエタノールを用いた以外調製例1と同様にして、
白色の固体結晶を得た。収率は85%、融点は185〜
186℃であった。最終生成物の分光データは以下のと
おりである。1 H NMR(CDCl3,200MHz)δ1.33
(18H,s),1.43(18H,s),2.19
(2H,dd,J=4.9,2.7Hz),2.63
(2H,dd,J=4.9,4.4Hz),3.00
(2H,dddd,J=5.5,4.4,3.3,2.
7Hz),3.57(2H,dd,J=11.0,5.
6Hz),3.68(2H,dd,J=11.0,3.
3Hz),7.14(2H,d,J=2.4Hz),
7.38(2H,d,J=2.4Hz)。MS(m/
e):522(M+),466(base),451,
337,225,57,41,29。
【0030】 調製例3:1,1’−ビス[(4−グリシ
ドキシ−3−フェニル)フェニル]−2−メチルプロパ
ン(エポキシ樹脂B)の調製 精製にメチルエチルケトンとトルエンを3:1で混合し
た混合物を使用して分離し、再結晶にトルエンを用いた
こと以外調製例1と同様にして、白色固体を得た。収率
は85〜90%、融点は131〜134℃であった。最
終生成物の分光データは以下のとおりである。1 H NMR(CDCl3,200MHz)δ0.83
(6H,d,J=6.5Hz),2.37(1H,ds
ept,J=11.0,6.5Hz),2.57(2
H,dd,J=4.9,2.7Hz),2.71(2
H,dd,J=4.9,4.4Hz),3.15(2
H,dddd,J=5.0,4.4,3.0,2.7H
z),3.31(1H,d,J=11.0Hz),3.
86(2H,dd,J=11.1,5.0Hz),4.
07(2H,dd,J=11.1,3.0Hz),6.
81(2H,d,J=8.2Hz),7.12(2H,
dd,J=8.2,2.0Hz),7.20(2H,
d,J=2.0Hz),7.30(6H,m),7.4
5(4H,dd,J=6.9,1.7Hz)。
【0031】 実施例1〜3および比較例1 エポキシ樹脂、硬化剤、82wt%の溶融したシリカ粉
末、0.85wt%の硬化促進剤、ならびに1.75w
t%の添加剤(例えば表面処理剤、難燃性付与剤、離型
剤、および着色剤など)を、二本ロール混練機を使用し
85〜130℃で完全に混合させた。ついで、得られた
混合物を半分砕いて分析に使用した。使用したエポキシ
樹脂の化学式および当量は表1のとおりである。また、
各実施例および比較例中のエポキシ樹脂および硬化剤の
用量は表2のとおりである。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】エポキシ樹脂Yは公知のエポキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂B、D、Oは調製例1〜3で調製された本発
明に特有のエポキシ樹脂である。硬化剤はフェノールホ
ルムアルデヒドノボラック樹脂で、軟化点は70〜75
℃、ヒドロキシル基の当量は103g/eq.であっ
た。
【0035】 続いて、エポキシ樹脂組成物の粉末を以下
の手順で分析した。 (A)吸水率 サンプルの粉末(エポキシ樹脂組成物の粉末)を、SE
MI G66−96に基づいて熱圧縮機で成形し、厚さ
3mm直径50mmのサンプルをえた。ついで約175
℃で後硬化処理を施した後、さらに85℃/85%RH
の恒温恒湿器に72時間入れ、恒温恒湿器に入れる前後
のサンプルの重量を測定し、吸水率を求めた。
【0036】 (B)ゲル化時間 サンプルの粉末を少量だけ取って175℃の熱板上に置
き、サンプルが流動性を失うまで撹拌し、ゲル化時間を
測定した。 (C)スパイラルフロー長さ SEMI G11−88により測定した。その主要な測
定条件は下記の通りである。 1.硬化時間:90秒 2.硬化温度:175℃ 3.トランスファー成形圧:6.895±0.177M
Pa(1000±25psi) 4.トランスファー成形速度:少なくとも25.4mm
/sec(1”/sec)
【0037】 (D)ガラス転移温度および熱膨張係数 SEMI G13−88に基づき、ホットプレスにより
直径5mmの円柱状のサンプルを作成した。175℃の
オーブンで後硬化処理を6時間以上施した後、サンプル
を厚さ5mmに切り、サーモメカニカルアナライザー
(TMA)のなかに置き、測定を行った。温度上昇率は
5℃/minであった。
【0038】 表2の実験結果から、材料にエポキシ樹脂
BまたはDが含有されると、吸水率と熱膨張係数の低
下、およびガラス転移温度の上昇を達成できることがわ
かる。また、エポキシ樹脂DまたはOは、明らかに流動
性を高めることができる。
【0039】 実施例4〜6および比較例2,3 サンプルの調製法、使用する硬化剤の種類、および添加
剤の種類・容量はすべて実施例1〜3と同様にした。硬
化促進剤の容量は0.7wt%、各組成物の組成および
性質は表3のとおりである。ここで、エポキシ樹脂M
は、日本化薬会社による多官能価エポキシ樹脂であり、
当量は160〜170、商品名はEPPN−501であ
る。エポキシ樹脂Nは、住友化学によるO−クレゾール
ノボラックエポキシ樹脂であり、当量は190〜20
5、商品名はESCN−195XFである。表3の実験
結果より、エポキシ樹脂OまたはBは、材料の吸水率を
下げると同時に流動性を高められることがわかる。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】以上の実施例の結果より、本発明のエポ
キシ樹脂組成物が低吸湿性、低熱膨張係数、高流動性、
高耐熱性という特性を備えていることがわかる。よっ
て、本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体のパッケー
ジ材料に特に適しており、そのほか成形材料、粉体塗
装、接着剤、プリント回路板材料などとして使用するこ
ともできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 23/31 (72)発明者 張 秀蓉 台湾台北市忠孝東路3段217巷2弄13− 2号 (72)発明者 黄 永慈 台湾新竹市安富街41号 (72)発明者 ▲ぎん▼ 盟松 台湾新竹市光復路1段367巷50弄4号1 楼 (72)発明者 鄭 功龍 台湾新竹市北大路116巷10号14楼之2 (56)参考文献 特開 平9−8178(JP,A) 特開 平8−48750(JP,A) 特開 平7−118366(JP,A) 特開 平7−82341(JP,A) 特開 平6−239970(JP,A) 特開 平6−25384(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/24 C08L 63/00 - 63/10 C09D 163/00 - 163/10 C09J 163/00 - 163/10 H01L 23/29

Claims (34)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記式 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 もしくは 【化5】 で表されるフェノール類エポキシ樹脂よりなる群から選
    択された化学式(I) 【化6】 で表されるフェノール類エポキシ樹脂(ここで、各R 1
    は互いに同一でも異なってもよく、各自独立して水素、
    炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数6〜10の芳 香族
    基、および炭素数1〜6の炭化水素基で置換された炭素
    数6〜10の芳香族基よりなる群から選択されたもの
    を、 各R 2 は互いに同一でも異なってもよく、それぞれ独立
    して水素、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数6〜10
    の芳香族基、または炭素数1〜6の炭化水素基で置換さ
    れた炭素数6〜10の芳香族基を示す。) または、化学
    式(II) 【化7】 で表されるフェノール類エポキシ樹脂(ここで、各R 1
    は互いに同一での異なってもよく、各自独立して水素、
    炭素数1〜6の炭化水素基および炭素数6〜10の芳香
    族基よりなる群から選択された基を示す。)と、 (B)上記フェノール類エポキシ樹脂(A)とは異なる
    エポキシ樹脂と、および(C)硬化剤、 よりなり、かつ上記フェノール類エポキシ樹脂(A)が
    全エポキシ樹脂の1〜99wt%を占め、エポキシ樹脂
    (B)が全エポキシ樹脂の1〜99wt%を占め、硬化
    剤がエポキシ樹脂組成物の1〜90wt%を占めるもの
    であるエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール類エポキシ樹脂(A)が式
    (II)で表されるフェノール類エポキシ樹脂であっ
    て、かつ同式中の前記R1が、それぞれ独立して水素、
    メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
    基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペン
    チル基、ヘキシル基、またはフェニル基である請求項1
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記R1が、それぞれ独立して水素、メ
    チル基、t−ブチル基、またはフェニル基である請求項
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 式(II)で表されるフェノール類エポ
    キシ樹脂が 【化8】 または 【化9】 である請求項2または3に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記フェノール類エポキシ樹脂(A)
    が、全エポキシ樹脂の4〜90wt%を占める請求項
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記エポキシ樹脂(B)が、フェノール
    類エポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ノボ
    ラック(o−クレゾールノボラック)エポキシ樹脂、ま
    たは多官能価エポキシ樹脂である請求項1に記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記硬化剤(C)が、アミン類、酸無水
    物類、およびフェノール類よりなる群から選択されたも
    のである請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記硬化剤(C)がアミン類である請求
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記アミン類硬化剤の活性酸素と前記エ
    ポキシ樹脂のエポキシ基との当量比が0.5〜3.0で
    ある請求項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 前記硬化剤(C)が酸無水物類である
    請求項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 前記酸無水物類硬化剤の酸無水物と前
    記エポキシ樹脂のエポキシ基との当量比が0.5〜3.
    0である請求項10に記載のエポキシ樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 前記硬化剤(C)が、ノボラック、ク
    レゾールノボラック、レソルシノールノボラック、およ
    びビスフェノールAノボラックよりなる群から選択され
    るフェノール類硬化剤である請求項に記載のエポキシ
    樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 前記フェノール系硬化剤の炭化水素基
    と前記エポキシ樹脂のエポキシ基との当量比が0.5〜
    2.0である請求項12に記載のエポキシ樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 前記フェノール類硬化剤の炭化水素基
    と前記エポキシ樹脂のエポキシ基との当量比が0.6〜
    1.3である請求項12に記載のエポキシ樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 硬化促進剤をさらに含有する請求項1
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 前記硬化促進剤の含量が、エポキシ樹
    脂(A)および(B)の合計量を100wt%としたと
    き0.1〜20wt%である請求項15に記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 前記硬化促進剤が燐化合物、イミダゾ
    ール類、第三級アミン、または有機塩基類などである請
    求項15に記載のエポキシ樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 前記硬化促進剤が、トリフェニルホス
    フィン、トリ(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィ
    ン、トリ(パラトリル)ホスフィン、およびトリフェニ
    ルホスフィットよりなる群から選択される燐化合物であ
    る請求項17に記載のエポキシ樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 前記硬化促進剤が、2−メチルイミダ
    ゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイ
    ミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、および2
    −エチル−4−メチルイミダゾールよりなる群から選択
    されるイミダゾール類である請求項17に記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 前記硬化促進剤が、2−ジメチルアミ
    ノメチルフェノール、およびベンジルジメチルアミンよ
    りなる群から選択される第三級アミンである請求項17
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  21. 【請求項21】 前記硬化促進剤が、2,5−アゾビス
    シクロ[4,3,0]−5−ノネン、1,4−アゾビス
    シクロ[2,2,2]ノネン、および1,8−アゾビス
    シクロ[5,4,0]−7−ウンデセンよりなる群から
    選択される有機塩基類である請求項17に記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  22. 【請求項22】 充填剤、充填剤の表面処理剤、難燃性
    付与剤、離型剤、着色剤、応力除去剤、およびその混合
    物よりなる群から選択される添加剤をさらに含有する請
    求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  23. 【請求項23】 前記充填剤が、結晶性シリカ粉末、溶
    融シリカ粉末、石英ガラス粉末、滑石粉末、ケイ酸アル
    ミニウム粉末、ケイ酸ジルコニウム粉末、アルミニウム
    粉末、および炭酸カルシウム粉末よりなる群から選択さ
    れたものである請求項22に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  24. 【請求項24】 前記充填剤がシリカ粉末系の充填剤で
    ある請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
  25. 【請求項25】 前記充填剤の含量が全エポキシ樹脂組
    成物の1〜97wt%である請求項22に記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  26. 【請求項26】 前記充填剤の含量が全エポキシ樹脂組
    成物の60〜90wt%である請求項25に記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  27. 【請求項27】 前記表面処理剤がシランカップリング
    剤である請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
  28. 【請求項28】 前記難燃性付与剤が、三酸化アンチモ
    ン、リン酸塩、およびプロミドよりなる群から選択され
    たものである請求項22に記載のエポキシ樹脂組成物。
  29. 【請求項29】 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物
    をパッケージ材料として含有する半導体装置。
  30. 【請求項30】 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物
    を含有するパッケージ材料。
  31. 【請求項31】 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物
    を含有する成形材料。
  32. 【請求項32】 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物
    を含有する粉体塗装材料。
  33. 【請求項33】 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物
    を含有する接着剤。
  34. 【請求項34】 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物
    を含有するプリント回路板材料。
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