JP2509842B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂改質剤および樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂改質剤および樹脂組成物

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JP2509842B2
JP2509842B2 JP8796492A JP8796492A JP2509842B2 JP 2509842 B2 JP2509842 B2 JP 2509842B2 JP 8796492 A JP8796492 A JP 8796492A JP 8796492 A JP8796492 A JP 8796492A JP 2509842 B2 JP2509842 B2 JP 2509842B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体封止用エポキシ
樹脂改質剤およびこの改質剤を用いた樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の高密度化、大型化に
伴い半導体素子をエポキシ樹脂にて封止した場合、半導
体素子やリードフレームとこの封止樹脂との線膨張率の
差による熱応力がかかることにより、封止部分にクラッ
クが生じたり、ボンディング線が切断されるなど、半導
体装置の信頼性が低下するという問題点がある。従来、
この熱応力を低減する為に用いる半導体封止用エポキシ
樹脂改質剤として、末端または分子内にエポキシ基を含
有する合成ゴム(特開昭61−62512号公報)が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の改質剤を用いたエポキシ樹脂系封止剤は成形性および
耐湿性は良いが、種々の問題を抱えている。つまり分子
内にエポキシ基を有するポリブタジエンを改質剤として
用いた場合は熱応力を低減する効果は不充分であり、ま
た末端にエポキシ基を有する1,4-ポリブタジエンゴムを
改質剤として用いた場合は、リードフレーム等の金属と
の接着力を向上する効果に乏しい。また半導体封止用エ
ポキシ樹脂の塩素含量の少ないものであることが不可欠
であることは広く認知されており、これは電気絶縁性,
リード線の腐食等の悪影響を及ぼさないためである。半
導体封止用に主に用いられる芳香族系エポキシ樹脂の塩
素含量が0.1重量%以下であることから同様の塩素含量が
改質剤にも要求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱応力を
低減する効果や、金属との接着性が従来より更に向上
し、且つ塩素含量の少ない半導体封止用エポキシ樹脂改
質剤を得るべく鋭意検討した結果、特定のポリブタジエ
ンゴムのグリシジルエーテルで塩素含量の少ないものか
らなる改質剤がこれらの要求を満たすことを見いだし、
本発明に到達した。即ち本発明は、1,2-ポリブタジエン
グリコールのグリシジルエーテル(I)、または(I)と
フェノール系化合物のホルムアルデヒド縮合物(II)と
の反応物からなる半導体封止用エポキシ樹脂改質剤;1,
2-ポリブタジエングリコールのグリシジルエーテル
(I)、フェノール系化合物のホルムアルデヒド縮合物
(II)、芳香族系エポキシ樹脂(III)および フィラー
(IV)を必須成分とする半導体封止用エポキシ樹脂組成
物;並びに1,2-ポリブタジエングリコールのグリシジル
エーテル(I)とフェノール系化合物のホルムアルデヒ
ド縮合物(II)との反応物、芳香族系エポキシ樹脂(II
I)およびフィラー(IV)を必須成分とする半導体封止
用エポキシ樹脂組成物である。
【0005】本発明において、グリシジルエーテル
(I)の塩素含量は、通常0.1重量%以下、好ましくは0.0
5重量%以下である。塩素含量が0.1重量%より高いと、電
気絶縁性,リード線の腐食等の悪影響を及ぼし、耐湿性
も低下する。
【0006】該グリシジルエーテル(I)の数平均分子
量は、通常500〜3000、好ましくは700〜1500である。50
0未満では、前記熱応力低減効果が低下し、3000を越え
ると、封止用樹脂組成物の粘度が高くなり、成形時の作
業性が低下する。(I)のエポキシ当量は通常250〜2500
g/eq、好ましくは500〜1600g/eqである。
【0007】本発明に記載のエポキシ当量とはエポキシ
1当量当りの樹脂の分子量をいい、また塩素含量とはエ
ポキシ樹脂をジオキサンに溶解し3規定の水酸化カリウ
ムのエタノール溶液を加え還流下、90分加熱した時に脱
離する塩素イオンを硝酸銀溶液で逆滴定し、該エポキシ
樹脂中の塩素原子を重量分率で表したものである。
【0008】また(I)を構成する 1,2-ポリブタジエング
リコールの水酸基からグリシジル基への変換率(グリシ
ジル化率)は通常65%以上、好ましくは85%以上である。
グリシジル化率が65%より低いと本発明の樹脂組成物を
硬化させた物から未変換物がブリードアウトしやすくな
る。
【0009】1,2-ポリブタジエングリコールのグリシジ
ルエーテル(I)中のブタジエン骨格のうち1,2-ブタジ
エン骨格の含有率は通常70%〜99%、好ましくは80%〜
99%である。
【0010】(I)の製法を例示すると、従来知られて
いる1段法及び2段法のどちらの方法でも(I)が得ら
れる。例えば1段法では、1,2-ポリブタジエングリコー
ルを苛性ソーダの存在下に通常、30〜70℃においてエピ
クロルヒドリンと反応させることにより、(I)を合成
することが出来る。2段法では、酸触媒の存在下、1,2-
ポリブタジエングリコールにエピクロルヒドリンを開環
付加反応させ、ついで苛性ソーダを加え脱塩化水素反応
させ、得られたグリシジルエーテルをアルカリ金属水酸
化物で処理・精製することにより合成することができ
る。両方法のうちでは容易に低塩素化できる点で1段法
が好ましい。
【0011】本発明において、フェノール系化合物のホ
ルムアルデヒド縮合物(II)はフェノール系化合物とホ
ルムアルデヒドとの縮合反応物である。このフェノール
系化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノ
ール、ビスフェノールA、ビス フェノールF、レゾル
シン、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロールなど
が 挙げられる。これらのうち好ましいものはフェノー
ルおよびクレゾールである。
【0012】(II)を構成するフェノール系化合物とホ
ルムアルデヒドのモル比は通常1:(0.6〜1)であ
る。(II)の数平均分子量は通常200〜1500、好ましく
は300〜1000である。
【0013】(II)の製法を例示すると、上記に例示し
たフェノール系化合物とホルムアルデヒドとを酸性触媒
下で縮合反応させることによって(II)が得られる。反
応温度は通常50〜100℃、反応時間は通常1〜10時間であ
る。
【0014】本発明の改質剤は(I)または(I)と(I
I)との反応物からなる。(I)と(II)との反応物の製
法を例示すると、(I)と(II)を、リン系化合物、ア
ミン系化合物あるいはイミダゾール系化合物などの触媒
の存在下、且つ窒素雰囲気下で、通常100〜170℃、1〜2
0時間の条件で反応させることにより該反応物が得られ
る。(I)と(II)を反応させる際、(I)と(II)をは
じめに全量投入して反応させてもよく、(I)および(I
I)の一部分をまず投入し反応させ、その後(II )の残
量を追加投入し反応させてもよい。両者のうち(II)を
分けて投入する方が、本発明の組成物とリードフレーム
等の金属との接着性が向上するため好ましい。(II)を
分けて投入する場合、1段目の反応は、(I)のエポキ
シ基と(II) の水酸基との比率が1:2〜8となり、
最終の比率が1:10〜100となる様、(I)に対す
る(II)の投入量を調整するとよい。
【0015】本発明において、芳香族系エポキシ樹脂
(III)としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ
樹脂(たとえばビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ルなど);フェノールノボラック型エポキシ樹脂(たと
えばフェノールノボラックのポリグリシジルエーテル、
アルキルベンゼン変性フェノールノボラックのポリグリ
シジルエーテルなど);クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(たとえばオルトクレゾールノボラックのポリグ
リシジルエーテルなど);フェノール型エポキシ樹脂
(たとえばレゾルシンのジグリシジルエーテル、フロロ
グリシンのジグリシジルエーテルなど)などが挙げられ
る。好ましくはフェノールノボラック型エポキシ樹脂及
びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である。
【0016】(III)の数平均分子量は通常100〜1500、
好ましくは200〜1000である。(III)のエポキシ当量は
通常50〜1000g/eq、好ましくは100〜300g/eqである。
【0017】本発明の組成物は(I)〜(IV)を必須成
分とするか、または(I)と(II)との反応物、(III)
および(IV)を必須成分とするものであるが、好ましい
ものは後者である。
【0018】この何れの組成物の場合も、(I)および
(III)におけるエポキシ基の合計と(II)におけるフ
ェノール性水酸基との当量比は、通常0.6〜1.4、好まし
くは0.75〜1.25である。0.6未満でも1.25を越えても、
硬化物の強度が低下する。
【0019】また、この何れの組成物の場合も(I)の
量は、(III)の重量に対して通常1〜70重量%、好まし
くは2〜50重量%である。また、(I)の量は、(I)、
(II)および(III)の合計重量に基づいて通常1〜50重
量%、好ましくは2〜30%である。1%未満では、応力低
減効果が低下し、また50%を越えると耐熱性が低下す
る。
【0020】本発明において、フィラー(IV)としては
結晶性シリカ、溶融シリカ、石英ガラス、アルミナ、ジ
ルコン、マグネシア等が挙げられる。(IV)の量は(II
I)100重量部に対し、通常200〜800重量部である。
【0021】本発明の樹脂組成物には必要により硬化促
進剤を配合することが出来る。硬化促進剤としては、ト
リフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等のリン
系化合物類、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダ
ゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイ
ミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、等のイ
ミダゾール類、2-(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、ベンジルジメチルアミン、α-メチルベンジルメチ
ルアミン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等
の第3級アミン類が挙げられる。
【0022】硬化促進剤を用いる場合の添加量は、(II
I)100重量部に対し、通常0.1〜5.0重量部、好ましくは
0.2〜3.0重量部である。
【0023】また、本発明の組成物には、必要に応じ
て、例えば高級脂肪酸またはその金属塩、天然ワック
ス、合成ワックス、パラフィンなどの離型剤、エポキシ
シラン、ビニルシラン等のカップリング剤あるいは、ア
ンチモンリン化合物等の難燃化剤を使用することが出来
る。
【0024】離型剤、カップリング剤および難燃化剤を
用いる場合の添加量はそれぞれ(III)100重量部に対
し、通常0.1〜5重量部である。
【0025】本発明の半導体封止用樹脂組成物の製造法
を例示すると、(I)、(II)、(III)、(IV)および
必要により上記に例示したその他の添加剤を同時に配合
するか、または(I)と(II)との反応物、(III)、
(IV)および必要によりその他の添加剤を配合し、次い
でこのようにして得られた配合物を加熱ロールなどの混
練機で混練後、冷却、粉砕し必要に応じて打錠するとい
う一連の工程を経ることにより本発明の樹脂組成物を得
ることができる。
【0026】本発明の樹脂組成物は必要により部分的に
硬化(Bステージ、構成成分中のエポキシ基が部分的に
反応した半硬化状態)させて使用することができる。こ
の半硬化状態で半導体素子の封止に用いる場合は、成形
時の温度条件下で流動性があればよい。この部分的な硬
化は通常50〜150℃、5分〜5時間の条件で行うことがで
きる。
【0027】本発明の樹脂組成物を用いて半導体素子を
封止する方法は特に限定されるものではなく、通常の方
法、例えばトランスファー成形などの公知のモールド法
により行うことができる。トランスファー成形の場合、
圧力は通常50〜90kg/cm2、温度は通常160〜200℃、時間
は60秒〜180秒である。このようにして得られた半導体
装置は封止部分の内部応力が小さく、リードフレームと
の接着性が良く、パッケージクラックの発生数を低減さ
せる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例お
よび製造例中の部は重量部である。
【0029】製造例1 (グリシジルエーテルの合成)ポリブタジエングリコール
[NISSO PB G-1000、数平均分子量1450、1,2-ブタジ
エン骨格/1,4-ブタジエン骨格=90/10、日本曹達
(株)製]100部、エピクロルヒドリン35部、水酸化ナ
トリウム16部、及びトルエン50部を仕込み、激しく攪拌
しながら窒素雰囲気下で50℃、5時間反応させた。反応
後、水100部を加え10分攪拌して水洗した。静置後、上
層を分液し、濾過後、過剰のエピクロルヒドリンとトル
エンを減圧除去し、残渣として1,2-ポリブタジエングリ
コールのグリシジルエーテル(イ)90部を得た。このグ
リシジルエーテルのエポキシ当量は895g/eqであ
り、グリシジル化率は87%であった。また塩素含量は
0.042重量%であった。
【0030】製造例2 (グリシジルエーテルの合成)ポリブタジエングリコール
[NISSO-PB G-2000、数平均分子量2500、1,2-ブタジエ
ン骨格/1,4-ブタジエン骨格=90/10、日本曹達(株)
製]100部、エピクロルヒドリン35部、水酸化ナトリウ
ム16部及びトルエン50部を仕込み、激しく攪拌しながら
窒素雰囲気下で50℃、5時間反応させた。反応後、水100
部を加え10分攪拌して水洗した。静置後、上層を分液
し、濾過後、過剰のエピクロルヒドリンとトルエンを減
圧除去し、残渣として1,2-ポリブタジエングリコールの
グリシジルエーテル(ロ)90部を得た。このグリシジル
エーテルのエポキシ当量は1520g/eqであり、グ
リシジル化率は85.5%であった。また塩素含量は0.
028重量%であった。
【0031】製造例3 [(I)と(II)との反応物の合成]フェノールノボラ
ック樹脂[TAMANOL758、荒川化学(株)製]100部、参
考例1で合成した1,2-ポリブタジエングリコールのグリ
シジルエーテル(イ)20部およびトリフェニルホスフィ
ン1部を窒素を吹き込みながら150℃で3時間反応させ反
応物(ハ)を得た。
【0032】製造例4 [(I)と(II)との反応物の合成]フェノールノボラ
ック樹脂[TAMANOL758、荒川化学(株)製]100部、参
考例2で合成した1,2-ポリブタジエングリコールのグリ
シジルエーテル(ロ)40部および2-エチル-4-メチルイ
ミダゾール0.5部を窒素を吹き込みながら160℃で2時間
反応させ反応物(ニ)を得た。
【0033】製造例5 [(I)と(II)との反応物の合成]フェノールノボラ
ック樹脂[TAMANOL758、荒川化学(株)製]100部、参
考例1で合成した1,2-ポリブタジエングリコールのグリ
シジルエーテル(イ)40部およびトリフェニルホスフィ
ン0.5部を窒素を吹き込みながら150℃で3時間反応させ
反応物(ホ)を得た。
【0034】製造例6 [(I)と(II)との反応物の合成]フェノールノボラ
ック樹脂[TAMANOL758、荒川化学(株)製]100部、参
考例2で合成した1,2-ポリブタジエングリコールのグリ
シジルエーテル(ロ)40部および1,8-ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン-7 1部を窒素を吹き込みながら150
℃で3時間反応させ反応物(ヘ)を得た。
【0035】製造例7 [(I)と(II)との反応物の合成]フェノールノボラ
ック樹脂[TAMANOL758、荒川化学(株)製]30部、参考
例1で合成した1,2-ポリブタジエングリコールのグリシ
ジルエーテル(イ)40部およびトリフェニルホスフィン
0.3部を窒素を吹き込みながら150℃で1時間反応させ、
その後上記フェノールノボラック樹脂70部およびトリフ
ェニルホスフィン0.7部を加え、さらに150℃で3時間反
応させ反応物(ト)を得た。この場合、(I)のエポキ
シ基と(II)の水酸基の当量比は、はじめ1:6.4であ
り、最終で1:21.5であった。
【0036】製造例8 [(I)と(II)との反応物の合成]フェノールノボラ
ック樹脂[TAMANOL758、荒川化学(株)製]15部、参考
例1で合成した1,2-ポリブタジエングリコールのグリシ
ジルエーテル(イ)40部およびトリフェニルホスフィン
0.3部を窒素を吹き込みながら150℃で1時間反応させ、
その後上記フェノールノボラック樹脂70部およびトリフ
ェニルホスフィン0.7部を加え、さらに150℃で3時間反
応させ反応物(チ)を得た。この場合、(I)のエポキ
シ基と(II)の水酸基の当量比は、はじめ1:3.2であ
り、最終で1:21.5であった。
【0037】製造例9 [(I)と(II)との反応物の合成]フェノールノボラ
ック樹脂[TAMANOL758、荒川化学(株)製]10部、参考
例2で合成した1,2-ポリブタジエングリコールのグリシ
ジルエーテル(ロ)40部およびトリフェニルホスフィン
0.1部を 窒素を吹き込みながら150℃で2時間反応させ、
その後上記フェノールノボラック樹脂90部およびトリフ
ェニルホスフィン0.4部を加え、さらに150℃で3時間反
応させ反応物(リ)を得た。この場合、(I)のエポキ
シ基と(II)の水酸基の当量比は、はじめ1:3.7であ
り、最終で1:37.2であった。
【0038】製造比較例1 フェノールノボラック樹脂[TAMANOL758、荒川化学
(株)製]100部、分子内エポキシ基含有1,2-ポリブタ
ジエン[NISSO-PB BF-1000,日本曹達(株)製,数平
均分子量1000,エポキシ当量210g/eq]20部およびトリ
フェニルホスフィン1部を窒素を吹き込みながら150℃で
1時間反応させ反応物(ヌ)を得た。
【0039】製造比較例2 フェノールノボラック樹脂[TAMANOL758、荒川化学
(株)製]100部、末端エポキシ基含有1,4-ポリブタジ
エン[Poly bd R-45EPT,出光石油化学(株)製,数
平均分子量2800,エポキシ当量1500g/eq,塩素含量0.6
重量%]20部およびトリフェニルホスフィン1部を窒素を
吹き込みながら150℃で1時間反応させ反応物(ル)を得
た。
【0040】製造比較例3 フェノールノボラック樹脂[TAMANOL758、荒川化学
(株)製]100部、分子内エポキシ基含有1,4-ポリブタ
ジエン[Polybd R-45EPI,出光石油化学(株)製,数
平均分子量2800,エポキシ当量200g/eq]20部およびト
リフェニルホスフィン1部を窒素を吹き込みながら150℃
で1時間反応させ反応物(ヲ)を得た。
【0041】実施例1〜9、比較例1〜3 製造例1〜9、比較製造例1〜3で得た(イ)〜(ヲ)
の各化合物を用い、且つ下記表1に示す実施例1〜9、
比較例1〜3の各処方に基づいて、各々全成分を混合し
た。ついで加熱ロールにより混練後、冷却し、粉砕して
実施例1〜9の本発明の組成物および比較例1〜3の組
成物を調製した。得られた各組成物を175℃/3分の条件
で成形し、180℃/16時間の後硬化を行い、硬化試験片を
作製した。得られた成形品の曲げ弾性率、ガラス転移点
及び120℃、2気圧、200時間のプレッシャークッカーテス
ト前後の体積抵抗率を測定した。また得られた各組成物
を用い48pinフラットパッケージにSi半導体素子を載せ1
75℃/120秒でトランスファー成形でモールドし、その後
175℃/5時間のアフターキュアを行った。このようにし
て得られた半導体装置(各10個)について-196℃/2分
〜150℃/2分の1000回の温度サイクルテスト(TCTテス
ト)を行い、パッケージクラック発生数を測定した。ク
ラックが発生しないものは素子と封止部分との接着性も
良い。結果を下記表2に示す。
【0042】
【表1】 (単位:重
量部)
【0043】注) a:クレゾールノボラックエポキシ樹脂(スミエポキシ
ESCN220L、エポキシ当量210、住友化学(株)製) b:フェノールノボラック樹脂(TAMANOL758、荒川化学
(株)製) c:トリフェニルホスフィン d:1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7 e:溶融シリカ f:シランカップリング剤 g:カルナバワックス h:三酸化アンチモン i:カーボンブラック
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の改質剤を用いた本発明の半導体
封止用エポキシ樹脂組成物は、熱応力が低減する効果が
従来よりも更に向上し、金属との接着性に優れたもので
ある。半導体素子やリードフレームと封止樹脂との線膨
張率の差による熱応力を吸収して低減することにより、
封止部分にクラックが生じたり、ボンディング線が切断
されるなど、半導体装置の信頼性が低下することがな
い。また、金属との接着性が従来より向上し、透湿性が
小さいため耐湿性を保持し、しかも耐熱性が優れ、低弾
性率である。また本発明の改質剤及びこれを用いた本発
明のエポキシ樹脂組成物中の塩素含量が低いため半導体
装置の長期信頼性が高い。上記効果を奏することから、
本発明の改質剤および樹脂組成物は半導体封止用として
好適である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2-ポリブタジエングリコールのグリシ
    ジルエーテル(I)、または(I)とフェノール系化合物
    のホルムアルデヒド縮合物(II)との反応物からなり、
    (I)中の塩素含量が、0.1重量%以下であることを特徴
    とする半導体封止用エポキシ樹脂改質剤。
  2. 【請求項2】 (I)を構成する1,2-ポリブタジエング
    リコールのグリシジルエーテル(I)の エポキシ当量が
    250〜2500である請求項1記載の半導体封止用エポキシ
    樹脂改質剤。
  3. 【請求項3】 1,2-ポリブタジエングリコールの水酸基
    からグリシジル基への変換率(グリシジル化率)が、65
    %以上である請求項1または2記載の半導体封止用エポ
    キシ樹脂改質剤。
  4. 【請求項4】 1,2-ポリブタジエングリコール中のブタ
    ジエン骨格のうち1,2-ブタジエン骨格の含有率が70%〜
    99%である請求項1から3のいずれか記載の半導体封止
    用エポキシ樹脂改質剤。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか記載の1,2-ポ
    リブタジエングリコールのグリシジルエーテル(I)、
    フェノール系化合物のホルムアルデヒド縮合物(II)、
    芳香族系エポキシ樹脂(III)および フィラー(IV)を
    必須成分とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1から4のいずれか記載の1,2-ポ
    リブタジエングリコールのグリシジルエーテル(I)と
    フェノール系化合物のホルムアルデヒド縮合物(II)と
    の反応物、芳香族系エポキシ樹脂(III)およびフィラ
    ー(IV)を必須成分とする半導体封止用エポキシ樹脂組
    成物。
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