JPH07134435A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH07134435A
JPH07134435A JP28303693A JP28303693A JPH07134435A JP H07134435 A JPH07134435 A JP H07134435A JP 28303693 A JP28303693 A JP 28303693A JP 28303693 A JP28303693 A JP 28303693A JP H07134435 A JPH07134435 A JP H07134435A
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JP
Japan
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resin
fluorine
photosensitive member
electrophotographic photosensitive
supercritical fluid
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JP28303693A
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Takao Soma
孝夫 相馬
Hisao Maruyama
久夫 丸山
Hironori Uematsu
弘規 植松
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は摩擦による表面の摩耗や傷に
対して耐久性を有し、また高温高湿及び低温低湿下にお
いても安定した高品位の画像を形成できる電子写真感光
体を提供することである。 【構成】 本発明の電子写真感光体は該感光体の表面層
に超臨界流体により精製されたフッ素系樹脂粒子または
フッ素系クシ型グラフト重合樹脂を含有するものであ
る。 【効果】 本発明の電子写真感光体は摩擦による表面の
摩耗や傷に対して耐久性を有し、そして高温高湿及び低
温低湿下においても安定した高品位の画像を提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
詳しくは繰り返し使用による画質劣化の少ない耐久性に
優れた高感度の電子写真感光体に関する。
【0002】また、低温低湿下から高温高湿下に至る全
環境において安定した電位特性と画像が得られる電子写
真感光体に関する。
【0003】
【従来の技術】電子写真感光体は適用される電子写真プ
ロセスに応じた感度、電気特性、光学特性を備えている
ことが必要であるが、さらに繰り返し使用される感光体
にあっては表面層には、帯電、トナー現像、紙への転
写、クリーニングなどのプロセスにより電気的、機械的
外力が直接加えられるため、これらに対する耐久性が要
求される。具体的には摩擦による表面の摩耗、キズの発
生、また高湿下における表面の劣化等に対する耐久性が
要求される。またトナーによる現像、クリーニングの繰
り返しにより表面層へトナーが付着するという問題もあ
り、これに対しては表面層のクリーニング性の向上が求
められる。上記のような表面層に要求される特性を満た
すため種々の方法が検討されている。その中でフッ素系
樹脂粒子を分散させた樹脂層を表面に設ける手段は、あ
る程度効果的である。フッ素系樹脂粒子の分散により表
面層の摩擦係数が減少し、クリーニング性の向上、摩耗
やキズに対する耐久性が向上する作用がある。しかしな
がらフッ素系樹脂粒子の分散において、その分散性に問
題があり、均一で平滑な膜を形成することが困難であ
り、得られた表面層は画像ムラやピンホール等の画像欠
陥を有することが避けられなかった。また、分散性の良
好なバインダ樹脂、分散助剤等はほとんどの場合、その
使用は電子写真特性の劣化を生じており、効果的なもの
は見いだせなかった。分散助剤の例としてフッ素系クシ
型グラフト重合樹脂が挙げられるが、この場合、フッ素
系樹脂粒子の分散は良好となるが、高湿下における繰り
返し使用による画質劣化が生じるという問題が生じた。
すなわち、繰り返し使用により残留電位が上昇し、画像
かぶりを生じた。原因としては、フッ素系樹脂粒子に含
まれる界面活性剤や、フッ素系クシ型グラフト重合樹脂
及びフッ素系樹脂粒子に不純物として含まれる有機塩
類、モノマーと水分が作用して残留電位が上昇すること
にある。そのため、再沈、洗浄等の種々の精製方法が試
みられたが充分なものは得られていなかった。
【0004】また、感光層を電荷発生層と電荷輸送層に
機能分離した積層構造を有するものが提案されている。
この場合、一般に電荷発生層は極めて薄い層として、例
えば0.5μm程度で設けられているため、支持体表面
の欠陥、汚れ、付着物または傷などが電荷発生層の膜厚
を不均一とする原因となる。そして電荷発生層の膜厚が
不均一であると感光体に感度ムラを生じるので、電荷発
生層をできるだけ均一なものとすることが要求されてい
る。このようなことから電荷発生層と支持体との間にバ
リヤー層としての機能、接着層としての機能及び支持体
上の欠陥を被覆する機能を有する中間層を設けることが
提案されている。
【0005】この中間層に関しては、これまで感光層と
支持体との間に設ける層として、ポリアミド(特開昭4
6−47344号公報、特開昭52−25638号公
報)、ポリエステル(特開昭52−20836号公報、
特開昭54−26738号公報)、ポリウレタン(特開
昭49−10044号公報、特開昭53−89435号
公報)、カゼイン(特開昭55−103556号公
報)、ポリペプチド(特開昭53−48523号公
報)、ポリビニルアルコール(特開昭52−10024
0号公報)、ポリビニルピロリドン(特開昭48−30
936号公報)、酢酸ビニル−エチレン共重合体(特開
昭48−26141号公報)、無水マレイン酸エステル
重合体(特開昭52−10138号公報)、ポリビニル
ブチラール(特開昭57−90639号公報、特開昭5
8−106549号公報)、第四級アンモニウム塩含有
重合体(特開昭51−126149号公報、特開昭56
−60448号公報)、エチルセルロース(特開昭55
−143564号公報)などを用いることが知られてい
る。特にアルコール可溶性ナイロン樹脂は溶媒に可溶で
かつ成膜性に優れるため従来より実用化されている。
【0006】しかしながら、前述の材料を中間層として
用いた電子写真感光体では、材料中に含まれる不純物
(モノマー、オリゴマー、重合開始剤や重合停止剤な
ど)の残留成分などの存在により次のような問題を生じ
ることが多かった。温湿度変化により中間層の抵抗が変
化し、低温低湿下から高温高湿下の全環境に対して常に
安定した電位特性、画質を得るのが困難であった。例え
ば、中間層の抵抗が高くなる低温低湿下では感光体を繰
り返し使用した場合、中間層に電荷が残留するため明部
電位の残留電位が上昇し、コピーした画像にカブリを生
じたり、反転現象を行う電子写真方式のプリンターにこ
のような感光体を用いた場合には画像の濃度が薄くなっ
たりして、一定の画質を有するコピーが得られない問題
があった。また、高温高湿下になると中間層の低抵抗化
によりバリヤー機能が低下し、支持体側からのキャリア
ー注入が増え暗部電位が低下してしまう。このため、高
温高湿下ではコピーした画像の濃度が薄くなったり、反
転現象を行う電子写真方式のプリンターにこのような感
光体を用いた場合には、画像に黒点状の欠陥(黒ポ
チ)、及びカブリを生じ易くなるといった問題があっ
た。さらに不純物の種類によってはキャリアーがトラッ
プされ感度が低下するといった問題があった。それ故、
樹脂中の不純物を取り除くことが検討されている。
【0007】樹脂中の不純物を取り除く方法としては、
良溶媒に樹脂を溶解し貧溶媒中に滴下し樹脂を再沈殿さ
せる再沈法、または樹脂が溶解せずかつ不純物を溶出す
るような溶媒で洗浄する洗浄法がある。かかる再沈法に
おいては大量の溶媒を必要とするうえ良溶媒に溶解した
樹脂を貧溶媒中に滴下する際に沈殿した樹脂がからみつ
き洗浄が充分に行われず、不純物が残留したり、バッチ
内で純度が不均一になるという問題があった。一方従来
の洗浄法は溶媒中に樹脂を投入、分散し樹脂中の不純物
を溶出する樹脂の精製法であるが、従来はアルコール可
溶性ナイロン樹脂が不溶でかつ不純物のみを効率よく溶
出する適当な溶媒がなく良好な特性の中間層が安定して
得られなかった。
【0008】
【本発明の解決しようとする課題】本発明は前述の要求
に答える電子写真感光体を提供しようとするものであ
る。すなわち、本発明の解決しようとする課題は、表面
層の摩擦係数を減少させ、クリーニング性、及び摩耗や
キズに対する耐久性を有し、かつ繰り返しの電子写真プ
ロセスにおいて残留電位の上昇がなく、常に高品位の画
像が得られ、さらに、低温低湿下から高温高湿下に至る
全環境において安定した電位特性と画像が得られる電子
写真感光体を提供することにある。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明は、電子写真感
光体において、表面層に超臨界流体により精製されたフ
ッ素系樹脂粒子、及び/または超臨界流体により精製さ
れたフッ素系クシ型グラフト重合樹脂を含有させること
を特徴とする。また本発明は、中間層に超臨界流体より
精製された樹脂を含有することを特徴とする。
【0010】本発明の電子写真感光体は表面層に含有さ
れるフッ素系樹脂粒子またはフッ素系クシ型グラフト重
合樹脂の片方のみを超臨界流体精製したものを含有させ
た場合にも本発明の効果が得られるが、フッ素系樹脂粒
子、及びフッ素系クシ型グラフト重合樹脂の両方を超臨
界流体精製したものを含有させることにより更に高い効
果が得られる。また、中間層または表面層のどちらか一
方にのみの超臨界流体精製した樹脂を含有することによ
っても本発明の効果が得られるが、中間層及び表面層の
両方を超臨界流体精製した樹脂を含有させることにより
低温低湿から高温高湿までの全環境においてより高い効
果が得られる。
【0011】本発明で使用される超臨界流体の例として
は、二酸化炭素、ヘキサノン、N2O、NH3 、SF6
などの物質が上げられ、これらの物質をそれぞれ臨界温
度以上の温度でかつ、臨界圧力以上の圧力で用いる。例
えば二酸化炭素では温度31.1℃以上でかつ、圧力7
3.0気圧以上の条件で超臨界流体状態となる。超臨界
流体は気体と同様な性質として、拡散係数が大きくかつ
粘性が小さいため物質移動、濃度均衡が早く進行し、か
つ液体のように密度が高いため高い溶解度が得られ効率
の良い精製が可能となる。超臨界流体精製においては、
被精製物を超臨界流体に浸漬するだけでもよいが、精製
効率を高めるため超臨界流体を循環し超臨界流体が被精
製物の間を流れるようにしてもよい。
【0012】超臨界流体精製においては精製を速やかに
進めるため超臨界流体に適当な溶媒(エントレーナ)を
混合してもよい。
【0013】本発明のフッ素系樹脂粒子精製に用いる溶
媒(エントレーナ)としては、特に良好な例としては、
メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼンなどの
炭化水素類;クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類
などが挙げられる。本発明のフッ素系クシ型グラフト樹
脂精製に用いる溶媒(エントレーナ)としては、特に良
好な例としては、メタノール、エタノール、ブタノー
ル、イソプロピルアルコール、などのアルコール類;ノ
ルマルヘキサン、石油エーテル、シクロヘキサンなどの
炭化水素類;更に水などが挙げられる。本発明の中間層
用樹脂精製に用いる溶媒(エントレーナ)としては、特
に良好な例としては、メチルエチルケトン、アセトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;トルエ
ン、ベンゼンなどの炭化水素類;クロロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素類;ノルマルヘキサン、石油エーテ
ル、シクロヘキサンなどの炭化水素類;更に水などが挙
げられる。
【0014】本発明で使用される樹脂精製方法として
は、超臨界流体精製とその他の精製方法、例えば通常の
洗浄、再沈精製などと組み合わせることが可能である。
【0015】本発明で使用されるフッ素系クシ型グラフ
ト重合樹脂は、各分子鎖の片末端に重合性の官能基を有
する分子量が1000から10000程度の比較的低分
子量のオリゴマーからなるマクロモノマーとフッ素系重
合性モノマーを共重合して得られるものであり、フッ素
系重合体の幹にマクロモノマーの重合体が板状にぶらさ
がった構造を有している。マクロモノマーにはグラフト
重合樹脂を添加する樹脂に親和性のあるものが選択さ
れ、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステ
ルあるいはスチレン化合物等の重合体や共重合体等が用
いられる。
【0016】一方、フッ素系重合性モノマーとしては、
以下(1)〜(6)の様な側鎖にフッ素原子を有する重
合性モノマーの1種あるいは2種以上を用いることがで
きるが、何らこれに限定されるものではない。
【0017】
【化1】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】 〔式中R1 は水素原子またはメチル基を表わす。R2
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
ニトリル基を表し、その数種類の組み合せでも良い。n
は1以上の整数、mは1〜5の整数、kは1〜4の整数
を表わし、m+k=5である。〕。
【0022】フッ素系クシ型グラフト重合樹脂中におけ
るフッ素系モノマー残基の含量は、フッ素系クシ型グラ
フト重合樹脂中5〜90重量%が好ましく、10〜70
重量%がさらに好ましい。フッ素系モノマー残基の含量
が5重量%未満より少ないと、疎水化の改質効果は充分
に発揮できず、又、フッ素系モノマー残基の含量が90
重量%を超えるとマクロモノマーとの溶解性が悪くな
る。
【0023】本発明に用いるフッ素系クシ型グラフト重
合樹脂としては、アクリル酸エステル類;メタクリル酸
エステル、スチレン化合物より選ばれたマクロモノマー
及び、パーフルオロアルキルエチルメタクリレートより
グラフト共重合された樹脂が望ましいが特に、メチルメ
タクリレートを幹としパーフルオロアルキルエチルメタ
クリレートとグラフト共重合された樹脂が好ましい。樹
脂の分子量は適宜選択することができ特に制限されるも
のではない。
【0024】本発明に用いるフッ素系樹脂粒子群として
は、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹
脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹
脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹
脂及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上
を適宜選択するのが望ましいが、特に、四フッ化エチレ
ン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹脂の分子
量や粒子の粒径は、適宜選択することができ特に制限さ
れるものではない。
【0025】フッ素系グラフト重合樹脂の存在によりフ
ッ素系樹脂粒子群の分散性が向上し、また塗膜形成時の
凝集が防止されるので極めて均一で平滑なフッ素樹脂粒
子分散層が形成される。またフッ素系グラフト重合樹脂
は上述の如き構造を有しているので、樹脂層形成用のバ
インダー樹脂を含有する塗工液に対する相溶性が優れて
いるため、表面層上へ移行や浸み出しがない。更に、超
臨界流体精製によるフッ素系樹脂粒子及び/またはフッ
素系グラフト重合樹脂を用いることによりくり返しの電
子写真プロセスによる残留電荷の蓄積がなく、安定した
帯電特性が得られる。
【0026】分散されるフッ素系樹脂粒子群の含量は固
形分重量にもとずいて、1〜50%が適当であり、特に
5〜30%が好ましい。含量が1%未満ではフッ素系樹
脂粒子群の分散による改質効果が十分でなく、一方50
%を超えると光通過性が低下し、且つキャリアーの移動
性も低下する。またフッ素系グラフト重合樹脂の含量
は、固形分重量にもとずいて0.01〜10%が適当で
あり、特に0.02〜2%が好ましい。0.01%未満
ではフッ素系樹脂粒子群の分散性改良効果が十分ではな
く、一方10%を超えるとグラフト重合樹脂が塗膜表面
だけでなく、バルク中にも存在するようになるため樹脂
との相溶性の問題から、くり返し電子写真プロセスを行
ったときの残留電荷の蓄積が生じてくる。
【0027】樹脂層を形成するためのバインダー樹脂
は、成膜性のある高分子であればよいが、単独でもある
程度の硬さを有すること、キャリアー輸送を妨害しない
ことなどの点から、ポリメタクリル酸エステル、ポリカ
ーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリス
ルホンなどが好ましい。
【0028】本発明の電子写真感光体の表面層を作成す
るための塗布液の調合方法としては、バインダ樹脂、電
荷輸送剤等を溶媒と共にフッ素系樹脂粒子、フッ素系ク
シ型グラフト重合樹脂と同時に分散しても良い。また、
フッ素系樹脂粒子、フッ素クシ型グラフト重合樹脂、バ
インダ樹脂をあらかじめ分散して分散液を作成し、あら
かじめ分散した塗布液に混合しても良い。本発明に用い
る電子写真感光体用塗布液、またはフッ素系樹脂粒子分
散液の作成にあたっては単なる攪拌混合でも良いが必要
に応じて、ボールミル、ロールミル、サンドミル、など
の分散手段を用いることができる。本発明に用いる電子
写真感光体用塗布液、またはフッ素系樹脂粒子分散液の
作成に用いる溶媒としては塗布液中のバインダ樹脂、電
荷輸送剤に対する溶解性、顔料に対する分散性、塗布性
に対して良好なものを選定する。
【0029】中間層の材料としては、例えばゼラチン、
エチレン・アクリル酸コポリマー、ニトロセルロース樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の樹
脂が挙げられる。これらを適当な溶媒に溶解したものを
基体上に塗布する。特に良好な中間層材料の例として
は、可溶性ポリアミド樹脂、更にはアルコール可溶性ナ
イロン樹脂が挙げられる。可溶性ポリアミド樹脂の例と
しては、6,11,12,66,610などの成分を含
む共重合ナイロン樹脂;N−アルコキシメチル化、N−
アルキル化されたナイロン樹脂;芳香族成分を含むナイ
ロン樹脂などが挙げられる。
【0030】例えば下記に示すようなものである。 成分 アルコール可溶性 重量平均 備 考 例 ナイロン樹脂名 分子量 I) 6,66,610 組成比(重量比) 共重合ナイロン 180,000 6/66/610 =1/1/1 II) 6,12,66,610 組成比(重量比) 共重合ナイロン 140,000 6/12/66/610 =2/1/2/2 III) N−メトキシメチル化 メトキシメチル 6ナイロン 260,000 置換率 28mol% 上記の樹脂は洗浄を行う前に適当な大きさに粉細してお
くことが好ましい。
【0031】本発明の中間層は、可溶性ポリアミド樹脂
のみで構成されていても、必要に応じて二種類以上の可
溶性ポリアミドの混合、他の樹脂、添加剤を加えた系で
構成されていてもよい。ここで加える他の樹脂の例とし
ては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、フェ
ノール樹脂などが挙げられる。添加剤の例としては、シ
リコーン樹脂などの粉体類、界面活性剤、シリコーンレ
ベリング剤、シランカップリング剤、チタネートカップ
リング剤などが挙げられる。
【0032】このような中間層を有する電子写真感光体
の層構成を図1に示す。中間層2は感光層1と導電性支
持体3の間に設けられている。
【0033】本発明の中間層の膜厚は、電子写真特性及
び支持体上の欠陥を考慮して設定されるものであり、
0.1〜50μm、特には0.5〜5μmの範囲が好ま
しい。中間層の塗工は浸漬コーティング、スプレーコー
ティング、ロールコーティングなどの方法で行うことが
できる。また、本発明における可溶性ポリアミド樹脂を
含有する中間層は、導電性物質を含有することにより導
電性の中間層として用いてもよい。なお、この導電性の
中間層を設ける支持体は、支持体自体が導電性でなくて
もよい。さらに、バリヤー性のコントロールなどのため
中間層を多層化してもよい。
【0034】本発明で用いられる導電性基体の材質の例
としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属
またはこれらの合金;酸化アンチモン、酸化インジウ
ム、酸化スズなどの導電性金属酸化物;カーボンファイ
バ、カーボンブラック、グラファイト粉末と樹脂を混合
成型したものなどが挙げられる。
【0035】さらに、基体上の欠陥の被覆、基体の保護
のため基体上に導電層を設けることも可能である。例え
ばアルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉体;酸
化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズなどの導電性
金属酸化物;ポリピロール、ポリアニリン、高分子電解
質などの高分子導電材;カーボンファイバ、カーボンブ
ラック、グラファイト粉末;またはこれら導電性物質で
表面を被覆した導電性粉体などの導電性物質をアクリル
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂等の熱可塑性樹脂;ポリウレタン樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂;光硬化樹脂な
どの、バインダ樹脂に分散したもの、さらに必要に応じ
た添加剤を加えたもの、を基体上に塗布したものが挙げ
られる。
【0036】感光層は単一構造でも、電荷発生層と電荷
輸送層に機能分離した積層構造でも良い。
【0037】積層構造感光体の電荷発生層用材料として
は例えば、スダーンレッド、クロルダイアンブルーなど
のアゾ顔料、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニ
ンなどのフタロシアニン顔料、アントアンスロンなどの
キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料などの電荷発
生物質をアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルブベンザール樹脂
などの熱可塑性樹脂;ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂などのバインダ樹脂
に分散したものが挙げられ、適当な溶媒に分散し塗布し
たものが挙げられる。さらに必要に応じた添加剤を加え
ることも可能である。
【0038】電荷輸送層用材料としては例えば、ヒドラ
ゾン系化合物、スチベン系化合物、ピラゾリン系化合
物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリ
アリールメタン系化合物などの電荷輸送物質及びアクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリメタアクリレート樹脂などの熱可塑
性樹脂;ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂などの熱硬化樹脂などのバインダ樹脂をメタノー
ル、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール
などのアルコール類;メチルエチルケトン、アセトン、
メチルイソプロブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど
のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステ
ル類;ノルマルヘキサン、石油エーテル、トルエンなど
の炭化水素類;モノクロルベンゼン、ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭化水素など、その他適当な溶媒に分散
したもの、さらに必要に応じた添加剤を加えたものを塗
布したものが挙げられる。また、導電性ポリマーを挙げ
られる。
【0039】本発明で用いられる塗布方法としては、浸
漬塗布法、スプレイ塗布法、ロールコータ塗布法、グラ
ビアコータ塗布法などが適応できる。
【0040】本発明でいう、超臨界流体精製したフッ素
系樹脂粒子及び/またはフッ素系クシ型グラフト重合樹
脂は、感光体の表面層(直接トナー及び、現像装置、ク
リーニング装置等に接触する層)に含有させると有効で
ある。更に感光体が、単一層構造のものでは感光層に、
電荷発生層上に電荷輸送層を設けた機能分離した積層感
光体では電荷輸送層に、電荷輸送層上に電荷発生層を設
けさらにその上に導電層を設けたタイプの積層感光体で
は導電層に、また感光層上に保護層を設けた感光体では
保護層に超臨界流体精製したフッ素系樹脂粒子及び/ま
たはフッ素系クシ型グラフト重合樹脂を用いることが可
能である。
【0041】本発明の電子写真感光体は複写機、レーザ
ープリンタ、LEDプリンタ、液晶シャッタープリンタ
などの電子写真装置一般に用いる感光ドラムに適用でき
る。図2に本発明の電子写真感光体を用いた転写式電子
写真装置の概略構成例を示した。図において、4は像担
持体としての本発明のドラム型感光体であり軸4aを中
心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。該感光
体4はその回転過程で帯電手段5によりその周面に正ま
たは負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部6に
て不図示の像露光手段により光像露光L(スリット露光
・レーザービーム走査露光など)を受ける。これにより
感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成され
ていく。その静電潜像はついで現像手段7でトナー現像
されそのトナー現像像が転写手段8により不図示の給紙
部から感光体4と転写手段8との間に感光体4の回転と
同期取り出されて給紙された転写材Pの面に順次転写さ
れていく。像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離
されて像定着手段11へ導入されて像定着を受けて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。像転
写後の感光体4の表面はクリーニング手段9にて転写残
りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段
10により除電処理されて繰り返して像形成に使用され
る。
【0042】感光体4の均一帯電手段5としてはコロナ
帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置8
もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。電子写
真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング
手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニット
として一体に結合して構成し、このユニットを装置本体
に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、感光体4
とクリーニング手段9とを一体化してひとつの装置ユニ
ットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着
脱自在の構成にしても良い。このとき、上記の装置ユニ
ットの方に帯電手段及び/または現像手段を伴って構成
しても良い。光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光、あるいは原稿を読取り信号化し、この信号に基
いてレーザビームを走査したり、LEDアレイを駆動し
たり、または液晶シャッターアレイを駆動することなど
により行われる。
【0043】本発明の電子写真装置をファクシミリのプ
リンターとして使用する場合には、光像露光Lは受信デ
ータをプリンタするための露光になる。図3はこの場合
の1例をブロック図で示したものである。コントローラ
ー21は画像読取部20とプリンター29を制御する。
コントローラー21の全体はCPU27により制御され
ている。画像読取部20からの読取データは、送信回路
23を通して相手局に送信される。相手局から受けたデ
ータは受信回路22を通してプリンター29に送られ
る。画像メモリ26には所定の画像データが記憶され
る。プリンタコントローラー29はプリンター29を制
御している。24は電話である。回線25から受信され
た画像情報(回線を介して接続されたリモート端末から
の画像情報)は、受信回路22で復調された後、CPU
27で復号処理が行われ、順次画像メモリ26に格納さ
れる。そして、少なくとも1ページの画像情報がメモリ
26に格納されると、そのページの画像記録を行う。C
PU27は、メモリ26より1ページの画像情報を読み
出し、プリンタコントローラー28に復号化された1ペ
ージの画像情報を送出する。プリンタコントローラー2
8は、CPU27からの1ページの画像情報を受け取る
とそのページの画像情報記録を行うべく、プリンター2
9を制御する。尚、CPU27は、プリンター29によ
る記録中に、次のページの受信を行っている。以上の様
にして、画像の受信と記録が行われる。
【0044】超臨界流体精製装置の構成例を図4に示
す。ポンプ12に超臨界流体精製に用いる物質(ガス)
を満たし、弁(1)13を開いて高圧に圧縮された超臨
界流体を抽出管14に満たす。抽出管にはあらかじめ被
精製物、及び溶媒(エントレーナ)を入れておく。目的
とする温度で所定の時間抽出工程を行った後、弁(1)
15を開いて圧力を抜いてから被精製物を取り出す。
【0045】以下、具体的実施例を挙げて、本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ
れるものではない。
【0046】
【実施例】
(実施例1)導電層塗布工程として、 10%の酸化アンチモンを含有する酸化錫で被覆した導電性酸化チタン 2000重量部 フェノール樹脂 2500重量部 メチルセルソルブ 2000重量部 メタノール 500重量部 をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時
間分散して導電層用塗布液を調整した。次いでアルミニ
ウムシリンダ(φ30mm×360mm 肉厚3mm)
上に上記塗料を浸漬塗布した後、乾燥装置により160
℃で25分間乾燥した。導電層の膜厚は20μmであっ
た。
【0047】次に中間層塗布工程として、 再沈精製したNメトキシメチル化ナイロン6 1000重量部 6,12,66,610共重合ナイロン 250重量部 を メタノール 5000重量部 ブタノール 5000重量部 の混合液に溶解し、中間層用塗布液を調整した。前述の
導電層塗布済アルミニウムシリンダ上にさらに上記塗料
を浸漬塗布し、乾燥装置により95℃で7分間乾燥し
た。中間層の膜厚は0.50μmであった。
【0048】次に電荷発生層の塗布工程として、 下記構造式ジスアゾ顔料 400重量部
【0049】
【化7】 ポリビニルブチラール樹脂 200重量部 (ブチラール化率68%、平均分子量24000) シクロヘキサノン 5000重量部 をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で24
時間分散しさらに、 テトラヒドロフラン 5000重量部 を加え電荷発生層用塗布液を調整した。さらにこの液を
遠心分離機(7000rpm、30分間)でビーズか
す、ごみ等を取り除いた。次いで前述の中間層塗布済シ
リンダ上に上記電荷発生層用塗料を浸漬塗布し、85℃
で7分間乾燥した。電荷発生層の膜厚は0.15μmで
あった。
【0050】次にフッ素系クシ型グラフト重合樹脂の精
製工程としてフッ素系クシ型グラフト重合樹脂(商品名
GF−300、東亜合成(株)製)700重量部(固
形分25%)を100ml/minの滴下速度で700
0重量部のメタノール中に滴下した。生成した沈澱物を
吸引ろ過によりメタノールと分離回収した後真空乾燥機
により50℃で24時間乾燥した。
【0051】再沈精製されたこの沈澱物を次の条件で超
臨界流体により精製した。
【0052】 沈澱物 20 g 抽出溶媒 二酸化炭素 50 g 圧力 500 atm 温度 90 ℃ 抽出管容量 50 ml 抽出時間 45 分 精製した沈澱物を回収した後真空乾燥機により50℃で
8時間乾燥し超臨界流体精製フッ素系クシ型グラフト重
合樹脂を得た。
【0053】次にフッ素系樹脂粉末粒子の精製工程とし
て、4フッ化エチレン樹脂粉末(商品名:ルブロンL−
2、ダイキン工業製)を次の条件で超臨界流体により精
製した。
【0054】 4フッ化エチレン樹脂粉末 25 g 抽出溶媒 二酸化炭素 50 g MEK 2.5g 圧力 400 atm 温度 130 ℃ 抽出管容量 50 ml 抽出時間 30 分 精製した4フッ化エチレン樹脂粉末を回収した後真空乾
燥機により50℃で4時間乾燥し超臨界流体精製4フッ
化エチレン樹脂粉末を得た。
【0055】次に4フッ化エチレン樹脂粉末分散液の作
成工程として、 前記の工程により超臨界流体精製された4フッ化エチレン樹脂粉末 100重量部 ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学製) 100重量部 前記の工程により超臨界流体精製されたフッ素系クシ型グラフト重合樹脂 8重量部 モノクロロベンゼン 500重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、4フッ化
エチレン樹脂粉末分散液を作成した。
【0056】次に、 下記構造式のスチリル化合物 1200重量部
【0057】
【化8】 ポリカーボネート樹脂 800重量部 4フッ化エチレン樹脂粉末分散液 1500重量部 を モノクロロベンゼン 5000重量部 ジクロロメタン 3000重量部 の混合液に溶解混合し、電荷輸送層用塗布液を調整し
た。この液を前記電荷発生層塗布済アルミニウムシリン
ダ上に浸漬塗布し、130℃で40分乾燥した。電荷輸
送層の膜厚は25μmであった。
【0058】この電子写真感光体を35℃、80%の高
温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機製)
にて帯電、露光、強露光のプロセスを0.5秒サイクル
で10000回繰り返し残留電位(強露光後の表面電
位)の変化を測定した結果は表1に示した。
【0059】更にこの電子写真感光体を帯電、露光、現
像、転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクル
で繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿
下において10000枚連続して複写を行った。結果は
初期においても10000枚目においても画像欠陥のな
い高品位の画像が得られた。
【0060】(実施例2)4フッ化エチレン樹脂粉末分
散液の作成工程に用いる4フッ化エチレン樹脂粉末の精
製を超臨界流体精製に変えて、4フッ化エチレン樹脂粉
末に対して10倍重量のモノクロロベンゼンを加え10
分間超音波をかけた後、樹脂粉末を静置沈降させ上ずみ
のモノクロロベンゼンのみを捨てる操作を3回繰り返し
洗浄精製するのみとしたほかは実施例1とまったく同様
にして電子写真感光体を作成した。この電子写真感光体
を35℃、80%の高温高湿下において電子写真感光体
試験機(川口電機製)にて帯電、露光、強露光のプロセ
スを0.5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位
(強露光後の表面電位)の変化を測定した結果は表1に
示した。この電子写真感光体を帯電、露光、現像、転
写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰り
返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下にお
いて10000枚連続して複写を行った。結果は初期に
おいても10000枚目においても画像欠陥のない高品
位の画像が得られた。
【0061】(実施例3)4フッ化エチレン樹脂粉末分
散液の作成工程に用いるフッ素系クシ型グラフト重合樹
脂を超臨界流体精製工程を除く(再沈精製のみ)ものに
変更した以外実施例1と同様の工程により電子写真感光
体を作成した。この電子写真感光体を35℃、80%の
高温高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機
製)にて帯電、露光、強露光のプロセスを0.5秒サイ
クルで10000回繰り返し残留電位(強露光後の表面
電位)の変化を測定した結果は表2に示した。
【0062】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰
り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下に
おいて10000枚連続して複写を行った。結果は初期
においても10000枚目においても画像欠陥のない高
品位の画像が得られた。
【0063】(実施例4)フッ素系クシ型グラフト重合
樹脂の精製工程として、フッ素系クシ型グラフト重合樹
脂(商品名 LF−40、綜研化学(株)製)300重
量部を50ml/minの滴下速度で8000重量部の
メタノール中に滴下した。生成した沈澱物を吸引ろ過に
よりメタノールと分離した後、沈澱物を真空乾燥機によ
り60℃で24時間乾燥した。再沈精製されたこの沈澱
物を次の条件で超臨界流体により精製した。
【0064】 沈澱物 10 g 抽出溶媒 二酸化炭素 50 g メタノール 2.5g 圧力 400 atm 温度 60 ℃ 抽出管容量 50 ml 抽出時間 60 分 精製した沈澱物を回収した後真空乾燥機により50℃で
8時間乾燥し超臨界流体精製フッ素系クシ型グラフト重
合樹脂を得た。
【0065】次に4フッ化エチレン樹脂粉末分散液の作
成工程として、 4フッ化エチレン樹脂粉末 100重量部 (商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業製、実施例2の方法で3回洗浄) ポリカーボネート樹脂 100重量部 実施例4の工程により精製されたフッ素系クシ型グラフト重合樹脂 10重量部 モノクロロベンゼン 600重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、4フッ化
エチレン樹脂粉末分散液を作成した。
【0066】この4フッ化エチレン樹脂粉末分散液を用
い実施例1とまったく同様に電荷輸送層用塗布液を調整
した。この液を実施例1と同様の電荷発生層塗布済アル
ミニウムシリンダ上に浸漬塗布し、130℃で40分乾
燥した。電荷輸送層の膜厚は25μmであった。この電
子写真感光体を35℃、80%の高温高湿下において電
子写真感光体試験機(川口電機製)にて帯電、露光、強
露光のプロセスを0.5秒サイクルで10000回繰り
返し残留電位の変化を測定した結果は表2に示した。
【0067】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰
り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下に
おいて10000枚連続して複写を行った。結果は初期
においても10000枚目においても画像欠陥のない高
品位の画像が得られた。
【0068】(実施例5)フッ素系クシ型グラフト重合
樹脂の精製工程として、フッ素系クシ型グラフトポリマ
ー(商品名 GF−150、東亜合成(株)製)400
重量部を50ml/minの滴下速度で6000重量部
のメタノール中に滴下した。生成した沈澱物を吸引ろ過
によりメタノールと分離した後、沈澱物を真空乾燥機に
より60℃で24時間乾燥した。再沈精製されたこの沈
澱物を次の条件で超臨界流体により精製した。
【0069】 沈澱物 8 g 抽出溶媒 二酸化炭素 50 g メタノール 2.5g 圧力 340 atm 温度 100 ℃ 抽出管容量 50 ml 抽出時間 60 分 精製した沈澱物を回収した後真空乾燥機により50℃で
8時間乾燥し超臨界流体精製フッ素系クシ型グラフト重
合樹脂を得た。
【0070】次にポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末精
製工程として、ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末(商
品名:ダイフロン、ダイキン工業製)を次の条件で超臨
界流体により精製した。
【0071】 3フッ化塩化エチレン樹脂粉末 25 g 抽出溶媒 二酸化炭素 50 g 酢酸エチル 1.5g 圧力 400 atm 温度 150 ℃ 抽出管容量 50 ml 抽出時間 60 分 精製したポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末を回収した
後真空乾燥機により50℃で4時間乾燥し超臨界流体精
製ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末を得た。次にポリ
3フッ化塩化エチレン樹脂粉末作成工程として、 実施例5の工程により精製されたポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末 100重量部 ポリカーボネート樹脂 100重量部 実施例5の工程により精製されたフッ素系クシ型グラフト重合樹脂 4重量部 モノクロロベンゼン 600重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、ポリ3フ
ッ化塩化エチレン樹脂粉末分散液を作成した。
【0072】このポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末分
散液を用い実施例1とまったく同様に電荷輸送層用塗布
液を調整した。この液を実施例1と同様の電荷発生層塗
布済アルミニウムシリンダ上に浸漬塗布し、130℃で
60分乾燥した。電荷輸送層の膜厚は25μmであっ
た。この電子写真感光体を35℃、80%の高温高湿下
において電子写真感光体試験機(川口電機製)にて帯
電、露光、強露光のプロセスを0.5秒サイクルで10
000回繰り返し残留電位の変化を測定した結果は表1
に示した。
【0073】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰
り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下に
おいて10000枚連続して複写を行った。結果は初期
においても10000枚目においても画像欠陥のない高
品位の画像が得られた。
【0074】(実施例6)次にポリフッ化ビニリデン樹
脂粉末精製工程として、ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末
(商品名:ダイキン工業製)を次の条件で超臨界流体に
より精製した。
【0075】 ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末 15 g 抽出溶媒 二酸化炭素 50 g 酢酸エチル 2.5g 圧力 600 atm 温度 150 ℃ 抽出管容量 50 ml 抽出時間 30 分 精製したポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末を回収した
後真空乾燥機により50℃で4時間乾燥し超臨界流体精
製ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂粉末を得た。
【0076】ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末分散液の作
成工程として、 ポリフッ化ビニリデン樹脂粉末 100重量部 ポリカーボネート樹脂 100重量部 実施例1で精製されたフッ素系クシ型グラフトポリマー 8重量部 モノクロロベンゼン 600重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、ポリフッ
化ビニリデン樹脂粉末分散液を作成した。
【0077】このポリフッ化ビニリデン樹脂粉末分散液
を用い実施例1とまったく同様に電荷輸送層用塗布液を
調整した。この液を実施例1と同様の電荷発生層塗布済
アルミニウムシリンダ上に浸漬塗布し、130℃で60
分乾燥した。電荷輸送層の膜厚は20μmであった。こ
の電子写真感光体を35℃、80%の高温高湿下におい
て電子写真感光体試験機(川口電機製)にて帯電、露
光、強露光のプロセスを0.5秒サイクルで10000
回繰り返し残留電位の変化を測定した結果は表1に示し
た。
【0078】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰
り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下に
おいて10000枚連続して複写を行った。結果は初期
においても10000枚目においても画像欠陥のない高
品位の画像が得られた。
【0079】(実施例7) 実施例1と同様のスチリル化合物 1200重量部 ポリカーボネート樹脂 1000重量部 を モノクロロベンゼン 5000重量部 ジクロロメタン 3000重量部 の混合液に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。こ
の液を実施例1と同様の電荷発生層塗布済アルミニウム
シリンダ上にこの電荷輸送層用塗料を浸漬塗布し、13
0℃で40分乾燥した。電荷輸送層の膜厚は25μmで
あった。
【0080】次に4フッ化エチレン樹脂粉末分散液の作
成工程として、 4フッ化エチレン樹脂粉末(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業製、 実施例2の方法で3回洗浄精製) 50重量部 ポリカーボネート樹脂 120重量部 実施例1で精製されたフッ素系クシ型グラフト重合樹脂 4重量部 モノクロロベンゼン 500重量部 を十分に混合した後ガラスビーズを用いたサンドグライ
ンダー((株)アイメックス製)にて分散し、4フッ化
エチレン樹脂粉末分散液を作成した。さらに、この4フ
ッ化エチレン粉末分散液をこの電荷発生層を塗布した感
光体ドラム上にスプレー塗布し、130℃で10分乾燥
し保護層を設けた。保護層の膜厚は4μmであった。
【0081】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰
り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下に
おいて10000枚連続して複写を行った。結果を表1
に示した。結果は初期においても10000枚目におい
ても画像欠陥のない高品位の画像が得られた。
【0082】(比較例1)実施例1のフッ素系クシ型グ
ラフト重合樹脂を超臨界流体による精製処理工程を行わ
ず再沈精製のみとしたフッ素系クシ型グラフト重合樹脂
を用い、4フッ化エチレン粉末の精製は実施例2の方法
で3回洗浄精製したのみのほかは実施例1とまったく同
様にして電子写真感光体を作成した。この電子写真感光
体を35℃、80%の高温高湿下において電子写真感光
体試験機(川口電機製)にて帯電、露光、強露光のプロ
セスを0.5秒サイクルで10000回繰り返し残留電
位の変化を測定した結果は表2に示した。この電子写真
感光体を帯電、露光、現像、転写、クリーニングのプロ
セスを0.5秒サイクルで繰り返す複写機に取りつけ3
5℃、80%の高温高湿下において10000枚連続し
て複写を行った。結果は初期においては良好な画像が得
られたが10000枚目においてはかぶりが生じ良好な
画像は得られなかった。残留電位の変化を測定した結
果、初期に比べ高くなっていた。
【0083】(比較例2)実施例4のフッ素系クシ型グ
ラフト重合樹脂の精製工程において超臨界流体精製処理
を行わず再沈精製のみとしたフッ素系クシ型グラフト重
合樹脂を用いたほかは実施例4とまったく同様にして電
子写真感光体を作成した。この電子写真感光体を35
℃、80%の高温高湿下において電子写真感光体試験機
(川口電機製)にて帯電、露光、強露光のプロセスを
0.5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変
化を測定した結果は表2に示した。この電子写真感光体
を帯電、露光、現像、転写、クリーニングのプロセスを
0.5秒サイクルで繰り返す複写機に取りつけ35℃、
80%の高温高湿下において10000枚連続して複写
を行った。結果は初期においては良好な画像が得られた
が10000枚目においてはかぶりが生じ良好な画像は
得られなかった。残留電位の変化を測定した結果、初期
に比べ高くなっていた。
【0084】(比較例3)実施例5のフッ素系クシ型グ
ラフト重合樹脂の精製工程において超臨界精製処理工程
を行わず2回の再沈精製のみとしたフッ素系クシ型グラ
フトポリマーを用い、ポリ3フッ化塩化エチレン粉末の
精製は実施例2と同様の方法で3回洗浄精製したのみの
ほかは実施例5とまったく同様にして電子写真感光体を
作成した。この電子写真感光体を35℃、80%の高温
高湿下において電子写真感光体試験機(川口電機製)に
て帯電、露光、強露光のプロセスを0.5秒サイクルで
10000回繰り返し残留電位の変化を測定した結果は
表1に示した。この電子写真感光体を帯電、露光、現
像、転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクル
で繰り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿
下において10000枚連続して複写を行った。結果は
初期においては良好な画像が得られたが10000枚目
においてはかぶりが生じ良好な画像は得られなかった。
残留電位の変化を測定した結果、初期に比べ高くなって
いた。
【0085】(比較例4)実施例6のフッ素系クシ型グ
ラフト重合樹脂の精製工程において超臨界精製処理工程
を行わず2回の再沈精製のみとしたフッ素系クシ型グラ
フト重合樹脂を用い、ポリフッ化ビニリデン粉末の精製
は10倍量モノクロロベンゼンで3回洗浄したのみのほ
かは実施例6とまったく同様にして電子写真感光体を作
成した。この電子写真感光体を35℃、80%の高温高
湿下において電子写真感光体試験機(川口電機製)にて
帯電、露光、強露光のプロセスを0.5秒サイクルで1
0000回繰り返し残留電位の変化を測定した結果は表
1に示した。この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰
り返す複写機に取りつけ35℃、80%の高温高湿下に
おいて10000枚連続して複写を行った。結果は初期
においては良好な画像が得られたが10000枚目にお
いてはかぶりが生じ良好な画像は得られなかった。残留
電位の変化を測定した結果、初期に比べ高くなってい
た。
【0086】(比較例5)実施例7のフッ素系クシ型グ
ラフト重合樹脂を超臨界流体による精製処理工程を行わ
ず再沈精製のみとしたフッ素系クシ型グラフト重合樹脂
を用い、4フッ化エチレン粉末の精製は実施例2の方法
で3回洗浄したのみのほかは実施例7とまったく同様に
して電子写真感光体を作成した。この電子写真感光体を
35℃、80%の高温高湿下において電子写真感光体試
験機(川口電機製)にて帯電、露光、強露光のプロセス
を0.5秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の
変化を測定した結果は表2に示した。この電子写真感光
体を帯電、露光、現像、転写、クリーニングのプロセス
を0.5秒サイクルで繰り返す複写機に取りつけ35
℃、80%の高温高湿下において10000枚連続して
複写を行った。結果は初期においては良好な画像が得ら
れたが10000枚目においてはかぶりが生じ良好な画
像は得られなかった。残留電位の変化を測定した結果、
初期に比べ高くなっていた。
【0087】(実施例8)中間層用樹脂の精製工程の実
施例としてNメトキシメチル化ナイロン6を次の条件で
超臨界流体により精製した。
【0088】 Nメトキシメチル化ナイロン6 8 g 抽出溶媒 二酸化炭素 50 g 圧力 550 atm 温度 100 ℃ 抽出管容量 50 ml 抽出時間 20 分 精製した沈澱物を回収した後真空乾燥機により50℃で
8時間乾燥し超臨界流体精製Nメトキシメチル化ナイロ
ン6樹脂を得た。
【0089】次に中間層塗料の作成工程として、 上記超臨界流体精製Nメトキシメチル化ナイロン6 1000重量部 メタノール 5000重量部 ブタノール 5000重量部 の混合液に溶解し、中間層用塗布液を調整した。実施例
1の導電層塗布済アルミニウムシリンダ上にさらに上記
塗料を浸漬塗布し、乾燥装置により95℃で7分間乾燥
した。中間層の膜厚は0.50μmであった。上記中間
層塗布済シリンダ上に実施例1と同様の方法により電荷
発生層、電荷輸送層を浸漬塗布した。電荷輸送層の膜厚
は25μmであった。この電子写真感光体を15℃、2
0%の低温低湿下及び35℃、80%の高温高湿下にお
いて電子写真感光体試験機(川口電機製)にて帯電、露
光、強露光のプロセスを0.5秒サイクルで10000
回繰り返し残留電位の変化を測定した結果は表1及び表
2に示した。この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰
り返す複写機に取りつけ15℃、20%の低温低湿下、
及び35℃、80%の高温高湿下において10000枚
連続して複写を行った。結果は初期においても1000
0枚目においても画像欠陥のない高品位の画像が得られ
た。
【0090】(実施例9)中間層用樹脂の精製工程の実
施例として6,12,66,610共重合ナイロンを次
の条件で超臨界流体により精製した。
【0091】 6,12,66,610共重合ナイロン 10 g 抽出溶媒 二酸化炭素 50 g MEK 2 g 圧力 550 atm 温度 100 ℃ 抽出管容量 50 ml 抽出時間 20 分 精製した沈澱物を回収した後真空乾燥機により50℃で
8時間乾燥し超臨界流体精製6,12,66,610共
重合ナイロンを得た。
【0092】次に中間層塗料の作成工程として、 上記超臨界流体精製6,12,66,610共重合ナイロン 1000重量部 を メタノール 5000重量部 ブタノール 5000重量部 の混合液に溶解し、中間層用塗布液を調整した。実施例
1の導電層塗布済アルミニウムシリンダ上にさらに上記
塗料を浸漬塗布し、乾燥装置により95℃で7分間乾燥
した。中間層の膜厚は0.50μmであった。上記中間
層塗布済シリンダ上に実施例1と同様の方法により電荷
発生層、電荷輸送層を浸漬塗布した。電荷輸送層の膜厚
は25μmであった。この電子写真感光体を15℃、2
0%の低温低湿下及び35℃、80%の高温高湿下にお
いて電子写真感光体試験機(川口電機製)にて帯電、露
光、強露光のプロセスを0.5秒サイクルで10000
回繰り返し残留電位の変化を測定した結果は表1及び表
2に示した。
【0093】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰
り返す複写機に取りつけ15℃、20%の低温低湿下、
及び35℃、80%の高温高湿下において10000枚
連続して複写を行った。結果は初期においても1000
0枚目においても画像欠陥のない高品位の画像が得られ
た。
【0094】(比較例6)中間層の樹脂としてN−メト
キシメチル化ナイロン6 100重量部をメタノール3
000重量部に溶解し、50000重量部のMEKに滴
下して再沈精製Nメトキシメチル化ナイロン6樹脂を作
成し、超臨界流体精製Nメトキシメチル化ナイロン6に
変えて用いたほかは実施例8とまったく同様にして電子
写真感光体を作成した。この電子写真感光体を15℃、
20%の低温低湿下において電子写真感光体試験機(川
口電機製)にて帯電、露光、強露光のプロセスを0.5
秒サイクルで10000回繰り返し残留電位の変化を測
定した結果は表2に示した。この電子写真感光体を帯
電、露光、現像、転写、クリーニングのプロセスを0.
5秒サイクルで繰り返す複写機に取りつけ15℃、20
%の低温低湿下において10000枚連続して複写を行
った。結果は初期においては良好な画像が得られたが1
0000枚目においてはかぶりが生じ良好な画像は得ら
れなかった。残留電位の変化を測定した結果、初期に比
べ高くなっていた。
【0095】(比較例7)中間層の樹脂として6,1
2,66,610共重合ナイロン6 100重量部をメ
タノール500重量部、MEK1000重量部の混合溶
媒に24時間浸漬して洗浄抽出精製したものを用いたほ
かは実施例9とまったく同様にして電子写真感光体を作
成した。この電子写真感光体を15℃、20%の低温低
湿下において電子写真感光体試験機(川口電機製)にて
帯電、露光、強露光のプロセスを0.5秒サイクルで1
0000回繰り返し残留電位の変化を測定した結果は表
2に示した。
【0096】この電子写真感光体を帯電、露光、現像、
転写、クリーニングのプロセスを0.5秒サイクルで繰
り返す複写機に取りつけ15℃、20%の低温低湿下に
おいて10000枚連続して複写を行った。結果は初期
においては良好な画像が得られたが10000枚目にお
いてはかぶりが生じ良好な画像は得られなかった。残留
電位の変化を測定した結果、初期に比べ高くなってい
た。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】実施例2,3と比較例1:実施例4と比較
例2、実施例5と比較例3、実施例6と比較例4、実施
例7と比較例5を比較すると、表面層に超臨界流体精製
したフッ素系樹脂粒子、または超臨界流体精製したフッ
素系クシ型グラフト重合樹脂を含有させることを特徴と
する電子写真感光体は繰り返しの帯電、露光による残留
電位の上昇が少なく、帯電、露光、現像、転写、クリー
ニングのプロセス繰り返しに対しても電位が安定してい
るばかりでなく、初期においても10000枚目におい
ても画像欠陥のない高品位の画像が得られた。一方、単
なる再沈精製のものは繰り返しの使用に対して残留電位
の上昇が見られる画像かぶりが発生した。
【0100】実施例2,3と実施例1を比較すると、フ
ッ素系樹脂粒子、及びフッ素系クシ型グラフト重合樹脂
の両方を超臨界流体精製することにより更に、良好な特
性が得られた。
【0101】実施例8と比較例6、実施例9と比較例7
を比較すると、中間層に超臨界流体精製した樹脂を含有
することを特徴とする電子写真感光体は低温低湿環境に
おいても繰り返しの帯電、露光による残留電位の上昇が
少なく、帯電、露光、現像、転写、クリーニングのプロ
セス繰り返しに対しても電位が安定しているばかりでな
く、初期においても10000枚目においても画像欠陥
のない高品位の画像が得られた。一方、単なる再沈精
製、洗浄精製のものは繰り返しの使用に対して残留電位
の上昇が見られ、画像かぶりが発生した。
【0102】中間層及び表面層の両方に超臨界流体精製
した樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体は
低温低湿から高温高湿までの全環境においても、繰り返
しの帯電、露光による残留電位の上昇が少なく、帯電、
露光、現像、転写、クリーニングのプロセス繰り返しに
対しても電位が安定しているばかりでなく、初期におい
ても10000枚目においても画像欠陥のない高品位の
画像が得られた。
【0103】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は摩擦による表
面の摩耗や傷に対して耐久性を有し、また高温高湿及び
低温低湿環境においても安定して高品位の画像が形成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は中間層を有する電子写真感光体の層構成
である。
【図2】本発明の電子写真感光体を用いた電子写真画像
形成装置の概略構成図である。
【図3】電子写真画像形成装置をプリンターとして使用
したファクシミリのブロック図である。
【図4】図4は超臨界流体精製装置の構成例の概略構成
図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 中間層 3 支持体 4 ドラム型感光体 5 帯電手段 6 露光部 7 現像手段 8 転写手段 9 クリーニンング手段 10 前露光手段 11 像定着手段 12 ポンプ 13 弁(1) 14 抽出管 15 弁(2)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面層にフッ素系樹脂粒子、及びフッ素
    系クシ型グラフト重合樹脂を含有する電子写真感光体に
    おいて、超臨界流体により精製されたフッ素系樹脂粒
    子、及び/またはフッ素系クシ型グラフト樹脂を含有す
    ることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記電子写真感光体において、超臨界流
    体により精製されたフッ素系クシ型グラフト重合樹脂
    が、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル、ス
    チレン化合物より選ばれたマクロモノマー及び、パーフ
    ルオロアルキルエチルメタクリレートよりグラフト共重
    合された樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の
    電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記電子写真感光体において、超臨界流
    体により精製されたフッ素系樹脂粒子が、4フッ化エチ
    レン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレ
    ンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデ
    ン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂、及びこれら共重
    合体から選ばれる樹脂からなることを特徴とする請求項
    1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記電子写真感光体において感光層の構
    成が電荷発生層と電荷輸送層の積層構造を有することを
    特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 導電性基体上に中間層、及び感光層を有
    する電子写真感光体において、中間層に超臨界流体によ
    り精製された樹脂を含有することを特徴とする電子写真
    感光体。
  6. 【請求項6】 前記電子写真感光体において、中間層に
    含有する樹脂が超臨界流体により精製された可溶性ポリ
    アミド樹脂であることを特徴とする請求項5記載の電子
    写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6記載の電子写真感光体を
    有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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