JP3192018B2 - 電子写真感光体及びそれを有する電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及びそれを有する電子写真装置

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JP3192018B2
JP3192018B2 JP03244793A JP3244793A JP3192018B2 JP 3192018 B2 JP3192018 B2 JP 3192018B2 JP 03244793 A JP03244793 A JP 03244793A JP 3244793 A JP3244793 A JP 3244793A JP 3192018 B2 JP3192018 B2 JP 3192018B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
詳しくは繰り返し使用による画質劣化の少ない耐久性に
優れた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は適用される電子写真プ
ロセスに応じた感度、電気特性及び光学特性を備えてい
ることが必要であるが、さらに繰り返し使用される感光
体にあっては表面層には、帯電、トナー現像、紙への転
写、クリーニングなどのプロセスにより電気的及び機械
的外力が直接加えられるため、これらに対する耐久性が
要求される。具体的には摩擦による表面の摩耗、傷の発
生、また高湿下における表面の劣化等に対する耐久性が
要求される。またトナーによる現像及びクリーニングの
繰り返しにより表面層へトナーが付着するという問題が
あり、これに対しては表面層のクリーニング性の向上が
求められる。上記のような表面層に要求される特性を満
たすため種々の方法が検討されている。その中でフッ素
系樹脂粒子を分散させた樹脂層を表面に設ける手段は、
効果的である。フッ素系樹脂粒子の分散により表面層の
摩擦係数が減少し、クリーニング性の向上、摩耗やキズ
に対する耐久性が向上する作用がある。しかしながらフ
ッ素系樹脂粒子の分散において、その分散性及び凝集性
に問題があり、均一で平滑な膜を形成することが困難で
あり、得られた表面層は画像ムラやピンホール等の画像
欠陥を有することが避けられなかった。また、分散性の
良好なバインダ樹脂、分散助剤等はほとんどの場合、電
子写真特性の劣化を生じており、効果的なものは見いだ
せなかった。分散助剤の例としてフッ素系クシ型グラフ
トポリマーを用いた場合はフッ素系樹脂粒子の分散性は
良好となるが、高湿下における繰り返し使用による画質
劣化が生じるという問題が生じた。すなわち、繰り返し
使用により残留電位が上昇し、画像かぶりを生じた。原
因としては、フッ素系クシ型グラフトポリマーに不純物
として含まれる有機塩類が水分と作用して残留電位が上
昇することが挙げられる。そのため、再沈、洗浄等の種
々の精製方法が試みられたが充分なものは得られなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は前述の要
求に答える電子写真感光体を提供しようとするものであ
る。すなわち、本発明の目的は、表面層の摩擦係数が減
少させ、クリーニング性、摩耗やキズに対する耐久性を
有し、かつ繰り返しの電子写真プロセスにおいて残留電
位の上昇がなく、常に高品位の画像が得られる電子写真
感光体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、導
電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体におい
て、該感光体の表面層が、フッ素系樹脂粒子、及び80
〜200℃で加熱処理した後再沈精製したフッ素系クシ
型グラフトポリマーを含有することを特徴とする電子写
真感光体である。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明で使用されるフッ素系クシ型グラフ
トポリマーの精製方法としては、加熱処理後再沈精製を
行う。
【0007】フッ素系クシ型グラフトポリマーの加熱処
理方法の例としては温風乾燥機、電気炉、赤外線加熱
炉、遠赤外線加熱炉、等による加熱が挙げられる。
【0008】加熱処理温度としてはポリマーのTg(ガ
ラス転移温度)以上で、かつポリマーが熱分解しない温
度であることが必要である。具体的には80〜200℃
である。
【0009】再沈精製とは被精製物を良溶媒に溶解しこ
の溶液を、貧溶媒に滴下して精製する精製方法である
が、本発明のフッ素系クシ型グラフトポリマー精製に用
いる良溶媒としては、精製されるフッ素系クシ型グラフ
トポリマーに対する溶解性が良好であるものが適してお
り、例としては、メチルエチルケトン、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル
類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;トルエ
ン、ベンゼンなどの炭化水素類;クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素類などが挙げられる。
【0010】貧溶媒としては、精製されるフッ素系クシ
型グラフトポリマーに対する溶解性が低いものが適して
おり、例としてはメタノール、エタノール、ブタノー
ル、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;ノル
マルヘキサン、石油エーテル、シクロヘキサンなどの炭
化水素類など、更に水などが挙げられる。
【0011】再沈精製には被精製物を良溶媒に溶解しこ
の溶液を、貧溶媒中に滴下して精製する方法と、逆に被
精製物を良溶媒に溶解し、この溶液中に貧溶媒を滴下し
て精製する方法があるが本発明ではそれぞれの方法を適
時選択できる。
【0012】被精製物を溶解した溶液を、貧溶媒中に滴
下する際は貧溶媒を攪拌しながら滴下することが好まし
い。
【0013】本発明で使用されるフッ素系クシ型グラフ
トポリマーの精製方法としては、加熱処理後再沈精製と
その他の精製方法、例えば抽出、洗浄、加熱処理をしな
い一般的な再沈精製などと組み合わせることが可能であ
る。なお、フッ素系クシ型グラフトポリマーが溶液の状
態で入手した場合は何らかの手段により固体にしてから
精製することが好ましい。
【0014】本発明で使用されるフッ素系クシ型グラフ
トポリマーは、各分子鎖の片末端に重合性の官能基を有
する分子量が1000から10000程度の比較的低分
子量のオリゴマーからなるマクロモノマーとフッ素系重
合性モノマーを共重合して得られるものでありフッ素系
重合体が幹にマクロモノマーの重合体が板状にぶらさが
った構造を有している。マクロモノマーにはグラフトポ
リマーを添加する樹脂が親和性のあるものが選択され、
例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステルあ
るいはスチレン化合物等の重合体や共重合体等が用いら
れる。
【0015】一方、フッ素系重合性モノマーとしては、
以下(1)〜(6)の様な側鎖にフッ素原子を有する重
合性モノマーの1種あるいは2種以上が用いられるが、
何らこれに限定されるものではない。
【0016】
【化1】
【0017】〔式中R1 は水素原子またはメチル基を表
わす。R2 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、ニトリル基を表し、その数種類の組み合せ
でも良い。nは1以上の整数、mは1〜5の整数、kは
1〜4の整数を表わし、m+k=5である。)フッ素系
クシ型グラフトポリマー中におけるフッ素系モノマー残
基の含量は、フッ素系クシ型グラフトポリマー中5〜9
0重量%が好ましく、10〜70重量%がさらに好まし
い。フッ素系モノマー残基の含量が5重量%未満より少
ないと、疎水化の改質効果は充分に発揮できず、又、フ
ッ素系モノマー残基の含量が90重量%を超えるとマク
ロモノマーとの溶解性が悪くなる。
【0018】本発明に用いるフッ素系樹脂粒子として
は、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹
脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹
脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹
脂およびこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以
上を適宜選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチ
レン樹脂、フッ化ビニルデン樹脂が好ましい。樹脂の分
子量や粒子の粒径は、適宜選択することができ特に制限
されるものではない。
【0019】フッ素系グラフトポリマーの存在によりフ
ッ素系樹脂粒子の分散性が向上し、また塗膜形成時の凝
集が防止されるので極めて均一で平滑なテフロン分散層
が形成される。またフッ素系グラフトポリマーは上述の
如き構造を有しているので、樹脂層形成用のバインダー
樹脂を含有する塗工液に対する相溶性が優れているた
め、表面層上へ移行や浸み出しがない。更に、くり返し
電子写真プロセスによる残留電荷の蓄積がなく、安定し
た帯電特性が得られる。分散されるフッ素系樹脂粒子の
含量は固形分重量にもとずいて、1〜40%が適当であ
り、特に5〜30%が好ましい。含量が1%未満ではフ
ッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分でなく、一
方50%を越えると光通過性が低下し、且つキャリヤー
の移動性も低下する。またフッ素系グラフトポリマーの
含量は、固形分重量にもとずいて0.01〜10%が適
当であり、特に0.02〜2%が好ましい。0.01%
未満ではフッ素系樹脂粒子の分散性改良効果が十分では
なく、一方10%を越えるとグラフトポリマーが塗膜表
面だけでなく、パルク中にも存在するようになるため樹
脂との相溶性の問題から、くり返し電子写真プロセスを
行ったときの残留電荷の蓄積が生じてくる。樹脂層を形
成するためのバインダー樹脂は、成膜性のある高分子で
あればよいが、単独でもある程度の硬さを有すること、
キャリャー輸送を妨害しないことなどの点から、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリエステル、ポリスルホンなどが好ましい。
【0020】本発明の電子写真感光体を作成するための
塗布液の調合方法例としては、バインダ樹脂、電荷輸送
剤等を溶媒と共にフッ素系樹脂粒子、フッ素系クシ型グ
ラフトポリマーを同時に分散する方法、また、フッ素系
樹脂粒子、フッ素系クシ型グラフトポリマー及びバイン
ダ樹脂をあらかじめ分散して分散液を作成し、あらかじ
め分散した塗布液に混合する方法が挙げられる。本発明
に用いる電子写真感光体用塗布液、またはフッ素系樹脂
粒子分散液の作成にあたっては単なる攪拌混合でも良い
が必要に応じて、ボールミル、ロールミル、サンドミ
ル、などの分散手段を用いる。
【0021】本発明に用いる電子写真感光体用塗布液、
またはフッ素系樹脂粒子分散液の作成に用いる溶媒とし
ては塗布液中のバインダ樹脂、電荷輸送物質に対する溶
解性、顔料に対する分散性、塗布性に対して良好なもの
を選定する。
【0022】本発明の電子写真感光体で用いられる導電
性支持体の材質の例としては、アルミニウム、銅、ニッ
ケル、銀などの金属またはこれらの合金;酢酸アンチモ
ン、酸化インジウム、酸化スズなどの導電性金属酸化
物、カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイ
ト粉末と樹脂を混合成型したものなどが挙げられる。
【0023】さらに、支持体上の欠陥の被覆、支持体の
保護のため支持体上に導電層を設けることも可能である
例えばアルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉
体;酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズなどの
導電性金属酸化物;ポリピロール、ポリアニリン、高分
子電解質などの高分子導電材;カーボンファイバ、カー
ボンブラック、グラファイト粉末;またはこれら導電性
物質で表面を被覆した導電性粉体などの導電性物質をア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂等の熱可塑性樹脂;ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂;光硬化
樹脂などのバインダ樹脂に分散したもの、さらに必要に
応じた添加剤を加えたものを支持体上に塗布したものが
挙げられる。
【0024】さらに、感光層の接着性向上、支持体から
の電荷注入性の改良のため中間層を設けることも可能で
ある。中間層の材料としては、例えばゼラチン、エチレ
ン・アクリル酸コポリマー、ニトロセルロース樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂等の樹脂が挙げられ、これらを適当な溶
媒に溶解したものを支持体上に塗布する。さらに必要に
応て添加剤を加えることも可能である。
【0025】感光層は単一層構造でも、電荷発生層と電
荷輸送層に機能分離した積層構造でも良い。
【0026】積層構造感光体の電荷発生層用材料として
は例えば、スダーンレッド、クロルダイアンブルーなど
のアゾ顔料、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニ
ンなどのフタロシアニン顔料、アントアンスロンなどの
キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料などの電荷発
生物質をアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルベンザール樹脂な
どの熱可塑性樹脂;ポリウレタン樹脂 フェノール樹
脂、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂などのバインダ樹脂
に分散したものが挙げられ、適当な溶媒に分散し塗布方
法したものが挙げられる。さらに必要に応じた添加剤を
加えることも可能である。
【0027】電荷輸送層用材料としては例えば、ヒドラ
ゾン系化合物、スチベン系化合物、ピラゾリン系化合
物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリ
アリールメタン系化合物などの電荷輸送物質およびアク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリメタアクリレート樹脂などの熱可
塑性樹脂;ポリウレタン樹脂 フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂などの熱硬化樹脂などのバインダ樹脂をメタノー
ル、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコー
ル、などのアルコール類。メチルエチルケトン、アセト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステ
ル類;ノルマルヘキサン、石油エーテル、トルエンなど
の炭化水素類;モノクロルベンゼン、ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭化水素など、その他適当な溶媒に分散
したもの、さらに必要に応じた添加剤を加えたものを塗
布したものが挙げられる。また、導電性ポリマーが挙げ
られる。
【0028】本発明で用いられる塗布方法としては、浸
漬塗布法、スプレイ塗布法、ロールコータ塗布法、グラ
ビアコータ塗布法などに適応できる。
【0029】本発明でフッ素系樹脂粒子、及び加熱処理
した後再沈精製したフッ素系クシ型グラフトポリマーを
含有させる層としては感光体の表面層(直接トナーおよ
び、現像装置、クリーニング装置等に接触する層)に適
用することが有効である。感光体の層構成の例として
は、単一層構造のものでは感光層は、電荷発生層上に電
荷輸送層を設けた機能分離した積層感光体では電荷輸送
層に、電荷輸送層上に電荷発生層を設けさらにその上に
導電層を設けたタイプの積層感光体では導電層に、また
感光層上に保護層を設けた感光体では保護層に用いるこ
とが可能である。
【0030】図1に本発明の電子写真感光体を用いた一
般的な転写式電子写真装置の概略構成例を示した。
【0031】図において、1は像担持体としての本発明
のドラム型感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定
の周速度で回転駆動される。該感光体1はその回転過程
で帯電手段2によりその周面に正または負の所定電位の
均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手
段により光像露光L(スリット露光・レーザービーム走
査露光など)を受ける。これにより感光体周面に露光像
に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0032】その静電潜像はついで現像手段4でトナー
現像されそのトナー現像像が転写手段5により不図示の
給紙部から感光体1と転写手段5との間に感光体1の回
転と同期取り出されて給紙された転写材Pの面に順次転
写されていく。
【0033】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0034】像転写後の感光体1の表面はクリーニング
手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化さ
れ、更に前露光手段7により除電処理されて繰り返して
像形成に使用される。
【0035】感光体1の均一帯電手段2としてはコロナ
帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置5
もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。電子写
真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング
手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニット
として一体に結合して構成し、このユニットを装置本体
に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、感光体1
とクリーニング手段6とを一体化してひとつの装置ユニ
ットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着
脱自在の構成にしても良い。このとき、上記の装置ユニ
ットの方に帯電手段および/または現像手段を伴って構
成しても良い。
【0036】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光、あるいは原稿を読取り信号化し、この信号によ
りレーザビームの走査、LEDアレイの駆動、または液
晶シャッターアレイの駆動などにより行われる。
【0037】ファクシミリのプリンターとして使用する
場合には、光像露光Lは受信データをプリントするため
の露光になる。図2はこの場合の1例をブロック図で示
したものである。
【0038】コントローラ11は画像読取部10とプリ
ンター19を制御する。コントローラ11の全体はCP
U17により制御されている。画像読取部10からの読
取データは、送信回路13を通して相手局に送信され
る。相手局から受けたデータは受信回路12を通してプ
リンター19に送られる。画像メモリ16には所定の画
像データが記憶される。プリンタコントローラ18はプ
リンター19を制御している。14は電話である。
【0039】回線15から受信された画像情報(回線を
介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受
信回路12で復調された後、CPU17で復号処理が行
われ、順次画像メモリ16に格納される。そして、少な
くとも1ページの画像情報がメモリ16に格納される
と、そのページの画像記録を行なう。CPU17は、メ
モリ16より1ページの画像情報を読み出し、プリンタ
コントローラ18に復号化された1ページの画像情報を
送出する。プリンタコントローラ18は、CPU17か
らの1ページの画像情報を受け取るとそのページの画像
情報記録を行なうべく、プリンター19を制御する。
【0040】尚、CPU17は、プリンター19による
記録中に、次のページの受信を行なっている。
【0041】以上の様にして、画像の受信と記録が行な
われる。
【0042】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービームプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、
レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いること
ができる。
【0043】
【実施例】以下、具体的実施例を挙げて、本発明をさら
に詳しく説明する。
【0044】実施例1 導電層塗布工程として 10%の酸化アンチモンを含有する酸化錫で被覆した導電性酸化チタン 2000重量部 フェノール樹脂 2500重量部 メチルセルソルブ 2000重量部 メタノール 500重量部 をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時
間分散して導電層用塗布液を調整した。
【0045】アルミニウムシリンダ(φ30mm×36
0mm)上に上記塗料を浸漬塗布した後、乾燥装置によ
り160℃で25分乾燥した。導電層の膜厚は20μm
であった。
【0046】次に中間層塗布工程として 再沈精製したNメトキシメチル化ナイロン6 1000重量部 6,12,66,610共重合ナイロン 250重量部 を メタノール 5000重量部 ブタノール 5000重量部 に溶解し、中間層用塗布液を調整した。前述の導電層塗
布済アルミニウムシリンダ上にさらに上記塗料を浸漬塗
布し、乾燥装置により95℃で7分乾燥した。中間層の
膜厚は0.50μmであった。
【0047】次に電荷発生層の塗布工程として 下記構造式のジスアゾ顔料 400重量部
【0048】
【化2】
【0049】 ポリビニルブチラール樹脂 200重量部 (ブチラール化率68%、平均分子量24000) シクロヘキサノン 5000重量部 をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で24
時間分散しさらに テトラヒドロフラン 5000重量部 を加え電荷発生層用塗布液を調整した。さらにこの液を
遠心分離機(7000rpm、30分)でビーズかす、
ごみ等を取り除いた。前述の中間層塗布済シリンダ上に
上記電荷発生層用塗料を浸漬塗布し、85℃で7分乾燥
した。電荷発生層の膜厚は0.15μmであった。
【0050】次にフッ素系クシ型グラフトポリマーの精
製工程として、フッ素系クシ型グラフトポリマー(商品
名 GF−300、東亜合成(株)製)700重量部
(固形分25%)を100ml/minの滴下速度で7
000重量部のメタノール中に滴下した。生成した沈殿
物を吸引ろ過によりメタノールと分離した後、500重
量部のメチルエチルケトンに溶解した。この溶液を10
0ml/minの滴下速度で7000重量部のメタノー
ル中に滴下し再沈精製した。生成した沈殿物を吸引ろ過
によりメタノールと分離回収した後真空乾燥機により5
0℃で24時間乾燥した。このようにして得られた2回
再沈精製されたこの沈殿物をさらに電気炉にて150
℃、2時間加熱処理した。冷却した後500重量部のメ
チルエチルケトンに溶解した。この溶液を100ml/
minの滴下速度で7000重量部のメタノール中に滴
下し再沈精製した。生成した沈殿物を吸引ろ過によりメ
タノールと分離回収した後真空乾燥機により50℃で2
4時間乾燥し、加熱処理した後再沈精製したフッ素系ク
シ型グラフトポリマーを作成した。
【0051】次に4フッ化エチレン樹脂粒子(粉末)分
散液の作成工程として 4フッ化エチレン樹脂粉末(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製 ) 100重量部 ポリカーボネート樹脂 100重量部 前記の工程により精製されたフッ素系クシ型グラフトポリマー 8重量部 モノクロロベンゼン 500重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、4フッ化
エチレン樹脂粉末分散液を作成した。
【0052】次に 下記構造式のスチリル化合物 1200重量部
【0053】
【化3】
【0054】 ポリカーボネート樹脂 800重量部 4フッ化エチレン樹脂粉末分散液 1500重量部 を モノクロロベンゼン 5000重量部 ジクロロメタン 3000重量部 に溶解混合し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この液
を前記電荷発生層塗布済アルミニウムシリンダ上に浸漬
塗布し、130℃で40分乾燥した。電荷輸送層の膜厚
は25μmであった。
【0055】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位(強露光
後の表面電位)の変化を測定し、結果を表1に示した。
【0056】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においても10000枚目においても画像欠陥のない
高品位の画像が得られた。
【0057】実施例2 フッ素系クシ型グラフトポリマーの精製工程として フッ素系クシ型グラフトポリマー(商品名 LF−4
0、綜研化学(株)製)300重量部を50ml/mi
nの滴下速度で8000重量部のメタノール中に滴下し
た。生成した沈殿物を吸引ろ過によりメタノールと分離
した後、沈殿物を真空乾燥機により60℃で24時間乾
燥した。
【0058】さらに、この沈殿物を電気炉にて180
℃、1時間加熱処理した。冷却した後300重量部の酢
酸エチルに溶解した。この溶液を50ml/minの滴
下速度で7000重量部のメタノール中に滴下し再沈精
製した。生成した沈殿物を吸引ろ過によりメタノールと
分離回収した後真空乾燥機により60℃で24時間乾燥
した。
【0059】次に4フッ化エチレン樹脂粉末分散液の作
成工程として 4フッ化エチレン樹脂粉末(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業製) 100重量部 ポリカーボネート樹脂 100重量部 前記の工程により精製されたフッ素系クシ型グラフトポリマー 10重量部 モノクロロベンゼン 600重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、4フッ化
エチレン樹脂粉末分散液を作成した。
【0060】この4フッ化エチレン樹脂粉末分散液を用
い実施例1とまったく同様に電荷輸送層用塗布液を調整
した。この液を実施例1と同様の電荷発生層塗布済アル
ミニウムシリンダ上に浸漬塗布し、130℃で40分乾
燥した。電荷輸送層の膜厚は25μmであった。
【0061】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を
測定し、結果を表1に示した。
【0062】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においても10000枚目においても画像欠陥のない
高品位の画像が得られた。
【0063】実施例3 フッ素系クシ型グラフトポリマーの精製工程として フッ素系クシ型グラフトポリマー(商品名 GF−15
0、亜鉛合成(株)製)400重量部を50ml/mi
nの滴下速度で6000重量部のメタノール中に滴下し
た。生成した沈殿物を吸引ろ過によりメタノールと分離
した後、沈殿物を真空乾燥機により60℃で24時間乾
燥した。
【0064】さらに、この沈殿物を電気炉にて200
℃、1時間加熱処理した。冷却した後400重量部の酢
酸エチルに溶解した。この溶液を50ml/minの滴
下速度で6000重量部のメタノール中に滴下した。生
成した沈殿物を吸引ろ過によりメタノールと分離回収し
た後真空乾燥機により60℃で24時間乾燥した。
【0065】次にポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末分
散液の作成工程として ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末(商品名:ダイフロン、ダイキン工業(株 )製 100重量部 ポリカーボネート樹脂 100重量部 前記の工程により精製されたフッ素系クシ型グラフトポリマー 4重量部 モノクロロベンゼン 600重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、ポリ3フ
ッ化塩化エチレン樹脂粉末分散液を作成した。
【0066】このポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末分
散液を用い実施例1とまったく同様に電荷輸送層用塗布
液を調整した。この液を実施例1と同様の電荷発生層塗
布済アルミニウムシリンダ上に浸漬塗布し、130℃で
60分乾燥した。電荷輸送層の膜厚は25μmであっ
た。
【0067】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を
測定し、結果を表1に示した。
【0068】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においても10000枚目においても画像欠陥のない
高品位の画像が得られた。
【0069】実施例4 ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末分散液の作成工程として ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末 100重量部 ポリカーボネート樹脂 100重量部 実施例1で精製されたフッ素系クシ型グラフトポリマー 8重量部 モノクロロベンゼン 600重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、ポリフッ
化ビニリデン樹脂粉末分散液を作成した。
【0070】このポリフッ化ビニリデン樹脂粉末分散液
を用い実施例1とまったく同様に電荷輸送層用塗布液を
調整した。この液を実施例1と同様の電荷発生層塗布済
アルミニウムシリンダ上に浸漬塗布し、130℃で60
分乾燥した。電荷輸送層の膜厚は20μmであった。
【0071】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を
測定し、結果を表1に示した。
【0072】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においても10000枚目においても画像欠陥のない
高品位の画像が得られた。
【0073】実施例5 実施例1と同じスチリル化合物 1200重量部 ポリカーボネート樹脂 1000重量部 を モノクロロベンゼン 5000重量部 ジクロロメタン 3000重量部 に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この液を実
施例1と同様の電荷発生層塗布済アルミニウムシリンダ
上にこの電荷輸送層用塗料を浸漬塗布し、130℃で4
0分乾燥した。電荷輸送層の膜厚は25μmであった。
【0074】次の4フッ化エチレン樹脂粉末分散液の作
成工程として 4フッ化エチレン樹脂粉末(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製 ) 50重量部 ポリカーボネート樹脂 120重量部 実施例1で精製されたフッ素系クシ型グラフトポリマー 4重量部 モノクロロベンゼン 500重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、4フッ化
エチレン樹脂粉末分散液を作成した。
【0075】さらに、この4フッ化エチレン粉末分散液
をこの電荷輸送層を塗布した感光体ドラム上にスプレー
塗布し、130℃で10分乾燥し保護層を設けた。保護
層の膜厚は4μmであった。
【0076】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においても10000枚目においても画像欠陥のない
高品位の画像が得られた。
【0077】比較例1 実施例1のフッ素系クシ型グラフトポリマーの精製工程
において加熱処理工程を行わず3回の再沈精製のみとし
たフッ素系クシ型グラフトポリマーを用いたほかは実施
例1とまったく同様にして電子写真感光体を作成した。
【0078】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を
測定し、結果を表1に示した。
【0079】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においては良好な画像が得れたが、10000枚目に
おいてはかぶりが生じ良好な画像は得られなかった。残
留電位の変化を測定した結果、初期に比べ高くなってい
た。
【0080】比較例2 実施例2のフッ素系クシ型グラフトポリマーの精製工程
において加熱処理工程を行わず2回の再沈精製のみとし
たフッ素系クシ型グラフトポリマーを用いたほかは実施
例2とまったく同様にして電子写真感光体を作成した。
【0081】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を
測定し、結果を表1に示した。
【0082】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においては良好な画像が得れたが、10000枚目に
おいてはかぶりが生じ良好な画像は得られなかった。残
留電位の変化を測定した結果、初期に比べ高くなってい
た。
【0083】比較例3 実施例3のフッ素系クシ型グラフトポリマーの精製工程
において加熱処理工程を行わず2回の再沈精製のみとし
たフッ素系クシ型グラフトポリマーを用いたほかは実施
例3とまったく同様にして電子写真感光体を作成した。
【0084】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を
測定し、結果を表1に示した。
【0085】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においては良好な画像が得れたが、10000枚目に
おいてはかぶりが生じ良好な画像は得られなかった。残
留電位の変化を測定した結果、初期に比べ高くなってい
た。
【0086】比較例4 実施例4のフッ素系クシ型グラフトポリマーの精製工程
において比較例1で用いた加熱処理工程を行わず3回の
再沈精製のみとしたフッ素系クシ型グラフトポリマーを
用いたほかは実施例4とまったく同様にして電子写真感
光体を作成した。
【0087】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を
測定し、結果を表1に示した。
【0088】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においては良好な画像が得れたが、10000枚目に
おいてはかぶりが生じ良好な画像は得られなかった。残
留電位の変化を測定した結果、初期に比べ高くなってい
た。
【0089】比較例5 実施例5のフッ素系クシ型グラフトポリマーの精製工程
において加熱処理工程を行わず3回の再沈精製のみとし
たフッ素系クシ型グラフトポリマーを用いたほかは実施
例5とまったく同様にして電子写真感光体を作成した。
【0090】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を
測定し、結果を表1に示した。
【0091】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においては良好な画像が得れたが、10000枚目に
おいてはかぶりが生じ良好な画像は得られなかった。残
留電位の変化を測定した結果、初期に比べ高くなってい
た。
【0092】比較例6 実施例1と同じスチリル化合物 1200重量部 ポリカーボネート樹脂 1014重量部 を モノクロロベンゼン 5000重量部 ジクロロメタン 3000重量部 に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この液を実
施例1と同様の電荷発生層塗布済アルミニウムシリンダ
上にこの電荷輸送層用塗料を浸漬塗布し、130℃で4
0分乾燥した。電荷輸送層の膜厚は25μmであった。
【0093】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
(株)製)にて帯電、露光及び強露光のプロセスを0.
5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を
測定し、結果を表1に示した。
【0094】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写及びクリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで
繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下
において10000枚連続して複写を行った。結果は初
期においては良好な画像が得れたが10000枚目にお
いては感度不足の上、かぶり、トナーの付着、及び感光
ドラムの傷が生じ良好な画像は得られなかった。感光体
ドラムを取り出して電荷輸送層の厚みを測定した結果、
9μmであった。
【0095】
【表1】
【0096】実施例1と比較例1、および比較例6、実
施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例4と比
較例4、実施例5と比較例5を比較すると表面層にフッ
素系樹脂粒子、及び加熱処理した後再沈精製したフッ素
系クシ型グラフトポリマーを含有させた電子写真感光体
は繰り返しの帯電、露光による残留電位の上昇が少な
く、帯電、露光、現像、転写及びクリーニングのプロセ
ス繰り返しに対しても電位が安定しているばかりでな
く、初期においても10000枚目においても画像欠陥
のない高品位の画像が得られた。一方、単なる再沈精製
のものは繰り返しの使用に対して残留電位の上昇が見ら
れ、画像かぶりが発生した。また、フッ素系樹脂粒子を
含まないものでは、感光体ドラムの摩耗が大きい、クリ
ーニング性が劣る、傷がつきやすいなどの問題が生じ画
像欠陥の原因となった。
【0097】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の電子
写真感光体は摩擦による表面の摩耗や傷に対して耐久性
を有し、また高湿下においても安定して高品位の画像が
形成できる。また、クリーニング性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【図2】電子写真装置をプリンターとして使用したファ
クシミリのブロック図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電手段 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金丸 哲郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 岸 淳一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−221355(JP,A) 特開 昭63−311356(JP,A) 特開 昭61−270768(JP,A) 特開 昭64−249152(JP,A) 特開 昭63−65450(JP,A) 特開 平4−346358(JP,A) 特開 昭61−95358(JP,A) 特開 昭63−278943(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/05,5/147

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光体の表面層が、フッ素系樹脂
    粒子、及び80〜200℃で加熱処理した後再沈精製し
    たフッ素系クシ型グラフトポリマーを含有することを特
    徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記フッ素系樹脂粒子が、4フッ化エチ
    レン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレ
    ンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデ
    ン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂、及びこれらの共
    重合体から選ばれる1種類または2種類以上の樹脂から
    なる請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層を
    有する請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記フッ素系クシ型グラフトポリマーが
    加熱処理前にも再沈精製されている請求項1ないし3の
    いずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の電
    子写真感光体を有することを特徴とする電子写真装置。
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